JP2016074965A - 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 - Google Patents
高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016074965A JP2016074965A JP2014207741A JP2014207741A JP2016074965A JP 2016074965 A JP2016074965 A JP 2016074965A JP 2014207741 A JP2014207741 A JP 2014207741A JP 2014207741 A JP2014207741 A JP 2014207741A JP 2016074965 A JP2016074965 A JP 2016074965A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel sheet
- phase
- rolled steel
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
Description
FTx=850−200C−5Mn+40(Al+Si)・・・(式(1))
(式(1)中、C、Mn、Al、Siは、各組成の含有量(質量%)を示す。)
なお、本発明において、高強度冷延鋼板とは、引張強度;390MPa以上780MPa未満の鋼板のことを指す。また、高強度めっき鋼板とは、高強度冷延鋼板にめっき処理を施したものであり、主に溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)のことを指す。
まず、本発明に係る高強度冷延鋼板の成分組成について説明する。なお、以下において成分量の%表示は、特にことわらない限り質量%を意味する。
C(炭素)は、廉価、且つ、非常に強力なオーステナイト安定化元素であり、第二相の体積分率を所定量生成させ、さらに室温までオーステナイトを残留させる上で極めて重要な元素である。Cは、後述する熱処理過程において、フェライト(ベイニティックフェライトを含む。)からオーステナイトへと分配し、オーステナイトを安定化させる。Cが0.060%未満では、Cが高濃度に濃化した残留オーステナイトは十分に生成できない。C量が多いほど残留オーステナイトの生成量及び安定度は増加するが、C量が0.250%を超えると第二相分率が増えすぎて延性が低下するとともにYSが増大する。さらに溶接性が劣化する。従って、Cの含有量は0.060%以上0.250%以下とする。より高い延性を備えた鋼板を得るためには、Cの含有量を0.070%以上とすることが好ましく、0.080%以上とすることがより好ましい。また、引張強度(TS)を抑制し、全伸び(El)の絶対値を上げる観点からは、0.180%未満とすることが好ましく、0.150%未満とすることがより好ましい。
Si(ケイ素)は、オーステナイトからの炭化物析出を抑制するため、オーステナイトのC濃化を促進するには非常に有効な元素である。しかしながら、Siは非常に高い固溶強化能を有するため、多量に含有すれば低降伏比(低YR)を維持することが困難になる。また、Siは、酸素との親和性が高いために鋼板表面に酸化皮膜を形成しやすく、微量でも熱延時のスケール残りや連続溶融亜鉛めっき時の酸化皮膜形成による不めっき、あるいは化成処理時の化成不良を生じさせる。従って、Siの含有量は、できるだけ少なくすることが望ましく、0.50%未満とする。めっき品質や化成処理性を向上する観点から、Siの含有量は、0.20%未満が好ましく、0.10%未満がより好ましい。特に優れためっき品質を得るには、Siの含有量は0.03%未満とすることが好ましい。
Mn(マンガン)は、オーステナイトがパーライトやベイナイトへ変態するのを抑制するために非常に重要な元素である。Mnの含有量が0.80%未満では、焼鈍後の冷却時に、オーステナイトからパーライトやベイナイトへ変態するため、Cが濃化した安定な残留オーステナイトが確保できない。一方、Mnの含有量が2.00%以上になると、焼鈍後の冷却過程におけるオーステナイトのフェライト変態やベイナイト変態が過剰に抑制された結果、マルテンサイト分率が著しく増大し、降伏強度(YS)の上昇と全伸び(El)の低下をまねく。従って、Mnの含有量は、0.80%以上2.00%未満とする。好ましくは1.70%未満、より好ましくは1.60%未満とする。
P(リン)は、Bと同様に微量の添加でもフェライト変態やパーライト変態を抑制する効果がある。Pの含有量を0.001%以上とすることで、この効果が得られる。ただし、Pは非常に強い固溶強化元素であり、過剰に含有すると必要以上に強度が上昇する。また、Pは、合金化の遅延によるめっきムラや偏析による表面欠陥の発生を招く。従って、Pの含有量は、0.050%以下とし、0.030%以下とすることが好ましい。
S(硫黄)は一次スケールの剥離性を向上し、鋼板の最終的なめっき外観品質を向上させる効果がある。このような効果を得るためには、Sを0.001%以上含有させることが好ましい。しかしながら、Sを多量に含有すると、鋼の熱間延性を低下し、熱間圧延時に鋼板表面に割れが発生することで表面品質を劣化する。さらには、Sは、粗大なMnSを形成して破壊の基点となるため、鋼板の延性を低下させる欠点がある。このため、Sの含有量は0.020%以下とする。
Al(アルミニウム)は、オーステナイト中の炭化物析出を抑制する効果を有し、Siより固溶強化能が小さいことから、オーステナイトのC濃度を増加させるために非常に有効な元素である。また、Alは、強力なフェライト安定化元素であるため、Ae3線を高C側へ遷移し、フェライトと共存するオーステナイトのC濃度を高濃度化できるので焼鈍中のオーステナイトの安定度がさらに増加する効果に加えて、後述するフェライト温度域での圧延を実施する際の上限温度FTx℃をより高温化でき、熱間圧延負荷を低減する効果がある。上述のAlの効果を有効に発揮するためには、Alの含有量は0.50%以上とする。また、Alの含有量は0.60%以上とすることが好ましく、0.80%以上とすることがより好ましい。一方、Alは積極的に含有させることが好ましいが、含有量が2.00%を超えると、鋼板表面に酸化層を形成し、めっき性や化成処理性を著しく劣化する。さらに、Alはスラブ鋳造時にNと結合してAlN介在物を形成し鋳造性が低下する。また、高温まで二相域が拡大するためフェライトバンド組織が形成されやすくなり、不均一な組織を形成して延性が劣化する。従って、Alの含有量は2.00%以下とする。また、めっき性や化成処理性の劣化、鋳造性の低下および延性の劣化をより確実に回避する観点で、Alの含有量は1.80%以下とすることが好ましい。
N(窒素)は鋼中のAlと微細なAlNを形成しフェライト組織の粒成長性を低下させるため、組織が高強度化する。また、多量のAlNが析出すると熱間延性が急激に低下するため連続鋳造での製造安定性を著しく損なう。従って、Nはできる限り低く抑えられるべき元素であり、そのような観点からNの含有量は、0.0050%未満とすることが好ましく、0.0040%未満とすることがより好ましく、0.0035%未満とすることがさらに好ましい。
B(ホウ素)は、任意成分である。Bは極微量含有していても、昇温後の冷却時に生じるパーライト変態を抑制する効果があるため、MnやPその他の元素の含有量を上述した範囲内で抑制しつつ、Bを含有して良い。しかしながら、Bを過剰に含有していても、Bの炭化物析出を促進しオーステナイトの安定性を低下させる場合があるだけでなく、熱間変形抵抗を増大させ熱間圧延が困難になる場合もある。このため、Bの含有量は0.00050%以下(0%を含む)とする。
Cr(クロム)は、任意成分である。しかし、Crは固溶強化が小さく、冷却時のパーライト変態を抑制する効果は大きい。この効果を得るためには、Crは0.1%以上含有することが好ましい。一方、過剰にCrを含有することはコストを増大させるだけでなく、フェライト/ベイナイト変態を著しく遅延し、残留オーステナイトが得にくくなる。また、鋼板同士が接触する部位においては耐食性を劣化させる。従って、Crの含有量は1.00%以下(0%を含む)とする。
Ni(ニッケル)は、任意成分であるが、オーステナイト安定化元素であるためパーライト変態を抑制することができる。この効果を得るために、0.05%以上含有することが好ましい。但し、Niを多量に含有すると合金コストが増大する。従って、Niを含有する場合には、その含有量は0.50%以下とすることが好ましい。合金コストの抑制の観点では、Niの含有量は0.20%以下であることがより好ましい。
Cu(銅)及びMo(モリブデン)は、任意成分であるが、オーステナイト安定化元素なのでパーライト変態を抑制することができる。この効果を得るために、Cu及びMoのそれぞれを0.02%以上含有することができる。また、SiやAlほどではないが、Cu及びMoはセメンタイトの生成を抑制する効果も期待される。しかしながら、いずれも高価な元素であるため合金コストを著しく増大させる。さらに、固溶強化や鋼の組織を微細化することによって鋼板の強度を上昇させるため、多量に含有させることは好ましくない。従って、Cu、Moを含有する場合には、これらの含有量はそれぞれ0.10%以下とし、0.05%未満とすることが好ましい。
Ti(チタン)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)はいずれも任意成分であるが、Nとの親和性が強く、鋼中のNを金属窒化物として固定する効果があり、AlNの析出量を低減することができる。従って、これらの元素は、微細なAlN析出に伴うフェライト組織の粒成長の抑制や熱間延性の低下を抑制する効果がある。Ti、Nb、VによるN固定の効果を得るには、これらの元素を0.002%以上含有することが好ましい。但し、いずれも高価な元素であるため多量に含有すれば大幅なコスト増加となり、また、焼鈍時に微細な炭化物を析出しやすいため鋼板の強度を増加させる。そのため、Ti、Nb、Vの含有量は、それぞれ順に、0.100%以下、0.10%以下、0.10%以下とすることが好ましい。特に延性を向上する目的に対しては、それぞれ0.02%以下とすることが好ましい。
Sb(アンチモン)及びSn(スズ)は、任意成分であるが、微量含有することで鋼板表面における酸化や窒化を抑制できるため、それらに起因する表面欠陥を低減する効果がある。そのため、必要に応じてそれぞれ0.004%以上含有することができる。但し、多量に含有させると強度の上昇と靭性の劣化、及びコストの増大を招く。そのため、Sb、Snを含有する場合には、これらの含有量はそれぞれ0.02%以下とする。
Ca(カルシウム)及びREM(希土類金属)は、任意成分であるが、Sとの親和性が強いため、鋼中Sを固定し、また熱延及び冷延によって鋼中で進展して破壊の起点となるS介在物の形態を制御することができる。この効果を得るために、Ca、REMのそれぞれを0.002%以上含有することができる。しかしながら、これらは0.01%を超えて含有しても効果は飽和する。このため、Ca、REMを含有する場合には、これらの含有量はそれぞれ0.01%以下とする。
本発明に係る高強度冷延鋼板は、上記成分組成を有した上で、さらに、フェライトを主相として、第二相体積分率が3体積%以上50体積%以下であり、第二相としては体積分率1体積%以上15体積%以下のマルテンサイト、体積分率2体積%以上49体積%以下の残留オーステナイト、L断面における第二相の長軸方向の圧延方向に対する角度の平均が45°未満であることを特徴とする。これにより、優れた延性と低い降伏比を両立し、降伏点伸びの無い鋼板が得られる。以下、本発明に係る高強度冷延鋼板の組織について説明する。
第二相の体積分率が合計で50%を超えると、引張強度(TS)と降伏強度(YS)が著しく増加し延性が大きく低下する。そのため、第二相の体積分率は、50%以下とし、30%以下とすることが好ましい。引張強度(TS)を十分低減し延性の絶対値を向上する観点から、第二相の体積分率は、20%以下とすることがより好ましい。また、第二相の体積分率は、15%以下とすることが更に好ましい。一方、第二相の体積分率が3%未満であると、TRIP効果による延性向上効果や第二相による低降伏比化の効果が得られないため、第二相の体積分率は3%以上とする。なお、本発明に係る鋼板は、体積分率:100%−(第二相の体積分率)%以上のフェライトを有する。
本発明に係る鋼板では、降伏強度(YS)を低減し降伏点伸び(YP−El)の発生を抑制するため、適切にCを濃化させた硬質なマルテンサイトをフェライト中に適切に分散させることが重要である。降伏強度(YS)を低減し降伏点伸び(YP−El)の発生を抑制するためには少なくとも1%以上のマルテンサイトが必要で、2%以上のマルテンサイトを含有することが好ましい。しかしながら、マルテンサイトが過剰に存在すると鋼板の高強度化を招くため、マルテンサイトの体積分率は15%以下に抑える必要がある。
本発明に係る鋼板においては、残留オーステナイトは降伏強度(YS)の上昇を抑えつつ延性を向上させるために効果的に作用していると考えられる。すなわち、第二相の多くが残留オーステナイトとなることで第二相中のマルテンサイトの比率が低減するため、初期の降伏強度上昇に寄与しない第二相が増加し、降伏比(YR)を低減する効果がある。一方で、TRIP効果によって降伏以降の加工硬化は著しく増大するため、高い均一伸び(U.El)、全伸び(El)、及び低い降伏比(低YR)を得ることができる。これらの効果を得るためには、残留オーステナイトを少なくとも2%以上含有する必要がある。さらに優れた均一伸び(U.El)を得るためには、残留オーステナイトの体積分率は3%以上であることが好ましく、4%以上であることがより好ましく、特に延性を向上する観点では5%以上であることがさらに好ましい。
本発明に係る鋼板では、第二相中に微量のベイナイトが生成しても延性に著しい劣化は生じない。しかし、過剰なベイナイトはオーステナイト中のC濃化量を低減させ延性の向上を阻害する場合がある。さらに、ベイナイトは硬質なため、生成量が増加すると降伏比(YR)を増加させるため少ないほうが好ましい。従って、ベイナイトの体積分率は5%以下に抑えることが好ましい。
パーライトは、Cが濃化した第二相から生成することでCを消費してしまうので、残留オーステナイトの安定性を低下して延性を低減させるため、極力生成しないことが好ましい。パーライトを生成する場合には、第二相中の10%未満であることが好ましい。パーライトの体積分率は5%未満、より好ましくは2%未満、さらに好ましくは1%未満に抑える。
パーライト及びベイナイトといった炭化物の析出を伴った第二相が生成すると、マルテンサイトや残留オーステナイトのC濃化量が低減する。そのため、硬質なマルテンサイトが減少し降伏比(YR)の増加や降伏点伸び(YP−El)の発生、均一伸び(U.El)の低下を招く。加えて、残留オーステナイトの安定性も低下するため、均一伸び(U.El)や全伸び(El)の低下を招く。従って、炭化物の析出を伴った相の体積分率は、第二相体積分率中の15%未満とすることが重要であり、第二相に対するマルテンサイトと残留オーステナイトの合計体積分率の比率は85%以上とする。
上記のような第二相の効果をより向上させるための組織制御として、L断面における第二相の長軸方向の圧延方向に対して為す角度の平均を45°未満とすること、より好ましくは、第二相の長手方向の角度(測定方法の詳細は後述する)を板厚方向に対して垂直方向に向けることが効果的であることが分かった。この原因は明確ではないが、プレス成形時の変形方向(鋼板の板面方向)に伸張した第二相が増加することで、フェライトの降伏促進の効果が顕著に得られるためであると考えられる。また、残留オーステナイトにおいては、伸長方向が流動方向に沿うことで鋼板変形による歪が残留オーステナイトに集中しにくくなるため、相対的に歪に対するTRIP変態の安定性が向上し、より変形後期に加工硬化することで、延性を向上させる効果があると考えられる。
焼鈍された冷延鋼板のミクロ組織は熱延鋼板の組織影響を強く受ける。焼鈍板の第二相の長軸方向を圧延方向に対して45°未満とするには、熱延鋼板組織をさらに顕著に圧延方向に伸張させる必要がある。このような理由から、熱延板の第二相の長軸方向が圧延方向と為す角度の平均は30°未満とすることが好ましい。より好ましくは20°未満である。また、熱延板組織については、フェライト粒の伸張によっても表せ、フェライト粒のアスペクト比を(圧延方向の長さ)/(厚み方向の長さ)とすると、その平均は1.2以上とすることが好ましい。より好ましくは1.4以上である。これらの組織は、先述の適切なAl量を含む鋼において後述のFTx℃以下で仕上げ圧延することで得られる。一方で、フェライト粒のアスペクト比が4を超える顕著な繊維状組織を呈する場合、冷圧後の焼鈍再結晶においても未再結晶組織が残存し降伏応力(YP)を著しく増大させ、延性は極端に劣化するため4以下とすることが好ましい。
本発明においては、所定の成分鋼を上記の組織に制御することによって低い降伏比(低YR)と高い均一伸び(U.El)を有する高強度鋼板が得られるが、以下にこのような高強度鋼板を得るための製造方法について説明する。
FTx=850−200C−5Mn+40(Al+Si)・・・(1)
なお、式(1)中、C、Mn、Al、Siは、各組成の含有量(質量%)を示す。
T=890−160{Mn+1.3Cr+5P+150B}−3CR・・・(2)
ここで元素記号は各合金元素含有量(質量%)を示し、CRは平均の一次冷却速度を示す。
t=1.5(500−T)・・・(3)
ここで、Tは平均の中間保持温度である。
上記の本発明の高強度冷延鋼板に対してめっき処理を施し、高強度めっき鋼板が得られる。具体的には、中間保持された高強度冷延鋼板を溶融亜鉛めっき浴に浸漬し亜鉛めっきを形成した後に、10℃/s以上の平均冷却速度で冷却して、高強度めっき鋼板を得ることができる。また、必要に応じて、490〜600℃の温度域に昇温し3〜100秒保持することで合金化処理を施すこともできる。合金化処理に際しては、合金化温度が490℃未満では合金化が十分に進まない。合金化温度が600℃超では、合金化が著しく促進され、亜鉛めっきが硬質化し剥離しやすくなると共に、オーステナイトがパーライトへと変態し、延性の低下やYP−Elの発生をまねく場合もある。
以上のような成分と製造方法から所定のミクロ組織を有する鋼が製造される。それらの鋼は、引張強度(TS)が390MPa以上780MPa未満でありながら、降伏比(YR)は0.60(60%)未満であり、降伏点伸びは0.2%以下でストレッチャーストレインを生じない。さらにTSとElのバランス(引張強度と全伸びとのバランス、TS×El)は20000MPa%以上、TSとU.Elのバランス(引張強度と均一伸びとのバランス、TS×U.El)は14000以上と優れた延性も併せ持つ。
Claims (9)
- 質量%で、C:0.060%以上0.250%以下、Si:0.50%未満、Mn:0.80%以上2.00%未満、P:0.001%以上0.050%以下、S:0.020%以下、Al:0.50%以上2.00%以下、N:0.0050%未満を含有し、残部Fe及びその他不可避的不純物からなり、
フェライト:50〜97体積%と、第二相:3〜50体積%と、からなり、
前記第二相は、残留オーステナイト:2〜49体積%と、マルテンサイト:1〜15体積%とを有し、
前記残留オーステナイトと、前記マルテンサイトとは、前記第二相中、85体積%以上占めており、
L断面における前記第二相の長軸方向が圧延方向に対して為す角度の平均が45°未満であることを特徴とする高強度冷延鋼板。 - 質量%で、さらにB:0.00050%以下、Cr:1.00%以下、Ni:0.50%以下、Cu:0.10%以下、Mo:0.10%以下から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度冷延鋼板。
- 質量%で、さらにTi:0.100%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度冷延鋼板。
- 質量%で、さらにSb:0.02%以下、Sn:0.02%以下から選ばれる1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度冷延鋼板。
- 質量%で、さらにCa:0.01%以下、REM:0.01%以下から選ばれる1種又は2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度冷延鋼板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度冷延鋼板にめっき処理を施した高強度めっき鋼板。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高強度冷延鋼板の製造方法であって、L断面における第二相の長軸方向が圧延方向に対して為す角度の平均が30°未満である熱延鋼板又は前記フェライトのアスペクト比が1.2以上4以下である熱延鋼板を冷間圧延し、焼鈍することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記熱延鋼板の熱間圧延における仕上げ圧延温度が、以下の式(1)で示されるFTx℃以下であることを特徴とする請求項7に記載の高強度冷延鋼板の製造方法。
FTx=850−200C−5Mn+40(Al+Si)・・・(式(1))
(式(1)中、C、Mn、Al、Siは、各組成の含有量(質量%)を示す。) - 請求項7又は8に記載の高強度冷延鋼板にめっき処理を施すことを特徴とする高強度めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014207741A JP6210045B2 (ja) | 2014-10-09 | 2014-10-09 | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014207741A JP6210045B2 (ja) | 2014-10-09 | 2014-10-09 | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016074965A true JP2016074965A (ja) | 2016-05-12 |
JP6210045B2 JP6210045B2 (ja) | 2017-10-11 |
Family
ID=55951025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014207741A Active JP6210045B2 (ja) | 2014-10-09 | 2014-10-09 | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6210045B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116920180A (zh) * | 2023-09-14 | 2023-10-24 | 乐普(北京)医疗器械股份有限公司 | 一种可降解金属材料及其制备方法与应用 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200690A (ja) * | 2004-01-14 | 2005-07-28 | Nippon Steel Corp | めっき密着性および穴拡げ性に優れた溶融亜鉛めっき高強度鋼板とその製造方法 |
JP2005200694A (ja) * | 2004-01-14 | 2005-07-28 | Nippon Steel Corp | めっき密着性および穴拡げ性に優れた溶融亜鉛めっき高強度鋼板とその製造方法。 |
JP2006002186A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-01-05 | Jfe Steel Kk | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
JP2007092132A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Jfe Steel Kk | 剛性と加工性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2009270126A (ja) * | 2008-04-08 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板および溶融めっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
JP2013227635A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Jfe Steel Corp | 高強度冷延鋼板、高強度亜鉛めっき鋼板、高強度冷延鋼板の製造方法、及び高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
2014
- 2014-10-09 JP JP2014207741A patent/JP6210045B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200690A (ja) * | 2004-01-14 | 2005-07-28 | Nippon Steel Corp | めっき密着性および穴拡げ性に優れた溶融亜鉛めっき高強度鋼板とその製造方法 |
JP2005200694A (ja) * | 2004-01-14 | 2005-07-28 | Nippon Steel Corp | めっき密着性および穴拡げ性に優れた溶融亜鉛めっき高強度鋼板とその製造方法。 |
JP2006002186A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-01-05 | Jfe Steel Kk | 延性と穴広げ加工性に優れた高強度冷延鋼板の製造方法 |
JP2007092132A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Jfe Steel Kk | 剛性と加工性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2009270126A (ja) * | 2008-04-08 | 2009-11-19 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 冷延鋼板および溶融めっき鋼板ならびに該鋼板の製造方法 |
JP2013227635A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Jfe Steel Corp | 高強度冷延鋼板、高強度亜鉛めっき鋼板、高強度冷延鋼板の製造方法、及び高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116920180A (zh) * | 2023-09-14 | 2023-10-24 | 乐普(北京)医疗器械股份有限公司 | 一种可降解金属材料及其制备方法与应用 |
CN116920180B (zh) * | 2023-09-14 | 2023-12-15 | 乐普(北京)医疗器械股份有限公司 | 一种可降解金属材料及其制备方法与应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6210045B2 (ja) | 2017-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5983895B2 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法、ならびに高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP6635236B1 (ja) | 高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
EP3318652B1 (en) | High-strength cold-rolled steel sheet, high-strength galvanized steel sheet, and high-strength galvannealed steel sheet | |
JP5943156B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法、ならびに高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
US10662496B2 (en) | High-strength steel sheet and production method for same, and production method for high-strength galvanized steel sheet | |
JP5971434B2 (ja) | 伸びフランジ性、伸びフランジ性の面内安定性および曲げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板ならびにその製造方法 | |
JP5884714B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP6179461B2 (ja) | 高強度鋼板の製造方法 | |
US10329638B2 (en) | High strength galvanized steel sheet and production method therefor | |
JP5983896B2 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法、ならびに高強度亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JPWO2017126678A1 (ja) | 高強度鋼板及びその製造方法 | |
WO2021070951A1 (ja) | 冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP5958669B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP2008106350A (ja) | 高強度冷延鋼板及びその製造方法 | |
WO2017154401A1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP5853884B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
WO2020148948A1 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP6007571B2 (ja) | 高強度冷延鋼板及び高強度亜鉛めっき鋼板 | |
JP6123958B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP6210045B2 (ja) | 高強度冷延鋼板、高強度めっき鋼板、及びそれらの製造方法 | |
JP2016194136A (ja) | 製造安定性に優れた高強度高延性鋼板、及びその製造方法、並びに高強度高延性鋼板の製造に用いられる冷延原板 | |
JP5988000B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
JP5987999B1 (ja) | 高強度鋼板およびその製造方法 | |
WO2023153096A1 (ja) | 冷延鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160525 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170417 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170815 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170828 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6210045 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |