JP5466562B2 - 伸びおよび曲げ性に優れた高強度冷延鋼板 - Google Patents
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質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C:0.10〜0.25%、
Si:0.50〜2.40%、
Mn:1.00〜3.00%、
Al:0.001〜0.10%、
P:0.050%以下(0%を含む)、
S:0.050%以下(0%を含む)、
N:0.010%以下(0%を含む)、
Ca:0.0100%以下(0%を含む)
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、
フェライトを面積率で25〜75%含み、
残部が焼戻しマルテンサイトからなり、
かつ、前記フェライトの存在形態を規定する、下記式1で定義されるフェライト同士連結率が、0.25以下である組織を有し、
前記フェライトの引張強度に対する前記焼戻しマルテンサイトの引張強度の倍率で定義される焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が4以下であり、
前記焼戻しマルテンサイトに周囲を取り囲まれたフェライト領域(単一のフェライト粒子からなる領域、または、複数のフェライト粒子同士が連結してなる領域を意味する。)の圧延方向の最大直径をDLとし、該フェライト領域の圧延方向に直角な方向の最大直径をDCとしたとき、DLとDCの大きい方が10μm以下で、かつ、DL/DC比が0.5〜2.0である、
ことを特徴とする伸びおよび曲げ性に優れた高強度冷延鋼板である。
式1:「フェライト同士連結率」=「フェライト粒子同士の界面との交点数」/(「フェライト粒子同士の界面との交点数」+「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」)
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。
前記焼戻しマルテンサイト中に存在する、円相当直径0.1μm以上のセメンタイト粒子の分散状態が、前記焼戻しマルテンサイト1mm2当たり5個以下である、請求項1に記載の伸びおよび曲げ性に優れた高強度冷延鋼板である。
確保しつつ、曲げ性をより改善することが可能となり、強度と伸びのバランスが高められた、より成形性に優れた高強度鋼板を提供できるようになった。
上述したとおり、本発明鋼板は、上記特許文献1および2と同様の、フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織をベースとするものであるが、特に、フェライトを焼戻しマルテンサイトで取り囲んで孤立分散させるとともに、該フェライトと焼戻しマルテンサイトの強度比を制御し、さらに、マルテンサイトに周囲を取り囲まれて孤立分散したフェライト領域について、その最大直径、および、その圧延方向の最大直径と圧延方向に直角の方向の最大直径との比率を制御している点で、上記特許文献1および2の鋼板とは相違している。
フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼では、変形は主として変形能の高いフェライトが受け持つ。そのため、フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼の伸びと加工硬化指数は主としてフェライトの面積率で決定される。
フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織鋼においては、伸びや曲げ性は、フェライトの面積率だけでなく、フェライトの存在形態にも依存する。
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。
上記のようにフェライトの存在形態に関する要件を満足させることで加工硬化指数を上昇させることができ、曲げ性を改善することができるが、焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が高くなるとフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面に歪が集中しやすくなり、早期に破壊が発生し、曲げ性が低下する。
ここに、「フェライト領域」とは、単一のフェライト粒子からなる領域、または、複数のフェライト粒子同士が連結してなる領域を意味するものとする。
上記のように焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比に関する要件を満足させることでフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面における歪の集中を抑制できるが、次に破壊の起点になる可能性を有するのは、フェライトと界面を接する焼戻しマルテンサイト中に析出したセメンタイトである。このセメンタイト粒子が粗大になると変形時の応力集中が増加し、該焼戻しマルテンサイト中に亀裂が発生しやすくなるので、曲げ性が低下する。曲げ性を確保するためには、該セメンタイト粒子のサイズと存在密度を制御することが望ましい。
まず、各相の面積率については、各供試鋼板を鏡面研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、概略40μm×30μm領域5視野について倍率2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察し、点算法で1視野につき100点の測定を行い、コントラストの暗い領域(黒色部)をフェライトとし、残りの領域を焼戻しマルテンサイトとして、各領域の面積比率よりフェライトの面積率を算出した。
圧延方向から組織観察できるように各供試鋼板を圧延方向に垂直に切断して試料を切り出し、これを鏡面に研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、走査型電子顕微鏡(SEM)にて2000倍で組織観察を行う。そして、図1に例示するように、板厚方向(ND)が上下、圧延方向に直角な方向(TD;後記「C方向」に同じ。)が左右になるように撮影し、この組織写真中に5μm間隔でTD方向に平行な線分を総長で1000μm以上になるように引き、これらの線分と、フェライト粒子同士の界面との交点(□(白抜き)で囲んだ点)およびフェライトと焼戻しマルテンサイトの界面との交点(○で囲んだ点)の数をそれぞれ求める。そして、上記式(1)にて「フェライト同士連結率」を算出する。「フェライト同士連結率」の値が小さいということは、フェライト粒子とフェライト粒子が連続している領域が少ないこと、つまり、フェライト粒子が連続せず、焼戻しマルテンサイトに囲まれ、孤立分散していることを示している。同図において(a)はフェライト同士連結率が0.25を超える例であり、(b)はフェライト同士連結率が0.25以下の例である。
焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比は、フェライトの引張強度TSFに対する焼戻しマルテンサイトの引張強度TSMの倍率TSM/TSFで定義されるが、下記式(2)で算出できる。
ここに、TSF=294+27.7[Si]+83.2[Mn]+7.7(DF/1000)−0.5
ただし、Hv:JIS Z 2244の試験方法に従って測定された、鋼板表面のビッカース硬さ(98.07N)、VF:フェライトの面積率(%)、VM:焼戻しマルテンサイトの面積率(%)、DF:JIS G0552に規定された切断法により粒度番号Gを求め、これから1mm2当たりの結晶粒数mを算出し、平均結晶粒径dmに換算して求めた、フェライト平均粒径(μm)、[Si]:Si含有量(質量%)、[Mn]:Mn含有量(質量%)である。
(なお、上記式(2)は、藤田利夫ら訳:「鉄鋼材料の設計と理論」(丸善株式会社)、昭和56年9月30日発行に記載の低炭素鋼の引張強度に及ぼす固溶強化および微細化強化の効果に関する数式から、フェライトの固溶強化および微細化強化の項を抽出するとともに、鋼板の引張強度は各組織の引張強度の加算則で決定されるという仮定の下、導出を行ったものである。)
圧延方向(L方向)と、圧延方向に直角な方向(C方向)のそれぞれから組織観察できるように、各供試鋼板を圧延方向に垂直に切断して切り出した試料と、圧延方向に平行に切断して切り出した試料をそれぞれ作成し、これらを鏡面に研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、走査型電子顕微鏡(SEM)にて0.5mm2以上の範囲の組織観察を行う。そして、図2に例示するように、L方向からの観察で、圧延方向に直角な方向にフェライト領域が伸びている状況を観察し、該フェライト領域の最大長さを測定し、これをフェライト領域の圧延方向に直角な方向の最大直径DCとする。また、図による例示は省略したが、上記と同様にして、C方向からの観察で、圧延方向に沿ってフェライト領域が伸びている状況を観察し、該フェライト領域の最大長さを測定し、これをフェライト領域の圧延方向の最大直径DLとする。
セメンタイト粒子のサイズおよびその存在密度については、各供試鋼板の抽出レプリカサンプルを作成し、2.4μm×1.6μmの領域3視野について倍率50000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)像を観察し、画像のコントラストから白い部分をセメンタイト粒子と判別してマーキングし、画像解析ソフトにて、前記マーキングした各セメンタイト粒子の面積Aから円相当直径D(D=2×(A/π)1/2)を算出するとともに、単位面積あたりに存在する所定のサイズのセメンタイト粒子の個数を求めた。なお、複数個のセメンタイト粒子が重なり合う部分は観察対象から除外した。
C:0.10〜0.25%
Cは、焼戻しマルテンサイトの面積率および硬さに影響し、強度、伸びおよび曲げ性に影響する重要な元素である。0.10%未満では焼戻しマルテンサイトの面積率および硬さを確保できず、強度が不足する。一方、0.25%超では焼戻しマルテンサイトの強度が高くなりすぎ、曲げ性が確保できなくなる。C含有量の範囲は、好ましくは0.12〜0.23%、さらに好ましくは0.14〜0.21%である。
固溶強化により伸びと伸びフランジ性を低下させずに引張強度を高められる有用な元素である。0.90%未満では固溶強化量が減少し、フェライトの強度が低下する。一方、2.40%超ではフェライトが強化されすぎて延性が低下する。Si含有量の範囲は、好ましくは1.10〜2.20%、さらに好ましくは1.30〜2.10%である。
Mnは、固溶強化によって鋼板の引張強度を高くするとともに、鋼板の焼入れ性を向上させ、低温変態相の生成を促進する効果を有し、マルテンサイト面積率を確保するために有用な元素である。1.5%未満では固溶強化量が不足するとともに、焼入れ性が低下し適切な組織分率のフェライト−焼戻しマルテンサイト組織を確保できなくなる。一方、3.00%超とするとAc1点を低下させ、再結晶を抑制するようになるため、フェライトが圧延方向に伸長し、フェライト領域の圧延方向の最大直径が大きくなりすぎたり、該圧延方向の最大直径と、圧延方向に直角な方向の最大直径の比が大きくなりすぎたりする。Mn含有量の範囲は、好ましくは1.70〜2.70%、さらに好ましくは1.80〜2.40%である。
Alは脱酸材として用いられるものであるが、0.001%未満では鋼の清浄作用が十分に得られず、一方、0.10%を超えると鋼の清浄度を悪化させる。Al含有量の範囲は、好ましくは0.005〜0.080%、さらに好ましくは0.015〜0.060%である。
Pは不純物元素として不可避的に存在し、固溶強化により強度の上昇に寄与するが、 旧オーステナイト粒界に偏析し、粒界を脆化させることで伸びフランジ性を劣化させるので、0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。
Sも不純物元素として不可避的に存在し、MnS介在物を形成し、穴拡げ時に亀裂の起
点となることで伸びフランジ性を低下させるので、0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下、さらに好ましくは0.020%以下である。
Nも不純物元素として不可避的に存在し、歪時効により伸びと伸びフランジ性を低下させるので、低い方が好ましく、0.010%以下とする。
Caは、介在物であるMnSを微細化し、破壊の起点を減少させることで、伸びフランジ性を向上させるのに有用な元素である。0.0100%を超える添加では介在物が粗大化し、伸びフランジ性が低下する。
上記のような冷延鋼板を製造するには、まず、上記成分組成を有する鋼を溶製し、造塊または連続鋳造によりスラブとしてから熱間圧延(以下、「熱延」ともいう。)を行う。
熱間圧延条件としては、仕上げ圧延の終了温度をAr3点以上に設定し、適宜冷却を行った後、200℃以下で巻き取る。
全面的にマルテンサイト化することで、鋼中の初期転位密度を高め、後記焼鈍の際の均熱時における再結晶を促進させるためである。
上記熱間圧延後、後段の冷間圧延(以下、「冷延」ともいう。)前に焼戻しを行う。この冷延前焼戻し条件としては、冷延前焼戻し加熱温度:200〜500℃で冷延前焼戻し保持時間:1000s以下とする。
マルテンサイトから適度に転位を除去し、強度を低下させることで、後段の冷間圧延を可能としつつ、該マルテンサイト中に予めセメンタイトを分散させて、冷間圧延後の焼鈍の際の加熱時に再結晶して生成したフェライト粒の成長をピンニング作用で抑制し、組織を微細化するためである。
冷延前焼戻し終了後は酸洗してから冷間圧延を行うが、冷間圧延率(以下、「冷延率」ともいう。)は20〜50%とするのがよい。
冷間圧延を適度に施すことにより偏平化した結晶粒を後段の焼鈍加熱時に再結晶させることで等軸状のフェライトを作りこみ、二相域加熱時にフェライト粒界にオーステナイトを形成させることで微細なフェライト粒を焼戻しマルテンサイトで取り囲んで孤立化させるためである。
冷間圧延率が20%未満では、焼鈍加熱時に再結晶が起こりにくくなり、孤立したフェ
ライトが十分に得られず、伸びおよび曲げ性が低下する。一方、冷間圧延率が50%を超えると、組織が圧延方向に伸びやすくなるため、フェライト領域が偏平化して成形性の異方性が生じる。より好ましい冷間圧延率の下限は25%である。
焼鈍条件としては、上記冷間圧延後の温度から800℃までの温度域を15℃/s以下の加熱速度で加熱し、焼鈍加熱温度:[(50×Tγ50+50×Ac1)/100]〜[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]に焼鈍保持時間:3600s以下保持した後、該焼鈍加熱温度から500℃までを20℃/s以上の第1冷却速度で急冷した後、500℃から200℃までを200℃/s以上の第2冷却速度で急冷するのがよい。
ここでTγ50は、下記式(3)で定義される。
Tγ50=816.5−101.5√[C]+36.9[Si]−20.35[Mn]+200[Al] ・・・式(3)
ただし、[C]、[Si]、[Mn]および[Al]は、それぞれC、Si、MnおよびAlの含有量(質量%)を意味する。
Tγ50は、適正なフェライト−オーステナイト面積率を確保するための二相域加熱温度の指標であり、オーステナイトが面積率で50%となる目安の温度である、Ac1とAc3の中間値(Ac1+Ac3)/2であり、Ac1およびAc3については、レスリー著、「鉄鋼材料科学」、幸田成靖 訳、丸善株式会社、1985年、p.273に記載の回帰式を用いて導出したものである。
加熱中にフェライトの再結晶を起こさせるためである。加熱速度が15℃/sを超えると、フェライトが再結晶できず逆変態時にフェライト同士が連結した状態で残存しやすくなり、フェライト同士連結率が0.25を超え、伸びまたは曲げ性が不足する。
加熱速度の好ましい下限は2℃/s以上である。加熱中におけるセメンタイトの成長を防止し、二相域加熱時にセメンタイトが溶解できる範囲にセメンタイトのサイズを抑制することで、さらに曲げ性を向上できる。加熱速度のより好ましい範囲は3〜12℃/s、特に好ましい範囲は4〜8℃/sである。
焼鈍加熱時においてフェライトからオーステナイトへ変態させることにより適正なフェライト−オーステナイト面積率を確保するためである。焼鈍加熱温度が(50×Tγ50+50×Ac1)/100]未満では、焼鈍加熱時においてオーステナイトへの変態量が不足するため、その後の冷却時にオーステナイトから変態生成するマルテンサイトの量が確保できなくなり、一方、[(50×Tγ50+50×Ac3)/100]を超える加熱は、焼鈍加熱時においてオーステナイトへの変態量が過剰になりフェライトが不足する。
冷却中にオーステナイトから、フェライトが形成される温度域(500℃以上)とベイナイトが形成される温度域(500℃未満)を急冷することで、フェライト−マルテンサイト組織を得るためである。
第1冷却速度は、より好ましくは25℃/s以上、とくに好ましくは30℃/sである。
constituent)などの硬質組織を伴うため、極限変形能が低下し、曲げ性が劣化する。
焼戻し条件としては、焼戻し加熱温度Ttemp:300〜550℃にて、焼戻し保持時間ttemp:600s以下で、かつ、下記式(4)で定義される焼戻しパラメータξが12000〜16000となる時間保持すればよい。
これを表2に示す製造条件にて、熱間圧延で厚さ2.0mmとした後、冷間圧延前焼戻しを施し、これを酸洗した後に、厚さ1.0mmに冷間圧延して供試材とし、さらに熱処理(焼鈍、焼戻し)を施した。
000MPa・%以上、かつ、圧延方向の限界曲げ半径RLおよび圧延方向に直角な方向の限界曲げ半径RCがともに1.5mm以下で、該両方向の限界曲げ半径の差|RC−RL|が1.0mm以下を充足し、上記[背景技術]の項で述べた要望レベルを満足する、伸びと曲げ性を兼備する高強度冷延鋼板が得られた。
Claims (2)
- 質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C:0.10〜0.25%、
Si:0.50〜2.40%、
Mn:1.00〜3.00%、
Al:0.001〜0.10%、
P:0.050%以下(0%を含む)、
S:0.050%以下(0%を含む)、
N:0.010%以下(0%を含む)、
Ca:0.0100%以下(0%を含む)
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、
フェライトを面積率で25〜75%含み、
残部が焼戻しマルテンサイトからなり、
かつ、前記フェライトの存在形態を規定する、下記式1で定義されるフェライト同士連結率が、0.25以下である組織を有し、
前記フェライトの引張強度に対する前記焼戻しマルテンサイトの引張強度の倍率で定義される焼戻しマルテンサイト/フェライト強度比が4以下であり、
前記焼戻しマルテンサイトに周囲を取り囲まれたフェライト領域(単一のフェライト粒子からなる領域、または、複数のフェライト粒子同士が連結してなる領域を意味する。)の圧延方向の最大直径をDLとし、該フェライト領域の圧延方向に直角な方向の最大直径をDCとしたとき、DLとDCの大きい方が10μm以下で、かつ、DL/DC比が0.5〜2.0である、
ことを特徴とする伸びおよび曲げ性に優れた高強度冷延鋼板。
式1:「フェライト同士連結率」=「フェライト粒子同士の界面との交点数」/(「フェライト粒子同士の界面との交点数」+「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」)
ただし、「フェライト粒子同士の界面との交点数」は、面積40000μm2以上の領域において、総長1000μmの線分が、フェライト粒子同士の界面と交差する点の数であり、「フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面との交点数」は、上記総長1000μmの線分が、フェライト粒子と焼戻しマルテンサイト粒子の界面と交差する点の数である。 - 前記焼戻しマルテンサイト中に存在する、円相当直径0.1μm以上のセメンタイト粒子の分散状態が、前記焼戻しマルテンサイト1mm2当たり5個以下である、請求項1に記載の伸びおよび曲げ性に優れた高強度冷延鋼板。
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