JP4324227B1 - 降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板 - Google Patents

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Abstract


【課題】降伏応力と伸びと伸びフランジ性をいずれも高めた、衝突安全性に優れつつ、より成形性に優れた高強度冷延鋼板を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.03〜0.30%、Si:0.1〜3.0%、Mn:1.0〜5.0%、Cr:0.5%超、3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.005%以下、N:0.01%以下、Al:0.01〜1.00%を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、焼戻しマルテンサイトを面積率で70%以上(100%を含む)含み、上記焼戻しマルテンサイト中のセメンタイトの面積率f(%)と該セメンタイトの平均円相当直径Dθ(μm)とが下記式1の関係を満足するとともに、示差走査型熱量計(DSC)で測定された、400℃から600℃の間に発生する熱量が1J/g以下であることを特徴とする降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
式1:(0.9f-1/2-0.8)×Dθ≦6.5×10-1(ここに、f=[%C]/6.69である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、加工性に優れた高強度鋼板に関し、詳細には、降伏応力と伸びと伸びフランジ性の高められた高強度鋼板に関する。
例えば自動車の骨格部品などに使用される鋼板には、衝突安全性や車体軽量化による燃費軽減などを目的として高強度が求められるとともに、形状の複雑な骨格部品に加工するために優れた成形加工性も要求される。
このため、伸び(全伸び;El)と伸びフランジ性(穴広げ率;λ)がともに高められた高強度鋼板の提供が切望されており、例えば引張強度980MPa級の鋼板に対しては全伸び10%以上で穴広げ率100%以上のものが要望されている。
上記のようなニーズを受けて、種々の組織制御の考え方に基づき、伸びと伸びフランジ性のバランスを改善した高強度鋼板が多数提案されているものの、伸びと伸びフランジ性が上記要望レベルを満足するように両立させたものはいまだ完成に至っていないのが現状である。
例えば、特許文献1には、Mn、CrおよびMoの少なくとも1種を合計で1.6〜2.5質量%含有し、実質的にマルテンサイトの単相組織からなる高張力冷延鋼板が開示されており、その穴広げ率(伸びフランジ性)は100%以上が得られているものの、伸びは10%に達していない(同文献の表6の本発明例参照)。
また、特許文献2には、フェライトが面積率で65〜85%で残部が焼戻しマルテンサイトの二相組織からなる高張力鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、フェライトおよびマルテンサイトの平均結晶粒径がともに2μm以下であり、マルテンサイトの体積率が20%以上60%未満の二相組織からなる高張力鋼板が開示されている。
上記特許文献2および3に開示された高張力鋼板はいずれも、伸びは10%以上を確保しているものの、穴広げ率(伸びフランジ性)は100%に達していない(特許文献2の表2の発明例、特許文献3の表2の実施例参照)。
さらに、従来は引張強度(TS)を基準とする材料設計が行われていたが、衝突安全性を考慮した場合、降伏強度(YP)を評価することが重要となってきているため、降伏強度に優れつつ、加工性に優れた高強度鋼板が求められるようになってきた。その具体的な機械的特性としては、降伏強度(YP)900MPa以上で、かつ、全伸び(El)10%以上、伸びフランジ性(穴広げ率;λ)90%以上、望ましくは100%以上のものが要望されている。
特許文献4には、質量%で、C≦0.02%、Ti:0.15〜0.40%を含む鋼を浸炭雰囲気中で600〜720℃で焼鈍を行うことを特徴とする、加工性に優れた高降伏比高張力冷延鋼板が開示されており、降伏強度は900MPa以上、伸びは10%以上が得られているものの、伸びフランジ性は90%に達していない(同文献の表2の発明例参照)。
特開2002−161336号公報 特開2004−256872号公報 特開2004−232022号公報 特開2007−9253号公報
そこで本発明の目的は、降伏応力と伸びと伸びフランジ性をいずれも高めた、衝突安全性に優れつつ、より成形性に優れた高強度冷延鋼板を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
C:0.03〜0.30%、
Si:0.1〜3.0%、
Mn:1.0〜5.0%、
Cr:0.5%超、3.0%以下
P:0.1%以下、
S:0.005%以下、
N:0.01%以下、
Al:0.01〜1.00%
を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、
焼戻しマルテンサイトが面積率で70%以上(100%を含む)を含み、残部がフェライトからなる組織を有し、
上記焼戻しマルテンサイト中のセメンタイトの面積率f(%)と該セメンタイトの平均円相当直径Dθ(μm)とが下記式1の関係を満足するとともに、
示差走査型熱量計(DSC)で測定された、400℃から600℃の間に発生する熱量が1J/g以下である
ことを特徴とする降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板である。
式1:(0.9f−1/2−0.8)×Dθ≦6.5×10−1
ここに、f=[%C]/6.69である。
請求項2に記載の発明は、
成分組成が、更に、
Mo:0.01〜1.0%、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、
B:0.0002〜0.0050%、
の1種または2種以上を含むものである
請求項1に記載の降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板である。
請求項3に記載の発明は、
成分組成が、更に、
Ca:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上を含むものである
請求項1または2に記載の降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板である。
本発明によれば、焼戻しマルテンサイト単相組織、または、フェライトと焼戻しマルテンサイトからなる二相組織において、焼戻しマルテンサイトの面積率、該焼戻しマルテンサイト中におけるセメンタイトの面積率とそのサイズとの関係、および、該焼戻しマルテンサイト中の固溶炭素量を適正に制御することで、降伏強度を確保しつつ、伸びと伸びフランジ性を改善することが可能となり、衝突安全性に優れつつ、より成形性に優れた高強度鋼板を提供できるようになった。
本発明者らは、焼戻しマルテンサイト単相、または、フェライトと焼戻しマルテンサイト(以下、単に「マルテンサイト」ということあり。)からなる二相組織を有する高強度鋼板(上記特許文献2、3参照)に着目し、降伏強度を確保しつつ、伸びと伸びフランジ性を改善できれば、上記要望レベルを満足しうる高強度鋼板が得られると考え、これらの機械的特性に及ぼす各種要因の影響を調査するなど鋭意検討を行ってきた。その結果、マトリックス組織中のフェライトの割合を極力少なくして焼戻しマルテンサイトの割合をできるだけ多くすることで、上記要望レベルの伸びフランジ性を確保しつつある程度の降伏強度を確保し、さらに、該焼戻しマルテンサイト中に析出したセメンタイトの面積率とそのサイズを制御することと、該焼戻しマルテンサイト中の固溶炭素量を制限することで、析出強化によって降伏強度をさらに高めて上記要望レベルの降伏強度を確保できることを見出し、該知見に基づいて本発明を完成するに至った。
以下、まず本発明鋼板を特徴づける組織について説明する。
〔本発明鋼板の組織〕
上述したとおり、本発明鋼板は、焼戻しマルテンサイト単相、または、上記特許文献2、3と同様の二相組織(フェライト+焼戻しマルテンサイト)をベースとするものであるが、特に、該焼戻しマルテンサイト中におけるセメンタイトの面積率とそのサイズ、および、該焼戻しマルテンサイト中の固溶炭素量が制御されている点で、上記特許文献2、3の鋼板とは相違している。
<焼戻しマルテンサイト:面積率で70%以上(100%を含む)>
焼戻しマルテンサイト主体の組織にすることで、軟質相であるフェライトへの歪集中を抑制し、応力付与時に先に軟質なフェライトが降伏することを防止して降伏強度を向上させることができる。
また、フェライトとマルテンサイトとの界面への応力集中を抑制して、該界面での亀裂発生を防止することで、伸びフランジ性を確保できる。
上記作用を有効に発揮させるには、焼戻しマルテンサイトの面積率は、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上(100%を含む)とする。なお、残部はフェライトである。
<焼戻しマルテンサイト中のセメンタイトの、面積率および円相当直径:(0.9f−1/2−0.8)×Dθ≦6.5×10−1
焼戻しマルテンサイトの降伏強度は、固溶強化、転位強化、ブロック界面による粒界強化、および、セメンタイトによる析出強化といった4つの強化機構によって決定される。この4つの強化機構のうち、セメンタイトによる析出強化は転位の移動を強く止めることから降伏強度向上への寄与が非常に大きい。ここで、析出強化量はセメンタイトの平均粒子間隔に反比例することが知られている。そして、平均粒子間距離はセメンタイト面積率f(%)とセメンタイトの平均円相当直径Dθ(μm)とで決定され、(0.9f−1/2−0.8)×Dθで表される(高木ら:鉄鋼の析出メタラジー最前線、日本鉄鋼協会編、(2001)p.69参照)。
また、セメンタイト面積率fについては、本発明鋼では、実質的に固溶炭素が残存しないので、該面積率を実測することなく、鋼中に含有する炭素([%C])が全てセメンタイトとして析出しているとみなせ、f=[%C]/6.69で推定できる。
そして、上記要望レベルの降伏強度 900MPaを達成するために必要な析出物(セメンタイト)の平均粒子間距離について検討したところ、0.65μm以下とする必要があることがわかった。以上より、下記式(1)が得られる。
(0.9f−1/2−0.8)×Dθ≦6.5×10−1 ・・・式(1)
ここに、f=[%C]/6.69である。
析出物の平均粒子間距離は、好ましくは5.5×10−1以下、さらに好ましくは4.0×10−1以下である。
<示差走査型熱量計(以下「DSC」と略称することあり。)で測定された、400℃から600℃の間に発生する熱量:1J/g以下>
マルテンサイトは焼入れ時に固溶炭素を多量に含有する。これを焼戻すことで固溶炭素が微細なセメンタイトとして析出し、析出強化により降伏強度の上昇に寄与する。一方、固溶炭素自身も固溶強化により降伏強度の上昇に強く寄与する。しかし、炭素による固溶強化と他の強化手段とを比較検討したところ、炭素による固溶強化は転位の移動能を大きく低下させ、延性(特に伸び)を劣化させるため、成形性が求められる成形用薄鋼板ではマルテンサイト中の固溶炭素を極力低下させ、他の強化手段(特に析出強化)により降伏強度を確保した方がよいことが明らかになった。
鋼板中の固溶炭素量は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて定量的に評価することができる。すなわち、DSCにより昇温中におけるセメンタイト等の析出に伴う発熱量を測定することができ、この発熱量は加熱前に鋼板中に固溶状態で存在していた炭素量に比例するため、鋼板中の固溶炭素量を定量的に評価することができることとなる。
DSCにより測定した発熱量と伸びおよび伸びフランジ性との関係を検討した結果、400〜600℃の範囲の発熱量が1J/g以下であれば、上記要望レベルの伸び(10%以上)と伸びフランジ性(90%以上)が得られることがわかった。上記発熱量の好ましい範囲は0.7J/g以下、さらに好ましい範囲は0.5J/g以下である。
以下、焼戻しマルテンサイトの面積率、セメンタイトの平均円相当直径、ならびに、DSCによる400〜600℃の間における発熱量の各測定方法について説明する。
まず、マルテンサイトの面積率については、各供試鋼板を鏡面研磨し、3%ナイタール液で腐食して金属組織を顕出させた後、概略4μm×3μm領域5視野について倍率20000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察し、画像解析によってセメンタイトを含まない領域をフェライトとし、残りの領域をマルテンサイトとして、各領域の面積比率よりマルテンサイトの面積率を算出した。
次に、セメンタイトの平均円相当直径については、各供試鋼板を鏡面研磨し、3%ナイタールで腐食して金属組織を顕出させた後、マルテンサイト内部の領域を解析できるよう、100μm領域の視野について倍率10000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察し、画像のコントラストから白い部分をセメンタイト粒子と判別してマーキングし、画像解析ソフトにて、前記マーキングした各セメンタイト粒子の円相当直径を求め、これらを算術平均することによりセメンタイトの平均円相当直径を算出した。
また、DSCによる発熱量の測定方法の一例を図1に示す。DSCによる測定は、鋼板からワイヤカットにて採取した直径約3mm、高さ約1mm、質量約50mgの円柱状試験片を、Al 製の試料ホルダーに入れ、標準試料としてAl を用い、N 気流中(流量:50mL/min)、昇温速度10℃/minの条件で行った。また、熱流速度差(mJ/s)は1.0s毎に測定した。
図1から明らかなように、150〜250℃の範囲では熱流速度差が温度上昇とともにほぼ単調増加しているが、250〜500℃の範囲では発熱のピークが現れることがわかる。こうした現象が生じる原因について本発明者らはさらに研究を進めた結果、250〜400℃の範囲におけるピークは残留オーステナイトの分解による発熱に起因し、一方400〜600℃の範囲におけるピークは鋼板に含まれる過飽和固溶炭素が炭化物として析出する際の発熱に起因していることを突き止めた。
このことから、400〜600℃の範囲に見られる発熱を示す曲線と、150〜250℃の範囲での熱流速度差変化を直線近似して得た基準線との間の面積(本発明鋼では基準線より上側、すなわち、図1の斜線部分の面積)が、過飽和固溶炭素が炭化物として析出する際の総発熱量に相当することとなる。この面積(すなわち、総発熱量)を試料の質量で除することにより、単位質量当りの発熱量を算出した。
次に、本発明鋼板を構成する成分組成について説明する。以下、化学成分の単位はすべて質量%である。
〔本発明鋼板の成分組成〕
C:0.03〜0.30%
Cは、マルテンサイトの面積率、マルテンサイト中のセメンタイト量および固溶炭素量に影響し、降伏強度および伸びフランジ性に影響する重要な元素である。0.03%未満ではマルテンサイト中のセメンタイト量が不足して降伏強度が確保できず、一方、0.30%超では薄鋼板に要求される溶接性が確保できない。C含有量の範囲は、好ましくは0.05〜0.25%、さらに好ましくは0.07〜0.20%である。
Si:0.1〜3.0%
Siは、固溶強化元素として、伸びを劣化させずに降伏強度を高めるとともに、焼戻し時における、マルテンサイト中に存在するセメンタイト粒子の粗大化を抑制する作用も有し、このような粗大なセメンタイト粒子の生成を防止することで、伸びフランジ性を向上させる効果も有する有用な元素である。0.10%未満では上記のような作用を有効に発揮しえず、一方、3.0%超では加熱時におけるオーステナイトの形成を阻害するため、マルテンサイトの面積率を確保できず、降伏強度と伸びフランジ性が確保できない。Si含有量の範囲は、好ましくは0.30〜2.5%、さらに好ましくは0.50〜2.0%である。
Mn:1.0〜5.0%
Mnは、上記Siと同様、固溶強化元素として、伸びを劣化させずに降伏強度を高めるとともに、焼戻し時におけるセメンタイトの粗大化を抑制する作用も有し、粗大なセメンタイト粒子の生成を防止して伸びフランジ性を向上させる効果も有するのに有用な元素である。また、焼入れ性を高めてマルテンサイト面積率の確保に寄与することで、降伏強度と伸びフランジ性を高める効果も有する。1.0%未満では、固溶強化作用およびセメンタイト粗大化抑制作用を有効に発揮しえないうえ、焼入れのための急速冷却時にベイナイトが形成され、マルテンサイト面積率が不足するため、降伏強度と伸びフランジ性が確保できない。一方、5.0%超とすると焼入れ時(焼鈍加熱後の冷却時)にオーステナイトが残存し、伸びフランジ性を低下させる。Mn含有量の範囲は、好ましくは1.2〜4.0%、さらに好ましくは1.5〜3.0%である。
Cr:0.5%超、3.0%以下
鋼板の延性を確保すべく、鋼板中に固溶炭素をできるだけ残存させないようにするには、高温で焼戻しを行う必要があるが、高温で焼戻しを行うと固溶炭素から析出したセメンタイトが粗大化し、伸びフランジ性が低下するとともに、析出物の平均自由工程の拡大により降伏強度も低下する問題がある。
SiとMnもセメンタイトの粗大化を抑制する作用を有する元素であるが、これらの元素の添加だけでは効果が不十分であり、より粗大化抑制作用の強いCrを適量添加することで、はじめて十分な効果が得られる。0.5%以下では粗大化抑制作用を有効に発揮しえず、一方3.00%超では、焼入れ時に残留オーステナイトが形成され、降伏強度と伸びフランジ性が劣化する。Cr含有量の好ましい範囲は0.6〜2.5%、より好ましい範囲は0.9〜2.0%である。
P:0.1%以下
Pは不純物元素として不可避的に存在し、固溶強化により強度の上昇に寄与するが、旧オーステナイト粒界に偏析し、粒界を脆化させることで伸びフランジ性を劣化させるので、0.1%以下とする。好ましくは0.05%以下、さらに好ましくは0.03%以下である。
S:0.005%以下
Sも不純物元素として不可避的に存在し、MnS介在物を形成し、穴拡げ時に亀裂の起点となることで伸びフランジ性を低下させるので、0.005%以下とする。より好ましくは0.003%以下である。なお、Sの下限は上記観点からはできるだけ低くするのが望ましいが、工業的には0.0003%以下にすることは困難である。
N:0.01%以下
Nも不純物元素として不可避的に存在し、歪時効により伸びと伸びフランジ性を低下させるので、低い方が好ましく、0.01%以下とする。
Al:0.01〜1.00%
AlはNと結合してAlNを形成し、歪時効の発生に寄与する固溶Nを低減させることで伸びフランジ性の劣化を防止するとともに、固溶強化により強度向上に寄与する。0.01%未満では鋼中に固溶Nが残存するため、歪時効が起こり、伸びと伸びフランジ性を確保できず、一方、1.00%超では加熱時におけるオーステナイトの形成を阻害するため、マルテンサイトの面積率を確保できず、伸びフランジ性を確保できなくなる。
本発明の鋼は上記成分を基本的に含有し、残部が実質的に鉄及び不純物であるが、その他、本発明の作用を損なわない範囲で、以下の許容成分を添加することができる。
Mo:0.01〜1.0%、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、
B:0.0002〜0.0030%、
の1種または2種以上
これらの元素は、焼入れ性を高めてマルテンサイト面積率の確保に寄与することで、降伏強度と伸びフランジ性を高めるのに有用な元素である。各元素とも、上記各下限値未満の添加では上記のような作用を有効に発揮しえず、一方、上記各上限値を超える添加では焼入れ時にオーステナイトが残存し、伸びフランジ性を低下させる。
Ca:0.0005〜0.01%、
Mg:0.0005〜0.01%、
REM:0.0005〜0.01%、
の1種または2種以上
これらの元素は、介在物を微細化し、破壊の起点を減少させることで、伸びフランジ性を向上させるのに有用な元素である。各元素とも0.0005%未満の添加では上記のような作用を有効に発揮しえず、一方、各元素とも0.01%を超える添加では逆に介在物が粗大化し、伸びフランジ性が低下する。
なお、REMは、希土類元素、すなわち、周期律表の3A属元素を指す。
次に、本発明鋼板を得るための好ましい製造方法を以下に説明する。
〔本発明鋼板の好ましい製造方法〕
上記のような冷延鋼板を製造するには、まず、上記成分組成を有する鋼を溶製し、造塊または連続鋳造によりスラブとしてから熱間圧延を行なう。熱間圧延条件としては、仕上げ圧延の終了温度をAr点以上に設定し、適宜冷却を行った後、450〜700℃の範囲で巻き取る。熱間圧延終了後は酸洗してから冷間圧延を行うが、冷間圧延率は30%程度以上とするのがよい。
そして、上記冷間圧延後、引き続き、焼鈍、さらには焼戻しを行う。
[焼鈍条件]
焼鈍条件としては、焼鈍加熱温度:[0.3×Ac1+0.7×Ac3]〜1000℃に加熱し、焼鈍保持時間:3600s以下保持した後、焼鈍加熱温度から直接Ms点以下の温度まで 50℃/s以上の冷却速度で急冷するか、または、焼鈍加熱温度から、焼鈍加熱温度未満で620℃以上の温度(第1冷却終了温度)まで1℃/s以上の冷却速度(第1冷却速度)で徐冷した後、Ms点以下の温度(第2冷却終了温度)まで50℃/s以下の冷却速度(第2冷却速度)で急冷するのがよい。
<焼鈍加熱温度:[0.3×Ac1+0.7×Ac3]〜1000℃、焼鈍保持時間:3600s以下>
焼鈍加熱時に十分にオーステナイトに変態させ、その後の冷却時にオーステナイトから変態生成するマルテンサイトの面積率を70%以上確保するためである。
焼鈍加熱温度が[0.3×Ac1+0.7×Ac3]℃未満では、焼鈍加熱時においてオーステナイトへの変態量が不足するため、その後の冷却時にオーステナイトから変態生成するマルテンサイトの量が減少して面積率70%以上を確保できなくなり、一方、1000℃を超えると、オーステナイト組織が粗大化して鋼板の曲げ性や靭性が劣化するとともに、焼鈍設備の劣化をもたらすため好ましくない。
また、焼鈍保持時間が3600sを超えると、生産性が極端に悪化するので好ましくない。
<Ms点以下の温度まで50℃/s以上の冷却速度で急冷>
冷却中にオーステナイトからフェライトやベイナイト組織が形成されることを抑制し、マルテンサイト組織を得るためである。
Ms点より高い温度で急冷を終了させたり、冷却速度が50℃/s未満になると、ベイナイトが形成されるようになり、鋼板の強度が確保できなくなる。
<加熱温度未満で620℃以上の温度まで1℃/s以上の冷却速度で徐冷>
面積率で30%未満のフェライト組織を形成させることにより、伸びフランジ性を確保したまま伸びの改善が図れるためである。
620℃未満の温度または1℃/s未満の冷却速度ではフェライトの形成が過剰となりマルテンサイト面積率が不足し、降伏強度と伸びフランジ性が確保できなくなる。
[焼戻し条件]
焼戻し条件としては、上記焼鈍冷却後の温度から加熱温度T:520℃以上まで加熱し、その温度Tにて、保持時間t(s)が、8×10−4<P=exp[−9649/(T+273)]×t<2.0×10−3となる条件で保持した後、冷却すればよい。なお、保持中に温度Tを変化させる場合は、下記式(2)を用いればよい。
Figure 0004324227
520℃以上の高い温度域に加熱・保持することで、セメンタイトの析出を促して固溶炭素の消費を促進させるためである。
<加熱温度T:520℃以上まで加熱し、その温度Tにて、保持時間t(s)が、8×10−4<P=exp[−9649/(T+273)]×t<2.0×10−3 となる条件で保持>
ここで、P=exp[−9649/(T+273)]×tは、杉本孝一ら:材料組織学[朝倉書店出版]、p106の 式(4.18)に記載の析出物の粒成長モデルを元に変数の設定および簡略化を行った、析出物としてのセメンタイト粒子のサイズを規定するパラメータである。
加熱温度Tを520℃未満とすると、保持時間tを長くしてもセメンタイトが析出しきらなくなり、固溶炭素が多く残存するため、伸びが確保できなくなる。
P=exp[−9649/(T+273)]×t≦8×10−4の場合も、セメンタイトの析出が不十分となり、固溶炭素が多く残存するため、やはり伸びが確保できなくなる。
P=exp[−9649/(T+273)]×t≧2.0×10−3では、セメンタイト粒子が粗大化し、セメンタイトの粒子間距離が大きくなるため、降伏強度が確保できなくなる。
下記表1に示す成分の鋼を溶製し、厚さ120mmのインゴットを作成した。
これを熱間圧延で厚さ25mmにした後、再度、熱間圧延で厚さ3.2mmとした。これを酸洗した後、厚さ1.6mmに冷間圧延して供試材とし、表2に示す条件にて熱処理を施した。
Figure 0004324227
Figure 0004324227
熱処理後の各鋼板について、上記[発明を実施するための最良の形態]の項で説明した測定方法により、マルテンサイトの面積率、セメンタイトの平均円相当直径Dθ、ならびに、DSC測定による400〜600℃の間の発熱量を測定した。
また、上記各鋼板について、降伏強度YP、伸びEl、および伸びフランジ性λを測定した。なお、降伏強度YPと伸びElは、圧延方向と直角方向に長軸をとってJIS Z 2201に記載の5号試験片を作成し、JIS Z 2241に従って測定を行った。また、伸びフランジ性λは、鉄連規格JFST1001に則り、穴拡げ試験を実施して穴拡げ率の測定を行い、これを伸びフランジ性とした。
測定結果を表3に示す。
同表に示すように、発明例である鋼No.1、4、9、10、12、15、16、18、20〜24、30は、いずれも、降伏強度YPが900MPa以上で、かつ、伸びElが10%以上で伸びフランジ性(穴広げ率)λが90%以上を満足し、上記[背景技術]の項で述べた要望レベルを満足する、降伏強度と伸びと伸びフランジ性を兼備した高強度冷延鋼板が得られた。
これに対して、比較例である鋼No.2、3、5〜8、11、13、14、17、19、25〜29は、いずれかの特性が劣っている。
例えば、鋼No.8は、C含有量が低すぎることにより、マルテンサイト面積率が70%未満と不足し、さらにセメンタイトの平均粒子間距離が大きすぎるため、伸びと伸びフランジ性は優れているものの、降伏強度が劣っている。
また、鋼No.11は、C含有量が高すぎることにより、マルテンサイトの面積率は70%以上確保されているが、その硬さが高すぎることに加え、固溶炭素量が多すぎるため、降伏強度には優れているものの、伸びと伸びフランジ性がともに劣っている。
また、鋼No.13は、Si含有量が高すぎることにより、マルテンサイトの面積率が不足するため、伸びは優れているものの、降伏強度と伸びフランジ性が劣っている。
また、鋼No.14は、Mn含有量が低すぎることにより、マルテンサイト面積率が不足するため、伸びは優れているものの、降伏強度と伸びフランジ性が劣っている。
また、鋼No.17は、Mn含有量が高すぎることにより、焼入れ時(焼鈍加熱後の冷却時)にオーステナイトが残留するため、伸びは優れているものの、降伏強度と伸びフランジ性が劣っている。
また、鋼No.2は、Cr含有量が低すぎることにより、セメンタイトの平均粒子間距離が大きくなりすぎ、伸びと伸びフランジ性に優れているものの、降伏強度が劣っている。
また、鋼No.7は、Cr含有量が高すぎることにより、焼入れ時に残留オーステナイトが形成され、降伏強度と伸びに優れているものの、伸びフランジ性が劣っている。
また、鋼No.25〜29は、焼鈍条件または焼戻し条件が推奨範囲を外れていることにより、本発明の組織を規定する要件のうち少なくとも一つを満たさず、降伏強度、伸びおよび伸びフランジ性のうち少なくとも一つが劣っている。
Figure 0004324227
示差走査型熱量計(DSC)による測定結果の一例を示す図である。

Claims (3)

  1. 質量%で(以下、化学成分について同じ。)、
    C:0.03〜0.30%、
    Si:0.1〜3.0%、
    Mn:1.0〜5.0%、
    Cr:0.5%超、3.0%以下
    P:0.1%以下、
    S:0.005%以下、
    N:0.01%以下、
    Al:0.01〜1.00%
    を含み、残部が鉄および不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    焼戻しマルテンサイトが面積率で70%以上(100%を含む)を含み、残部がフェライトからなる組織を有し、
    上記焼戻しマルテンサイト中のセメンタイトの面積率f(%)と該セメンタイトの平均円相当直径Dθ(μm)とが下記式1の関係を満足するとともに、
    示差走査型熱量計(DSC)で測定された、400℃から600℃の間に発生する熱量が1J/g以下である
    ことを特徴とする降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
    式1:(0.9f−1/2−0.8)×Dθ≦6.5×10−1
    ここに、f=[%C]/6.69である。
  2. 成分組成が、更に、
    Mo:0.01〜1.0%、
    Cu:0.05〜1.0%、
    Ni:0.05〜1.0%、
    B:0.0002〜0.0050%、
    の1種または2種以上を含むものである
    請求項1に記載の降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
  3. 成分組成が、更に、
    Ca:0.0005〜0.01%、
    Mg:0.0005〜0.01%、
    REM:0.0005〜0.01%、
    の1種または2種以上を含むものである
    請求項1または2に記載の降伏応力と伸びと伸びフランジ性に優れた高強度冷延鋼板。
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