JP5553171B2 - 析出強化型合金の析出強化量推定方法 - Google Patents

析出強化型合金の析出強化量推定方法 Download PDF

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本発明は、析出強化型合金の析出強化量推定方法に関し、特に、析出強化型合金の析出強化量を推定するために用いて好適なものである。
金属材料の強度を高めるには、金属材料中の結晶粒の微細化、金属材料への固溶元素の添加による固溶強化、金属材料中に析出物を分散させることによる析出強化、金属材料中の転位密度を増加させる転位強化等が有効である。材料の強度をより向上させるため、ひとつの金属材料に対して、これらの金属材料の強度の強化方法を、複合的に付与している場合が多い。これらの強化による強化量を推定することは、材料設計において重要である。結晶粒の微細化による強化量については、結晶粒径から強化量を計算する式が知られ、この式による強化量は実測値と良く一致することが知られている。固溶元素の添加による固溶強化量については、実験から求めた、各種合金と添加固溶元素量との関係が提示されており、この関係から固溶強化量を求めることが知られている。
しかし、析出強化量については、添加元素量のみでは表すことはできず、合金の熱処理による析出物の形成状態(すなわち、析出粒子のサイズや個数密度等)によって、大きく変化する。転位強化量についても、加工や熱処理によって変化し、転位密度の観察は難しいことから、容易に推定することは困難である。
したがって、目的の金属材料の強化量の測定はできても、その強化要因が前記のように多岐に渡っている場合には、析出強化量単独の測定はできない。このように、析出強化のために添加した合金元素がどれほど効率的に活用されているのかを推測することは困難であった。例えば特許文献1では、材料の初期状態、熱間加工、析出、変態、組織、材質をそれぞれモデル化し、このモデルに基づいて、目標とする材質を得るための製造条件を材質との関係で制御し、材質を予測する鋼板の材質予測制御方法を提案している。しかし、特許文献1では、ある析出状態に対する析出強化量が判っている前提での製造条件の制御を目的としており、析出粒子の種類、サイズ、個数密度による析出強化量の変化そのものについては述べられていない。
これに対して、省資源、製造コストの削減、及びリサイクル性向上の観点から、析出強化のための合金元素の削減が求められている。合金元素を削減した上で、多種の合金元素を有する金属材料と同等の強度を確保するためには、限られた合金元素を最大限有効活用し、明確な制御指針を持って析出粒子のサイズ及び個数密度の制御をしなくてはならない。例えば、特許文献2では、析出強化型鋼板の設計方法として、析出強化量が大きくなる炭化物形成元素の組み合わせ方法が述べられている。しかし、特許文献2でも、析出粒子のサイズや個数密度は不明であり、析出粒子のサイズや個数密度が変化したときの析出強化量の変化は調べられていない。
このように、従来は、与えられた析出粒子のサイズ及び個数密度とその析出強化量との定量的関係は明らかになっていなかった。この理由は、析出粒子1個あたりの抵抗力の粒子サイズ依存性を調べることができなかったことに由来する。
特開平4−361158号公報 特開2005−120430号公報
「鉄鋼材料」、日本金属学会、丸善、1985年 「非鉄材料」、日本金属学会、丸善、1987年 木村宏著、「改訂材料強度の考え方」、アグネ技術センター、2002年 「金属データブック」、日本金属学会、丸善、2004年
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、析出粒子のサイズ及び個数密度に対する析出強化量を推定できるようにすることを目的とする。
本発明者らは、析出強化型合金の析出強化量を推定する方法を吟味し、モデル合金を用いて析出粒子1個あたりの抵抗力(析出物の析出強化への寄与)を予め求めておくことで、コンピュータを用いて任意の析出粒子のサイズ及び個数密度における析出強化量を算出する方法、すなわち、目的の析出強化型合金の析出粒子のサイズ及び個数密度の観察からその析出強化量を計算する方法により、前記の目的を達成することが可能であることを見出し、以下の発明を創案した。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)析出強化型合金の析出強化量を推定する析出強化量推定方法であって、前記析出強化型合金と同じ母相及び析出物種を持ち、且つ、熱処理条件によって析出強化量が変化するモデル合金材料であって、熱処理条件が異なる複数のモデル合金材料を作製する工程と、前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズ及び個数密度と、当該析出粒子を構成する元素の固溶濃度と、を測定する工程と、前記モデル合金材料の引張試験を行い、当該モデル合金材料の降伏強度を測定する工程と、前記モデル合金材料の降伏強度と、前記モデル合金材料中の析出粒子を構成する元素の固溶濃度と、に基づいて、前記モデル合金材料の析出強化量を算出する工程と、前記析出強化量と、前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、前記モデル合金材料中の析出粒子の個数密度と、に基づいて、前記モデル合金材料の析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する工程と、前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、前記モデル合金材料中の析出粒子1個あたりの抵抗力との相関を算出する工程と、前記相関を記憶媒体に格納する工程と、前記析出強化型合金中の析出粒子のサイズ及び個数密度を測定する工程と、前記相関に前記析出強化型合金中の析出粒子のサイズを当てはめ、前記析出強化型合金材の析出粒子1個あたりの抵抗力を求める工程と、前記析出強化型合金の析出粒子1個あたりの抵抗力と、当該析出粒子のサイズ及び個数密度と、に基づいて、前記析出強化型合金の析出強化量を算出する工程と、を有することを特徴とする析出強化型合金の析出強化量推定方法。
(2)前記モデル合金材料は、常温から該モデル合金材料の溶体化温度に至るまで、変態を起こさない成分系である鋼であることを特徴とする(1)に記載の析出強化型合金の析出強化量推定方法。
(3)前記析出粒子のサイズ及び個数密度と、当該析出粒子を構成する元素の固溶濃度とを、三次元アトムプローブ法を用いて測定することを特徴とする(1)又は(2)に記載の析出強化型合金の析出強化量推定方法。
本発明によれば、析出粒子のサイズ及び個数密度に対する析出強化量を推定することができる。よって、析出強化、固溶強化、結晶粒の微細化による強化等が複合的に付与されている場合においても、析出強化量の精度良い予測が可能となる。
析出強化型合金の析出強化量の推定方法の流れの一例を示すフローチャートである。 実施例1の析出粒子1個あたりの抵抗力の粒子サイズ依存性を示す図である。 実施例2の析出粒子1個あたりの抵抗力の粒子サイズ依存性を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、析出強化型合金の析出強化量の推定方法の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、図1の各工程の概要を説明する。
ステップS1のモデル合金材料作製工程では、熱処理条件を違えて析出粒子のサイズと個数密度とを変化させ、その結果、析出強化量が異なるモデル合金材料を作製する。
次に、ステップS2の析出粒子のアトムプローブ測定工程では、三次元アトムプローブを用いて析出粒子のサイズと個数密度を測定すると共に、析出粒子を構成する元素の固溶濃度を測定する。
一方で、ステップS3の引張試験による降伏強度測定工程では、引張試験により、モデル合金材料の降伏強度を測定する。
ステップS4の析出強化量算出工程では、まず、ステップS2で得られた元素の固溶濃度から固溶強化量を算出する。次に、熱処理を施していない試料と、熱処理を施した各試料とについて、それぞれステップS3で測定された降伏強度から、固溶強化量を差し引いた値を求め、熱処理を施した試料の値の、熱処理を施していない試料の値からの増分を、熱処理を施した各試料の析出強化量とする。
次に、ステップS5のメモリー格納工程では、ステップS2で測定された析出粒子のサイズ、析出粒子の個数密度、及びステップS4で求められた析出強化量をメモリーに格納しておく。
次に、ステップS6の析出粒子1個あたりの抵抗力算出工程では、ステップS5でメモリーに格納された「析出粒子のサイズ、個数密度、及び析出強化量」を、析出強化の理論式に代入し、析出粒子の各サイズにおける析出粒子1個あたりの抵抗力を計算する。
次に、ステップS7の相関算出工程では、ステップS5で格納された析出粒子のサイズと、ステップS6で計算された析出粒子1個あたりの抵抗力との相関を最も良く表す適当な関数を求める。以上の結果から、あらゆる析出粒子のあらゆるサイズにおける1個あたりの抵抗力が求めることができるようになった。ステップS7で得られた相関(関数)は、ステップS8のメモリー格納工程でメモリーに格納される。
一方で、ステップS9の析出粒子のアトムプローブ測定工程では、析出強化量を求めたい合金(推定対象試料)の析出粒子のサイズと個数密度を、三次元アトムプローブを用いて測定する。
次に、ステップS10の析出粒子1個あたりの抵抗力算出工程では、ステップS9で測定された析出粒子のサイズを、ステップS8で格納された関数に代入することで、析出強化量を求めたい合金に含まれる析出粒子1個あたりの抵抗力を求める。
次に、ステップS11の析出強化量算出工程では、ステップS10で求められた析出粒子1個あたりの抵抗力と、ステップS9で測定された析出粒子のサイズ及び個数密度とを、析出強化の理論式に代入し、合金の析出強化量を算出し推定する。
最後に、ステップS12の出力・表示工程では、ステップS11で算出された析出強化量を出力・表示する。具体的に出力・表示工程では、ステップS11で算出された析出強化量を、例えば、記憶メディアに記憶したり、外部装置に送信したり、液晶ディスプレイ等に表示したりする。
本実施形態では、析出強化型合金の析出強化量を推定する析出強化量推定装置として、コンピュータ装置を用いることができる。この析出強化量推定装置は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを有し、図1のステップS4〜S8、S10〜S12の処理(図1の破線で囲まれているブロックにおける処理)を実現する。図1のステップS4〜S8、S10〜S12は、析出強化量推定装置のHDD等に記憶されたコンピュータプログラムをCPUが実行することにより実現される。ステップS4、S5、S10、S11のように、外部からの情報を受信する工程では、析出強化量推定装置の通信インターフェースが用いられる。また、ステップS5、S8のメモリー格納工程で使用されるメモリーには、例えば、析出強化量推定装置のRAMやHDD等が用いられる。
以下、本発明の各工程について詳細に説明する。
<モデル合金材料作製工程:ステップS1>
本工程は、熱処理条件によって析出強化量のみの強化量が変化するモデル合金材料を作製する工程である。
本実施形態では、析出強化型合金の析出強化量の推定のために、析出強化量を推定する析出強化型合金と同じ母相及び析出物種を持ち、且つ、強化量のうち、熱処理条件によって析出強化量のみの強化量が変化するモデル合金材料を作製しなければならない。ここで、析出強化量のみの強化量が変化するとは、熱処理することによって、析出状態(すなわち、析出粒子のサイズ及び個数密度)が変化することに伴って析出強化量が変化し、その他の強化量(すなわち、結晶粒径の変化や転位密度の変化による強化量)の変化がないことを意味する。しかしながら、析出物が形成されることによって、析出物を形成する元素の固溶濃度は低下する。このため、モデル合金材料において析出物を形成する元素による固溶強化量は例外的に変化しても良いとする。ただし、モデル合金材料において析出物を構成する元素以外の元素による固溶強化量は、変化してはならない。
熱処理条件によって析出強化量のみの強化量が変化するモデル合金材料の作製のためには、まず、状態図等を参考にして、目的の析出物の溶体化温度から常温に至るまで、母相が単相となるような合金組成を設計することが好ましい。定法によって合金を溶製、鋳造し、得られた合金片(試験片)に熱間圧延などの加工を加えても良い。次に、適当なサイズに切り出した合金片(試験片)に、前述の溶体化温度における熱処理を施し、水冷などの急冷をもって過飽和の固溶体にすることが必要である。急冷された試験片を、目的の析出物が析出する温度域の温度に保持する熱処理を行う。このとき、保持温度や時間を変化させることによって析出粒子のサイズが変化するよう複数の合金片(試験片)を作製する。常温から溶体化温度まで単相となるようにする理由は、合金片(試験片)を溶体化した後、過飽和の固溶体にするための冷却中に、体積変化を伴う変態が合金片(試験片)に起きると、変態時の歪みによって多量の転位が導入され、その後の析出を形成させるための熱処理の際に、転位が回復して転位強化量が低下するために、正確な析出強化量が求められなくなるためである。
以上のようなモデル合金材料の一例として、鋼の場合、常温から溶体化温度に至るまで変態を起こさない成分系であることが好ましい。鉄鋼材料のフェライト母相中の析出強化量を推定する場合には、1.5質量%以上10質量%以下のAlを含むモデル合金材料を利用することが好ましい。モデル合金材料におけるAlの質量割合を1.5質量%以上としたのは、1.5質量%以上のAlを添加すると、常温から溶体化温度に至るまで変態が生じなくなるからである。一方、モデル合金材料におけるAlの質量割合の上限を10質量%としたのは、Alを10質量%より多く添加すると、FeとAlとの金属間化合物が生じやすく、母相が単相でなくなり、やはり正確な析出強化量が測定できなくなるからである。モデル合金材料におけるAlの質量割合は、より好ましくは、2質量%以上8質量%以下である。Alの場合と同様の理由で、Siを1.5質量%以上7質量%以下含む合金をモデル合金材料として利用しても良い。また、常温から溶体化温度に至るまで母相をフェライト単相にするという狙いで、Al、Siの他にCr、Ti、Mo、V、W等を一種または二種以上添加して前述した目的を達成しても良い。
鉄鋼材料のオーステナイト母相中の析出強化量を推定する場合には、常温から溶体化温度に至るまでオーステナイト単相となるモデル合金材料を利用することが好ましい。例として、Ni、Mn、Co等をモデル合金材料に添加すると効果がある。
<析出粒子のアトムプローブ測定工程:ステップS2>
本工程は、モデル合金材料中の析出粒子のサイズ及び個数密度と、析出粒子を構成する元素の固溶濃度とを三次元アトムプローブ法により測定する工程である。
モデル合金材料中の析出粒子のサイズ及び個数密度を測定するために、三次元アトムプローブ法を利用することで、直径1nm未満の微細析出粒子から数10nmに至る析出粒子までの析出粒子のサイズと、実質的に析出強化に寄与する範囲の個数密度とを正確に測定することができる。そのために、切断及び電解研磨法(必要に応じて電解研磨法と併せて集束イオンビーム加工法)を活用し、熱処理後の試料から針状の試料を作製する。三次元アトムプローブ法による測定では、積算されたデータを再構築して実空間での実際の原子の立体分布像を求めることができる。原子の立体分布像の体積と、その立体分布像に含まれる析出粒子の数とに基づき、析出粒子の個数密度が求まる。また、析出粒子のサイズは、観察された析出粒子の構成原子数と析出粒子の格子定数とに基づき、析出粒子を球状と仮定して算出した直径である。任意に30個以上の析出粒子の直径を測定し、その平均値を析出粒子のサイズとして求める。
また、以上のような三次元アトムプローブ法による測定により得られた原子の立体分布像において、析出物以外の部分に存在する原子は固溶原子と見なせる。析出物を構成する元素の、析出物以外の部分での原子数濃度から、元素の固溶濃度を見積もる。
なお、三次元アトムプローブ法自体は、公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。また、析出粒子のサイズ及び個数密度と、析出粒子を構成する元素の固溶濃度とを測定するには、三次元アトムプローブ法を用いるのが好ましいが、これらの測定は、必ずしも三次元アトムプローブ法に限定されるものではない。
<引張試験による降伏強度測定工程:ステップS3>
本工程は、モデル合金材料の引張試験を行い、モデル合金材料の降伏強度を測定する工程である。
前記モデル合金材料においては、熱処理により変化した強度差が、析出強化量と固溶強化量とを足し合わせたものの変化に対応する。ステップS1で作製されたモデル合金材料を切り出し、引張試験に供することで、熱処理をしていない試料の降伏強度と、各熱処理温度で熱処理した試料の降伏強度とを測定する。
なお、降伏強度の測定は、公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
<析出強化量算出工程:ステップS4>
本工程は、ステップS3で得られた降伏強度と、ステップS2で得られた元素の固溶濃度とを入力し、それら降伏強度と固溶濃度とに基づいて、モデル合金材料の析出強化量を算出する工程である。
析出物を構成する元素の固溶濃度が変化することによって固溶強化量が変化する場合には、前記三次元アトムプローブ法により測定した固溶濃度から、各試料の固溶強化量を計算する。固溶強化量の計算にあたっては、固溶元素の添加量と固溶強化量との関係を、文献値(例えば、非特許文献1(「鉄鋼材料」(日本金属学会、1985年発行、丸善、第87頁))、あるいは非特許文献2(「非鉄材料」(日本金属学会、1987年発行、丸善、第85頁)))から直接読み取れば、求めることができる。全く析出の起きていない試料(すなわち、溶体化処理後、熱処理を施していない試料)と、析出を狙い熱処理を施した各試料とについて、それぞれステップS3で測定された降伏強度から固溶強化量を差し引いた値を求める。そして、熱処理を施した各試料の値の、熱処理を施していない試料の値からの増分を各試料の析出強化量とする。
<メモリー格納工程:ステップS5>
本工程は、モデル合金材料中の析出粒子のサイズ、個数密度、及び析出強化量を入力しメモリーに格納する工程である。
モデル合金材料の各熱処理試料について測定された、析出粒子のサイズ、個数密度、及び析出強化量は、一対一で対応付けられてメモリーに格納される。
<析出粒子1個あたりの抵抗力算出工程:ステップS6>
本工程は、析出強化量から析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する工程である。
例えば、非特許文献3(「改訂材料強度の考え方」(木村宏著、2002年発行、アグネ技術センター、第322頁))に、析出強化量は、析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出粒子の隙間間隔とから記述されることが述べられている。すなわち、析出粒子1個あたりの抵抗力は、析出粒子の隙間間隔と析出強化量とを用いて、以下の(1)式のように記述される。
Figure 0005553171
ここで、σcは、析出強化量(Pa)であり、Fは、析出粒子1個あたりの抵抗力(N)であり、Lは、析出粒子の隙間間隔(m)であり、Gは、母相金属の剛性率(Pa)であり、bは、バーガースベクトル(m)であり、Mは、テイラー因子である。GとbとMの値としては、非特許文献4(例えば「金属データブック」(日本金属学会、2004年発行、丸善))に記載されているデータを用いることができる。また、析出粒子の隙間間隔Lは、析出粒子のサイズをR(m)、個数密度をD(m-3)とすると、以下の(2)式のように記述される。
Figure 0005553171
すなわち、析出粒子1個あたりの抵抗力は、析出粒子のサイズ、個数密度、及び析出強化量を用いて記述される。(1)式に示す、析出強化量と、粒子隙間間隔と、粒子1個あたりの抵抗力との関係式は、析出粒子1個あたりの抵抗力Fが小さく、析出粒子のピン止めから転位が外れる離脱角φcが100°以上(又は100°超)のときに成り立つとされる。離脱角φcは、析出粒子1個あたりの抵抗力Fと、以下の(3)式の関係で記述される。
F=G×b2×cos(φc/2) ・・・(3)
また、析出粒子1個あたりの抵抗力Fが大きく、転位の離脱角φcが100°未満(又は以下)の場合には、析出強化量σcは、以下の(4)式で表される。
Figure 0005553171
まず、(1)式と(4)式との両方で、析出粒子1個あたりの抵抗力Fの値を計算する。そして、離脱角φcが100°以上(又は100°超)と求まれば、(1)式で計算した、析出粒子1個あたりの抵抗力Fの値を選択する。一方、離脱角φcが100°未満(又は100°以下)と求まれば、(4)式で計算した、析出粒子1個あたりの抵抗力Fの値を選択する。
以上の(1)式、(4)式の関係式を用いて、それぞれの析出粒子のサイズにおける、析出粒子1個あたりの抵抗力Fが求められる。
<相関算出工程:ステップS7>
本工程は、モデル合金材料中の析出粒子1個あたりの抵抗力と粒子サイズとの相関を算出する工程である。
まず、前述のステップS5でメモリーに格納された析出粒子のサイズを横軸とし、ステップS6で求められた析出粒子1個あたりの抵抗力を縦軸として値をプロットする。次に、これらの相関を最も良く表す適当な関数を求める。最も単純な場合は一次関数であり、その他、平方根、指数関数、対数関数、双曲線関数、またはこれらの和として表されるよう、回帰計算を行う。
<メモリー格納工程:ステップS8>
本工程は、モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、析出粒子1個あたりの抵抗力との相関をメモリーに格納する工程である。
<析出粒子のアトムプローブ測定工程:ステップS9>
本工程は、析出強化型合金中の析出粒子のサイズおよび個数密度を、三次元アトムプローブ法により測定する工程である。
析出強化量の推定対象試料である析出強化型合金の観察により、析出強化型合金中の析出粒子のサイズおよび個数密度を求める。析出粒子のサイズ及び個数密度の測定は、例えば、ステップS2の析出粒子のアトムプローブ測定工程でモデル合金材料を測定したのと同じ方法で行い、三次元アトムプローブ法を利用することが好ましい。
<析出粒子1個あたりの抵抗力算出工程:ステップS10>
本工程は、モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、析出粒子1個あたりの抵抗力との相関に、析出強化型合金中の析出粒子のサイズを当てはめ、析出強化型合金材の析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する工程である。
モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、析出粒子1個あたりの抵抗力との相関と、ステップS9で測定された析出強化型合金の析出粒子のサイズとから、析出強化型合金中の析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する。
<析出強化量算出工程:ステップS11>
本工程は、析出強化型合金材中の析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出強化型合金材中の析出粒子のサイズと、析出強化型合金材中の析出粒子の個数密度とを用いて、析出強化型合金材の析出強化量を算出する工程である。
「析出強化量と、析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出粒子の隙間間隔との関係」及び「析出粒子の隙間間隔と、析出粒子のサイズと、析出粒子の個数密度との関係」を利用し、ステップS10で算出された析出強化型合金中の析出粒子1個あたりの抵抗力と、ステップS9で測定された析出粒子のサイズ及び個数密度と、を用いて、析出強化型合金の析出強化量を算出する。
<出力・表示工程:ステップS12>
本工程は、析出強化型合金材の析出強化量を出力し表示する工程である。ステップS11で算出された析出強化型合金の析出強化量を出力し、表示する。
以上の通り、本実施形態では、まず、析出強化量を求めたい析出強化型合金と同じ母相及び析出物種を持ち、且つ、強化量のうち、熱処理条件によって析出強化量のみが変化するモデル合金材料を作製する。そして、析出による降伏強度の変化と、析出粒子を構成する元素の固溶濃度とからモデル合金材料の析出強化量を求める。さらに、モデル合金材料中の析出粒子のサイズ及び個数密度から、当該析出粒子1個あたりの抵抗力を算出し、当該析出粒子のサイズと、当該析出粒子1個あたりの抵抗力との相関を求めて記憶しておく。一方、析出強化型合金の観察により、析出強化型合金中の析出粒子のサイズ及び個数密度を求める。モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、析出粒子1個あたりの抵抗力との相関に、析出強化型合金中の析出粒子のサイズを当てはめ、析出強化型合金中の析出粒子1個あたりの抵抗力を求め、析出強化型合金中の析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出強化型合金中の析出粒子のサイズ及び個数密度とを用いて析出強化量を求める。したがって、析出粒子のサイズ及び個数密度に対する析出強化量を一意に推定することができる。すなわち、析出強化、固溶強化、結晶粒の微細化による強化等が複合的に付与されている場合においても、目的の析出強化型合金における、任意の析出粒子のサイズ及び個数密度における析出強化量の推定を精度良く行うことが可能となる。よって、合金元素を最も効率的に活用するための析出粒子のサイズ及び個数密度の予想を高精度に行うことが可能となり、限られた合金元素を最大限有効活用し、明確な制御指針を持って析出粒子のサイズ及び個数密度の制御を行うことができる。さらには特性の向上や省合金を達成することができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
本実施例では、Al−Mg−Si合金中のMgSiクラスタ粒子による析出強化量を推定した例を示す。MgSiクラスタ粒子と表記したのは、安定な析出相であるMg2Si析出物になる以前であったためである。強化量の推定に際してはクラスタ粒子であっても析出粒子と全く同様に、粒子1個あたりの抵抗力の見積もりや強化量の推測ができる。したがって、以降、クラスタ粒子を析出粒子として扱い、表記もMgSi析出粒子とする。
モデル合金としてAl−0.7Mg−0.4Si(ただし数値は質量%)を有する合金を溶解、鋳造後、試料として切り出した。次に、試料を550℃において溶体化処理した後、水冷し、90℃または175℃においてMgSiを析出させた試料A〜Dをそれぞれ作製した。試料A〜D、及び溶体化処理後熱処理を施していない試料について、三次元アトムプローブ法により、MgSi析出粒子のサイズ及び個数密度と、Mg及びSiの固溶濃度とを測定した。
溶体化処理後、熱処理を施していない試料には、MgSi析出粒子は生成されていなかった。また、試料A〜Dと、溶体化処理後、熱処理を施していない試料とについて、平行部の直径が6mmφ、長さが32mmの丸棒引張試験片を採取し、JIS Z 2241に記載の測定方法に従って引張試験を行い、それぞれの降伏強度を測定した。各試料A〜DにおけるMg及びSiの固溶強化量の見積もりには、「非鉄材料」(日本金属学会、1987年発行、丸善、第85頁)に記載のある、各元素の固溶濃度と固溶強化量との関係を用いた。降伏強度と、Mg及びSiの固溶強化量とを用いて、試料A〜Dの析出強化量を求めた。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005553171
試料A〜Dのそれぞれについて、析出粒子のサイズ、析出粒子の個数密度、及び析出強化量をメモリーに入力し、各試料A〜Dの析出粒子の平均サイズに対する、析出粒子1個あたりの抵抗力を求めた。ここで、剛性率Gとして26.0×109(Pa)、バーガースベクトルbとして0.29×10-9(m)、テイラー因子Mとして3.06を用いた。
続いて試料A〜Dについて析出粒子1個あたりの抵抗力と析出粒子サイズとの関係をプロットし、これらの相関を回帰計算により算出した。図2は、MgSi析出粒子1個あたりの抵抗力と粒子サイズとの関係の一例を示す。図2に示されるように、析出粒子1個あたりの抵抗力は、析出粒子のサイズに依存し、これらの関係は線形近似できる。
析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出粒子のサイズとの相関から、析出粒子の任意の平均サイズ及び任意の個数密度のMgSi析出物を含むAl合金について、MgSi析出物による析出強化量を推定することができる。ここでは、引張試験で析出強化量を調べることのできる前記モデル合金を利用して、推定値と実験値とが一致することを示す。
Al−0.7Mg−0.4Si(ただし数値は質量%)合金を用い、550℃で溶体化処理をした後、水冷し、150℃においてそれぞれ熱処理した試料E、Fを作製した。それぞれの試料E、Fについて三次元アトムプローブ法により、MgSi析出粒子のサイズ及び個数密度と、Mg及びSiの固溶濃度とを測定した。続いて、析出強化量の推定のために、前記算出されたMgSi析出粒子1個あたりの抵抗力と析出粒子のサイズとの相関に、各試料における析出粒子のサイズを当てはめ、各試料E、Fにおける析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する。さらに、各試料E、Fにおける析出粒子のサイズと、各試料E、Fにおける析出粒子の個数密度と、を用いて、析出強化型合金材の析出強化量(推定値)を算出した。一方で、試料E、Fの引張試験により測定した降伏強度と、Mg及びSiの固溶強化量から見積もった固溶濃度とを用いて、析出強化量を求めた。表2に示すように、推定値と実測値は良い一致を示した。
Figure 0005553171
(比較例1)
比較例として、本実施形態の工程と異なる工程を利用した場合を示す。モデル合金として作製した前記試料A〜Dを用い、走査電子顕微鏡により析出粒子のサイズ及び個数密度の測定を試みた。しかし、試料A〜Dの全てにおいてMgSi析出粒子を観察することができなかった。また、引張試験を行ったところ、試料A〜Dの析出強化量は変化しているため、析出粒子1個あたりの抵抗力と析出粒子のサイズとの相関を算出することができなかった。
(実施例2)
本実施例では、フェライト鋼中のTiC析出粒子による析出強化量を推定した例を示す。モデル合金としてフェライト鋼であるFe−0.03C−0.12Ti−4Al(ただし数値は質量%)を有する鋼を溶解、鋳造後、試料として切り出した。このフェライト鋼は、常温から溶体化温度に至るまで、変態を起こさない成分系である鋼である。次に、試料を1200℃において溶体化処理した後、水冷し、580℃において熱処理時間を違えてTiC析出物を生成させた試料G〜Jをそれぞれ作製した。試料G〜J、及び溶体化処理後熱処理を施していない試料について、三次元アトムプローブ法により、TiC析出粒子のサイズ及び個数密度と、Ti及びCの固溶濃度とを測定した。
溶体化処理後、熱処理を施していない試料には、TiC析出物は生成されていなかった。また、試料G〜Jと、溶体化処理後、熱処理を施していない試料とについて、平行部の直径が6mmφ、長さが32mmの丸棒引張試験片を採取し、JIS Z 2241に記載の測定方法に従って引張試験を行い、それぞれの降伏強度を測定した。各試料G〜JにおけるTi及びCの固溶強化量の見積もりには、「鉄鋼材料」(日本金属学会、1985年発行、丸善、第87頁)に記載のある、各元素の固溶濃度と固溶強化量との関係を用いた。降伏強度と、Ti及びCの固溶強化量とを用いて、試料G〜Jの析出強化量を求めた。これらの結果を表3に示す。
Figure 0005553171
試料G〜Jのそれぞれについて、析出粒子のサイズ、析出粒子の個数密度、及び析出強化量をメモリーに入力し、各試料G〜Jの析出粒子の平均サイズに対する、析出粒子1個あたりの抵抗力を求めた。ここで、剛性率Gとして81.6×109(Pa)、バーガースベクトルbとして0.25×10-9(m)、テイラー因子Mとして2を用いた。
続いて試料G〜Jについて析出粒子1個あたりの抵抗力と析出粒子サイズとの関係をプロットし、これらの相関を回帰計算により算出した。図3は、TiC析出粒子1個あたりの抵抗力と粒子サイズとの関係の一例を示す。図3に示されるように、析出粒子1個あたりの抵抗力は、析出粒子のサイズに依存し、これらの関係は線形近似できる。
析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出粒子サイズとの相関から、析出粒子の任意の平均サイズ及び任意の個数密度のTiC析出物を含むフェライト鋼について、TiC析出物による析出強化量を推定することができる。ここでは、引張試験で析出強化量を調べることのできる前記モデル合金を利用して、推定値と実験値とが一致することを示す。
Fe−0.05C−0.20Ti−3Al(ただし数値は質量%)を有する鋼を用い、1200℃で溶体化処理後をした後、水冷し、560℃、580℃及び650℃においてそれぞれ熱処理した試料K、L、Mを作製した。それぞれについて三次元アトムプローブ法により、TiC析出粒子のサイズ及び個数密度と、Ti及びCの固溶濃度とを測定した。続いて、析出強化量の推定のために、前記算出されたTiC析出粒子1個あたりの抵抗力と析出粒子サイズとの相関に、各試料K、L、Mにおける析出粒子のサイズを当てはめ、各試料K、L、Mにおける析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する。さらに、各試料K、L、Mにおける析出粒子のサイズと、各試料K、L、Mにおける析出粒子の個数密度と、を用いて、析出強化型合金材の析出強化量(推定値)を算出した。一方で、試料K、L、Mの引張試験により測定した降伏強度と、Ti及びCの固溶強化量から見積もった固溶濃度とを用いて、析出強化量を求めた。表4に示すように、推定値と実測値は良い一致を示した。
Figure 0005553171
(比較例2)
比較例として、常温から溶体化温度の間に変態を伴うために、前述したモデル合金に当てはまらないFe−0.03C−0.1Ti(ただし数値は質量%)を有する鋼を溶解、鋳造後、試料として切り出した。次に、試料を、溶体化処理した後、水冷し、580℃において熱処理時間を違えてTiC析出物を生成させた試料N〜Pをそれぞれ作製した。しかし、引張試験を行ったところ、試料N〜Pはいずれも、溶体化処理後、熱処理を施していない試料よりも強度が低下しており、いずれも正しい析出強化量を評価することができなかった。したがって、析出粒子1個あたりの抵抗力と、析出粒子のサイズとの相関を求めることができなかった。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、少なくとも、図1のステップS4〜S8、S10〜S12の処理(図1の破線で囲まれているブロックにおける処理)は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

Claims (3)

  1. 析出強化型合金の析出強化量を推定する析出強化量推定方法であって、
    前記析出強化型合金と同じ母相及び析出物種を持ち、且つ、熱処理条件によって析出強化量が変化するモデル合金材料であって、熱処理条件が異なる複数のモデル合金材料を作製する工程と、
    前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズ及び個数密度と、当該析出粒子を構成する元素の固溶濃度と、を測定する工程と、
    前記モデル合金材料の引張試験を行い、当該モデル合金材料の降伏強度を測定する工程と、
    前記モデル合金材料の降伏強度と、前記モデル合金材料中の析出粒子を構成する元素の固溶濃度と、に基づいて、前記モデル合金材料の析出強化量を算出する工程と、
    前記析出強化量と、前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、前記モデル合金材料中の析出粒子の個数密度と、に基づいて、前記モデル合金材料の析出粒子1個あたりの抵抗力を算出する工程と、
    前記モデル合金材料中の析出粒子のサイズと、前記モデル合金材料中の析出粒子1個あたりの抵抗力との相関を算出する工程と、
    前記相関を記憶媒体に格納する工程と、
    前記析出強化型合金中の析出粒子のサイズ及び個数密度を測定する工程と、
    前記相関に前記析出強化型合金中の析出粒子のサイズを当てはめ、前記析出強化型合金材の析出粒子1個あたりの抵抗力を求める工程と、
    前記析出強化型合金の析出粒子1個あたりの抵抗力と、当該析出粒子のサイズ及び個数密度と、に基づいて、前記析出強化型合金の析出強化量を算出する工程と、
    を有することを特徴とする析出強化型合金の析出強化量推定方法。
  2. 前記モデル合金材料は、常温から該モデル合金材料の溶体化温度に至るまで、変態を起こさない成分系である鋼であることを特徴とする請求項1に記載の析出強化型合金の析出強化量推定方法。
  3. 前記析出粒子のサイズ及び個数密度と、当該析出粒子を構成する元素の固溶濃度とを、三次元アトムプローブ法を用いて測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の析出強化型合金の析出強化量推定方法。
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