JP2008297592A - 伸びおよび伸びフランジ性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた伸びおよび伸びフランジ性を兼ね備えた高強度鋼板を提供する。
【解決手段】本発明の高強度鋼板は、好ましくは化学成分が、mass%で、C:0.05〜0.3%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.1%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなり、焼戻しマルテンサイトと微細分散した焼鈍ベイナイトを主体とする組織を有する。前記焼戻しマルテンサイトの占積率は50〜95%で、前記焼鈍ベイナイトの占積率は5〜30%であり、前記焼戻しマルテンサイトの平均粒径は円相当直径で10μm 以下である。また、引張強度は590MPa以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用鋼板に代表される高プレス成形性が求められる高強度鋼板、特に延性及び伸びフランジ性を兼ね備えた高強度鋼板とその製造方法に関する。
近年、自動車用鋼板には、高強度のみならず高プレス成形性すなわち優れた伸び及び伸びフランジ性が要求されるようになってきた。これらの各特性を兼ね備えた鋼として、例えば特許文献1に記載されているように、金属組織がフェライト相とマルテンサイト相からなる複合組織鋼(DP鋼:Dual phase鋼)が知られている。前記DP鋼は軟質なフェライトにより延性(伸び)を確保すると共に硬質なマルテンサイトにより強度を確保することができるので、強度と伸び(特に、均一伸び)を兼備するものである。しかし、軟質なフェライトと硬質なマルテンサイトが共存するため、変形時には両相の界面にひずみ(応力)が集中して、界面が破壊の起点となり易くなり、伸びフランジ性(局部伸び)が確保し難いという欠点がある。
また、DP鋼よりも更に高い延性(特に、均一伸び)が期待できる鋼板として、例えば、特許文献2に記載されているように、TRIP(Transformation Induced Plasticity:変態誘起塑性)現象を活用したTRIP鋼が知られている。このTRIP鋼は、変形中に残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させること(加工誘起変態)により、均一伸びを高めた鋼板である。しかし、TRIP鋼の残留オーステナイトが加工中に変態したマルテンサイトは極めて硬質であるため、破壊の起点となり易く、やはり伸びフランジ性の低下を余儀なくされる。
一方、伸びフランジ性を向上させるためには、均一組織が有効であることが知られている。マルテンサイト単相組織鋼板は均一組織であるため、強度と伸びフランジ性を両立させる鋼板として知られている。しかし、マルテンサイト単相組織鋼板は延性に劣り、伸びが不十分であるという問題がある。
特開昭55−122820号公報 特開昭60−43425号公報
上記のとおり、DP鋼板、TRIP鋼板、およびマルテンサイト単相組織鋼板は、それぞれ一長一短があるため、高強度と共に優れた伸びおよび伸びフランジ性を兼備した鋼板が求められている。本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、優れた伸びおよび伸びフランジ性を兼ね備えた高強度鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは高強度を確保しつつ、伸び及び特に伸びフランジ性を改善する組織を種々検討した結果、初期組織として微細なラス状組織であるベイナイトをフェライト+オーステナイトの二相温度域で焼鈍(以下、「二相域焼鈍」という。)することによって、基地中に生成した微細な焼鈍ベイナイトがオーステナイトの成長を抑制するように作用し、その後の焼き入れ、焼戻しによりオーステナイトから微細な焼戻しマルテンサイトが生じ、組織全体がこれらの微細組織によって形成されるため、伸び、伸びフランジ性が改善されることを知見し、これにより本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の高強度鋼板は、焼戻しマルテンサイトと焼鈍ベイナイトを主体とする組織を有し、前記焼戻しマルテンサイトの占積率が50〜95%で、前記焼鈍ベイナイトの占積率が5〜30%であり、前記焼戻しマルテンサイトの平均粒径が円相当直径で10μm 以下であり、引張強度が590MPa以上とされたものである。前記円相当直径とは、焼戻しマルテンサイトの粒と面積が等しい円を想定し、その円の直径を意味するもので、組織写真を画像解析することによって求められる。また、占積率とは体積%を意味し、組織観察試験片をナイタール腐食し、光学顕微鏡観察(1000倍)し、観察された組織写真を画像解析することによって求められる。また、焼鈍ベイナイトは、結晶構造としては体心立方構造として観察される。
本発明の高強度鋼板は、上記のとおり、その組織に特徴があり、その化学成分は制限されないが、上記組織、強度を得やすい化学成分(単位はmass%)は以下のとおりである。すなわち、その化学成分は、C:0.05〜0.3%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.1%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる。上記基本成分に加えて、下記の(1) から(5) に記載した元素群のいずれか、あるいは複数群から選択された1種又は2種以上の元素を、各元素群に規定した範囲内で含めることができる。
(1) Ti、Nb、V、Zrから選択される1種以上の元素を合計量で0.01〜1%
(2) NiおよびCuから選択される1種以上の元素を合計量で1%以下
(3) Cr:2%以下、Mo:1%以下のうち1種以上の元素
(4) Bを0.0001〜0.005%
(5) CaおよびREMから選択される1種以上の元素を合計量で0.003%以下
また、本発明に係る、伸び及び伸びフランジ性に優れた高強度鋼板の製造方法は、上記化学成分を有し、全組織に対するベイナイトの占積率が90%以上である素材鋼板を準備し、この素材鋼板を(Ac3点−100)℃以上、Ac3以下の温度で0sec 以上(0sec を含む。)、2400sec 以下の時間を保持した後、10℃/sec以上の平均冷却速度でマルテンサイト変態開始温度Ms点以下まで冷却し、引き続いて300℃以上、550℃以下で60sec 以上、1200sec 以下の時間を保持し、引張強度が590MPa以上の鋼板を製造するものである。前記素材鋼板は、前記化学成分の鋼片を熱間圧延あるいはさらに冷間圧延を行うことにより製造することができる。
本発明によれば、特に焼戻しマルテンサイトと微細分散した焼鈍ベイナイトとを主体とする組織とし、それぞれの占積率を所定量に規定すると共に焼戻しマルテンサイトの平均粒径を10μm 以下に規定したので、590MPa以上の高強度を有しながら、優れた伸びおよび伸びフランジ性を兼備し、引いては優れたプレス成形性を備えた高強度鋼板を提供することができる。本発明にかかる高強度鋼板はこのように優れたプレス成形性を有するので、自動車用鋼板を始め、様々な鋼製品の素材として好適である。
本発明の高強度鋼板は、焼戻しマルテンサイト中に焼鈍ベイナイトが微細分散した組織を主体とし、前記焼戻しマルテンサイトの占積率が50〜95%、前記焼鈍ベイナイトの占積率が5〜30%であり、前記焼戻しマルテンサイトの平均粒径が円相当直径で10μm 以下であり、引張強度が590MPa以上とされたものである。以下、組織の限定理由を説明する。
前記焼鈍ベイナイトの占積率が5%未満では、オーステナイトの成長を抑制するピンニング効果が弱く、オーステナイト粒が成長して、引いてはマルテンサイトが大粒となって、良好な伸びを確保することが困難になる。一方、30%を超えると、伸びフランジ性が低下するようになる。このため、焼鈍ベイナイトの下限を5%、好ましくは7%とし、その上限を30%、好ましくは25%とする。
また、焼戻しマルテンサイトの占積率が50%未満では強度が低下すると共に、伸びフランジ性が低下し、一方95%を超えると硬くなり過ぎて伸びが低下するようになる。このため、焼戻しマルテンサイト相の下限を50%、好ましくは70%とし、その上限を95%、好ましくは85%とする。
また、前記焼戻しマルテンサイトの平均粒径は、微細分散した焼鈍ベイナイトの量によって左右されるが、相当円直径で10μm を超えると伸び及び伸びフランジ性が低下するようになる。このため、上限を10μm とする。
前記焼戻しマルテンサイトと焼鈍ベイナイトとの共存組織は、本発明の高強度鋼板の組織主体を構成するが、主体とは90%以上、好ましくは95%以上を意味し、他の組織が10%程度未満含まれても、伸び、特に伸びフランジ性に対する影響が少ないので許容される。他の組織としては、フェライト、パーライト、残留オーステナイトなどがある。勿論、これらの組織は少ない方がよい。
次に、本発明にかかる鋼板の組織、強度を得るのに好適な化学成分(単位はmass%)について説明する。このような化学成分として、C:0.05〜0.3%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.5〜3.0%、Al:0.01〜0.1%を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなるものを示すことができる。以下、成分限定理由について説明する。
C:0.05〜0.3%
Cはマルテンサイトを生成させ、鋼板の強度を高める上で重要な元素である。0.05%未満ではかかる効果が過少となり、一方、高強度化の観点からはC量が多いほど好ましいが、0.3%を超えると残留オーステナイトが多量に生成して伸びフランジ性が低下するようになる。また、溶接性も劣化するようになる。このため、C量の下限を0.05%、好ましくは0.07%とし、その上限を0.3%、好ましくは0.25%とする。
Si:0.01〜3.0%
Siは鋼を溶製する際に脱酸元素として作用し、また鋼の延性を劣化させることなく強度を高めるのに有効な元素で、さらに伸びフランジ性を劣化させる粗大な炭化物の析出を抑える作用を有している。0.01%未満ではこれらの作用が過少であり、3.0%程度を超えて添加しても効果が飽和する。このため、Si量の下限を0.01%、好ましくは0.1%とし、その上限を3.0%、好ましくは2.5%とする。
Mn:0.5〜3%
Mnは鋼の焼入れ性を高めて高強度を確保する上で有用な元素であり、0.5%未満ではこうした作用が過少となる。一方、3%を超えると延性を低下させて加工性に悪影響を及ぼす。このため、Mn量の下限を0.5%、好ましくは0.7%とし、その上限を3%、好ましくは2.5%とする。
Al:0.01〜0.1%
Alは脱酸作用を有する元素であり、そのためには0.01%以上添加する必要がある。一方、0.1%超添加しても脱酸効果は飽和し、また非金属系介在物源となって物性や表面性状を劣化させる。このため、Al量の下限を0.01%、好ましくは0.03%とし、その上限を0.1%、好ましくは0.08%とする。
本発明鋼板の好適な化学成分は、上記基本成分のほか、残部Fe及び製造上不可避的に混入する不純物、例えばP、S、N、Oからなる。もっとも、鋼板の機械的特性を向上させるために下記(1) から(5) に記載した補助元素群のいずれか、あるいは複数群から選択された元素の1種又は2種以上を、各群の添加許容範囲内で添加することができる。
(1) Ti、Nb、V、Zrから選択される1種以上の元素を合計量で0.01〜1%
(2) NiおよびCuから選択される1種以上の元素を合計量で1%以下
(3) Cr:2%以下、Mo:1%以下のうち1種以上の元素
(4) Bを0.0001〜0.005%
(5) CaおよびREMから選択される1種以上の元素を合計量で0.003%以下
Ti、Nb、V、Zrの1種以上:合計量で0.01〜1%
これらの元素はCやNと炭化物、窒化物、炭窒化物などの析出物を形成し、強度向上に寄与するほか、熱延時に結晶粒を微細化して伸びおよび伸びフランジ性を高める作用を有する。合計添加量が0.01%ではかかる作用が過少となる。一方、1%を超えると伸び、伸びフランジ性が却って低下するようになる。このため、これらの元素の1種又は2種以上の合計量の下限を0.01%、好ましくは0.03%とし、その上限を1.0%、好ましくは0.7%とする。
Ni、Cuの1種以上:合計量で1%以下
これらの元素は、強度−延性バランスを高く維持したまま、高強度化を実現するのに有効な元素である。こうした効果を有効に発揮させるには0.05%以上添加することが好ましい。一方、これらの元素の含有量が増加するに従って前記効果も増大するが、これらの元素の1種又は2種以上の合計量が1%を超えるとかかる効果が飽和するようになり、また熱延時に割れが生じるおそれが生じる。このため、合計量の上限を1.0%、好ましくは0.7%とする。
Cr:2%以下、Mo:1%以下の1種又は2種
これらの元素は、いずれもオーステナイト相を安定化し、冷却過程でベイナイトの生成を容易にするのに有効な元素である。その効果は、含有量が増加するほど増大するが、過剰に含有されると延性が却って劣化する。このため、Crは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下とし、Moは1.0%以下、より好ましくは0.7%以下とする。
B:0.0001〜0.005%
Bは焼き入れ性を向上し、微量で鋼板の強度を高めるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには0.0001%以上含有させることが好ましい。しかし、Bの含有が過剰となり、0.005%を超えると、結晶粒界が脆化して圧延時に割れが生じるおそれがある。このため、上限を0.005%とする。
Ca、REMの1種以上:合計量で0.003%以下
これらの元素は、鋼中の硫化物の形態を制御し、加工性の向上に有効な元素である。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、過剰に含有されると、上記効果が飽和するので、これらの元素の1種又は2種以上の合計量の上限を0.003%とする。
次に、本発明の実施形態に係る高強度鋼板の製造方法について説明する。まず、上記化学成分を有し、全組織に対するベイナイトの占積率が90%以上である素材鋼板を準備する。次に、この素材鋼板に(Ac3点−100)℃以上、Ac3以下の温度で0sec 以上、2400sec 以下の時間を保持した後、10℃/sec以上の平均冷却速度でマルテンサイト変態開始温度Ms点以下まで冷却する焼鈍熱処理を施す。引き続いて300℃以上、550℃以下で60sec 以上、1200sec 以下の時間を保持する焼戻し熱処理を施すことによって、引張強度が590MPa以上の前記焼戻しマルテンサイトと焼鈍ベイナイトを主体とする微細組織の鋼板が得られる。
前記素材鋼板は、以下の工程によって製造することができる。まず、上記化学成分の鋼を溶製し、その鋼スラブを用いて、仕上温度がAr3点以上となるようにして熱間圧延を終了し、その後、10℃/sec以上の平均冷却速度でベイナイト変態温度(350〜450℃程度)まで冷却し、同温度にて巻き取る。仕上温度がAr3点未満あるいは熱間圧延後の冷却速度が10℃/sec未満では、熱延鋼板にフェライト相が生成しやすくなって、素材鋼板のベイナイトの占積率が90%を下回るようになる。また、素材鋼板としては、熱間圧延後に酸洗処理、冷間圧延を施して、冷延鋼板としたものでもよい。なお、Ti、Nb、V、Zrを含む鋼種では、熱延前に生成した前記元素を含む析出物を再固溶させるため、熱延の際に鋼片を高めの温度に加熱保持することが好ましい。
前記素材鋼板は、上記熱間圧延条件、冷却条件を満足しない熱延鋼板に対して、下記予備焼鈍を施すことによっても、ベイナイトの占積率を90%以上にすることができる。この予備焼鈍は、熱延鋼板をAc3点以上の温度域に5秒程度以上保持した後、10℃/sec以上の平均冷却速度でベイナイト変態温度まで冷却する熱処理ある。保持温度がAc3点未満では、鋼板にフェライト相が生成しやすくなって、ベイナイトの占積率が低下し、またAc3点以上の温度に保持する場合でも5秒程度未満ではオーステナイト化が不十分であるため、やはり占積率が90%を下回るようになる。前記予備焼鈍を施した場合も、その後に冷間圧延を施して冷延鋼板とし、これを素材鋼板として用いてもよい。
前記素材鋼板を準備した後、次に前記素材鋼板に(Ac3点−100)℃以上、Ac3以下の温度で0sec 以上(0sec を含む。)、2400sec 以下の時間を保持した後、10℃/sec以上の平均冷却速度でマルテンサイト変態開始温度Ms点以下まで冷却する二相域焼鈍を施し、さらに焼戻しを行う。かかる熱処理により、本発明にかかる高強度鋼板の組織が得られる。以下、まず二相域焼鈍の条件について説明する。
二相域焼鈍の焼鈍温度を(Ac3点−100)℃以上、Ac3以下とする理由は以下のとおりである。焼鈍温度をオーステナイト単相が安定なAc3点よりも高い温度域に設定すると、素材鋼板においてオーステナイトの結晶粒が成長し、相互に合体して粗大化すると共に微細に分散した焼鈍ベイナイトによるオーステナイトの成長抑制効果(ピニング効果)が得られないようになる。このため、微細な複合組織鋼板を得ることができず、高強度鋼板の伸びフランジ性が低下するようになる。一方、(Ac3点−100)℃よりも低い温度で焼鈍すると、オーステナイト化が十分に進まず、熱処理後のマルテンサイトの占積率が50%未満となって、鋼板の伸びフランジ性が低下するようになる。
また、焼鈍時間(加熱保持時間)は、焼鈍温度に昇温するだけでも占積率が50%程度以上のオーステナイト引いてはマルテンサイトが得られるが、好ましくは1sec 以上、より好ましくは5秒以上とするのがよい。一方、必要以上に長時間保持するとオーステナイト粒が粗大化し、微細なマルテンサイトが得られないようになるので、2400sec 以下、好ましくは1200sec 以下に止めるのがよい。
加熱保持後の平均冷却速度が10℃/sec未満であったり、冷却停止温度がマルテンサイト変態開始温度Ms点より高いと、残留オーステナイト相、パーライト相、フェライト相が生成し、またセメンタイト相が析出し、オーステナイトからマルテンサイト以外の組織が多く形成されるため、伸び、伸びフランジ性が低下するようになる。
前記二相域焼鈍後、焼戻し(再加熱処理)が行われるが、これは硬質マルテンサイトを軟化させ、また加工誘起変態してマルテンサイトを生成させる残留オーステナイトを分解することにより、伸び、伸びフランジ性を向上させるための処理である。焼戻し条件は、300℃以上、550℃以下の温度で、60sec 以上、1200sec 以下の時間を保持する。保持後の冷却速度は特に制限されない。
焼戻し温度が300℃未満では、マルテンサイトの軟質化が十分でなく、鋼板の伸びおよび伸びフランジ性が低下する。一方、550℃よりも高くなると、粗大なセメンタイト相が析出して、鋼板の伸びフランジ性が低下する。このため、300℃以上、550℃以下の温度で焼戻しを行う。
また焼戻しの保持時間が60sec 未満では、マルテンサイトの軟質化が十分でく、また1200sec よりも長くなると、マルテンサイトが軟質化し過ぎて強度の確保が困難になり、またセメンタイトの析出により、鋼板の伸びフランジ性が低下するようになる。このため、焼戻しの際の保持時間は、下限を60sec 、好ましくは90sec 以上、より好ましくは120sec とし、上限を1200sec 、好ましくは900sec 、より好ましくは600sec とする。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
下記表1に示す化学組成を有する鋼スラブを溶製し、各鋼スラブを1000〜1100℃程度に加熱し、下記表2の条件で熱間圧延あるいはさらに予備焼鈍を行い、素材鋼板を製作した。熱延後の平均冷却速度は50℃/secとした。各素材鋼板から組織観察試験片を採取し、顕微鏡により組織構成を観察すると共にナイタール腐食後の顕微鏡組織写真を画像解析することによってベイナイトの占積率を測定した。表1には成分から公知の計算式により算出したAc3点、Ms点の値も参考として示した。また、組織観察結果を表2に併せて示した。そして、得られた各素材鋼板について、下記表3に示した条件で最終焼鈍(二相域焼鈍)および焼戻しを行い、試料鋼板を製作した。
Figure 2008297592
Figure 2008297592
Figure 2008297592
各試料鋼板の組織(焼鈍ベイナイトの占積率、焼戻しマルテンサイト占積率及び平均粒径)、および機械的特性(引張強さTS、伸びELおよび伸びフランジ性)を以下の要領で測定した。
試料鋼板から組織観察試験片を採取し、ナイタール腐食後の顕微鏡組織写真を画像解析することによって焼鈍ベイナイト、焼戻しマルテンサイトの占積率を求めた。また、焼鈍マルテンサイトの平均粒径は、FE/SEM−EBSPによる組織解析によって各粒の面積を測定し、それぞれの粒に相当する円の直径を求め、それらの平均を取ることによて求められた。
また、機械的性質のうち、引張強さ及び伸びは、インストロン杜製の万能引張試験機を使用し、JIS5号引張試験片を用いて測定した。伸びフランジ性は、東京衡機社製の20トン穴拡げ試験機を使用し、鉄鋼連盟規格(JFST1001−1996)に準拠して穴拡げ率(λ)を求め、これにより評価した。これらの測定結果を表4に併せて示す。表4中、「評価」については、引張強さ(TS)が590MPa以上、伸び(El)が10%以上、穴拡げ率(λ)が80%以上をそれぞれ優れた特性と評価し、3特性のいずれも優れるものを○、3特性中2特性が優れるものを△、3特性中1特性のみが優れるものをXで表示した。
Figure 2008297592
表4より、化学成分、素材鋼板組織、最終焼鈍条件および焼戻し条件のいずれも本発明条件を満足する試料No. 1,2,4,5,7,8,11,12,14,15,17〜27の試料鋼板(発明例)は、いずれも引張強さが590MPa以上の高強度、10%以上の伸び、さらに穴拡げ率が80%以上の伸びフランジ性を有しており、高強度でありながら、伸び、伸びフランジ性に優れ、優れたプレス成形性を備えていることがわかる。

Claims (9)

  1. 焼戻しマルテンサイトと微細分散した焼鈍ベイナイトを主体とする組織を有し、全組織に対する前記焼戻しマルテンサイトの占積率が50〜95%で、前記焼鈍ベイナイトの占積率が5〜30%であり、前記焼戻しマルテンサイトの平均粒径が円相当直径で10μm 以下であり、引張強度が590MPa以上である、伸び及び伸びフランジ性に優れた高強度鋼板。
  2. 化学成分が、mass%で、
    C:0.05〜0.3%、
    Si:0.01〜3.0%、
    Mn:0.5〜3.0%、
    Al:0.01〜0.1%
    を含み、残部Fe及び不可避的不純物からなる、請求項1に記載した高強度鋼板。
  3. 更に、Ti、Nb、V、Zrから選択される1種以上の元素を合計量で0.01〜1%含む、請求項2に記載した高強度鋼板。
  4. 更に、NiおよびCuから選択される1種以上の元素を合計量で1%以下含む、請求項2又は3に記載した高強度鋼板。
  5. 更に、Cr:2%以下、Mo:1%以下のうち1種以上の元素を含む、請求項2から4のいずれか1項に記載した高強度鋼板。
  6. 更に、Bを0.0001〜0.005%含む、請求項2から5のいずれか1項に記載した高強度鋼板。
  7. 更に、CaおよびREMから選択される1種以上の元素を合計量で0.003%以下含む、請求項2から6のいずれか1項に記載した高強度鋼板。
  8. 請求項2から7のいずれか1項に記載した化学成分を有し、全組織に対するベイナイトの占積率が90%以上である素材鋼板を準備し、この素材鋼板を(Ac3点−100)℃以上、Ac3以下の温度で0sec 以上(0sec を含む。)、2400sec 以下の時間を保持した後、10℃/sec以上の平均冷却速度でマルテンサイト変態開始温度Ms点以下まで冷却し、引き続いて300℃以上、550℃以下で60sec 以上、1200sec 以下の時間を保持し、引張強度が590MPa以上の鋼板を製造する、伸び及び伸びフランジ性に優れた高強度鋼板の製造方法。
  9. 前記化学成分の鋼片を熱間圧延あるいはさらに冷間圧延を行って前記素材鋼板を製造する、請求項8に記載した高強度鋼板の製造方法。
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