JP4585134B2 - サスペンション用サブフレームの支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体下面部に設けられるボディフレームに車幅方向に延在して左右のサスペンション部材を支持するサスペンション用サブフレームを弾性ブッシュを介して支持するサスペンション用サブフレームの支持構造に関する。
【0002】
【従来技術】
図5は、従来技術を示す説明図であり、自動車の車体後部を下方から見た状態を概略的に示すものである。尚、図中で矢印Frは車体前方を示し、矢印Lは車体後方から車体前方に向かって左側を示し、矢印Uは車体上方を示す。
【0003】
ボディフレーム1は、図示していない車体下面部で互いに車幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレーム2と、これら一対のメインフレーム2の間で車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバ6を有している。そして、ボディフレーム1の下方位置には、ボディフレーム1の下面部に沿って車幅方向に延在するように、サスペンション用サブフレーム(以下、単にサブフレームという)10が配設されている。
【0004】
サブフレーム10は、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する前サブフレーム11と後サブフレーム12を車体前後方向に延在する左右一対の縦サブフレーム13で結合して井桁状に組むことによって一体に構成されている。そして、サブフレーム10の側方位置にはいわゆるマルチリンク式リヤサスペンションを介してハウジング20が支持されている。
【0005】
ハウジング20は、後車輪26を支持しており、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する複数本のラテラルロッド23、24、25と、ハウジング本体21から車体前方に向かって延在して先端がメインフレーム2の下面にブラケット80を介して支持されるラジアスアーム22とにより、上下方向に移動自在に支持されている。
【0006】
サブフレーム10は、弾性ブッシュ100、110を間に介在してメインフレーム2に支持されている。
【0007】
弾性ブッシュ100は、前サブフレーム11の両端部にそれぞれ配置されており、図5のF−F線断面図である図6に示すように、取り付けボルト130が挿通されて中心軸線が上下方向に延在しかつメインフレーム2の下面部3に内筒上端101bが接面した状態で固定される内筒101と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内への圧入によりサブフレーム10に固定される外筒102と、内筒101と外筒102の間に介在され両者間の音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材103を有している。そして、弾性ブッシュ100の内筒下端101aと取り付けボルト130のボルトヘッド130aとの間に共締め固定されてメインフレーム2に対するサブフレーム10の下方への変位を規制するワッシャ140を有している。
【0008】
一方、弾性ブッシュ110は、後サブフレーム12の両端部にそれぞれ配置されており、図5のG−G線断面図である図7に示すように、取り付けボルト132が挿通されて中心軸線が上下方向に延在し、メインフレーム2の下面部3に内筒上端111bが接面した状態で固定される内筒111と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内への圧入によりサブフレーム10に固定される外筒112と、内筒111と外筒112の間に介在され両者間の音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材113を有している。そして、車幅方向に延在する後部ステー120によって、内筒下端111aとボディクロスメンバ6との間が結合されている。
【0009】
後部ステー120は、平板部材を略クランク状に折曲することによって構成されており、ボディクロスメンバ6の下面部6aに接面して支持される上板部121と、弾性ブッシュ110の下端に支持される下板部122と、上板部121と下板部122との間を連結する連結部123とを有している。
【0010】
後部ステー120の上板部121は、図5に示すように、2本の取り付けボルト131によって車体前後方向に離間した2カ所を下面部6aにボルト固定されており、下板部122は、図7に示すように、取り付けボルト132のボルトヘッド132aと内筒下端111aとの間に共締め固定されている。
【0011】
上記構成を有する後部ステー120を用いて、内筒下端111aとボディクロスメンバ6との間を支持することにより、弾性ブッシュ110の支持剛性を確保し、サブフレーム10にサスペンション入力荷重が作用した場合に、取り付けボルト130、132の変形や、取り付けボルト130、132を支持するメインフレーム2の下面部3の変形を抑制して、サブフレーム10の変位を抑え、自動車の操縦安定性を確保している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば悪路での急発進、急加速や旋回時におけるサスペンション入力荷重により、サブフレーム10に車体前後方向の力が作用して、弾性ブッシュ100、110の外筒102、112にそれぞれ車体前後方向の力が作用した場合に、上述のサブフレーム支持構造では、弾性ブッシュ100、110の支持剛性が低く、取り付けボルト130、132やメインフレーム2の下面部3の変形により、内筒101、111がメインフレーム2に対して車体前後方向に変位するおそれがある。
【0013】
特に、前サブフレーム11の両端部をメインフレーム2に支持する弾性ブッシュ100は、取り付けボルト130の先端側がメインフレーム2のウェルドナット4に螺合されているのみで、メインフレーム2の下面部3から下方に向かって突出する取り付けボルト130のボルトヘッド130a側は、支持されていない。
【0014】
従って、例えば悪路走行等によりサブフレーム10の車幅方向いずれか一方側に車体前後方向の力が作用して、弾性ブッシュ110の内筒111が車体前後方向に変位した場合には、弾性ブッシュ100に車幅方向の力が作用して、内筒101が車幅方向に変位するおそれがあり、サブフレーム10がメインフレーム2に対して平面視で回転する方向に変位して、サブフレーム10に支持されているハウジング20のトー角が変化し、操縦安定性に影響を与えることが懸念される。
【0015】
一方、ハウジング20のトー角の変化を抑えて操縦安定性を確保するために、弾性ブッシュ100、110の弾性部材の弾性率を低く設定してサスペンション支持剛性を増大させると、サスペンション入力荷重に起因したサブフレーム10の振動や音の入力を規制することが困難となる。
【0016】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、防振性を損なわずにサブフレームの変位を抑制するサスペンション用サブフレームの支持構造を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1に記載のサスペンション用サブフレームの支持構造の発明は、少なくとも車体下面部に設けられ車幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレームと該メインフレームの間を車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバからなるボディフレームと、該ボディフレームの下方位置で、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する前サブフレームと後サブフレームを車体前後方向に延在する左右一対の縦サブフレームで結合して井桁状に構成し、左右のサスペンション部材を支持するサスペンション用サブフレームと、中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置され前記サスペンション用サブフレームに固定される外筒と前記内筒及び前記外筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを前記サスペンション用サブフレームの前部と後部にそれぞれ設けてなるサスペンション用サブフレームの支持構造において、前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記前サブフレームに沿って車体前後方向に延在して前記メインフレームとの間を連結すると共に、他端が前サブフレームに支持される第1ステーと、前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディクロスメンバに沿って車幅方向に延在して前記ボディクロスメンバとの間を連結すると共に、他端が前記ボディクロスメンバに支持される第2ステーと、を設けたことを特徴とする。
【0018】
請求項1の発明によると、サスペンション用サブフレームの前部と後部を左右のメインフレームに弾性ブッシュを介して支持する場合であって、車体前後方向に延在する第1ステーによってサスペンション用サブフレームの前部に設けられる弾性ブッシュの内筒下端とメインフレームとの間を連結し、車幅方向に延在する第2ステーによってサスペンション用サブフレームの後部に設けられる弾性ブッシュの内筒下端とボディクロスメンバとの間を連結して、サブフレームの後部の車幅方向への剛性を向上させ、サブフレームの後部の車幅方向への剛性を向上させ、サブフレームの前部の車体前後方向への剛性を向上させる。
【0019】
これにより、例えばサブフレームの車体左右いずれか一方に車体前方から後方に向かってサスペンション入力荷重が働いた場合には、第1ステーが車体前後方向の入力荷重に抗することによって、サブフレーム後部を支持する部分の車体前後方向への変位を抑制できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサスペンション用サブフレームの支持構造において、一方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持された第2ステーと、他方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持された第2ステーを車幅方向に略一直線状態で延在するように一体化したことを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明によれば、第2ステーの車幅方向への剛性を向上することができ、弾性ブッシュの車幅方向への支持剛性を向上することができる。したがって、サブフレームの車幅方向への移動を更に抑制することができ、操縦安定性をより一層向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図に基づいて以下に説明する。
【0030】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例を説明する概略図であり、上述の従来技術の説明で用いた図5に対応するものである。尚、従来と同様の符号には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0031】
メインフレーム2及びボディクロスメンバ6は、それぞれ上方が開放された略コ字型の断面形状を有しており、その上方を閉塞するように図示していない車体下面に固定されている。そして、メインフレーム2にボディクロスメンバ6が接続される箇所のメインフレーム2の下面部3には、後サブフレーム12の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ40が設けられており、その車体前方位置には、前サブフレーム11の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ30が設けられている。
【0032】
弾性ブッシュ30は、図1のH−H線断面図である図2に示すように、取り付けボルト71を挿通可能な内径を有する内筒31と、サブフレーム10のブッシュ装着穴部14内に圧入固定される外径を有する外筒32と、内筒31と外筒32の間を結合して音や振動の伝達を抑制する防振作用を備えた弾性部材33を備えており、内筒31は、外筒32よりも軸方向に長く、その両端部は外筒32の両端部よりも軸方向にそれぞれ突出するように配設されている。弾性部材33は、外筒32の両端部と同一面を形成する端面を有しており、これらの両端面には、外筒33の端部よりも軸方向に突出しかつ内筒31の端部よりも低い高さを有するリング状の突起部34がそれぞれ設けられている。
【0033】
上記構成を有する弾性ブッシュ30は、メインフレーム2の下面部3に形成された開口穴5の付近に固設されたウェルドナット4に、下方から内筒31の中を挿通させた取り付けボルト71の先端を螺合することによってメインフレーム2に支持されている。
【0034】
メインフレーム2の下面部3は、略水平方向に延在して弾性ブッシュ30の内筒上端31bが接面した状態で固定されるブッシュ固定面部3Aと、ブッシュ固定面部3Aの前端で車体下方に向かって折曲されて車体前方に移行するに従って漸次車体下方に移行するように延在する傾斜面部3Bと、傾斜面部3Bの前端で再び車体前方に向かって折曲されて略水平方向に延在すると共にハウジング20のラジアスアーム22をメインフレーム2に支持するブラケット8が固設されたブラケット固設面部3Cを有している。
【0035】
そして、ブラケット8と弾性ブッシュ30の内筒下端31aとの間には、メインフレーム2の下面部3に沿って車体前後方向に延在する第1ステー50が設けられている。第1ステー50は、略平板形状を有しており、その周端縁には第1ステー50全体の剛性を確保するためのフランジが全周に亘って立設されている。そして、第1ステー50の一端部51には、取り付けボルト71を挿通するための貫通孔51aが穿設され、他端部52にはブラケット8に突設された固定ボルト72を挿通するための貫通孔52aが穿設されている。
【0036】
第1ステー50の一端部51は、弾性ブッシュ30の下面に対向配置され、取り付けボルト71の先端を貫通孔51aを介して内筒31の中に挿通してウェルドナット4に螺合することにより、弾性ブッシュ30の下端に支持されている。
【0037】
また、第1ステー50の他端部52は、ブラケット8から車幅方向中央に向かって略水平方向に突出する舌部9の下面に対向配置され、舌部9に突設された固定ボルト72に貫通孔52aを挿通させてナット73を螺合することによって、ブラケット8に支持されている。
【0038】
従って、弾性ブッシュ30の内筒31及び取り付けボルト71は、両端が支持された形となり、防振性を損なうことなく、車体前後方向の力に対する支持剛性を向上することができる。これにより、例えば悪路走行時等のサスペンション入力荷重によってサブフレーム10に車体前後方向に向かう力が作用した場合に、取り付けボルト71の変形や、取り付けボルト71の先端を支持するブッシュ固定面部3Aの変形を抑え、サブフレーム10の前部が車体前後方向に変位するのを抑制することができる。
【0039】
一方、後サブフレーム12の両端部をメインフレーム2に支持するための弾性ブッシュ40は、図1のJ−J線断面図である図3に示すように、弾性ブッシュ30と同様の構成を有しており、内筒上端41bがメインフレーム2の下面部3に接面するように取り付けボルト74によって取り付け固定されている。
【0040】
そして、弾性ブッシュ40の内筒下端41aとボディクロスメンバ6との間には、ボディクロスメンバ6の下面部6aに沿って車幅方向に延在する第2ステー60が設けられている。
【0041】
第2ステー60は、平板部材によって構成されており、その周端縁には剛性を確保するためのフランジが全周に亘って立設されている。そして、第2ステー60の一端部61には取り付けボルト74を挿通するための貫通孔61aが穿設され、他端部62にはボディクロスメンバ6への取り付けボルト75を挿通するための貫通孔62aが穿設されている。
【0042】
第2ステー60の一端部61は、弾性ブッシュ40の下面に対向配置され、取り付けボルト74の先端を貫通孔61aを介して内筒41の中に挿通してウェルドナット4に螺合することによって、内筒下端41aに支持される。
【0043】
第2ステー60の他端部62は、一端部61から車幅方向で車体中央部に向かって延在した位置でボディクロスメンバ6の下面部6aに接面して、取り付けボルト75の先端を貫通孔62aを介してウェルドナット4に螺合することによって、ボディクロスメンバ6に支持されている。
【0044】
従って、弾性ブッシュ40の内筒41及び取り付けボルト74は、両端が支持された形となり、防振性を損なうことなく、車幅方向の力に対する支持剛性を向上することができる。これにより、例えばサブフレーム10に対して車幅方向に向かう力が作用した場合に、取り付けボルト74の変形や、メインフレーム2の下面部3の変形を抑え、サブフレーム10の車体後部が車幅方向に変位するのを抑制することができる。
【0045】
次に、上記構成を有するサスペンション用サブフレーム10の支持構造の作用及び効果について以下に説明する。
【0046】
例えば急発進、急加速時に、サスペンション入力荷重によりサブフレーム10に車体後方に向かう力が作用すると、弾性ブッシュ30の外筒32と弾性ブッシュ40の外筒42に、車体後方に向かう力が作用する。
【0047】
これに伴い、弾性ブッシュ30の内筒31及び弾性ブッシュ40の内筒41には、それぞれ弾性部材33及び弾性部材43を介して車体後方に向かう力が作用するが、弾性ブッシュ30の内筒31をメインフレーム2に支持する取り付けボルト71の先端側がメインフレーム2のブッシュ固定面部3Aに支持され、取り付けボルト71のボルトヘッド側が車体前後方向に延在する第1ステー50を介してメインフレーム2に支持されて、車体前後方向に向かう力に対する支持剛性が向上されているので、かかる方向への取り付けボルト71自身の変形や、取り付けボルト71の先端側を支持するブッシュ固定面部3Aの変形を抑制し、これらの変形に起因した内筒31の車体後方への変位を抑えることができる。
【0048】
また、例えば旋回走行時に、サスペンション入力荷重によりサブフレーム10に車幅方向いずれか一方に向かう力が作用すると、弾性ブッシュ30の外筒32と弾性ブッシュ40の外筒42に、車幅方向に向かう力が作用する。
【0049】
これに伴い、弾性ブッシュ30の内筒31及び弾性ブッシュ40の内筒41には、それぞれ弾性部材33及び弾性部材43を介して車幅方向に向かう力が作用するが、弾性ブッシュ40の内筒41をメインフレーム2に支持する取り付けボルト74の先端側がメインフレーム2の下面部3に支持され、取り付けボルト74のボルトヘッド側が車幅方向に延在する第2ステー60を介してボディクロスメンバ6に支持されて、車幅方向に向かう力に対する支持剛性が向上されているので、かかる方向への取り付けボルト74自身の変形や、取り付けボルト74の先端側を支持するメインフレーム2の下面部3の変形を抑制し、これらの変形に起因した内筒41の車幅方向への変位を抑えることができる。
【0050】
従って、サブフレーム10の車体前後方向及び車幅方向への変位を抑制することができる。
【0051】
また、例えば悪路走行時に、サスペンション入力荷重によってサブフレーム10の車幅方向いずれか一方側に車体後方に向かう力が作用した場合には、その車幅方向一方側の弾性ブッシュ40には車体後方に向かう力が作用し、車幅方向他方側の弾性ブッシュ40には車体前方に向かう力が作用し、車幅方向一方側の弾性ブッシュ30には車幅方向外方に向かう力が作用し、車幅方向他方側の弾性ブッシュ30には車幅方向内方に向かう力が作用する。
【0052】
しかし、第1ステー50により、弾性ブッシュ30の車体前後方向に向かう力に対する支持剛性が向上されて、内筒31の車体後方への変位が抑えられているので、車幅方向一方側の弾性ブッシュ40の車体後方への変位と、車幅方向他方側の弾性ブッシュ40の車体前方への変位を抑えることができる。
【0053】
また、第2ステー60により、弾性ブッシュ40の車幅方向に向かう力に対する支持剛性が向上されて、内筒41の車幅方向への変位が抑えられているので、車幅方向一方側の内筒41の車幅方向外方への変位と、車幅方向他方側の内筒41の車幅方向内方への変位を抑えることができる。
【0054】
従って、サブフレーム10がボディフレーム1の下面に沿って平面視で回転する方向に変位するのを防止することができる。これにより、サブフレーム10にマルチリンク式サスペンションを介して支持されているハウジング20のトー角変化を抑制することができる。従って、サスペンション支持剛性を増大させることが可能となり、操縦安定性を飛躍的に向上させることができる。
【0055】
また、サブフレーム10がボディフレーム1の下面に沿って回転方向に移動されるのを防止することができることから、第2ステー60のボディクロスメンバ6側を固定する取り付けボルト75への弛み入力を低減することができ、取り付けボルト75の本数を従来よりも削減することができる。
【0056】
尚、サブフレーム10の前サブフレーム11側や後サブフレーム12側がメインフレーム2に対して上下方向に変位した場合は、弾性部材33、43の上下の端面にそれぞれ突設された突起部34、44がメインフレーム2の下面部3や第1ステー50の一端部51或いは第2ステー60の一端部61に当接することにより、外筒32、42やブッシュ装着穴部14の直接当接を防止して、音や振動の伝達を防止することができる。
【0057】
(第2の実施例)
図4は、第2の実施例を説明する概略図である。尚、第1の実施例と同様の符号には、同一の符号を付することでその詳細な説明を省略する。本実施例で特徴的なことは、第1の実施例において車体左右に設けられる一対の第2ステー60を車幅方向に略一直線状態で延在するように一体化し、車幅方向中央部分をボディクロスメンバ6の下面部6aに取り付けボルトによって固定したことである。
【0058】
本実施例における第2ステー80は、第1の実施例と同様に、略平板形状を有し、その周端縁には全周に亘ってフランジが立設されている。そして、第2ステー80の一端部81は、一方のメインフレーム2に設けられたサブフレーム10の後サブフレーム12側を支持する弾性ブッシュ40の下端に支持されている。
【0059】
一方、第2ステー80の他端部82は、一端部81から車幅方向に挫屈しないように一直線状に延在して、他方のメインフレーム2に設けられたサブフレーム10の後サブフレーム12側を支持する弾性ブッシュ40の下端に支持されている。
【0060】
そして、第2ステー80の車幅方向中央部分83は、所定長さに亘ってボディクロスメンバ6の下面部6aに接面する形状に形成されており、取り付けボルト76によって固定されている。
【0061】
従って、第2ステー80の車幅方向の剛性を増大させることができ、弾性ブッシュ40の車幅方向への支持剛性をより向上させることができる。これにより、サブフレーム10の車体後部の車幅方向への変位を抑制でき、より高い操縦安定性を得ることができる。また、第2ステー80のボディクロスメンバ6への取り付けを、1本の取り付けボルト76で行うことができ、部品点数の削減、組立容易化、組立工数の削減等により、生産性の向上を図ることができる。
【0062】
尚、本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例ではいずれも前サブフレーム11の両端を弾性ブッシュ30でメインフレーム2に支持し、後サブフレーム10の両端を弾性ブッシュ40でメインフレーム2に支持する例を用いて説明したが、メインフレーム2に支持する弾性ブッシュの数を適宜増減させてもよい。
【0063】
また、一つのブッシュに対して第1ステー50と第2ステー60を設けてもよく、更には、複数の弾性ブッシュのうちで選択されたもののみをステーを用いて支持してもよく、ステーを設ける箇所や延在する方向は、左右対称である必要はなく、前後対称であってもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るサスペンション用サブフレームの支持構造によれば、ボディフレームに沿って延在する第1ステーと、ボディフレームに沿って延在しかつ第1ステーと異なる方向に延在する第2ステーを用いて弾性ブッシュの内筒下端とボディフレームとの間を連結することにより、第1ステーの延在する方向への入力及び第2ステーの延在する方向への入力に対する弾性ブッシュの支持剛性を向上することができる。
【0065】
従って、防振性を損なうことなく、サブフレームのボディーフレームに対する第1ステー及び第2ステーの延在する方向への変位を抑制することができる。従って、第1ステー及び第2ステーの延在する方向を予め設定された方向に設定することによって、優れた操縦安定性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を説明する概略図である。
【図2】図1のH−H線断面図である。
【図3】図1のJ−J線断面図である。
【図4】第2の実施例を説明する概略図である。
【図5】従来技術を示す説明図である。
【図6】図5のF−F線断面図である。
【図7】図5のG−G線断面図である。
【符号の説明】
1 ボディフレーム
2 メインフレーム
6 ボディクロスメンバ
10 サブフレーム
11 前サブフレーム
12 後サブフレーム
30 弾性ブッシュ
31 内筒
31a 内筒下端
40 弾性ブッシュ
41 内筒
41a 内筒下端
50 第1ステー
60 第2ステー
Claims (2)
- 少なくとも車体下面部に設けられ車幅方向に離間して車体前後方向に延在する一対のメインフレームと該メインフレームの間を車幅方向に延在して互いに接続するボディクロスメンバからなるボディフレームと、
該ボディフレームの下方位置で、車体前後方向に離間して互いに平行に車幅方向に延在する前サブフレームと後サブフレームを車体前後方向に延在する左右一対の縦サブフレームで結合して井桁状に構成し、左右のサスペンション部材を支持するサスペンション用サブフレームと、
中心軸線が上下方向に延在し前記ボディフレームの下面部に上端が固定される内筒と該内筒に同軸上に配置され前記サスペンション用サブフレームに固定される外筒と前記内筒及び前記外筒の間に介在される弾性体とを有する弾性ブッシュを前記サスペンション用サブフレームの前部と後部にそれぞれ設けてなるサスペンション用サブフレームの支持構造において、
前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記前サブフレームに沿って車体前後方向に延在して前記メインフレームとの間を連結すると共に、他端が前サブフレームに支持される第1ステーと、前記弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持され、該一端から前記ボディクロスメンバに沿って車幅方向に延在して前記ボディクロスメンバとの間を連結すると共に、他端が前記ボディクロスメンバに支持される第2ステーと、
を設けたことを特徴とするサスペンション用サブフレームの支持構造。 - 一方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持された第2ステーと、他方のメインフレームに設けられた弾性ブッシュの内筒下端に一端が支持された第2ステーを車幅方向に略一直線状態で延在するように一体化したことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用サブフレームの支持構造。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001093682A JP4585134B2 (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | サスペンション用サブフレームの支持構造 |
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