JP4583111B2 - モータの駆動制御装置およびディスク回転システム - Google Patents

モータの駆動制御装置およびディスク回転システム Download PDF

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Description

本発明は、ブラシレスモータの駆動制御技術さらにはモータの速度制御に適用して有効な技術に関するものであって、たとえばハードディスク装置(ハード・ディスク・ドライバ)のようなディスク型記憶媒体を回転駆動するスピンドルモータの駆動制御用半導体集積回路およびそれを用いたモータ駆動制御装置に利用して有効な技術に関するものである。
ハードディスク装置における磁気ディスクの回転には、一般にスピンドルモータと呼ばれるブラシレスの直流多相モータが用いられており、スピンドルモータで磁気ディスクを高速で回転させ、この回転している磁気ディスクにリード/ライト用の磁気ヘッドを磁気ディスクの表面に近接させて径方向へ移動させながら情報の書込みまたは読み取りを行なっている。従来、ハードディスク装置におけるスピンドルモータの駆動制御装置に関する発明としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。
特開2003−111485号公報
上記先願発明のモータ駆動制御技術は、無通電相における逆起電圧のゼロクロス点を検出することでロータの位置を検出してステータコイルへの通電切替えをPLL(フェーズロックドループ)制御によって行なう一方、コイルに流れる電流を検出するための抵抗の電圧から電流を検出してこの電流が外部のマイクロプロセッサから供給される電流指令値SPNCRNTと一致するように制御することによって行なっている。そして、マイクロプロセッサ(MPU)には回転数を示す信号(PHASE)を送り、マイクロプロセッサはこの信号からモータの回転数を知り、所定の回転数が得られるように電流指令値SPNCRNTを決定してモータ駆動制御装置へ供給する、つまりマイクロプロセッサがモータの速度制御を行なう方式であった。
ハードディスク装置は、磁気ディスクに対する情報の書込み/読み取りを高速で行なえること、つまりアクセスの高速化に対する要求が強いため、ディスクすなわちスピンドルモータの回転の高速化が進められており、モータの速度制御をマイクロプロセッサが行なう方式では、高速化に伴ってマイクロプロセッサの負担が大きくなる。また、ハードディスク装置は小型化に対する要求も強く、近年、2.5インチのような径の小さなハードディスク装置が実用化されるようになってきている。
かかる小径のハードディスク装置はディスクのイナーシャが小さいためヘッドの移動によってスピンドルモータの負荷が変動して回転ムラが発生しやすくなるので、回転ムラを抑える速度制御が必要になってきている。さらに、マイクロプロセッサはスピンドルモータの他、ヘッドを移動させるボイスコイルモータの制御も行なう。そのため、スピンドルモータの速度制御をモータ駆動制御装置(制御用LSI)に委ねることで、マイクロプロセッサの負担を軽減することが望まれている。
本発明の目的は、マイクロプロセッサに代わってモータの速度制御を行なうことができ、それによってマイクロプロセッサの負担を軽減することができる直流多相ブラシレスモータの駆動制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、モータの回転ムラを小さくすることができる直流多相ブラシレスモータの駆動制御装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、マイクロプロセッサの負担を増加させることなく、モータが定常回転に至るまでの時間を短縮させることができる直流多相ブラシレスモータの駆動制御装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、磁気記憶ディスクを回転させるスピンドルモータの回転ムラを抑え、小型化および高密度記録が可能な磁気ディスク記録装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、無通電相における逆起電圧のゼロクロス点を検出してステータコイルへの通電切替えをPLL制御によって行なうとともに、コイルに流れる電流を検出する電流検出回路を備え検出電流値に基づいて速度制御を行なうモータ駆動制御装置において、通電切替え制御を行なうPLLループから回転数情報を取り出して外部から供給される目標回転数とを比較して速度誤差を検出する速度誤差検出回路を設け、該速度誤差検出回路の出力と前記電流検出回路の出力とを比較してコイルに流す電流を決定して電流出力回路を制御するようにしたものである。
上記した手段によれば、マイクロプロセッサはモータの目標回転数を与えればよく、リアルタイムで電流指令値を与える必要がないのでマイクロプロセッサの負担を軽減することができる。
さらに、本発明は、通電切替え制御を行なうPLLループから取り出された電気角360度毎の回転数に関する出力を所定回数加算することで機械角360度に相当する回転数情報を得て、該回転数情報と目標回転数とを比較してその速度誤差に基づいてコイルに流す電流を決定して電流出力回路を制御するようにしたものである。これにより、個体差によるモータの回転ムラを小さくすることができるようになる。
また、本発明は、通電切替え制御を行なうPLLループから取り出された電気角360度毎の回転数に関する出力を機械角360度に相当する分だけ保持しておいて、機械角360度に相当する回転数情報を電気角360度毎に演算して、該回転数情報と目標回転数とを比較してその速度誤差に基づいてコイルに流す電流を決定して電流出力回路を制御するようにしたものである。これにより、負荷変動に伴うモータの回転ムラを小さくすることができるようになる。
さらに、本発明は、初期加速を上記速度制御のための制御ループを開いた状態でロータの磁極位置検出結果に基づいた通電相の切替え制御により行ない、回転数が数%から90%程度までの加速をコイルのB−EMF(以下、逆起電圧と記す)のゼロクロス点と出力電流のゼロ点とを一致させるように制御するPLL制御により行ない、さらに回転数90%以上ではコイルの逆起電圧に基づいてコイル駆動電圧の位相を逆起電圧の位相に対して所定の位相量だけ早くなるように制御する位相制御および上記速度誤差検出回路の出力と上記電流検出回路の出力に基づく速度制御を行なうようにした。これによって、マイクロプロセッサの負担を増加させることなく、モータが定常回転に至るまでの時間を短縮させることができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明に従うと、マイクロプロセッサに代わってモータの速度制御を行なうことができる。
以下、本発明の好適な実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明をハードディスク記憶装置おけるスピンドルモータなどに用いられる3相ブラシレスモータの駆動制御回路に適用した場合の概略構成を示す。図1に示されている回路は、モータのコイルLu,Lv,Lwを除き単結晶シリコンのような1個または数個の半導体基板上に形成される。
図1において、11は3相ブラシレスモータのコイルLu,Lv,Lwに順次電流を流す電流出力回路、21は該電流出力回路11の出力トランジスタを駆動して出力電流を制御するPWM(パルス幅変調)信号を生成して供給したり逆起電圧を検出するコイル端子を選択する信号をセレクタ17に供給したりする出力電流&位相制御回路、RNFは3つのコイルLu,Lv,Lwに流れる総電流を検出するためそれらを加算した電流が流れるように電流出力回路11に接続された電流検出用抵抗、12はこの電流検出用抵抗RNFの両端子間の電位差を取り込むサンプルホールド回路、13はこの電流検出用抵抗RNFの両端子間の電位差からコイル電流の大きさを検出する電流検出用差動アンプである。この電流検出用差動アンプ13の出力電圧CRNTOUTは、AD変換回路(ADC)14によってデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は電流誤差検出器27に供給される。
この実施例では、特に制限されるものでないが、AD変換回路14は10ビットで構成され、コイルの逆起電圧をデジタル信号に変換する用途にも使用される。そのため、AD変換回路14の前段には、電流検出用差動アンプ13の出力電圧CRNTOUTとアンプ16により検出された逆起電圧B-EMFOUTとを切り替えて入力させるマルチプレクサ15が設けられている。
逆起電圧検出用アンプ16は電流出力回路11の出力端子u,v,wとセンタータップCTとの間に現われる各コイルLu,Lv,Lwの逆起電圧を検出する。このアンプ16の反転入力端子にセンタータップCTの電圧が入力され、アンプ16の非反転入力端子には各コイルLu,Lv,Lwの端子u,v,wの電圧のいずれかがセレクタ17によって入力されることにより、各コイルLu,Lv,Lwの逆起電圧が順次検出される。
セレクタ17は、上記出力電流&位相制御回路21からの選択信号SELによって制御される。逆起電圧検出用アンプ16により検出された逆起電圧B-EMFOUTはフィルタ18によりノイズが除去されてから、上記マルチプレクサ15を介してAD変換回路14に供給されてデジタル信号に変換される。変換されたデジタル信号は後述の通電相制御回路25に供給される。
19は上記逆起電圧検出用アンプ16から出力される逆起電圧B-EMFOUTを2値化し、逆起電圧のゼロクロス点を検出するコンパレータ、22はこのコンパレータ19から出力される逆起電圧B-EMFOUTのゼロクロス点と上記出力電流&位相制御回路21から出力されるモータ各相の駆動電流のゼロ点との位相差を検出する位相差検出回路、23は制御系の位相補償を行なうループフィルタ、24はループフィルタ23の出力値(デジタルコード)NCNTに応じた周波数で発振するデジタルコード制御発振回路(カウンタ)であり、この発振回路24の出力が上記出力電流&位相制御回路21においてPWM信号を生成する際の基準クロックPWMCLKとして利用される。
また、上記位相差検出回路22とループフィルタ23と発振回路24と出力電流&位相制御回路21と該出力電流&位相制御回路21から位相差検出回路22へのフィードバック経路によりPLL(フェーズロックドループ)が形成される。この位相制御PLLは、逆起電圧検出用アンプ16から出力される逆起電圧B-EMFOUTのゼロクロス点を示す信号の位相と出力電流&位相制御回路21から出力される信号の位相とが一致するように発振回路24の動作を制御することで、コイルに印加される駆動電圧の周波数(1〜2kHz)をロックする。
通電相制御回路25は、モータ静止時に電流出力回路21によりいずれかの相から他の相に向かってロータが反応しないような短いパルス電流を流した時に非通電相に誘起された誘起電圧やモータ回転中に発生し逆起電圧検出用アンプ16により検出されたコイルの逆起電圧B-EMFOUTに基づいて通電相を決定する。そして、決定された通電相のコイルに対して規定時間、規定回数だけ通電してロータを回転させ、モータの起動を行なう。
具体的には、各コイルにロータが反応しないような短時間の通電を行なった際に磁気飽和現象でコイル間の相互インダクタンスが磁極位置によって変化し、相互誘導で非通電相に生じる誘起電圧の大きさが異なることを利用して磁極位置検出および通電相の決定を行なう。なお、磁極位置検出および通電相の決定の仕方およびモータの起動方法の詳細については、本発明者らが先に提案した特許出願(特開平2003−111485号)において詳しく説明されている。
29は図外のマイクロプロセッサ(MPU)などとの間でデータの送受信を行なうシリアルポートで、このシリアルポート29は、MPUから供給されるシリアルクロックSCLKやスピンドルモータの電流指示値SPNCRNT、動作モードに関する情報COMMODEやコマンドなどを受け取ったり、受信したモード情報に基づいて駆動制御回路内部の制御信号を生成したりする機能を有する。
さらに、30は図1に示されている回路全体を制御するシーケンサ、26はコイルに流れる電流の検出値に応じて電流出力回路11に対する印加電圧波形情報を演算によって生成するソフトスイッチ制御回路、27は前記電流検出用差動アンプ13により検出されたコイルの電流値とMPUからシリアルポート29を介して供給された電流指示値との差を検出する誤差電流検出回路、28は位相補償をしつつ前記誤差電流検出回路27の出力に基づいて検出された電流差を積算するフィルタである。
このフィルタ28から出力される電流差情報および前記ソフトスイッチ制御回路26で生成された波形情報が前記出力電流&位相制御回路21に供給され、出力トランジスタを駆動するPWM信号が生成されて電流出力回路11に供給され、コイルに流される出力電流の制御が行われる。なお、ソフトスイッチ制御回路27による制御の詳細については、本発明者らが先に提案した特許出願(特開平2003−111485号)において詳しく説明されており、本発明には直接関係しないので、本明細書においては詳細な説明を省略する。
出力電流Ioutは、PWM信号のデューティ(1周期に対するパルスの幅の割合)をDTY、コイルの逆起電圧をB-EMF、コイルの抵抗成分をRLとおくと、次式
Iout={(Vcc×DTY)−B-EMF}/RL
で表わされるので、PWM信号のデューティDTYが変化されると、コイルの出力電流Ioutは上記式に従って制御される。出力電流&位相制御回路21では、フィルタ28からの電流差情報に基づいて電流差が「0」となるような出力電流値を決定し、その電流値から上記式に従ってPWM信号のデューティDTYを決定する。
特に制限されるものでないが、この実施例のモータ駆動制御回路においては、電気角60度当たり例えば16個のPWMパルスで駆動電圧波形が形成されるようにされる。つまり、ロータが電気角で60度回転する間に形成される16個のパルスによって出力トランジスタが16回オン、オフ制御され、その16個のパルスのそれぞれのパルス幅が前記検出された電流値に応じて変化され駆動電圧波形が形成される。
さらに、本実施例のモータ駆動制御回路においては、上記位相制御PLL上のループフィルタ23の出力値(回転数情報)NCNTを入力とし、NCNTを順次加算して電気角360度分の速度情報を電気角360度毎に出力する速度検出回路41と、該速度検出回路41から出力される速度情報NOCNTとMPUから供給される目標速度情報TGCNTとの差分を求める速度差検出回路42と、速度制御ループの位相補償をしつつ検出された速度差を積算し換算電流値に変換するフィルタ回路43と、該フィルタ回路43により処理された速度差電流値SPNCRNTDATAまたはシリアルポート29を介してMPUから供給される電流指令値SPNCRNTを選択して誤差電流検出回路27へ供給するマルチプレクサ44を備える。なお、本明細書においては、速度制御と回転数制御は同義、また回転速度と回転数もほぼ同義である。速度検出回路41と速度差検出回路42とフィルタ回路43とによって、回転数比較回路が構成される。
上記フィルタ回路43には、シリアルポート29を介して外部のMPUからフィルタ定数FILTER0や初期値PREが設定可能にされる。上記目標速度情報TGCNTは、目標回転数(rpm)をNt、当該制御用LSIに供給されるマスタクロックφcの周波数をfcとおくと、TGCNT=fc/(Nt/60)で表わされる情報である。図1において、破線Aで囲まれた部分はアナログ回路部であり、それ以外はデジタル回路部である。デジタル回路部を構成する回路ブロックはそのほとんどがマスタクロックφcに同期して動作する。本実施例では、数100kHzのPWM制御帯域に対してマスタクロックφcは数10MHzの周波数の信号とされる。
次に、本実施例のモータ駆動制御回路におけるロータの磁極位置検出および通電相の決定方法について、図2を用いて説明する。なお、この実施例における磁極位置検出は、各コイルにロータが反応しないような短時間の通電を行なった際に磁気飽和現象でコイル間の相互インダクタンスが磁極位置によって変化し、相互誘導で非通電相に生じる誘起電圧の大きさが異なることを利用して行なうものである。
図2はロータの磁極位置検出および通電相の決定手順を機能的に表わしたものである。
先ず、処理の開始に先立って、図1の通電相制御回路25に設けられAD変換回路14におけるAD変換結果を累積保持する積算レジスタをリセットする(ステップS1)。その後、ロータが反応しないような短いパルスの電流をV相とW相のコイルに流しそのとき相互誘導現象で「U相」のコイルに現われる誘起電圧の検出を所定回数行ない、検出された誘起電圧をAD変換回路14で変換した結果を上記積算レジスタに累積させるとともに、電流の向きを変えて同一動作を繰り返す(ステップS2〜S4)。
また、このとき、予めコイルに電流を流さない状態でAD変換回路14を動作させて変換結果を上記積算レジスタに累積させてU相コイルの検出系のオフセットを検出して、オフセットのキャンセルを行なう(ステップS5)。検出系のオフセットには、検出回路のオフセットの他、モータが回転することにより発生するB−EMF(逆起電圧)も含まれる。検出を繰り返す回数は例えば数10〜数100回とする。このようにAD変換結果を積算することで、検出値のS/N比を向上させることができる。
次に、再び積算レジスタをリセット(ステップS6)してから、ロータが反応しないような短いパルスの電流をU相とW相のコイルに流し、今度は「V相」のコイルに現われる誘起電圧の検出を所定回数行ない、検出された誘起電圧をAD変換回路14で変換した結果を上記積算レジスタに累積させるとともに、電流の向きを変えて同一動作を繰り返す(ステップS7〜S9)。また、このとき、予めコイルに電流を流さずにAD変換回路14を動作させて変換結果を上記積算レジスタに累積させてオフセットを検出しておいて、V相コイルの検出系のオフセット値のキャンセルを行なう(ステップS10)。
その後さらに、積算レジスタをリセット(ステップS11)してから、ロータが反応しないような短いパルスの電流をU相とV相のコイルに流し、今度は「W相」のコイルに現われる誘起電圧の検出を所定回数行ない、検出された誘起電圧をAD変換回路14で変換した結果を上記積算レジスタに累積させるとともに、電流の向きを変えて同一動作を繰り返す(ステップS12〜S14)。また、このとき、予めコイルに電流を流さずにAD変換回路14を動作させて変換結果を上記積算レジスタに累積させてオフセットを検出しておいて、W相コイルの検出系のオフセット値のキャンセルを行なう(ステップS15)。
図3は、上記ステップS2〜S5,S7〜S10,S12〜S15の処理を、回路の動作手順として表わしたフローチャートを示す。
各処理では、先ずすべてのコイルの端子U,V,Wをハイインピーダンス状態にしてつまりコイルに電流を流さないで所定回数AD変換回路14を動作させて、変換結果を積算レジスタAに累積させる(ステップS101〜S103)。次に、着目する相以外の相のコイルにロータが反応しない電流を所定回数繰返し流してAD変換回路14による変換結果を積算レジスタBに累積させる(ステップS104〜S106)。それから、積算レジスタBの値からAの値を引いてレジスタCに格納する(ステップS107)。これによって、各コイルの検出系のオフセットがキャンセルされる。
続いて、再びすべてのコイルの端子U,V,Wを一旦ハイインピーダンス状態にして前の状態をリセットしてから、着目する相以外の相のコイルにロータが反応しない電流を「逆向き」に所定回数繰返し流してAD変換回路14による変換結果を積算レジスタBに累積させる(ステップS108〜S111)。それから、積算レジスタBの値からAの値を引いてレジスタDに格納する(ステップS112)。これによって、各コイルの検出系のオフセットがキャンセルされる。しかる後、レジスタDの値にCの値を加算し、その結果をレジスタD(Cでも可)に戻す。これによって、それぞれの電流による誘起電圧の差がレジスタDに残ることとなる。なお、レジスタDは各相に対応して3つ設けておく。
上記処理をU相、V相、W相の各相について行なった後、図2のステップS16において、各相に対応したレジスタDの値がすべて所定の判定値以下であるか否かチェックし、すべて所定の判定値以下のときは検出エラーと判断してアラームを出力する。さらに、次のステップS17では、各相に対応したレジスタDの値の極性を調べて、すべて同じ極性すなわちすべて正またはすべて負であるか否かチェックし、すべての判定結果が同じときは検出エラーと判断してアラームを出力する。いずれの場合も、系が正常であればそのような結果にはならないためである。
ステップS17ですべて同じ極性でないと判定したときは、ステップS18で、レジスタDの値の極性から通電を開始する相を決定する。具体的には、次の表1に従って通電を開始する相を決定する。表1において、EuはU相の誘起電圧、EvはV相の誘起電圧、EwはW相の誘起電圧である。各相の誘起電圧の正負が分かれば、ロータの磁極位置を判断することができるので、その磁極位置から表1のように、通電相と電流の向きを決定することができる。なお、上記のような通電開始相の決定方式については、本発明者らが先に提案した特許出願(特願平2000−90037号)において詳しく説明されている。かかる決定方式は本発明に直接関係しないので、本明細書においては詳細な説明を省略する。
Figure 0004583111
図2のステップS18の次は、ステップS19,S20へ移行して規定時間、規定回数だけコイルに通電してロータを回転させる。そして、次のステップS21で積算レジスタをリセットしてから、検出を行なう相を決定する(ステップS22)。そして、決定した相以外の相のコイルにロータが反応しないような短いパルスの電流を流し、着目する相のコイルに現われる誘起電圧の検出を所定回数行ない、検出された誘起電圧をAD変換回路14で変換した結果を上記積算レジスタに累積させるとともに、電流の向きを変えて同一動作を繰り返す(ステップS23〜S26)。
ステップS107およびS112で検出系のオフセットをキャンセルすることによって、レジスタDには、ステップS20で流した電流によりロータが回転することでコイルに生じた逆起電圧による影響を取り除いた結果が残ることになる。従って、モータが回転している状態で誘起電圧から通電開始相を決定する処理を行なう際にも、逆起電圧による誤差を補正した誘起電圧検出値を得て、これを用いることで正確なロータの位置検出を行なうことができるようになる。
なお、このステップS23〜S26の処理は、図3に示されているフローチャートと同一の手順で行なわれる。従って、この間にオフセットのキャンセルが行なわれる。また、ステップS23〜S26の処理は、ステップS21で決定した1つの相についてのみ行なえば良い。次に検出すべき相は、ステップS20の通電で開始した回転方向から一義的に決定できるためである。このように、ここで誘起電圧を検出する相を1つにすることにより、検出に要する時間を短縮し、モータの加速時間を短縮することができる。
そして、次のステップS27では、ステップS16と同様に、各相に対応したレジスタDの値がすべて所定の判定値以下であるか否かチェックし、すべて所定の判定値以下のときは検出エラーと判断してアラームを出力する。さらに、次のステップS28では、ステップS17と同様に、各相に対応したレジスタDの値の極性がすべて正またはすべて負であるか否かチェックし、すべての判定結果が同じときは検出エラーと判断してアラームを出力する。このとき最初の判定では、ステップS23〜S26の処理を行なった相以外の相に対応するレジスタDの値は、ステップS1〜S18の処理で残っている値を用いることができる。その後、各相のレジスタDの値に基づいて表1に従って、ステップS20で通電を行なう相を決定する(ステップS29)。
次に、コイルの逆起電圧B−EMFのゼロクロス点を検出して位相差検出回路22、ループフィルタ23、デジタルコード制御発振回路24および出力電流&位相制御回路21からなるPLLをロックして、逆起電圧の位相に合わせてコイルに流す電流の位相制御(相切替え)について、図4を用いて説明する。
かかる位相制御を行なうのは、コイルに流す電流の位相がコイルに発生する逆起電圧B−EMFの位相に一致しているときに最も大きなトルクを発生させてモータを回転させることができるためである。この制御により、逆起電圧B-EMFのゼロクロス点に同期してコイルの相切替え制御信号UCOM,VCOM,WCOMが生成される。なお、図4において、図1の回路と同一もしくは相当する部分には同一の符号を付してある。
図4において、イクスクルーシブORゲートG0は、逆起電圧のゼロクロス点が正から負に変化する点なのか負から正に変化する点なのかに応じて逆起電圧検出回路19の出力を反転するための回路、また、NANDゲートG1,G2は、スイッチ制御回路SSCからのマスク信号MASKによってコンパレータ19の出力信号が位相差検出回路22に入力されないようにするための回路である。
この実施例の位相制御ループ系では、3相出力のうちハイインピーダンスとなる1相の逆起電圧B-EMFのみを検出する。位相差検出回路22はアップダウンカウンタで構成され、検出期間のうち逆起電圧B-EMFがセンタータップCTの電位より高いとき(High期間)はカウントダウンし、センタータップCTの電位より低いとき(Low期間)はカウントアップして、High期間とLow期間の差時間を位相誤差として検出する。
検出期間中以外の期間は検出マスク期間とし、位相差検出回路22をリセットする。なお、マスク信号MASKのタイミングは、図4におけるスイッチ制御回路SSC内において、本PLLの出力であるFCOM信号に同期するように生成される。また、マスク時間の長さはFCOM信号の周期NCNTに対して一定の比率で決められている。位相差検出回路22の出力はFCOM信号の立下りに同期してサンプリングリングされ、ループフィルタ23にて積分され、新たなFCOM信号の周期NCNTが決定される。
この実施例の回路の設計において留意すべき点は、前記通電相制御回路25による通電相の決定とそれに基づく駆動パルスの印加でモータを加速回転できるのは、回転数が3%程度までであり、3%〜90%のような範囲では図4の制御系によってモータを回転させなければならないため、この系のPLLには非常に広いロックレンジを持たせなくてはならない点と、このようにロックレンジが広いと誤った初期値の設定で疑似ロックを起こし易くなるので初期値の設定を正確に行なわなくてはならない点にある。
そこで、この実施例の位相制御ループ系においては、この系による位相制御を開始する直前にU相、V相、W相の各コイルの端子を一時的にハイインピーダンス状態にして逆起電圧B−EMFのゼロクロス点のタイミングtzと周波数f0を検出する回転検出モードを設けて、このモードで検出した値tz,f0をデジタルコード制御発振回路24内のレジスタ(もしくはループフィルタ23)に初期値として設定し、ループ制御を開始させることでPLLの疑似ロックの発生を防止しつつ最短時間で位相ロックできるようにしている。
また、この実施例の位相制御ループ系においては、ループフィルタ23からデジタルコード制御発振回路24に与えられる発振周波数情報NCNTを、ディレイ回路DLYで1クロック遅延させてループフィルタ23に戻して、この情報によりループフィルタ23のゲインを制御するように構成されている。具体的には、デジタルコード制御発振回路24に対して周波数を高くするよう指令する発振周波数情報NCNTが与えられたときはループフィルタ23のゲインが高くなり、デジタルコード制御発振回路24に対して周波数を低くするよう指令する発振周波数情報NCNTが与えられたときはループフィルタ23のゲインが低くなるようにループフィルタ23が構成されている。これは、図5のような特性になるように位相制御系ループが構成とされる。
一般的に、制御ループの伝達特性は2次特性(−40dB/dec)で、0dB 帯域の周波数ωoにおいて1次(−20dB/dec)となるように、周波数ω1(ω1<ω0)に1次の零点を持たせて位相補償する。本制御ループはサンプリングシステムであり、図6からも分かるように、相切替え毎に1回(従って、逆起電圧B-EMFの1周期毎に6回)の割合で位相誤差のサンプリングが行われる。即ちサンプリング周波数は逆起電圧B-EMFの周波数の6倍である。ここで、帯域ωoが高いほど、目標追従性がよくロックアップ時間も短縮できるが、サンプリングによる遅延の影響を考慮して、制御ループを安定に保つためには、0dB 帯域の周波数ωoは通常サンプリング周波数ωsの1/10〜1/20に設定するのが良い。
一方、安定性確保を重視して、定常回転の数%でのサンプリング周波数をもとにωoを設定した場合、モータが定常回転数になると追従性が著しく劣化し、最悪ロックはずれを生じる。上記問題点の解決のために、本発明では、ω1およびωoを回転数に比例させている。これにより、広範なロックレンジと常に最適な目標追従性と安定性を得ることができる。なお、この実施例では、上述のように発振回路24の設定値であるNCNT(FCOM信号の周期)をディレイ回路DLYで1クロック遅延させてループフィルタ23の係数および利得にフィードバックすることで実現している。
さらに、この実施例の位相制御ループ系においては、デジタルコード制御発振回路24から位相差検出回路22に対して現在の発振周波数の情報FDCOをフィードバックさせて位相差検出回路22の位相感度を一定にさせるような制御を行なっている。これは、位相差検出回路22に入ってくる信号は逆起電圧B−EMFのゼロクロス点と当該PLLの発振信号との絶対的な時間差を示す信号であるので、モータの回転数が変わるとその時間差に対応する位相が変わってしまうので、回転数が変わっても位相差検出回路22に入ってくる時間差信号は同一の位相差信号とみなせるようにするためである。
前述のように広範な回転数(定常の数%〜定常)に対する逆起電圧B-EMFの検出信号が入力された場合、本実施例の位相差検出回路22はアップダウンカウンタで構成されているので、一定周期のクロックを用いた動作では、同じ位相誤差が与えられたとしても周波数が低い(回転数が低い)際に位相誤差の値が大きくなりすぎて、後段のループフィルタ23の計算でオーバーフローを生じ、結局、広範な回転数入力に対応できない。
そこで、回転数に因らず位相差検出回路22の利得(位相誤差角度に対する誤差カウント値)を一定に保てるように、周波数が固定であるシステムクロックではなく、発振回路24の入力設定値NCNT(FCOM信号の周期)のm倍(例えば256倍)の周波数を持つ発振回路24の発振周波数情報FDCOを位相差検出回路22へフィードバックさせて位相差検出回路22のカウンタをアップダウン動作させるようにしている。
図6は、本PLLループが位相ロックした状態を表している。マスク信号MASKがロウレベルの期間であって、逆起電圧B-EMFが正か負かを示す信号U−Nがハイレベルの期間は位相差検出回路22に対する制御信号DECELがハイレベルとされてカウンタはダウンカウントし、マスク信号MASKがロウレベルで信号U−Nがロウレベルの期間は位相差検出回路22に対する制御信号ACCELがハイレベルとされてカウンタはアップカウントし、アップ/ダウンの差が位相差検出値とされる。
図6の位相ロック状態では、位相誤差が生じないため、アップ/ダウンのカウント数が等しくなり、位相差検出回路22の出力はゼロ(ゼロカウント)となる。図7は、本PLLループが位相遅れを検出した状態を表しており、この場合は、カウントアップの期間がカウントダウンの期間より長い為、位相差検出回路22は(+)の位相誤差を出力し、これによってFCOM(相切替え)信号の周期が短くなり位相を進めて位相誤差を調整する。
図8は、本PLLループが位相進みを検出した状態を表しており、この場合は、カウントアップの期間がカウントダウンの期間より短い為、位相差検出回路22は(-)の位相誤差を出力し、これによってFCOM信号の周期が長くなり位相を遅らせて位相誤差を調整する。なお、図6〜図8において、コイルへの駆動出力OUTPUTが正弦波でなく、30度〜135度および−30度〜−135度の範囲でフル振幅波形になっているのは、電力損失を減らすためである。かかる駆動方式については、本発明者らが先に出願した特願2002−359992号において説明されている。かかる駆動方式は、本発明には直接関係しないので説明は省略する。
次に、本実施例のモータ駆動制御回路における速度制御部(41〜44)の動作について、図9〜図12を用いて説明する。
位相制御PLL上のループフィルタ23から速度制御部の速度検出回路41に入力される速度情報(回転数情報)NCNTは、マスタクロックφcの周波数をfc、相切替え周波数をfcomとすると、次式
NCNT=fc/16・fcom ……(1)
で表わされる。上式の分母に"16"があるのは、本実施例では、ロータが電気角で60度回転する間に出力トランジスタに印加される駆動信号が前述したように16個のパルスよりなるからである。
また、3相交流駆動では、図8からも分かるように、ロータの電気角360度の間に6回相切替えが行なわれるため、1周期がロータの電気角で360度に相当する逆起電圧B-EMFの周波数を"fBEMF"とおくと、"fBEMF"はfBEMF=fcom/6で表わされるので、式(1)より、"NCNT"との間には、次式
fBEMF=fc/6・16・NCNT ……(2)
が成り立つ。
本実施例では、"NCNT"の更新周期は1/fcomであり、正確な回転数情報を得るには、相切替えごとの回転数情報を加算して電気角360度の回転数情報を換算する必要がある。つまり、上式(2)は、次式(3)のように変形される。
Figure 0004583111
本実施例では、速度検出回路41が遅延器と加算器とからなる図9(A)または(B)に示すような構成の演算器を備え、マスタクロックφcでループフィルタ23からの回転数情報"NCNT"をサンプリングして、次式(4)で示されるような演算を行なうことにより回転数情報"BEMFCNT"を得るようにされている。
Figure 0004583111
ところで、モータの1分間の回転数をNo(rpm)、1秒間の回転数をfspn(Hz)、モータの磁極数(磁石の数)をPとおくと、
No=60・fspn
fspn=(2/P)・fBEMF ……(5)
で表わされ、式(5)は逆数をとって次式(6)のように変形される。
1/fspn=(P/2)・(1/fBEMF) ……(6)
実際のモータでは、着磁ばらつきや巻き線ばらつきの影響で、逆起電圧B-EMFの周波数"fBEMF"は機械角360度の間で一定でないことが普通であるので、モータの正確な周期"NOCNT"は、次式(7)のようになる。
Figure 0004583111
本実施例では、速度検出回路41が磁極数Pに応じて図10(A)または(B)あるいは(C)に示すような構成の演算器を備え、マスタクロックφcで図9(A)または(B)の演算器の出力"BEMFCNT"をサンプリングして、式(7)で示されるような演算を行なうことにより、着磁ばらつき等に影響されない正確な回転数情報"NOCNT"を得るようにされている。
上記式(7)で示される回転数情報"NOCNT"は機械角360度あたりの回転数であるが、図9(A)または(B)の演算器の出力"BEMFCNT"をP/2個保持しておいて、図11に示すように、1/fBEMFごとすなわち電気角360度ごと、P/2個の"BEMFCNT"の値を足し合わせた"NOCNT"を出力させるように構成することによって、機械角360度の回転数情報"NOCNT"を1/fBEMFごとに得る、つまりモータ一回転あたりP/2回だけ回転数情報"NOCNT"を得ることができる。
これにより、速度制御の制御帯域を高め応答特性を向上させることができる。なお、図11はP=12の場合であり、(B)は(A)の状態から1/fBEMFだけ経過した後の状態を示している。図示しないが、(A)の状態から2/fBEMFだけ経過した後の状態、(A)の状態から3/fBEMFだけ経過した後の状態、(A)の状態から4/fBEMFだけ経過した後の状態、(A)の状態から5/fBEMFだけ経過した後の状態を経由して、(A)の状態へ戻る。
図12には、本実施例のモータ駆動制御回路における速度制御部(41〜44)全体の機能構成が示されている。
図12では、図9(B)の演算器と図10(A)の演算器によりループフィルタ23の出力"NCNT"を入力とし、乗算器で16倍した値を順次加算して電気角360度分の速度情報を電気角360度毎に出力する速度検出回路41が構成されている。また、速度差検出回路42は減算器SUBで構成され、該速度検出回路41から出力される上記速度情報"NOCNT"とMPUから供給される目標速度情報(回転数)"TGCNT"との差分"SECNT"を求めて出力する。具体的には、"TGCNT"から電気角360度毎に得られる"NOCNT"を引いた値(TGCNT−NOCNT)を"SECNT"としてフィルタ回路43へ出力する。この場合、BEMFCNTをP/2個保持することは、回路規模の増大を招く。本例では、目標値の±数%以上の回転数に至った場合、SECNTをクランプしても問題ないことから、"TGCNT"をP/2で割った値から電気角360度毎に得られる"BEMFCNT"を引いた値(2・TGCNT/P−BEMFCNT)をP/2個保持する。
ここで、P=12の場合、電気角360度毎の差分(2・TGCNT/P−BEMFCNT)をΔBEMFCNT(1),ΔBEMFCNT(2)……ΔBEMFCNT(6)で表わすと、
SECNT=ΔBEMFCNT(1)+ΔBEMFCNT(2)+……+ΔBEMFCNT(6)
となる。
フィルタ回路43は、2個の加算器ADD1,ADD2と遅延器DLYおよび係数乗算器MULにより構成され、次式(8)
SPNCRNT=ΣSECNT+FILTER0・ΣSECNT ……(8)
で示される演算を行なって、電流値情報"SPNCRNT"として出力する。そして、マルチプレクサ44によってモードに応じてMPUからの電流指令値"CRNT"またはフィルタ23の出力"SPNCRNT"のいずれかが選択されて誤差電流検出回路27へ供給される。式(8)において、"FILTER0"はフィルタ定数である。
遅延器DLYは、ラッチもしくはレジスタからなり、MPUから与えられるプリセット値"PRE"を保持するとともに、このプリセット値"PRE"を保持している間、速度差検出回路42の出力"SECNT"がフィルタ43へ供給されないように遮断するか、"SECNT"を強制的に"0"にして、出力"SPNCRNT"を一定の値にクランプできるように構成されている。また、フィルタ43の特性は、MPUから供給されるフィルタ定数"FILTER0"によって与えられる。
次に、コイルに流れる電流を検出する電流検出用抵抗RNFの電位差を取り込むサンプルホールド回路12と、検出された電位差を増幅する電流センスアンプ13と、電流値をデジタル値に変換するAD変換回路14と、検出された電流地とMPUから与えられる電流指示値またはフィルタ43の出力SPNCRNTとの差を検出する電流誤差アンプ27と、デジタルフィルタ28と、出力電流&位相制御回路21とからなりコイルに流す駆動電流の制御を行なう駆動電流制御系の回路部分について、図13を用いて説明する。なお、図13において、図1の回路と同一もしくは相当する部分には同一の符号を付してある。
図13において、31はMPUから与えられる電流指示値SPNCRNTに係数を掛けて電流指令値を補正する補正用演算回路、32,33はオフセットキャンセル用の加算器、34は電流指示値SPNCRNTと検出されてコイル電流との誤差を得る加算器で、これらの演算回路によって誤差電流検出回路27が構成されている。そして、この誤差電流検出回路27の出力に基づいて検出された電流差に応じた値を発生するフィルタ28の出力は、出力電流&位相制御回路21内のPWMパルス生成回路21Aに供給される。加算器33は、電流検出用抵抗RNFで検出されAD変換回路14で変換されたデジタル値にレジスタ35に予め保持されている値を足し込むことによって、オフセットをキャンセルした正確な検出電流値Idtcを出力する。この電流値Idtcはソフトスイッチ制御回路26に供給される。
この回路の設計において留意すべき点は、電流検出に使用する電流センスアンプ13やAD変換回路14が有するオフセットをキャンセルしないと、微少電流領域の精度が悪化し、制御可能な電流範囲が狭くなる点と、電流値のサンプリングクロックφsをPWM駆動のオン期間の中心に合わせなくてはならない点にある。なお、サンプリングクロックφsをPWM出力パルスの中心に合わせるのは、コイルの電流値は変化しており、PWM駆動のオン期間の中心付近での電流値が最も平均電流値に一致するので、この点の電流値をサンプリングすることで精度の高い電流制御が可能となるためである。
そこで、この実施例の駆動電流制御系においては、ロータの位置検出とそれに基づくモータの回転制御を開始する前に、コイルに電流を流さない状態で電流検出用抵抗RNFの電位差をサンプルホールド回路12に取り込んで、その電位差を電流センスアンプ13で増幅し、さらにそれをAD変換回路14でデジタル値に変換した値をオフセットレジスタ35に保持させるとともに、このレジスタ35の値を加算器32でMPUから与えられる電流指示値またはフィルタ43の出力SPNCRNTに足し込むようにしている。これによって、電流検出に使用する電流センスアンプ13やAD変換回路14のオフセットを検出するとともに、そのオフセットをキャンセルして微少電流領域の精度が悪化し、制御可能な電流範囲が狭くなるのを防止している。
次に、上記のように構成された実施例のモータ駆動制御回路によるモータの起動から定常回転に至るまでの手順を、図14のフローチャートおよび図15のタイミングチャートを用いて説明する。
モータの起動指令があると、先ずコイルの逆起電圧を検出してモータの回転周波数を検出する(ステップS201)。これは、一時的な電源瞬断等があって電源が回復した後にモータの起動指令がある場合を考慮したものであり、通常はモータが停止しているので、次のステップS202でモータの回転数が例えば目標の3%のような値以下と判定されてステップS210へ移行してステップS211の通電相決定処理が図2の手順に従って行なわれる。通常はこの処理によってモータの回転が開始される。
その後、図2のステップS16やS17,S27,S28のアラームがあったか否か判定される(ステップS212)。アラームがあったときは、図2のステップS2等におけるセンス時間や図3のステップS104等における通電時間などのパラメータの再設定を行なう(ステップS213)。そして、ステップS214で繰返し回数iを「+1」してステップS210へ戻り、繰返し回数iが予め設定された規定回数nを越えたか判定し、規定回数を越えたときはステップS201へ戻ってコイルの逆起電圧を検出してモータの回転周波数の検出を行なう。ステップS211の通電相決定処理を所定回数行なえばほとんどの場合、モータは回転を始めるためである。ステップS212でアラームがなかったときは、既にモータは回転を開始しているので、この場合もステップS201へ戻ってコイルの逆起電圧を検出してモータの回転周波数の検出を行なう。
ステップS202でモータの回転数が3%を越えていると判定されると、図4を用いて説明したPLLによるコイルの逆起電圧の位相に合わせてコイルに流す電流の位相制御(相切替え)を行なってモータの回転速度を加速させる処理を行なう(ステップS203)。そして、次のステップS204でPLLのロックがはずれているか判定し、ロックが外れたときはステップS201へ戻って上記動作を繰り返す。なお、上記のような起動制御は発振回路24の周波数を例えば100kHzに固定した状態で行なわれる。
一方、ステップS204でPLLのロックがはずれていないと判定したときは、ステップS205へ移行してモータの回転数が90%を越えたか否か判定し、90%を越えるまではPLLによる制御でモータの加速を続ける。PLL制御によるモータの加速は、発振回路24内のレジスタの値を発振周波数が順次高くなるように書き換えることで行なわれる。この書き換えは、シーケンサ30によって行なわれる。そして、かかるオープンループの加速制御によってモータの回転数が90%を越えるようになったときはステップS206へ進んで、ソフトスイッチ制御回路26によって、コイルに発生する逆起電圧B-EMFの位相に対して各相のコイル電圧をΔθだけ位相が早くなるように印加して、コイル電流の位相を逆起電圧B-EMFの位相に一致させる位相制御処理を行なう。
そして、次のステップS207で、モータの回転数が95%を越えたか否か判定し、95%を越えると、ステップS208へ進んで速度検出回路41を含む速度制御ループによる速度制御へ移行する。その後、ステップS209で、例えばモータの回転数が目標値から±4%以内であるか判定することで位相制御および速度制御が不能な状態になっていないか判定し、不能になっていないときはステップS205へ戻って回転数をチェックし、ステップS206〜S208の制御を続ける。これによって、通常モータは定常回転に至る。また、ステップS209で、位相制御および速度制御が不能な状態になったと判定した場合にはステップS201へ戻って再起動を行なう。
なお、ステップS208へ移行するとき、MPUはシリアルポート29からフィルタ43へ定常回転状態での値を想定した初期値"PRE"をプリセットしておいてコマンドCOMMODEを送ってマルチプレクサ44をフィルタ43側へ切り替えてクローズループへ移行して自動速度制御を行なわせる。また、マルチプレクサ44をフィルタ43側へ切り替える前は、コマンドにより速度差検出回路42の出力"SECNT"がフィルタ43へ供給されないように遮断するか、"SECNT"を強制的に"0"にすることで、加速中の速度差"SECNT"がフィルタ43へ供給されないようにする。
これにより、クローズループからオープンループへ切り替えた直後にモータ回転数がオーバーシュートを起こすのを抑制することができる。図15に、本実施例の速度制御部を適用したモータ駆動制御回路における電流、回転数、回転数誤差、フィルタの保持値の時間的変化を実線で、本実施例を適用しないモータ駆動制御回路における電流、回転数、回転数誤差、フィルタの保持値の時間的変化を破線で示す。図15(B)のモータ回転数を示す実線と破線を比較すると明らかなように、破線よりも実線(本実施例)の方がオーバーシュート量が小さいことが分かる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施態様にもとづき具体的に説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施例のモータ駆動制御回路では、逆起電圧を検出することでロータの静止位置を検出して通電開始相を決定するセンサレス方式を採用したものを説明したが、ホールセンサなどを用いてロータの静止位置を検出するように構成することも可能である。また、モータは3相でなく多相のモータであっても良い。
また、実施例においては、モータの回転数が95%を境に速度制御ループをオープンループからクローズドループに切り替えると説明したが、95%は一例であって90〜96%程度の範囲にあればよい。また、実施例においては、モータの回転数が90%を越えると位相制御PLLによる制御を開始し、95%を超えると速度制御ループをオープンループからクローズドループに切り替えるようにしているが、位相制御PLLによる制御と同時に行なうあるいは速度制御ループの切替えを先に行なうように構成することも可能である。
さらに、実施例においては、速度制御部(41〜44)にフィードバックする速度情報を位相制御ループ上のループフィルタ23の出力側から取り出すようにしているが、速度情報は他の部位から取り出しても良いし、位相制御ループ上の信号を計数するカウンタを別途設けてそのカウンタ値を速度情報として速度制御部へ供給しても良い。ただし、実施例のように速度情報を位相制御ループ上のループフィルタ23の出力側から取り出すことで回路規模の増加を抑えることができる。
また、フィルタ23から出力される速度情報NCNTがサンプリング周波数に対して小数点以下の情報を含み発振回路24がサンプリング周波数で動作する場合には、発振回路24で量子化誤差が生じるので、発振回路よりも後段から速度情報を取り出すと速度制御の精度が低下するが、実施例においてはフィルタ23から出力される速度情報NCNTを速度制御部(41〜44)にフィードバックしているため、精度の高い速度制御が行なえる。
さらに実施例に従うと、マイクロプロセッサの負担を軽減することができるとともに、モータの回転ムラを小さくすることができる直流多相ブラシレスモータの駆動制御装置を実現することができる。また、磁気記憶ディスクを回転させるスピンドルモータの回転ムラを抑え、小型化および高密度記録が可能な磁気ディスク記録装置を実現することができる。
さらに、本発明に従うと、マイクロプロセッサの負担を増加させることなく、モータが定常回転に至るまでの時間を短縮させることができる直流多相ブラシレスモータの駆動制御装置を実現することができるという効果が得られる。
以上の説明では主として、本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるハードディスク記憶装置のモータ駆動制御装置に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、例えばMO(光磁気ディスク)装置やDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)装置、CD(コンパクト・ディスク)装置のディスクを回転させるモータ、レーザビームプリンタのポリゴンミラーを回転させるモータなどのブラシレスモータを駆動するモータ駆動制御装置に広く利用することができる。
本発明を適用した3相ブラシレスモータの駆動制御回路の一実施例を示すブロック図である。 実施例のモータ駆動制御回路によるロータの磁極位置検出および通電相の決定手順を機能的に表わしたフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS2〜S5,S7〜S10,S12〜S15の処理を、回路の動作手順として表わしたフローチャートである。 実施例のモータ駆動制御回路におけるPLLによる位相制御の回路部分を示したブロック図である。 実施例のモータ駆動制御回路のPLL回路におけるループフィルタのゲインの周波数スケーリングを説明するグラフである。 実施例のモータ駆動制御回路のPLL回路のロック時の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 実施例のモータ駆動制御回路のPLL回路の位相遅れ時の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 実施例のモータ駆動制御回路のPLL回路の位相進み時の各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 (A),(B)は実施例の速度制御部の速度検出回路の前半部分の構成例を示したブロック図である。 (A),(B),(C)は実施例の速度制御部の速度検出回路の後半部分の構成例を示したブロック図である。 (A),(B)は実施例のモータ駆動制御回路における機械角と電気角との関係および1/fBEMF離れた時点での速度誤差を示した説明図である。 実施例のモータ駆動制御回路における速度制御部の構成例を示したブロック図である。 実施例のモータ駆動制御回路におけるコイルに流す駆動電流を制御する回路部分を示したブロック図である。 実施例のモータ駆動制御回路によるモータの起動から定常回転に至るまでの手順を示すフローチャートである。 実施例のモータ駆動制御回路によるモータの起動から定常回転に至るまでの電流、回転数、回転数誤差、フィルタの保持値の時間的変化を示すタイミングチャートである。
符号の説明
Lu,Lv,Lw コイル
11 電流出力回路
12 出力電流値のサンプルホールド回路
13 出力電流検出用差動アンプ
14 AD変換回路
16 逆起電圧検出回路
17 セレクタ
21 出力電流制御回路
22 位相比較回路
23 ループフィルタ
24 デジタルコード制御発振回路
25 通電相制御回路
26 ソフトスイッチ制御回路
27 誤差電流検出回路
28 フィルタ
29 シリアルポート
30 シーケンサ
41 速度検出回路
42 速度誤差検出回路
43 フィルタ
44 マルチプレクサ

Claims (5)

  1. マイクロプロセッサ及びブラシレスモータと共に利用され、半導体基板上に形成され、上記ブラシレスモータの回転駆動を制御する駆動制御装置であって、
    上記駆動制御装置は、
    複数のコイルを備えた上記ブラシレスモータの各相のコイルに順次電流を流す電流出力回路と、
    上記ブラシレスモータの上記各相のコイルの端子間電圧を検出するコイル電圧検出回路と、
    上記ブラシレスモータのコイルに流れる電流を検出するコイル電流検出回路と、
    上記コイル電圧検出回路により検出されたコイル電圧と上記コイル電流検出回路により検出されたコイル電流をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、
    上記コイル電圧検出回路と上記コイル電流検出回路により検出された信号に基づいて上記電流出力回路を制御する制御系回路と、
    を備え、上記ブラシレスモータの上記各相のコイルに流す電流を順次切り替えることで上記ブラシレスモータの回転駆動を制御し、
    上記制御系回路は、
    上記コイル電圧検出回路により検出されたモータ回転中の上記コイルの逆起電圧のゼロクロス点と上記電流出力回路が出力する電流のゼロ点の位相差を検出する位相差検出回路と、
    上記位相差検出回路により検出された位相差を累積する第1フィルタ回路と、
    上記第1フィルタ回路の出力に応じて周波数が制御される発振回路と、
    上記電流出力回路を駆動して上記電流出力回路の出力電流を制御する信号を生成する出力電流制御回路と
    上記第1フィルタ回路の出力値である回転数情報を入力とし、上記回転数情報を順次加算して電気角360度分の速度情報を電気角360度毎に出力する速度検出回路と、
    上記速度情報と上記マイクロプロセッサから供給される目標速度情報との差分を求める速度差検出回路と、
    上記速度差検出回路によって検出された速度差を積算し換算電流値に変換する第2フィルタ回路と、
    上記アナログ−デジタル変換回路によって変換されたコイル電流の変換値と上記第2フィルタ回路から出力された上記換算電流値とを比較し電流差を検出する誤差電流検出回路と、
    上記誤差電流検出回路の出力を積算し、電流差情報として上記出力電流制御回路へ供給する第3フィルタ回路と、を含み、
    上記発振回路の出力信号が上記各相のコイルに流す電流の切替えタイミングを与える信号として上記出力電流制御回路に供給され、該出力電流制御回路から上記位相差検出回路に対してフィードバック制御することにより上記逆起電圧のゼロクロス点の位相と上記出力電流制御回路から生成される上記信号の位相とが一致するように位相制御ループが構成され、
    上記速度検出回路、上記速度差検出回路、上記第2フィルタ回路、上記誤差電流検出回路及び上記第3フィルタ回路によって速度制御部を構成して上記ブラシレスモータの回転数を制御することを特徴とするモータの駆動制御装置。
  2. 上記モータの磁極数をPとしたとき、上記速度検出回路は、上記回転数情報を順次加算して、上記ブラシレスモータの機械角360度の間に電気角360度の積分値をP/2に相当する回数だけ算出してモータの回転数を抽出し、上記目標速度情報と比較するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの駆動制御装置。
  3. 上記出力電流制御回路は、上記第3フィルタ回路の出力に基づいて上記コイルに流す電流を制御するPWM信号を生成し上記電流出力回路に供給することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のモータの駆動制御装置。
  4. 上記第2フィルタ回路の出力または上記マイクロプロセッサからの電流指令値のいずれかを選択して上記出力電流制御回路へ供給可能な切替え回路を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモータの駆動制御装置。
  5. ブラシレスモータの各相のコイルに流す電流を順次切り替えることで上記ブラシレスモータを回転駆動する上記ブラシレスモータ用の駆動制御装置と、
    該駆動制御装置により回転駆動される上記ブラシレスモータと、
    上記駆動制御装置に対して回転数指令値および動作モード指令を与えるシステム制御装置とを有するディスク回転システムであって、
    上記駆動制御装置は、
    複数のコイルを備えた上記ブラシレスモータの各相のコイルに順次電流を流す電流出力回路と、
    上記ブラシレスモータの上記各相のコイルの端子間電圧を検出するコイル電圧検出回路と、
    上記ブラシレスモータのコイルに流れる電流を検出するコイル電流検出回路と、
    上記コイル電圧検出回路により検出されたコイル電圧と上記コイル電流検出回路により検出されたコイル電流をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換回路と、
    上記コイル電圧検出回路と上記コイル電流検出回路により検出された信号に基づいて上記電流出力回路を制御する制御系回路と、
    を備え、
    上記制御系回路は、
    上記コイル電圧検出回路により検出されたモータ回転中の上記コイルの逆起電圧のゼロクロス点と上記電流出力回路が出力する電流のゼロ点の位相差を検出する位相差検出回路と、
    該位相差検出回路により検出された位相差を累積する第1フィルタ回路と、
    該第1フィルタ回路の出力に応じて周波数が制御される発振回路と、
    上記電流出力回路を駆動して上記電流出力回路の出力電流を制御する信号を生成する出力電流制御回路と、
    上記第1フィルタ回路の出力値である回転数情報を入力とし、上記回転数情報を順次加算して電気角360度分の速度情報を電気角360度毎に出力する速度検出回路と、
    上記速度情報と上記システム制御装置から供給される上記回転数指令値との差分を求める速度差検出回路と、
    上記速度差検出回路によって検出された速度差を積算し換算電流値に変換する第2フィルタ回路と、
    上記第2フィルタ回路の出力または上記システム制御装置から供給された電流指令値のいずれかを選択可能な切替え回路と、
    上記アナログ−デジタル変換回路によって変換されたコイル電流の変換値と上記切替え回路によって選択される上記第2フィルタ回路から出力された上記換算電流値または上記システム制御装置から供給された上記電流指令値とを比較し電流差を検出する誤差電流検出回路と、
    上記誤差電流検出回路の出力を積算し、電流差情報として上記出力電流制御回路へ供給する第3フィルタ回路と、を含み、
    上記駆動制御装置は、
    上記発振回路の出力信号が上記各相のコイルに流す電流の切替えタイミングを与える信号として上記出力電流制御回路に供給され、該出力電流制御回路から上記位相差検出回路に対してフィードバック制御することにより上記逆起電圧のゼロクロス点の位相と上記出力電流制御回路から生成される上記信号の位相とが一致するように位相制御ループが構成され、
    上記速度検出回路、上記速度差検出回路、上記第2フィルタ回路、上記誤差電流検出回路及び上記第3フィルタ回路によって速度制御部を構成して上記ブラシレスモータの回転数を制御ように構成されており、
    ディスクの回転起動時に、所定の回転数に達するまでは上記切替え回路は上記システム制御装置からの上記回転数指令値を選択して上記誤差電流検出回路へ供給しオープンループによるトルク加速回転制御を行ない、所定の回転数に達した後は上記切替え回路は上記第2フィルタ回路の上記出力を選択して上記誤差電流検出回路へ供給しクローズドループによる回転制御を行なうように構成されていることを特徴とするディスク回転システム。
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