JP3873804B2 - モータ駆動装置およびその駆動方法、ならびに携帯端末 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動装置およびその駆動方法、ならびに携帯電話機に代表される携帯端末に関し、特に移動子の移動位置を検出する位置検出センサーを持たない所謂センサーレス方式のモータ駆動装置およびその駆動方法、ならびに当該駆動装置を搭載した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、センサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置として、定格運転中は、無通電となるときのモータコイル相に生ずる逆起電力をスター結線された3相モータコイルの中性点電位と比較し、その比較判定された極性が反転する時間を待ち(ゼロクロス検出)、これをロータ位置検出信号とし、さらに適宜設定された遅れ時間を加えた後、次の駆動状態へ移行する構成のものが知られている(例えば、特開平9−47078号公報等を参照)。このブラシレスモータ駆動装置では、モータの起動時は、起動から低速な領域までは駆動装置側が持つ発振器から得られる同期信号でロータ位置を検出しないまま強制的に駆動相を切り替えてモータを起動するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来例に係るブラシレスモータ駆動装置では、逆起電力検出値と中性点電位との比較判定の極性が反転するゼロクロス信号が得られるまでセンシングを続けなればならないため、ゼロクロス信号が得られるまでの期間での外来ノイズに対する脆弱性を否定できない。さらに、その期間はノイズ発生を抑える必要があり、出力駆動状態を変化させることが難しく、負荷量に応じて駆動デューティを効率的に変化させるなどの性能向上も難しい。
【0004】
また、起動時には逆起電力が発生しないために専用の起動回路が必要であり、これに加えて相数分の逆起電力検出アンプと当該アンプのオフセット補正回路、ノイズ除去回路、駆動位相補正回路等のいくつかの機能回路が必要となるため、装置全体として回路構成が複雑化しやすい。これは、ブラシレスモータ駆動装置の省電力化、低コスト化、小型化が難しいことを意味する。
【0005】
また、中性点電位を取り出すため結線が必要であるため、3相モータの場合を例に採ると、コイルと駆動装置との接続結線数は基本的に4本となる。モータ機器内に駆動装置を内蔵させるときには、接続結線数は少ないほど回路配置の自由度が増す。従来例に係るブラシレスモータ駆動装置において、3本結線を実現しようとすると、ゼロクロス検出誤差を補正するための補正回路の付加、または検出誤差をそのまま受け入れることによる駆動効率の低下や動作安定性の低下といった問題が生じる。そのため、4本結線をとらざるを得なく、モータ機器内に駆動装置を内蔵させるときに回路配置の自由度が制限される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的簡単な回路構成にて、外来ノイズの影響を受けずに安定に回転駆動できるとともに、低消費電力化、小型化、低コスト化が可能で、しかも回路配置の自由度が高いモータ駆動装置およびその駆動方法、並びに当該駆動装置を搭載した携帯端末を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータの駆動装置において、定格運転モードに移行する途中や定格運転モードに移行した後に、駆動コイルに発生する逆起電力値を検出し、同一の相について前回検出値と今回検出値とを比較して位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて基本動作時間単位となる同期基準信号の周波数または駆動コイルの駆動出力部に供給する電源電圧を制御する構成を採っている。このモータ駆動装置は、着信をバイブレータで感知するために振動モータを搭載した携帯電話機に代表される携帯端末において、当該振動モータを駆動するモータ駆動装置として用いられる。
【0008】
上記構成のモータ駆動装置又はこれを搭載した携帯端末において、駆動コイルに発生する逆起電力の検出に際し、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力値(レベル)そのものを前の状態の同じ相の逆起電力値と比較し、その比較結果に基づいて同期基準信号の周波数を適当な周波数に修正する、即ち位相誤差をなくすように同期基準信号の周波数の制御を行う。これにより、モータの移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、マグネットを配した移動子と例えば3相の駆動コイルU,V,Wを配した固定子とを有する3相のDCブラシレスモータ10を駆動対象としている。ただし、駆動対象は3相のDCブラシレスモータに限られるものではなく、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、3相以外の多相あるいは単相のDCブラシレスモータの駆動にも適用可能である。
【0011】
図1から明らかなように、第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、同期基準信号生成部11、通電制御部12、駆動出力部13、端子電圧検出部14、端子電圧保持部15、動作期間設定部16および同期制御部17を基本的な構成要素として備え、例えばIC化されて用いられ、少なくとも5個の端子21〜25を具備している。端子21,22,23には、ブラシレスモータ10の3相の駆動コイルU,V,Wの各一端が接続されている。
【0012】
また、端子24には保護装置31が、端子25には警報装置32がそれぞれ接続されている。ここで、保護装置31は、ブラシレスモータ10の移動子の同期運転からの脱調等の異常状態が生じたとき、例えば電源を遮断する保護処理を行う。一方、警報装置32は、異常状態の発生によって保護装置31が作動した結果、モータ10が停止状態にあることをユーザにアラーム等によって告知する。なお、保護回路31についてはIC内蔵とすることも可能である。
【0013】
同期基準信号生成部11は、電圧値が可変な基準電圧源111と、この基準電圧源111から与えられる同期基準電圧値(V)を周波数(F)に変換するV/Fコンバータ112とを有し、基準電圧源111から与えられる同期基準電圧値に基づいて同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を生成する。この生成された同期基準信号は通電制御部12に与えられる。通電制御部12はプリドライバ121からなり、同期基準信号生成部11で生成された同期基準信号および同期期間設定部16から与えられる各種のタイミング信号に基づいてブラシレスモータ10の駆動コイルU,V,Wへの通電を制御する。
【0014】
駆動出力部13は、第1電源、例えば正電源Vccと端子21,22,23との間に接続されたPMOSトランジスタQp11,Qp12,Qp13と、端子21,22,23と第2電源、例えばグランド(GND)との間に接続されたNMOSトランジスタQn11,Qn12,Qn13とを有し、通電制御部12による通電制御によって端子21,22,23を通して3相の駆動コイルU,V,Wに駆動電流を供給する。なお、正電源Vccと端子21,22,23との間および端子21,22,23とグランドとの間には、逆起電力を吸収するためのダイオードD11〜D16が接続されている。
【0015】
端子電圧検出部14は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の検出アンプ141,142,143を有し、端子21,22,23に発生する電圧値(端子電圧値)を検出する。端子21,22,23には、モータ10の移動子(ロータ)が回転しているときに、3相の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力のレベルに応じた電圧値が発生する。端子電圧検出部14で検出された端子電圧値は、端子電圧保持部15および同期制御部17に供給される。
【0016】
端子電圧保持部15は、検出アンプ141,142,143で検出された正側の検出電圧値を保持する保持回路151,152,153と、負側の検出電圧値を保持する保持回路154,155,156と、これら保持回路に保持された正側および負側の検出電圧値(保持電圧値)のいずれか一方を選択する選択回路157,158,159とを有する構成となっている。ここで、保持回路151〜156の保持タイミングおよび選択回路157〜159の選択タイミングは、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号によって決まる。
【0017】
動作期間設定部16は、同期基準信号生成部11で生成された同期基準信号をカウントするカウンタおよび当該カウンタのカウント値に基づいて各種のタイミング信号を生成するタイミング生成回路によって構成されており、生成したタイミング信号を通電制御部12、端子電圧保持部15および同期制御部17にそれぞれ供給する。ここで、通電制御部12に与えられるタイミング信号は、駆動コイルU,V,Wの少なくとも1つの相を無通電状態とする期間を設定する。端子電圧保持部15に与えられるタイミング信号は、少なくとも1つの相の無通電期間中に端子電圧保持部15を動作状態となる期間を設定する。
【0018】
なお、本例では、保持回路151〜156の保持タイミングを動作期間設定部16からのタイミング信号によって設定する構成を採っているが、検出アンプ141,142,143の各検出電圧値が必ず一旦保持回路151〜156に保持されるため、保持回路151〜156の保持タイミングは、検出アンプ141,142,143が動作状態となる期間(端子電圧値の検出期間)とも言い換えることができる。したがって、検出アンプ141,142,143が動作状態となる期間は、動作期間設定部16からのタイミング信号によって設定されているとも言える。
【0019】
また、本例では、正側の検出電圧値と負側の検出電圧値とを保持するために保持回路を2系統設けた構成を採っているが、必ずしも2系統設ける必要はなく、保持回路としてはいずれか1系統であっても良い。ただし、保持回路を2系統設けた方が、端子電圧値の検出ポイントが2倍となるため、1系統の場合よりも位相検出精度を高めることができる。
【0020】
同期制御部17は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の差分回路171,172,173と、基準電圧源174と、駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の比較回路175,176,177と、制御回路178とを有する構成となっている。差分回路171,172,173は、端子電圧検出部14の検出アンプ141,142,143から直接供給される検出電圧値と、端子電圧保持部15の保持回路151,152,153または保持回路154,155,156に保持され、選択回路157,158,159を通して供給される保持電圧値との差分をとり、その差分電圧値を出力する。
【0021】
基準電圧源174は、モータ10の定格回転数(定格速度)を決める基準電圧値を設定する。この電圧値は可変となっている。比較回路175,176,177は、基準電圧源174で設定された基準電圧値を差分基準値として用い、当該差分基準値と差分回路171,172,173で得られた各差分電圧値とを比較し、その比較結果が0、即ち誤差がない場合には基準電圧値をそのまま、誤差がある場合にはその誤差分を基準電圧値に対して加算または減算した電圧値を制御回路178に供給する。
【0022】
制御回路178は、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて同期基準信号生成部11における基準電圧源111の同期基準電圧値を制御(補正)し、同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を適当な周波数に修正することにより、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるように制御するとともに、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて脱調等の異常状態の発生を検知したときは異常検知信号を端子24,25を介して出力することにより、保護装置31および警報装置32を駆動する。
【0023】
制御回路178はさらに、移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたときは、その速度差に応じて基準電圧源174の基準電圧値(差分基準値)を補正する。具体的には、高回転速度領域ではより敏感な感度となるように基準電圧値を設定する。これにより、同期運転制御のより高精度化を図ることができる。
【0024】
次に、上記構成の第1実施形態に係るセンサーレス方式ブラシレスモータ駆動装置の回路動作について説明する。本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、ファンモータや振動モータ等のように、比較的負荷変動の少ないブラシレスモータを駆動対象とする。
【0025】
比較的負荷変動の少ないモータを駆動する場合には、位相調整を行う必要がないため、最適駆動周波数で駆動波形を発生させ、この駆動波形に基づいて駆動するだけで正しい位相関係でモータが運転動作を行うことになる。このような実状に鑑み、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置においては、先ず起動周波数(初期回転周波数)でモータ10を起動し、その起動後同期制御部17による制御の下、同期基準信号生成部11で発生される同期基準信号の周波数(発振周波数)を定格回転周波数に向けて変化させる同期方式により、起動モードから定格運転モードに移行させる。
【0026】
この定格運転モードに移行する途中や定格運転モードへの移行後、モータ10の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力を検出し、位相誤差がなくなるように同期制御部17によって制御が行われることになるが、従来技術では逆起電力のゼロクロスを検出し、そのゼロクロスの検出出力に基づいて位相誤差をなくすように制御を行っていたのに対して、本実施形態においては、逆起電力のレベルそのものを前の状態の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて位相誤差をなくすように制御を行う構成を採っている。以下に、その具体的な回路動作について説明する。
【0027】
先ず、端子電圧検出部14は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応した検出アンプ141,142,143によって端子21,22,23の端子電圧値、即ち駆動コイルU,V,Wの逆起電力のレベルを検出する。図2に、U相(A)、V相(B)、W相(C)の各端子電圧波形と全相の端子電圧検出位置(検出点)のタイミング関係(D)を示す。また、図3に、安定同期状態におけるある相(X相)の端子電圧波形および検出点電圧値を示す。
【0028】
図2において、サイン波波形における点線は移動子運動による逆起電力の曲線を表し、矩形波波形における点線は移動子が停止したときなど、逆起電力がないときの端子電圧波形を表している。また、通電制御部12が通電状態とする期間(ON(+),ON(−))および無通電状態とする期間(OFF)は、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号によって決まる。
【0029】
検出アンプ141,142,143の各検出電圧値は、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号に基づく検出点(位置)に応じて、端子電圧保持部15の正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156に取り込まれ、ここに保持される。動作期間設定部16から次の検出点でタイミング信号が出力され、選択回路157,158,159に与えられると、そのタイミング信号に応じて選択回路157,158,159は正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156に保持されている端子電圧値を選択して、同期制御部17の差分回路171,172,173に供給する。
【0030】
同期制御部17において、差分回路171,172,173は、選択回路157,158,159から与えられる正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156の保持電圧値(端子電圧値)と、検出アンプ141,142,143から直接与えられる検出電圧値(端子電圧値)との差分をとる。すなわち、差分回路171,172,173においては、前回の検出ポイントでの端子電圧値と今回の検出ポイントでの端子電圧値との差分がとられることになる。
【0031】
比較回路175,176,177は、基準電圧源174で設定された定格速度を決める基準電圧値と差分回路171,172,173の各差分電圧値とを比較し、その比較結果が0、即ち誤差がない場合には基準電圧値をそのまま、誤差がある場合にはその誤差分を基準電圧値に対して加算または減算して得られる電圧値を制御回路178に供給する。
【0032】
制御回路178は、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて基準電圧源111の同期基準電圧値を補正し、同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を適当な周波数に修正することで、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるように制御するとともに、移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたときは、その速度差に応じて基準電圧源174の基準電圧値(差分基準値)を補正する。また、脱調等の異常状態の発生を検知したときは、保護回路31および警報装置32に対して異常検知信号を出力する。
【0033】
上述したように、本実施形態に係るセンサーレス方式ブラシレスモータ駆動装置においては、ファンモータや振動モータなど比較的負荷変動の少ないモータでは、位相関係を調整しなくても、正しい位相関係で運転が行われることに鑑み、初期の起動周波数に基づいてモータを起動させた後は、同期基準信号生成部11で生成する同期基準信号の周波数を初期の起動周波数から定格周波数に向けて変化させ、その周波数に基づいてモータを駆動する同期方式を採っている。
【0034】
そして、当該同期方式を実現するに当たり、ブラシレスモータ10の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力の検出に際しては、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態(前回の検出点)の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて基準動作時間単位となる同期基準信号の周波数を適当な周波数に修正する、即ち位相誤差をなくすように同期基準信号の周波数を制御することで、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにしているため、以下のような作用効果が得られる。
【0035】
逆起電力のゼロクロスを検出する従来技術と対比してその作用効果について説明すると、先ず、逆起電力を検出する検出アンプ141,142,143のオフセット補正回路が不要となる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、検出アンプにオフセットが存在すると、ゼロクロスの検出タイミングがずれてゼロクロスを正確に検出できなくなるため、検出アンプのオフセットを補正するオフセット補正回路が不可欠となる。これに対して、同じ相について今回の検出電圧値と前回の検出電圧値とを比較する場合には、検出アンプ141,142,143にオフセットが存在していたとしても、検出電圧値には常に同じオフセット分が乗り、それらが差分検出の際に相殺されることになるため、オフセット補正回路を設けなくても逆起電力値を正確に検出できる。
【0036】
次に、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不要になる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、逆起電力の検出電圧値が中性点電位とクロスするまで逆起電力のセンシングを続けなければならない期間が必須であるため、外来ノイズに対して弱く、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不可欠となる。これに対して、逆起電力のレベルそのものを検出する場合には、任意の短い期間で逆起電力値を検出すれば良いため、外来ノイズに対して強く、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不要になる。たとえノイズ除去回路を用いるにしても、極めて簡単な回路構成のもので済む。
【0037】
さらに、駆動位相補正回路が不要になる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、ゼロクロスを検出した後回転角に対して電気角30°位相を遅らせたところが一番効率の良い駆動点であることから、その30°位相遅れを作るために駆動位相補正回路が必要になる。これに対して、逆起電力のレベルそのものを検出する同期方式を採る場合には、端子電圧値に応じて緩やかなレベル変化をもって駆動制御が行われ、既に同期運転状態に入っていることで位相を30°遅らせる必要がないため、駆動位相補正回路が不要になる。
【0038】
このように、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置によれば、逆起電力のゼロクロスを検出する従来例に係るブラシレスモータ駆動装置では必須となっていたいくつかの機能回路、即ちオフセット補正回路、外来ノイズ除去回路、駆動位相補正回路等の機能回路が不要になるため、比較的簡単な回路構成でブラシレスモータ駆動装置を実現できる。その結果、本駆動装置の低消費電力化、小型化および低コスト化が図れる。
【0039】
また、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、従来装置よりもモータコイルの結線方法や駆動相数に対して寛容である。すなわち、ブラシレスモータ10の中性点、即ち各相の駆動コイルの共通接続点(図1のO点)の電位を取り込まなくても同期制御を行うことができるため、例えば高トルク型を目的としたデルタ結線への適用も可能である。また、3相ブラシレスモータに限らず、3相以外の多相ブラシレスモータへの適用、さらには積極的に駆動/遮断期間を設けることで、単相ブラシレスモータのセンサーレス駆動への適用も可能である。
【0040】
さらに、ブラシレスモータ10の中性点電位を取り込まなくても同期制御を行うことができるため、その接続結線を省略できる。これに伴い、本駆動装置とブラシレスモータ10との間の接続結線数を、3相モータの場合を例に採ると、従来の4本から3本に削減できるとともに、本駆動装置をIC化した際に端子ピンも1本削減できる。その結果、回路(IC)配置の自由度が増すため、モータ機器内に駆動ICを内蔵させるのに適した駆動装置を実現できる。
【0041】
またさらに、同期制御部17において、移動子の運転速度の定格同期速度に対する速度差に応じて差分基準電圧値を制御することにより、ブラシレスモータ10の回転速度に応じて感度差を出すようにしている。具体的には、回転速度が低いときには脱調が生じにくく、逆に高回転速度になればなるほど脱調が生じやすくなることから、高回転速度領域ではより敏感な感度となるように差分基準電圧値を設定することで、同期運転制御のより高精度化を図ることができる。
【0042】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。本実施形態でも、マグネットを配した移動子と例えば3相の駆動コイルU,V,Wを配した固定子とを有する3相のDCブラシレスモータ10を駆動対象としている。
【0043】
第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置では、同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて基準動作時間単位となる同期基準信号の周波数を制御する構成を採っているのに対して、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置では、駆動出力部13に対して電源電圧供給回路18から供給する電源電圧Vccの電圧値を可変とし、当該電源電圧Vccの電圧値を同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて制御する構成を採っている。
【0044】
このように、同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて駆動出力部13の電源電圧Vccの電圧値を制御する構成を採った場合にも、第1実施形態の場合と同様に、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにすることができる。そして、本実施形態の場合にも、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態(前回の検出点)の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて制御を行う同期方式であることから、第1実施形態の場合と同様の作用効果を奏することになる。
【0045】
なお、上記各実施形態では、例えば3相DCブラシレスモータにおいて、全相について逆起電力値の比較結果を得て、それらの比較結果に基づいて制御を行う構成を前提として説明したが、必ずしも全相について逆起電力値の比較結果を得る必要はなく、少なくとも1相について逆起電力値の比較結果を得て、その比較結果に基づいて制御を行う構成を採ることも可能であり、先の各実施形態とほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【0046】
上記各実施形態に係るセンサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置は、特に比較的負荷変動の少ないブラシレスモータ、例えばパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に内蔵される冷却ファンを駆動するファンモータや、携帯電話機に代表される携帯端末に着信を知らせるバイブレータの振動源として搭載される振動モータなどのモータ駆動装置として用いて好適なものとなる。ただし、駆動対象のモータとしては、ファンモータや振動モータに限られるものではなく、比較的負荷変動の少ないブラシレスモータ全般に適用可能である。
【0047】
図5は、上記各実施形態に係るセンサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置を搭載した携帯端末、例えば携帯電話機におけるRFフロントエンド部の構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図5において、アンテナ41で受信された受信波は、送信/受信に共用される帯域振分けフィルタ42を通過し、高周波信号処理回路43で所定の信号処理が行われた後ミキサ44に供給される。ミキサ44では、局部発振器45からの局部発振周波数と混合されることによって中間周波(IF)に変換され、中間周波数・利得制御回路46で直交復調などの信号処理が行われた後、A/D変換器47でデジタル化されてベースバンドIC48に供給される。
【0049】
一方、送信側では、前段のベースバンドIC48から供給されるデジタルIF信号がD/A変換器49でアナログ化され、中間周波数・利得制御回路50で直交変調などの信号処理が行われた後ミキサ51に供給され、ここで局部発振器52からの局部発振周波数と混合されてRF信号に変換される。そして、このRF信号は、高周波信号処理回路53で所定の信号処理が行われた後帯域振分けフィルタ42を経てアンテナ41に供給され、このアンテナ41から電波として送信される。
【0050】
ところで、携帯電話機などの携帯端末には、着信を音で知らせる機能の他に、マナーの観点から着信を振動で知らせるバイブレータ機能が搭載されているのが一般的である。そして、このバイブレータの振動源として振動モータが用いられている。本適用例に係る上記構成の携帯電話機にも、筐体に振動を伝える振動モータ54が搭載されている。この振動モータ54としては、位置検出センサーを持たないことから、低コスト化、小型化に有利なセンサーレス方式ブラシレスモータを用いるのが、携帯電話機の低コスト化、小型化を図る上で有利である。
【0051】
再び図5において、ベースバンドIC48からは着信時に着信検知信号がコントローラ55に対して与えられる。コントローラ55は、ベースバンドIC48からは着信検知信号が与えられると、通常は着信を音で知らせるために着信音駆動回路(図示せず)に対して駆動指令を出力するが、マナーモードが設定されている場合には、着信を振動で知らせるためにモータ駆動装置56に対して駆動指令を出力する。モータ駆動装置56は、コントローラ55からの駆動指令を受けて振動モータ54を駆動する。このモータ駆動装置56として、先述した第1または第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置が用いられる。
【0052】
このように、筐体に振動を伝える振動モータ54の駆動装置56として、先述した第1または第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置を用いることにより、当該ブラシレスモータ駆動装置は極めて簡単な回路構成にて安定に振動モータ54を駆動できることから、モータ駆動装置56の回路規模を極めて小さく設計できるため、より小型化の傾向にある携帯電話機に代表される携帯端末に用いて最適なものとなる。
【0053】
特に、振動モータ54から中性点電位を取り込む必要がないことから、単に回路構成を簡略化できるだけでなく、振動モータ54とモータ駆動装置56との間の接続結線数の削減、それに伴う配線作業の簡略化、さらには振動モータ54側では中性点電位の取り出しが不要であることに伴うモータ自体の低コスト化等、付加的な効果が極めて大である。その結果、携帯電話機そのものの小型化、低コスト化に大きく寄与できることになる。
【0054】
なお、本適用例では、携帯電話機に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はこの適用例に限定されるものではなく、振動モータを振動源とするバイブレータ機能を持つ携帯端末全般に適用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動コイルに発生する逆起電力の検出に際し、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて同期基準信号の周波数制御を行い、モータの移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにすることにより、逆起電力のゼロクロス検出の場合に必要となるいくつかの機能回路が不要になるため、比較的簡単な回路構成でブラシレスモータ駆動装置を実現でき、その結果本駆動装置の低消費電力化、小型化および低コスト化が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】U相(A)、V相(B)、W相(C)の各端子電圧波形および全相の端子電圧検出位置(検出点)のタイミング関係(D)を示す図である。
【図3】安定同期状態におけるある相(X相)の端子電圧波形および検出点電圧値を示す波形図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る携帯電話機におけるRFフロントエンド部の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…3相DCブラシレスモータ、11…同期基準信号生成部、12…通電制御部、13…駆動出力部、14…端子電圧検出部、15…端子電圧保持部、16…同期期間設定部、17…同期制御部、18…電源電圧供給回路、31…保護装置、32…警報装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動装置およびその駆動方法、ならびに携帯電話機に代表される携帯端末に関し、特に移動子の移動位置を検出する位置検出センサーを持たない所謂センサーレス方式のモータ駆動装置およびその駆動方法、ならびに当該駆動装置を搭載した携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、センサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置として、定格運転中は、無通電となるときのモータコイル相に生ずる逆起電力をスター結線された3相モータコイルの中性点電位と比較し、その比較判定された極性が反転する時間を待ち(ゼロクロス検出)、これをロータ位置検出信号とし、さらに適宜設定された遅れ時間を加えた後、次の駆動状態へ移行する構成のものが知られている(例えば、特開平9−47078号公報等を参照)。このブラシレスモータ駆動装置では、モータの起動時は、起動から低速な領域までは駆動装置側が持つ発振器から得られる同期信号でロータ位置を検出しないまま強制的に駆動相を切り替えてモータを起動するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の従来例に係るブラシレスモータ駆動装置では、逆起電力検出値と中性点電位との比較判定の極性が反転するゼロクロス信号が得られるまでセンシングを続けなればならないため、ゼロクロス信号が得られるまでの期間での外来ノイズに対する脆弱性を否定できない。さらに、その期間はノイズ発生を抑える必要があり、出力駆動状態を変化させることが難しく、負荷量に応じて駆動デューティを効率的に変化させるなどの性能向上も難しい。
【0004】
また、起動時には逆起電力が発生しないために専用の起動回路が必要であり、これに加えて相数分の逆起電力検出アンプと当該アンプのオフセット補正回路、ノイズ除去回路、駆動位相補正回路等のいくつかの機能回路が必要となるため、装置全体として回路構成が複雑化しやすい。これは、ブラシレスモータ駆動装置の省電力化、低コスト化、小型化が難しいことを意味する。
【0005】
また、中性点電位を取り出すため結線が必要であるため、3相モータの場合を例に採ると、コイルと駆動装置との接続結線数は基本的に4本となる。モータ機器内に駆動装置を内蔵させるときには、接続結線数は少ないほど回路配置の自由度が増す。従来例に係るブラシレスモータ駆動装置において、3本結線を実現しようとすると、ゼロクロス検出誤差を補正するための補正回路の付加、または検出誤差をそのまま受け入れることによる駆動効率の低下や動作安定性の低下といった問題が生じる。そのため、4本結線をとらざるを得なく、モータ機器内に駆動装置を内蔵させるときに回路配置の自由度が制限される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的簡単な回路構成にて、外来ノイズの影響を受けずに安定に回転駆動できるとともに、低消費電力化、小型化、低コスト化が可能で、しかも回路配置の自由度が高いモータ駆動装置およびその駆動方法、並びに当該駆動装置を搭載した携帯端末を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータの駆動装置において、定格運転モードに移行する途中や定格運転モードに移行した後に、駆動コイルに発生する逆起電力値を検出し、同一の相について前回検出値と今回検出値とを比較して位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて基本動作時間単位となる同期基準信号の周波数または駆動コイルの駆動出力部に供給する電源電圧を制御する構成を採っている。このモータ駆動装置は、着信をバイブレータで感知するために振動モータを搭載した携帯電話機に代表される携帯端末において、当該振動モータを駆動するモータ駆動装置として用いられる。
【0008】
上記構成のモータ駆動装置又はこれを搭載した携帯端末において、駆動コイルに発生する逆起電力の検出に際し、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力値(レベル)そのものを前の状態の同じ相の逆起電力値と比較し、その比較結果に基づいて同期基準信号の周波数を適当な周波数に修正する、即ち位相誤差をなくすように同期基準信号の周波数の制御を行う。これにより、モータの移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態では、マグネットを配した移動子と例えば3相の駆動コイルU,V,Wを配した固定子とを有する3相のDCブラシレスモータ10を駆動対象としている。ただし、駆動対象は3相のDCブラシレスモータに限られるものではなく、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、3相以外の多相あるいは単相のDCブラシレスモータの駆動にも適用可能である。
【0011】
図1から明らかなように、第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、同期基準信号生成部11、通電制御部12、駆動出力部13、端子電圧検出部14、端子電圧保持部15、動作期間設定部16および同期制御部17を基本的な構成要素として備え、例えばIC化されて用いられ、少なくとも5個の端子21〜25を具備している。端子21,22,23には、ブラシレスモータ10の3相の駆動コイルU,V,Wの各一端が接続されている。
【0012】
また、端子24には保護装置31が、端子25には警報装置32がそれぞれ接続されている。ここで、保護装置31は、ブラシレスモータ10の移動子の同期運転からの脱調等の異常状態が生じたとき、例えば電源を遮断する保護処理を行う。一方、警報装置32は、異常状態の発生によって保護装置31が作動した結果、モータ10が停止状態にあることをユーザにアラーム等によって告知する。なお、保護回路31についてはIC内蔵とすることも可能である。
【0013】
同期基準信号生成部11は、電圧値が可変な基準電圧源111と、この基準電圧源111から与えられる同期基準電圧値(V)を周波数(F)に変換するV/Fコンバータ112とを有し、基準電圧源111から与えられる同期基準電圧値に基づいて同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を生成する。この生成された同期基準信号は通電制御部12に与えられる。通電制御部12はプリドライバ121からなり、同期基準信号生成部11で生成された同期基準信号および同期期間設定部16から与えられる各種のタイミング信号に基づいてブラシレスモータ10の駆動コイルU,V,Wへの通電を制御する。
【0014】
駆動出力部13は、第1電源、例えば正電源Vccと端子21,22,23との間に接続されたPMOSトランジスタQp11,Qp12,Qp13と、端子21,22,23と第2電源、例えばグランド(GND)との間に接続されたNMOSトランジスタQn11,Qn12,Qn13とを有し、通電制御部12による通電制御によって端子21,22,23を通して3相の駆動コイルU,V,Wに駆動電流を供給する。なお、正電源Vccと端子21,22,23との間および端子21,22,23とグランドとの間には、逆起電力を吸収するためのダイオードD11〜D16が接続されている。
【0015】
端子電圧検出部14は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の検出アンプ141,142,143を有し、端子21,22,23に発生する電圧値(端子電圧値)を検出する。端子21,22,23には、モータ10の移動子(ロータ)が回転しているときに、3相の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力のレベルに応じた電圧値が発生する。端子電圧検出部14で検出された端子電圧値は、端子電圧保持部15および同期制御部17に供給される。
【0016】
端子電圧保持部15は、検出アンプ141,142,143で検出された正側の検出電圧値を保持する保持回路151,152,153と、負側の検出電圧値を保持する保持回路154,155,156と、これら保持回路に保持された正側および負側の検出電圧値(保持電圧値)のいずれか一方を選択する選択回路157,158,159とを有する構成となっている。ここで、保持回路151〜156の保持タイミングおよび選択回路157〜159の選択タイミングは、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号によって決まる。
【0017】
動作期間設定部16は、同期基準信号生成部11で生成された同期基準信号をカウントするカウンタおよび当該カウンタのカウント値に基づいて各種のタイミング信号を生成するタイミング生成回路によって構成されており、生成したタイミング信号を通電制御部12、端子電圧保持部15および同期制御部17にそれぞれ供給する。ここで、通電制御部12に与えられるタイミング信号は、駆動コイルU,V,Wの少なくとも1つの相を無通電状態とする期間を設定する。端子電圧保持部15に与えられるタイミング信号は、少なくとも1つの相の無通電期間中に端子電圧保持部15を動作状態となる期間を設定する。
【0018】
なお、本例では、保持回路151〜156の保持タイミングを動作期間設定部16からのタイミング信号によって設定する構成を採っているが、検出アンプ141,142,143の各検出電圧値が必ず一旦保持回路151〜156に保持されるため、保持回路151〜156の保持タイミングは、検出アンプ141,142,143が動作状態となる期間(端子電圧値の検出期間)とも言い換えることができる。したがって、検出アンプ141,142,143が動作状態となる期間は、動作期間設定部16からのタイミング信号によって設定されているとも言える。
【0019】
また、本例では、正側の検出電圧値と負側の検出電圧値とを保持するために保持回路を2系統設けた構成を採っているが、必ずしも2系統設ける必要はなく、保持回路としてはいずれか1系統であっても良い。ただし、保持回路を2系統設けた方が、端子電圧値の検出ポイントが2倍となるため、1系統の場合よりも位相検出精度を高めることができる。
【0020】
同期制御部17は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の差分回路171,172,173と、基準電圧源174と、駆動コイルU,V,Wに対応して設けられた3個の比較回路175,176,177と、制御回路178とを有する構成となっている。差分回路171,172,173は、端子電圧検出部14の検出アンプ141,142,143から直接供給される検出電圧値と、端子電圧保持部15の保持回路151,152,153または保持回路154,155,156に保持され、選択回路157,158,159を通して供給される保持電圧値との差分をとり、その差分電圧値を出力する。
【0021】
基準電圧源174は、モータ10の定格回転数(定格速度)を決める基準電圧値を設定する。この電圧値は可変となっている。比較回路175,176,177は、基準電圧源174で設定された基準電圧値を差分基準値として用い、当該差分基準値と差分回路171,172,173で得られた各差分電圧値とを比較し、その比較結果が0、即ち誤差がない場合には基準電圧値をそのまま、誤差がある場合にはその誤差分を基準電圧値に対して加算または減算した電圧値を制御回路178に供給する。
【0022】
制御回路178は、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて同期基準信号生成部11における基準電圧源111の同期基準電圧値を制御(補正)し、同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を適当な周波数に修正することにより、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるように制御するとともに、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて脱調等の異常状態の発生を検知したときは異常検知信号を端子24,25を介して出力することにより、保護装置31および警報装置32を駆動する。
【0023】
制御回路178はさらに、移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたときは、その速度差に応じて基準電圧源174の基準電圧値(差分基準値)を補正する。具体的には、高回転速度領域ではより敏感な感度となるように基準電圧値を設定する。これにより、同期運転制御のより高精度化を図ることができる。
【0024】
次に、上記構成の第1実施形態に係るセンサーレス方式ブラシレスモータ駆動装置の回路動作について説明する。本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、ファンモータや振動モータ等のように、比較的負荷変動の少ないブラシレスモータを駆動対象とする。
【0025】
比較的負荷変動の少ないモータを駆動する場合には、位相調整を行う必要がないため、最適駆動周波数で駆動波形を発生させ、この駆動波形に基づいて駆動するだけで正しい位相関係でモータが運転動作を行うことになる。このような実状に鑑み、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置においては、先ず起動周波数(初期回転周波数)でモータ10を起動し、その起動後同期制御部17による制御の下、同期基準信号生成部11で発生される同期基準信号の周波数(発振周波数)を定格回転周波数に向けて変化させる同期方式により、起動モードから定格運転モードに移行させる。
【0026】
この定格運転モードに移行する途中や定格運転モードへの移行後、モータ10の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力を検出し、位相誤差がなくなるように同期制御部17によって制御が行われることになるが、従来技術では逆起電力のゼロクロスを検出し、そのゼロクロスの検出出力に基づいて位相誤差をなくすように制御を行っていたのに対して、本実施形態においては、逆起電力のレベルそのものを前の状態の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて位相誤差をなくすように制御を行う構成を採っている。以下に、その具体的な回路動作について説明する。
【0027】
先ず、端子電圧検出部14は、3相の駆動コイルU,V,Wに対応した検出アンプ141,142,143によって端子21,22,23の端子電圧値、即ち駆動コイルU,V,Wの逆起電力のレベルを検出する。図2に、U相(A)、V相(B)、W相(C)の各端子電圧波形と全相の端子電圧検出位置(検出点)のタイミング関係(D)を示す。また、図3に、安定同期状態におけるある相(X相)の端子電圧波形および検出点電圧値を示す。
【0028】
図2において、サイン波波形における点線は移動子運動による逆起電力の曲線を表し、矩形波波形における点線は移動子が停止したときなど、逆起電力がないときの端子電圧波形を表している。また、通電制御部12が通電状態とする期間(ON(+),ON(−))および無通電状態とする期間(OFF)は、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号によって決まる。
【0029】
検出アンプ141,142,143の各検出電圧値は、動作期間設定部16から与えられるタイミング信号に基づく検出点(位置)に応じて、端子電圧保持部15の正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156に取り込まれ、ここに保持される。動作期間設定部16から次の検出点でタイミング信号が出力され、選択回路157,158,159に与えられると、そのタイミング信号に応じて選択回路157,158,159は正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156に保持されている端子電圧値を選択して、同期制御部17の差分回路171,172,173に供給する。
【0030】
同期制御部17において、差分回路171,172,173は、選択回路157,158,159から与えられる正側の保持回路151,152,153または負側の保持回路154,155,156の保持電圧値(端子電圧値)と、検出アンプ141,142,143から直接与えられる検出電圧値(端子電圧値)との差分をとる。すなわち、差分回路171,172,173においては、前回の検出ポイントでの端子電圧値と今回の検出ポイントでの端子電圧値との差分がとられることになる。
【0031】
比較回路175,176,177は、基準電圧源174で設定された定格速度を決める基準電圧値と差分回路171,172,173の各差分電圧値とを比較し、その比較結果が0、即ち誤差がない場合には基準電圧値をそのまま、誤差がある場合にはその誤差分を基準電圧値に対して加算または減算して得られる電圧値を制御回路178に供給する。
【0032】
制御回路178は、比較回路175,176,177の各比較結果に基づいて基準電圧源111の同期基準電圧値を補正し、同期駆動の際の基本動作時間単位となる同期基準信号を適当な周波数に修正することで、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるように制御するとともに、移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたときは、その速度差に応じて基準電圧源174の基準電圧値(差分基準値)を補正する。また、脱調等の異常状態の発生を検知したときは、保護回路31および警報装置32に対して異常検知信号を出力する。
【0033】
上述したように、本実施形態に係るセンサーレス方式ブラシレスモータ駆動装置においては、ファンモータや振動モータなど比較的負荷変動の少ないモータでは、位相関係を調整しなくても、正しい位相関係で運転が行われることに鑑み、初期の起動周波数に基づいてモータを起動させた後は、同期基準信号生成部11で生成する同期基準信号の周波数を初期の起動周波数から定格周波数に向けて変化させ、その周波数に基づいてモータを駆動する同期方式を採っている。
【0034】
そして、当該同期方式を実現するに当たり、ブラシレスモータ10の駆動コイルU,V,Wに発生する逆起電力の検出に際しては、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態(前回の検出点)の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて基準動作時間単位となる同期基準信号の周波数を適当な周波数に修正する、即ち位相誤差をなくすように同期基準信号の周波数を制御することで、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにしているため、以下のような作用効果が得られる。
【0035】
逆起電力のゼロクロスを検出する従来技術と対比してその作用効果について説明すると、先ず、逆起電力を検出する検出アンプ141,142,143のオフセット補正回路が不要となる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、検出アンプにオフセットが存在すると、ゼロクロスの検出タイミングがずれてゼロクロスを正確に検出できなくなるため、検出アンプのオフセットを補正するオフセット補正回路が不可欠となる。これに対して、同じ相について今回の検出電圧値と前回の検出電圧値とを比較する場合には、検出アンプ141,142,143にオフセットが存在していたとしても、検出電圧値には常に同じオフセット分が乗り、それらが差分検出の際に相殺されることになるため、オフセット補正回路を設けなくても逆起電力値を正確に検出できる。
【0036】
次に、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不要になる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、逆起電力の検出電圧値が中性点電位とクロスするまで逆起電力のセンシングを続けなければならない期間が必須であるため、外来ノイズに対して弱く、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不可欠となる。これに対して、逆起電力のレベルそのものを検出する場合には、任意の短い期間で逆起電力値を検出すれば良いため、外来ノイズに対して強く、外来ノイズに対するノイズ除去回路が不要になる。たとえノイズ除去回路を用いるにしても、極めて簡単な回路構成のもので済む。
【0037】
さらに、駆動位相補正回路が不要になる。逆起電力のゼロクロスを検出する場合には、ゼロクロスを検出した後回転角に対して電気角30°位相を遅らせたところが一番効率の良い駆動点であることから、その30°位相遅れを作るために駆動位相補正回路が必要になる。これに対して、逆起電力のレベルそのものを検出する同期方式を採る場合には、端子電圧値に応じて緩やかなレベル変化をもって駆動制御が行われ、既に同期運転状態に入っていることで位相を30°遅らせる必要がないため、駆動位相補正回路が不要になる。
【0038】
このように、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置によれば、逆起電力のゼロクロスを検出する従来例に係るブラシレスモータ駆動装置では必須となっていたいくつかの機能回路、即ちオフセット補正回路、外来ノイズ除去回路、駆動位相補正回路等の機能回路が不要になるため、比較的簡単な回路構成でブラシレスモータ駆動装置を実現できる。その結果、本駆動装置の低消費電力化、小型化および低コスト化が図れる。
【0039】
また、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置は、従来装置よりもモータコイルの結線方法や駆動相数に対して寛容である。すなわち、ブラシレスモータ10の中性点、即ち各相の駆動コイルの共通接続点(図1のO点)の電位を取り込まなくても同期制御を行うことができるため、例えば高トルク型を目的としたデルタ結線への適用も可能である。また、3相ブラシレスモータに限らず、3相以外の多相ブラシレスモータへの適用、さらには積極的に駆動/遮断期間を設けることで、単相ブラシレスモータのセンサーレス駆動への適用も可能である。
【0040】
さらに、ブラシレスモータ10の中性点電位を取り込まなくても同期制御を行うことができるため、その接続結線を省略できる。これに伴い、本駆動装置とブラシレスモータ10との間の接続結線数を、3相モータの場合を例に採ると、従来の4本から3本に削減できるとともに、本駆動装置をIC化した際に端子ピンも1本削減できる。その結果、回路(IC)配置の自由度が増すため、モータ機器内に駆動ICを内蔵させるのに適した駆動装置を実現できる。
【0041】
またさらに、同期制御部17において、移動子の運転速度の定格同期速度に対する速度差に応じて差分基準電圧値を制御することにより、ブラシレスモータ10の回転速度に応じて感度差を出すようにしている。具体的には、回転速度が低いときには脱調が生じにくく、逆に高回転速度になればなるほど脱調が生じやすくなることから、高回転速度領域ではより敏感な感度となるように差分基準電圧値を設定することで、同期運転制御のより高精度化を図ることができる。
【0042】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図であり、図中、図1と同等部分には同一符号を付して示している。本実施形態でも、マグネットを配した移動子と例えば3相の駆動コイルU,V,Wを配した固定子とを有する3相のDCブラシレスモータ10を駆動対象としている。
【0043】
第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置では、同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて基準動作時間単位となる同期基準信号の周波数を制御する構成を採っているのに対して、本実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置では、駆動出力部13に対して電源電圧供給回路18から供給する電源電圧Vccの電圧値を可変とし、当該電源電圧Vccの電圧値を同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて制御する構成を採っている。
【0044】
このように、同じ相の逆起電力値の比較結果に基づいて駆動出力部13の電源電圧Vccの電圧値を制御する構成を採った場合にも、第1実施形態の場合と同様に、モータ10の移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにすることができる。そして、本実施形態の場合にも、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態(前回の検出点)の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて制御を行う同期方式であることから、第1実施形態の場合と同様の作用効果を奏することになる。
【0045】
なお、上記各実施形態では、例えば3相DCブラシレスモータにおいて、全相について逆起電力値の比較結果を得て、それらの比較結果に基づいて制御を行う構成を前提として説明したが、必ずしも全相について逆起電力値の比較結果を得る必要はなく、少なくとも1相について逆起電力値の比較結果を得て、その比較結果に基づいて制御を行う構成を採ることも可能であり、先の各実施形態とほぼ同等の作用効果を得ることができる。
【0046】
上記各実施形態に係るセンサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置は、特に比較的負荷変動の少ないブラシレスモータ、例えばパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に内蔵される冷却ファンを駆動するファンモータや、携帯電話機に代表される携帯端末に着信を知らせるバイブレータの振動源として搭載される振動モータなどのモータ駆動装置として用いて好適なものとなる。ただし、駆動対象のモータとしては、ファンモータや振動モータに限られるものではなく、比較的負荷変動の少ないブラシレスモータ全般に適用可能である。
【0047】
図5は、上記各実施形態に係るセンサーレス方式のブラシレスモータ駆動装置を搭載した携帯端末、例えば携帯電話機におけるRFフロントエンド部の構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図5において、アンテナ41で受信された受信波は、送信/受信に共用される帯域振分けフィルタ42を通過し、高周波信号処理回路43で所定の信号処理が行われた後ミキサ44に供給される。ミキサ44では、局部発振器45からの局部発振周波数と混合されることによって中間周波(IF)に変換され、中間周波数・利得制御回路46で直交復調などの信号処理が行われた後、A/D変換器47でデジタル化されてベースバンドIC48に供給される。
【0049】
一方、送信側では、前段のベースバンドIC48から供給されるデジタルIF信号がD/A変換器49でアナログ化され、中間周波数・利得制御回路50で直交変調などの信号処理が行われた後ミキサ51に供給され、ここで局部発振器52からの局部発振周波数と混合されてRF信号に変換される。そして、このRF信号は、高周波信号処理回路53で所定の信号処理が行われた後帯域振分けフィルタ42を経てアンテナ41に供給され、このアンテナ41から電波として送信される。
【0050】
ところで、携帯電話機などの携帯端末には、着信を音で知らせる機能の他に、マナーの観点から着信を振動で知らせるバイブレータ機能が搭載されているのが一般的である。そして、このバイブレータの振動源として振動モータが用いられている。本適用例に係る上記構成の携帯電話機にも、筐体に振動を伝える振動モータ54が搭載されている。この振動モータ54としては、位置検出センサーを持たないことから、低コスト化、小型化に有利なセンサーレス方式ブラシレスモータを用いるのが、携帯電話機の低コスト化、小型化を図る上で有利である。
【0051】
再び図5において、ベースバンドIC48からは着信時に着信検知信号がコントローラ55に対して与えられる。コントローラ55は、ベースバンドIC48からは着信検知信号が与えられると、通常は着信を音で知らせるために着信音駆動回路(図示せず)に対して駆動指令を出力するが、マナーモードが設定されている場合には、着信を振動で知らせるためにモータ駆動装置56に対して駆動指令を出力する。モータ駆動装置56は、コントローラ55からの駆動指令を受けて振動モータ54を駆動する。このモータ駆動装置56として、先述した第1または第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置が用いられる。
【0052】
このように、筐体に振動を伝える振動モータ54の駆動装置56として、先述した第1または第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置を用いることにより、当該ブラシレスモータ駆動装置は極めて簡単な回路構成にて安定に振動モータ54を駆動できることから、モータ駆動装置56の回路規模を極めて小さく設計できるため、より小型化の傾向にある携帯電話機に代表される携帯端末に用いて最適なものとなる。
【0053】
特に、振動モータ54から中性点電位を取り込む必要がないことから、単に回路構成を簡略化できるだけでなく、振動モータ54とモータ駆動装置56との間の接続結線数の削減、それに伴う配線作業の簡略化、さらには振動モータ54側では中性点電位の取り出しが不要であることに伴うモータ自体の低コスト化等、付加的な効果が極めて大である。その結果、携帯電話機そのものの小型化、低コスト化に大きく寄与できることになる。
【0054】
なお、本適用例では、携帯電話機に適用した場合を例にとって説明したが、本発明はこの適用例に限定されるものではなく、振動モータを振動源とするバイブレータ機能を持つ携帯端末全般に適用することが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、駆動コイルに発生する逆起電力の検出に際し、逆起電力のゼロクロスを検出するのではなく、逆起電力のレベルそのものを前の状態の同じ相のレベルと比較することで位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて同期基準信号の周波数制御を行い、モータの移動子が同期運転から脱調してしまう前に安定した同期運転状態となるようにすることにより、逆起電力のゼロクロス検出の場合に必要となるいくつかの機能回路が不要になるため、比較的簡単な回路構成でブラシレスモータ駆動装置を実現でき、その結果本駆動装置の低消費電力化、小型化および低コスト化が図れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】U相(A)、V相(B)、W相(C)の各端子電圧波形および全相の端子電圧検出位置(検出点)のタイミング関係(D)を示す図である。
【図3】安定同期状態におけるある相(X相)の端子電圧波形および検出点電圧値を示す波形図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るブラシレスモータ駆動装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る携帯電話機におけるRFフロントエンド部の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…3相DCブラシレスモータ、11…同期基準信号生成部、12…通電制御部、13…駆動出力部、14…端子電圧検出部、15…端子電圧保持部、16…同期期間設定部、17…同期制御部、18…電源電圧供給回路、31…保護装置、32…警報装置
Claims (11)
- マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータを駆動する駆動装置であって、
基本動作時間単位となる同期基準信号を生成する同期基準信号生成手段と、
前記同期基準信号に同期して前記駆動コイルへの通電を制御する通電制御手段と、
前記駆動コイルのうちの任意の1つまたは複数の相について端子電圧値を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段での検出電圧値を保持する端子電圧保持手段と、
前記駆動コイルの少なくとも1つの相に対して前記通電制御手段を無通電状態とする期間とその無通電期間中に前記端子電圧検出手段を動作状態とする期間との設定を行う動作期間設定手段と、
同じ相について前記端子電圧検出手段での検出電圧値と前記端子電圧保持手段での保持電圧値との差分を基準値と比較し、その比較結果に基づいて前記同期基準信号の周波数を制御する同期制御手段と
を備えることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記同期制御手段は、前記移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたとき、その速度差に応じて前記基準値を補正する
ことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。 - 前記同期制御手段は、定格同期運転中に前記比較結果に基づいて異常を検知したとき異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。 - 前記端子電圧保持手段は、正側の端子電圧値を保持する系と負側の端子電圧値を保持する系の2系統からなる
ことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。 - マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータを駆動する駆動装置であって、
前記駆動コイルに駆動電流を供給する駆動出力手段と、
前記駆動出力手段に電源電圧を供給する電源電圧供給手段と、
前記駆動コイルのうちの任意の1つまたは複数の相について端子電圧値を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段での検出電圧値を保持する端子電圧保持手段と、
前記駆動コイルの少なくとも1つの相に対して前記通電制御手段を無通電状態とする期間とその無通電期間中に前記端子電圧検出手段を動作状態とする期間との設定を行う動作期間設定手段と、
同じ相について前記端子電圧検出手段での検出電圧値と前記端子電圧保持手段での保持電圧値との差分を基準値と比較し、その比較結果に基づいて前記電源電圧供給手段の電源電圧を制御する同期制御手段と
を備えることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記同期制御手段は、前記移動子の運転速度が任意に定めた定格同期速度に対して速度差が生じたとき、その速度差に応じて前記基準値を補正する
ことを特徴とする請求項5記載のモータ駆動装置。 - 前記同期制御手段は、定格同期運転中に前記比較結果に基づいて異常を検知したとき異常検知信号を出力する
ことを特徴とする請求項5記載のモータ駆動装置。 - 前記端子電圧保持手段は、正側の端子電圧値を保持する系と負側の端子電圧値を保持する系の2系統からなる
ことを特徴とする請求項5記載のモータ駆動装置。 - マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータを駆動する駆動方法であって、
定格運転モードに移行する途中や定格運転モードへの移行後に、前記駆動コイルに発生する逆起電力のレベルを検出し、同一の相について前回検出のレベルと今回検出のレベルとを比較して位相誤差を検出し、その比較結果に基づいて基本動作時間単位となる同期基準信号の周波数または前記駆動コイルの駆動出力部に供給する電源電圧を制御する
ことを特徴とするモータ駆動方法。 - マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータからなり、筐体に振動を与える振動モータと、着信時に前記振動モータを駆動するモータ駆動装置とを搭載した携帯端末であって、
前記モータ駆動装置は、
基本動作時間単位となる同期基準信号を生成する同期基準信号生成手段と、
前記同期基準信号に同期して前記駆動コイルへの通電を制御する通電制御手段と、
前記駆動コイルのうちの任意の1つまたは複数の相について端子電圧値を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段での検出電圧値を保持する端子電圧保持手段と、
前記駆動コイルの少なくとも1つの相に対して前記通電制御手段を無通電状態とする期間とその無通電期間中に前記端子電圧検出手段を動作状態とする期間との設定を行う動作期間設定手段と、
同じ相について前記端子電圧検出手段での検出電圧値と前記端子電圧保持手段での保持電圧値との差分を基準値と比較し、その比較結果に基づいて前記同期基準信号の周波数を制御する同期制御手段とを備える
ことを特徴とする携帯端末。 - マグネットを配した移動子と単数または複数の駆動コイルを配した固定子とを具備する単相または複数相のモータからなり、筐体に振動を与える振動モータと、着信時に前記振動モータを駆動するモータ駆動装置とを搭載した携帯端末であって、
前記モータ駆動装置は、
前記駆動コイルに駆動電流を供給する駆動出力手段と、
前記駆動出力手段に電源電圧を供給する電源電圧供給手段と、
前記駆動コイルのうちの任意の1つまたは複数の相について端子電圧値を検出する端子電圧検出手段と、
前記端子電圧検出手段での検出電圧値を保持する端子電圧保持手段と、
前記駆動コイルの少なくとも1つの相に対して前記通電制御手段を無通電状態とする期間とその無通電期間中に前記端子電圧検出手段を動作状態とする期間との設定を行う動作期間設定手段と、
同じ相について前記端子電圧検出手段での検出電圧値と前記端子電圧保持手段での保持電圧値との差分を基準値と比較し、その比較結果に基づいて前記電源電圧供給手段の電源電圧を制御する同期制御手段とを備える
ことを特徴とする携帯端末。
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