JP3893366B2 - モータ駆動方法及びモータ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモータ駆動技術に関し、特にPWM(pulse width modulation)方式のモータ駆動技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータのPWM駆動方式として、三角波スライス方式とピーク電流検出方式とが知られている。三角波スライス方式は、コイル電流を検出抵抗に流し、検出抵抗に生じる電圧とトルク指令電圧との差分をスライスレベルとして出力するエラーアンプを用い、このスライスレベルで一定の周期の三角波をスライスして、コイルへの通電期間を決める方式である。ピーク電流検出方式は、エラーアンプを用いずに、コイル電流が流れる電流検出抵抗に生じた電圧がトルク指令電圧に達すると、コイルへの電流の供給を停止し、回生電流モードとする方式である。
【0003】
図18は、従来のピーク電流検出方式のモータ駆動装置のブロック図である。図18において、ホール素子21A,21B,21Cは、モータ10のロータの位置を検出し、それぞれ、ホール素子出力S11,S12,S13を位置検出回路22に出力する。位置検出回路22は、ホール素子出力S11,S12,S13に基づいて位置信号S21,S22及びS23を求め、通電相切換回路93に出力する。位置信号S21,S22及びS23は、ホール素子出力S11,S12,S13の位相を30°シフトした信号である。
【0004】
通電相切換回路93は、位置信号S21,S22及びS23に応じて通電相を決定する。このとき、通電相切換回路93は、相電流を測定しやすくするため、3相のうちの1相の相電流は流さない。ロジック制御回路95は、基準パルスPIが入力されるとセットされ、通電相切換回路93へ出力する信号のレベルを変化させて、モータ10への電流の供給を制御する。基準パルスPIは、周期的なパルスである。
【0005】
図19は、図18のモータ駆動装置で駆動されたモータの各相電流の時間に対する変化を示すグラフである。図19は、U相、V相、W相のそれぞれの相電流I1、I2,I3を示していて、各駆動トランジスタ1〜6からモータ10に向かって流れる電流を正の向きの電流としている。図19のように、常に1相の相電流はゼロになるので、電気角60°毎にいずれかの相電流が急激に変化することになる。
【0006】
いま、ロジック制御回路95は、基準パルスPIによってセットされているとする。通電相切換回路93は、例えばW相上アーム側駆動トランジスタ5及びU相下アーム側駆動トランジスタ2のみを導通させる。このとき、W相コイル13及びU相コイル11を経由して電流検出抵抗7に電流が流れるので、この電流の大きさを電流検出抵抗7に生じる電圧として検出することができる。この電流は、誘導性のコイルを流れるため、駆動トランジスタ2及び5が導通した後、徐々に増大する。
【0007】
電流が増大し、電流検出抵抗7に発生する電圧がトルク指令電圧TIに達すると、比較器96の出力のレベルが変わり、ロジック制御回路95はリセットされる。ロジック制御回路95は、通電相切換回路93に出力する信号のレベルを反転させ、通電相切換回路93は駆動トランジスタ2を非導通にする。
【0008】
このように、ロジック制御回路95がセットされてからリセットされるまでの期間が、スイッチング動作のオンデューティ期間になる。ロジック制御回路95がリセットされた後、コイル11及び13を流れる電流は流れ続けようとするので、駆動トランジスタ1のソース・ドレイン間に存在するダイオード1Dを通って回生電流が流れる。回生電流は電流検出抵抗7を通らないので、回生時は電流検出抵抗7に生じる電圧はゼロになる。
【0009】
回生電流は徐々に減少するが、再び基準パルスPIが入力されると、ロジック制御回路95がセットされ、通電相切換回路93は駆動トランジスタ2を導通させる。通電相切換回路93が通電相を切り替えるまで、このような動作が繰り返される。このように、ロジック制御回路95がセットされたときに流れる駆動電流とリセットされたときに流れる回生電流とが交互に流れる結果、トルク指令電圧TIに概略相当した相電流を所定のコイルに流すことができる。
【0010】
図20は、図19の時間t=tz付近における電流検出抵抗電圧(モータ電流検出信号)MC、V相及びW相の相電流I2,I3を、時間軸を拡大して示したグラフである。図20において、期間T91は、U相、V相電流の駆動電流が流れる期間であり、この電流は、電流検出抵抗7を流れる。期間T92は、回生電流としてU相、V相電流が流れる期間である。期間T93は、U相、W相電流の駆動電流が流れる期間であり、この電流は、電流検出抵抗7を流れる。期間T94は、回生電流としてU相、W相電流が流れる期間である。
【0011】
このような技術及び関連する技術が、特許文献1及び2に開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−18474号公報
【特許文献2】
特開2003−79182号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図18のような従来のモータ駆動装置では、図19に示すように相電流が急激に変化するため、相電流が切り替わった時に、モータが振動したり、電磁音を生じるという問題があった。
【0014】
このような問題が生じないようにするためには、各相電流を急激に変化させないように制御すればよいが、複数の相電流を検出して制御するためには、相数に等しい本数の電流検出抵抗が必要であった。電流検出抵抗を集積回路に組み込むことは困難であるので、電流検出抵抗の本数が多いと、装置の規模が大きくなり、コストがかかるという問題があった。
【0015】
また、一般に抵抗の特性にはばらつきがあるので、各相に対応した電流検出抵抗を用いる場合には、電流の検出特性が相毎に異なるという問題があった。例えば、2つの相電流の大きさが実際には同じ場合であっても、検出される電流の大きさは異なることがあった。
【0016】
本発明は、相電流の数よりも少ない数の電流検出抵抗を用い、複数の相電流を急激に変化しないように制御して、モータの振動、及び電磁音を低減させることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のモータ駆動方法は、直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を複数備えるとともに、前記複数の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記複数の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗を備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置におけるモータ駆動方法であって、前記モータのロータの位置に応じた位置信号を求めるステップと、前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、所定の電気角に相当する期間において導通させるステップと、
導通させる前記スイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせ、導通させる前記スイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせるステップとを備え、前記スイッチング動作をさせるステップは、前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、前記1のスイッチング素子とは異なる1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記スイッチング動作を制御するものである。
【0018】
これによると、1のスイッチング素子を導通させる第1の期間と、前記1のスイッチング素子とは異なるスイッチング素子を導通させる第2の期間とを有するので、電流検出抵抗の本数以上の数の相電流を制御することが可能となる。このため、相電流同士の大きさがばらつかないPWM制御を可能にするとともに、相電流の急激な変化を避けることができ、相切替時のモータの振動及び電磁音を低減することができる。
【0019】
また、本発明の他のモータ駆動方法は、直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を4以上の偶数個備えるとともに、前記4以上の偶数個の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記4以上の偶数個の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗を備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置におけるモータ駆動方法であって、前記モータのロータの位置に応じた位置信号を求めるステップと、前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、前記選択されたスイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は、前記選択されたスイッチング素子が対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の下アーム側スイッチング素子と前記選択されたスイッチング素子との組を、前記選択されたスイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は、前記選択されたスイッチング素子が対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の上アーム側スイッチング素子と前記選択されたスイッチング素子との組を、所定の電気角に相当する期間において導通させるステップと、前記選択されたスイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子のそれぞれとこれらのそれぞれに対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の上アーム側スイッチング素子との組のそれぞれにスイッチング動作をさせ、前記選択されたスイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子のそれぞれとこれらのそれぞれに対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の下アーム側スイッチング素子との組のそれぞれにスイッチング動作をさせるステップとを備え、前記スイッチング動作をさせるステップは、前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子の組のうち、1組のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子の組を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子の組のうち、前記1組のスイッチング素子とは異なる1組のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子の組を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記スイッチング動作を制御するものである。
【0020】
また、前記モータ駆動方法において、前記スイッチング動作をさせるステップでは、前記第1の期間は、基準パルスが入力されると開始し、前記電流検出抵抗に生じる電圧が目標信号に達すると終了することが好ましい。
【0021】
また、前記モータ駆動方法において、前記スイッチング動作をさせるステップでは、前記基準パルスが入力されると、前記スイッチング動作させるスイッチング素子を全て非導通にした後に前記第1の期間を開始することが好ましい。
【0023】
また、本発明のモータ駆動装置は、直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を複数備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置であって、前記複数の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記複数の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗と、前記モータのロータの位置に応じた位置信号を出力する位置検出部と、前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、所定の電気角に相当する期間において導通させるとともに、導通させる前記スイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせ、導通させる前記スイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせる通電相切換回路と、前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、前記1のスイッチング素子とは異なる1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記通電相切換回路によるスイッチング動作を制御するスイッチング動作制御信号を生成し、出力する通電期間制御部とを備えたものである。
【0024】
また、前記モータ駆動装置において、前記通電期間制御部は、前記トルク指令信号及び前記位置信号に応じて、前記第1の期間において前記電流検出抵抗に流すべき電流の目標値に対応した第1の目標信号、及び前記第2の期間において前記電流検出抵抗に流すべき電流の目標値に対応した第2の目標信号を求め、出力する相別トルク信号発生回路と、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第1の目標信号を越えているか否かを判定し、その結果を出力する第1の比較器と、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第2の目標信号を越えているか否かを判定し、その結果を出力する第2の比較器と、前記スイッチング動作の周期を規定する基準パルス及び前記第1及び第2の比較器の出力に応じて、前記スイッチング動作制御信号を生成して出力するロジック制御回路とを備えるものであり、前記ロジック制御回路は、前記第1の比較器の判定結果が、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第1の目標信号を越えていることを示すと、前記第1の期間を終了させ、前記第2の比較器の判定結果が、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第2の目標信号を越えていることを示すと、前記第2の期間を終了させるように、前記スイッチング動作制御信号を生成して出力するものであることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、例として、モータ駆動装置が3相ブラシレスモータを駆動する場合について説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。図1のモータ駆動装置は、U相、V相、W相上アーム側駆動トランジスタ1,3,5と、U相、V相、W相下アーム側駆動トランジスタ2,4,6と、ダイオード1D,2D,3D,4D,5D,6Dと、電流検出抵抗7と、ホール素子回路21と、位置検出回路22と、通電相切換回路23と、プリドライブ回路24と、増幅器27と、相別トルク信号発生回路30と、ロジック制御回路40と、比較器51,52とを備えている。一方、モータ10は、U相コイル11と、V相コイル12と、W相コイル13とを備えている。相別トルク信号発生回路30と、ロジック制御回路40と、比較器51,52とは、通電期間制御部100を構成している。ホール素子回路21と、位置検出回路22とは、位置検出部を構成している。
【0027】
駆動トランジスタ1〜6は、n形MOS(metal oxide semiconductor)トランジスタであるとする。駆動トランジスタ1のソース及びドレインには、ダイオード1Dのアノード及びカソードがそれぞれ接続されている。同様に、駆動トランジスタ2〜6には、ダイオード2D〜6Dが接続されている。駆動トランジスタ1,3,5のドレインは電源VCCに接続され、駆動トランジスタ2,4,6のソースは電流検出抵抗7の一端に接続されている。電流検出抵抗7の他端は接地されている。駆動トランジスタ1〜6は、スイッチング素子として動作する。
【0028】
また、駆動トランジスタ1,2と、ダイオード1D,2Dとは、U相の出力回路(ハーフブリッジ回路)を構成している。駆動トランジスタ3,4と、ダイオード3D,4Dとは、V相の出力回路を構成している。駆動トランジスタ5,6と、ダイオード5D,6Dとは、W相の出力回路を構成している。これらの出力回路に電源VCCから供給される電流が、電流検出抵抗7に流れる。
【0029】
駆動トランジスタ1のソースは、駆動トランジスタ2のドレインに接続され、更にモータ10のU相コイル11の一端に接続されている。駆動トランジスタ3のソースは、駆動トランジスタ4のドレインに接続され、更にモータ10のV相コイル12の一端に接続されている。駆動トランジスタ5のソースは、駆動トランジスタ6のドレインに接続され、更にモータ10のW相コイル13の一端に接続されている。U相コイル11の他端は、V相コイル12及びW相コイル13の他端に接続されている。
【0030】
ここで、駆動トランジスタ1,2からU相コイル11に向かって流れる電流をU相電流I1とする。同様に、駆動トランジスタ3,4からV相コイル12に向かって流れる電流をV相電流I2とし、駆動トランジスタ5,6からW相コイル13に向かって流れる電流をW相電流I3とする。また、駆動トランジスタ1〜6からコイル11〜13に向かって流れる電流を吐き出し電流、その反対の向きの電流を吸い込み電流と称する。吐き出し電流の向きを各相電流の正の向きとする。モータ10のコイル11〜13はY結線であるので、各相電流は対応するコイルに流れる電流に等しい。
【0031】
ホール素子回路21は、ホール素子21A,21B,21Cを備えている。ホール素子21A,21B,21Cのそれぞれは、モータ10のロータの位置を検出し、ホール素子出力S11,S12,S13を位置検出回路22に出力する。位置検出回路22は、ホール素子出力S11,S12,S13に基づいて位置信号S21,S22,S23及びPSを求め、位置信号S21,S22,S23を通電相切換回路23に、位置信号PSを相別トルク信号発生回路30に出力する。
【0032】
相別トルク信号発生回路30は、位置信号PS、及びトルク指令電圧(トルク指令信号)TIに基づいて、電流検出抵抗7に流す電流の目標値に対応する電圧信号TS1,TS2を生成し、比較器51,52の正入力端子にそれぞれ出力する。増幅器27は、電流検出抵抗7の両端に接続されており、電流検出抵抗7に生じる電圧に応じたモータ電流検出信号MCを比較器51,52の負入力端子に出力している。
【0033】
比較器51,52は、入力された信号を比較した結果を、それぞれ、出力CP1,CP2としてロジック制御回路40に出力している。ロジック制御回路40には、更に基準パルスPIが入力されている。ロジック制御回路40は、駆動トランジスタ1〜6を導通させる期間を規定するスイッチング動作制御信号F1,F2を生成して通電相切換回路23に出力する。
【0034】
通電相切換回路23は、位置信号S21,S22,S23及び制御信号F1,F2に基づいて、駆動トランジスタ1〜6のうち、導通させるべきものを選択してプリドライブ回路24に指令する。プリドライブ回路24は、通電相切換回路23の出力に従って駆動トランジスタ1〜6のゲートに信号を出力し、駆動トランジスタ1〜6の導通/非導通を制御する。
【0035】
図2は、図1のモータ10の各相電流I1〜I3の目標とする波形を示すグラフである。図1のモータ駆動装置は、モータ10の各相電流I1〜I3が急激に変化しないように、図2のようにモータ10に対する電流の供給を制御する。図1のモータ駆動装置は、モータ10の電気角360°を例えば6分割し、分割された電気角に相当する期間毎に、すなわち、モータ10のロータがその分割された電気角に相当する角度だけ回転する毎に、通電相を切り替えながら、モータ10の電流を制御する。
【0036】
例えば図2の期間TU1は、電気角60°に相当する期間である。期間TU1では、U相電流I1は吐き出し電流であって、その大きさはほぼ一定である。また、V相電流I2は吸い込み電流であって、その大きさが時間tとともに次第に減少していく。W相電流I3は吸い込み電流であって、その大きさが時間tとともに0から次第に増加していく。そこで、期間TU1では、U相の上アーム側駆動トランジスタ1は継続的に導通する。また、V相及びW相の下アーム側駆動トランジスタ4,6は、スイッチング動作を行って、V相電流I2及びW相電流I3が図2のようになるように、その導通期間と非導通期間とを制御する。
【0037】
図3は、図1の相別トルク信号発生回路30の構成の例を示すブロック図である。図3の相別トルク信号発生回路30は、両エッジ微分回路31と、定電流源32,36と、スイッチ33,37と、キャパシタ34,38と、レベル制御回路35,39とを備えている。
【0038】
図4は、位置検出回路22及び相別トルク信号発生回路30に関する信号を示すグラフである。位置検出回路22は、ホール素子出力S11及びS12に基づいて、モータ10のロータ位置を示す位置信号S21を求める。ここでは例として、ホール素子出力S11とS12との差を位置信号S21とする(S21=S11−S12)。ホール素子出力S11及びS12は近似的な正弦波であり、ホール素子出力S11の位相がS12よりも120°進んでいるとき、位置信号S21の位相はホール素子出力S11よりも30°進んでいる。同様に、位置検出回路22は、位置信号S22,S23を例えばS22=S12−S13,S23=S13−S11によって求める。
【0039】
位置検出回路22は、求めた位置信号S21,S22,S23に基づいて位置信号PSを求める。位置信号PSは、位置信号S21が負から正に変化するときに立ち上がり、位置信号S23が正から負に変化するときに立ち下がるパルス、位置信号S22が負から正に変化するときに立ち上がり、位置信号S21が正から負に変化するときに立ち下がるパルス、及び位置信号S23が負から正に変化するときに立ち上がり、位置信号S22が正から負に変化するときに立ち下がるパルスを繰り返す信号である。位置信号PSのエッジのタイミングは、図4に示されているように、ホール素子出力S11,S12,S13の波形がクロスするタイミングとなっている。
【0040】
図3及び図4を参照して、相別トルク信号発生回路30の動作について説明する。両エッジ微分回路31には、位置検出回路22が出力する位置信号PSが入力されている。両エッジ微分回路31は、位置信号PSのエッジを検出すると一定の期間“L”となり、それ以外は“H”となるリセットパルス信号S31をスイッチ33に制御信号として出力する(“H”,“L”は、それぞれ論理的な高電位及び低電位を表す)。
【0041】
キャパシタ34は、一端が定電流源32の一端に接続され、かつ、スイッチ33を介して電源VCCに接続されている。また、キャパシタ34の他端は接地されている。スイッチ33は、リセットパルス信号S31が“L”のときのみ導通してキャパシタ34を充電し、キャパシタ34は、定電流源32が流す電流によって放電する。
【0042】
キャパシタ38は、一端が定電流源36の出力に接続され、かつ、スイッチ37を介して接地されている。また、キャパシタ38の他端は接地されている。キャパシタ36は、定電流源32が流す電流によって充電され、スイッチ37は、リセットパルス信号S31が“L”のときのみ導通してキャパシタ38を放電させる。このため、キャパシタ34,38のそれぞれの電圧S33,S34は、図4に示されているようなノコギリ波となる。
【0043】
レベル制御回路35は、トルク指令電圧TIと電圧S33とを入力とし、電圧S33のピークがトルク指令電圧TIに等しくなるように、電圧S33にゲインを乗じて得た信号TS1を第1の目標信号として比較器51に出力する。同様に、レベル制御回路39は、トルク指令電圧TIと電圧S34とを入力とし、電圧S34のピークがトルク指令電圧TIに等しくなるように、電圧S34にゲインを乗じて得た信号TS2を第2の目標信号として比較器52に出力する。
【0044】
図5は、図1のロジック制御回路40の構成の例を示すブロック図である。図5のロジック制御回路40は、第1のラッチ回路としてのRSフリップフロップ41と、第2のラッチ回路としてのRSフリップフロップ42と、インバータ44,45と、NANDゲート46とを備えている。インバータ44,45と、NANDゲート46とは、ロジック回路49を構成している。図6は、図1のロジック制御回路40及び比較器51,52の入出力信号を示すグラフである。図7は、図1のモータ駆動装置における相電流を示すグラフである。図6及び図7は、図2,図4におけるt=t1付近を拡大して示している。
【0045】
図5、図6及び図7を参照して、ロジック制御回路40の動作及びモータ10に流れる電流について説明する。図6のように、基準パルスPIはほぼ一定の周期のパルス信号であり、この周期がPWM制御の周期の基準となる。基準パルスPI間の期間のそれぞれをPWM制御期間とも称する。
【0046】
図5のRSフリップフロップ41,42のセット端子には、基準パルスPIが入力されている。基準パルスPIが立ち下がると、RSフリップフロップ41はセットされるので、制御信号F1は“H”となる。すると、ロジック回路49の出力は“L”になるので、RSフリップフロップ42はリセットされ、制御信号F2は“L”となる。
【0047】
通電相切換回路23は、位置信号S21,S22,S23に基づいて、現在、図2の期間TU1内であると判定しているとする。図2に示されているように、この期間TU1は、U相電流I1を大きさがほぼ一定の吐き出し電流とする期間である。期間TU1において、U相電流I1は唯一の吐き出し電流であるので、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ1を継続的に導通状態にさせている。V相電流I2及びW相電流I3は吸い込み電流であって、その大きさを変化させる必要があるので、通電相切換回路23は、制御信号F1,F2に従って駆動トランジスタ4,6にスイッチング動作を行わせる。期間TU1においては、通電相切換回路23は、制御信号F1が“H”のときに駆動トランジスタ4を導通させ、制御信号F2が“H”のときに駆動トランジスタ6を導通させる。駆動トランジスタ2,3,5は非導通状態にする。
【0048】
制御信号F1,F2がそれぞれ“H”,“L”になると、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ4を導通させる(第1の期間T1)。このとき、駆動トランジスタ1からU相コイル11に向かって電流が吐き出し電流として流れる。U相コイル11に流れる電流は、V相コイル12を経由して駆動トランジスタ4に向かって吸い込み電流として流れる。
【0049】
駆動トランジスタ4が導通している状態においては、V相コイル12を流れるV相電流I2が電流検出抵抗7を流れる。電流検出抵抗7を流れる電流の大きさは、U相コイル11に流れるU相電流I1にも等しい。電流検出抵抗7には、これを流れる電流の大きさに比例した電圧が生じ、増幅器27は、この電圧をモータ電流検出信号MCとして比較器51の負入力端子に出力する。
【0050】
U相コイル11、V相コイル12及びW相コイル13は、誘導性の負荷であるので、駆動トランジスタ4が導通した後、期間T1においてV相電流I2は徐々に増大する(図7参照)。したがって、モータ電流検出信号MCも徐々に高くなる。モータ電流検出信号MCの電圧が信号TS1(図6参照)の電圧に達すると、比較器51は出力CPを“L”に変化させる。すると、RSフリップフロップ41はリセットされ、その出力を“L”に反転させる。制御信号F1が“L”になるので、RSフリップフロップ42はセットされ、制御信号F2は“H”となり、第2の期間T2に移行する。
【0051】
期間T2の間は、制御信号F1,F2がそれぞれ“L”,“H”になるので、通電相切換回路23は駆動トランジスタ4を非導通にし、駆動トランジスタ6を導通させる。駆動トランジスタ4が非導通になると、駆動トランジスタ3のソース・ドレイン間のダイオード3D及び駆動トランジスタ1を通って、V相コイル12の回生電流が流れる。回生電流として流れるV相電流I2は徐々に小さくなる(図7参照)。このとき、W相コイル13に流れている電流のみが電流検出抵抗7に流れるので、V相コイル12の電流の影響を受けることなくW相コイル13の電流を検出することができる。
【0052】
期間T2の間は、駆動トランジスタ1及び6が導通しているので、W相コイル13の電流は増大を続け(図7参照)、電流検出抵抗7に流れる電流は増大し続ける。モータ電流検出信号MCの電圧が増大し、相別トルク信号発生器30が出力する信号TS2の電圧に到達すると、比較器52は出力CP2を“L”にする。すると、RSフリップフロップ42がリセットされ、制御信号F2が“L”になり、期間T3の動作に移行する。
【0053】
期間T3の間は、制御信号F1,F2がともに“L”になるので、通電相切換回路23は駆動トランジスタ4及び6を非導通にする。
【0054】
このように、制御信号F1が“H”である期間には、駆動トランジスタ4が導通し、制御信号F2が“H”である期間には、駆動トランジスタ6が導通する。制御信号F1,F2がそれぞれ“H”,“L”である期間T1には、V相コイル12に流れる電流が信号TS1に応じた値になるように制御され、制御信号F1,F2がそれぞれ“L”,“H”である期間T2には、W相コイル13に流れる電流が信号TS2に応じた値になるように制御される。
【0055】
すなわち、期間TU1においてスイッチング動作を行わせる2相(V相及びW相)の駆動トランジスタ4,6のうち、期間TU1において電流の大きさを減少させるべき相(V相)の駆動トランジスタ4を先に導通させ、このトランジスタを非導通にするのと同時に、電流の大きさを増加させるべき相(W相)の駆動トランジスタ6を導通させている(図2参照)。なお、W相の駆動トランジスタ6を先に導通させ、このトランジスタを非導通にするのと同時に、V相の駆動トランジスタ4を導通させるようにしてもよい。
【0056】
制御信号F1,F2がともに“L”である期間T3においては、コイル11〜13には回生電流のみが流れている。回生電流として流れるV相電流I2及びW相電流I3は徐々に小さくなる(図7参照)。基準パルスPIがロジック制御回路40に入力されると、再び制御信号F1,F2がそれぞれ“H”,“L”になり、以下同様の過程を繰り返す。
【0057】
図8は、期間T1におけるモータ10に流れる電流の経路を示す説明図である。図8のように期間T1においては、V相コイル12に流れるV相電流I2は、電源から駆動トランジスタ1、U相コイル11、V相コイル12、駆動トランジスタ4、及び電流検出抵抗7の順で流れる。一方、W相コイル13に流れるW相電流I3は、回生電流であって、駆動トランジスタ1、U相コイル11、W相コイル13、ダイオード5Dの順でループ状に流れる。したがって、電流検出抵抗7に生じる電圧から、V相電流I2のみを検出することができる。
【0058】
図9は、期間T2におけるモータ10に流れる電流の経路を示す説明図である。図9のように期間T2においては、V相コイル12に流れるV相電流I2は、回生電流であって、駆動トランジスタ1、U相コイル11、V相コイル12、ダイオード3Dの順でループ状に流れる。一方、W相コイル13に流れるW相電流I3は、電源から駆動トランジスタ1、U相コイル11、W相コイル13、駆動トランジスタ6、及び電流検出抵抗7の順で流れる。したがって、電流検出抵抗7に生じる電圧から、W相電流I3のみを検出することができる。
【0059】
図10は、期間T3におけるモータ10に流れる電流の経路を示す説明図である。図10のように期間T3においては、V相コイル12に流れるV相電流I2は、回生電流であって、図9と同様にループ状に流れる。一方、W相コイル13に流れるW相電流I3も、回生電流であって、図8と同様にループ状に流れる。したがって、電流検出抵抗7には電流は流れない。以上のように、コイル11〜13には、各相の出力回路の駆動トランジスタが導通して流れる駆動電流と、各相の出力回路のダイオードを経由して流れる回生電流とが交互に流れる。
【0060】
次に、図2の期間TU2における図1のモータ駆動装置の動作について説明する。図2に示されているように、この期間TU2は、U相電流I1を大きさがほぼ一定の吸い込み電流とする期間である。期間TU2おいて、U相電流I1は唯一の吸い込み電流であるので、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ2を継続的に導通状態にさせている。V相電流I2及びW相電流I3は吐き出し電流であって、その大きさを変化させる必要があるので、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ3,5にスイッチング動作を行わせる。期間TU2においては、通電相切換回路23は、制御信号F1が“H”のときに駆動トランジスタ3を導通させ、制御信号F2が“H”のときに駆動トランジスタ5を導通させる。駆動トランジスタ1,4,6は非導通状態にする。
【0061】
通電相切換回路23は、制御信号F1,F2がそれぞれ“H”,“L”になると、駆動トランジスタ3を導通させ、駆動トランジスタ5を非導通にする。制御信号F1,F2がそれぞれ“L”,“H”になると、駆動トランジスタ3を非導通にし、駆動トランジスタ5を導通させる。制御信号F1,F2がともに“L”になると、駆動トランジスタ3,5をともに非導通にする。
【0062】
この結果、期間TU2においては、U相電流I1、V相電流I2及びW相電流I3の流れる向きが期間TU1における向きとは逆になる。その他の点については期間TU1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
図1のモータ駆動装置の期間TV1,TW1における動作は、次の点を除き、期間TU1と同様である。すなわち、V相電流I2を大きさがほぼ一定の吐き出し電流とする期間TV1においては、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ1に代えて駆動トランジスタ3を継続的に導通状態にさせる。また、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ4,6のそれぞれに代えて駆動トランジスタ6,2にスイッチング動作を行わせ、駆動トランジスタ1,4,5は非導通状態にする。
【0064】
W相電流I3を大きさがほぼ一定の吐き出し電流とする期間TW1においては、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ1に代えて駆動トランジスタ5を継続的に導通状態にさせる。また、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ4,6のそれぞれに代えて駆動トランジスタ2,4にスイッチング動作を行わせ、駆動トランジスタ1,3,6は非導通状態にする。
【0065】
図1のモータ駆動装置の期間TV2,TW2における動作は、次の点を除き、期間TU2と同様である。すなわち、V相電流I2を大きさがほぼ一定の吸い込み電流とする期間TV2においては、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ2に代えて駆動トランジスタ4を継続的に導通状態にさせる。また、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ3,5のそれぞれに代えて駆動トランジスタ5,1にスイッチング動作を行わせ、駆動トランジスタ2,3,6は非導通状態にする。
【0066】
W相電流I3を大きさがほぼ一定の吸い込み電流とする期間TW2においては、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ2に代えて駆動トランジスタ6を継続的に導通状態にさせる。また、通電相切換回路23は、駆動トランジスタ3,5のそれぞれに代えて駆動トランジスタ1,3にスイッチング動作を行わせ、駆動トランジスタ2,4,5は非導通状態にする。
【0067】
なお、モータ10の電気角360°を6分割したものに相当する期間を単位として制御する例について説明したが、例えば12分割してより短い期間毎に通電相を切り替えてもよい。
【0068】
また、基準パルスPIの1周期内で全相の電流のPWM制御が完了しない場合、すなわち、スイッチング動作をさせる駆動トランジスタが全て非導通にならないうちに基準パルスPIが入力される場合もあり得る。これは基準パルスPIの繰り返し周波数の設定が不適切な場合に生じる。このため、基準パルスPIが入力されると、スイッチング動作をさせる駆動トランジスタを一旦全て非導通にした後に、スイッチング動作を開始させるように、ロジック制御回路40を構成しておくことが望ましい。すると、直列に接続された駆動トランジスタに貫通電流が流れないようにすることができる。
【0069】
以上のように、本実施形態のモータ駆動装置によると、図2のようにトルク指令電圧TIに応じた振幅を有するほぼ台形の波形になるように、モータ10の相電流I1〜I3を制御することができるので、通電相切替時の相電流の変化を緩やかにすることができる。
【0070】
また、3相の電流をPWM制御する場合は、通常は3本の電流検出抵抗が必要である。しかし、本実施形態のモータ駆動装置は、1本の電流検出抵抗を用いて、3相の電流を制御することができ、相電流同士の大きさがばらつかないPWM制御を可能にする。電流検出抵抗の数が少なくて済むので、装置の規模を小さくすることができる。
【0071】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。図11のモータ駆動装置は、図1のモータ駆動装置において、通電期間制御部100を通電期間制御部200で置き換えたものである。その他の構成要素は図1を参照して説明したものと同様であるので、同一の参照番号を付してその説明を省略する。
【0072】
通電期間制御部200は、相別トルク信号発生回路230と、三角波発生器60と、エラーアンプ71,72と、比較器75,76と、オフセット付加リミッタ回路80とを備えている。
【0073】
図12は、オフセット付加リミッタ回路80の構成の例を示す回路図である。オフセット付加リミッタ回路80は、オペアンプ81と、オフセット設定電圧源82とを備えている。電圧源82は、オフセット付加リミッタ回路80の一方の入力端子と、オペアンプ81の正入力端子の1つとの間に接続されている。オペアンプ81の正入力端子の他の1つは、オフセット付加リミッタ回路80の他方の入力端子となっている。オフセット付加リミッタ回路80への入力信号の一方は、そのままスライスレベル信号SUとして出力される。オペアンプ81は、スライスレベル信号SLを出力する。
【0074】
図13は、図11のモータ駆動装置における相電流及び通電期間制御部200の信号を示すグラフである。図13は、図2,図4におけるt=t1付近を拡大して示している。図11及び図13を参照して、通電期間制御部200の動作及びモータ10に流れる電流について説明する。
【0075】
相別トルク信号発生回路230は、相別トルク信号発生回路30と同様に、トルク指令電圧に従って2つの相別のトルク信号を生成し、それぞれをエラーアンプ71,72に出力する。エラーアンプ71,72は、増幅器27が出力する信号をサンプル・ホールドする機能を有し、例えば、電流検出抵抗7に電流が流れる期間の終了直前における増幅器27の出力値をサンプル・ホールドする。エラーアンプ71,72は、それぞれに入力された相別のトルク信号と増幅器27の出力との差を増幅してオフセット付加リミッタ回路80に出力する。
【0076】
オフセット付加リミッタ回路80は、エラーアンプ71,72の出力に応じて、第1のスライスレベル信号SUと、第2のスライスレベル信号SLとをそれぞれ比較器75,76に出力する。スライスレベル信号SUは、トルク指令電圧TIが増大するに従って小さくなる信号であり、スライスレベル信号SLは、トルク指令電圧TIが増大するに従って大きくなる信号である。
【0077】
三角波発生器60は、図13のようにほぼ一定の周期の三角波SAを生成して、比較器75,76に出力する。比較器75は、三角波SAがスライスレベル信号SUよりも大きい場合には“H”、それ以外の場合には“L”をスイッチング動作制御信号F2として通電相切換回路23に出力する。比較器76は、スライスレベル信号SLが三角波SAよりも大きい場合には“H”、それ以外の場合には“L”をスイッチング動作制御信号F1として通電相切換回路23に出力する。
【0078】
オフセット付加リミッタ回路80は、スライスレベル信号SUがスライスレベル信号SLよりも常に大きくなるように、両者の間にオフセットを設けた上でレベルを制限して出力する。このため、比較器75,76のそれぞれが出力する制御信号F2,F1が“H”になる期間が重ならないようにすることができる。したがって、第1の実施形態と同様に、電流検出抵抗7には同時に複数の相電流が流れることがない。
【0079】
このように、本実施形態のモータ駆動装置は、通電相切替時の相電流の変化を緩やかにすることができ、かつ、1本の電流検出抵抗を用いて、3相の電流を制御することができる。
【0080】
(第3の実施形態)
以上の実施形態においては、相電流の波形が台形波となるように3相のモータを駆動する場合について説明した。相電流の波形は台形波である必要はなく、正弦波やその他の波形であってもよい。また、3相に限らず4相以上の偶数相のモータを駆動する際にも本発明を適用することができる。以下では、相電流の波形が台形波以外の場合について説明する。本実施形態では、図1のモータ駆動装置を変形したものを用いる。
【0081】
図14は、相電流が正弦波となるように3相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。このような動作をさせるためには、図1の相別トルク発生回路30の出力を、図4のようなノコギリ波の代わりに正弦波とすればよい。すなわち、信号TS2として正弦波の位相0〜60°の区間の波形を繰り返す信号を用い、信号TS1として正弦波の位相120〜180°の区間の波形を繰り返す信号を用いるようにすればよい。
【0082】
この場合、例えばW相電流の大きさは、これとは位相が120°異なる他の2相の電流(U相電流及びV相電流)の和に等しく、W相電流の向きは、他の2相の電流とは逆である。
【0083】
図15は、相電流が正弦波となるように4相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。特に図示しないが、4相駆動の場合は、駆動トランジスタ及びモータの各相のコイルは次のように接続されているものとする。
【0084】
すなわち、モータ駆動装置は、図1の駆動トランジスタ1,2及びダイオード1D,2Dで構成された回路のように、上アーム側駆動トランジスタと下アーム側駆動トランジスタとが直列に接続され、各駆動トランジスタのドレインとソースとの間にダイオードが接続された回路(ハーフブリッジ回路)を4つ有している。これらの4つのハーフブリッジは、それぞれ各相に対応しており、並列に接続されている。また、各ハーフブリッジの一端は、電源VCCに共通に接続され、他端は電流検出抵抗に共通に接続されている。電流検出抵抗の他端は接地されている。各ハーフブリッジの上アーム側駆動トランジスタと下アーム側駆動トランジスタとの接続点は、対応する相のコイルの一端に接続されている。各コイルの他端は互いに接続されている。
【0085】
相電流が図15のようになるような動作をさせるためには、図1の相別トルク発生回路30の出力を、図4のようなノコギリ波の代わりに正弦波とすればよい。すなわち、信号TS2として正弦波の位相0°〜90°の区間の波形を繰り返す信号を用い、信号TS1として正弦波の位相90°〜180°の区間の波形を繰り返す信号を用いるようにすればよい。
【0086】
偶数相のモータを駆動する場合は、電流の向きが異なり大きさがほぼ等しい2つの相(互いに逆位相の相)について、一方の相の上アーム側駆動トランジスタと他方の相の下アーム側駆動トランジスタとを組にして同時に駆動すればよいので、実質的に相数が半分のモータを駆動する場合と同様に制御することができる。すなわち、4相のモータは、各相電流の目標値として互いに位相が90°異なる正弦波を用いる2相正弦波駆動によって動作させることができる。
【0087】
図15の期間T41では、図6の期間T1,T2のように、U相上アーム側駆動トランジスタとW相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相下アーム側駆動トランジスタとX相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを交互に設ける。
【0088】
U相上アーム側駆動トランジスタとW相下アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、U相コイル、及びW相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、V相電流及びX相電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはU相電流(W相電流)しか流れないので、U相電流を検出することができ、U相及びW相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。
【0089】
また、V相下アーム側駆動トランジスタとX相上アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、V相コイル、及びX相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、U相電流及びW相電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはV相電流(X相電流)しか流れないので、V相電流を検出することができ、V相及びX相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。このように、検出すべき相電流が電流検出抵抗を流れる期間が、他の相電流が電流検出抵抗を流れる期間と重ならないようにする。
【0090】
同様に、期間T42では、U相上アーム側駆動トランジスタとW相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを設ける。期間T43では、U相下アーム側駆動トランジスタとW相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを設ける。期間T44では、U相下アーム側駆動トランジスタとW相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相下アーム側駆動トランジスタとX相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを設ける。この結果、相電流が正弦波となるように4相のモータを駆動することができる。
【0091】
図16は、相電流が正弦波となるように6相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。特に図示しないが、6相駆動の場合は、駆動トランジスタ及びモータの各相のコイルは次のように接続されているものとする。
【0092】
すなわち、モータ駆動装置は、ハーフブリッジを6つ有している。これらの6つのハーフブリッジは、それぞれ各相に対応しており、並列に接続されている。また、各ハーフブリッジの一端は、電源VCCに共通に接続され、他端は電流検出抵抗に共通に接続されている。電流検出抵抗の他端は接地されている。各ハーフブリッジの上アーム側駆動トランジスタと下アーム側駆動トランジスタとの接続点は、対応する相のコイルの一端に接続されている。各コイルの他端は互いに接続されている。
【0093】
相電流が図16のようになるような動作をさせるためには、図1の相別トルク発生回路30の出力を、図4のようなノコギリ波の代わりに正弦波とすればよい。すなわち、正弦波の位相0°〜60°、60°〜120°又は120°〜180°の区間の波形を繰り返す信号を用いるようにすればよい。
【0094】
6相のモータを駆動する場合は、4相の場合と同様に偶数相であるので、電流の向きが異なり大きさがほぼ等しい2つの相について、一方の相の上アーム側駆動トランジスタと他方の相の下アーム側駆動トランジスタとを組にして同時に駆動すればよい。したがって、実質的に相数が半分のモータを駆動する場合と同様に制御することができる。すなわち、6相のモータは、各相電流の目標値として互いに位相が60°異なる正弦波を用いる3相正弦波駆動によって動作させることができる。
【0095】
図16の期間T61では、U相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相下アーム側駆動トランジスタとY相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、W相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを順に設ける。
【0096】
U相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、U相コイル、及びX相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、U相及びX相電流以外の電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはU相電流(X相電流)しか流れないので、U相電流を検出することができ、U相及びX相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。
【0097】
また、V相下アーム側駆動トランジスタとY相上アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、V相コイル、及びY相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、V相及びY相電流以外の電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはV相電流(Y相電流)しか流れないので、V相電流を検出することができ、V相及びY相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。
【0098】
同様に、W相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間では、W相及びZ相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。このように、検出すべき相電流が電流検出抵抗を流れる期間が、他の相電流が電流検出抵抗を流れる期間と重ならないようにする。
【0099】
同様に、期間T62では、U相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、W相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを順に設ける。
【0100】
期間T63では、U相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、W相上アーム側駆動トランジスタとZ相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを順に設ける。以下、期間T64〜T66においても同様に導通させるトランジスタを切り替えていく。この結果、相電流が正弦波となるように6相のモータを駆動することができる。
【0101】
6相のモータを駆動する場合には、導通させるトランジスタを次のように切り替えてもよい。すなわち、図16の期間T62では、U相上アーム側駆動トランジスタとX相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる。この期間では、W相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、Y相下アーム側駆動トランジスタとV相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを繰り返し設ける。
【0102】
期間T63では、V相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる。この期間では、X相下アーム側駆動トランジスタとU相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、Z相下アーム側駆動トランジスタとW相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを繰り返し設ける。
【0103】
同様に、期間T64では、W相上アーム側駆動トランジスタとZ相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる。この期間では、Y相下アーム側駆動トランジスタとV相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、U相下アーム側駆動トランジスタとX相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを繰り返し設ける。以下、期間T65,T66等においても同様に導通させるトランジスタを切り替えていく。
【0104】
図17は、相電流が正弦波となるように8相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。特に図示しないが、8相駆動の場合は、駆動トランジスタ及びモータの各相のコイルは次のように接続されているものとする。
【0105】
すなわち、モータ駆動装置は、ハーフブリッジを8つ有している。これらの8つのハーフブリッジは、それぞれ各相に対応しており、並列に接続されている。また、各ハーフブリッジの一端は、電源VCCに共通に接続され、他端は電流検出抵抗に共通に接続されている。電流検出抵抗の他端は接地されている。各ハーフブリッジの上アーム側駆動トランジスタと下アーム側駆動トランジスタとの接続点は、対応する相のコイルの一端に接続されている。各コイルの他端は互いに接続されている。
【0106】
相電流が図17のようになるような動作をさせるためには、図1の相別トルク発生回路30の出力を、図4のようなノコギリ波の代わりに正弦波とすればよい。すなわち、正弦波の位相0°〜45°、45°〜90°、90°〜135°又は135°〜180°の区間の波形を繰り返す信号を用いるようにすればよい。
【0107】
8相のモータを駆動する場合は、4相の場合と同様に偶数相であるので、電流の向きが異なり大きさがほぼ等しい2つの相について、一方の相の上アーム側駆動トランジスタと他方の相の下アーム側駆動トランジスタとを組にして同時に駆動すればよい。したがって、実質的に相数が半分のモータを駆動する場合と同様に制御することができる。すなわち、8相のモータは、各相電流の目標値として互いに位相が45°異なる正弦波を用いる4相正弦波駆動によって動作させることができる。
【0108】
図17の期間T81では、U相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、W相下アーム側駆動トランジスタとA相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、X相下アーム側駆動トランジスタとB相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを順に設ける。
【0109】
U相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、U相コイル、及びY相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、U相及びY相電流以外の電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはU相電流(Y相電流)しか流れないので、U相電流を検出することができ、U相及びY相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。
【0110】
また、V相下アーム側駆動トランジスタとZ相上アーム側駆動トランジスタとを導通させる期間では、これらの駆動トランジスタ、V相コイル、及びZ相コイルを通過する電流が、電流検出抵抗を流れる。このとき、V相及びZ相電流以外の電流は回生電流として流れる。電流検出抵抗にはV相電流(Z相電流)しか流れないので、V相電流を検出することができ、V相及びZ相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。
【0111】
同様に、W相下アーム側駆動トランジスタとA相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間では、W相及びA相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。X相下アーム側駆動トランジスタとB相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間では、X相及びB相電流が目標値となるようにフィードバック制御することができる。このように、検出すべき相電流が電流検出抵抗を流れる期間が、他の相電流が電流検出抵抗を流れる期間と重ならないようにする。
【0112】
同様に、期間T82では、U相上アーム側駆動トランジスタとY相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、V相上アーム側駆動トランジスタとZ相下アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、W相下アーム側駆動トランジスタとA相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間と、X相下アーム側駆動トランジスタとB相上アーム側駆動トランジスタとを同時に導通させる期間とを順に設ける。以下、期間T83〜T88においても同様に導通させるトランジスタを切り替えていく。この結果、相電流が正弦波となるように8相のモータを駆動することができる。
【0113】
また、10相以上の偶数相のモータを駆動する場合についても同様に説明することができる。
【0114】
なお、第3の実施形態においては、第1の実施形態で説明したようなピーク電流制御を行ってもよいし、第2の実施形態で説明したような三角波スライスによるPWM制御を行ってもよい。
【0115】
以上の実施形態において、モータ駆動装置は、ダイオード1D〜6Dを備えるとして説明したが、これに代えて、駆動トランジスタ1〜6のそれぞれが寄生ダイオードを備えていてもよい。すなわち、駆動トランジスタ1〜6のそれぞれに構造的にダイオードが存在していてもよい。
【0116】
また、駆動トランジスタ1〜6は、n形MOSトランジスタ以外のトランジスタであってもよい。
【0117】
また、下アーム側駆動トランジスタ2,4,6のソースとグラウンドとの間に電流検出抵抗7を備える場合について説明したが、電源VCCと上アーム側駆動トランジスタ1,3,5のドレインとの間に電流検出抵抗を備えていてもよい。
【0118】
また、モータの結線はY結線であるとして説明したが、デルタ結線であってもよい。
【0119】
また、3相の相電流を、位相が進んでいるものから順にU相、V相、W相とする場合について説明したが、モータを逆転させるために、W相、V相、U相の順とする場合についても同様である。
【0120】
また、ホール素子を用いて位置検出を行う場合について説明したが、必ずしもホール素子を用いる必要はない。例えば、U相、V相、W相の各相毎にCRフィルタ回路を設け、PWM駆動電流の高調波成分をフィルタし、各相毎にフィルタ出力とモータのリファレンス電位(すなわち、Y結線された3つのコイルの接続点の電位)とを比較することによって、モータのロータの位置を検出することができる。しかし、PWM駆動電流の高調波成分に起因する誤動作を考慮すると、ホール素子を用いる方が有利である。
【0121】
また、ハーフブリッジを構成する、直列に接続された駆動トランジスタのうち、一方の導通している駆動トランジスタに他方の駆動トランジスタを同期させ、かつ、位相を反転させることによって同期整流駆動することも可能である。
【0122】
また、センサを用いずにモータを駆動することも可能である。すなわち、相電流の向きが切り替わるゼロクロス点前後においてその相の駆動トランジスタを非導通にしてその相の相電流がゼロであるマスク期間を設け、この期間内で逆起電圧を検出してロータ位置信号を得ることができる。マスク期間の前後での当該相電流がゼロであるようにトルク指令信号を与えることにより、マスク期間に遷移する際の急峻な相電流の変化を防止してセンサレスモータにおいても低振動、低ノイズの駆動を実現することができる。
【0123】
また、検出抵抗を1本とした場合について説明を行ったが、多相の場合は検出抵抗を2本以上に増やしてもよい。すなわち、8相の場合を例にとれば、検出抵抗を2本とし、4つの相の駆動トランジスタを検出抵抗の一方に共通に接続し、残りの相の駆動トランジスタを他方の検出抵抗に共通に接続してもよい。すると、一方の検出抵抗を利用する相と他方の検出抵抗を利用する相との間で、互いの回生期間を利用しなければならないという制約が無くなるため、PWM制御の最大デューティを大きくすることができる。
【0124】
【発明の効果】
本発明のモータ駆動装置によると、相電流が急激に変化しないようにすることができるので、モータの振動やノイズが相切り替え時に発生するのを抑えることができる。用いる電流検出抵抗の数が相数よりも少ないので、装置の規模を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。
【図2】図1のモータの各相電流の目標とする波形を示すグラフである。
【図3】図1の相別トルク信号発生回路の構成の例を示すブロック図である。
【図4】位置検出回路及び相別トルク信号発生回路に関する信号を示すグラフである。
【図5】図1のロジック制御回路の構成の例を示すブロック図である。
【図6】図1のロジック制御回路及び比較器の入出力信号を示すグラフである。
【図7】図1のモータ駆動装置における相電流を示すグラフである。
【図8】期間T1におけるモータに流れる電流の経路を示す説明図である。
【図9】期間T2におけるモータに流れる電流の経路を示す説明図である。
【図10】期間T3におけるモータに流れる電流の経路を示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るモータ駆動装置のブロック図である。
【図12】オフセット付加リミッタ回路の構成の例を示す回路図である。
【図13】図11のモータ駆動装置における相電流及び通電期間制御部の信号を示すグラフである。
【図14】相電流が正弦波となるように3相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。
【図15】相電流が正弦波となるように4相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。
【図16】相電流が正弦波となるように6相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。
【図17】相電流が正弦波となるように8相のモータを駆動する場合の各相の出力電流波形を示すグラフである。
【図18】従来のピーク電流検出方式のモータ駆動装置のブロック図である。
【図19】図18のモータ駆動装置で駆動されたモータの各相電流の時間に対する変化を示すグラフである。
【図20】図19の時間t=tz付近における電流検出抵抗電圧(モータ電流検出信号)、V相及びW相の相電流を、時間軸を拡大して示したグラフである。
【符号の説明】
1〜3 上アーム側駆動トランジスタ(上アーム側スイッチング素子)
4〜6 下アーム側駆動トランジスタ(下アーム側スイッチング素子)
1D〜6D ダイオード
7 電流検出抵抗
10 モータ
11 U相コイル
12 V相コイル
13 W相コイル
21 ホール素子回路
22 位置検出回路
23 通電相切換回路
24 プリドライブ回路
30,230 相別トルク信号発生回路
40 ロジック制御回路
51 第1の比較器
52 第2の比較器
100,200 通電期間制御部
Claims (8)
- 直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を複数備えるとともに、前記複数の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記複数の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗を備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置におけるモータ駆動方法であって、
前記モータのロータの位置に応じた位置信号を求めるステップと、
前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、所定の電気角に相当する期間において導通させるステップと、
導通させる前記スイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせ、導通させる前記スイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせるステップとを備え、
前記スイッチング動作をさせるステップは、
前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、前記1のスイッチング素子とは異なる1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記スイッチング動作を制御するものである
モータ駆動方法。 - 請求項1に記載のモータ駆動方法において、
前記スイッチング動作をさせるステップでは、
前記第1の期間は、基準パルスが入力されると開始し、前記電流検出抵抗に生じる電圧が目標信号に達すると終了する
ことを特徴とするモータ駆動方法。 - 請求項2に記載のモータ駆動方法において、
前記スイッチング動作をさせるステップでは、
前記基準パルスが入力されると、前記スイッチング動作させるスイッチング素子を全て非導通にした後に前記第1の期間を開始する
ことを特徴とするモータ駆動方法。 - 直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を4以上の偶数個備えるとともに、前記4以上の偶数個の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記4以上の偶数個の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗を備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置におけるモータ駆動方法であって、
前記モータのロータの位置に応じた位置信号を求めるステップと、
前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、前記選択されたスイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は、前記選択されたスイッチング素子が対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の下アーム側スイッチング素子と前記選択されたスイッチング素子との組を、前記選択されたスイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は、前記選択されたスイッチング素子が対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の上アーム側スイッチング素子と前記選択されたスイッチング素子との組を、所定の電気角に相当する期間において導通させるステップと、
前記選択されたスイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子のそれぞれとこれらのそれぞれに対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の上アーム側スイッチング素子との組のそれぞれにスイッチング動作をさせ、前記選択されたスイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子のそれぞれとこれらのそれぞれに対応する相の逆位相の相に対応した出力回路の下アーム側スイッチング素子との組のそれぞれにスイッチング動作をさせるステップとを備え、
前記スイッチング動作をさせるステップは、
前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子の組のうち、1組のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子の組を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子の組のうち、前記1組のスイッチング素子とは異なる1組のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子の組を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記スイッチング動作を制御するものである
モータ駆動方法。 - 請求項4に記載のモータ駆動方法において、
前記スイッチング動作をさせるステップでは、
前記第1の期間は、基準パルスが入力されると開始し、前記電流検出抵抗に生じる電圧が目標信号に達すると終了する
ことを特徴とするモータ駆動方法。 - 請求項5に記載のモータ駆動方法において、
前記スイッチング動作をさせるステップでは、
前記基準パルスが入力されると、前記スイッチング動作させるスイッチング素子を全て非導通にした後に前記第1の期間を開始する
ことを特徴とするモータ駆動方法。 - 直列に接続された上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子とを有する出力回路を複数備え、前記出力回路のそれぞれにおける上アーム側スイッチング素子と下アーム側スイッチング素子との接続点からモータに電流を供給するモータ駆動装置であって、
前記複数の出力回路と直列に、かつ、共通に接続され、前記複数の出力回路に供給される電流を検出するための電流検出抵抗と、
前記モータのロータの位置に応じた位置信号を出力する位置検出部と、
前記複数の出力回路のうちのいずれか1つにおける1のスイッチング素子を前記位置信号に応じて選択し、所定の電気角に相当する期間において導通させるとともに、導通させる前記スイッチング素子が上アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における下アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせ、導通させる前記スイッチング素子が下アーム側スイッチング素子である場合は前記複数の出力回路の残りのいずれか複数における上アーム側スイッチング素子にスイッチング動作をさせる通電相切換回路と、
前記所定の電気角に相当する期間が区切られた複数の期間のそれぞれにおいて、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第1の期間と、前記スイッチング動作をさせるスイッチング素子のうち、前記1のスイッチング素子とは異なる1のスイッチング素子を導通させ、その他のスイッチング素子を非導通にする第2の期間とが存在するように、入力されたトルク指令信号及び前記電流検出抵抗に生じる電圧に応じて、前記通電相切換回路によるスイッチング動作を制御するスイッチング動作制御信号を生成し、出力する通電期間制御部とを備えた
モータ駆動装置。 - 請求項7に記載のモータ駆動装置において、
前記通電期間制御部は、
前記トルク指令信号及び前記位置信号に応じて、前記第1の期間において前記電流検出抵抗に流すべき電流の目標値に対応した第1の目標信号、及び前記第2の期間において前記電流検出抵抗に流すべき電流の目標値に対応した第2の目標信号を求め、出力する相別トルク信号発生回路と、
前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第1の目標信号を越えているか否かを判定し、その結果を出力する第1の比較器と、
前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第2の目標信号を越えているか否かを判定し、その結果を出力する第2の比較器と、
前記スイッチング動作の周期を規定する基準パルス及び前記第1及び第2の比較器の出力に応じて、前記スイッチング動作制御信号を生成して出力するロジック制御回路とを備えるものであり、
前記ロジック制御回路は、
前記第1の比較器の判定結果が、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第1の目標信号を越えていることを示すと、前記第1の期間を終了させ、前記第2の比較器の判定結果が、前記電流検出抵抗に生じる電圧が前記第2の目標信号を越えていることを示すと、前記第2の期間を終了させるように、前記スイッチング動作制御信号を生成して出力するものである
ことを特徴とするモータ駆動装置。
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