JP4583103B2 - コーヒー抽出物による飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法 - Google Patents
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Description
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
(コーヒー抽出物Aの調製)
焙煎コーヒー豆(L値18.5)100gに、蒸留水1000gを加え1時間加熱還流して抽出した。不溶物をろ過により除去した後、ろ液を減圧濃縮、凍結乾燥し褐色のコーヒー抽出物A 20.1gを得た。
(分子量10000〜30000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、黄褐色のコーヒー抽出物E 2.2gを得た。得られたコーヒー抽出物E 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約10000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM10:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物B 0.5gを得た。
(分子量30000〜300000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約300000の限外ろ過膜(バイオマックスPBMK:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、褐色のコーヒー抽出物F 2.7gを得た。得られたコーヒー抽出物F 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物C 0.3gを得た。
(分子量30000〜100000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約100000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM100:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、黄褐色のコーヒー抽出物G 2.4gを得た。得られたコーヒー抽出物G 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物D 0.28gを得た。
グレープフルーツ6倍濃縮果汁40gに蒸留水200gを添加し混合し100%グレープフルーツ飲料を作成した。これにコーヒー抽出物Cを30ppm添加し透明ガラス瓶に詰め、70℃、10分間殺菌し100%グレープフルーツ飲料Aを作成した。
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用い100%グレープフルーツ飲料Bを作成した。
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用い100%グレープフ
ルーツ飲料Cを作成した。
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用い100%グレープフルーツ飲料Dを作成した。
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにL−アスコルビン酸(ナカライテスク(株))を用い100%グレープフルーツ飲料Eを作成した。
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりに酵素処理ルチン(東洋精糖(株))を用い100%グレープフルーツ飲料Fを作成した。
(100%グレープフルーツ飲料における効果)
100%グレープフルーツ飲料A〜Fおよび無添加の100%グレープフルーツ飲料を50℃の恒温槽に入れ4日間保管した。各飲料について、訓練されたパネラー6名により「イモ臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は無添加、4日間恒温槽保管の100%グレープフルーツ飲料を対照とし、そのものの持つ「イモ臭」の強さを7点とし、全く感じなかったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
サンプル名 評価点数
対照(無添加、4日間恒温槽保管) 7.0
100%グレープフルーツ飲料A 2.1
100%グレープフルーツ飲料B 1.6
100%グレープフルーツ飲料C 5.6
100%グレープフルーツ飲料D 4.9
100%グレープフルーツ飲料E 5.3
100%グレープフルーツ飲料F 5.5
刻んだホワイトチョコレート100gを湯煎(約50℃)にて溶解した後、コーヒー抽出物Cを50ppm添加し、良く攪拌後に冷却して成型しホワイトチョコレートAを作成した。
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用いてホワイトチョコレートBを作成した。
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用いてホワイトチョコレートCを作成した。
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用いてホワイトチョコレートDを作成した。
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにクロロゲン酸(ナカライテスク(株))を用いてホワイトチョコレートEを作成した。
(ホワイトチョコレートにおける効果)
ホワイトチョコレートA〜Eをそれぞれ、6000 lxに調整した光安定性試験器にて40時間、光照射を行った。各ホワイトチョコレートについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照1(無添加、光照射なし)のホワイトチョコレートの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、光照射)のホワイトチョコレートの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
サンプル名 評価点数
対照1(無添加、光照射なし) 1.0
対照2(無添加、光照射) 5.0
ホワイトチョコレートA 1.9
ホワイトチョコレートB 1.6
ホワイトチョコレートC 4.0
ホワイトチョコレートD 3.8
ホワイトチョコレートE 4.2
篩いにかけた薄力粉300gに無塩バター200g、上白糖100g、食塩0.5gおよび全卵50gを加え混合した後、コーヒー抽出物Cを50ppm添加し、良く攪拌後に冷却して成型した後、オーブンにて約180℃、12分間焼成しバタークッキーAを作成した。
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用いてバタークッキーBを作成した。
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用いてバタークッキーCを作成した。
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用いてバタークッキーDを作成した。
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにクロロゲン酸(ナカライテスク(株))を用いてバタークッキーEを作成した。
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにトコフェロール(ナカライデスク(株))を用いてバタークッキーFを作成した。
(バタークッキーにおける効果 その1)
バタークッキーA〜Fをそれぞれ、60℃に調整した恒温試験器にて20日間加温条件下で保存した。各バタークッキーについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照(無添加、加熱なし)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、加熱保存)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表3に示した。
サンプル名 評価点数
対照1 (無添加、加熱なし) 1.0
対照2 (無添加、加熱保存) 5.0
バタークッキーA 1.9
バタークッキーB 1.5
バタークッキーC 3.5
バタークッキーD 3.7
バタークッキーE 3.8
バタークッキーF 4.2
(バタークッキーにおける効果 その2)
バタークッキーA〜DおよびFをそれぞれ、6000 lxに調整した光安定性試験器にて40時間、光照射を行った。各バタークッキーについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照1(無添加、光照射なし)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、光照射)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
サンプル名 評価点数
対照1(無添加、光照射なし) 1.0
対照2(無添加、光照射) 5.0
バタークッキーA 1.9
バタークッキーB 1.6
バタークッキーC 4.0
バタークッキーD 3.6
バタークッキーF 4.2
Claims (3)
- 焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物の分画分子量約30000から約300000の画分を分離した後に、有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法。
- 画分が、分画分子量約30000から約100000の画分である請求項1に記載の劣化臭の生成を抑制する方法。
- 画分が、焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物を限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィー処理して得られるものである、請求項1または2に記載の劣化臭の生成を抑制する方法。
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