JP6684156B2 - 焼き菓子 - Google Patents

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Description

本発明は、クロロゲン酸類を含有する焼き菓子に関する。
クロロゲン酸類はコーヒー中に含まれる代表的なポリフェノールであり、多様な生理効果(老化抑制、発癌抑制、血糖上昇抑制、高血圧改善、脂肪燃焼促進等)が報告されている。かかる生理効果による健康増進を目的として、クロロゲン酸類を有効成分とするサプリメントやクロロゲン酸含有飲料等が上市されるに至っている。
クロロゲン酸類を熱処理すると、クロロゲン酸ラクトン類が生成する。例えば非特許文献1には、コーヒー豆をローストして5〜10分経過する間に、クロロゲン酸ラクトン類の生成量が大きく高まることが記載されている。このクロロゲン酸ラクトン類は苦味を含む特有の風味を有することから、焙煎コーヒーの風味に大きく影響すると考えられている。
カロリーバー、クッキー、ビスケット等に代表される焼き菓子は、通常の食事によらずに早急なカロリー補給を可能とし、またカロリー摂取量を正確に、簡単に管理でき、コンパクトで携帯にも便利であるため、健康志向で多忙なビジネスマン等に需要がある。また、不足しがちな栄養素を強化した種々の焼き菓子が市販されるに至っている。
J.Agric.Food Chem.2005,vol.53,p.1505−1513
かかる状況下、本発明者はクロロゲン酸類の生理作用を効率的に享受することができ、また風味良好で食しやすい焼き菓子を開発すべく検討を重ねた。その結果、クロロゲン酸類を生地に配合し、この生地を焼成して焼き菓子を製造すると、生地中に配合したクロロゲン酸類が焼成時の熱により減少してしまうこと、この減少の一因が、熱によりクロロゲン酸類がクロロゲン酸ラクトン類へと変換することにあることが明らかとなってきた。このクロロゲン酸ラクトン類は特有の強い風味を有し、焼き菓子の風味を悪化させる要因となる。本発明者は、クロロゲン酸類を効率的に摂取することを可能とし、また風味の良い焼き菓子に仕上げるには、生地の焼成時におけるクロロゲン酸ラクトン類の生成を極力抑えることが重要であるとの着想に至った。
本発明は、クロロゲン酸類を所望量含有し、またクロロゲン酸ラクトン類の生成を効果的に低減した焼き菓子の提供に関する。
本発明者は上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、生地中にクロロゲン酸類と共にタンパク質を特定量含有させることにより、この生地を焼成して焼き菓子を製造した際にクロロゲン酸ラクトン類の生成を効果的に抑えることができ、結果、所望量のクロロゲン酸類を含有し、風味も良好な焼き菓子が得られることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明は、クロロゲン酸類とタンパク質とを含有し、該タンパク質の含有量に対する該クロロゲン酸類の含有量の比が下記式(I)を満たす焼き菓子を提供するものである。
0.010≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.110 (I)
本発明の焼き菓子はクロロゲン酸類を所望量含有する。また本発明の焼き菓子は、その製造における焼成時にクロロゲン酸ラクトン類の生成が効果的に抑えられる。
本発明の焼き菓子の好ましい実施形態について以下に説明する。
本発明において「焼き菓子」とは、「製菓辞典」、初版、1981年10月30日、第204頁に記載のビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、パイ、カットパン、ショートブレッド等を意味する。好ましくは、昭和46年の公正競争規約に定められたビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、パイ、カットパンや、栄養補助食品としての、あるいは栄養バランスを考慮した焼き菓子であるカロリーバー等である。
本発明の焼き菓子は、生地中(焼成後の生地中)にクロロゲン酸類とタンパク質とを特定比で含有する。
本発明において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれるモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸から選ばれるモノフェルロイルキナ酸の総称である。すなわち、本発明において「クロロゲン酸類の含有量」という場合には、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルロイルキナ酸、4−フェルロイルキナ酸及び5−フェルロイルキナ酸の各含有量の合計を意味する。
本発明の焼き菓子中、クロロゲン酸類の含有量に特に制限はないが、焼き菓子を食すことによりクロロゲン酸類の生理作用の発現が期待できる量で含有されることが好ましい。かかる観点から本発明の焼き菓子中、クロロゲン酸類の含有量は通常は0.1質量%以上であり、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、焼き菓子をより良好な風味とする観点から、焼き菓子中のクロロゲン酸類の含有量は3.0質量%以下とすることが好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは2.0質量%以下であり、特に好ましくは1.0質量%以下である。
生理効果と風味の両立の観点から、焼き菓子中のクロロゲン酸類の含有量は0.1〜3.0質量%が好ましく、0.15〜2.5質量%がより好ましく、0.2〜2.0質量%がより好ましく、0.3〜1.0質量%がさらに好ましい。
クロロゲン酸類の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の焼き菓子が含有するタンパク質としては、例えば、穀粉、卵、可食性タンパク質含有製剤等の原料に由来するタンパク質が挙げられる。当該タンパク質の種類に特に制限はなく、動物性タンパク質、植物性タンパク質、又はこれらの組み合わせを含有させることができ、植物性タンパク質を含むことが好ましく、植物性タンパク質であることがより好ましい。
上記動物性タンパク質に特に制限はなく、例えば、乳由来タンパク質、ホエイタンパク質(乳清)、ホエイプロテインコンセントレート、ホエイプロテインアイソレート、加水分解ホエイペプチド、カゼインタンパク質、卵タンパク質、鶏卵由来タンパク質、卵白由来タンパク質、魚由来タンパク質、貝由来タンパク質、鶏由来タンパク質、豚由来タンパク質及び牛由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、上記植物性タンパク質に特に制限はなく、例えば、穀類由来タンパク質、芋類由来タンパク質、及び藻類由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、穀類由来タンパク質が好ましい。穀類由来タンパク質としては、小麦由来タンパク質、大豆由来タンパク質、米由来タンパク質、はと麦由来タンパク質、カラス麦由来タンパク質、及びとうもろこし由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、小麦由来タンパク質、大豆由来タンパク質、はと麦由来タンパク質、及びカラス麦由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
本発明の焼き菓子中、タンパク質の含有量は、焼き菓子をより良好な食感とする観点から9.0質量%以上が好ましく、12.0質量%以上とすることがより好ましく、15.0質量%以上とすることがさらに好ましい。また、焼き菓子をより良好な風味とする観点からは、28.0質量%以下とすることが好ましく、24.0質量%以下とすることがより好ましく、20.0質量%以下とすることがさらに好ましい。
食感と風味の両立の観点からは、焼き菓子中のタンパク質の含有量を9.0〜28.0質量%とすることが好ましく、12.0〜24.0質量%とすることがより好ましく、15.0〜20.0質量%とすることがさらに好ましい。
タンパク質の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の焼き菓子は、タンパク質の含有量に対するクロロゲン酸類の含有量の比が下記式(I)を満たす。生地焼成時にクロロゲン酸類のラクトン化をより効果的に抑える観点から、当該比が下記式(II)を満たすことが好ましく、下記式(III)を満たすことがより好ましく、式(IV)を満たすことがさらに好ましい。
0.010≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.110 (I)
0.015≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.100 (II)
0.020≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.080 (III)
0.020≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.060 (IV)
本発明の焼き菓子は、クロロゲン酸ラクトン類を含有しなくてもよいが、生地の焼成時に生地中のクロロゲン酸ラクトン類への変換を完全に抑えることは困難であり、通常は一定量のクロロゲン酸ラクトン類を含有する。本発明の焼き菓子中、クロロゲン酸ラクトン類の含有量は0.12質量%以下が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましく、0.0015〜0.08質量%がさらに好ましい。本発明において「クロロゲン酸ラクトン類の含有量」は後述する実施例に記載の方法で測定されるものである。
本発明の焼き菓子は、クロロゲン酸ラクトン類の含有量に対するクロロゲン酸類の含有量の比が下記式(i)を満たすことが好ましく、下記式(ii)を満たすことがより好ましく、下記式(iii)を満たすことがさらに好ましく、なかでも下記式(iv)を満たすことが好ましい。
8≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦1000(i)
15≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦800(ii)
20≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦600(iii)
25≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦400(iv)
本発明の焼き菓子は、通常は脂質を含有する。当該脂質は、主に原料として配合した油脂等に由来し、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明の焼き菓子中、脂質の含有量に特に制限はなく、焼き菓子の生地のつなぎをより良化する観点からは10.0質量%以上が好ましく、12.0質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上がさらに好ましく、13.0質量%以上が特に好ましい。また、焼き菓子をより良好な風味とする観点からは16.0質量%以下とすることが好ましく、14.0質量%以下とすることがより好ましく、13.5質量%以下とすることがさらに好ましい。
生地のつなぎの役割と風味を両立する観点から、本発明の焼き菓子中の脂質含有量は、10.0〜16.0質量%が好ましく、12.0〜14.0質量%がより好ましく、12.5〜14.0質量%がさらに好ましく、13.0〜13.5質量%が特に好ましい。
脂質の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の焼き菓子は、通常は炭水化物を含有する。当該炭水化物は、主に原料として配合した穀粉、澱粉、糖類等に由来する。
本発明の焼き菓子中、炭水化物の含有量は、焼き菓子により良好な甘味を付与する観点から17.0質量%以上が好ましく、20.0質量%以上がより好ましく、25.0質量%以上がさらに好ましい。また、焼き菓子をより良好な食感とする観点からは30.0質量%以下とすることが好ましく、28.0質量%以下とすることがより好ましい。
良好な甘味と食感を両立する観点から、本発明の焼き菓子中の炭水化物含有量は、17.0〜30.0質量%が好ましく、20.0〜28.0質量%がより好ましく、25.0〜28.0質量%がさらに好ましい。
炭水化物の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の焼き菓子は通常、上記各成分の他、残部に、生地の調製において配合しうる原料由来の各種成分や、生地の焼成後に添加する種々の調味料由来の成分を含む。このような成分の由来としては、例えば、穀粉、卵、粉乳、牛乳、豆乳、ココナッツミルク、食塩、パウダー、糖類、合成甘味料、調味料、膨張剤、pH調整剤、酸化防止剤、香料、及び水が挙げられる。
上述した各成分は本発明の焼き菓子の生地中に均質に(一様に)存在していることが好ましい。すなわち、本発明の焼き菓子は、後述するように、各成分を均質に混合して練り上げた生地(すなわち組成物)を焼成して得られるものであることが好ましい。この場合、本発明の焼き菓子を構成する焼成後の生地も組成物の形態となる。
本発明の焼き菓子の含水率は、保存性の観点から、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることが特に好ましい。また、食感の観点から、本発明の焼き菓子の含水率は2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。より具体的には、本発明の焼き菓子の含水率は、2〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましく、3〜7質量%であることが特に好ましい。
本発明の焼き菓子の水分活性は、保存性の観点から、0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.6以下であることがさらに好ましい。
続いて、本発明の焼き菓子の調製について好ましい実施形態を以下に説明するが、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明の焼き菓子は、生地中(焼成前の生地中)にクロロゲン酸類を配合すること以外は、通常の焼き菓子と同様、常法により当該生地を焼成して調製することができる。例えば、穀粉、油脂、糖類、合成甘味料、卵、粉乳、水、乳製品、豆乳、その他の原料を目的に応じて選択し、かかる原料とクロロゲン酸類とを、焼成後の焼き菓子中のクロロゲン酸類とタンパク質の量比が本発明で規定する範囲内となるように混合して練り上げて生地を調製し、この生地を焼成することにより本発明の焼き菓子を得ることができる。クロロゲン酸類は、例えば、コーヒー生豆抽出物等を配合することにより生地中に含有させることができる。
上記「穀粉」に特に制限はなく、例えば、小麦粉、全粒粉、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、きな粉、ひえ粉、ふすま及び澱粉から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記澱粉としては、例えば、小麦澱粉、大麦澱粉、ライ麦澱粉、エンバク澱粉等の麦類澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、豆類澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、ヒシ澱粉、クリ澱粉、サゴ澱粉、ナガイモ澱粉、レンコン澱粉、クワイ澱粉、ワラビ澱粉、ユリネ澱粉、及びアミロメイズ澱粉から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記穀粉は、さらにこんにゃく粉、グルテン粉、加工澱粉等を含んでもよい。
上記「油脂」に特に制限はなく、例えば、植物油脂、動物油脂、乳化油脂、及びショートニングから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
植物油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、米油、ひまわり油、胡麻油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上の油脂が挙げられる。
動物油脂としては、例えば、ラード、牛脂、魚油、乳脂、豚脂、馬油、及びこれらの硬化油、エステル交換油もしくは分別油から選ばれる1種又は2種以上の油脂が挙げられる。
乳化油脂としては、例えば、油中水型の乳化油脂が挙げられる。油中水型の乳化油脂としては、例えば、マーガリン、ファットスプレッド、及びバターから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また必要により水中油型の乳化油脂を用いてもよい。
また、本発明に用いる油脂として、精製又は部分精製されたモノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びトリアシルグリセロールから選ばれる1種又は2種以上を用いてもよい。
上記「糖類」に特に制限はなく、例えば、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、澱粉加水分解物、及び、これらを還元した糖アルコールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的な例としては、グルコース、マルトース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、水飴、異性化糖、転化糖、シクロデキストリン、デキストリン、及び分岐シクロデキストリンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記「合成甘味料」としては、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
上記「卵」としては、鶏卵、ダチョウ卵、アヒル卵等を用いることができ、中でも鶏卵が好適に用いられる。上記卵は、卵白、卵黄、又はこれらの組み合わせを意味する。
使用する卵の加工形態に特に制限はなく、例えば、生卵、凍結卵、粉末卵、加糖卵、及び殺菌卵から選ばれる1種又は2種以上を用いることができるが、中でも殺菌卵が好適に用いられる。
上記「水」は、水そのものを配合してもよいし、牛乳、豆乳、ココナッツミルク等を配合することにより水分を配合することもできる。
上記生地の調製においては、必要に応じて、さらに食塩、パウダー、調味料、膨張剤、pH調整剤、酸化防止剤、香料等を配合してもよい。
本発明の焼き菓子の生地の調製には、シュガーバッター法、フラワーバッター法等の通常の方法を採用することができる。また、カッチングハードビスケット、カッチングソフトビスケット(エンボス)、ロータリービスケット、ワイヤーカットビスケット、ルートプレスビスケット、デポジットビスケット(ドロップ)、ハンドメイドビスケット等の方法を採用することもできる。
本発明の焼き菓子は、上記で調製した生地を焼成することで得られる。焼成条件に特に制限はなく、焼き菓子の種類に応じて適宜決定することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の焼き菓子を開示する。
<1>
クロロゲン酸類とタンパク質とを含有し、該タンパク質の含有量に対する該クロロゲン酸類の含有量の比が下記式(I)を満たす焼き菓子。
0.010≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.110 (I)
<2>
前記焼き菓子が、好ましくはビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、パイ、カットパン又はショートブレッドであり、より好ましくはビスケット、クッキー、クラッカー、乾パン、プレッツェル、パイ、カットパン又はカロリーバーである、前記<1>記載の焼き菓子。
<3>
前記クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは、3−カフェオイルキナ酸の含有量、4−カフェオイルキナ酸の含有量、5−カフェオイルキナ酸の含有量、3−フェルロイルキナ酸の含有量、4−フェルロイルキナ酸の含有量及び5−フェルロイルキナ酸の含有量の合計である、前記<1>又は<2>記載の焼き菓子。
<4>
前記焼き菓子中、クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは0.1質量以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上である、前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<5>
前記焼き菓子中、クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<6>
前記焼き菓子中、クロロゲン酸類の含有量が、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.15〜2.5質量%、さらに好ましくは0.2〜2.0質量%、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<7>
前記タンパク質が、好ましくは動物性タンパク質、植物性タンパク質、又はこれらの組み合わせであり、より好ましくは植物性タンパク質を含み、さらに好ましくは植物性タンパク質からなる、前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<8>
前記動物性タンパク質が、好ましくは乳由来タンパク質、ホエイタンパク質(乳清)、ホエイプロテインコンセントレート、ホエイプロテインアイソレート、加水分解ホエイペプチド、カゼインタンパク質、卵タンパク質、鶏卵由来タンパク質、卵白由来タンパク質、魚由来タンパク質、貝由来タンパク質、鶏由来タンパク質、豚由来タンパク質及び牛由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上である、前記<7>に記載の焼き菓子。
<9>
前記植物性タンパク質が、好ましくは穀類由来タンパク質、芋類由来タンパク質、及び藻類由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、穀類由来タンパク質が好ましい。穀類由来タンパク質としては、小麦由来タンパク質、大豆由来タンパク質、米由来タンパク質、はと麦由来タンパク質、カラス麦由来タンパク質、及びとうもろこし由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは小麦由来タンパク質、大豆由来タンパク質、はと麦由来タンパク質、及びカラス麦由来タンパク質から選ばれる1種又は2種以上である、前記<7>に記載の焼き菓子。
<10>
前記焼き菓子中、前記タンパク質の含有量が、好ましくは9.0質量%以上、より好ましくは12.0質量%以上、さらに好ましくは15.0質量%以上である、前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<11>
前記焼き菓子中、前記タンパク質の含有量が、好ましくは28.0質量%以下、より好ましくは24.0質量%以下、さらに好ましくは20.0質量%以下である、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<12>
前記焼き菓子中、前記タンパク質の含有量が、好ましくは9.0〜28.0質量%、より好ましくは12.0〜24.0質量%、さらに好ましくは15.0〜20.0質量%である、前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<13>
前記焼き菓子中、前記タンパク質の含有量に対する前記クロロゲン酸類の含有量の比が、好ましくは下記式(II)を満たし、より好ましくは下記式(III)を満たし、さらに好ましくは下記式(IV)を満たす、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
0.015≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.100 (II)
0.020≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.080 (III)
0.020≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.060 (IV)
<14>
前記焼き菓子中、クロロゲン酸ラクトン類の含有量が、好ましくは0.12質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.001〜0.1質量%であり、さらに好ましくは0.0015〜0.08質量%である、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<15>
前記焼き菓子中、クロロゲン酸ラクトン類の含有量に対するクロロゲン酸類の含有量の比が、好ましくは下記式(i)を満たし、より好ましくは下記式(ii)を満たし、さらに好ましくは下記式(iii)を満たし、特に好ましくは下記式(iv)を満たす、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
8≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦1000(i)
15≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦800 (ii)
20≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦600 (iii)
25≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦400 (iv)
<16>
前記焼き菓子中、脂質の含有量が、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは12.0質量%以上、さらに好ましくは12.5質量以上、特に好ましくは13.0質量%以上である、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<17>
前記焼き菓子中、脂質の含有量が、好ましくは16.0質量%以下、より好ましくは14.0質量%以下、さらに好ましくは13.5質量%以下である、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<18>
前記焼き菓子中、脂質の含有量が、好ましくは10.0〜16.0質量%、より好ましくは12.0〜14.0質量%、さらに好ましくは12.5〜14.0質量%、特に好ましくは13.0〜13.5質量%である、前記<1>〜<17>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<19>
前記焼き菓子中、炭水化物の含有量が、好ましくは17.0質量%以上、より好ましくは20.0質量%以上、さらに好ましくは25.0質量%以上である、前記<1>〜<18>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<20>
前記焼き菓子中、炭水化物の含有量が、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは28.0質量%以下である、前記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<21>
前記焼き菓子中、炭水化物の含有量が、好ましくは17.0〜30.0質量%、より好ましくは20.0〜28.0質量%、さらに好ましくは25.0〜28.0質量%である、前記<1>〜<20>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<22>
前記焼き菓子の生地(焼成後)が、好ましくは組成物の形態である、前記<1>〜<21>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<23>
前記焼き菓子の含水率が、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である、前記<1>〜<22>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<24>
前記焼き菓子の含水率が、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である、前記<1>〜<23>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<25>
前記焼き菓子の含水率が、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%、特に好ましくは3〜7質量%である、前記<1>〜<24>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<26>
前記焼き菓子の水分活性が、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である、前記<1>〜<25>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<27>
クロロゲン酸類とタンパク質とを含有する生地を焼成して得られる、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<28>
少なくとも穀粉と、油脂と、豆乳及び/又は牛乳と、クロロゲン酸類とを含有する生地を焼成して得られる、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<29>
前記穀粉が、好ましくは小麦粉、全粒粉、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、きな粉、ひえ粉、ふすま及び澱粉から選ばれる1種又は2種以上である、前記<28>に記載の焼き菓子。
<30>
前記油脂が、好ましくは植物油脂、動物油脂、乳化油脂、及びショートニングから選ばれる1種又は2種以上である、前記<28>又は<29>に記載の焼き菓子。
<31>
前記生地中にコーヒー生豆抽出物を含有させることにより、前記生地中に前記クロロゲン酸類を含有させる、前記<28>〜<30>のいずれか1つに記載の焼き菓子。
<32>
クロロゲン酸類とタンパク質とを含有する生地を焼成することを含む、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の焼き菓子の製造方法。
<33>
少なくとも穀粉と、油脂と、豆乳及び/又は牛乳と、クロロゲン酸類とを含有する生地を焼成することを含む、前記<1>〜<26>のいずれか1つに記載の焼き菓子の製造方法。
<34>
前記穀粉が、好ましくは小麦粉、全粒粉、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、きな粉、ひえ粉、ふすま及び澱粉から選ばれる1種又は2種以上である、前記<33>に記載の焼き菓子の製造方法。
<35>
前記油脂が、好ましくは植物油脂、動物油脂、乳化油脂、及びショートニングから選ばれる1種又は2種以上である、前記<33>又は<34>に記載の焼き菓子の製造方法。
<36>
前記生地中にコーヒー生豆抽出物を含有させることにより、前記生地中に前記クロロゲン酸類を含有させる、前記<32>〜<35>のいずれか1つに記載の焼き菓子の製造方法。
<37>
前記生地(焼成前)が組成物の形態である、前記<32>〜<36>のいずれか1つに記載の焼き菓子の製造方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[分析方法]
<クロロゲン酸類の分析>
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
UV−VIS検出器:L−2420(日立ハイテクノロジーズ社製)
ラムオーブン:L−2300(日立ハイテクノロジーズ社製)
ポンプ:L−2130(日立ハイテクノロジーズ社製)
オートサンプラー:L−2200(日立ハイテクノロジーズ社製)
カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト社製)
HPLCによる分析条件は次の通りとした。
サンプル注入量:10μL
流量:1.0mL/min
UV−VIS検出器設定波長:325nm
カラムオーブン設定温度:35℃
溶離液A:0.05M酢酸、0.1mMヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDPO)、10mM酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件:
時間(分) 溶離液A(vol.%) 溶離液B(vol.%)
0.0 100 0
10.0 100 0
15.0 95 5
20.0 95 5
22.0 92 8
50.0 92 8
52.0 10 90
60.0 10 90
60.1 100 0
70.0 100 0
HPLCで分析するサンプルは次のように調製した、測定対象試料10.0gを93.0℃の熱水100mL中に入れ、マグネットスターラーを用いて10分間撹拌して得られた熱水抽出液を、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A、孔径0.45μm、ジーエルサイエンス社製)にて濾過後、分析に供した。上述した3種のモノカフェオイルキナ酸及び3種のモノフェルロイルキナ酸の保持時間は下記の通りである。当該6種のクロロゲン酸類のピーク面積値の合計から、5−カフェオイルキナ酸を標準物質としてクロロゲン酸類の量を求め、測定対象試料中のクロロゲン酸類の含有量(質量%)を算出した。
クロロゲン酸類の保持時間
モノカフェオイルキナ酸(3種):
3−カフェオイルキナ酸 5.3分
5−カフェオイルキナ酸 8.8分
4−カフェオイルキナ酸 11.6分
モノフェルロイルキナ酸(3種):
3−フェルロイルキナ酸 13.0分
5−フェルロイルキナ酸 19.9分
4−フェルロイルキナ酸 21.0分
<クロロゲン酸ラクトン類の分析>
上記クロロゲン酸類の分析と同じ条件でHPLCを実施した。下記3つの保持時間に対応するピーク面積の合計から、5−カフェオイルキナ酸を標準物質としてクロロゲン酸ラクトン類の量を求め、測定対象試料中のクロロゲン酸ラクトン類の含有量(質量%)を算出した。
クロロゲン酸ラクトン類の保持時間
3−カフェオイルキナ酸ラクトン 26.8分
5−カフェオイルキナ酸ラクトン 28.2分
4−カフェオイルキナ酸ラクトン 30.6分
<タンパク質の定量>
タンパク質の測定はケルダール法により行った。具体的には以下の方法で測定した。
測定対象試料の0.5〜1gを精秤し、分解フラスコに入れた。これに接触剤3gと濃硫酸20mlを徐々に加え、加熱分解した。分解フラスコ中の液が透明となり、硫酸銅による青色を呈した後、さらに約1時間加熱を続けた。冷却後、内容液の2〜3倍の水を徐々に加えて希釈した。希釈した分解液が十分に冷めてから100ml容メスフラスコに入れ、ケルダール蒸留装置で蒸留した。蒸留後、三角フラスコをはずし0.1N−NaOH標準溶液で滴定した。滴定で得られた値から得られる窒素含量を6.25倍した値をタンパク質含有量とした。
<脂質の定量>
脂質含量の分析はソックスレー抽出法により行った。具体的には以下の方法で測定した。
測定対象試料を10g精秤し、円筒濾紙に入れた。ソックスレー抽出管に円筒濾紙を入れ、ジエチルエーテル(特級:和光純薬)100mlを抽出管に加えて温浴50℃で加温しながら8時間抽出した。抽出した抽出液をロータリーエバポレーターでジエチルエーテルを留去し、残渣重量を測定し、脂質含有量とした。
<炭水化物の定量>
炭水化物の含有量は、試料全量から、水分量、タンパク質量、脂質量及び灰分量を除いた値として算出した。また灰分量は直接灰化法(灰化容器に試料を採取し550℃にて灰化)により決定した。また、水分量はカールフィッシャー法により決定した。
[製造例]
全粒粉(商品名:小麦全粒粉D、昭和産業社製)、きな粉(商品名:きな粉、マツモトフーツ社製)、植物性オイル(商品名:オーガニックエキストラバージンココナッツオイル、日東物産商事社製)、豆乳(商品名:豆乳、美盛社製)、及び牛乳(商品名:北海道3.6牛乳、森永乳業社製)を下表に記載の配合比で混合し、さらに、コーヒー生豆抽出物(商品名:コーヒー生豆抽出物、長谷川香料社製、紛体、クロロゲン酸類含有量:38.27質量%)を、下表に示す配合比で配合し、混練して生地(組成物)を調製した。
得られた生地を縦30mm、横80mm、厚さ30mmの直方体に成形した成形物を調製した。この成形物の質量は約70gであった。この成形物を、オーブンを用いて、200℃で20分間焼成し、焼き菓子を得た。得られた焼き菓子の質量は、成形物の水分量によりばらつきがあるが、40g前後であった。
得られた焼き菓子を室温まで冷却し、焼きムラが無く、焦げが無く、内部まで均一に焼けていることを確認した。また、焼き菓子の含水率はいずれも3〜4質量%の範囲内にあった。
この焼き菓子について、上記分析方法により、クロロゲン酸類の含有量、クロロゲン酸ラクトン類の含有量、タンパク質の含有量、炭水化物の含有量、脂質の含有量を測定した。
結果を下記表1に示す。
Figure 0006684156
上記表1記載の「風味」は、参考例1の焼き菓子の風味を基準値「5」として下記評価基準に基づき評価した。この風味評価は専門パネル5名で実施し、各専門パネルの評価結果はすべて同じであった。
<風味評価基準>
5:参考例1の焼き菓子と同じような風味であり、クロロゲン酸ラクトン類由来の異味を感じない。
4:参考例1の焼き菓子に比べてクロロゲン酸ラクトン類由来の異味を僅かに感じるが、ほとんど気にならない。
3:参考例1の焼き菓子に比べてクロロゲン酸ラクトン類由来の異味をやや感じるが、あまり気にならない。
2:参考例1の焼き菓子に比べてクロロゲン酸ラクトン類由来の異味が強く、焼き菓子の風味に劣る。
1:参考例1の焼き菓子に比べてクロロゲン酸ラクトン類由来の異味がより強く、焼き菓子の風味により劣る。
表1に示される通り、コーヒー生豆抽出物のみで焼き菓子を調製した場合、クロロゲン酸ラクトン類に対するクロロゲン酸類の含有量比が3.1と小さく、クロロゲン酸類が焼成によりラクトン化しやすいことがわかる(参考例2)。また、焼き菓子中の「クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量」の値が本発明で規定するよりも高い場合には、当該焼き菓子の製造における焼成時にクロロゲン酸類のラクトン化を十分に抑えることができず、風味に劣る焼き菓子となることもわかる(比較例1〜3)。
これに対し、焼き菓子中の「クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量」の値が本発明で規定する範囲内にある実施例1〜8の焼き菓子では、当該焼き菓子の製造における焼成時にクロロゲン酸類のラクトン化が効果的に抑えられ、クロロゲン酸類を所望量含有しながらも、風味良好な焼き菓子に仕上げることができた。

Claims (5)

  1. クロロゲン酸類の含有量が0.15〜2.5質量%、タンパク質の含有量が9.0〜28.0質量%、クロロゲン酸ラクトン類の含有量が0.12質量%以下であり、該タンパク質の含有量に対する該クロロゲン酸類の含有量の比が下記式(I)を満たす焼き菓子。
    0.010≦クロロゲン酸類含有量/タンパク質含有量≦0.110 (I)
  2. 前記焼き菓子中、クロロゲン酸ラクトン類の含有量に対するクロロゲン酸類の含有量の比が下記式(i)を満たす、請求項1記載の焼き菓子。
    8.0≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦1000 (i)
  3. 前記焼き菓子中、クロロゲン酸ラクトン類の含有量に対するクロロゲン酸類の含有量の比が下記式(ii’)を満たす、請求項1又は2記載の焼き菓子。
    15≦クロロゲン酸類含有量/クロロゲン酸ラクトン類含有量≦400 (ii’)
  4. 前記焼き菓子中のクロロゲン酸ラクトン類の含有量が0.1質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項記載の焼き菓子。
  5. 前記焼き菓子中のクロロゲン酸類の含有量が0.2〜2.0質量%であり、タンパク質の含有量が9.0〜24.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項記載の焼き菓子。
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