JP2006050904A - コーヒー抽出物による飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法 - Google Patents

コーヒー抽出物による飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明が解決しようとする問題は、飲食品の保存中に不快な劣化臭が発生し、飲食品が本来持っていた商品価値を減ずるという問題である。
【解決手段】
本発明は飲食品の製造に当たり、焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物の分画分子量約30000から約300000の画分を有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法であり、また焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物の分画分子量約30000から約100000の画分を有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法であり、これらの画分は焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物を限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィー処理して得られる。
【選択図】
なし

Description

本発明は、飲食品の保存中に生ずる不快な劣化臭の生成を抑制する方法に関する。
飲食品の香味は各種栄養成分と同様に飲食品の商品価値を決定する重要な要素である。こうした飲食品の香味は、一般に製造、流通、保存等の各段階で劣化することはよく知られている。劣化に関係する要因として、熱、光、酸素、さらには水等が挙げられる。そこで、従来、特に酸素による香味の劣化対策として、酸素透過性を低くした合成樹脂製の容器や袋の開発、また、脱酸素条件を組み入れた食品製造工程の導入、殺菌工程に加熱ではなく膜処理を利用した製造法、さらには酵母を利用した高品質の果汁製造法が提案されている(特許文献1〜3)。また、糖アルコールの添加やクロロゲン酸やフラボノイドといった酸化防止剤を添加する方法、酸化防止剤と金属封鎖剤を併用する方法などが開示されている(特許文献4〜10)。
しかしながら、飲食品の保存中の劣化臭の発生は、味成分や香気成分が熱、酸素、光等により変化することに加え、飲食品に含まれる脂質、たんぱく質、糖類、アミノ酸類、有機酸類等の各成分の酸化、分解、異性化、重合等の数多くの反応も関与する複合的な要因により引き起こされるものである。このため上記従来技術を用いてもなお効果が不十分な場合があり、更なる技術の向上が望まれていた。
また、コーヒー抽出物の利用として、コーヒー豆抽出物を主成分とする食品の防腐消臭作用が開示されている(特許文献11)が、このものは、コーヒー豆抽出物全体を食品に添加する技術であり、コーヒー豆抽出物の分子量にて分画した画分に関しての効果についてはなんら開示されていない。また、コーヒーの水性溶媒抽出物を限外ろ過膜で処理して得られる分画分子量約6000以上の画分を有効成分として配合することを特徴とするコーヒーフレーバーの劣化防止方法が開示されている(特許文献12)が、約30000以上の画分の食品の保存中の劣化臭の発生の抑制についてはなんら開示されていない。
特開平6−62815号公報 特開平6−237742号公報 特開平6−292546号公報 特開2000−308476号公報 特開平8−23939号公報 特開平8−23940号公報 特開平7−75535号公報 特開平7−132072号公報 特開平7−132073号公報 特開平7−135938号公報 特開昭63−230060号公報 特開平2−104242号公報
本発明が解決しようとする問題は、飲食品の保存中に不快な劣化臭が生成し、商品価値を減ずるという問題である。
本発明者らは上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究した結果、飲食品に焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物中の分子量の大きな特定画分を添加することにより飲食品の保存中の劣化臭の生成が顕著に抑制されることを見出し、本発明を完成させるにいたった。すなわち、本発明は飲食品の製造に当たり、焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物の分画分子量約30000から約300000の画分を有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法であり、詳しくは分画分子量約30000から約100000の画分を有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法である。この画分は焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物を限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィー処理して得られる。
本発明の飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法により、飲食品の保存中の劣化臭の生成が抑制され、風味良好な飲食品を提供することができる。
本発明に使用するコーヒー抽出物は、通常飲用に供されているコーヒー豆の焙煎粉砕物を溶媒抽出することにより製造できる。原料のコーヒー豆は特に限定されるものではなく、例えば、アラビカ種、ロブスタ種などのいかなるコーヒー豆でも利用することができる。これらのコーヒー豆を常法によって焙煎処理するが、焙煎の程度は特に限定されるものではない。また、市販のインスタントコーヒーを使用することもでき、好ましくは、これらをさらに再精製したものを用いてもよい。
本発明の抽出処理に使用する溶媒は、水又は極性溶媒であり、極性溶媒は含水物であっても良い。極性溶媒としてはアルコール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられ、これらの混合物であっても良い。特に水又はエタノール、或いはこれらの混合物が望ましい。溶媒の量は任意に選択できるが、一般には上記コーヒー豆1重量部に対し溶媒量2〜100重量部を使用する。
抽出方法は特に限定されるものではなく、例えば、コーヒー豆又は粉砕したコーヒー豆を溶媒中に入れ、浸漬又は加熱還流することによってコーヒー抽出物を得ることができる。ついで、溶媒に不溶な固形物を除去して抽出液を得るが、固形物除去方法としては遠心分離、ろ過、圧搾等の固液分離手段を用いることができる。
得られたコーヒー抽出液をさらに、分画分子量約300000の限外ろ過膜で処理して通過部分を採取し、そのものを再び分画分子量約30000の限外ろ過膜で処理して未通過部分を採取すること、または、得られたコーヒー抽出液をサイズ排除クロマトグラフィー処理して分子量約30000から約300000の画分を分画採取することにより、本発明の、飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する効果のある分子量約30000から約300000の画分を得ることができる。
また、得られたコーヒー抽出液をさらに、分画分子量約100000の限外ろ過膜で処理して通過部分を採取し、そのものを再び分画分子量約30000の限外ろ過膜で処理して未通過部分を採取すること、または、得られたコーヒー抽出液をサイズ排除クロマトグラフィー処理して分子量約30000から約100000の画分を分画採取することにより、本発明の、飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する効果がより高い分子量約30000から約100000の画分を得ることができる。
限外ろ過膜としては、分画分子量30000、100000および300000の膜であれば、いかなる材質、いかなる形態であっても利用することができ、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリスルフォン、酢酸セルロース、再生セルロース、ポリカーボネートなどの合成高分子膜であって、平膜、中空、糸、板状、管状、スパイラル状などの形態を例示することができ、加圧ろ過法、陰圧ろ過法のいずれでもよく、一過式もしくは循環方式のいずれの方法も利用することができる。
また、サイズ排除クロマトグラフィー用充填剤としては、セファデックス(登録商標)G−25(アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社製)、トヨパール(登録商標)HW−55(東ソー株式会社製)、などを例示することができる。
得られたコーヒー抽出液の分画分子量約30000〜約300000の画分および約30000〜約100000の画分は、そのまま飲食品に配合して保存中の劣化臭の生成を抑制するために使用することができるが、さらに、脱色、脱臭等の精製処理をすることができる。精製処理には活性炭や多孔性のスチレン−ジビニルベンゼン共重合体あるいは二酸化ケイ素からなる合成吸着剤などが使用できる。精製用の合成吸着剤としては例えば三菱化学株式会社製「ダイヤイオン(登録商標)HP−20」やオルガノ株式会社製「アンバーライト(登録商標)XAD−2」などが使用できる。
このようにして得られたコーヒー抽出物の分画画分は、液状でそのまま使用することができるが、凍結乾燥又は加熱乾燥などの処理を行い固形物にすることも可能である。また、賦形剤(デキストリン等)を添加し噴霧乾燥により粉末状にすることも可能であり、用途に応じて種々の剤形を採用することができる。
本発明の飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法は、上記で得られたコーヒー抽出物の分画画分を飲食品に適宜添加することで実現できる。本発明が適用できる飲食品の例としては果実類またはその加工品、野菜またはその加工品、魚介類またはその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料およびコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、キャンディー、グミ、ガム、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ、タブレット、錠菓類などがあげられる。さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などの素汁および和風調味料、または、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁および洋風調味料、または、中華料理のタン(湯)、たとえば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁および中華調味料等をあげることができるが、これらに限定されるものではない。
飲食品に対するコーヒー抽出物の分画画分の添加量は、コーヒー抽出物の分画画分の固形成分として0.1〜500ppmの範囲が適当である。好ましくは0.5〜200ppmであり、さらに好ましくは1〜100ppmである。0.1ppm未満ではその効果は十分で無く、500ppmを超えて添加すると商品にコーヒー抽出物自身の香味が影響を及ぼすことがあり好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
〔抽出例1〕
(コーヒー抽出物Aの調製)
焙煎コーヒー豆(L値18.5)100gに、蒸留水1000gを加え1時間加熱還流して抽出した。不溶物をろ過により除去した後、ろ液を減圧濃縮、凍結乾燥し褐色のコーヒー抽出物A 20.1gを得た。
〔抽出例2〕
(分子量10000〜30000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、黄褐色のコーヒー抽出物E 2.2gを得た。得られたコーヒー抽出物E 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約10000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM10:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物B 0.5gを得た。
〔抽出例3〕
(分子量30000〜300000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約300000の限外ろ過膜(バイオマックスPBMK:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、褐色のコーヒー抽出物F 2.7gを得た。得られたコーヒー抽出物F 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物C 0.3gを得た。
〔抽出例4〕
(分子量30000〜100000の分画物の調製方法)
抽出例1にて得たコーヒー抽出物A 3gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約100000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM100:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。限外ろ過膜通過部分を減圧濃縮後凍結乾燥し、黄褐色のコーヒー抽出物G 2.4gを得た。得られたコーヒー抽出物G 2gに、蒸留水500gを加え、分画分子量約30000の限外ろ過膜(ウルトラセルアミコンYM30:ミリポア社製)を装備した撹拌式セル(ミリポア社製)に充填し、未通過部分を約15倍まで濃縮した。この濃縮液を減圧濃縮後、凍結乾燥し、薄茶色のコーヒー抽出物D 0.28gを得た。
〔実施例1〕100%グレープフルーツ飲料A
グレープフルーツ6倍濃縮果汁40gに蒸留水200gを添加し混合し100%グレープフルーツ飲料を作成した。これにコーヒー抽出物Cを30ppm添加し透明ガラス瓶に詰め、70℃、10分間殺菌し100%グレープフルーツ飲料Aを作成した。
〔実施例2〕100%グレープフルーツ飲料B
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用い100%グレープフルーツ飲料Bを作成した。
〔比較例1〕100%グレープフルーツ飲料C
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用い100%グレープフ
ルーツ飲料Cを作成した。
〔比較例2〕100%グレープフルーツ飲料D
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用い100%グレープフルーツ飲料Dを作成した。
〔比較例3〕100%グレープフルーツ飲料E
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりにL−アスコルビン酸(ナカライテスク(株))を用い100%グレープフルーツ飲料Eを作成した。
〔比較例4〕100%グレープフルーツ飲料F
実施例1のコーヒー抽出物Cの代わりに酵素処理ルチン(東洋精糖(株))を用い100%グレープフルーツ飲料Fを作成した。
〔試験例1〕
(100%グレープフルーツ飲料における効果)
100%グレープフルーツ飲料A〜Fおよび無添加の100%グレープフルーツ飲料を50℃の恒温槽に入れ4日間保管した。各飲料について、訓練されたパネラー6名により「イモ臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は無添加、4日間恒温槽保管の100%グレープフルーツ飲料を対照とし、そのものの持つ「イモ臭」の強さを7点とし、全く感じなかったものを1点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表1〕
サンプル名 評価点数
対照(無添加、4日間恒温槽保管) 7.0
100%グレープフルーツ飲料A 2.1
100%グレープフルーツ飲料B 1.6
100%グレープフルーツ飲料C 5.6
100%グレープフルーツ飲料D 4.9
100%グレープフルーツ飲料E 5.3
100%グレープフルーツ飲料F 5.5
表1の結果よりコーヒー抽出物CまたはDを含有させた100%グレープフルーツ飲料は保存中の劣化臭の生成が効果的に抑制され、その効果は他の画分のコーヒー抽出物やL−アスコルビン酸や酵素処理ルチンを含有させた物よりも優れていることがわかる。
〔実施例3〕ホワイトチョコレートA
刻んだホワイトチョコレート100gを湯煎(約50℃)にて溶解した後、コーヒー抽出物Cを50ppm添加し、良く攪拌後に冷却して成型しホワイトチョコレートAを作成した。
〔実施例4〕ホワイトチョコレートB
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用いてホワイトチョコレートBを作成した。
〔比較例5〕ホワイトチョコレートC
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用いてホワイトチョコレートCを作成した。
〔比較例6〕ホワイトチョコレートD
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用いてホワイトチョコレートDを作成した。
〔比較例7〕ホワイトチョコレートE
実施例3のコーヒー抽出物Cの代わりにクロロゲン酸(ナカライテスク(株))を用いてホワイトチョコレートEを作成した。
〔試験例2〕
(ホワイトチョコレートにおける効果)
ホワイトチョコレートA〜Eをそれぞれ、6000 lxに調整した光安定性試験器にて40時間、光照射を行った。各ホワイトチョコレートについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照1(無添加、光照射なし)のホワイトチョコレートの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、光照射)のホワイトチョコレートの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表2〕
サンプル名 評価点数
対照1(無添加、光照射なし) 1.0
対照2(無添加、光照射) 5.0
ホワイトチョコレートA 1.9
ホワイトチョコレートB 1.6
ホワイトチョコレートC 4.0
ホワイトチョコレートD 3.8
ホワイトチョコレートE 4.2
表2の結果よりコーヒー抽出物CまたはDを含有させたホワイトチョコレートは保存中の劣化臭の生成が効果的に抑制され、その効果は他の画分のコーヒー抽出物やクロロゲン酸を含有させた物よりも優れていることがわかる。
〔実施例5〕バタークッキーA
篩いにかけた薄力粉300gに無塩バター200g、上白糖100g、食塩0.5gおよび全卵50gを加え混合した後、コーヒー抽出物Cを50ppm添加し、良く攪拌後に冷却して成型した後、オーブンにて約180℃、12分間焼成しバタークッキーAを作成した。
〔実施例6〕バタークッキーB
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Dを用いてバタークッキーBを作成した。
〔比較例8〕バタークッキーC
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Aを用いてバタークッキーCを作成した。
〔比較例9〕バタークッキーD
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにコーヒー抽出物Bを用いてバタークッキーDを作成した。
〔比較例10〕バタークッキーE
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにクロロゲン酸(ナカライテスク(株))を用いてバタークッキーEを作成した。
〔比較例11〕バタークッキーF
実施例5のコーヒー抽出物Cの代わりにトコフェロール(ナカライデスク(株))を用いてバタークッキーFを作成した。
〔試験例3〕
(バタークッキーにおける効果 その1)
バタークッキーA〜Fをそれぞれ、60℃に調整した恒温試験器にて20日間加温条件下で保存した。各バタークッキーについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照(無添加、加熱なし)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、加熱保存)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表3に示した。
〔表3〕
サンプル名 評価点数
対照1 (無添加、加熱なし) 1.0
対照2 (無添加、加熱保存) 5.0
バタークッキーA 1.9
バタークッキーB 1.5
バタークッキーC 3.5
バタークッキーD 3.7
バタークッキーE 3.8
バタークッキーF 4.2
表3の結果よりコーヒー抽出物CまたはDを含有させたバタークッキーは保存中の劣化臭の生成が効果的に抑制され、その効果は他の画分のコーヒー抽出物やクロロゲン酸、トコフェロールを含有させた物よりも優れていることがわかる。
〔試験例4〕
(バタークッキーにおける効果 その2)
バタークッキーA〜DおよびFをそれぞれ、6000 lxに調整した光安定性試験器にて40時間、光照射を行った。各バタークッキーについて、訓練されたパネラー6名により「油脂の劣化臭」を評価項目として官能評価を行った。評価点は対照1(無添加、光照射なし)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を1点、対照2(無添加、光照射)のバタークッキーの持つ「油脂の劣化臭」を5点とした。評価結果の平均値を表1に示した。
〔表4〕
サンプル名 評価点数
対照1(無添加、光照射なし) 1.0
対照2(無添加、光照射) 5.0
バタークッキーA 1.9
バタークッキーB 1.6
バタークッキーC 4.0
バタークッキーD 3.6
バタークッキーF 4.2
表4の結果よりコーヒー抽出物CまたはDを含有させたバタークッキーは保存中の劣化臭の生成が効果的に抑制され、その効果は他の画分のコーヒー抽出物やトコフェロールを含有させた物よりも優れていることがわかる。
本発明の飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法は、飲食品に適用すれば優れた効果が発揮される。

Claims (3)

  1. 焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物の分画分子量約30000から約300000の画分を有効成分として飲食品に含有させることを特徴とする飲食品の保存中の劣化臭の生成を抑制する方法。
  2. 画分が、分画分子量約30000から約100000の画分である請求項1に記載の劣化臭の生成を抑制する方法。
  3. 画分が、焙煎コーヒーの水又は極性溶媒抽出物を限外ろ過膜またはサイズ排除クロマトグラフィー処理して得られるものである、請求項1または2に記載の劣化臭の生成を抑制する方法。
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