JP3731626B2 - 野菜類および豆類のための消臭方法および消臭剤 - Google Patents

野菜類および豆類のための消臭方法および消臭剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減する方法、および野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代の生活では野菜類または豆類が不足がちになる傾向があるが、これは野菜類または豆類を食べる機会が少ないと共に、最も大きい理由として、特に、幼時や学童時代に、野菜類または豆類が有する独特の不快臭を嫌うことから、野菜類または豆類嫌いになることが挙げられる。
【0003】
一般的に、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するには、野菜類または豆類を調理する。調理方法には、例えば煮る、焼く、炒める、揚げるなどの加熱調理方法、水洗する、水にさらす(あくぬき等)、あえるなどの非加熱調理方法などがある。このように調理することにより、野菜類または豆類の特有な不快臭をある程度低減したり、味質を向上させることができる。また、調理の際に、香辛料、調味料、他の食材を組み合わせることも行われる。例えば生野菜をそのまま食するサラダやジュースなどでは、野菜類または豆類の特有な不快臭を隠蔽するために、コショウなどの香辛料、ゴマ、サラダオイル、食酢、レモンなどの調味料を加えたり、またはその野菜類または豆類の臭いを隠蔽する食材を組み合わせて、野菜類または豆類の特有な不快臭を低減、または味質を向上する方法が採られている。野菜類の特有な不快臭の隠蔽剤として組合せられる食材として、ピーナッツ、シナモン、バニラ、レモン、リンゴが適していることが知られている(特開昭63-152950 号公報)。これらは用いる野菜類の種類によって適宜加減しながら使用される。
【0004】
しかしながら、加熱調理する方法では、野菜類または豆類臭の特有な不快臭が十分に消えなかったり、特定の野菜類や豆類にだけしか有効でなかったりすることがあり得る。また不快臭を感じなくなるまで加熱調理すると、栄養成分が破壊される場合もあり、さらには、味質が変化してしまう場合もある。また、野菜をサラダ、ジュース等で生食する際に香辛料、調味料、他の食材等を加える方法では、野菜の種類によってはその野菜特有の臭いがストレートに出て、隠蔽効果が得られない場合がある。
【0005】
また調理する方法以外の消臭方法としては、保存する際に、酵母菌体を野菜類と共に適当な容器に入れておくことにより、野菜類臭が低減できることが知られている(特開昭55-68243号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭または低減することに関して鋭意検討を重ねた結果、甘蔗由来の抽出物が前記不快臭の消臭または低減に効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は第1に、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法において、野菜類または豆類を調理するに際して、甘蔗由来の抽出物を該野菜類または豆類に直接的又は間接的に適用することを特徴とする方法であって、該甘蔗由来の抽出物が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出し、回収することによって得られるものであり、該合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂であるところの方法を提供するものである。
【0009】
本発明は第2に、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭剤において、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とし、該甘蔗由来の抽出物が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出し、回収することによって得られるものであり、該合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂であるところの消臭剤を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、野菜類または豆類とは、特有な不快臭の低減を必要とする野菜類または豆類である。そのような不快臭には、野菜類や豆類が本来有する臭いの他に、野菜類や豆類が発酵した結果生じる不快臭、野菜類や豆類を乾燥した結果生じる不快臭、野菜類や豆類を調理または加工した結果生じる不快臭、野菜類や豆類を冷蔵または冷凍した結果生じる不快臭なども含まれる。例えば、タマネギ、ピーマン、ニンジン、ゴボウ、キュウリ、キャベツ、白菜、セロリ、パセリ、トマト、ニンニク、ニラ、ネギ、アスパラガス、ラッキョウ、カブなどの野菜類;大豆、グリーンピース、サヤエンドウ、そら豆、カカオ豆、コーヒー豆などの豆類;フキ、ウド、ワラビ、ゼンマイなどの山菜類などが挙げられる。この他に、コンニャク、里芋などの芋類、シイタケ、エノキなどのキノコ類、米、麦などの穀類、ワカメ、ひじきなどの海草類、果物類等において本発明の効果が得られる。特に特有の強い匂いを有するものにおいて、本発明の効果が大きい。
【0011】
本発明の方法においては、上記したような野菜類または豆類を調理する際に、甘蔗由来の抽出物を含有させることを特徴とする。
【0012】
調理方法としては、慣用の食品調理方法がいずれも使用でき、例えば煮る、焼く、炒める、揚げるなどの加熱調理方法、水洗する、水にさらす(あくぬき等)、あえる、あるいは漬ける(塩漬けやぬか漬け等)、微生物により発酵させる(納豆や味噌等)といった発酵を利用した調理などの非加熱調理方法が挙げられる。甘蔗由来の抽出物は、いずれの調理方法において使用することも可能である。例えば加熱調理の際には、最初から野菜類または豆類に添加しておいてもよいし、あるいは加熱中の適当な時期に添加することもできる。調理の種類と野菜類または豆類の種類に応じて適当な方法を選択する。非加熱調理の際には、例えば水洗したり、水にさらす場合、甘蔗由来の抽出物を溶かした水を使用することができる。
【0013】
甘蔗由来の抽出物とは、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られるものを意味する。
【0014】
本発明において「甘蔗汁」という語は、甘蔗(さとうきび)を圧搾して得られる圧搾汁または、甘蔗を浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁、精製糖製造工場における樹脂塔再生液、あるいは、植物由来の成分抽出法において汎用の溶媒で抽出された抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液を意味する。そのような抽出溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル類が挙げられ、これらを単独でも組合せて使用してもよい。さらに、アルコール類、ケトン類の場合には、水との組合せで使用してもよい。
【0015】
また、「甘蔗由来の製糖蜜」とは、甘蔗汁から遠心分離によって糖を除去して残った糖蜜部分を意味し、例えば原糖製造工場における一番白下、二番白下、製糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、ブラウンリカー、精糖廃蜜などが挙げられる。特に製糖廃蜜および精糖廃蜜とは甘蔗汁から糖の大部分を除去して残った糖蜜部分を意味し、製糖工場で最終的に得られる、もはや経済的に糖を回収しえない部分である。
【0016】
本発明において、甘蔗由来の抽出物は、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜、から選ばれた原料をカラムクロマトグラフィーで処理して得られる消臭物質であって、前記原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる画分であるところの消臭物質であるのが好ましい。
【0017】
前記消臭物質は、上記甘蔗汁および/または製糖蜜を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理する。上記甘蔗汁または製糖蜜をそのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムで処理する。なお異物除去のために、カラムで処理する前に、甘蔗汁および/または製糖蜜を濾過することが好ましい。濾過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーン濾過、ケイソウ土濾過、精密濾過、限外濾過等の手段を好ましく使用できる。
【0018】
固定担体としては、合成吸着剤を用いる。合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。さらに好ましくは芳香族系樹脂であり、特に無置換基型の芳香族系樹脂が使用できる。合成吸着剤として、例えばスチレン‐ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂等が使用でき、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂が使用できる。より好ましくは無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が使用できる。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイアイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50 (以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト (商標)系として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイアイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)等が挙げられる。なかでも、SP−850が特に好ましい。
【0019】
固定担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化する。原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量が好ましい。
【0020】
原料(甘蔗汁および製糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことにより、原料中の消臭効果を有する成分は固定担体に吸着され、糖類の大部分がそのまま流出して除去される。
【0021】
固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。ここで、消臭活性を有する成分を効率よく溶出するには、その前に残留する糖類や塩類などを水洗により十分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている目的とする消臭物質をより効率よく回収することができる。溶出溶媒は、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる。溶出溶媒は水とアルコールとの混合溶媒、特にエタノール−水混合溶媒が好ましく、更に、室温において効率よく目的とする消臭物質を溶出できるので50/50 〜60/40 (体積/体積)エタノール‐水混合溶媒が好ましい。さらに、カラム温度を上げることにより、エタノール‐水混合溶媒のエタノール混合比を減らすことができ、カラム温度が50〜120℃である場合には、水のみでも効率よく目的とする消臭物質を溶出することができる。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された状態である。このように、消臭活性を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在するが、カラムに残留する糖がまず溶出(もしくは流出)するので、好ましくは糖類(特にスクロース、グルコースおよびフルクトース)がほとんど溶出し終わった画分以降の溶出画分を回収する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10(時間-1)が好ましい。なお、SV(Space Velocity の略)は、空間速度のことで、1時間当たりの樹脂容積の何倍量を通液するかという単位である。
【0022】
前記消臭物質は特に、次のようにして得ることができる。すなわち、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液した後、カラムに吸着された成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50 〜 60/40(体積/体積)エタノール‐水混合溶媒で溶出させ、エタノール‐水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。
【0023】
かくして回収された画分(消臭活性を有する)を集め、慣用の手段(減圧下での溶媒留去、凍結乾燥など)により濃縮して、消臭物質を得ることができる。このようにして得られた消臭物質は、固形分60%以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【0024】
消臭物質においては、糖類の含有量は、固形分量に対して好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。ここで、糖類とは、スクロース、グルコースおよびフルクトースをいい、糖類の含有量とは、これらの合計の含有量を意味する。糖類の含有量が多すぎると、糖類に起因する甘味により用途が限定されてしまう。さらに、消臭物質中の消臭有効成分の割合が少なくなるために固形分量に対する消臭効果が低下してしまう。糖類は通常0.1 重量%以上含まれる。固定担体で処理した消臭物質における糖類の含有量は、高速液体クロマトグラフィーで検出することができるが、薄層クロマトグラフィーでは、その糖類の濃度によっては、検出できない場合がある。
【0025】
前記消臭物質は、さらに精製することができる。精製は、例えば固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法および/または液液分配法を使用することができる。固定担体を用いたクロマトグラフィーによる精製法としては、例えば合成吸着剤またはイオン交換樹脂を用いた吸着型、分配型、分子ふるい等のクロマト型のクロマトグラフィーが挙げられる。また液液分配法としては、例えば分液ロートを用いる方法、向流分配または液滴向流クロマトグラフィーによる方法が挙げられる。種々の精製法を任意の順序で、組合せて使用できる。それぞれの精製法を複数回繰り返し行ってもよい。好ましくは、固定担体を用いたクロマトグラフィーと液液分配法とを組合せて行う。また、イオン交換樹脂を用いた分配型のクロマトグラフィーにより精製する方法が好ましい。
【0026】
本発明の方法において、甘蔗由来の抽出物の使用量は、その精製度、あるいは対象となる野菜類または豆類の種類、鮮度、産地または調理方法等の要因に依存するので、一慨には決められない。野菜類または豆類の特有な不快臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できる量を添加することが好ましい。一般的には、野菜類または豆類100 重量部に対して、甘蔗由来の抽出物を、好ましくは1.0 ×10-8〜0.5 重量部、より好ましくは1.0 ×10-8〜0.3 重量部含有させる。この範囲で使用すると、十分本発明の効果を得ることが出来る。なお、甘蔗由来の抽出物の使用量が少ないと、野菜類または豆類の不快臭を消臭する効果が少なく、また多いと経済的でないばかりでなく、かえって野菜類または豆類本来の旨味の味を消してしまったり、または味を損なうことがある。上記使用範囲において使用すれば、食品の色を損なったり、または甘蔗由来の抽出物が持つ臭いが食品に影響したりすることもない。
【0027】
次に、本発明の消臭剤は、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭剤であり、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とする。ここで、甘蔗由来の抽出物は、前記した野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法において使用する甘蔗由来の抽出物が使用できる。
【0028】
本発明の消臭剤には、甘蔗由来の抽出物の他に、さらに添加剤、分散剤、賦形剤等の任意の成分を含むことができる。添加剤、分散剤、賦形剤としては、例えば砂糖、乳糖、トレハロースなどの各種糖類、パラチニット、ラクチトールなどの各種糖アルコール;アスパルテーム、ステビアなどの各種高甘味度甘味料、デキストリン、プルランなどの各種多糖類、コーンスターチ、バレイショデンプンなどの各種デンプン類、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの各種セルロース誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステルなどの各種乳化剤、ビタミンCなどの各種ビタミン類、硬化油脂などの油脂類、紅花色素などの各種天然または合成色素類などが挙げられる。
【0029】
本発明の消臭剤は、甘蔗由来の抽出物だけ、あるいはこれと上記の添加剤、分散剤、賦形剤等とを含むものであってもよいが、さらに造粒、打錠などすることにより、適当な形状に加工したり、水、アルコール、プロピレングリコールなどの、食品に利上上問題とならない溶解剤を用いて溶液状に加工して用いることができる。このようにして、前記甘蔗由来の抽出物を加工することにより、本発明の消臭剤を得ることができる。
【0030】
本発明の消臭剤の形状は特に限定されず、固体状または液体状、あるいは両者の混在した状態など任意の形態をとることができる。
【0031】
本発明の消臭剤は、野菜類または豆類100 重量部に対して、甘蔗由来の抽出物の割合が1.0 ×10-8〜0.5 重量部であるような量で使用されるのが好ましい。甘蔗由来の抽出物の割合は、より好ましくは1.0 ×10-8〜0.3 重量部である。ただし、この量は、甘蔗由来の抽出物の精製度、あるいは対象となる野菜類または豆類の種類、鮮度、産地等の要因に依存するので、一慨には決められない。野菜類または豆類の特有な不快臭を十分効果的にまた経済的に消臭(または低減)できる量であることが好ましい。
【0032】
上述した本発明の方法および本発明の消臭剤は、野菜類または豆類に直接的または間接的に適用できる。例えば野菜類または豆類のサラダ用ドレッシング;納豆にかける調味料;野菜ジュース;タケノコの水煮、白桃、ミカンなどの缶詰品;ミックスベジタブル等の冷凍野菜類;乾燥パセリ、バジル、ネギなどのフリーズドライ製品;野菜スープなどのレトルト食品;野菜ジュース、野菜果物ジュース等の飲料または豆乳などの豆類を使用した飲料;大根、ゴボウ、ニンジン、里芋等の野菜の煮物;煮付け野菜類および豆類;炒め野菜類;大根、こんにゃくなどを使用したおでん;白菜、きゅうり、なすなどの漬け物などに適用することができる。あるいは、味噌、ぬか(ぬか漬け)などの、米や大豆の発酵による臭気の低減にも適用できる。
【0033】
本発明の方法および本発明の消臭剤が適用できる別の例として、チョコレートの場合について述べる。チョコレートの主原料であるカカオマスは、特有の芳香と風味を持っており、製菓原材料として優れた特徴を示すが、これはカカオ豆に含まれる成分が、豆の発酵や焙煎工程などで化学変化を起こし、特有の風味を示す成分、例えば、カカオタンニン、テオブロミン、芳香物質等が含まれていることによる。なお、チョコレートは、カカオマス、ココアバター、油脂、糖類、粉乳、乳化剤等が用いられ、その構成成分比、並びに使用する原材料が本来有する風味の組合せにより、チョコレートとして好ましい味、テクスチャーが構成されている。しかし、カカオ豆には、不快臭のもとになる揮発性成分やこげ臭なども含まれるため、これらの好ましくない臭いをコンチング工程において、時間と設備をかけて除く製造方法が採られている。しかしながら、チョコレートには、なお喉に残る収斂性などに代表されるような不快臭が残る場合がある。そこで、チョコレートの製造の際に、甘蔗由来の抽出物を添加することによって、チョコレートの不快臭を消臭または減少することができる。よって、コンチング工程を短くすることができるため、チョコレート製造の時間を節約することができ、また、結果的に、コンチング工程の設備を有効に利用できる。このように、本発明の方法により、または本発明の消臭剤を使用することにより、チョコレート特有の収斂性などに代表されるような不快臭を消臭もしくは低減することが可能である。
【0034】
本発明を、以下の実施例においてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
なお、以下では、特に記載しない限り%は、重量%である。
【0036】
また、特に記載がなければ、官能検査は、対象食品を食するかまたは飲用することによって行った。
【0037】
製造例1
原糖製造工場の製糖工程にて得られた、甘蔗汁を石灰処理した清浄汁(宮古島産、固形分12.1%)2000リットルを、ジュースヒーターで80℃に加温し、カートリッジフィルター(アドバンテック(株)製、コットンワインドカートリッジフィルター、TCW−100−CSD型)3本で濾過処理した。合成吸着剤(セパビーズSP−850;商品名、三菱化学(株)製)45リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径26.0cm、高さ120cm、)に充填し、これに前記の清浄汁濾過処理物を、流速90リットル/時間(SV=2.0)の速度で通液した。なお清浄汁通過中はウォータージャケットには、65℃の水を常に循環させた。次に135リットルのイオン交換水を、流速90リットル/時間(SV=2.0)でカラムに通液して洗浄した。
【0038】
イオン交換水で洗浄後カラムから溶出した画分について糖の検出をおこなったところ、ハンドレフ ブリックス(Bx)計(アタゴ(株)製、N−1E型)において、Bxが約0になっているのを確認した。その後、溶出溶媒として55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))を、流速90リットル/時間(SV=2.0)にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。なお溶出溶媒通過中はウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。エタノール水溶液にて溶出させた画分を、濃縮機にて減圧濃縮した後、一晩凍結乾燥して、茶褐色の粉末(I)490gを得た。
【0039】
粉末(I)の糖類を定量したところ、0.9%であった。
【0040】
糖類の定量は、スクロース、グルコースおよびフルクトースの合計の定量を行い、高速液体クロマトグラフィーによる内部標準法により標準物質(スクロース、グルコースおよびフルクトース)と比較した。なお、高速液体クロマトグラフィーの条件は、カラムERC−NH−1171(エルマ(株)製)、流速1.0ml/分、温度20℃、溶媒 アセトニトリル:水=80:20(体積比)、検出器RI−8010(東ソー(株)製)、内部標準物質 グリセリン(和光純薬(株))、クロマトレコーダー SC−8020(東ソー(株))であった。
実施例1(タマネギのスライス)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、タマネギ臭の消臭効果を試験した。タマネギの外皮を除き、包丁でスライスした。このスライスしたタマネギの半量を、上記粉末を溶かした0.05%水溶液を用いて水さらしを20分間行い、ざるにあけて十分に水を切った後、官能検査をおこなった。なお味付けとして、水さらしタマネギ100gに対して醤油5mlをかけた。対照には、上記タマネギスライスの残り半量を、水のみを使用して水さらししたものを同様に味付けした。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表1に示したように、5段階で評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003731626
【0042】
【表2】
Figure 0003731626
表2から、本発明による方法を適用したタマネギのスライスでは、タマネギ特有のタマネギ臭さが減少していることが分かった。
【0043】
実施例2(タマネギの臭気測定器による臭いの測定試験)
みじん切りにしたタマネギに、製造例1で得られた粉末(I)をそれぞれ、0.30%(試験品A)および0.15%(試験品B)になるような量で添加し、均一になるようによく混合した。この混合したタマネギ1gを臭気測定用袋(商品名 フレックサンプラー(商標)臭袋、近江アドエアーサービス製)に入れ、無臭空気を充填した後、口をパラフィルムで包み、37℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、パラフィルムをはずし、臭気測定器(カルモアΣ;カルモア(株)製)を用い、開封直後のΣ値を測定した。対照には、上記粉末を添加していない、みじん切りにしたタマネギを使用した。なお、各値はベース値(サンプルの代わりに、無臭空気を吸い込み測定したΣ値)を差し引いた値である。その結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
Figure 0003731626
表3から、製造例1で得られた粉末(I)を添加したタマネギの場合には、対照品に比べてΣ値は明らかに減少しており、また、試験品AとBとを比較すると、粉末(I)の添加量が多い方(試験品A)がΣ値は減少する傾向がみられることが分かる。
【0045】
実施例3(トマト野菜ジュース)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販のトマト野菜ジュース(濃縮トマト還元、にんじん、せろり、ビート、パセリ、レタス、クレソン、ほうれん草入り)(商品名 V8 100%野菜ジュース、サントリー(株))における野菜臭の消臭効果を試験した。上記粉末の1%水溶液を、トマト野菜ジュースに対して1%の量(粉末の重量がトマト野菜ジュースの0.01%)で添加し、よく攪拌した後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表4に示したように、5段階で評価した。結果を表5に示す。
【0046】
【表4】
Figure 0003731626
【0047】
【表5】
Figure 0003731626
表5から、本発明による方法を適用したトマト野菜ジュースでは、対照品に比べて、トマトおよび野菜特有の臭さが減少していることが分かった。また、パネラーの意見として、トマトおよびセロリ特有の臭さが特に減少しているため飲みやすいという意見があった。
【0048】
実施例4(野菜果物ジュース)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販の野菜果物ジュース(りんご、ぶどう、グレープフルーツ、レモン、ほうれん草、モロヘイヤ、にんじん、セロリ、キャベツ、ピーマン、パセリ、クレソン、ラッディッシュ、三つ葉、グリーンピース、クロレラ抽出液入り)(商品名 緑の野菜、伊藤園(株))における野菜臭の消臭効果を試験した。上記粉末の1%水溶液を、野菜果物ジュースに対して1%の量(粉末の重量が野菜果物ジュースの0.01%)で添加し、よく攪拌した後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表6に示したように、5段階で評価した。結果を表7に示す。
【0049】
【表6】
Figure 0003731626
【0050】
【表7】
Figure 0003731626
表7から、本発明の方法を適用した野菜果物ジュースでは、野菜および果物特有の臭さがより減少していることが分かった。
【0051】
実施例5(アスパラガスの水煮缶)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、缶詰アスパラガスの臭いの消臭効果を試験した。まず、市販のアスパラガス水煮缶(商品名 アスパラガス(ホワイト)、(株)中島薫商店)の内容液を捨て、固形分(アスパラガス)を取り出した。アスパラガスを上記粉末の0.01%水溶液に浸して、均一に混ぜた後、ザルで水を切って、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表8に示したように、5段階で評価した。結果を表9に示す。
【0052】
【表8】
Figure 0003731626
【0053】
【表9】
Figure 0003731626
表9から、本発明による方法を適用したアスパラガスでは、アスパラガス特有の臭さがより減少していることが分かった。
【0054】
実施例6(ほうれん草のおひたし)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、ほうれん草の消臭効果を試験した。ほうれん草に対して1%となる量で粉末(I)を添加した2Lの熱湯中で、ほうれん草500gを7分間ゆでた。これからほうれん草のおひたしを作り、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の溶液の代わりに同量の水(熱湯)でゆでたこと以外は、同様にしておひたしを作った。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表10に示したように、5段階で評価した。結果を表11に示す。
【0055】
【表10】
Figure 0003731626
【0056】
【表11】
Figure 0003731626
表11から、本発明の方法を適用したほうれん草のおひたしでは、対照に比べてほうれん草特有の臭さがより減少していることが分かった。
【0057】
実施例7(野菜ドレッシング)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して野菜ドレッシングを作り、野菜サラダにかけた場合の、野菜臭の消臭効果を試験した。表12に示す配合で野菜ドレッシングを作った。まず、食酢25mlに塩、グルタミン酸ナトリウム、ブドウ糖、コショウおよび粉末(I)をいれて混ぜ、よく撹拌して溶かした。これにサラダ油50mlを少量ずつ加えて撹拌し、サラダ油を入れ終わったところで、最後に残った食酢25mlを入れよく撹拌した。このようにして作った野菜ドレッシングを野菜サラダにかけた。野菜サラダは、ピーマン、キュウリ、キャベツ、タマネギ、ニンジン、パセリ、セロリを千切りにしよく混合したものであった。野菜サラダ50gに、野菜ドレッシング5mlをよく振ってかけ、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を加えないものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表13に示したように、5段階で評価した。結果を表14に示す。
【0058】
【表12】
Figure 0003731626
【0059】
【表13】
表13
Figure 0003731626
【0060】
【表14】
Figure 0003731626
表14から、本発明の方法を適用した野菜ドレッシングを、ピーマン、キュウリ、キャベツ、タマネギ、ニンジン、パセリおよびセロリの野菜サラダにかけて食すると、各種野菜に特有の臭さが低減されることがわかった。また、パネラーの意見として、特にニンジンおよびセロリ特有の臭さが特に減少しているため食べやすいという意見があった。
【0061】
実施例8(豆乳)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、豆乳特有の臭いの消臭効果を試験した。市販の豆乳(商品名 調製豆乳、(株)紀文フードケミファ)に、上記粉末の1%水溶液を、豆乳に対して1%の量(粉末の重量が豆乳の0.01%)で添加し、よく攪拌した後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表15に示したように、5段階で評価した。結果を表16に示す。
【0062】
【表15】
Figure 0003731626
【0063】
【表16】
Figure 0003731626
表16から、本発明の方法を適用した豆乳では、豆乳特有の臭さがより減少していることが分かった。
【0064】
実施例9(グリーンピースご飯)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、グリーンピースの臭いの消臭効果を試験した。市販の缶詰のグリーンピース(商品名 グリンピース、(株)ジェスマック)50g、上記粉末(I)0.05gを溶かした水および米二合を、炊飯器にて炊いた。炊きあがった後によくご飯を蒸らしてから、官能検査を行った。官能検査は、調理をした日だけでなく、次の日(グリーンピースご飯を炊飯器に入れ保温をしたまま、1晩おいた)にも行った。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表17に示したように、5段階で官能試験を行った。結果を表18に示す。
【0065】
【表17】
Figure 0003731626
【0066】
【表18】
Figure 0003731626
表18から、本発明の方法を適用したグリーンピースご飯では、グリーンピース特有の臭さ(青くささ)が除かれていることがわかった。また、パネラーの意見として、調理当日に比べて1日経過した場合、対照品ではグリーンピース特有の臭さが少し増しているのに対し、試験品ではグリーンピース特有の臭さが減少していると感じられるという意見があった。さらに、通常ご飯は1日おくと、ご飯のにおいが変化して、ご飯特有の嫌な臭いや味を呈するが、本発明の方法を適用したグリーンピースご飯では、そのようなご飯特有の嫌な臭いや味が対照品に比べ少ないという意見が多かった。
【0067】
実施例10(納豆)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、納豆の臭いの消臭効果を試験した。市販の納豆(商品名 鎌倉山納豆、野呂食品(株))に、上記粉末の1%水溶液を納豆に対して1%の量(粉末の重量が納豆の0.01%)で添加し、均一によく練った後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表19に示したように、5段階で評価した。結果を表20に示す。
【0068】
【表19】
Figure 0003731626
【0069】
【表20】
Figure 0003731626
表20から、本発明の方法を適用した納豆では、納豆特有の臭さが低減していることが分かった。
【0070】
実施例11(キムチ)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、キムチの臭い(野菜の発酵臭)の消臭効果を試験した。白菜(約2〜3cmに切ったもの)、大根(約5mm幅に切ったもの)、キュウリ(約5mm幅に切ったもの)を、ビニール袋に入れた。この野菜の入ったビニール袋に、粉末(I)の1%水溶液を上記野菜に対して1%の量で(粉末の重量が野菜の0.01%)添加した。さらに、袋に市販のキムチの素(商品名 本格キムチ、エバラ食品工業(株))を入れ、均一によく混ぜ、野菜全体を30回よくもんだ。12時間冷蔵庫にて漬けた後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表21に示したように、5段階で評価した。結果を表22に示す。
【0071】
【表21】
Figure 0003731626
【0072】
【表22】
Figure 0003731626
表22から、本発明の方法を適用したキムチでは、キムチ特有の臭さ(白菜、大根およびキュウリのキムチ漬けをしたことによる発酵臭)が低減していることが分かった。
【0073】
実施例12(ぬか漬け(きゅうり、なす))
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、漬けもの(きゅうり、なす)の臭い(野菜の発酵臭)の消臭効果を試験した。上記粉末の1%水溶液を、ぬかみそに対して5%となる量(粉末の重量がぬかみその0.05%)で、水1500mlに添加した。ここに食塩300gを加えて煮立て、よく冷ました。これを、市販の漬けもの用ぬかみそ(商品名 漬物用いりぬか、国城産業(株))2袋(1600g)に少しずつ加え、よく練った。このぬか床を毎日朝夕2回よくかき混ぜて2週間ねかせた後、使用した。このぬか床に、2つに縦割りしたきゅうり、なすを入れ、一日つけ込んだ後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表23に示したように、5段階で評価した。結果を表24に示す。
【0074】
【表23】
Figure 0003731626
【0075】
【表24】
Figure 0003731626
表24から、本発明の方法を適用した漬けものでは、漬けもの特有の臭さ(ぬか漬けによる野菜の発酵臭)が低減していることが分かった。また、パネラーの意見として、漬けもの特有の臭さ(発酵臭)と同時に、きゅうり、なす特有の臭さが減少しているため食べやすいという意見があった。
【0076】
実施例13(浅漬け(白菜、キャベツ、にんじん、かぶ))
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、浅漬け(白菜)の野菜の臭いの消臭効果を試験した。白菜(約8〜10cmにせん切りにしたもの)、キャベツ (約8〜10cmにせん切りにしたもの)、にんじん(約3mm幅に切ったもの)、かぶ(約3mm幅に切ったもの)をビニール袋に入れた。これに、上記粉末の1%水溶液を、上記野菜に対して1%となる量(粉末の重量が野菜の0.01%)で添加し、さらに市販の浅漬け用調味料(商品名 浅漬けの素、エバラ食品工業(株))も添加した。均一によく混ぜ、野菜全体を30回よくもんだ。12時間冷蔵庫にて漬けた後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同量の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名 (A〜O)によって行い、以下の表25に示したように、5段階で評価した。結果を表26に示す。
【0077】
【表25】
Figure 0003731626
【0078】
【表26】
Figure 0003731626
表26から、本発明の方法を適用した浅漬けでは、浅漬けした白菜、キャベツ、にんじん、かぶ特有の浅漬けによる野菜臭さが低減していることが分かった。また、パネラーの意見として、浅漬け特有の臭さ(野菜の発酵臭)と同時に、特ににんじん特有の臭さが減少しているため食べやすいという意見があった。
【0079】
実施例14(ニンニク)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、ニンニクの臭いの消臭効果を試験した。50ml容のビーカーに、すりおろしたニンニク2gおよび粉末(I)の0.75%水溶液200μlを入れて均一に混ぜ、サランラップを用いて蓋をした。30分後にサランラップをあけた直後の、ニンニクの臭いを官能検査した。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表27に示したように、5段階で評価した。結果を表28に示す。
【0080】
【表27】
Figure 0003731626
【0081】
【表28】
Figure 0003731626
表28から、本発明の方法を適用したニンニクでは、ニンニク特有の臭さが減少していることが分かった。
【0082】
実施例15(ワサビ漬け)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、ワサビ漬けの臭いの消臭効果を試験した。市販のワサビ漬け(商品名 野沢奈わさび、丸佐食品(有))に、上記粉末の1%水溶液を、ワサビ漬けに対して1%となる量(粉末の重量がワサビ漬けの0.01%)で添加し、均一に混ぜた後、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに、同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表29に示したように、5段階で評価した。結果を表30に示す。
【0083】
【表29】
Figure 0003731626
【0084】
【表30】
Figure 0003731626
表30から、本発明による方法を適用したワサビ漬けでは、ワサビ漬け特有の臭さ(ワサビと酒粕などの複合臭であるが、主にワサビ臭を判断基準とした)が減少していることが分かった。
【0085】
実施例16(ショウガ)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、ショウガの臭いの消臭効果を試験した。すりおろしたショウガに、粉末(I)の1.0%水溶液を、すりおろしたショウガに対して1.0%となる量(粉末の重量がショウガの0.01%)で均一に混ぜ、30分後にこのショウガを食べて官能検査をおこなった。対照には、上記粉末の溶液の代わりに、同体積の蒸留水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表31に示したように、5段階で評価した。結果を表32に示す。
【0086】
【表31】
Figure 0003731626
【0087】
【表32】
Figure 0003731626
表32から、本発明の方法を適用したショウガでは、ショウガ特有の臭さが減少していることが分かった。
【0088】
実施例17(冷凍野菜のサラダ)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、冷凍野菜のサラダ(スイートコーン、グリーンピース、にんじん)の臭いの消臭効果を試験した。市販のミックスベジタブル(商品名 ミックスベジタブル(スイートコーン、グリーンピース、にんじん入り)、(株)ジェスマック)を用いた。水200mlの中に、粉末 (I)を、ミックスベジタブルに対して0.01%となる量加えて溶かした。これにミックスベジタブル100gを入れ、10分間電子レンジで温めた。ざるを用いてミックスベジタブルの水分を良く切った後、調味料はつけないで、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末を溶かした水溶液の代わりに、同体積の水を使用した。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、以下の表33に示したように、5段階で評価した。結果を表34に示す。
【0089】
【表33】
Figure 0003731626
【0090】
【表34】
Figure 0003731626
表34から、本発明の方法を適用した冷凍野菜サラダでは、野菜特有の臭さが減少していることが分かった。また、パネラーの意見として、特にニンジンの特有の臭さがもっとも顕著に消えているという意見や、野菜特有の臭さと同時に、冷凍食品特有の臭さ(冷凍した結果生ずる不快臭、いわゆる冷蔵庫臭)も減少しているという意見があった。
【0091】
実施例18(ビターチョコレート)
製造例1で得られた粉末(I)を使用してビターチョコレートをつくり、チョコレートの臭いの消臭効果を試験した。表35に示す配合量のそれぞれ5倍量の砂糖、カカオマス、半量のココアバター、植物性油脂および粉末(I)を万能混合機(型番 CS型25、関東混合機工業(株)製)で混合(155rpm/分)し、3連ロール(型番 S−4(3/4)×11、(株)井上製作所製)を用いて、リファイニングをおこなった。ココアバターの残量を添加し、ジャケット付きの万能混合攪拌機(型番 CS型25、関東混合機工業(株)製)を用いて、60℃、5時間、260rpm/分でコンチングをおこなった。コンチング工程の初期と中期に粘度が上がってきたところでそれぞれ、レシチンを半量ずつ添加した。さらに香料を添加し、テンパリング後、脱泡をおこない、成形してビターチョコレートを製造した。これを用い、官能検査をおこなった。対照には、上記粉末(I)を加えなかった。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表36に示したように、5段階で評価した。結果を表37に示す。
【0092】
【表35】
Figure 0003731626
【0093】
【表36】
Figure 0003731626
【0094】
【表37】
Figure 0003731626
表37から、本発明の方法を適用したビターチョコレートは、チョコレート原料由来の特有の嫌みが除かれていることがわかった。また、パネラーの意見として、チョコレート原料由来の特有の嫌み、特にビター味由来の後味として残る収斂味が減少しているとともに、全体的に風味の良いビターチョコレートになっているという意見があった。このように、通常、チョコレートの製造においては14〜18時間コンチングをおこない、カカオ豆由来の不快臭のもとになる揮発性成分やこげ臭など除くが、粉末(I)をチョコレートに混合することにより、短時間のコンチングでもチョコレート原料由来の特有の不快臭がない、おいしいチョコレートを製造することができた。
【0095】
実施例19(インスタントコーヒー)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、インスタントコーヒーの臭いの消臭効果を調べた。市販のインスタントコーヒー(商品名 ネスカフェGOLD BLEND、ネスレ日本(株))2gに、お湯140mlを加え、これに、粉末(I)の0.5%水溶液10μlを加え、均一に混ぜた。これを用いて官能検査をおこなった。なお、砂糖、ミルクは使用しないこととした。対照には、上記粉末の水溶液の代わりに同量の蒸留水を加えたものを用いた。官能検査は、専門の検査員(パネラー)15名(A〜O)によって行い、下記表38に示したように、5段階で評価した。結果を表39に示す。
【0096】
【表38】
Figure 0003731626
【0097】
【表39】
Figure 0003731626
表39から、本発明による方法を適用したインスタントコーヒーは、インスタント特有の臭さ(コーヒー豆抽出液を凍結乾燥する工程で生ずる臭い、いわゆるインスタント臭)や粉臭さが非常に抑えられていることがわかった。また、パネラーの全員の一致した意見として、インスタントコーヒー特有の粉臭さ、酸味が非常によく取り除かれており、かつ、コーヒー本来のおいしさも損なわれておらず、驚くべきごとに香ばしい風味が増強され、非常にレギュラーコーヒーに近い、良い味のインスタントコーヒーとなった。
【0098】
実施例20(にんじんジュース)
製造例1で得られた粉末(I)を使用して、市販のにんじんジュースのにんじん臭の消臭効果を調べた。市販のにんじんジュース(濃縮にんじん、レモン入り)(商品名 Carrot100、カゴメ(株))100重量部に対して、粉末(I)を表40に示す割合で添加し、よくかき混ぜた。かくして得られたにんじんジュースを各50mlづつ準備し、官能検査をおこなった。官能検査は、特に鼻の効く専門の検査員(パネラー)5名(A〜E)によって行ったところ、以下の表40に示したような結果が得られた。
【0099】
【表40】
Figure 0003731626
表40から、本発明の方法を適用すると、にんじん特有な不快臭が抑えられることが分かる。さらに、粉末(I)の非常に微量の(にんじんジュース100重量部に対して1.0 ×10-8重量部)添加でも、にんじん特有な不快臭が消臭されていることがわかった。また、パネラーの意見として、試験品の方が、非常にすっきりとした飲み心地のにんじんジュースであるとの意見があった。
【0100】
【発明の効果】
本発明の方法および消臭剤は、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減することが可能である。しかも使用する甘蔗由来の抽出物は、昔から人々に食されてきた食品である甘蔗から得られたものであるので、人体に安全なものである。よって、本発明の方法および消臭剤は、野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための用途に広く使用できる。

Claims (6)

  1. 野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための方法において、野菜類または豆類を調製するに際して、甘蔗由来の抽出物を該野菜類または豆類に直接的又は間接的に適用することを特徴とする方法であって、該甘蔗由来の抽出物が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出し、回収することによって得られるものであり、該合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である、方法。
  2. 甘蔗由来の抽出物の糖類の含有量が、固形分量に対して50重量%以下である請求項1記載の方法。
  3. 野菜類または豆類の調理前の重量100 重量部に対して、甘蔗由来の抽出物を1.0 ×10−8〜0.5 重量部含有させる請求項1または2記載の方法。
  4. 野菜類または豆類の特有な不快臭を消臭もしくは低減するための消臭剤において、甘蔗由来の抽出物を含むことを特徴とし、該甘蔗由来の抽出物が、甘蔗汁、および甘蔗由来の製糖蜜から選ばれた原料を、固定担体として合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出し、回収することによって得られるものであり、該合成吸着剤が、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、又はアクリロニトリル脂肪族系樹脂である、消臭剤。
  5. 甘蔗由来の抽出物の糖類の含有量が、固形分量に対して50重量%以下である請求項4記載の消臭剤。
  6. 野菜類または豆類100 重量部に対して、甘蔗由来の抽出物の割合が1.0 ×10−8〜0.5 重量部であるような量で使用される請求項4または5記載の消臭剤。
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