上記課題を解決するため、請求項1記載の光ディスク装置は、本光ディスクに情報を書込む際に適正とされる基準レーザパワー及び基準レーザパターンを記憶した光ディスクと、光ディスクにレーザ光を出射する光源と、レーザ光を光ディスクに集光し光ディスクに追従して駆動される対物レンズと、レーザ光のレーザパワーまたはレーザパターンを制御するレーザ駆動部と、光ディスクを回転させるスピンドルモータと、光ディスクに記録された基準レーザパワー及び基準レーザパターンに基づいてレーザ光を出射して光ディスクに試し書きを行い、その読取り結果に基づいて基準レーザパワーまたは基準レーザパターンを修正する記録学習を行う制御部と、を具備し、制御部は、光ディスク一回転分の対物レンズの駆動量を測定して対物レンズの駆動量の最大値と駆動量が最大となる光ディスク上の位置を検出した後に、駆動量の最大値と所定値とを比較し、駆動量の最大値が所定値よりも大きい場合には、対物レンズの駆動量を測定した領域を4つの領域に分割した後、駆動量が最大となる光ディスク上の位置を含む領域のみで記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御するものである。
本発明によれば、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、チルトや偏心や面ぶれが大きいディスクに記録を行う場合でも、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、請求項2記載の光ディスク装置は、光ディスクにレーザ光を出射する光源と、光源から出射されたレーザ光の基準レーザパワー及び基準レーザパターンを記憶した記録部と、レーザ光を光ディスクに集光し光ディスクに追従して駆動される対物レンズと、レーザ光のレーザパワーまたはレーザパターンを制御するレーザ駆動部と、記録部に記録された基準レーザパワー及び基準レーザパターンに基づいてレーザ光を出射して光ディスクに試し書きを行い、その読取り結果に基づいて基準レーザパワーまたは基準レーザパターンを修正する記録学習を行う制御部と、を具備し、制御部は、光ディスク一回転分の対物レンズの駆動量を測定して対物レンズの駆動量の最大値と駆動量が最大となる光ディスク上の位置を検出した後に、駆動量の最大値と所定値とを比較し、駆動量の最大値が所定値よりも大きい場合には、対物レンズの駆動量を測定した領域を4つの領域に分割した後、駆動量が最大となる光ディスク上の位置を含む領域のみで記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御するものである。
本発明によれば、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、チルトや偏心や面ぶれが大きい光ディスクに記録を行う場合でも、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、請求項3記載の光ディスク装置は、請求項1乃至2のいずれかに記載の光ディスク装置において、駆動量は、チルト方向の駆動量であるものである。
本発明によれば、反りを有する光ディスクに情報を記録する場合、対物レンズは、その光軸が光ディスクの面に対して略垂直となるように機械的中立状態から斜めに傾けられる。つまり、チルト方向に駆動される。チルト方向に駆動された対物レンズによって結ばれる焦点には収差が発生するため、この場合、一般に、光ディスクに情報を記録するために求められる適正なレーザパワーとレーザパターンは、反りのない光ディスクに機械的中立状態における対物レンズによって情報を記録する場合のレーザパワーとレーザパターンとは異なる。このため、さらに、反りの状態が変化するような光ディスクに記録を行う場合、光ディスクの一回転の間にレーザパワーとレーザパターンとを変化させることが求められるが、駆動量は、チルト方向の駆動量であることにより、光ディスクの一回転の間でより厳密な記録条件が求められる、チルト方向の駆動量が大きい領域への記録を学習結果に基づいて行うことができるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、請求項4記載の光ディスク装置は、請求項1乃至2のいずれかに記載の光ディスク装置において、駆動量は、トラッキング方向の駆動量であるものである。
本発明によれば、偏心を有する光ディスクに情報を記録する場合、対物レンズは、その出射光が光ディスクの情報トラックに追従するようにトラッキング方向に駆動される。対物レンズがトラッキング方向に駆動されると、光軸も移動し光ピックアップの光学系との位置関係が変わるため、この場合、一般に、光ディスクに情報を記録するために求められる適正なレーザパワーとレーザパターンは、機械的中立状態において情報を記録する場合のレーザパワーとレーザパターンとは異なる。このため、偏心を有する光ディスクに記録を行う場合、光ディスクの一回転の間にレーザパワーとレーザパターンとを変化させることが求められるが、駆動量は、トラッキング方向の駆動量であることにより、光ディスクの一回転の間でより厳密な記録条件が求められる、トラッキング方向の駆動量が大きい領域への記録を学習結果に基づいて行うことができるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、請求項5記載の光ディスク装置は、請求項1乃至2のいずれかに記載の光ディスク装置において、駆動量は、フォーカス方向の駆動量であるものである。
本発明によれば、面ぶれを有する光ディスクに情報を記録する場合、対物レンズは、その出射光が光ディスクの記録面に焦点を結ぶようにフォーカス方向に駆動される。対物レンズがフォーカス方向に駆動されると、光ピックアップの光学系との距離が変わるため、この場合、一般に、光ディスクに情報を記録するために求められる適正なレーザパワーとレーザパターンは、機械的中立状態において情報を記録する場合のレーザパワーとレーザパターンとは異なる。このため、面ぶれを有する光ディスクに記録を行う場合、光ディスクの一回転の間にレーザパワーとレーザパターンとを変化させることが求められるが、駆動量は、フォーカス方向の駆動量であることにより、光ディスクの一回転の間でより厳密な記録条件が求められる、フォーカス方向の駆動量が大きい領域への記録を学習結果に基づいて行うことができるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態における光ディスク装置のブロック図である。図1において、1は光ディスク、2はピックアップモジュール、3はスピンドルモータ、4はレンズホルダ、5は対物レンズ、6はアクチュエータ、7はキャリッジ、8は光ピックアップ、9はフィード部、10はフィードモータ、11はアナログ信号処理部、12はサーボ処理部、13はモータ駆動部、14はコントローラ、15はROM、16はRAM、17はレーザ駆動部、18はレーザ光源である。また、図1において、101は光ピックアップ8からアナログ信号処理部11に出力されるピックアップ出力信号、102はアナログ信号処理部11からサーボ処理部12に出力されるサーボエラー信号、103はピックアップモジュール2からコントローラ14に出力されるスピンドルFG信号、104は光ピックアップ8からコントローラ14に出力されるチルト信号、105はコントローラ14からサーボ制御部12に出力される制御信号、106はサーボ処理部12からモータ駆動部13とコントローラ14とに出力されるピックアップモジュール制御信号、107はモータ駆動部13からピックアップモジュール2に出力されるピックアップモジュール駆動信号、108はコントローラ14からレーザ駆動部17に出力されるレーザ制御信号、109はレーザ駆動部17から光ピックアップ8に出力されるレーザ駆動信号である。
光ディスク1にレーザの発光パターンを利用して情報の記録または再生の少なくとも一方を行うピックアップモジュール2は、光ディスク1を保持し回転させるスピンドルモータ3と、光ディスク1の情報記録面にレーザを集光する対物レンズ5と、キャリッジ7に対して移動可能に設けられ、対物レンズ5を保持するレンズホルダ4と、レンズホルダ4が搭載されたキャリッジ7を光ディスク1の半径方向に移動させるフィードモータ10を備えたフィード部9とによって構成されたものである。レンズホルダ4やキャリッジ7には、図示しないコイルやマグネット等が設けられており、コイルに電流を流すことによりレンズホルダ4をフォーカス方向やトラッキング方向に駆動するアクチュエータ6を構成している。対物レンズ5は、レンズホルダ4を介して駆動される。アナログ信号処理部11は光ピックアップ8内部の図示しない分割光センサからの出力信号であるピックアップ出力信号101に基づいて、対物レンズ5のフォーカス制御やトラッキング制御に用いるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号等のサーボエラー信号102を生成しサーボ処理部12に出力する。ここで、サーボエラー信号102のうちフォーカスエラー信号は、光スポットと光ディスク1の情報トラックのある記録面との光ディスク1厚さ方向のずれを示し、サーボエラー信号102のうちトラッキングエラー信号は、光スポットと光ディスク1の情報トラックとの光ディスク1半径方向のずれを示す。
サーボ処理部12は、アナログ信号処理部11からのサーボエラー信号102に基づいて、対物レンズ5のフォーカス動作の制御を行うフォーカス駆動電圧信号やトラッキング動作の制御を行うトラッキング駆動電圧信号を含むピックアップモジュール制御信号106を生成し、モータ駆動部13に出力する。なお、サーボ処理部12はデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部である。
モータ駆動部13は、サーボ処理部12から送られてきたピックアップモジュール制御信号106に基づいて、対物レンズ5を光ディスク1の情報トラックに追従させるフォーカス動作やトラッキング動作等のサーボ動作を行うための駆動電流信号であるピックアップモジュール駆動信号107を生成し、その信号を出力することにより、対物レンズ5のサーボ動作を行う。言い換えると、ドライバICであるモータ駆動部13は、サーボ処理部12からのピックアップモジュール制御信号106に基づいて、スピンドルモータ3とアクチュエータ6とフィードモータ10とに電流を流して駆動する。また、サーボエラー信号102のうちトラッキングエラー信号の低域成分を用いて対物レンズ5が概略中立位置を保持するようにフィード制御を行う。フィード部9は、フィードモータ10と図示しないギヤやスクリューシャフト等から構成され、フィードモータ10を回転させることによってキャリッジ7が移動し、その際フィードモータ10よりフィードモータパルスが周期的に出力されるようになっている。
制御手段であるコントローラ14には、ピックアップモジュール2やアナログ信号処理部11等の各部から信号が入力され、これらの信号の演算処理等を行い、この演算処理の結果(信号)を各部に送出し、各部にて駆動、処理を実行させ、各部の制御を行うものである。なお、コントローラ14は、少なくとも、演算機能を備えたCPU、MPU等の演算処理装置や、ROM15、RAM16等の記憶部を備える。ここで、ROM15は、光ディスク1に情報を記録する際のレーザの基準レーザパワー及び基準レーザパターンを各種光ディスク1毎に記憶したテーブルを有している。基準レーザパワー及び基準レーザパターンは、光ディスク1自体にも記憶されており、コントローラ14は、そのいずれかを用いて、光ディスク1への情報の記録に用いる最適なレーザパワー及びレーザパターンを決定する記録学習を行う。なお、コントローラ14はデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部である。
レーザ駆動部17は、コントローラ14から送られてきたレーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を所定のレーザパワー及びレーザパターンで駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させる。言い換えると、ドライバICであるレーザ駆動部13は、コントローラ14からのレーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18に電流を流して駆動する。
以上のような構成の光ディスク装置における記録学習の原理について、図2と図3とを用いて説明する。
図2は図1の光ディスク装置に面ぶれ光ディスクが装着された状態を示す模式図である。図2に示す光ディスク1は、スピンドルモータ3の回転軸3aに対して傾いて装着されているような光ディスク1である。つまり、スピンドルモータ3に装着された状態において、その記録面が回転軸3aに対して非垂直になっているような光ディスク1である。この光ディスク1は、反りと面ぶれの両方を有していると考えることができる。なお、光ディスク1の回転中心Q(図3参照)は、光ディスク1がスピンドルモータ3に装着された際に、スピンドルモータ3の回転軸3aに一致し、図2において光ディスク1は、その回転中心Qを含む断面が示されている。
図2に示すような光ディスク1に対して情報の記録を行う場合、対物レンズ5は、その光軸が光ディスク1の面に対して略垂直となるように機械的中立状態から斜めに傾けられる。つまり、チルト方向に駆動される。チルト方向に駆動された対物レンズ5によって結ばれる焦点には収差が発生するため、この状態で光ディスク1に記録された情報は、一般に、記録品質が悪くなる。なお、以下の説明において、対物レンズ5のチルトとは、対物レンズ5の傾きを示し、チルト方向の駆動量T(φ)が大きいほど、対物レンズ5が大きく傾いていることを表す。
本実施の形態においては、光ディスク1を周方向に複数領域に分割し、その中で対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)が最大となる記録学習領域1aにおいて記録学習を行う。
例えば図2に示すように、光ディスク1の内周に設けられている記録学習領域を4つに分割し、その中で対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)が最大となる記録学習領域1a内に、複数種類の例えばP1〜P5というレーザパワーと、複数種類の例えばS1〜S5というレーザパターンとで試し書きを行い、次にその試し書きを再生し、その中で最も記録品質の良かった例えばレーザパワーP3とレーザパターンS4とを選択して、情報の記録に用いるレーザパワーとレーザパターンとしてRAM16に記憶する。
これにより、一回転のうちで特に記録品質が悪くなりがちな領域に良好に記録を行うことができるレーザパワーとレーザパターンとが得られるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
なお、図2に示すような光ディスク1に対して情報を記録する場合、対物レンズ5は、チルト方向に駆動されるとともに、その出射光が光ディスク1の記録面に焦点を結ぶようにフォーカス方向にも駆動される。対物レンズ5がフォーカス方向に駆動されると、光ピックアップ8の光学系との距離が変わるため、この状態で光ディスク1に記録された情報は、一般に、記録品質が悪くなる。
本実施の形態においては、図2に示すように、光ディスク1の一回転のうち、対物レンズ5のフォーカス方向の駆動量H(φ)が最大となる記録学習領域1aにおいて記録学習を行う。
これにより、一回転のうちで特に記録品質が悪くなりがちな領域に良好に記録を行うことができるレーザパワーとレーザパターンとが得られるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
図3は図1の光ディスク装置に偏心光ディスクが装着された状態を示す模式図である。図3は、図1に示すスピンドルモータ3に装着された光ディスク1を、紙面上方向から見た図であるが、説明のために、本来は光ディスク1に覆われて見えない対物レンズ5とキャリッジ7も示している。図3に示す光ディスク1は、記憶学習領域を含む情報トラックの中心Pが、光ディスク1の回転中心Qからずれているような偏心を有する光ディスク1である。なお、光ディスク1の回転中心Qは、光ディスク1がスピンドルモータ3に装着された際に、スピンドルモータ3の回転軸3aに一致する。
図3に示すような偏心を有する光ディスク1に対して情報を記録する場合、対物レンズ5は、その出射光が光ディスク1の情報トラックに追従するようにトラッキング方向に駆動される。対物レンズ5が機械的中立位置からトラッキング方向に駆動されると、対物レンズ5の光軸も移動し光ピックアップ8の光学系との位置関係変わり、得られるサーボエラー信号102の振幅量が少なくなる。この状態で光ディスク1に記録された情報は、一般に、記録品質が悪くなる。
本実施の形態においては、光ディスク1を周方向に複数領域に分割し、その中で対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)が最大となる記録学習領域1aにおいて記録学習を行う。
例えば図3に示すように、光ディスク1の内周に設けられている記録学習領域を4つに分割し、その中で対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)が最大となる記録学習領域1a内に、複数種類の例えばP1〜P5というレーザパワーと、複数種類の例えばS1〜S5というレーザパターンとで試し書きを行い、次にその試し書きを再生し、その中で最も記録品質の良かった例えばレーザパワーP4とレーザパターンS5とを選択して、情報の記録に用いるレーザパワーとレーザパターンとしてRAM16に記憶する。
これにより、一回転のうちで特に記録品質が悪くなりがちな領域に良好に記録を行うことができるレーザパワーとレーザパターンとが得られるので、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
次に、図1の光ディスク装置における光ディスク1の回転と対物レンズ5の駆動量の関係について、図4を用いて説明する。
図4は図1の光ディスク装置におけるスピンドルFG信号と対物レンズの駆動量の関係を示す図である。図4において、(a)はピックアップモジュール2からコントローラ14に出力されるスピンドルFG信号103を示し、(b)は対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)を示し、(c)はフォーカス方向の駆動量H(φ)を示し、(d)はトラッキング方向の駆動量R(φ)を示す。
なお、図4(a)は、一回転のうちに8個のパルスを出力するようなスピンドルFG信号103であり、コントローラ14は、スピンドルモータ3に装着された光ディスク1の一回転をそれぞれのパルスの立上りと立下りとで16分割して把握している。ここでは、16分割された光ディスク1の回転位相角をφ0〜φ15とし、対物レンズ5に対向する位置における光ディスク1の回転位相角をφ(k)で表す。
また、図4(b)は、ここでは対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)として説明するが、実際には光ディスク1のチルト量の測定値である。チルト量の測定値は、ピックアップモジュール制御信号106のうち、対物レンズ5のフォーカス動作の制御を行うフォーカス駆動電圧信号を用いて測定することができる。コントローラ14は、アナログ信号処理部11の出力から得られるフォーカス駆動電圧信号を、光ディスク1の異なる2つの半径位置で測定し、その2つの測定値と、測定を行った2点間の距離との関係から光ディスク1の傾きであるチルト量を測定する。なお、光ディスク1のチルト量は、光ピックアップ8にチルトセンサを備えて測定することも同様に実施可能である。この場合、チルト量の測定値は、チルト信号104としてピックアップモジュール2から出力されコントローラ4に入力する。
また図4(c)は、ここでは対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)として説明するが、実際には光ディスク1の偏心量の測定値である。偏心量の測定値は、ピックアップモジュール制御信号106のうち、対物レンズ5のトラッキング動作の制御を行うトラッキング駆動電圧信号に相当し、コントローラ14はアナログ信号処理部11の出力からこのトラッキング駆動電圧信号を得る。
また図4(d)は、対物レンズ5のフォーカス方向の駆動量H(φ)として説明するが、実際には対物レンズ5のレンズ高さの測定値である。レンズ高さの測定値は、ピックアップモジュール制御信号106のうち、対物レンズ5のフォーカス動作の制御を行うフォーカス駆動電圧信号に相当し、コントローラ14はアナログ信号処理部11の出力からこのフォーカス駆動電圧信号を得る。
図4を用いて、図2において説明したような面ぶれを有する光ディスク1が、図1の光ディスク装置に装着された場合の記録学習について説明する。
図4(b)に示される対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)は、図4(a)に示されるようにスピンドルモータ3の回転位相角が、φ(k)=φ2の時に最大値T(φ)max(=T(φ2))をとる。このT(φ)maxは、負の極性での所定の閾値である−Tthよりも負に大きな値をとっている。
このようにコントローラ14は、対物レンズ5の駆動量が閾値よりも大きい場合、光ディスク1を回転位相角φ0〜φ4の領域、回転位相角φ4〜φ8の領域、回転位相角φ8〜φ12の領域、及び回転位相角φ12〜φ0の領域に分割し、チルト方向の駆動量が最大となるφ(k)=φ2を含む回転位相角φ0〜φ4の領域における記録学習領域1aにおいて、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御する。
一方、コントローラ14は対物レンズ5のチルト方向の駆動量T(φ)の最大値T(φ)maxが閾値であるTthもしくは−Tthを超えない場合、つまり、対物レンズ5の駆動量が閾値以下の場合、光ディスク1の一回転の中の任意の領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御する。
因みに、図4(b)に示される1a、1b、1c、及び1dは、それぞれ図2に示す光ディスク1の回転位相角φ0〜φ4の領域における記録学習領域1a、回転位相角φ4〜φ8の領域における記録学習領域1b、回転位相角φ8〜φ12の領域における記録学習領域1c、及び回転位相角φ12〜φ0の領域における記録学習領域1dを示している。なお、図2に示す光ディスク1は断面図であるため、記録学習領域1bと記録学習領域1dは図示されていない。
なお、ここではチルト方向の駆動量T(φ)に基づいて光ディスク1を複数領域に分割し、記録学習を行ったが、トラッキング方向の駆動量R(φ)に基づいて光ディスク1を複数領域に分割して記録学習を行うことも、フォーカス方向の駆動量H(φ)に基づいて光ディスク1を複数領域に分割して記録学習を行うことも同様に実施可能である。図2において説明したような面ぶれを有する光ディスク1が、図1の光ディスク装置に装着された場合、フォーカス方向の駆動量H(φ)は、スピンドルモータ3の回転位相角が、φ(k)=φ2の時に最大値H(φ)max(=H(φ2))をとり、光ディスク1の領域の分割等は、前述のチルト方向の駆動量T(φ)に基づく記録学習と同様に行われるので説明を省略する。
図4を用いて、図3において説明したような偏心を有する光ディスク1が、図1の光ディスク装置に装着された場合の記録学習について説明する。
図4(c)に示される対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)は、図4(a)に示されるようにスピンドルモータ3の回転位相角が、φ(k)=φ13の時に最大値R(φ)max(=R(φ13))をとる。このR(φ)maxは、正の極性での所定の閾値であるRthよりも正に大きな値をとっている。
このようにコントローラ14は、対物レンズ5の駆動量が閾値よりも大きい場合、光ディスク1を回転位相角φ11〜φ15の領域、回転位相角φ15〜φ3の領域、回転位相角φ3〜φ7の領域、及び回転位相角φ7〜φ11の領域に分割し、トラッキング方向の駆動量が最大となるφ(k)=φ13を含む回転位相角φ11〜φ15の領域における記録学習領域1aにおいて、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御する。
一方、コントローラ14は対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)の最大値R(φ)maxが閾値であるRthもしくは−Rthを超えない場合、つまり、対物レンズ5の駆動量が閾値以下の場合、光ディスク1の一回転の中の任意の領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御する。
因みに、図4(c)に示される1a、1b、1c、及び1dは、それぞれ図3に示す光ディスク1の回転位相角φ11〜φ15の領域における記録学習領域1a、回転位相角φ15〜φ3の領域における記録学習領域1b、回転位相角φ3〜φ7の領域における記録学習領域1c、及び回転位相角φ7〜φ11dの領域における記録学習領域1dを示している。
なお、以上の説明では、チルト方向の駆動量T(φ)、トラッキング方向の駆動量R(φ)、及びフォーカス方向の駆動量H(φ)に基づいて光ディスク1を複数の領域に分割して記録学習を行うことについて説明したが、これらを組合わせて記録学習を行うことも同様に実施可能である。例えば、α、β、及びγをα≫β≒γという関係の重み付け計数として、f(φ)=αT(φ)+βR(φ)+γH(φ)という駆動量の関数を定義し、f(φ)が最大となるf(φ)maxの時のφ(k)=φ(i)を検出し、光ディスク1を回転位相角φ(i−2)〜φ(i+2)の領域、回転位相角φ(i+2)〜φ(i+6)の領域、回転位相角φ(i+6)〜φ(i+10)の領域、及び回転位相角φ(i+10)〜φ(i+14)の領域に分割し、チルト方向の駆動量が最大となるφ(k)=φ(i)を含む回転位相角φ(i−2)〜φ(i+2)の領域における記録学習領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17の制御を行う。
この方法は、図2を用いて説明したような反りと面ぶれ、図3を用いて説明したような情報トラックの偏心とを共に有するような光ディスク1を、図1の光ディスク装置に装着して回転させた場合にも有効になると考えられる。なお、ここでは重み付け計数をα≫β≒γとしたが、これらの計数の関係は、光ピックアップ8の特性に応じて適宜変更して用いてもよい。
このように、対物レンズの駆動量を把握し、記録媒体を周方向に複数領域に分割し、駆動量が最も大きくなる領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御することにより、光ディスクを周方向に複数領域に分割して厳密に学習し最悪の場合の修正値に基づいてレーザ制御を行うので、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、チルトや偏心や面ぶれが大きいディスクに記録を行う場合でも、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
以下、上述のように動作する光ディスク装置の制御について、図5を用いて説明する。ここでは、光ディスク装置に偏心光ディスクが装着された場合について説明する。
図5は図1の光ディスク装置における記録学習方法を示すフローチャートである。
S101においてコントローラ14が、記録学習と光ディスク1に対する情報の記録とを行う記録モードを開始する。S102から記録学習の処理が開始する。
S102ではコントローラ14が、光ディスク1の偏心量を測定することにより、対物レンズ5のトラッキング方向の駆動量R(φ)を把握する。コントローラ14は、スピンドルFG信号103のパルスの立上りと立下りの時点毎に駆動量R(φ)を測定し、光ディスク1の一回転のうち、駆動量R(φ)が最大となる時点を検出し、その時点における回転位相角φ(i)と駆動量の最大値R(φ)max=R(φ(i))とを共にRAM16に記憶する。
次に、S103においてコントローラ14は、S102においてRAM16に記憶されたR(φ)maxの大きさと、ROM15に記憶されている所定の閾値Rthの大きさを比較する。コントローラ14は、R(φ)maxがRthよりも大きい場合は、本実施の形態の記録学習を行うため、処理をS104に進める。一方、R(φ)maxがRth以下である場合は、図9を用いて説明したような通常の記録学習を行うため、処理をS105に進める。駆動量が所定値以下の場合、記録媒体の一回転の中の任意の領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御することにより、光ディスクのチルトや偏心や面ぶれが小さく、対物レンズの駆動量が所定値以下の場合は、光ディスクを周方向に複数領域に分割し駆動量が最大となる領域を検出しなくても、光ディスクの一回転の中の任意の領域において記録学習を行えば、記録品質を確保することができるので、コントローラの負荷を軽減し、迅速に記録学習を行うことができる。
S104においてコントローラ14は、φ0〜φ15のスピンドルFG信号103を4分割する。駆動量R(φ)が最大となる時点の回転位相角がφ(i)である場合、光ディスク1の一回転を回転位相角によって回転位相角φ(i−2)〜φ(i+2)の領域、回転位相角φ(i+2)〜φ(i+6)の領域、回転位相角、φ(i+6)〜φ(i+10)の領域、及び回転位相角φ(i+10)〜φ(i+14)の領域に分割する。
次に、S106においてコントローラ14は、光ディスク1の一回転のうちS102で検出した駆動量R(φ)が最大となる回転位相角φ(i)の位置を含む回転位相角φ(i−2)〜φ(i+2)の領域、つまり記録学習領域1aにおいて、記録学習を行い、学習によって得られたレーザパワーの学習値Paとレーザパターンの学習値SaとをRAM16に記憶して記録学習を終了し、処理をS107に進める。
S107でコントローラ14は、光ディスク1に対する情報の記録を開始する。
S108でコントローラ14は、S106においてRAM16に記憶した学習値PaとSaとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。
このように、対物レンズの駆動量を把握し、記録媒体を周方向に複数領域に分割し、駆動量が最も大きくなる領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御することにより、光ディスクを周方向に複数領域に分割して厳密に学習し最悪の場合の修正値に基づいてレーザ制御を行うので、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、チルトや偏心や面ぶれが大きいディスクに記録を行う場合でも、光ディスクの一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、S109においてコントローラ14は光ディスク1への情報の記録が終了したか否かを判定し、終了していなければ処理をS108に戻して記録を続け、一方終了した場合は、処理をS110に進める。
S110では、S109で記録が終了したと判断した場合に、コントローラ14は一連の記録学習と光ディスク1に対する情報の記録とを行う記録モードを終了する。
(実施の形態2)
実施の形態1の説明では、光ディスク1を周方向に複数領域に分割し、駆動量が最も大きくなる記録学習領域1aにおいて、記録学習を行うことについて説明したが、図6に示すように、光ディスク1を周方向に複数領域に分割し、分割領域毎に記録学習を行うことも同様に実施可能である。以下、図6を用いて説明する。
図6は、図1の光ディスク装置における記録学習方法を示す模式図である。対物レンズ5の駆動量を把握し、光ディスク1を周方向に複数領域に分割するまでの手順は、以上に述べた方法と同じであるため、説明を省略する。
ここでは、図6に示されるように、上述の方法で分割された光ディスク1の、回転位相角φ11〜φ15の領域における記録学習領域1a、回転位相角φ15〜φ3の領域における記録学習領域1b、回転位相角φ3〜φ7の領域における記録学習領域1c、及び回転位相角φ7〜φ11dの領域における記録学習領域1dのそれぞれにおいて、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御する。
例えば図6に示すように、光ディスク1の内周に設けられている記録学習領域を4つに分割した、記録学習領域1a、記録学習領域1b、記録学習領域1c、及び記録学習領域1dのそれぞれに対して、複数種類の例えばP1〜P5というレーザパワーと、複数種類の例えばS1〜S5というレーザパターンとで試し書きを行う。次にその試し書きを再生し、その中で最も記録品質の良かった例えば記録学習領域1aについては、レーザパワーP4とレーザパターンS5とを選択して、記録学習領域1bについては、レーザパワーP2とレーザパターンS2とを選択して、記録学習領域1cについては、レーザパワーP5とレーザパターンS3とを選択して、及び記録学習領域1dについては、レーザパワーP2とレーザパターンS1とを選択して、それぞれ情報の記録に用いるレーザパワーとレーザパターンとして、RAM16に記憶する。
これにより、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、面ぶれや偏心量の大きな光ディスク1に記録を行う場合にも、それぞれの領域において適正な記録条件で記録を行うことができるので、光ディスク1の一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
以下、このような光ディスク装置の制御について、図7を用いて説明する。ここでは、光ディスク装置に図3で説明したような偏心光ディスクが装着された場合について説明する。
図7は図1の光ディスク装置における記録学習方法を示すフローチャートである。
図7に示すS201〜S205の処理は、それぞれ図5を用いて説明したS101〜S105の処理と同じであるため説明を省略する。
S206においてコントローラ14は、回転位相角φ(i−2)〜φ(i+2)の領域における記録学習領域1aにおいて、記録学習を行い、学習によって得られたレーザパワーの学習値Paとレーザパターンの学習値SaとをRAM16に記憶する。
S207においてコントローラ14は、回転位相角φ(i+2)〜φ(i+6)の領域における記録学習領域1bにおいて、記録学習を行い、学習によって得られたレーザパワーの学習値Pbとレーザパターンの学習値SbとをRAM16に記憶する。
S208においてコントローラ14は、回転位相角φ(i+6)〜φ(i+10)の領域における記録学習領域1cにおいて、記録学習を行い、学習によって得られたレーザパワーの学習値Pcとレーザパターンの学習値ScとをRAM16に記憶する。
S209においてコントローラ14は、回転位相角φ(i+10)〜φ(i+14)の領域における記録学習領域1dにおいて、記録学習を行い、学習によって得られたレーザパワーの学習値Pdとレーザパターンの学習値SdとをRAM16に記憶する。
S210でコントローラ14は、光ディスク1に対する情報の記録を開始する。
S211においてコントローラ14は、スピンドルFG信号103の回転位相角を検出する。回転位相角がφ(i−2)〜φ(i+2)である場合は、処理をS212に進め、回転位相角がφ(i−2)〜φ(i+2)でない場合は、処理をS213に進める。
S212でコントローラ14は、S206においてRAM16に記憶した学習値PaとSaとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。
S213においてコントローラ14は、スピンドルFG信号103の回転位相角を検出する。回転位相角がφ(i+2)〜φ(i+6)である場合は、処理をS214に進め、回転位相角がφ(i+2)〜φ(i+6)でない場合は、処理をS215に進める。
S214でコントローラ14は、S207においてRAM16に記憶した学習値PbとSbとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。
S215においてコントローラ14は、スピンドルFG信号103の回転位相角を検出する。回転位相角がφ(i+6)〜φ(i+10)である場合は、処理をS216に進め、回転位相角がφ(i+6)〜φ(i+10)でない場合は、処理をS217に進める。
S216でコントローラ14は、S208においてRAM16に記憶した学習値PcとScとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。
S217においてコントローラ14は、スピンドルFG信号103の回転位相角を検出する。回転位相角がφ(i+10)〜φ(i+14)である場合は、処理をS218に進め、回転位相角がφ(i+10)〜φ(i+14)でない場合は、処理をS219に進める。
S218でコントローラ14は、S209においてRAM16に記憶した学習値PdとSdとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。このように、対物レンズの駆動量を把握し、記録媒体を周方向に複数領域に分割し、駆動量が最も大きくなる領域において、記録学習を行って修正値を得て、その修正値に基づいてレーザ駆動部を制御することにより、光ディスクを周方向に複数領域に分割して厳密に学習し最悪の場合の修正値に基づいてレーザ制御を行うので、一回転の間に適正なレーザパワーとレーザパターンとが大きく変化するような、面ぶれや偏心量の大きな光ディスク1に記録を行う場合にも、それぞれの領域において適正な記録条件で記録を行うことができるので、光ディスク1の一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。
また、S219においてコントローラ14は光ディスク1への情報の記録が終了したか否かを判定し、終了していなければ処理をS211に戻して記録を続け、一方終了した場合は、処理をS220に進める。
S220では、S219で記録が終了したと判断した場合に、コントローラ14は一連の記録学習と光ディスク1に対する情報の記録とを行う記録モードを終了する。
(実施の形態3)
実施の形態2において説明した記録学習方法では、分割領域毎に記録学習を行って修正値を得て、それぞれの修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御したが、記録学習を行って得た修正値のうち、レーザパワーが最大となる領域における修正値に基づいてレーザ駆動部17を制御することも同様に実施可能である。
以下、このような光ディスク装置の制御について、図8を用いて説明する。ここでは、光ディスク装置に図3で説明したような偏心光ディスクが装着された場合について説明する。
図8は図1の光ディスク装置における記録学習方法を示すフローチャートである。
図8に示すS301〜S309の処理は、それぞれ図7を用いて説明したS201〜S209の処理と同じであるため説明を省略する。
S310でコントローラ14は、S306〜S309において学習しRAM16に記憶したレーザパワーPa、Pb、Pc、及びPdのうち最大のものを選択してPmaxとし、対応するレーザパターンをSmaxとして、PmaxとSmaxとを共にRAM16に記憶する。
S311でコントローラ14は、光ディスク1に対する情報の記録を開始する。
S312でコントローラ14は、S310においてRAM16に記憶した学習値PmaxとSmaxとに基づいてレーザ制御信号108をレーザ駆動部17に送出する。レーザ駆動部17は、レーザ制御信号108に基づいて、光ピックアップ8のレーザ光源18を駆動するレーザ駆動信号109を生成し、その信号を出力することにより、レーザ光源18を発光させ、光ディスク1への情報の記録を行う。このように、分割領域毎に記録学習を行って得た修正値のうち、レーザパワーが最大となる領域における修正値に基づいてレーザ駆動部を制御することにより、面ぶれや偏心量の大きな光ディスク1に記録を行う場合、対物レンズ5の、チルト方向、トラッキング方向、及びフォーカス方向の駆動量が大きいところほど大きなレーザパワーが必要になると考えられるので、記録学習の結果から対物レンズ5の駆動量が大きくなっていると考えられる領域での修正値を用いて記録を行うことができるので、光ディスク1の一回転にわたって良好な記録品質を確保することができる。また、光ディスク1の一回転にわたって同じレーザパワーとレーザパターンとを用いて情報の記録を行うので、コントローラ12に過大な負荷を与えることなく、良好な記録品質を確保することができる。
また、S313においてコントローラ14は光ディスク1への情報の記録が終了したか否かを判定し、終了していなければ処理をS312に戻して記録を続け、一方終了した場合は、処理をS314に進める。
S314では、S313で記録が終了したと判断した場合に、コントローラ14は一連の記録学習と光ディスク1に対する情報の記録とを行う記録モードを終了する。