JP2001052339A - 光学的情報記録再生装置およびその記録パワー設定方法 - Google Patents

光学的情報記録再生装置およびその記録パワー設定方法

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JP2001052339A
JP2001052339A JP11225975A JP22597599A JP2001052339A JP 2001052339 A JP2001052339 A JP 2001052339A JP 11225975 A JP11225975 A JP 11225975A JP 22597599 A JP22597599 A JP 22597599A JP 2001052339 A JP2001052339 A JP 2001052339A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テストライト領域が複数の位置に存在する光
ディスクに光学的に情報を記録再生する情報記録再生装
置において、特別な構成を付加することなく、任意の光
ディスクと記録再生装置との組合わせに対しても、記録
パワーを最適にマッチングさせ、正確な情報の記録再生
を可能とする。 【解決手段】 前記テストライトを行うにあたって、ト
ラッキングエラー信号等のプリフォーマット部の再生信
号の振幅A1,A2に対応付けて各テストライト領域で
の最適記録パワーPw1,Pw2を求めておき、実際の
記録時には、所望トラックへのトラックジャンプ時に検
出されたトラッキングエラー信号の振幅Aから対応する
最適記録パワーPwを補間演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクヘ光学
的に情報を記録することができる情報記録再生装置およ
びその記録パワーの設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクには、再生専用型、追記型、
書換え型等の種々のものが実用化されており、その記録
再生装置は、半導体レーザ等の光源からの光束を対物レ
ンズでトラック上に集光し、微小な光スポットを形成し
て情報の記録再生を行っている。
【0003】ここで、図9に前記記録再生装置の光ピッ
クアップ光学系の一構成例を示す。レーザ光源1からの
出射光束は、コリメータレンズ2で平行光となり、グレ
ーティング3で3つのビーム(メインビームと2つのサ
ブビーム)に分割され、偏光ビームスプリッタ4、4分
の1波長板5および対物レンズ6を介して光ディスク7
のトラック上とトラック間に微小な光スポットとして照
射される。そして光ディスク7からの反射光は、対物レ
ンズ6および4分の1波長板5を介して偏光ビームスプ
リッタ4に戻され、偏光ビームスプリッタ4の反射面で
反射され、集光レンズ8およびシリンドリカルレンズ9
を介して、複数の受光部を備えた受光素子10で受光さ
れる。前記受光素子10による光電変換出力から、信号
検出回路11において、情報再生信号、トラッキングエ
ラー信号、フォーカスエラー信号等の各種信号が検出さ
れる。上記の各種信号の検出方法についての説明は、特
開平9−212891号公報等に記載されているので、
省略する。
【0004】一方、光ディスク7への情報の記録は、レ
ーザビームを光ディスク7上の記録層の一部に照射して
記録層の温度を上げることによって行われる。このよう
な熱を利用した記録が行われる光ディスク7において
は、光ディスク7の特性、光ディスク7上のスポットの
ピーク強度等によって最適な記録パワーが決定される。
したがって、たとえば光ディスク7が対物レンズ6に対
して傾くディスクチルトが発生していると、図10に示
すように、レーザ光源1から出射すべき最適記録パワー
が変化することになる。すなわち、光ディスク7の面方
向に対して、レーザビームが垂直ではなく、斜めに入射
することになり、チルトしていない状態に比べて、対物
レンズ6から出射されるレーザパワーを大きくしない
と、記録に必要な温度上昇を得ることはできない。
【0005】また、対物レンズ6がトラッキング等によ
って光軸ずれをおこすと、光ディスク7上のスポット自
体が大きくなり、ピーク強度が低下するので、記録パワ
ー自体が変化してしまうことになる。このため、図11
で示すように、対物レンズ位置に応じて最適記録パワー
が変化することになる。同様に、光ディスク7上のビー
ムスポットがデフォーカスしても、スポット径が大きく
なり、ピーク強度が低下するので、図12で示すように
デフォーカス量に応じて最適記録パワーが変化すること
になる。
【0006】そこで、このような不具合を解消するため
に、記録時のレーザパワーの制御を行う記録再生装置が
従来から提案されている。たとえば前記特開平9−21
2891号公報では、対物レンズをトラッキングさせて
も光軸ずれが発生しないように移動連動機構を設けてお
り、レーザビームをメインビームとサブビームとに分割
してサブビームを光ディスクのトラックとトラックとの
間に結像させ、複数の反射光から生成したトラッキング
エラー信号を加算してディスクチルトに対応したチルト
信号を生成し、メインビームの検出結果から生成したフ
ォーカスエラー信号と前記チルト信号とに対応して記録
パワーを制御している。これによって、ディスクチルト
によるビームスポットのピーク強度の低下に応じた記録
パワーの制御が行われている。
【0007】また、たとえば特開平9−282696号
公報では、ユーザエリアに情報を記録する前に予め内外
周で最適記録パワーを測定し、任意のゾーンに対する最
適記録パワーを、線形近似することによって求めてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最適記録パ
ワーは、前記ディスクチルトだけでなく、光ディスクと
記録再生装置との組合わせにも依存し、一義的に決定す
ることはできない。つまり、同一装置でも、光ディスク
の感度が異なると、同じパワーで記録しても、同じ記録
マーク形状を得ることはできない。また、同一ディスク
でも、装置毎のビームプロファイルのばらつき等で記録
パワーは異なる。そのため、任意の光ディスクと記録再
生装置との組合わせに対する最適記録パワーは、測定し
てみなければ分からないのが実情である。
【0009】しかしながら、前記特開平9−21289
1号公報では、検出されたチルト信号に対応した最適記
録パワーおよび検出されたフォーカスエラー信号に対応
した最適記録パワーを予め調整しているので、異なる条
件で記録が行われる場合には、記録パワーが必ずしも最
適値とはならないという問題がある。たとえば、図13
で示すように、或るレベルTL0のチルト信号に対応し
た最適記録パワーがPW0に調整してあるとすると、そ
の調整に用いたものよりも感度が低い光ディスクを使用
した場合には、最適記録パワーは前記PW0より大きい
PW0’だけ必要となるのに対して、前記PW0のパワ
ーしか得られないということになる。前記フォーカスエ
ラー信号に対しても同様の影響が生じ、最適記録パワー
PW0’に対して、より低いPW0で記録することにな
るので、適正な記録マークよりも小さなマークを形成す
ることになってしまう。また、チルト信号を作成するた
めに移動連動機構を設けており、構成が複雑である。
【0010】一方、前記特開平9−282696号公報
では、ゾーンナンバーの変化、したがってアドレスの変
化に対応付けているので、アドレス変化に対して最適記
録パワーの変化が線形に追従しない場合は、必ずしも適
正に補正できないという問題がある。
【0011】本発明の目的は、特別な構成を付加するこ
となく、任意の光ディスクと記録再生装置との組合わせ
に対しても、記録パワーを最適にマッチングさせ、正確
な情報の記録再生を可能とする光学的情報記録再生装置
およびその記録パワー設定方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
再生装置は、テストライト領域が複数の位置に存在する
光ディスクに光学的に情報を記録再生する情報記録再生
装置において、複数の各テストライト領域で記録再生を
行い、それぞれのテストライト領域に最適な記録パワー
を得る最適パワー検出手段と、プリフォーマット部の再
生信号の振幅を検出する振幅検出手段と、前記各テスト
ライト領域における前記振幅検出手段および最適パワー
検出手段の検出結果に応答し、任意の領域におけるプリ
フォーマット部の再生信号の振幅に対応した最適な記録
パワーを得る最適パワー演算手段と、前記最適パワー演
算手段で求められた記録パワーで記録を行う記録パワー
制御手段とを含むことを特徴とする。
【0013】また、本発明の光学的情報記録再生装置の
記録パワー設定方法は、テストライト領域が複数の位置
に存在する光ディスクに光学的に情報を記録再生する情
報記録再生装置の記録パワー設定方法において、複数の
各テストライト領域で記録再生を行い、それぞれのテス
トライト領域に最適な記録パワーを求め、前記各テスト
ライト領域におけるプリフォーマット部の再生信号の振
幅を検出し、前記各テストライト領域における最適記録
パワーおよび再生信号振幅から、任意の領域におけるプ
リフォーマット部の再生信号の振幅に対応した最適な記
録パワーを求めることを特徴とする。
【0014】上記の構成によれば、テストライトを行う
際に、そのテストライトした信号の再生信号から得られ
る最適記録パワーと、そのテストライト領域におけるプ
リフォーマット部の再生信号の振幅とを対応付けて求
め、複数箇所にテストライトした結果から、プリフォー
マット部の再生信号の任意の振幅値に対応した最適記録
パワーを求められるようにする。たとえば、各テストラ
イト箇所でのデータポイントを直線や折れ線で結んで近
似し、前記テストライト領域以外の任意の箇所での最適
記録パワーを、その箇所のプリフォーマット部の再生信
号の振幅を基に、前記直線や折れ線近似から、すなわち
隣接するデータポイントのデータを補間して求める。
【0015】前記プリフォーマット部の再生信号として
は、たとえば請求項2で示すようなトラックを横切る際
のトラッキングエラー信号、請求項3で示すようなプリ
フォーマットされたグルーブの蛇行によって表されてい
るアドレス部をトラック方向に通過したときのラジアル
プッシュプル信号、または請求項4で示すようなプリフ
ォーマットされた凹凸形状のマークをトラック方向に通
過したときのタンジェンシャルプッシュプル信号を用い
ることができ、これらの信号振幅の変化は前述のように
最適記録パワーの変化と対応して現れる。
【0016】したがって、特別な構成を付加することな
く、任意の光ディスクと記録再生装置との組合わせに対
しても、その組合せの都度、テストライトを行うこと
で、テストライト領域以外の任意の箇所でも、その箇所
のプリフォーマット部の再生信号の振幅を基に最適記録
パワーを求め、記録パワーを最適にマッチングさせるこ
とができ、これによって正確な情報の記録再生を行うこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0018】図1は、本発明の実施の一形態の光ディス
ク記録再生装置における光ピックアップ光学系、信号検
出系および制御系の構成説明図である。光ピックアップ
光学系12および光ディスク7は、前述の図9と同様で
ある。すなわち、レーザ光源1からの出射光束は、コリ
メータレンズ2で平行光となり、グレーティング3で3
つのビーム(メインビームと2つのサブビーム)に分割
され、偏光ビームスプリッタ4、4分の1波長板5およ
び対物レンズ6を介して光ディスク7のトラック上とト
ラック間に微小な光スポットとして照射される。そして
光ディスク7からの反射光は、対物レンズ6および4分
の1波長板5を介して偏光ビームスプリッタ4に戻さ
れ、偏光ビームスプリッタ4の反射面で反射され、集光
レンズ8およびシリンドリカルレンズ9を介して、複数
の受光部を備えた受光素子10で受光される。前記受光
素子10による光電変換出力から、信号検出回路11に
おいて、情報再生信号、トラッキングエラー信号、フォ
ーカスエラー信号等の各種信号が検出される。上記の各
種信号の検出方法についての説明は、特開平9−212
891号公報等に記載されている。
【0019】前記光ディスク7は、特定のヘッダ情報を
持つ数トラック、数セクタをテストライト領域として利
用可能となっている。この光ディスク7のディスク面に
対向して、記録マークの書込み、読取りを行うための光
ピックアップ光学系12が配置されている。
【0020】前記レーザ光源1には、記録パワー制御回
路14が接続されている。この記録パワー制御回路14
は、システムコントローラ13からの記録すべきマーク
に対応した制御信号に応答して、レーザ光源1の出力を
制御するための記録信号を作成する。レーザ光源1は、
前記記録信号に応じたレーザビームを出射し、上述のよ
うにして記録マークが形成される。なお、光磁気ディス
クの場合は、図示しない磁気ヘッドと協働して記録を行
う。
【0021】一方、前記受光素子10の出力信号から前
記信号検出回路11で生成された前記トラッキングエラ
ー信号はトラッキング制御回路15および振幅検出回路
16に与えられ、生成された前記フォーカスエラー信号
はフォーカシング制御回路17に与えられ、生成された
前記情報再生信号はシステムコントローラ13に与えら
れる。トラッキング制御回路15およびフォーカシング
制御回路17は、前記トラッキングエラー信号およびフ
ォーカスエラー信号にそれぞれ応答し、光ピックアップ
のトラッキング制御およびフォーカシング制御を行う。
振幅検出回路16は、前記トラッキングエラー信号に応
答し、ビームスポットが光ディスク7上のトラックを横
切る際のトラッキングエラー信号の振幅を検出する。検
出された振幅情報は、マイクロコンピュータなどで実現
されるシステムコントローラ13へ供給される。システ
ムコントローラ13は、メモリ18と協働して、前記情
報再生信号を後段の復調回路へ出力するとともに、情報
再生信号および振幅情報に応答し、後述する最適記録パ
ワー設定処理を行う。
【0022】ここで、プリフォーマット部の再生信号の
振幅と最適記録パワーとの関係について説明する。最適
記録パワーは、光ディスク7上のビームスポットのピー
ク強度等によって決定される。しかしながら、光ディス
ク7のチルト、対物レンズ6の光軸ずれ、デフォーカス
の影響を受け、前記ビームスポットのピーク強度は低下
し、最適記録パワーを高くする必要が生じる。
【0023】図2は、光ディスク7のチルト角の変化に
対する最適記録パワーの変化を示すグラフである。上述
のように、チルト角が0°のときに最適記録パワーは最
も小さくてすみ、チルト角が大きくなる程、最適記録パ
ワーを大きくする必要のあることが理解される。
【0024】一方、図3は、プリフォーマットされたラ
ンドおよびグルーブによって形成されるトラックをビー
ムスポットが横切る際の光ディスク7のチルト角の変化
に対するトラッキングエラー信号の振幅の変化を示すグ
ラフである。図3から、チルト角が0°のときにトラッ
キングエラー信号の振幅は最大となり、チルト角が大き
くなる程、ビームスポットのピーク強度が小さくなり、
前記振幅が小さくなっていることが理解される。
【0025】したがって、前記図2および図3から、図
4で示すような最適記録パワーの変化に対するトラッキ
ングエラー信号振幅の変化特性を得ることができる。こ
の図4から、光ディスク7がチルトして最適記録パワー
が変化しても、その変化に対応してトラッキングエラー
信号の振幅も変化しており、トラッキングエラー信号の
振幅に合わせて記録パワーを変化することで、常に最適
記録パワーで記録可能であることが理解される。
【0026】これを利用して、本発明では、先ず光ディ
スク7が挿入されると、該光ディスク7のレーザ光源1
からのレーザビームに対する感度等の記録再生装置と光
ディスク7との組合わせに応じて、記録パワーをマッチ
ングさせるために、予め定められた前記特定のヘッダ情
報を持つ数トラック、数セクタの複数箇所の領域におい
て、システムコントローラ13は、記録パワー制御回路
14にテストライトを行わせ、信号検出回路11の検出
結果から最適記録パワーを求め、メモリ18に記憶させ
る。その際に、合わせて、システムコントローラ13
は、トラッキング制御回路15にトラックジャンプを発
生させ、信号検出回路11の検出結果から、トラッキン
グエラー信号の振幅を求め、メモリ18に記憶させる。
【0027】前記テストライトは、低パワーから高パワ
ーまで記録パワーを変化させながら記録し、その都度、
信号検出回路11から供給される情報再生信号を測定
し、エラーやジッタが最小となるレーザパワーを最適記
録パワーとして決定する処理である。
【0028】図5は、前記テストライト領域を光ディス
ク7の外周および内周の2箇所とした場合のテストライ
ト結果を示すグラフである。外周のテストライト領域に
おける最適記録パワーはPw1であり、トラッキングエ
ラー信号の振幅はA1である。内周のテストライト領域
における最適記録パワーはPw2であり、トラッキング
エラー信号の振幅はA2である。
【0029】こうして、テストライトが終了し、実際の
記録時には、前記トラッキングエラー信号の振幅A1,
A2間の差が予め定める閾値Ath以下である場合には
前記最適記録パワーはPw1またはPw2もしくはその
平均値が任意の記録領域における最適記録パワーPwと
して使用され、前記振幅A1,A2間の差が予め定める
閾値Athより大きい場合には、任意の記録領域におけ
る最適記録パワーPwを、その記録領域でのトラッキン
グエラー信号の振幅Aから、下式で示すように、前記2
箇所のテストライト領域で得られたデータポイント間の
直線L1により近似して求める。 Pw=a・A+b …(1) ただし、 a=(Pwl−Pw2)/(Al−A2) …(2) b=(Pw2・A1−Pwl・A2)/(A1−A2) …(3) である。
【0030】図6は、上述のようなテストライトによる
最適記録パワー設定処理動作を説明するためのフローチ
ャートである。この図6では、テストライト領域が内
周、中周、外周に存在するものとする。先ず、ステップ
S1においてテストライト動作の回数を示す変数TNが
0に初期化される。ステップS2では、光ディスク7上
の外周のテストライト領域へ光ピックアップが移動され
る。
【0031】次に、ステップS3では、信号検出回路1
1から供給されるトラッキングエラー信号の振幅を振幅
検出回路16で検出し、テストライト領域へ到達した時
点でのトラッキングエラー信号の振幅A1がシステムコ
ントローラ13に供給される。ステップS4では、シス
テムコントローラ13は上述のテストライト動作を行わ
せ、最適記録パワーPw1を得る。ステップS5では、
前記最適記録パワーPw1と振幅A1とがメモリ18に
格納される。
【0032】こうしてテストライト動作が1回終了する
と、続いてステップS6で、前記変数TNに1を加え、
該変数TNは1となり、ステップS7では、外周でテス
トライト動作が終了したことを前記変数TNの値が1で
あることより判断し、再び前記ステップS2に戻って内
周のテストライト領域へ光ピックアップ12が移動さ
れ、ステップS3〜S5で、この内周のテストライト領
域における最適記録パワーPw2と振幅A2とがメモリ
18に格納される。
【0033】テストライトが2回行われると、ステップ
S6で変数TNは2となり、ステップS7からステップ
S8に移る。ステップS8では、前記振幅A1,A2間
の差が前記閾値Athより大きいか否かが判断され、そ
うでない場合にはステップS9で、前記振幅A1,A2
および前記最適記録パワーPw1,Pw2から、前記式
2,3に基づいて、任意の領域における最適記録パワー
Pwを求めるための傾きaおよび切片bが求められ、ス
テップS10で、それらのデータが補間情報としてメモ
リ18に格納される。
【0034】前記ステップS8において内外周2点の振
幅A1,A2間の差が前記閾値Ath以下である場合に
は、前記式2,3の分母が小さくなり、補間情報の信頼
性が低くなると考えられる。そこで、以下の処理を行
う。ステップS11で内外周の2点でテストライトが終
了していることを判断すると、中周でテストライトを行
うために前記ステップS2に戻り、前記ステップS3〜
S5でテストライトを行い、得られた振幅A3と最適記
録パワーPw3とをメモリ18に格納し、ステップS6
で変数TNを3にすることで、再びステップS7からス
テップS8に移る。そして、メモリ18に格納された振
幅A1とA3との差またはA2とA3との差の何れか、
または両方が前記閾値Athより大きい場合は、2つの
差のうち大きい方の組み合わせの振幅データ2つと最適
記録パワーデータ2つとから、ステップS9で前記傾き
aおよび切片bの補間情報が生成される。
【0035】また、ステップS8が終わって、振幅A1
とA3との差およびA2とA3との差の何れもが前記閾
値Ath以下である場合は、光ディスク7上の最適記録
パワーはほぼ同じであるとみなし、ステップS11でテ
ストライトが内中外周3点で行われたことが判断される
と、ステップS9では、傾きaが0、切片bがPw3に
設定される。
【0036】上記の説明では、b=Pw3としているけ
れども、内中外周3点の最適記録パワーPwl,Pw
2,Pw3のうちいずれを用いてもよいし、3つの平均
を用いてもよい。また、テストライトは4点以上で行わ
れてもよく、さらにまた光ディスク7の挿入時以外のタ
イミングで行われてもよい。
【0037】以上の最適記録パワー設定処理で得られた
メモリ18中の補間情報を基に、システムコントローラ
13は、テストライト領域以外での最適記録パワーを得
るため、実際の記録パワーの補間処理を行う。図7は、
実際の記録パワーの補間処理動作を説明するためのフロ
ーチャートである。先ず、ステップS21で、記録を行
いたいトラックへ光ピックアップを移動させる。次に、
ステップS22で、そのトラックへの到達時における信
号検出回路11からのトラッキングエラー信号の振幅A
を振幅検出回路16で検出し、システムコントローラ1
3に入力する。続いて、ステップS23では、システム
コントローラ13は、メモリ18から直線L1の傾きa
と切片bとを呼出し、前記式1を用いて、そのトラック
での最適記録パワーPwを近似する。これに基づき、ス
テップS24で、システムコントローラ13は記録パワ
ー制御回路14へ制御信号を供給する。これにより、記
録パワー制御回路14から記録信号を供給されたレーザ
光源1は、そのトラックの最適記録パワーを近似したレ
ーザパワーで記録を行うことができる。
【0038】このように構成することによって、光ディ
スク7の感度の違いや記録再生装置の特性のばらつきに
対して、それらの組合せ毎にテストライトによって、ト
ラッキングエラー信号の振幅Aと最適記録パワーPwと
の関係が直線L1で近似され、補間情報として傾きaと
切片bとを生成しておき、記録を行うべき任意の箇所の
記録パワーを、その箇所のトラッキングエラー信号の振
幅Aから補間処理によって求めるので、特別な構成を付
加することなく、テストライトによって最適記録パワー
Pwを求めることができないデータ記録領域において
も、光ディスク7上のビームスポットのピーク強度に対
応した最適記録パワーを常に得ることができる。したが
って、記録パワーを常に最適にマッチングさせておくこ
とができ、正確な情報の記録再生を行うことができる。
【0039】なお、上記の説明では、前記図2のディス
クチルトを例示しているけれども、前記対物レンズ6の
光軸ずれおよびビームスポットのデフォーカス等による
ビームスポットのピーク強度低下全般に関しても補正効
果が発揮される。また、線速度が一定のディスクだけで
なく、線速度の補正を加えることによって、CAVやZ
CAV等の線速度可変のディスクにも本発明を適用する
ことができる。
【0040】さらにまた、光ディスク7の挿入時点で予
めテストライトを行ってトラッキングエラー信号の振幅
Aと最適記録パワーPwとの関係を求めているけれど
も、記録データの転送速度に比べて記録速度に充分な余
裕がある場合、または記録データのバッファの容量が充
分に大きい場合、もしくはトラッキング所要時間が短い
場合などでは、データの記録を行ないつつテストライト
を行い、前記最適記録パワーを随時修正、更新するよう
にしてもよい。また、上記の例では、最適記録パワーと
トラッキングエラー信号の振幅との関係を直線補間によ
り設定したけれども、3点以上テストライト領域を設け
た場合は、最小自乗近似等、他の近似方法で設定しても
良い。さらにまた、上記の例では、テストライト領域に
アクセスするときのトラッキングエラー信号の振幅を最
適記録パワー設定処理に用いているけれども、テストラ
イト動作後の振幅を用いてもよく、或いはテストライト
動作中の複数のトラックジャンプ動作で得られる振幅の
平均等を用いてもよい。
【0041】本発明の実施の他の形態について、図8に
基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0042】図8は、本発明の実施の他の形態の光ディ
スク記録再生装置で用いられる最適記録パワーの変化を
示すグラフである。この例で使用される光ディスクには
グルーブがプリフォーマットされており、前記振幅検出
回路16は、そのグルーブの片側あるいは両側が蛇行し
ているアドレス部をトラック方向に通過したときのラジ
アルプッシュプル信号の振幅のチルト角の変化に対する
変化を求め、その変化特性と前記図2で示す変化特性と
から、この図8で示すラジアルプッシュプル信号の振幅
変化に対する最適記録パワーの変化を求める。前記グル
ーブの両側が蛇行しているアドレス部は特開昭63−1
03454号公報等に開示されており、前記グルーブの
片側が蛇行しているアドレス部は特開平5−31453
8号公報等に開示されている。
【0043】また同様に、光ディスクに凹凸形状のマー
クがプリフォーマットされている場合、そのマークをト
ラック方向に通過したときのタンジェンシャルプッシュ
プル信号の振幅を用いることもできる。
【0044】さらにまた、光ディスク内の反射率のばら
つきに対応するために、前記トラッキングエラー信号を
反射光量信号(トータル信号)で割ったものの振幅を用
いてもよい。また、ランドとグルーブとの両方に記録す
る光ディスクの場合、両者にテストライト領域を設け、
それぞれで上記最適記録パワー設定処理および記録パワ
ー補間処理を行うことによって、ランドとグルーブとの
それぞれに対して最適な記録パワーの設定を行うことが
できる。
【0045】
【発明の効果】本発明の光学的情報記録再生装置および
その記録パワー設定方法は、以上のように、テストライ
トを行う際に、そのテストライトした信号の再生信号か
ら得られる最適記録パワーと、そのテストライト領域に
おけるプリフォーマット部の再生信号の振幅とを対応付
けて求めておき、複数箇所にテストライトした結果か
ら、任意の記録領域におけるプリフォーマット部の再生
信号の振幅値に対応した最適記録パワーを、直線や折れ
線近似などから求められるようにする。
【0046】それゆえ、特別な構成を付加することな
く、任意の光ディスクと記録再生装置との組合わせに対
しても、その組合せの都度、テストライトを行うこと
で、テストライト領域以外の任意の箇所でも、その箇所
のプリフォーマット部の再生信号の振幅を基に最適記録
パワーを求め、記録パワーを最適にマッチングさせるこ
とができ、これによって正確な情報の記録再生を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の光ディスク記録再生装
置における光ピックアップ光学系、信号検出系および制
御系の構成説明図である。
【図2】光ディスクのチルト角の変化に対する最適記録
パワーの変化を示すグラフである。
【図3】プリフォーマットされたランドおよびグルーブ
によって形成されるトラックをビームスポットが横切る
際の光ディスクのチルト角の変化に対するトラッキング
エラー信号の振幅の変化を示すグラフである。
【図4】最適記録パワーの変化に対するトラッキングエ
ラー信号振幅の変化を示すグラフである。
【図5】テストライト領域を光ディスクの外周および内
周の2箇所とした場合のテストライト結果を示すグラフ
である。
【図6】テストライトによる最適記録パワー設定処理動
作を説明するためのフローチャートである。
【図7】実際の記録パワーの設定処理を説明するための
フローチャートである。
【図8】本発明の実施の他の形態の光ディスク記録再生
装置で用いられる最適記録パワーの変化を示すグラフで
ある。
【図9】光ディスク記録再生装置の一般的な光ピックア
ップ光学系の構成例を示す図である。
【図10】ディスクチルトと最適記録パワーとの関係を
示す図である。
【図11】対物レンズシフトと最適記録パワーとの関係
を示す図である。
【図12】デフォーカスと最適記録パワーとの関係を示
す図である。
【図13】感度の異なる光ディスクを用いた場合のディ
スクチルトと最適記録パワーとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 コリメータレンズ 3 グレーティング 4 偏光ビームスプリッタ 5 4分の1波長板 6 対物レンズ 7 光ディスク 8 集光レンズ 9 シリンドリカルレンズ 10 受光素子 11 信号検出回路(最適パワー検出手段) 12 光ピックアップ光学系 13 システムコントローラ(最適パワー検出手段、
最適パワー演算手段) 14 記録パワー制御回路(記録パワー制御手段) 15 トラッキング制御回路 16 振幅検出回路(振幅検出手段) 17 フォーカシング制御回路 18 メモリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テストライト領域が複数の位置に存在する
    光ディスクに光学的に情報を記録再生する情報記録再生
    装置において、 複数の各テストライト領域で記録再生を行い、それぞれ
    のテストライト領域に最適な記録パワーを得る最適パワ
    ー検出手段と、 プリフォーマット部の再生信号の振幅を検出する振幅検
    出手段と、 前記各テストライト領域における前記振幅検出手段およ
    び最適パワー検出手段の検出結果に応答し、任意の領域
    におけるプリフォーマット部の再生信号の振幅に対応し
    た最適な記録パワーを得る最適パワー演算手段と、 前記最適パワー演算手段で求められた記録パワーで記録
    を行う記録パワー制御手段とを含むことを特徴とする光
    学的情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】前記振幅検出手段は、トラックを横切る際
    のトラッキングエラー信号の振幅を検出することを特徴
    とする請求項1記載の光学的情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記光ディスクにはグルーブがプリフォー
    マットされており、前記振幅検出手段は、グルーブの片
    側あるいは両側が蛇行しているアドレス部をトラック方
    向に通過したときのラジアルプッシュプル信号の振幅を
    検出することを特徴とする請求項1記載の光学的情報記
    録再生装置。
  4. 【請求項4】前記光ディスクには凹凸形状のマークがプ
    リフォーマットされており、前記振幅検出手段は、前記
    マークをトラック方向に通過したときのタンジェンシャ
    ルプッシュプル信号の振幅を検出することを特徴とする
    請求項1記載の光学的情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】テストライト領域が複数の位置に存在する
    光ディスクに光学的に情報を記録再生する情報記録再生
    装置の記録パワー設定方法において、 複数の各テストライト領域で記録再生を行い、それぞれ
    のテストライト領域に最適な記録パワーを求め、 前記各テストライト領域におけるプリフォーマット部の
    再生信号の振幅を検出し、 前記各テストライト領域における最適記録パワーおよび
    再生信号振幅から、任意の領域におけるプリフォーマッ
    ト部の再生信号の振幅に対応した最適な記録パワーを求
    めることを特徴とする光学的情報記録再生装置の記録パ
    ワー設定方法。
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