JP3860402B2 - 光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法 - Google Patents
光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、DVD−RAM等の光ディスクに対してデータを記録し、記録されているデータを再生する光ディスク記録再生装置及び記録再生方法であって、特にこの装置のパワー学習等の処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、DVD−RAM等の光ディスクに対してデータを記録し、記録されているデータを再生する光ディスク記録再生装置が実用化され普及してきている。
【0003】
このような光ディスク(DVD−RAM)は、記憶容量が大容量(2.6GB、4.7GB)であるため、パソコン(PC)等の外部記憶手段として使用されるようになってきている。
【0004】
上記光ディスク(DVD−RAM)では、光学ヘッドからのレーザビームにより、実データがグルーブあるいはランドに相変化によりマーク列として記録されるようになっている。
【0005】
このとき装填される光ディスクは、記録特性が必ずしも同一ではなくばらつきをもっている。そのため、一定以上の記録特性を得るためには、データを記録する際にその光ディスク一枚一枚に応じて、記録のための各パラメータを最適化することが望ましい。具体的には、光学ヘッドの記録パワーや消去パワー、更にレーザビームのフォーカスオフセットやトラッキングオフセット、更には記録補償パターンテーブルの値も、最初に与えられたデフォルト値が必ずしも最適の値であるとは言えない。従って最適の記録特性を得るためには、与えられた光ディスクの偏向を補正するべく、これらの諸パラメータ値を最適化する処理が必要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録のためのパラメータ、すなわち、光学ヘッドのパワー(記録パワー、消去パワー)や、フォーカスオフセット、トラッキングオフセット、記録補償パターンテーブル等の最適化処理は、従来の光ディスク記録再生装置では必ずしも行われてはいないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題に対応するべく、記録のための光ディスクが装填され記録命令があると自動的に記録のための各パラメータを光ディスクに合わせて最適化するべく学習処理を行う光ディス記録再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、前記設定手段で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込手段と、前記第1書込手段にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのエラーライン数をそれぞれ測定する第1測定手段と、前記第1測定手段が測定したエラーライン数に応じて、パワー値を決定する第1決定手段と、前記第1決定手段が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータの書込を行う第2書込手段と、前記第2書込手段が書き込んだデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートを測定する第2測定手段と、前記第2測定手段が測定したビットエラーレートに基づいて、最終的なパワー値を決定する第2決定手段と、前記第2決定手段が決定したパワー値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置である。
【0009】
本発明は複数段のパワー学習を特定するものであり、従来装置にはない光ディスクに適合したより精緻なパワー値を学習する光ディスク記録再生装置を提供する。
【0010】
又本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、前記光学ヘッドのレーザビームのフォーカスオフセットをデフォルト値とし、更に、これとは段階的に異なる値の複数のフォーカスオフセット値を設け、これらのフォーカスオフセットと前記設定手段で設定されたパワー値及び記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む書込手段と、前記書込手段にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートをそれぞれ測定する測定手段と、前記測定手段が測定したビットエラーレートに応じて、最適なフォーカスオフセット値を決定する決定手段と、前記決定手段が決定したフォーカスオフセット値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置である。
【0011】
本発明は、フォーカスオフセットについて、光ディスクに適合した最適値を学習する光ディスク記録再生装置を特定している。
【0012】
又本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、前記光学ヘッドのレーザビームのトラッキングオフセットをデフォルト値とし、更に、これとは段階的に異なる値の複数のトラッキングオフセット値を設け、これらのトラッキングオフセットと前記設定手段で設定されたパワー値及び記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む書込手段と、前記書込手段にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートをそれぞれ測定する測定手段と、前記測定手段が測定したビットエラーレートに応じて、最適なトラッキングオフセット値を決定する決定手段と、前記決定手段が決定したトラッキングオフセット値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置である。
【0013】
本発明は、トラッキングオフセットについて、光ディスクに適合した最適値を学習する光ディスク記録再生装置を特定している。
【0014】
又本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値、フォーカスオフセット、トラッキングオフセット、データの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、前記設定手段により設定された各デフォルト値に基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込手段と、前記書込手段にて書き込まれたデータを読み出し、これらのシフト量を測定する第1測定手段と、前記測定手段が測定したシフト量に応じて、前記補償テーブルの各パラメータ値を補正する補正手段と、前記補正手段が補正した前記補償テーブルの各パラメータ値に基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第2書込手段と、前記第2書込手段にて書き込まれたデータを読み出し、これらのシフト量を測定する第2測定手段と、少なくとも前記第1及び第2測定手段の測定結果に基づいて、最終的な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記補償テーブルの各パラメータ値に基づいて、与えられたデータに応じて光学ヘッドからレーザビームを放射し、光ディスクの所定領域にデータを記録しこれを再生する記録再生手段とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置である。
【0015】
本発明は、記録補償テーブルについて、光ディスクに適合した最適値を学習する光ディスク記録再生装置を特定している。
【0016】
又本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、前記設定手段で設定されたパワー値と記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、エラーライン数を得て、これに基づき暫定パワー値を決定する暫定パワー決定手段と、前記設定手段と前記暫定パワー決定手段とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域に対してデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なフォーカスオフセット値を決定するフォーカスオフセット決定手段と、前記設定手段と前記暫定パワー決定手段とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なトラッキングオフセット値を決定するトラッキングオフセット決定手段と、前記設定手段と前記暫定パワー決定手段とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定するテーブル決定手段と、前記フォーカスオフセット決定手段、前記トラッキングオフセット決定手段、テーブル決定手段、テーブル決定手段が決定した各値に基づいて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたエラーライン数に基づいて、最終的なパワー値を決定する最終パワー決定手段と、前記最終パワー決定手段が決定した最終パワー値に応じて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたビットエラーレートに基づいて、前記最終的なパワー値を微調整する微調整手段と、前記フォーカスオフセット決定手段、前記トラッキングオフセット決定手段、前記テーブル決定手段、前記微調整手段のそれぞれの決定結果に基づいて、光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置である。
【0017】
本発明は、複数段のパワー学習に加え、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、記録補償テーブル学習を行う光ディスク記録再生装置を特定するものであり、光ディスクのばらつきに適合した従来装置はない高い記録特性を得ることが可能な光ディスク記録再生装置を提供することができる。
【0018】
更に本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、前記設定工程で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込工程と、前記第1書込工程にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのエラーライン数をそれぞれ測定する第1測定工程と、前記第1測定工程にて測定したエラーライン数に応じて、パワー値を決定する第1決定工程と、前記第1決定工程にて決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータの書込を行う第2書込工程と、前記第2書込工程にて書き込んだデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートを測定する第2測定工程と、前記第2測定工程にて測定したビットエラーレートに基づいて、最終的なパワー値を決定する第2決定工程と、前記第2決定工程にて決定したパワー値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程と を具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法である。
【0019】
本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、前記光学ヘッドのレーザビームのフォーカスオフセットをデフォルト値とし、更に、これとは段階的に異なる値の複数のフォーカスオフセット値を設け、これらのフォーカスオフセットと前記設定工程にて設定されたパワー値及び記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む書込工程と、前記書込工程にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートをそれぞれ測定する測定工程と、前記測定工程にて測定したビットエラーレートに応じて、最適なフォーカスオフセット値を決定する決定工程と、前記決定工程にて決定したフォーカスオフセット値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法である。
【0020】
本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、前記光学ヘッドのレーザビームのトラッキングオフセットをデフォルト値とし、更に、これとは段階的に異なる値の複数のトラッキングオフセット値を設け、これらのトラッキングオフセットと前記設定工程にて設定されたパワー値及び記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む書込工程と、前記書込工程にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートをそれぞれ測定する測定工程と、前記測定工程にて測定したビットエラーレートに応じて、最適なトラッキングオフセット値を決定する決定工程と、前記決定工程にて決定したトラッキングオフセット値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法である。
【0021】
本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値、フォーカスオフセット、トラッキングオフセット、データの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、前記設定工程にて設定された各デフォルト値に基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込工程と、前記書込工程にて書き込まれたデータを読み出し、これらのシフト量を測定する第1測定工程と、前記測定工程にて測定したシフト量に応じて、前記補償テーブルの各パラメータ値を補正する補正工程と、前記補正工程にて補正した前記補償テーブルの各パラメータ値に基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第2書込工程と、前記第2書込工程にて書き込まれたデータを読み出し、これらのシフト量を測定する第2測定工程と、少なくとも前記第1及び第2測定工程での測定結果に基づいて、最終的な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定する決定工程と、前記決定工程にて決定した前記補償テーブルの各パラメータ値に基づいて、与えられたデータに応じて光学ヘッドからレーザビームを放射し、光ディスクの所定領域にデータを記録しこれを再生する記録再生工程とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法である。
【0022】
本発明は、光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、前記設定工程にて設定されたパワー値と記録補償テーブルとに基づいて、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、エラーライン数を得て、これに基づき暫定パワー値を決定する暫定パワー決定工程と、前記設定工程と前記暫定パワー決定工程とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域に対してデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なフォーカスオフセット値を決定するフォーカスオフセット決定工程と、前記設定工程と前記暫定パワー決定工程とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なトラッキングオフセット値を決定するトラッキングオフセット決定工程と、前記設定工程と前記暫定パワー決定工程とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定するテーブル決定工程と、前記フォーカスオフセット決定工程、前記トラッキングオフセット決定工程テーブル決定工程、テーブル決定工程にて決定された各値に基づいて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたエラーライン数に基づいて、最終的なパワー値を決定する最終パワー決定工程と、前記最終パワー決定工程にて決定された最終パワー値に応じて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたビットエラーレートに基づいて、前記最終的なパワー値を微調整する微調整工程と、前記フォーカスオフセット決定工程、前記トラッキングオフセット決定工程、前記テーブル決定工程、前記微調整工程でのそれぞれの決定結果に基づいて、光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程とを具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法である。
【0023】
上述した光ディスク記録再生方法においても、光ディスク記録再生装置と同様に、複数段のパワー学習に加え、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、記録補償テーブル学習が行われ、光ディスクのばらつきに適合した従来装置はない高い記録特性を得ることが可能な光ディスク記録再生方法を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置を説明する。
【0025】
<光ディスク記録再生装置の構成>
図1は本発明の実施形態である学習シーケンスを示すフローチャート、図2は本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の概略的な構成を示す図である。
【0026】
図1において、本発明に係る光ディスク記録再生装置は、記録命令を受けると、装填された光ディスクに対して、3つのパワー学習(暫定パワー学習、最終パワー学習、パワー微調整学習)と、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、テーブル学習とが行われることが示されている。
【0027】
又、図2に示されたこの光ディスク記録再生装置30は、光ディスク(DVD−RAM)1へのデータの記録及びこの光ディスク1からデータを再生するものである。
【0028】
この光ディスク1は、例えばガラスあるいはプラスチックス等で円形に形成された基板の表面に金属被膜層がドーナツ型にコーティングされて構成され、同心円状あるいはスパイラル状のグルーブおよびランドの両方を用いてデータの記録(相変化マークによる記録)あるいは記録されているデータの再生が行われ、マスタリング工程で記録ピットにより所定間隔ごとにアドレスデータが記録されている相変化形で書換え形のディスクである。
【0029】
上記光ディスク1は、螺旋又は同心円状のデータを記録するグルーブおよびランドのトラックを有し、一定長のグルーブおよびランドからなりアドレスデータからなるヘッダ部(図示しない)とデータが記録される記録領域(図示しない)とからなる複数のセクタを有し、上記複数のトラックずつの複数のゾーンからなる。
【0030】
上記光ディスク1としては、ディスクタイプが何種類かあり、各ディスクタイプごとに後述するレーザビームの記録時のパワーつまり記録ピークパワーと消去パワー1等が異なっている。例えば、メーカごとに上記光ディスク1の特性が異なっている。
【0031】
上記光ディスク1のリードインエリアのエンボスデータゾーン内のコントロールデータゾーンに、ディスクタイプを示すデータ(光ディスク1の特性)として、記録ピークパワーが記録されていたり、消去パワー1が記録されていたり、会社名が記録されているようになっている。
【0032】
上記ピークパワーの一例としては、10mW、11mW、12mW、13mWがある。上記消去パワー1の一例としては、4.5mW、5.0mW、5.5mW、6.0mWがある。
【0033】
上記光ディスク1の光ディスク記録再生装置30への装填時に、後述する光学ヘッド3とデータ処理ユニット6を用いて、光ディスク1のリードインエリアのエンボスデータゾーン内のコントロールデータゾーンに記録されている光ディスク1の特性としての、記録ピークパワーと、消去パワー1が読取られ、後述するCPU25に供給されるようになっている。
【0034】
上記光ディスク記録再生装置30は、光ディスク1を各ゾーンごとに異なった回転数で回転した状態で、上記光ディスク1に対してデータを記録したり、この光ディスク1に記録されているデータを再生するものである。
【0035】
この光ディスク記録再生装置30は、DVD−RAMのみならず他のDVDディスクからもデータの読み出しが可能で、書換可能なDVDディスクに対してデータの書き込みが可能な装置として構成されている。
【0036】
上記光ディスク記録再生装置30は、光ピックアップ(光学ヘッド)2を備えている。この光ピックアップ2は、対物レンズ3を有している。光ピックアップ2内には、対物レンズ3に対応して半導体レーザユニット(図示せず)が設けられ、レーザ制御ユニット5によって付勢され、対応する波長のレーザビームを発生する。半導体レーザユニットが付勢されると、光ディスク1に対応するレーザビームが対応する対物レンズ3に向けられ、この対物レンズ3によって光ディスク1に収束される。この収束されたレーザビームで光ディスク1にデータが書き込まれ(マーク列の生成:可変長のマークとマークの間隔と、可変長の各マークの長さにより光ディスク1にデータが記録される)、或いは、再生される。
【0037】
レーザ制御ユニット5は、データ処理ユニット6によってその設定がセットされるが、その設定は、再生信号を得る再生パワー、データを記録する記録パワー及びデータを消去する消去パワーで異なっている。レーザビームは、再生パワー、記録パワー及び消去パワーの3つのパワーでそれぞれ異なるレベルのパワーを有し、それぞれのパワーのレーザビームが発生されるように半導体レーザユニットがレーザ制御ユニット5によって付勢される。
【0038】
たとえば、レーザ制御ユニット5は、図示しない抵抗とトランジスタにより構成され、電源電圧が抵抗とトランジスタと半導体レーザユニットとしての半導体レーザに印加されるようになっている。これにより、トランジスタのベース電流により増幅率が異なり、半導体レーザ発振器に異なる電流が流れ、強度の異なったレーザビームが発生されるようになっている。すなわち、後述する記録波形生成回路45からの記録波形の信号レベルに応じたレーザパワーが発生されるようになっている。
【0039】
対物レンズ3に対向して光ディスク1が配置されるように、この光ディスク1は、直接或いはディスクカートリッジ1aに収納されてトレー7によって装置内に搬送される。このトレー7を駆動する為のトレーモータ8が装置内に設けられている。また、装填された光ディスク1は、クランパー9によって回転可能にスピンドルモータ10上に保持され、このスピンドルモータ10によって回転される。
【0040】
光ピックアップ2は、その内にレーザビームを検出する光検出器(図示せず)を有している。この光検出器は、光ディスク1で反射されて対物レンズ3を介して戻されたレーザビームを検出している。光検出器からの検出信号(電流信号)は、電流/電圧変換器(I/V)12で電圧信号に変換され、この信号は、プリアンプ(RFアンプ)13及びサーボアンプ14に供給される。プリアンプ13からは、ヘッダ部のデータの再生用と記録領域のデータの再生用信号がDVDデータ処理ユニット6に出力される。サーボアンプ14からのサーボ信号(トラックエラー信号、フォーカスエラー信号)は、サーボシーク制御ユニット15に出力される。
【0041】
フォーカスずれ量を光学的に検出する方法としては、たとえば次のようなものがある。
【0042】
[非点収差法] 光ディスク1の光反射膜または光反射性記録膜で反射されたレーザ光の検出光路に非点収差を発生させる光学素子(図示せず)を配置し、光検出器上に照射されるレーザ光の形状変化を検出する方法である。光検出領域は対角線状に4分割されている。各検出領域から得られる検出信号に対し、DVDサーボシーク制御ユニット15内で対角和間の差を取ってフォーカスエラー検出信号(フォーカス信号)を得る。
【0043】
[ナイフエッジ法] 光ディスク1で反射されたレーザ光に対して非対称に一部を遮光するナイフエッジを配置する方法である。光検出領域は2分割され、各検出領域から得られる検出信号間の差を取ってフォーカスエラー検出信号を得る。
【0044】
通常、上記非点収差法あるいはナイフエッジ法のいずれかが採用される。
【0045】
光ディスク1はスパイラル状または同心円状のトラックを有し、トラック上に情報が記録される。このトラックに沿って集光スポットをトレースさせて情報の再生または記録/消去を行う。安定して集光スポットをトラックに沿ってトレースさせるため、トラックと集光スポットの相対的位置ずれを光学的に検出する必要がある。
【0046】
トラックずれ検出方法としては一般に、次の方法が用いられている。
[位相差検出(Differential Phase Detection)法] 光ディスク1の光反射膜または光反射性記録膜で反射されたレーザ光の光検出器上での強度分布変化を検出する。光検出領域は対角線上に4分割されている。各検出領域から得られる検出信号に対し、DVDサーボシーク制御ユニット15内で対角和間の位相差を取ってトラックエラー検出信号(トラッキング信号)を得る。
【0047】
[プッシュプル(Push-Pull )法] 光ディスク1で反射されたレーザ光の光検出器上での強度分布変化を検出する。光検出領域は2分割され、各検出領域から得られる検出信号間の差を取ってトラックエラー検出信号を得る。
【0048】
[ツインスポット(Twin-Spot )法] 半導体レーザ素子と光ディスク1間の送光系に回折素子などを配置して光を複数に波面分割し、光ディスク1上に照射する±1次回折光の反射光量変化を検出する。再生信号検出用の光検出領域とは別に+1次回折光の反射光量と−1次回折光の反射光量を個々に検出する光検出領域を配置し、それぞれの検出信号の差を取ってトラックエラー検出信号を得る。
【0049】
DVDモードでは、DVDサーボシーク制御ユニット15からフォーカス信号、トラッキング信号及び送り信号がフォーカス及びトラッキングアクチュエータドライバ並びに送りモータドライバ17に送られ、このドライバ17によって対物レンズ3がフォーカスサーボ制御され、また、トラッキングサーボ制御される。
【0050】
更に、アクセス信号に応じてドライバ17から付勢信号が送りモータ11に供給され光ピックアップ2が搬送制御される。
【0051】
このサーボシーク制御ユニット15は、データ処理ユニット6によって制御される。例えば、データ処理ユニット6からアクセス信号がサーボシーク制御ユニット15に供給されて送り信号が生成される。
【0052】
また、データ処理ユニット6からの制御信号でスピンドルモータドライバ18及びトレーモータドライバ19が制御され、スピンドルモータ10及びトレーモータ8が付勢され、スピンドルモータ10が所定回転数で回転され、トレーモータ8がトレーを適切に制御することとなる。
【0053】
データ処理ユニット6に供給されたヘッダ部のデータに対応する再生信号は、後述するCPU25に供給される。これにより、上記CPU25は、その再生信号によりヘッダ部のアドレスとしてのセクタ番号を判断し、アクセスする(データを記録するあるいは記録されているデータを再生する)アドレスとしてのセクタ番号との比較を行うようになっている。
【0054】
データ処理ユニット6に供給された記録領域のデータに対応する再生信号は、RAM20に必要なデータが格納され、再生信号がこのデータ処理ユニット6で処理されてバッファとしてのRAM21を有するインタフェース制御部22に供給され、例えばパーソナルコンピュータ等の外部装置に再生処理信号が供給される。
【0055】
図2に示す各部は、ROM24に格納された手順に従って、CPU25によって制御される。RAM26はCPU25のメモリとして用いられる。
【0056】
上記ROM24には、記録補償テーブル24a(図8の(a)及び(b))があらかじめ登録されている。
【0057】
たとえば、記録補償テーブル24aは、図8の(a)に示すように、マーク長(3T、4T、5T、6T以上)に対する前(たとえばリーディング)のスペースの長さに基づく、記録信号(変調信号、NRZI信号)の立ち上がり時から記録波形のファーストパルスの立ち上げ位置までの時間(TSFP)であり、変調信号に応じて変更されるようになっている。この時間としてはnsecのオーダーとなっている。
【0058】
また、記録補償テーブル24aは、図8の(b)に示すように、マーク長(3T、4T、5T、6T以上)に対する後(たとえばトレイリング)のスペースの長さに基づく、ラストパルスの立ち上げ位置の手前のマルチパルスが出力されるタイミングからラストパルスの立ち下げ位置までの時間(TELP)であり、変調信号に応じて変更されるようになっている。この時間としてはnsecのオーダーとなっている。
【0059】
上記記録補償テーブル24a、図8の(a)及び(b)は、それぞれ異なった時間が登録されているものである。上記光ディスク1の特性、上記光ディスク1のチルト量、上記光ディスク1における記録半径位置、光ピックアップ2の周辺温度に基づいて、各組み合わせごとに異なった記録補償テーブル24aが用いられるようになっている。
【0060】
上記CPU25は、上記光ディスク1の装填時に、光ピックアップ2とデータ処理ユニット6を用いて読取られた、光ディスク1の特性としての記録ピークパワーと消去パワー1を、RAM26に登録するようになっている。
【0061】
<本発明の学習シーケンス>
このような構成の光ディスク記録再生装置30において、CPU25の制御によりRAM24又はROM26に格納されたプログラムに応じて以下のようにパワー学習、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、記録補償テーブル学習が行われる。以下、図面を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態である学習シーケンスの暫定パワー学習を詳細に示すフローチャート、図4は、学習シーケンスのテーブル学習を詳細に示すフローチャート、図5は、学習シーケンスの最終パワー学習を詳細に示すフローチャートである。
【0062】
本発明の光ディスク記録再生装置30は、光ディスクの記録動作を行う際に、装填された光ディスク一枚一枚の特性のばらつきに応じて、記録処理を行う前に、パワー値やフォーカスオフセット、トラッキングオフセット、記録補償テーブル等について、学習処理を行う。図1のフローチャートにおいて、オペレータの操作などから光ディスクへの書込動作を命令されると、CPU25の制御において、一例として、トレー7に格納された光ディスクのリードインエリアのエンボスデータゾーン内のコントロールデータゾーンから、ディスクタイプを示すデータ(光ディスク1の特性)として、記録ピークパワーや消去パワー1、会社名等を読み取る。そして、CPU25の制御により、読み取ったこれらの値や予め光ディスク記録再生装置内のROM24等に用意された値に基づいて、パワー値やテーブル値をデフォルト値P0,T0に設定してこれらのデータをRAM26の所定領域に格納する(S1)。
【0063】
次に、暫定パワー学習が、記録パワーと消去パワーについて行われる(S2)。具体的には、CPU25の制御により下書きが5回行われ、8ECCブロックに記録し、中央の4ECCブロックが再生される。設定されたデフォルト値に基づいて、暫定パワー学習が行われ、暫定パワー値Ptempが求められる(S3)。
【0064】
暫定パワー学習を図3のフローチャートに応じて処理の一例を詳細に説明すると、最初に、記録パワー、消去パワーについて、スタート値をP0−4H(Hは変化量の単位の一つである)とし、順にこれに01Hずつを加えながら、光ディスクの所定領域へデータを書き込んでいく(S11)。書き込みが終わると、書き込んだデータを読み出す(S12)。読み出したデータについて、異なるパワー値に応じて、それぞれのエラーライン数を順番に測定する(S13)。そして、エラーライン数の絶対値が初めて80H以下となるパワー値Pthtempに着目し、これのエラーライン数と、直前のパワー値のエラーライン数とを比較して、80H以上の差が有るかどうかを判断する(S14)。図6はエラーライン数の変化を示すグラフであり(a)が80H以上の差がある場合、(b)が80H未満の場合である。(a)の80H以上の差がある場合は、暫定パワー値PtempをPthtemp+02Hとする(S15)。(b)の80H未満の場合は、暫定パワー値PtempをPthtemp+01Hとする(S16)。
【0065】
次に図1のフローチャートに戻って、フォーカスオフセット学習を説明すると、ステップS3で求めた暫定パワー値Ptempに基づいて、フォーカスオフセット学習を行う(S3)。これは、デフォルト値に加え、デフォルト値+03H、デフォルト−03Hのフォーカスオフセット値を用意し、これらに応じて、光ディスクの所定領域に書き込みを行いこれらを読み出して、ビットエラーレートを求めるものである。そして、ビットエラーレートが最も良い値のフォーカスオフセット値を最終的なフォーカスオフセットとするものである。
【0066】
図9の(a)のグラフは、この様子を示しており、この場合は、デフォルト値が最もビットエラーレートが良いので、デフォルト値をフォーカスオフセット値としていることがわかる。
【0067】
次に、トラッキングオフセット学習を説明すると、ステップS3で求めた暫定パワー値Ptempに基づいて、トラッキングオフセット学習を行う(S4)。これは、フォーカスオフセット値の場合と同様に、デフォルト値に加えて、デフォルト値+03H、デフォルト−03Hのトラッキングオフセット値を用意し、これらに応じて、光ディスクの所定領域に書き込みを行いこれらを読み出して、ビットエラーレートを求めるものである。そして、ビットエラーレートが最も良い値のトラッキングオフセット値を最終的なトラッキングオフセットとするものである。
【0068】
次にテーブル学習について説明すると、ステップS2で求めた暫定パワーPtempに基づいて、記録補償パターンテーブルのテーブル学習を行って、シフト量に応じて適宜、記録補償パターンテーブルの値を改善する(S5)。
【0069】
更に詳細な図4のフローチャートを用いて説明すると、光ディスクの所定領域にランダムデータを書き込み(S21)、これを読み出して、各エッジのシフト量を測定する(S22)。ここで、図7はテーブル学習の処理動作を説明する説明図、図8はテーブル学習の対象となるテーブル値の一例を示す図である。図7において、前スペース長が4T、マーク長が5Tの場合のエッジAのシフト量は、図8の(a)が示す記録補償パターンテーブルのデータAが示すシフト量に対応する。同様に図7において、後スペース長が5T、マーク長が5Tの場合のエッジBのシフト量は、図8の(b)が示す記録補償パターンテーブルのデータBが示すシフト量に対応している。それぞれのエッジのシフト量が80H±10Hを越えているとき(S23)、例えば3回を限度として(S24)、シフト量が80H±10Hを越える箇所の記録補償パターンテーブルを補正するものである(S25)。このようなテーブル学習処理により、記録補償パターンテーブルも、与えられた光ディスクの固有のばらつき成分を吸収する方向で補正することができる。
【0070】
次に図1の最終パワー学習においては、今までの学習処理で得られたフォーカスオフセット値、トラッキングオフセット値、補償パターンテーブルの値に基づいて、最終的なパワー学習を行うものである(S6)。すなわち、ステップS2の暫定パワー学習は、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、テーブル学習を行うための一時的なパワー値であったが、ここにおいて、最終的なパワー値を得るべくパワー学習を行うものである。
【0071】
図5のフローチャートを用いて、最終パワー学習を詳細に説明すると、上述した学習処理により得られたフォーカスオフセット値、トラッキングオフセット値、補償パターンテーブルの値をそれぞれ用いて、記録パワー、消去パワーそれぞれのスタートパワーをP0−04Hとして、これを01Hずつ増やしていきながら、それぞれ光ディスクの所定領域へと書き込みを行う(S31)。次にこの書き込んだデータを読み出して(S32)、これらの読み出しデータのエラーラインを順番に測定する(S33)。そして、エラーライン数の絶対値が初めて80H以下になるパワー値Pthfinalに着目する。この値が、直前のパワー値との差が80H以上となっているかを判断する(S34)。図6のエラーライン数の変化を示すグラフは暫定パワーの場合を示しているが、最終パワー値の場合もこれと同様に理解することができ、(a)が80H以上の差がある場合、(b)が80H未満の場合に対応している。(a)の80H以上の差がある場合は、最終パワー値PfinalをPthfinal+02Hとする(S35)。(b)の80H未満の場合は、最終パワー値PfinalをPthfinal+01Hとする(S36)。これにより最終パワー値Pfinalが得られる。
【0072】
最後にこのようにして得られた最終パワー値Pfinalを、更に本発明では、パワー微調整学習を行って、より最適値に近づけている。すなわち、最終パワー値Pfinalに加え、最終パワー値Pfinal+01H、最終パワー値Pfinal−01Hの値をそれぞれ用意し、これに応じて書き込み読み出しを行って、3種のビットエラーレートを測定する。そして、エラーバイト数が一例として20H以上の改善があるときに限り、改善されたパワー値を選択するものである(S7)。図9の(b)のグラフはこの場合を示しており、最終パワー値Pfinal+01Hの場合が、デフォルトの最終パワー値Pfinalよりも20H以上の改善が見られる例が示されており、このパワー微調整学習によって、最終パワー値は、最終パワー値PfinalからPfinal+01Hへと微調整されることとなる(S7)。
【0073】
そして最終的に、このように最適化された光学ディスクのパワー値、フォーカスオフセット値、トラッキングオフセット値、そして記録補償パターンテーブルを使用して、与えられたデータに基づいて、光ディスクの所定領域に対して記録処理を行い、更に再生処理をも行うものである。
【0074】
以上本発明に係る光ディスク記録再生装置によれば、従来装置では行われなかった、光ディスク一枚ごとのパワー学習、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、テーブル学習を行うことにより、光ディスクそれぞれのばらつきを考慮した最適値にそれぞれ設定することによって、非常に改善された記録特性によりデータの記録処理を可能とすることができる。
【0075】
<本発明のその他の学習シーケンス>
更に本発明は、上述したパワー学習、フォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、テーブル学習のそれぞれの処理は、必ずしも全て一緒に行う必要がないことを明確にするものである。
【0076】
すなわち、上述した3段階のパワー学習は、必ずしもフォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、テーブル学習を伴う必要はなく、単独で複数段のパワー学習を行うことにより、従来にはなかった光ディスクそれぞれに最も適した値でのパワー値を用いることによる、非常に改善されたデータ記録処理を可能とするものである。図10は、この時の複数段のパワー学習を説明するフローチャートである。
【0077】
図10のフローチャートにおいて、最初に、記録パワー、消去パワーについて、スタート値をP0−4H(Hは変化量の単位の一つである)とし、順にこれに01Hずつを加えながら、光ディスクの所定領域へデータを書き込んでいく(S41)。書き込みが終わると、書き込んだデータを読み出す(S42)。読み出したデータについて、異なるパワー値に応じて、それぞれのエラーライン数を順番に測定する(S43)。そして、エラーライン数の絶対値が初めて80H以下となるパワー値Pthに着目し、これのエラーライン数と、直前のパワー値のエラーライン数とを比較して、80H以上の差が有るかどうかを判断する(S44)。80H以上の差がある場合は、パワー値PをPth+02Hとする(S45)。80H未満の場合は、パワー値PをPth+01Hとする(S46)。
【0078】
こうした上で、パワー値の微調整を行うのであり、パワー値Pに加え、パワー値P+01H、パワー値P−01Hの値をそれぞれ用意し、これに応じて書き込み読み出しを行って、3種のビットエラーレートを測定する(S47)。そして、エラーバイト数が一例として20H以上の改善があるときに限り、改善されたパワー値を選択するものである(S48)。
【0079】
これにより、従来装置では得られなかった光ディスク毎の精緻なパワー値の学習処理を可能とすることができる。
【0080】
又、同様に、上述したフォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、記録補償テーブル学習は、それぞれ、パワー学習や他の学習処理を伴うことなく単独に行うことも可能である。それらの場合も、従来装置にはなかった光ディスクそれぞれに対応した最適な値のフォーカスオフセット値又はトラッキングオフセット値又は記録補償テーブルを得ることが可能となる。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、与えられた光ディスクのばらつきに適応したパワー値、フォーカスオフセット値、トラッキングオフセット値、記録補償テーブルの値を学習機能により自動的に得ることにより、充填された光ディスクの特定を十分生かした最高の記録特性によってデータの記録再生を可能とする光ディスク記録再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である学習シーケンスを示すフローチャート。
【図2】本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の概略的な構成を示す図。
【図3】本発明の実施形態である学習シーケンスの暫定パワー学習を詳細に示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態である学習シーケンスのテーブル学習を詳細に示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態である学習シーケンスの最終パワー学習を詳細に示すフローチャート。
【図6】本発明に係るパワー学習とエラーライン数との関係を示すグラフ。
【図7】本発明に係るテーブル学習の処理動作を説明する説明図。
【図8】本発明に係るテーブル学習の対象となるテーブル値の一例を示す図。
【図9】本発明に係るフォーカスオフセット学習、トラッキングオフセット学習、パワー微調整学習の処理動作を説明するグラフ。
【図10】本発明の他の実施形態である複数段のパワー学習を示すフローチャート。
【符号の説明】
1...光ディスク
2...光ピックアップ(光学ヘッド)
5...レーザ制御ユニット
6...データ処理ユニット
24...RAM
25...CPU
26a...テーブル
30...光ディスク記録再生装置
Claims (4)
- 光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込手段と、
前記第1書込手段にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのエラーライン数をそれぞれ測定する第1測定手段と、
前記第1測定手段が測定したエラーライン数に応じて、パワー値を決定する第1決定手段と、
前記第1決定手段が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータの書込を行う第2書込手段と、
前記第2書込手段が書き込んだデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートを測定する第2測定手段と、
前記第2測定手段が測定したビットエラーレートに基づいて、最終的なパワー値を決定する第2決定手段と、
前記第2決定手段が決定したパワー値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段を具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、エラーライン数を得て、これに基づき暫定パワー値を決定する暫定パワー決定手段と、
前記暫定パワー決定手段が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なフォーカスオフセット値を決定するフォーカスオフセット決定手段と、
前記暫定パワー決定手段が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なトラッキングオフセット値を決定するトラッキングオフセット決定手段と、
前記設定手段と前記暫定パワー決定手段とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にランダムデータを書き込みこれを読み出し、エッジのシフト量を得て、これに基づき最適な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定するテーブル決定手段と、
前記フォーカスオフセット決定手段、前記トラッキングオフセット決定手段テーブル決定手段、テーブル決定手段が決定した段階的に異なる複数のパワー値に基づいて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたエラーライン数に基づいて、最終的なパワー値を決定する最終パワー決定手段と、
前記最終パワー決定手段が決定した最終パワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたビットエラーレートに基づいて、前記最終的なパワー値を微調整する微調整手段と、
前記フォーカスオフセット決定手段、前記トラッキングオフセット決定手段、前記テーブル決定手段、前記微調整手段のそれぞれの決定結果に基づいて、光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生手段を具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置。 - 光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて、光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込む第1書込工程と、
前記第1書込工程にて書き込まれたデータを読み出して、読み出しデータのエラーライン数をそれぞれ測定する第1測定工程と、
前記第1測定工程にて測定したエラーライン数に応じて、パワー値を決定する第1決定工程と、
前記第1決定工程にて決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータの書込を行う第2書込工程と、
前記第2書込工程にて書き込んだデータを読み出して、読み出しデータのビットエラーレートを測定する第2測定工程と、
前記第2測定工程にて測定したビットエラーレートに基づいて、最終的なパワー値を決定する第2決定工程と、
前記第2決定工程にて決定したパワー値に基づいて光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程を具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法。 - 光学ヘッドから放射されるレーザビームに応じて光ディスクの所定領域にデータを記録する光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスクへのデータの記録命令を受けると、前記光学ヘッドから照射されるレーザビームのパワー値とデータの記録処理に用いる記録補償テーブルの各パラメータ値とをそれぞれデフォルト値に設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された記録補償テーブルに基づいて、前記デフォルト値のパワー値とこれとは段階的に異なる値の複数のパワー値とに対応して、装填された新たな光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、エラーライン数を得て、これに基づき暫定パワー値を決定する暫定パワー決定工程と、
前記暫定パワー決定工程が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なフォーカスオフセット値を決定するフォーカスオフセット決定工程と、
前記暫定パワー決定工程が決定したパワー値と、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にデータを書き込みこれを読み出し、ビットエラーレートを得て、これに基づき最適なトラッキングオフセット値を決定するトラッキングオフセット決定工程と、
前記設定工程と前記暫定パワー決定工程とによる暫定パワー値と記録補償テーブルの各パラメータ値とに基づいて、前記光ディスクの所定領域にランダムデータを書き込みこれを読み出し、エッジのシフト量を得て、これに基づき最適な記録補償テーブルの各パラメータ値を決定するテーブル決定工程と、
前記フォーカスオフセット決定工程、前記トラッキングオフセット決定工程テーブル決定工程、テーブル決定工程にて決定された段階的に異なる複数のパワー値に基づいて、前記光ディスクの所定領域へ書き込み処理及び読み出し処理を行い、得られたエラーライン数に基づいて、最終的なパワー値を決定する最終パワー決定工程と、
前記最終パワー決定工程にて決定された最終パワー値に応じて、少なくとも、これより所定量だけ多いパワー値と所定量だけ少ないパワー値とに基づいて、前記最終的なパワー値を微調整する微調整工程と、
前記フォーカスオフセット決定工程、前記トラッキングオフセット決定工程、前記テーブル決定工程、前記微調整工程でのそれぞれの決定結果に基づいて、光学ヘッドからレーザビームを放射することで、与えられたデータを光ディスクの所定領域に記録しこれを再生する記録再生工程を具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
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