JP2005149562A - 光ディスク記録再生装置 - Google Patents

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JP2005149562A
JP2005149562A JP2003381977A JP2003381977A JP2005149562A JP 2005149562 A JP2005149562 A JP 2005149562A JP 2003381977 A JP2003381977 A JP 2003381977A JP 2003381977 A JP2003381977 A JP 2003381977A JP 2005149562 A JP2005149562 A JP 2005149562A
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Kazuo Ichihara
和夫 市原
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Funai Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】 チルト補正機構のメカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず、
チルト補正機構の良好な応答性を実現し、光ディスクに対する記録品質および再生品質を
向上させることができる光ディスク記録再生装置を提供する。
【解決手段】 光ディスク1に対する光ピックアップ4からのレーザ光の傾きを検出す
るチルトセンサ5からの検出信号は、制御回路6に入力される。制御回路6は検出信号に
基づいてモータ駆動信号を出力する。制御回路6からのモータ駆動信号は、モータ駆動回
路7に入力されて電力増幅され、特に、モータ駆動回路7にモータ駆動信号が入力された
時の該モータ駆動信号の立上げ時に、該モータ駆動信号自体がチョッピングされる。これ
により、チルト補正用モータ8は、起動トルクが大きくなって、起動応答性が向上し、し
たがって、チルト補正機構11の良好な応答性が実現する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクに記録された情報を再生したり
する光ディスク記録再生装置に関し、特に、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを
検出して補正するチルト補正機構を駆動するためのチルト補正用モータの駆動制御に関す
る。
従来から光ディスク記録再生装置では、光ピックアップからのレーザ光を対物レンズに
より、例えば、直径約0.5μmの光スポットに集光して、光ディスクに設けられた、例
えば、約0.74μmピッチのトラックに情報の記録を行ったり、トラックに記録された
情報の再生を行ったりする。この際、光ディスク面に照射されるレーザ光の光軸が、光デ
ィスク面に垂直でなく相対的な傾き誤差を有する場合には、光スポットが隣接トラックに
も照射されて隣接トラックの情報が混入すると共に、光ディスク面上の光スポットに収差
が生じてしまって記録品質および再生品質が大幅に低下してしまう。
このような不具合は、高密度化を実現するために、対物レンズの開口数NAを大きくし
た光ピックアップを備えた光ディスク記録再生装置においては、非常に大きな問題となる
。したがって、光ディスク面に対するレーザ光の光軸の傾き誤差を所定角度以下に抑える
ことが重要であり、そのために傾き誤差を補正するために光ディスクの反り(傾き)に応
じて光ピックアップの傾きを制御するチルト補正機構が必要となる。
特開2000−163779号公報 特開2002−109767号公報 特開2002−251761号公報
そこで、従来から光ディスク記録再生装置では、光ディスクを記録または再生する際に
、光ディスクの半径方向と直交する支軸を中心に光ピックアップを傾けて、光ピックアッ
プから出射されるレーザ光が常に光ディスクへ垂直に照射されるように補正するチルト補
正機構を備えると共に、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセン
サからの検出信号(チルトエラー信号)に基づいて前記チルト補正機構を制御するための
チルト補正用モータを駆動させるモータ駆動信号を出力する制御回路と、この制御回路か
らのモータ駆動信号を電力増幅して前記チルト補正用モータに供給するモータ駆動回路と
を備えている。
しかしながら、このような従来の光ディスク記録再生装置においては、チルト制御は、
前記制御回路でチルトセンサからの出力を単純にチルトエラー信号として処理して、前記
制御回路からのモータ駆動信号を、前記モータ駆動回路で単純に電力増幅して、前記チル
ト補正用モータに供給しているので、次のような課題が生じる。
即ち、前記チルト補正機構は、メカニズム系の構成要素(構成部品)の質量に伴う慣性
力の影響を受け、チルト補正に対する応答性が劣化する傾向にある。前記チルト補正用モ
ータを駆動させるモータ駆動信号は、レベル的に例えば、数百ミリボルト、数十ミリアン
ペアであり、小型DCモータで構成される前記チルト補正用モータの起動トルクや起動応
答性に対しては不適応な条件となっており、前記チルト補正機構のメカニズム系の構成要
素の質量に伴う慣性力の影響により、前記チルト補正機構のメカニズム系の構成要素を駆
動するのに若干時間遅れが生じ、チルト補正制御の応答性が劣化し、結果的に光ディスク
に対する記録品質および再生品質が低下するという課題が生じる。
なお、特許文献1の従来技術では、光ディスクを記録または再生する際に、光ディスク
の半径方向と直交する支軸を中心に光ピックアップを傾けて、光ピックアップから出射さ
れる光が常に光ディスクへ垂直に照射されるように補正するチルト補正装置において、光
ディスクを搭載するターンテーブルに対して傾きが一定であるベースと、このベースに対
して前記支軸を中心に回動自在に支持された光ピックアップまたは光ピックアップ支持部
材と、前記支軸とは離れた位置において光ピックアップまたは光ピックアップ支持部材と
当接して、光ピックアップまたは光ピックアップ支持部材の傾き姿勢を規制すると共に、
その規制量を変化させるチルト駆動手段と、光ピックアップまたは光ピックアップ支持部
材とチルト駆動手段とを磁気的な力で当接させる磁気的当接手段とを有している。この構
成により、チルト可動部の姿勢変化による必要駆動力の変動を抑え、チルト制御精度の劣
化やチルト制御における目標達成時間の増大を防止している。
しかしながら、この従来技術では、前記チルト駆動手段は当然メカニズム系の構成要素
を含んでいるが、メカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力の影響は考慮されておらず
、前記チルト駆動手段の駆動を速め、チルト補正制御の応答性を高めるための対策は開示
されていないので、上記のような課題を解決できるものではない。
特許文献2の従来技術では、チルトサーボ信号出力手段は、チルトエラー信号を積分す
る積分器と、チルトエラー信号を定数倍する比例演算器と、積分器の出力信号と比例演算
器の出力信号との加算信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、このローパスフ
ィルタの出力信号の絶対値が所定量以上である場合にのみ前記ローパスフィルタの出力信
号に応じた前記チルトサーボ信号を出力するデッドゾーンアンプと、前記ローパスフィル
タのカットオフ周波数を前記光ディスクの回転周波数に応じて異なる値に設定するカット
オフ周波数設定手段とを備えている。この構成により、光ディスクの回転周波数の変化に
関わらず、または光ディスクの面振れ量の大小に関わらず安定したチルトサーボ動作を行
い、且つシーク時の応答性に優れたチルトサーボ装置を得ている。
しかしながら、この従来技術では、チルト駆動機構は当然メカニズム系の構成要素を含
んでいるが、メカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力の影響は考慮されておらず、前
記チルト駆動機構の駆動を速め、チルト補正制御の応答性を高めるための対策は開示され
ていないので、上記のような課題を解決できるものではない。
特許文献3の従来技術では、光ピックアップを光ディスクの径方向へ移動可能に支持す
る回動型シャーシと、この回動型シャーシを回動可能に支持する固定シャーシと、光ピッ
クアップと光ディスクとの角度位置を調整するため回動型シャーシを回動駆動させる調整
駆動手段と、回動型シャーシの振動を検知して検出信号として出力する振動検出手段と、
この振動検出手段の検出信号出力に基づいて調整駆動手段を駆動する制御回路手段とを備
えている。この構成により、粗悪ディスクがドライブ装置に装填された場合であっても、
ディスク回転速度を減速することなく、通常の高速ディスク回転速度による記録/再生を
可能にしている。
しかしながら、この従来技術では、駆動ユニットは当然メカニズム系の構成要素を含ん
でいるが、メカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力の影響は考慮されておらず、前記
駆動ユニットの駆動を速め、チルト補正制御の応答性を高めるための対策は開示されてい
ないので、上記のような課題を解決できるものではない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、チルト補正機構のメカ
ニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず、前記チルト補正機構の良好な応答性
を実現し、光ディスクに対する記録品質および再生品質を向上させることができる光ディ
スク記録再生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ディスクを記録または再生する際に
、光ディスクの半径方向と直交する支軸を中心に光ピックアップを傾けて前記光ピックア
ップから出射されるレーザ光が常に光ディスクへ垂直に照射されるように補正するチルト
補正機構を備えた光ディスク記録再生装置において、光ディスクに対する光ピックアップ
の傾きを検出するチルトセンサからの第1の検出信号および第2の検出信号を入力して第
1の検出信号と第2の検出信号との差信号および和信号を生成し、差信号と和信号とによ
り正規化演算を行い、前記チルト補正機構を制御するためのチルト補正用モータを駆動さ
せるモータ駆動信号を出力する制御回路と、この制御回路からのモータ駆動信号を電力増
幅すると共に、前記制御回路からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信号の立
上げ時に該モータ駆動信号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号を前記チルト補正
用モータに供給するモータ駆動回路とを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置
を提供する。
この構成において、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセンサ
からの第1の検出信号および第2の検出信号は、制御回路に入力される。この制御回路は
、第1の検出信号と第2の検出信号との差信号および和信号を生成し、差信号と和信号と
により正規化演算を行い、モータ駆動信号を出力する。この制御回路からのモータ駆動信
号は、モータ駆動回路に入力されて電力増幅され、特に、モータ駆動回路にモータ駆動信
号が入力された時の該モータ駆動信号の立上げ時に、該モータ駆動信号自体がチョッピン
グされる。したがって、チルト補正用モータに供給されるモータ駆動信号は、立上がりが
チョッピングされた電圧または電流の信号となり、これにより、チルト補正用モータは、
起動トルクが大きくなって、起動応答性が向上する。
この構成によれば、チルト補正用モータは、起動トルクが大きくなって、起動応答性が
向上するので、チルト補正機構のメカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず
、前記チルト補正機構の良好な応答性が実現でき、光ディスクに対する記録品質および再
生品質を向上させることができる。
請求項2の発明は、光ディスクを記録または再生する際に、光ディスクの半径方向と直
交する支軸を中心に光ピックアップを傾けて前記光ピックアップから出射されるレーザ光
が常に光ディスクへ垂直に照射されるように補正するチルト補正機構を備えた光ディスク
記録再生装置において、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセン
サからの検出信号に基づいて前記チルト補正機構を制御するためのチルト補正用モータを
駆動させるモータ駆動信号を出力する制御回路と、この制御回路からのモータ駆動信号を
電力増幅すると共に、前記制御回路からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信
号の立上げ時に該モータ駆動信号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号を前記チル
ト補正用モータに供給するモータ駆動回路とを備えたことを特徴とする光ディスク記録再
生装置を提供する。
この構成において、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセンサ
からの検出信号は、制御回路に入力される。この制御回路は、検出信号に基づいてモータ
駆動信号を出力する。この制御回路からのモータ駆動信号は、モータ駆動回路に入力され
て電力増幅され、特に、モータ駆動回路にモータ駆動信号が入力された時の該モータ駆動
信号の立上げ時に、該モータ駆動信号自体がチョッピングされる。したがって、チルト補
正用モータに供給されるモータ駆動信号は、立上がりがチョッピングされた電圧または電
流の信号となり、これにより、チルト補正用モータは、起動トルクが大きくなって、起動
応答性が向上する。
この構成によれば、チルト補正用モータは、起動トルクが大きくなって、起動応答性が
向上するので、チルト補正機構のメカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず
、前記チルト補正機構の良好な応答性が実現でき、光ディスクに対する記録品質および再
生品質を向上させることができる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、制御回路は、光ディスクに対する光ピ
ックアップの傾きを検出するチルトセンサからの第1の検出信号および第2の検出信号を
入力して第1の検出信号と第2の検出信号との差信号および和信号を生成し、差信号と和
信号とにより正規化演算を行い、前記チルト補正機構を制御するためのチルト補正用モー
タを駆動させるモータ駆動信号を出力するので、光ディスクに対する光ピックアップの傾
きを補正するためのモータ駆動信号の精度が高くなり、チルト補正機構を精度良く制御す
ることに貢献できる。
以上のように本発明によれば、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチ
ルトセンサからの第1の検出信号および第2の検出信号を入力して第1の検出信号と第2
の検出信号との差信号および和信号を生成し、差信号と和信号とにより正規化演算を行い
、チルト補正機構を制御するためのチルト補正用モータを駆動させるモータ駆動信号を出
力する制御回路と、この制御回路からのモータ駆動信号を電力増幅すると共に、前記制御
回路からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信号の立上げ時に該モータ駆動信
号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号をチルト補正用モータに供給するモータ駆
動回路とを備えたので、チルト補正用モータは、起動トルクが大きくなって、起動応答性
が向上し、これにより、チルト補正機構のメカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に
影響せず、チルト補正機構の良好な応答性が実現でき、したがって、光ディスクに対する
記録品質および再生品質を向上させることができる。
また、本発明によれば、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセ
ンサからの検出信号に基づいてチルト補正機構を制御するためのチルト補正用モータを駆
動させるモータ駆動信号を出力する制御回路と、この制御回路からのモータ駆動信号を電
力増幅すると共に、前記制御回路からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信号
の立上げ時に該モータ駆動信号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号をチルト補正
用モータに供給する前記モータ駆動回路とを備えたので、チルト補正用モータは、起動ト
ルクが大きくなって、起動応答性が向上し、これにより、チルト補正機構のメカニズム系
の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず、前記チルト補正機構の良好な応答性が実現で
き、したがって、光ディスクに対する記録品質および再生品質を向上させることができる
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の
一実施形態に係る光ディスク記録再生装置においてチルト補正機構およびその制御に関す
る構成要素を示すブロック図である。
この光ディスク記録再生装置は、光ディスク1を回転させるスピンドルモータ2と、光
ディスク1に情報を光学的に書き込んだり、光ディスク1に記録された情報を光学的に読
み出したりする光ピックアップ4と、光ディスク1に対する光ピックアップ4の傾き(チ
ルト)を検出するためのチルトセンサ5と、このチルトセンサ5からの第1の検出信号お
よび第2の検出信号を入力して第1の検出信号と第2の検出信号との差信号および和信号
を生成し、差信号と和信号とにより正規化演算を行い、前記チルト補正機構を制御するた
めのチルト補正用モータ8を駆動させるモータ駆動信号を出力する制御回路6とを備えて
いる。
また、この光ディスク記録再生装置は、制御回路6からのモータ駆動信号を電力増幅す
ると共に、前記制御回路6からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信号の立上
げ時に該モータ駆動信号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号をチルト補正用モー
タ8に供給するモータ駆動回路7と、チルトセンサ5の両受光素子が傾きに応じた検出信
号をそれぞれ正確に出力できるようにするための制御回路6からのチルトセンサ制御信号
を入力してバッファしチルトセンサ5に出力するバッファ回路10と、光ディスク1を記
録または再生する際に、光ディスク1の半径方向と直交する支軸を中心に光ピックアップ
4を傾けて光ピックアップ4から出射されるレーザ光が常に光ディスク1へ垂直に照射さ
れるように補正するチルト補正機構11とを備えている。
チルト補正機構11は、支点12を中心にして回動可能な回動型シャーシ3と、チルト
補正用モータ8と、このチルト補正用モータ8と連動され回動型シャーシ3を支点12を
中心として図から見て右回転方向または左回転方向に所定回転角度の範囲内で回動させる
ギヤーユニット9とを備えている。
なお、回動型シャーシ3は、亜鉛鋼板などの材質が用いられ、支点12の方向(図から
見て回動型シャーシ3を下方に押圧する方向)に押圧する図示しない第1板バネと、ギヤ
ーユニット9による押圧とは逆方向のバネ力で回動型シャーシ3を図から見て左回転方向
に押圧する図示しない第2板バネとによって、下方および左回転方向に押圧されている。
したがって、ギヤーユニット9はチルト補正用モータ8の回転(正回転または逆回転)
により制御され、その制御量に応じた分だけ、回動型シャーシ3は右回転方向または左回
転方向に回動する。これにより、光ディスク1に対する光ピックアップ4の傾きが補正さ
れることになる。回動型シャーシ3上には光ピックアップ4とチルトセンサ5が設けられ
ている。チルトセンサ5は、光ディスク1に対する光ピックアップ4からのレーザ光の傾
きを検出する。
図2は、図1中の制御回路6内のラジアルチルトサーボ制御ブロックおよびその周辺の
回路を示すブロック図である。図2において、5aはチルトセンサ5の一方の受光素子を
示し、この受光素子5aは図示しない赤外発光素子からの赤外光を受光して第1の検出信
号を出力する。5bはチルトセンサ5の他方の受光素子を示し、この受光素子5bは前記
と同じ赤外発光素子からの赤外光を受光して第2の検出信号を出力する。
制御回路6は、チルトセンサ5の受光素子5aからの第1の検出信号とチルトセンサ5
の受光素子5bからの第2の検出信号との差をとる減算器61と、チルトセンサ5の受光
素子5aからの第1の検出信号とチルトセンサ5の受光素子5bからの第2の検出信号と
の和をとる加算器62と、減算器61からの差信号と加算器62からの和信号とにより正
規化演算を行う演算器63とを備えている。この演算器63から出力されたモータ駆動信
号は、モータ駆動回路7に供給される。
図3は、図2中の制御回路6の動作を説明するためのセンサ出力を示す信号波形図であ
る。この信号波形図は、光ディスク1に対する光ピックアップ4からのレーザ光の傾角と
各センサ信号(検出信号)のレベルとの関係を示している。図3において、例えば、S1
はチルトセンサ5の受光素子5aからの第1の検出信号を示し、S2はチルトセンサ5の
受光素子5bからの第2の検出信号を示す。S3は第1の検出信号S1と第2の検出信号
S2との和をとった和信号を示す。光ディスク1に対する光ピックアップ4からのレーザ
光の傾角がゼロ(垂直)のときは、傾角ゼロ点の軸に対して和信号S3のレベルは左右対
称となる。光ピックアップ4からのレーザ光の傾角が光ディスク1に対して右に傾いてい
るときは、図3に示す傾角は傾角ゼロ点より−方向に、光ピックアップ4からのレーザ光
の傾角が光ディスク1に対して左に傾いているときは、傾角は傾角ゼロ点より+方向に移
行するものとする。
図4は、図2中の制御回路6の動作を説明するためのセンサ出力およびモータ駆動信号
を示す信号波形図である。図4(1)はチルトセンサ5の受光素子5aから出力される第
1の検出信号を示す。この第1の検出信号において、L1は基準レベルを示し、L2は最
大レベルを示す。図4(2)はチルトセンサ5の受光素子5bから出力される第2の検出
信号を示す。この第2の検出信号において、L1は基準レベルを示し、L3は最小レベル
を示す。図4(3)は、制御回路6からのモータ駆動信号をモータ駆動回路7にてチョッ
ピングせずに出力した場合(従来の場合)のモータ駆動信号を示す。図4(4)は、制御
回路6からのモータ駆動信号をモータ駆動回路7にてチョッピングして出力した場合のモ
ータ駆動信号を示す。
次に本実施形態におけるチルト補正制御について説明する。スピンドルモータ2が駆動
することにより光ディスク1が回転すると、チルトセンサ5は、光ピックアップ4からの
レーザ光の光ディスク1に対する傾きを検出すると、傾きに応じた検出信号を出力する。
この説明においては、例えば、光ピックアップ4からのレーザ光が光ディスク1上のトラ
ックに対して垂直方向よりも右(図1から見て)に傾くと、チルトセンサ5の受光素子5
aからの第1の検出信号のレベル(図4では絶対値)が受光素子5bからの第2の検出信
号のレベル(図4では絶対値)よりも大きくなり、また、逆に、光ピックアップ4からの
レーザ光が光ディスク1上のトラックに対して垂直方向よりも左(図1から見て)に傾く
と、チルトセンサ5の受光素子5aからの第1の検出信号のレベル(図4では絶対値)が
受光素子5bからの第2の検出信号のレベル(図4では絶対値)よりも小さくなるとする
光ディスク1が回転し、再生中に、光ピックアップ4からのレーザ光が光ディスク1上
のトラックに対して垂直方向よりも右に傾くと、チルトセンサ5の受光素子5aからの第
1の検出信号のレベル(図4では絶対値)が受光素子5bからの第2の検出信号のレベル
(図4では絶対値)よりも大きくなり、これら第1の検出信号および第2の検出信号は、
制御回路6の減算器61と加算器62に入力される。
減算器61は、第1の検出信号と第2の検出信号との差をとった差信号を出力し、加算
器62は、第1の検出信号と第2の検出信号との和をとった和信号を出力する。そして、
差信号と和信号とは、演算器63に入力され、差信号÷和信号という正規化演算がなされ
、チルト補正機構11の回動型シャーシ3を図1から見て左回転方向に回動させるための
モータ駆動信号を演算器63から出力する。この演算器63からのモータ駆動信号を入力
したモータ駆動回路7は、そのモータ駆動信号を電力増幅して、チルト補正用モータ8を
回転(例えば逆回転)させる。このチルト補正用モータ8の回転により、ギヤーユニット
9は、回動型シャーシ33を支点12を中心にして左回転方向に回動させ、光ピックアッ
プ4からのレーザ光が光ディスク1上の再生しようとするトラックに対して垂直になるよ
うに、光ピックアップ4の傾きを補正する。
また、逆に、光ピックアップ4からのレーザ光が光ディスク1上のトラックに対して垂
直方向よりも左に傾くと、チルトセンサ5の受光素子5aからの第1の検出信号のレベル
(図4では絶対値)が受光素子5bからの第2の検出信号のレベル(図4では絶対値)よ
りも小さくなり、これら第1の検出信号および第2の検出信号は、制御回路6の減算器6
1と加算器62に入力される。
減算器61は、第1の検出信号と第2の検出信号との差をとった差信号を出力し、加算
器62は、第1の検出信号と第2の検出信号との和をとった和信号を出力する。そして、
差信号と和信号とは、演算器63に入力され、差信号÷和信号という正規化演算がなされ
、チルト補正機構の回動型シャーシ3を図1から見て右回転方向に回動させるためのモー
タ駆動信号を演算器63から出力する。この演算器63からのモータ駆動信号を入力した
モータ駆動回路7は、そのモータ駆動信号を電力増幅して、チルト補正用モータ8を回転
(例えば正回転)させる。このチルト補正用モータ8の回転により、ギヤーユニット9は
、回動型シャーシ33を支点12を中心にして右回転方向に回動させ、光ピックアップ4
からのレーザ光が光ディスク1上の再生しようとするトラックに対して垂直になるように
、光ピックアップ4の傾きを補正する。
このような動作に際して、制御回路6からのモータ駆動信号は、モータ駆動回路7に入
力され、電力増幅されるが、モータ駆動回路7は、そのモータ駆動信号を入力した時のそ
のモータ駆動信号の立上げ時に、例えば図4(4)に示すようにモータ駆動信号自体をチ
ョッピングする。これにより、モータ駆動信号は、例えば図4(4)のeで示すようなチ
ョッピング部を有する信号となる。したがって、そのチョッピング部eにより、チルト補
正用モータ8は、起動トルクが大きくなって、起動応答性が向上し、これにより、チルト
補正機構のメカニズム系の構成要素の質量に伴う慣性力に影響せず、チルト補正機構の良
好な応答性が実現でき、したがって、光ディスクに対する記録品質および再生品質を向上
させることができる。
以上説明したように、光ディスクに対するトラッキング方向とフォーカス方向にレーザ
光の照射を制御できるように構成された2軸型アクチュエータ方式の光ピックアップを搭
載し、回動型シャーシを用いたチルト補正機構を有する光ディスク記録再生装置において
、メカニズム系の構成要素(構成部品)の質量に伴う慣性力の影響を受け、前記チルト補
正機構の応答性が劣化する。この応答性の劣化が、再生のエラーレート、記録時のビット
形成などの品質に大きな影響を与える。
そこで、本実施形態では、チルト補正機構の回動型シャーシの制御を簡易な処理で質量
による慣性力の影響を受けないようにするために、回動型シャーシの傾角に対する追従性
を向上させ、これにより、光ディスクに対する記録品質および再生品質を向上させている
回動型シャーシの駆動には小型DCモータで実現されるチルト補正用モータが用いられ
、また、回動型シャーシ自体は亜鉛鋼板などの材質が用いられ、板バネで抑えられている
ため、シャーシの質量にバネ圧が加わり、チルト補正用モータに可也の負荷がかかること
になり、従順なチルト制御ができなくなる。
そこで、本実施形態では、チルト補正用モータを駆動させるモータ駆動信号の立上り時
に、モータ駆動信号自体をチョッピングし、質量による慣性力の影響を軽減することによ
り、迅速な回動型シャーシの回動の応答性を実現し、適切なチルト制御を行うことにより
、光ピックアップから光ディスクに照射されるレーザ光のスポットを適切なものとするこ
とが可能となり、この結果、光ディスクに対する記録品質および再生品質が向上すること
になる。
本発明の一実施形態に係る光ディスク記録再生装置においてチルト補正機構およびその制御に関する構成要素を示すブロック図である。 図1中の制御回路内のラジアルチルトサーボ制御ブロックおよびその周辺の回路を示すブロック図である。 図2中の制御回路の動作を説明するためのセンサ出力を示す信号波形図である。 図2中の制御回路の動作を説明するためのセンサ出力およびモータ駆動信号を示す信号波形図である。
符号の説明
1 光ディスク
4 光ピックアップ
5 チルトセンサ
6 制御回路
7 モータ駆動回路
8 チルト補正用モータ
11 チルト補正機構

Claims (3)

  1. 光ディスクを記録または再生する際に、光ディスクの半径方向と直交する支軸を中心に
    光ピックアップを傾けて前記光ピックアップから出射されるレーザ光が常に光ディスクへ
    垂直に照射されるように補正するチルト補正機構を備えた光ディスク記録再生装置におい
    て、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセンサからの第1の検出
    信号および第2の検出信号を入力して第1の検出信号と第2の検出信号との差信号および
    和信号を生成し、差信号と和信号とにより正規化演算を行い、前記チルト補正機構を制御
    するためのチルト補正用モータを駆動させるモータ駆動信号を出力する制御回路と、この
    制御回路からのモータ駆動信号を電力増幅すると共に、前記制御回路からのモータ駆動信
    号を入力した時の該モータ駆動信号の立上げ時に該モータ駆動信号自体をチョッピングし
    て前記モータ駆動信号を前記チルト補正用モータに供給するモータ駆動回路とを備えたこ
    とを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  2. 光ディスクを記録または再生する際に、光ディスクの半径方向と直交する支軸を中心に
    光ピックアップを傾けて前記光ピックアップから出射されるレーザ光が常に光ディスクへ
    垂直に照射されるように補正するチルト補正機構を備えた光ディスク記録再生装置におい
    て、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセンサからの検出信号に
    基づいて前記チルト補正機構を制御するためのチルト補正用モータを駆動させるモータ駆
    動信号を出力する制御回路と、この制御回路からのモータ駆動信号を電力増幅すると共に
    、前記制御回路からのモータ駆動信号を入力した時の該モータ駆動信号の立上げ時に該モ
    ータ駆動信号自体をチョッピングして前記モータ駆動信号を前記チルト補正用モータに供
    給するモータ駆動回路とを備えたことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  3. 前記制御回路は、光ディスクに対する光ピックアップの傾きを検出するチルトセンサか
    らの第1の検出信号および第2の検出信号を入力して第1の検出信号と第2の検出信号と
    の差信号および和信号を生成し、差信号と和信号とにより正規化演算を行い、前記チルト
    補正機構を制御するためのチルト補正用モータを駆動させるモータ駆動信号を出力するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光ディスク記録再生装置。
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