JP4518031B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法に関するものである。
光ディスク装置は、各方面への応用と高性能化への開発が活発に行われている。特に最近では、光ディスク装置の高倍速化、軽薄化、軽量化が行われ、光ディスクに対するフォーカス制御も高度な制御を要求されるようになってきている。
ここで、光ディスク装置の構成について、図8を用いて説明する。
図8は従来の光ディスク装置のブロック図である。図8において、101は光ディスク、102はピックアップモジュール、103はスピンドルモータ、104は光ピックアップ、105はキャリッジ、106はフィード部、107はフィードモータ、108はアナログ信号処理部、109はサーボ処理部、109aはフォーカスサーボ制御部、110はモータ駆動部、111はディジタル信号処理部、112はレーザ駆動部、113はコントローラである。
以上のように構成された従来の光ディスク装置の動作について説明する。図8において、ピックアップモジュール102は、光ディスク101を回転させるスピンドルモータ103と、光ディスク101にレーザの発光パターンを利用して情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップ104と、光ピックアップ104が搭載されたキャリッジ105を光ディスク101の半径方向に移動させるためのフィード部106とによって構成されたものである。アナログ信号処理部108はピックアップモジュール102の内部に設けられたキャリッジ105中の光ピックアップ104内部の分割光センサ(図示せず)からの信号出力を基に、データ再生のためのRF信号を生成してディジタル信号処理部111に送る。また、分割光センサの出力信号に演算・帯域処理を施し、サーボ処理部109に出力する。
サーボ処理部109は、演算回路、フィルタ回路、増幅回路等によって構成され、アナログ信号処理部8からの信号を基にフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成する。フォーカスエラー信号とは、光ピックアップ104に備えられた対物レンズより出射される光ビームスポットと光ディスク101の記録面との焦点方向のずれを示す。トラッキングエラー信号とは、光ビームスポットと光ディスク101の情報トラックとの光ディスク101半径方向のずれを示す。光ビームスポットが光ディスク101の情報トラックに追従するようにフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基にモータ駆動部110を介して対物レンズをフォーカス/トラッキング制御し、さらにトラッキングエラー信号の低域成分を用いて対物レンズが概略中立位置を保持するようにフィード制御を行う。フィード部106はフィードモータ107、ギヤ(図示せず)、スクリューシャフト(図示せず)等から構成され、フィードモータ107を回転させることによってキャリッジ105が移動し、その際フィードモータ107よりフィードモータパルスが周期的に出力されるようになっている。
ディジタル信号処理部111はデータスライサ、PLL回路、変調・復調回路、エラー訂正回路、レーザ制御回路、バッファメモリ、ホストインターフェース回路等から構成され、アナログ信号処理部から入力されるRF信号を2値化しエラー訂正を行った後、情報信号としてホストに送信したり、ホストから送られたデータを変調して光ディスク101に情報を記録するためのレーザ変調信号を生成してレーザ駆動部112に送り、レーザの記録制御を行う。
コントローラ113はこのように構成された制御部の全体のコントロールを行うものである。
図9は従来の光ディスク装置におけるフォーカス制御部のブロック図である。図9において、101は光ディスク、108はアナログ信号処理部、109aはフォーカスサーボ制御部、110はモータ駆動部、113はコントローラ、114は対物レンズ、115は反射ミラー、116はレーザ、117はナイフエッジ、118は分割光センサである。また、119はA/D変換器、120はFEpアッテネータ、121はFEnアッテネータ、122は差動器、123はFEアッテネータ、124は加算部、125はフィルタ、126は出力アッテネータ、127は切り替えスイッチ部、128はD/A変換器であり、これらは図8に示すフォーカスサーボ制御部109aに内蔵されている。
以上のように構成された従来の光ディスク装置におけるフォーカス制御部の動作について説明する。
レーザ116から出射された光が反射ミラー115で反射され、対物レンズ114を通って光ディスク1の記録面上に集光される。そこから反射した光は分割光センサ118に入射し、電気信号に変換されてアナログ信号処理部108に出力される。再生または記録中は、分割光センサ118からの出力信号がアナログ信号処理部108によって演算・帯域処理を施され、フォーカスサーボ処理部109aに入力される。
フォーカスサーボ制御部109aでは、A/D変換器119によりフォーカスエラー信号の源信号が取り込まれ、FEpアッテネータ120とFEnアッテネータ121を介して差動器22で差動演算され、FEアッテネータ123によって振幅調整されてフォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。FEpアッテネータ120とFEnアッテネータ121の増幅比率は再生・記録信号品質が最良になるようにフォーカスサーボループが閉じらている動作中にコントローラ113によって調整される。FEアッテネータ123の増幅率はフォーカスエラー信号が適切な振幅になるようにフォーカスサーボが引き込まれる前にコントローラ113によって調整される。フォーカスエラー信号は、回路オフセットの除去やフォーカスサーボ追従位置の微調整のためにコントローラ113から加算部124にオフセットが印加され、サーボ制御系を安定化させるためのフィルタ125、ループゲインを調整するための出力アッテネータ126を経由し、切り替えスイッチ部127とD/A変換器128を介してフォーカスアクチュエータを駆動するための指令値がモータ駆動部110へ出力され、フォーカス制御動作が行われる。
また、フォーカスサーボ動作を開始する際は、コントローラ113から対物レンズ114を上下に駆動するレンズ駆動信号が切り替えスイッチ部127に送られ、切り替えスイッチ部127では同時にコントローラ113によってこのレンズ駆動信号が選択され、D/A変換器128を介してモータ駆動部110へ出力する。対物レンズ114がフォーカスサーボ引き込み可能な位置に来た時にコントローラ113によって切り替えスイッチ部127が出力アッテネータ126側に切り替わりフォーカス制御動作が開始する。
光ディスク装置の動作温度や個体ばらつきに対してフォーカス制御動作の安定化を図った光ディスク装置の一例が、特許文献1に記載されている。
特開平9−235021号公報
しかしながら、従来の光ディスク装置においては、基板の厚みが規格値に対して大きく異なる光ディスクに対してフォーカスサーボ動作が正常に引き込めないという課題があった。光ディスクの基板の厚みは、例えばCD(Compact Disc)の規格では1.1〜1.5mmというように定められている。しかし、市場にはこの規格を満たさない光ディスクが存在する。また、光ディスク表面についた傷を修復するような器具も市販されており、この処理を施すと光ディスクの表面が削られて基板が薄くなってしまうため、繰り返し処理を施すうちに規格値を満たさない光ディスクとなってしまう可能性がある。
図10は従来の光ディスク装置における基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクのフォーカスエラー信号波形を示す図であり、横軸は時間、縦軸は信号の振幅である。図10においては、CD用のレーザを点灯した状態で光ピックアップ104の対物レンズ114を一定速度で光ディスク101から遠ざけて光ビームスポット位置が光ディスク101の記録面を焦点方向に通過した場合に検出されるフォーカスエラー信号波形を示す。また、図10のFEmaxはフォーカスエラー信号の最大値、FEminはフォーカスエラー信号の最小値、FEppはフォーカスエラー信号の振幅である。
ここでは、光ディスクの基板の厚みが規格値よりも薄いCDを例にとって説明する。
従来の光ディスク装置においては、CD用のレーザを点灯した状態で光ピックアップ104の対物レンズ114を一定速度で光ディスク101から遠ざけて光ビームスポット位置が光ディスク101の記録面を焦点方向に通過した場合に検出されるフォーカスエラー信号波形に関しては、基板の厚みが通常のCDであればフォーカスエラー信号波形の上下振幅はほぼ対称となるが、基板の厚みが規格値よりも薄いCDでは図10に示すような基準信号レベル(図中の0)に対して上下の振幅が非対称のフォーカスエラー信号波形が現れる。これは、光ピックアップの光学系が光ディスク101の基板の厚みを考慮した収差設計をされているためで、このように基板の厚みが規格値から外れた光ディスク101に対しては、記録面上の光スポットの収差が大きく発生し、反射した光の光ピックアップ104内の分割光センサ上への入射バランスが崩れるためである。
フォーカスサーボ動作はフォーカスエラー信号が基準信号レベル(図中の0)になるように対物レンズ114を追従させるが、図10に示すようなフォーカスエラー信号では、Fで示すポイントの対物レンズ114の移動量に対するフォーカスエラー信号の変化の度合い(フォーカスエラー信号感度)が低くなってしまう。
図11は従来の光ディスク装置におけるフォーカスサーボ開ループ特性を示す図であり、横軸は周波数、縦軸はゲインおよび位相である。ここで、図11は、Aの実線で示す直線は基板の厚みが規格値よりも薄いCDに対してフォーカスサーボ動作を行った場合の初期特性(フォーカスサーボ動作開始時)の一例を示し、同様にCの破線で示す直線は基板の厚みが規格値内のCDに対してフォーカスサーボ動作を行った場合の初期特性の一例を示している。
従来の光ディスク装置では、通常のCDに対してはフォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのゲイン交点が概略fcになるように初期設定されている。この場合、位相交点fLにおけるゲイン余裕が確保されており、安定なサーボループ特性が得られている。
しかしながら、基板の厚みが規格値よりも薄いCDに対してはフォーカスエラー信号感度が低いためにフォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボループゲインが下がり、ゲイン交点がfaのような低い周波数になる場合がある。この場合、位相交点fLにおけるゲイン余裕が非常に少なく発振しやすい不安定なサーボループ特性になってしまう。このような特性では、いったんサーボ動作が開始しても安定して動作を持続できず、すぐにサーボが外れてしまうため、再生動作または記録動作が開始できない。
このように、従来の光ディスク装置においては、基板の厚みが規格値に対して大きく異なる光ディスクに対してフォーカスサーボ動作が正常に引き込めないといった課題を有していた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、基板の厚みが規格値に対して大きく異なる光ディスクに対しても、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化することができ、安定したフォーカスサーボ動作の引き込みが可能な光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、対物レンズを光ディスクに対して移動させるモータ駆動手段と、前記光ディスクから反射信号を入力する入力手段と、前記反射信号に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカスエラー信号を生成する信号生成手段と、初期値αを有し前記フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する前記反射信号の第1成分を増幅する第1の増幅手段と、初期値βを有し、前記フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する前記反射信号の第2成分を増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段及び前記第2の増幅手段の増幅率を制御する制御手段と、前記フォーカスエラー信号の信号波形の最大値(FEmax)と最小値(FEmin)をそれぞれ記憶する記憶手段とを有し、前記制御手段はk=(FEmax+FEmin)/(FEmax−FEmin)により所定値kを算出し、さらに、α=|1−k|×初期値α、β=初期値β/|1−k|により第1の値α及び第2の値βをそれぞれ算出し、前記第1の値αを前記第1の増幅手段に、前記第2の値βを前記第2の増幅手段にそれぞれセットし、前記第1の値α及び前記第2の値βを用いて、前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最大値までの第1の絶対値と前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最小値までの第2の絶対値とが異なる場合に、前記第1の絶対値と前記第2の絶対値とがほぼ同等となるように、前記第1の増幅手段あるいは前記第2の増幅手段のいずれかを制御するようにしたものである。
請求項1記載の発明は、対物レンズを光ディスクに対して移動させるモータ駆動手段と、前記光ディスクから反射信号を入力する入力手段と、前記反射信号に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカスエラー信号を生成する信号生成手段と、初期値αを有し前記フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する前記反射信号の第1成分を増幅する第1の増幅手段と、初期値βを有し、前記フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する前記反射信号の第2成分を増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段及び前記第2の増幅手段の増幅率を制御する制御手段と、前記フォーカスエラー信号の信号波形の最大値(FEmax)と最小値(FEmin)をそれぞれ記憶する記憶手段とを有し、前記制御手段はk=(FEmax+FEmin)/(FEmax−FEmin)により所定値kを算出し、さらに、α=|1−k|×初期値α、β=初期値β/|1−k|により第1の値α及び第2の値βをそれぞれ算出し、前記第1の値αを前記第1の増幅手段に、前記第2の値βを前記第2の増幅手段にそれぞれセットし、前記第1の値α及び前記第2の値βを用いて、前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最大値までの第1の絶対値と前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最小値までの第2の絶対値とが異なる場合に、前記第1の絶対値と前記第2の絶対値とがほぼ同等となるように、前記第1の増幅手段あるいは前記第2の増幅手段のいずれかを制御するようにしたものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態における光ディスク装置のブロック図である。図1において、1は光ディスク、2はピックアップモジュール、3はスピンドルモータ、4は光ピックアップ、5はキャリッジ、6はフィード部、7はフィードモータ、8はアナログ信号処理部、9はサーボ処理部、9aはフォーカスサーボ制御部、10はモータ駆動部、11はディジタル信号処理部、12はレーザ駆動部、13はコントローラ、13aは記憶部である。
以上のように構成された本発明の一実施の形態における光ディスク装置の動作について説明する。
ピックアップモジュール2は、光ディスク1を回転させるスピンドルモータ3と、光ディスク1にレーザの発光パターンを利用して情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ピックアップ4と、光ピックアップ4が搭載されたキャリッジ5を光ディスク1の半径方向に移動させるためのフィード部6とによって構成されたものである。アナログ信号処理部8はピックアップモジュール2の内部に設けられたキャリッジ5中の光ピックアップ4内部の分割光センサ(図示せず)からの信号出力を基に、データ再生のためのRF信号を生成してディジタル信号処理部13に送る。また、分割光センサの出力信号に演算・帯域処理を施し、サーボ処理部9に出力する。
サーボ処理部9は、演算回路、フィルタ回路、増幅回路等によって構成され、アナログ信号処理部8からの信号を基にフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成する。フォーカスエラー信号とは、光ピックアップ4に備えられた対物レンズより出射される光ビームスポットと光ディスク1の記録面との焦点方向のずれを示す。トラッキングエラー信号とは、光ビームスポットと光ディスク1の情報トラックとの光ディスク1半径方向のずれを示す。光ビームスポットが光ディスク1の情報トラックに追従するようにフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を基にモータ駆動部10を介して対物レンズ14をフォーカス/トラッキング制御し、さらにトラッキングエラー信号の低域成分を用いて対物レンズ14が概略中立位置を保持するようにフィード制御を行う。フィード部6はフィードモータ7、ギヤ(図示せず)、スクリューシャフト(図示せず)等から構成され、フィードモータ7を回転させることによってキャリッジ5が移動し、その際フィードモータ7よりフィードモータパルスが周期的に出力されるようになっている。
ディジタル信号処理部11はデータスライサ、PLL回路、変調・復調回路、エラー訂正回路、レーザ制御回路、バッファメモリ、ホストインターフェース回路等から構成され、アナログ信号処理部から入力されるRF信号を2値化しエラー訂正を行った後、情報信号としてホストに送信したり、ホストから送られたデータを変調して光ディスク101に情報を記録するためのレーザ変調信号を生成してレーザ駆動部12に送り、レーザの記録制御を行う。
コントローラ13は本発明の制御手段を構成し、アナログ信号処理部8、サーボ処理部9、モータ駆動部10、ディジタル信号処理部11、レーザ駆動部12の各部から送られる信号が入力され、これらの信号の演算処理等を行い、この演算処理の結果(信号)を各部に送出し、各部にて駆動、処理を実行させ、各部の制御を行うものである。また、コントローラ13はその内部にROMなどの記憶部13aを持ち、その記憶手段にフォーカスエラー信号の基準信号レベルを保持している。
次に、フォーカスサーボ制御部について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態における光ディスク装置のフォーカス制御部のブロック図である。図2において、1は光ディスク、8はアナログ信号処理部、9aはフォーカスサーボ制御部、13はコントローラ、13aは記憶部である。また、14は対物レンズ、15は反射ミラー、16はレーザ、17はナイフエッジ、18は分割光センサ、19はA/D変換器、20はFEpアッテネータ、21はFEnアッテネータ、22は差動器、23はFEアッテネータ、24は加算部、25はフィルタ、26は出力アッテネータ、27は切り替えスイッチ部、28はD/A変換器であり、これらは図1に示すフォーカスサーボ処理部9aに内蔵されている。
以上のように構成された本発明の一実施の形態における光ディスク装置におけるフォーカス制御部の動作について説明する。
レーザ16から出射された光が反射ミラー15で反射され、対物レンズ14を通って光ディスク1の記録面上に集光される。そこから反射した光は少なくとも2つの光センサで構成されている分割光センサ18に入射し、それぞれの光センサから第1の信号と第2の信号として電気信号に変換されてアナログ信号処理部8に出力される。再生または記録中は、分割光センサ18からの出力信号、すなわち第1の成分と第2の成分がアナログ信号処理部8によってそれぞれ演算・帯域処理を施され、それぞれフォーカスサーボ制御部9aに入力される。
フォーカスサーボ制御部9aでは、A/D変換器19によりフォーカスエラー信号の源信号である第1の成分と第2の成分が取り込まれ、第1の成分はFEpアッテネータ20で増幅され、第2の成分はFEnアッテネータ21で増幅され、その後、差動器22で差動演算され、FEアッテネータ23によって振幅調整されて加算部24でフォーカスエラー信号(FE信号)が生成される。このように、フォーカスエラー信号は、主として分割光センサ18からの出力信号である第1の成分と第2の成分との差が取られることにより生成される。
FEpアッテネータ20とFEnアッテネータ21の増幅率は再生・記録信号品質が最良になるようにフォーカスサーボループが閉じらている動作中にコントローラ13によって調整される。FEアッテネータ23の増幅率はフォーカスエラー信号が適切な振幅になるようにフォーカスサーボが引き込まれる前にコントローラ13によって調整される。フォーカスエラー信号は、回路オフセットの除去やフォーカスサーボ追従位置の微調整のためにコントローラ13から加算部24にオフセットが印加され、サーボ制御系を安定化させるためのフィルタ25、ループゲインを調整するための出力アッテネータ26を経由し、切り替えスイッチ部27とD/A変換器28を介してフォーカスアクチュエータを駆動するための指令値がモータ駆動部10へ出力され、フォーカス制御動作が行われる。
また、フォーカスサーボ動作を開始する際は、コントローラ13から対物レンズ14を上下に駆動するレンズ駆動信号が切り替えスイッチ部27に送られ、切り替えスイッチ部27では同時にコントローラ13によってこのレンズ駆動信号が選択され、D/A変換器28を介してモータ駆動部10へ出力する。対物レンズ14がフォーカスサーボ引き込み可能な位置に来た時にコントローラ13によって切り替えスイッチ部27が出力アッテネータ26側に切り替わりフォーカス制御動作が開始する。
本実施の形態においては、対物レンズ14を光ディスク1に対して移動させるモータ駆動手段がモータ駆動部10、光ディスク1からの反射信号を入力する入力手段が分割光センサ18、光ディスク1からの反射信号に基づいて対物レンズ14のフォーカス制御を行うフォーカスエラー信号を生成する信号生成手段が加算部24、フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する反射信号の第1成分を増幅する第1の増幅手段がFEpアッテネータ20、フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する反射信号の第2成分を増幅する第2の増幅手段がFEnアッテネータ21、FEpアッテネータ20またはFEnアッテネータ21の増幅率を変更する制御手段がコントローラ13である。コントローラ13によるFEpアッテネータ20またはFEnアッテネータ21の増幅率の変更は、FEpアッテネータ20の増幅率を上げる、またはFEpアッテネータ20の増幅率を下げる、またはFEnアッテネータ21の増幅率を上げる、またはFEnアッテネータ21の増幅率を下げるの少なくとも1つの動作を行うことである。
なお、本実施の形態においては、第1の増幅手段をFEpアッテネータ20、第2の増幅手段をFEnアッテネータ21としたが、これに限定されるものではなく、第1の増幅手段がFEnアッテネータ21、第2の増幅手段がFEpアッテネータ20であっても良い。
次に、本実施の形態におけるCDメディアに対するフォーカスサーボ動作について説明する。
図3は、基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクにおける本発明適用前のフォーカスエラー信号波形を示す図である。すなわち、第1の増幅手段であるFEpアッテネータ20の増幅率と、第2の増幅手段であるFEnアッテネータ21の増幅率は従来の光ディスク装置と同等の状態で、CD用のレーザを点灯した状態で光ピックアップ4の対物レンズ14を一定速度で光ディスク101から遠ざけて光ビームスポット位置が光ディスク1の記録面を焦点方向に通過した場合に検出されるフォーカスエラー信号波形を示す。図3において、フォーカスエラー信号の振幅波形の最大値をFEmaxと表記してその絶対値を第1の絶対値とし、フォーカスエラー信号の振幅波形の最小値をFEminと表記してその絶対値を第2の絶対値とし、それぞれ基準信号レベル(図中の0)に対する量とする。
また図4は、本発明の一実施の形態におけるフォーカスサーボ動作を開始する際の処理のフローチャートである。図4において、全ての処理は本発明の制御部を構成するコントローラ13で行われる。
処理が開始されると、切り替えスイッチ部27が遮断されてフォーカス駆動信号が出力されなくなり、サーボループOFFとなる(S301)。
次にFEpアッテネータ20に初期値αを設定し、FEnアッテネータ21に初期値βを設定する(S302)。そして、出力アッテネータ26に初期値G、フィルタ25にフィルタ係数を設定し(S303)、FEアッテネータ23に初期値γを設定する(S304)。
その後、CD用のレーザをONする(S305)。そして、切り替えスイッチ部27に対してコントローラ13からのレンズ駆動信号を選択するように設定し、コントローラ13から連続的に増加するレンズ駆動信号の出力を開始して対物レンズ14が光ディスク1に近づくように上昇駆動させる(S306)。
次に、コントローラ13はフォーカスエラー信号をモニタする。FEmaxとFEminの初期値を0として記憶部13aであるメモリに保存しておき、今回取得したフォーカスエラー信号の値とメモリに保存してあるFEmaxとFEminを比較して、今回取得したフォーカスエラー信号の値が最も大きい場合は、FEmaxの値を今回のフォーカスエラー信号の値に更新して内部メモリに保存する。また、今回取得したフォーカスエラー信号の値が最も小さい場合は、FEminの値を今回のフォーカスエラー信号の値に更新して内部メモリに保存する。それ以外の場合は更新を行わない(S307)。
次にフォーカス駆動値が上限に達しているか否かを判定し、達していなければ(S307)に戻り、達していれば次の処理に進む(S308)。
次にメモリに保存されたFEmaxとFEminの値を用いて、
k=(FEmax+FEmin)/(FEmax−FEmin) ・・・(式1)
という演算を行ってkを算出する(S309)。このkはフォーカスエラー信号における上下の対称性を表す。ここで、値が0に近いほど対称性が良好であることを示す。
次にkを用いて、
α=(|1−k|)・α ・・・(式2)
β=β/(|1−k|) ・・・(式3)
とし、FEpアッテネータ20にαを、FEnアッテネータ21にβを設定する。FEpアッテネータ20にαを、FEnアッテネータ21にβを設定することで、第1の絶対値が第2の絶対値より小さい場合には、第1の絶対値が第2の絶対値とほぼ同等となるように、もしくはフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とがほぼ同等となるように、FEpアッテネータ20の増幅率を上げ、FEnアッテネータ21の増幅率を下げることができる。また、第1の絶対値が第2の絶対値より大きい場合、第1の絶対値が第2の絶対値とほぼ同等となるように、もしくはフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とがほぼ同等となるように、FEpアッテネータ20の増幅率を下げ、FEnアッテネータ21の増幅率を上げることができる。ここで、フォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とは、図3に示すAからプラス成分に向かう角度であり、フォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とは、図3に示すAからマイナス成分に向かう角度である。これらいずれかの処理によって、フォーカスエラー信号の上下の対称性が補正される(S310)。
次に、
γ=L/(FEmax−FEmin) ・・・(式4)
という演算を行ってFEアッテネータ23に設定する(S311)。ここでLは予め決定された定数で、フォーカスエラー信号の振幅の目標値を表す。このようにして決定されたγをFEアッテネータ23に設定することによって、フォーカスエラー信号の振幅(FEpp)が目標振幅であるLになるように補正される。
次にコントローラ13から出力するレンズ駆動信号を連続的に減少するようにして対物レンズ14を光ディスク1から遠ざけるように下降駆動させる(S312)。そして、コントローラ13はフォーカエラー信号をモニタし(S313)、モニタしたフォーカスエラー信号の値に対してフォーカスサーボループを閉じる条件か否かの判定を行う。条件を満たしていなければ(S313)に戻り、条件を満たしたところで次に進む(S314)。
次に、切り替えスイッチ部27に対して出力アッテネータ26からの信号を選択するように設定し、出力アッテネータ26の出力をD/A変換器28へ送ることによってフォーカスサーボループが閉じられる(S315)。
このようにして、光ディスク1に対して対物レンズ14の追従動作が開始される。
なお、本実施の形態においては、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値とフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値との差に応じて、第1の増幅手段であるFEpアッテネータ20または第2の増幅手段であるFEnアッテネータ21の増幅率を変更する場合について説明したが、FEpアッテネータ20とFEnアッテネータ21の変更は、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値とフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値との比率に応じた補正でも同様の効果を得ることができる。
その場合、図4に示すS309で用いる(式1)は
k=|FEmin|/|FEmax| ・・・(式5)
に置き換わる。
また、図4に示すS310で用いる(式2)と(式3)は、それぞれ
α=k・α ・・・(式6)
β=β/k ・・・(式7)
に置き換わる。
また、本実施の形態においては、制御手段であるコントローラ13がフォーカスサーボ引き込み前に、第1の増幅手段であるFEpアッテネータ20または第2の増幅手段であるFEnアッテネータ21の増幅率を変更する場合について説明したが、FEpアッテネータ20またはFEnアッテネータ21の増幅率の変更は、フォーカスサーボ引き込み前に限定されるものではない。フォーカスサーボ引き込み範囲外の迷光などによるノイズの影響を防ぐことを考慮し、意図したタイミングでフォーカスサーボの引き込みを行おうとすれば、コントローラ13がフォーカスサーボ引き込み前にFEpアッテネータ20またはFEnアッテネータ21の増幅率の変更を行うことが好ましい。
また、本実施の形態はFEpアッテネータ20およびFEnアッテネータ21をkに基づいて補正する一実施の形態であって、kにさらに任意の係数を乗じたり、FEpアッテネータ20およびFEnアッテネータ21を補正する条件としてkの範囲を限定したり、補正量に制限を施すこと等について妨げるものではない。
さらに、本実施の形態においては、第1の増幅手段であるFEpアッテネータ20の増幅率と、第2の増幅手段であるFEnアッテネータ21の増幅率を、第1の絶対値が第2の絶対値とほぼ同等となるように、もしくはフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とがほぼ同等となるように、同時に変更する場合について説明したが、FEpアッテネータ20の増幅率と、FEnアッテネータ21の増幅率の変更は同時に変更することに限らず、いずれか一方の増幅率のみ変更する場合であっても同様の効果を得ることができる。
次に、基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクに本発明を適用した場合のフォーカスエラー信号について説明する。図5は、本発明の一実施の形態における光ディスク装置において基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクのフォーカスエラー信号波形を示す図である。図5においては、第1の増幅手段であるFEpアッテネータ20の増幅率と、第2の増幅手段であるFEnアッテネータ21の増幅率を図4に示す処理にしたがって変更した状態で、CD用のレーザを点灯した状態で光ピックアップ4の対物レンズ14を一定速度で光ディスク101から遠ざけて光ビームスポット位置が光ディスク1の記録面を焦点方向に通過した場合に検出されるフォーカスエラー信号波形を示す。
図5に示すフォーカスエラー信号はFEpアッテネータ20とFEnアッテネータ21の設定値の比率が補正されていることによって、図3で示す本発明適用前のフォーカスエラー信号波形と比較して上下の対称性が良好な波形になっている。また、そのことによってフォーカスサーボ動作点であるA´で示すポイントにおけるフォーカスエラー信号の傾きも、図3中のAのポイントにおける傾きに比べて大きくなっているため、フォーカスサーボループを閉じた時のループ特性が安定な状態となる。
次に、基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクに本発明を適用した場合のフォーカスサーボ開ループ特性について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態におけるフォーカスサーボ開ループ特性を示す図である。図6において、Bの実線で示す直線は本発明の一実施の形態における基板の厚みが規格値内のCDに対してフォーカスサーボ動作を行った場合の初期特性の一例を示す。比較のために従来の光ディスク装置における基板の厚みが規格値よりも薄いCDに対してフォーカスサーボ動作を行った場合の初期特性(フォーカスサーボ動作開始時)の一例をAの破線で示している。
従来の光ディスク装置においては、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボループゲインが下がり、ゲイン交点がfaのような低い周波数になって、位相交点fLにおけるゲイン余裕Gmが非常に少なく発振しやすい不安定なサーボループ特性になってしまっていたが、本実施の形態における光ディスク装置においては、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのゲイン交点が概略fbになるように補正されている。この場合、位相交点fLにおけるゲイン余裕Gmが確保されており、安定なサーボループ特性が得られている。
次に、フォーカスエラー信号とフォーカス駆動信号のタイミングについて説明する。
図7は、本発明の一実施の形態におけるフォーカスエラー信号とフォーカス駆動信号のタイミング波形を示す図であり、基板の厚みが規格値よりも薄いCDメディアに対してフォーカスサーボ動作を開始する場合を例にとって示してある。
コントローラ13は、CDのレーザをONした状態で切り替えスイッチ部27に対してコントローラ13からのレンズ駆動信号を選択するように設定し、コントローラ13から連続的に増加するレンズ駆動信号の出力を開始して対物レンズ14を光ディスク1に近づくように上昇駆動させる。すると、対物レンズ14が上昇してフォーカス駆動値が上限に達する過程で、図7に示すDのタイミングでフォーカスエラー信号が検出される。基板の厚みが規格値よりも薄いために、上側に比べて下側の振幅が大きい非対称なフォーカスエラー信号になっている。
コントローラ13は、このときのフォーカスエラー信号の最大値であるFEmaxと最小値であるFEminを検出して演算を行い、フォーカスエラー信号の上下の対称性を補正するためにFEpアッテネータ20とFEnアッテネータ21の増幅率を設定し、さらにフォーカスエラー信号の振幅が目標振幅になるようにFEアッテネータ23の増幅率を設定する。次に、コントローラ13は対物レンズ14を下降させてフォーカスサーボ動作開始条件を満たすまで下降動作を続ける。そして、図7に示すEのタイミング、つまりフォーカスサーボ動作開始条件を満たしたところで切り替えスイッチ部27に対して出力アッテネータ26からの信号を選択するように設定し、出力アッテネータ26の出力をD/A変換器28へ送ることによってフォーカスサーボループが閉じられる。フォーカスサーボループが閉じられる直前のフォーカスエラー信号は上下の対称性が補正されているために、フォーカスサーボ動作が安定して行える状態になっている。このようにして、光ディスク1に対して対物レンズ14の追従動作が開始される。
以上の内容により、対物レンズを光ディスクに対して移動させ、対物レンズを光ディスクに対して移動させる際に得られた光ディスクからの反射信号を入力し、フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する反射信号の第1成分を増幅し、フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する反射信号の第2成分を増幅し、第1成分と第2成分からフォーカスエラー信号を生成し、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値がフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値より小さい場合、第1の絶対値が第2の絶対値とほぼ同等となるように、第1の成分の振幅を大きくすることもしくは第2の成分の振幅を小さくすることによって、対物レンズのフォーカス制御を行う信号であるフォーカスエラー信号の信号波形の対称性が上下に大きく崩れている場合に、その上下対称性が良好になるようにフォーカスエラー信号を補正することができるため、フォーカスエラー信号感度を上げ、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化し、フォーカスサーボ動作の引き込みを安定化することが可能となる。
また、対物レンズを光ディスクに対して移動させ、対物レンズを光ディスクに対して移動させる際に得られた光ディスクからの反射信号を入力し、フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する反射信号の第1成分を増幅し、フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する反射信号の第2成分を増幅し、第1成分と第2成分からフォーカスエラー信号を生成し、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値がフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値より大きい場合、第1の絶対値が第2の絶対値とほぼ同等となるように、第1の成分の振幅を小さくすることもしくは第2の成分の振幅を大きくすることによって、対物レンズのフォーカス制御を行う信号であるフォーカスエラー信号の信号波形の対称性が上下に大きく崩れている場合に、その上下対称性が良好になるようにフォーカスエラー信号を補正することができるため、フォーカスエラー信号感度を上げ、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化し、フォーカスサーボ動作の引き込みを安定化することが可能となる。
また、対物レンズを光ディスクに対して移動させ、対物レンズを光ディスクに対して移動させる際に得られた光ディスクからの反射信号を入力し、フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する反射信号の第1成分を増幅し、フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する反射信号の第2成分を増幅し、第1成分と第2成分からフォーカスエラー信号を生成し、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値がフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値より小さい場合、フォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とがほぼ同等となるように、第1の成分の振幅を大きくすることもしくは第2の成分の振幅を小さくすることによって、対物レンズのフォーカス制御を行う信号であるフォーカスエラー信号の信号波形の対称性が上下に大きく崩れている場合に、その上下対称性が良好になるようにフォーカスエラー信号を補正することができるため、フォーカスエラー信号感度を上げ、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化し、フォーカスサーボ動作の引き込みを安定化することが可能となる。
また、対物レンズを光ディスクに対して移動させ、対物レンズを光ディスクに対して移動させる際に得られた光ディスクからの反射信号を入力し、フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する反射信号の第1成分を増幅し、フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する反射信号の第2成分を増幅し、第1成分と第2成分からフォーカスエラー信号を生成し、フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最大値までの第1の絶対値がフォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から最小値までの第2の絶対値より大きい場合、フォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からプラス成分に向かう角度とフォーカスエラー信号の振幅波形が基準値からマイナス成分に向かう角度とがほぼ同等となるように、第1の成分の振幅を小さくすることもしくは第2の成分の振幅を大きくすることによって、対物レンズのフォーカス制御を行う信号であるフォーカスエラー信号の信号波形の対称性が上下に大きく崩れている場合に、その上下対称性が良好になるようにフォーカスエラー信号を補正することができるため、フォーカスエラー信号感度を上げ、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化し、フォーカスサーボ動作の引き込みを安定化することが可能となる。
以上4つのいずれかの内容により、基板の厚みが規格値に対して大きく異なる光ディスクに対しても、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化することができ、安定したフォーカスサーボ動作の引き込みが可能な光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法を実現することができる。
なお、本実施の形態では、基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクの一例としてCDの場合について説明したが、基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクはCDの場合に限定されるものではなく、例えばDVD(Digital Versatile Disk)の場合でも良い。
本発明は、フォーカスサーボ動作開始時のフォーカスサーボのループ特性を安定化することができるため、光ディスクに情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法などに適応可能である。
本発明の一実施の形態における光ディスク装置のブロック図 本発明の一実施の形態における光ディスク装置のフォーカス制御部のブロック図 基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクにおける本発明適用前のフォーカスエラー信号波形を示す図 本発明の一実施の形態におけるフォーカスサーボ動作を開始する処理のフローチャート 本発明の一実施の形態における光ディスク装置において基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクのフォーカスエラー信号波形を示す図 本発明の一実施の形態におけるフォーカスサーボ開ループ特性を示す図 本発明の一実施の形態におけるフォーカスエラー信号とフォーカス駆動信号のタイミング波形を示す図 従来の光ディスク装置のブロック図 従来の光ディスク装置におけるフォーカス制御部のブロック図 従来の光ディスク装置における基板の厚みが規格値よりも薄い光ディスクのフォーカスエラー信号波形を示す図 従来の光ディスク装置におけるフォーカスサーボ開ループ特性を示す図
符号の説明
1 光ディスク
2 ピックアップモジュール
3 スピンドルモータ
4 光ピックアップ
5 キャリッジ
6 フィード部
7 フィードモータ
8 アナログ信号処理部
9 サーボ処理部
9a フォーカスサーボ制御部
10 モータ駆動部
11 ディジタル信号処理部
12 レーザ駆動部
13 コントローラ
13a 記憶部
14 対物レンズ
15 反射ミラー
16 レーザ
17 ナイフエッジ
18 分割光センサ
19 A/D変換器
20 FEpアッテネータ
21 FEnアッテネータ
22 差動器
23 FEアッテネータ
24 加算部
25 フィルタ
26 出力アッテネータ
27 切り替えスイッチ部
28 D/A変換器
101 光ディスク
102 ピックアップモジュール
103 スピンドルモータ
104 光ピックアップ
105 キャリッジ
106 フィード部
107 フィードモータ
108 アナログ信号処理部
109 サーボ処理部
109a フォーカスサーボ制御部
110 モータ駆動部
111 ディジタル信号処理部
112 レーザ駆動部
113 コントローラ
114 対物レンズ
115 反射ミラー
116 レーザ
117 ナイフエッジ
118 分割光センサ
119 A/D変換器
120 FEpアッテネータ
121 FEnアッテネータ
122 差動器
123 FEアッテネータ
124 加算部
125 フィルタ
126 出力アッテネータ
127 切り替えスイッチ部
128 D/A変換器

Claims (1)

  1. 対物レンズを光ディスクに対して移動させるモータ駆動手段と、前記光ディスクから反射信号を入力する入力手段と、前記反射信号に基づいて前記対物レンズのフォーカス制御を行うフォーカスエラー信号を生成する信号生成手段と、初期値αを有し前記フォーカスエラー信号の振幅波形のプラス成分を生成する前記反射信号の第1成分を増幅する第1の増幅手段と、初期値βを有し、前記フォーカスエラー信号の振幅波形のマイナス成分を生成する前記反射信号の第2成分を増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段及び前記第2の増幅手段の増幅率を制御する制御手段と、前記フォーカスエラー信号の信号波形の最大値(FEmax)と最小値(FEmin)をそれぞれ記憶する記憶手段とを有し、前記制御手段はk=(FEmax+FEmin)/(FEmax−FEmin)により所定値kを算出し、さらに、α=|1−k|×初期値α、β=初期値β/|1−k|により第1の値α及び第2の値βをそれぞれ算出し、前記第1の値αを前記第1の増幅手段に、前記第2の値βを前記第2の増幅手段にそれぞれセットし、前記第1の値α及び前記第2の値βを用いて、前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最大値までの第1の絶対値と前記フォーカスエラー信号の振幅波形の基準値から前記最小値までの第2の絶対値とが異なる場合に、前記第1の絶対値と前記第2の絶対値とがほぼ同等となるように、前記第1の増幅手段あるいは前記第2の増幅手段のいずれかを制御することを特徴とする光ディスク装置。
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