JP4582024B2 - 車両の運動制御装置 - Google Patents

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本発明は、運転者が操作する操作部材の操作量に基づいて、車両の運動に関わる制御対象を制御する運動制御装置に関する。
特許文献1には、内燃機関の目標吸気管圧力に基づき、スロットルバルブの動作前後の開口面積比を算出し、該開口面積比と動作前のスロットル開度とに基づいて動作後のスロットル開度を算出して、スロットルバルブの開度を制御する内燃機関の制御装置が開示されている。
特開2002−147265号公報
従来の車両は、アクセル操作(特に操作速度)に対して略線形の躍度(加加速度)を発揮させるようになっていた。
しかし、人間の加速フィーリングは車両の躍度に対して非線形の特性を示すことが本願の発明者によって確かめられており、従来制御では、アクセル操作に対して運転者の加速フィーリングが非線形的に変化し、アクセル操作に対して期待する加速フィーリングと実際の体感とに乖離を生じ、運転者にとって操作し難いという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、アクセル操作に対して運転者の感じる加速フィーリングをリニアにできる車両の運動制御装置を提供することを目的とする。
そのため、本発明に係る車両の運動制御装置は、アクセルの操作量を検出する操作量検出手段と、前記アクセルの操作量から第1の目標加速度を演算すると共に、前記第1の目標加速度を微分して、車両位置の3階導関数である躍度を目標値として演算する目標値演算手段と、前記目標値に補正前と補正後の関係が非線形な特性となる補正である非線形補正を施す補正手段と、前記第1の目標加速度と前記非線形補正された目標値とから第2の目標加速度を演算し、前記第2の目標加速度に基づいて、前記車両の運動に関わる制御対象の指令値を演算する指令値演算手段と、を含んで構成され、前記指令値演算手段が、前記目標値演算手段で演算された目標値での加速度の到達時間に対する前記補正手段で非線形補正が施された目標値での加速度の到達時間の延長分を積算し、該積算した延長時間で前記第1の目標加速度と第2の目標加速度の前回値との偏差を除算し、該除算結果を積分して前記第2の目標加速度を演算することを特徴とする。
上記の構成によると、アクセル操作量に基づいて車両位置の3階導関数である躍度の目標が設定されるが、この操作量に見合う目標に基づいてそのまま車両を制御するのではなく、前記目標に非線形補正を施し、この非線形補正が施された後の目標に基づいて車両を制御する。
従って、運転者の操作に対して、加速フィーリングをリニアにすることができ、運転者が意図する通りに車両の運動を制御することが容易になる。
以下に本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る車両の運動制御装置が適用される車両用内燃機関のシステム図である。
図1に示す内燃機関1は、図示省略した自動車に搭載され、前記内燃機関1のクランク軸から取り出される機関発生トルクが、変速機を介して駆動輪に伝達されるようになっている。
前記内燃機関1は、多気筒からなる4サイクルガソリンエンジンであり、各気筒には、エアクリーナ2を通過した空気が、吸気ダクト3,吸気コレクタ4,吸気マニホールド5,吸気バルブ6を介して吸引される。
内燃機関1の吸入空気量は、前記吸気ダクト3に介装される電制スロットル7によって調整される。
前記電制スロットル7は、バタフライ式のスロットルバルブ7aをスロットルモータ(スロットルアクチュエータ)7bで開閉駆動する機構である。
各気筒の吸気ポート部には、燃料噴射弁9がそれぞれ設けられ、各気筒の吸気ポート内に燃料(ガソリン)を噴射する。
但し、燃料噴射弁9が燃焼室10内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式内燃機関であっても良い。
前記燃料噴射弁9から噴射された燃料は、燃焼室10内で点火プラグ15による火花点火によって着火燃焼する。
前記点火プラグ15それぞれには、パワートランジスタを内蔵する点火コイル16が直付けされており、前記点火コイル16への通電を制御することで、前記点火プラグ15の点火時期及び点火エネルギーが調整される。
前記燃焼室10内の燃焼排気は、排気バルブ11,排気マニホールド12,排気ダクト13を介して大気中へ排出される。
前記排気ダクト13には、排気中の有害成分を浄化するための触媒コンバータ14が介装される。
前記スロットルモータ8、燃料噴射弁9、及び、点火コイル16への通電を制御するパワートランジスタは、マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)21によって制御される。
前記エンジンコントロールユニット21には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、前記電制スロットル7の上流側で内燃機関1の吸入空気流量Qa(質量流量)を検出するエアフローメータ22、前記触媒コンバータ14の上流側で排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する空燃比センサ23、内燃機関1の回転速度Ne(rpm)を検出する回転速度センサ24、運転者が操作するアクセルペダル25の踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ26、前記スロットルバルブ7aの開度TVO(deg)を検出するスロットルセンサ27、内燃機関1が搭載される車両の走行速度(車速)VSP(km/h)を検出する車速センサ28などが設けられている。
尚、アクセル操作は、アクセルペダル25の踏み込みによるものに限定されず、レバー操作、グリップ操作などによるものであっても良い。
前記エンジンコントロールユニット21は、前記燃料噴射弁9による燃料噴射量を以下のようにして制御する。
まず、エアフローメータ22で検出される吸入空気流量Qaと、回転速度センサ24で検出される機関回転速度Neとから、そのときのシリンダ吸入空気量において目標空燃比の混合気を形成するための基本燃料噴射量Tpを算出する。
また、内燃機関1の冷却水温度等に基づいて各種補正係数COを算出し、更に、空燃比センサ23で検出される空燃比が目標空燃比に近づくように空燃比フィードバック補正係数ALPHAを算出し、これら補正係数CO,ALPHAで前記基本燃料噴射量Tpを補正して最終的な燃料噴射量Tiを設定する。
そして、前記最終的な燃料噴射量Tiに相当するパルス幅の噴射パルス信号を、各気筒の行程に合わせてそれぞれの燃料噴射弁9に出力する。
前記燃料噴射弁9が、その開弁時間に比例する量の燃料を噴射するように、燃料噴射弁9に供給される燃料の圧力が調整されるようになっており、前記噴射パルス信号のパルス幅、即ち、燃料噴射弁9の開弁時間に比例する量の燃料が噴射される。
また、前記エンジンコントロールユニット21は、前記基本燃料噴射量Tp(機関負荷)及び機関回転速度Neから点火時期(点火進角値)を算出し、該点火時期及び所定の通電時間に基づいて前記点火コイル16に内蔵されたパワートランジスタのオン・オフを制御する。
更に、前記エンジンコントロールユニット21は、以下のようにして、前記電制スロットル7の開度を制御することで、内燃機関1の吸入空気量(出力)を制御する。
図2のフローチャートは、前記スロットル開度制御のメインルーチンを示す。
まず、ステップS1では、アクセル開度センサ26で検出されたアクセル開度APOを入力する。
ここで、アクセルペダル25が、運転者が車両の運動を制御すべく操作する操作部材に相当し、前記アクセル開度APOが、前記操作部材の操作量に相当し、アクセル開度センサ26が操作量検出手段に相当する。
次のステップS2では、前記アクセル開度APO等に基づいて第1の目標加速度A1を演算する。
更に、ステップS3では、前記第1の目標加速度A1に基づいて第2の目標加速度A2を演算する。
前記第2の目標加速度A2は、前記第1の目標加速度A1に基づき算出される第1の目標躍度J1を非線形補正し、該非線形補正後の第2の目標躍度J2に基づいて算出されるようになっている。
尚、車両位置の1階導関数が速度v、2階導関数が加速度a、3階導関数が躍度jである。
上記のステップS2,3の機能が、目標値演算手段に相当する。
ステップS4では、前記第2の目標加速度A2に基づいて目標出力及び目標吸気圧Ptgを演算し、更に、次のステップS5では、前記目標出力及び目標吸気圧Ptgに基づいて目標スロットル開度TVOtgを演算する。
上記のステップS4,5の機能が、指令値演算手段に相当し、本実施形態では、車両の運動に関わる制御対象が前記電制スロットル7であり、前記目標スロットル開度TVOtgが指令値に相当する。
前記エンジンコントロールユニット21は、前記目標スロットル開度TVOtgを演算すると、この目標スロットル開度TVOtgと前記スロットルセンサ27で検出される実際のスロットル開度TVOとを比較し、実際のスロットル開度TVOが前記目標スロットル開度TVOtgに近づくように、前記スロットルモータ(スロットルアクチュエータ)7bの駆動信号をフィードバック制御する。
次に、上記ステップS1〜ステップS5それぞれにおける処理を詳細に説明する。
前記ステップS1では、前記アクセル開度センサ26のアナログ信号をA/D変換して読込み、A/D変換されたセンサ出力値を、予め備えられている変換テーブルによって、アクセル開度APOのデータに変換する。
前記ステップS2では、そのときのアクセル開度APO及び機関回転速度Ne(又は車速VSP)に基づいて、第1の目標加速度A1を演算する。
具体的には、図3に示すように、アクセル開度APOと機関回転速度Ne(又は車速VSP)とに対応する第1の目標加速度A1を記憶したマップが、予めエンジンコントロールユニット21のメモリに格納されている。
そして、アクセル開度センサ26で検出されたアクセル開度APOと回転速度センサ24で検出された機関回転速度Ne(又は車速センサ28で検出された車速VSP)とに対応する第1の目標加速度A1を、前記マップから検索する。
尚、前記第1の目標加速度A1を記憶したマップを、変速機のギヤ比などの走行条件に対応させて複数用意して、参照するマップをそのときの走行条件に応じて切り換えることができる。
前記ステップS3では、下記の数1に従って前記第2の目標加速度A2を所定の演算周期毎に更新演算する。
Figure 0004582024
上記数1において、A2zは、第2の目標加速度A2の前回値(演算周期の1サイクル前の値)であり、dtは演算周期であり、ΔTzは、後述する累積延長時間ΔTの前回値である。
上記数1は、次のようにして導かれる。
まず、第1の目標躍度J1は、前記第1の目標加速度A1の微分値として、数2によって演算される。
Figure 0004582024
上記数2において、A1zは、第1の目標加速度A1の前回値(演算周期dtだけ前の値)である。
また、第2の目標躍度J2は、図4に示すような非線形関数fによって前記第1の目標躍度J1から導かれる。
Figure 0004582024
前記図4に変換特性が示される非線形関数fは、第1の目標躍度J1がマイナスのときには、J1=J2とし、第1の目標躍度J1がプラスのときには、J1が大きくなるほど第2の目標躍度J2(<J1)をより小さく設定する特性であり、前記プラス側の変換特性は、対数曲線に近似する特性を有する。
人間の加速フィーリングは車両の躍度に対して非線形の特性を示すことが本願の発明者によって確かめられており、アクセル操作に対応する第1の目標躍度J1を前記非線形関数fによって非線形補正し、この非線形補正後の躍度を最終的な目標とすることで、アクセル操作に対して運転者が感じる加速フィーリングをリニアにできるようにしてある。
ところで、内燃機関の制御を行う場合、内燃機関の正の仕事は大きくできるが、減速における内燃機関の負の仕事は、ブレーキなどに比べて小さく、第1の目標躍度J1の負の領域では、非線形補正を行うことの効果が小さい。
そこで、本実施形態では、第1の目標躍度J1がマイナスであるときには、J1=J2とし、非線形補正を施さないようにしてある。
但し、アクセル操作に連動させてブレーキやモータによる回生などを行わせる場合には、マイナスの領域においても非線形補正を施すようにすることで、減速フィーリングの改善に寄与できる。
また、前記非線形関数fの変換特性は、対数曲線に近似する特性に限定されるものではなく、車両の運動特性等に応じて適宜マッチングされるべきものである。
更に、前記非線形補正の特性として複数の異なる特性を予め記憶させておき、運転者の好みに応じて前記複数の特性の中から選択できるようにすることができる。
ところで、アクセル操作に対する躍度を、運転者がリニアな加速フィーリングとして捉えることができる躍度に変換するためには、前述のように、アクセル操作量に対応する第1の目標加速度A1の今回値と前回値との差として第1の目標躍度J1を算出し、該第1の目標躍度J1を非線形補正した値である第2の目標躍度J2を実現すべく、内燃機関を制御させる必要がある。
しかし、前記第2の目標躍度J2を積分して最終的な第2の目標加速度A2を設定させると、第1の目標加速度A1の変化が停止した時点(第1の目標躍度J1が0となった時点)で、第2の目標加速度A2の変化が停止し、第2の目標加速度A2、引いては実際の加速度を、アクセル操作に対応する第1の目標加速度A1に追従させることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、後述するように、非線形補正後の第2の目標躍度J2で目標加速度を変化させた場合に、第1の目標加速度A1へ到達させるのに余分に必要とする延長時間を求め、この延長時間で第2の目標加速度A2を第1の目標加速度A1へ追従変化させるための第3の目標躍度J3を求め、前記第3の目標躍度J3を積分して第2の目標加速度A2を求めるようにしてある。
上記のように、第3の目標躍度J3を積分して第2の目標加速度A2を求めるようにすれば、第1の目標躍度J1に非線形補正を施すことで第2の目標躍度J2が小さく修正されても、第2の目標加速度A2を第1の目標加速度A1に合理的に追従させることができる。
ここで、延長時間Δtは、前記第1の目標躍度J1と第2の目標躍度J2との差分と、第2の目標躍度J2との比によって演算される。
Figure 0004582024
前記数4で導かれる延長時間Δtは、図5に示すように、第1の目標躍度J1で到達する加速度に、第2の目標躍度J1で到達するのに余分に要する時間であり、簡便には、Δt=(J1/J2)−1として表すことができる。
前記累積延長時間ΔTは、前記延長時間Δtの積分値であり、数5に従って演算される。
Figure 0004582024
尚、前記累積延長時間ΔTが過剰に長くなると、第1の目標加速度A1或いは第1の目標躍度J1の変化に対して、第2の目標加速度A2が応答しなくなってしまうので、前記累積延長時間ΔTを所定の最大時間以下に制限することが好ましい。
また、第2の目標加速度A2を離散系で演算する場合には、前記累積延長時間ΔTが過剰に小さいと、目標躍度が大きくなりすぎることがあるため、所定最低時間以上に制限しても良い。
ここで、第1の目標加速度A1と第2の目標加速度A2の前回値との差分から目標加速度偏差ΔAを算出し、数6に示すように、前記目標加速度偏差ΔAを前記累積延長時間ΔTで除算して第3の目標躍度J3を得る。
Figure 0004582024
そして、数7に示すように、上記第3の目標躍度J3を積分することで、前記第2の目標加速度A2が得られる。
Figure 0004582024
前記第2の目標加速度A2を離散系で演算する場合には、第3の目標躍度J3を積分することで、前記第2の目標加速度A2を得る式は、前述の数1のようになる。
ステップS3で、最終的な目標加速度である第2の目標加速度A2を前記数1に従って演算すると、前記第2の目標加速度A2を実現するための内燃機関の指令値を決定すべく、ステップS4以降へ進む。
ステップS4では、前記第2の目標加速度A2に基づいてパワートレインの目標出力及び目標吸気圧Ptgを演算するが、まず、前記第2の目標加速度A2を目標出力(目標仕事率)に変換する。
前記第2の目標加速度A2の目標出力(目標仕事率)への変換は、ニュートンの運動方程式F=ma又はP=mvaを用いて行われる。
ここで、mは車両の質量、Fは力、Pは出力(仕事率kW)、vは車両の速度、aは車両の加速度(第2の目標加速度A2)である。
運動量はmvであり、力Fは、F=d/dt(mv)=maであるから、力Fは運動量(mv)の1階導関数であり、力Fの変化率dF/dtは運動量mvの2階導関数であり、前記第2の目標加速度A2の目標出力(目標仕事率)への変換は、運動量mvの2階導関数への変換であると見なすことができる。
また、車両の搭乗者の加速フィーリングは、車両の運動量mvの2階導関数である力の変化率(躍度)に応じて大きく変化することが本願発明者の実験によって確認されている。
ここで、車両位置の2階導関数である前記第2の目標加速度A2を実現するためには、対応する運動量mvの導関数を操作する必要があるが、運動量mvの導関数として2階導関数である仕事率(kW)を、前記第2の目標加速度A2に対応する目標として設定することで、前記第2の目標加速度A2の変化を体感的に精度良く実現することができる。
尚、前記仕事率に代えて、内燃機関1の図示平均有効圧又は正味平均有効圧の導関数を目標として求めたり、運動エネルギーK=1/2mv2の導関数を目標として求めたりすることができる。
前記第2の目標加速度A2を目標出力(目標仕事率)Pに変換すると、次いで、前記目標出力(目標仕事率)Pと機関回転速度Ne(又は車速VSP)とから、目標吸気圧Ptg(目標ブースト)を演算する。
具体的には、図6に示すように、前記目標出力(目標仕事率)Pを目標吸気圧Ptgに変換する特性を、機関回転速度Ne(又は車速VSP)毎に持つマップが、予めエンジンコントロールユニット21のメモリに格納されている。
そして、前記第2の目標加速度A2から求めた目標出力(目標仕事率)Pと回転速度センサ24で検出された機関回転速度Ne(又は車速センサ28で検出された車速VSP)とに対応する目標吸気圧Ptgを、前記マップから検索する。
ステップS5では、目標吸気圧Ptgから目標スロットル開度TVOtg(deg)を演算するが、これは、図7のフローチャートに示すような手順で行われる。
図7のフローチャートにおいて、まず、ステップS51では、前記目標吸気圧Ptgを入力し、次のステップS52では、前記目標吸気圧Ptgを微分することで、目標吸気圧変化ΔPtgを設定する。
尚、前記目標吸気圧変化ΔPtgに代えて、目標筒内流入モル流量変化率を演算させることができる。
ステップS53では、前記吸気コレクタ4(スロットル下流の空間容積)からシリンダ側に流出する空気の流量ΔNout(質量流量:kg/h)を求める。
尚、質量流量(kg/h)を求める代わりに、物質量流量(mol/s)を求めても良い。
ステップS54では、前記流出流量ΔNoutの条件下で前記目標吸気圧変化ΔPtgを実現するために、前記吸気コレクタ4に流入させる空気の流入流量ΔNin(質量流量:kg/h)を求める。
ステップS55では、前記流入流量ΔNinを得るための目標スロットル開口面積Atg(m2)を演算し、次のステップS56では、前記目標スロットル開口面積Atg(m2)を目標スロットル開度TVOtg(deg)に変換する。
内燃機関1の吸気系を図8に示すようにモデル化し、前述のように、前記吸気コレクタ4からシリンダに流出する空気の流出流量をΔNout、前記吸気コレクタ4に流入する空気の流入流量をΔNinとする。
ここで、前記吸気コレクタ4における圧力の変化を、目標吸気圧変化ΔPtgとするための流出流量ΔNoutと流入流量ΔNinとの相関は、理想気体の状態方程式に用いて以下の数8に示すように表すことができる。
Figure 0004582024
尚、上記数8において、Vは吸気コレクタ4の容積、nは質量(モル数)、Rは気体定数、Tは空気の温度である。
前記流出流量ΔNoutは、シリンダに吸い込まれる空気の流量であるから、以下の数9で表すことができる。
Figure 0004582024
ここで、Vcylは内燃機関1の排気量、ηは効率である。前記効率ηは、機関回転速度Neやバルブタイミングによって異なる値を与えても良い。
一方、前記流入流量ΔNinの大半は、スロットルバルブ7aを通過して吸気コレクタ4に流入する空気であるから、スロットル前後差圧が前記流入流量ΔNinを実現する条件となる(図9参照)。
ここでは、スロットル下流側の圧力を目標吸気圧Ptgとする。
但し、スロットル下流側の圧力を、センサで検出した実際値や、運転条件に基づく推定値とすることができる。
また、前記流入流量ΔNinを、スロットルバルブ7aの通過空気量以外を含めてより精度良く演算させても良い。
スロットル下流側の圧力を圧力Ptgとする条件で流入流量ΔNinを得る特性は、図10に示すように、スロットルチャンバを先細ノズルと近似して準一次元定常等エントロピー流れで表現することができる。
そして、図10に示すモデルによると、流入流量ΔNinを得るためのスロート面積Aは、以下の数10,数11の方程式によって表現できる。
Figure 0004582024
Figure 0004582024
上記の数10,数11において、P0,T0は、スロットル上流側の空気の圧力,温度であり、κは比熱比である。
上記の数10,数11は、流入流量ΔNinを得るためのスロットル開口面積(スロットルチャンバの有効開口面積)を求める式であると見なすことができ、スロットル開口面積(m2)は、スロットル前後差圧比と、スロットル上流全温度T0と、流入流量ΔNinとから算出できることになる。
上記のようにして得られたスロットル開口面積は、目標吸気圧変化ΔPtgを得るための値であり、このスロットル開口面積(m2)は、図11に示すようなテーブルを用いて目標スロットル開度TVOtg(deg)に変換される。
そして、エンジンコントロールユニット21は、前記目標スロットル開度TVOtgを実現すべく、前記スロットルモータ(スロットルアクチュエータ)7bをフィードバック制御することで、目標吸気圧変化ΔPtg、引いては、第2の目標加速度A2を実現する。
上記のように、本実施形態においては、アクセル開度APOに対応する第1の目標躍度J1を非線形補正した第2の目標躍度J2に基づいて前記第2の目標加速度A2を設定させることで、アクセル操作に対して運転者の感じる加速フィーリングをリニアにできる目標加速度の設定がなされる。
更に、第2の目標加速度A2を実現するための運動量mvの導関数として、搭乗者の加速フィーリングに大きく影響する2階導関数(仕事率)を目標として定め、これを実現すべくスロットル開度TVOを制御する。
従って、図12に示すように、アクセル操作(特に操作速度)に対して略線形の躍度(加加速度)を発揮させる場合に比べて、アクセル操作に対して運転者の感じる加速フィーリングをリニアにでき、運転者が意図する通りに車両の運動を制御することが容易になる。
尚、上記実施形態では、車両に搭載される内燃機関のスロットル開度を制御対象としたが、燃料供給量などの他の要素を制御することで内燃機関の出力を制御させることができ、更に、制御対象とする動力源を内燃機関に限定するものではなく、電動モータなどを制御対象とすることができ、更に、ブレーキやクラッチなどの摩擦力の制御や発電機の発電量の制御などを併せて行うことができる。
また、運転者が車両の運動を制御すべく操作する操作部材として、ブレーキペダルの踏み込み量を検出し、ブレーキ力を制御することができ、更に、車両の前後方向の加速度ではなく、横方向の加速度を目標として定め、ステアリング操作に対する操舵輪の舵角変化を制御させることができ、操作部材及び車両の運動方向が限定されるものではない。
更に、車両位置の3階導関数(躍度)よりも高階の導関数を非線形補正して、該補正された導関数に基づいて車両位置の導関数(例えば加速度)の目標を定めても良く、同様に、運動量mvの2階導関数よりも高階の導関数を目標として定めることができる。
また、運動量の2階導関数よりも高階の導関数を演算するときに、車両の慣性質量、駆動輪・内燃機関や電動機などの回転機の慣性モーメントを考慮し、回転機と駆動輪との間に変速機が介在する場合には、前記変速機における変速比(減速比)を考慮することで、より高精度に目標加速度に見合った出力制御を行える。
また、車両には、一般的な自動車の他、オートバイ、電車など種々のものが含まれる。
実施形態における車両用内燃機関のシステム図。 実施形態におけるスロットル制御のメインルーチンを示すフローチャート。 実施形態においてアクセル開度及びエンジン回転数(rpm)から第1の目標加速度A1を演算する特性を示すブロック図。 実施形態における目標躍度の非線形関数の特性を示す線図。 実施形態における延長時間を説明するためのタイムチャート。 実施形態における仕事率を吸気圧力に変換する特性を示すタイムチャート。 実施形態における目標スロットル開度の演算処理のサブルーチンを示すフローチャート。 実施形態における内燃機関の吸気系のモデルを示す状態図。 実施形態におけるスロットル前後圧力比とスロットルバルブを通過する空気の質量流量との相関を示す線図。 実施形態においてスロットルチャンバを先細ノズルに近似した様子を示す状態図。 実施形態におけるスロットル開口面積とスロットル開度との相関を示す線図。 実施形態におけるアクセル開度変化に対する加速度,躍度等の変化を示すタイムチャート。
符号の説明
1…内燃機関,2…エアクリーナ,3…吸気ダクト,4…吸気コレクタ,5…吸気マニホールド,6…吸気バルブ,7…スロットルバルブ,8…スロットルモータ,9…燃料噴射弁,10…燃焼室,11…排気バルブ,12…排気マニホールド,13…排気ダクト,14…触媒コンバータ,21…エンジンコントロールユニット,22…エアフローメータ,23…空燃比センサ,24…回転速度センサ,25…アクセルペダル,26…アクセル開度センサ,27…スロットルセンサ,28…車速センサ

Claims (8)

  1. アクセルの操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記アクセルの操作量から第1の目標加速度を演算すると共に、前記第1の目標加速度を微分して、車両位置の3階導関数である躍度を目標値として演算する目標値演算手段と、
    前記目標値に補正前と補正後の関係が非線形な特性となる補正である非線形補正を施す補正手段と、
    前記第1の目標加速度と前記非線形補正された目標値とから第2の目標加速度を演算し、前記第2の目標加速度に基づいて、前記車両の運動に関わる制御対象の指令値を演算する指令値演算手段と、
    を含んで構成され、
    前記指令値演算手段が、前記目標値演算手段で演算された目標値での加速度の到達時間に対する前記補正手段で非線形補正が施された目標値での加速度の到達時間の延長分を積算し、該積算した延長時間で前記第1の目標加速度と第2の目標加速度の前回値との偏差を除算し、該除算結果を積分して前記第2の目標加速度を演算する
    ことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 前記指令値演算手段が、前記延長時間の積算値に制限を加えることを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  3. 前記補正手段は、補正前の前記目標値が大きいほど補正前の前記目標値の増加幅に対する補正後の目標値の増加幅を小さくすることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の運動制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記目標値演算手段で演算された目標値の正の成分に対してのみ、非線形補正を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の運動制御装置。
  5. 前記指令値演算手段が、前記補正手段で非線形補正が施された目標値に基づいて、車両運動量の2階導関数である力の変化率に相当する目標を定め、該目標に基づいて前記指令値を演算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両の運動制御装置。
  6. 前記車両が、スロットルバルブで吸入空気量が制御される内燃機関を動力源として走行する車両であって、
    前記指令値演算手段が、前記スロットルバルブの開度又は開口面積を前記指令値として演算することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両の運動制御装置。
  7. 前記指令値演算手段が、目標仕事率を演算し、更に、前記目標仕事率から目標吸気圧を演算し、前記目標吸気圧に基づいて前記スロットルバルブの目標開度又は目標開口面積を前記指令値として演算することを特徴とする請求項6記載の車両の運動制御装置。
  8. 前記指令値演算手段が、前記目標吸気圧の変化量を演算すると共に、前記スロットルバルブ下流の空間容積から流出する空気の流量を演算し、前記目標吸気圧の変化量と前記流出流量とから前記空間容積に対する空気の流入流量を演算し、前記流入流量を得るための前記スロットルバルブの目標開度又は目標開口面積を前記指令値として演算することを特徴とする請求項7記載の車両の運動制御装置。
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