JP2002021617A - 電子スロットル制御装置 - Google Patents

電子スロットル制御装置

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JP2002021617A
JP2002021617A JP2000210695A JP2000210695A JP2002021617A JP 2002021617 A JP2002021617 A JP 2002021617A JP 2000210695 A JP2000210695 A JP 2000210695A JP 2000210695 A JP2000210695 A JP 2000210695A JP 2002021617 A JP2002021617 A JP 2002021617A
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JP
Japan
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throttle valve
air amount
intake air
valve opening
engine
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JP2000210695A
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Takashi Kawasaki
高志 河崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットル弁開度センサを用いることなく電
子スロットル弁を高精度に制御する。 【解決手段】 機関1の吸気通路2に配置したスロット
ル弁21をモータ等のアクチュエータ21aで駆動す
る。電子制御ユニット30は、アクセル開度センサ33
で検出した運転者のアクセルペダル操作量と回転数セン
サ35で検出した機関回転数とに基づいて機関の目標吸
気量GAT を算出するとともに、吸気通路に配置したエ
アフローメータ31で実際の機関吸気量GAを検出し、
GAがGATに一致するようにアクチュエータ21aを
駆動してスロットル弁21開度をフィードバック制御す
る。これにより、スロットル弁開度センサを用いずに電
子スロットルを高精度に制御することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スロットル弁駆動
用のアクチュエータを備え、運転者のアクセルペダル操
作とは独立してスロットル弁開度を制御可能な電子スロ
ットル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸気通路に設けたスロットル
弁を駆動するアクチュエータを設け、運転者のアクセル
ペダルの操作とは独立してスロットル弁開度を制御可能
とした電子スロットル制御装置が知られている。電子ス
ロットル制御装置では通常、機関回転数と運転者のアク
セルペダル踏み込み量(アクセル開度)等の機関運転状
態に応じた最適な機関吸気量(目標吸気量)が得られる
ようにスロットル弁開度が制御される。
【0003】また、通常電子スロットル制御では、スロ
ットル弁開度センサーを用いてスロットル弁の実際の開
度を検出し、実際のスロットル弁開度が上記目標吸気量
が得られるスロットル弁開度(目標スロットル弁開度)
に一致するようにスロットル弁のアクチュエータを制御
するクローズドループ(フィードバック)制御が行われ
る。
【0004】この種のスロットル弁開度センサを用いる
電子スロットル制御装置の例としては、例えば特開平6
−264777号公報に記載されたものがある。同公報
の装置は、減速ギアを介してスロットル弁を駆動するモ
ータを設け、このモータ軸の回転角を検出するスロット
ル弁開度センサを配置している。モータ軸は減速歯車を
介してスロットル弁を回動させるため、モータ軸側で回
転角を検出することにより検出した回転角は、実際のス
ロットル弁軸回転角の減速比倍になり、センサの感度が
増大する。これにより、比較的安価なセンサを用いて高
精度のスロットル弁開度検出が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般にスロットル弁開
度センサを用いた電子スロットル制御では機関吸気量を
高精度に制御するためにはスロットル弁開度センサのス
ロットル弁開度検出精度を高める必要がある。このた
め、電子スロットル制御で使用されるスロットル弁開度
センサは高価であり、電子スロットル制御装置のコスト
増大の一つの原因となっている。
【0006】上記特開平6−264777号公報の電子
スロットル制御装置では、減速機を介してスロットル弁
を駆動するモータ軸にスロットル弁開度センサを設けた
ことにより、スロットル弁開度検出感度が増大するため
センサそのものは比較的安価になるものの、やはりスロ
ットル弁開度検出専用のセンサーが必要となり装置コス
トが増大する。
【0007】また、一般にスロットル弁開度センサは、
摺動部を有する構造のものが多く、長期間の使用による
部品の磨耗が生じるため、耐久性が低い問題がある。更
に、上記特開平6−26477号公報のようにスロット
ル弁開度センサを用いた電子スロットル制御ではスロッ
トル弁開度センサが故障してスロットル弁開度を検出で
きなくなるとスロットル弁開度は制御不能となり、機関
の運転を継続できなくなる問題がある。
【0008】本発明は上記問題に鑑み、高価かつ比較的
信頼性の低いスロットル弁開度センサを用いることな
く、高精度の吸気量制御を可能とする電子スロットル制
御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の吸気通路に配置され、機関吸気量を
制御するスロットル弁と、該スロットル弁を駆動するア
クチュエータと、前記アクチュエータを制御してスロッ
トル弁開度を制御する制御手段とを備えた電子スロット
ル制御装置であって、更に機関吸気量に応じた吸気量信
号を発生する吸気量検出手段と、機関運転状態に応じた
目標吸気量を設定する設定手段とを備え、前記制御手段
は、前記スロットル弁の開度の実測値を用いることな
く、前記吸気量信号と前記目標吸気量とに基づいてスロ
ットル弁開度を制御することを特徴とする電子スロット
ル制御装置が提供される。
【0010】すなわち、請求項1の発明では設定手段
は、例えばアクセル開度、機関回転数等の機関運転状態
に応じて予め定めた関係から最適な機関吸気量(目標吸
気量)を設定する。また、制御手段は設定された目標吸
気量と吸気量検出手段により検出された実際の機関吸気
量とに基づいて、実際の吸気量が目標吸気量になるよう
にスロットル弁開度を制御する。これにより、専用のス
ロットル弁開度センサを設けて実際のスロットル弁開度
を検出することなく機関吸気量は目標吸気量に制御され
る。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、前記制御
手段は更に、スロットル弁の動作モデルに基づいてスロ
ットル弁開度を推定する推定手段を備え、前記吸気量信
号と前記目標吸気量とに加えて前記推定手段により推定
されたスロットル弁開度推定値に基づいてスロットル弁
開度を制御することを特徴とする電子スロットル制御装
置が提供される。
【0012】すなわち、請求項2の発明では制御手段は
更に、推定手段により推定されたスロットル弁開度を用
いてスロットル弁制御を行う。請求項1の発明のよう
に、目標吸気量と実際の機関吸気量とに基づいてスロッ
トル弁開度を制御する場合、定常運転や緩加速等のよう
な準定常運転では高精度の吸気制御を行うことができ
る。しかし、実際の運転では、スロットル弁開度変化が
生じてから実際に機関吸気量が変化するまでの吸気系の
応答遅れ時間があるため、例えば機関回転数やアクセル
開度が急速に変化する過渡運転状態では、吸気制御に遅
れを生じる場合がある。また、これを防止するために制
御系のゲインを増大させるとハンチングを生じ制御が不
安定になる場合がある。
【0013】そこで、本発明では別途スロットル弁の動
作モデルを用いて現在のスロットル弁開度を推定し、目
標吸気量と実際の吸気量とに基づいて設定されるスロッ
トル弁開度を補正する。これにより、制御系のゲインを
増大させることなく過渡運転時にも応答性の良好な吸気
制御が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明を自動車用
内燃機関に適用した場合の実施形態の概略構成を示す図
である。図1において、1は自動車用内燃機関を示す。
本実施形態では、機関1は4つの気筒を備えた4気筒ガ
ソリン機関とされている。
【0015】図1において、2は機関1の吸気通路、3
は排気通路を示している。吸気通路2には機関1の吸気
流量(吸気量)を検出するエアフローメータ31が設け
られている。本実施形態では、エアフローメータ31と
しては、例えばポテンショメータを内蔵した可動ベーン
式、熱線流量計、超音波流量センサやカルマン渦式流量
センサ等の公知の適宜な形式のものが使用され、吸入空
気量に比例した電圧信号を発生する。
【0016】図1に21で示すのは、エアフローメータ
31下流側の吸気通路2に設けられたスロットル弁であ
る。本実施形態のスロットル弁21はいわゆる電子制御
スロットル弁とされており、運転者の操作するアクセル
ペダル(図示せず)とは機械的に連結されておらず、D
Cモータ等の適宜な形式のアクチュエータ21aにより
駆動される。アクチュエータ21aは後述するECU3
0からの制御信号に応じてスロットル弁21を駆動す
る。
【0017】図1に30で示すのは機関1の電子制御ユ
ニット(ECU)である。ECU30は、本実施形態で
はRAM、ROM、CPUを備えた公知の構成のマイク
ロコンピュータとされ、機関1の点火時期制御や燃料噴
射制御等の基本制御を行なっている。また、本実施形態
では、ECU30は上記の基本制御を行う他に、後述す
るように機関運転状態に応じてスロットル弁21の開度
を調節し、機関吸気量を運転状態に応じた値に制御する
吸気量制御を行っている。
【0018】これらの制御を行うため、ECU30の入
力ポートには、エアフローメータ31から機関吸気量に
対応する信号が入力されている他、機関クランク軸(図
示せず)近傍に配置された回転数センサ35から機関回
転数に対応する信号と、機関1のアクセルペダル(図示
せず)近傍に配置したアクセル開度センサ33から運転
者のアクセルペダル踏込み量(アクセル開度)を表す信
号が入力されている。
【0019】また、ECU30の出力ポートは、図示し
ない駆動回路を介してスロットル弁21のアクチュエー
タ21aに接続され、スロットル弁21の開度を制御し
ている。次に本実施形態の機関吸気量制御について説明
する。本実施形態では、スロットル弁21の開度をエア
フローメータ31で検出した機関吸気量に基づいて制御
する。すなわち、ECU30はアクセル開度センサ33
で検出したアクセル開度と、回転数センサ35で検出し
た機関回転数とに基づいて機関運転状態に応じた最適な
機関吸気量(目標吸気量)を設定するとともに、エアフ
ローメータ31で検出した実際の機関吸気量が目標吸気
量に一致するようにスロットル弁21の開度をフィード
バック制御する。
【0020】従来、機関の吸気量制御は上記と同様にア
クセル開度と機関回転数とに基づいて機関吸気量が目標
吸気量になるように制御されていた。しかし、従来の吸
気量制御では、予め機関吸気量が目標吸気量になるスロ
ットル弁開度(目標スロットル弁開度)とアクセル開度
と機関回転数との関係を求めてあり、検出したアクセル
開度と機関回転数とから直接目標スロットル弁開度を算
出している。そして、スロットル弁開度センサで検出し
た実際のスロットル弁開度が算出した目標スロットル弁
開度に一致するようにスロットル弁開度をフィードバッ
ク制御していた。このため、吸気量制御のためにはスロ
ットル弁開度センサが必要とされ、前述したような装置
コストの上昇や信頼性の低下等の問題が生じる場合があ
った。
【0021】これに対して、本実施形態ではコスト上昇
や信頼性低下の原因となる可能性のあるスロットル弁開
度センサーを廃止し、直接エアフローメータ31で検出
した機関吸気量に基づいてスロットル弁21の開度をフ
ィードバック制御するようにした点が従来の吸気量制御
と大きく相違している。図2は、本実施形態の吸気量制
御を説明するブロック図である。本実施形態では、図2
に示すようにアクセル開度と機関回転数とから定まる目
標吸気量とエアフローメータ31で検出した実際の吸気
量との偏差に基づくPID制御により、スロットル弁2
1のアクチュエータ21aを駆動する電圧信号(デュー
ティー出力)が決定される。これにより、スロットル弁
開度はエアフローメータ31で検出した実際の機関吸気
量が目標吸気量に一致するように制御される。
【0022】図3は、図2の吸気量制御操作の詳細を説
明するフローチャートである。本操作はECU30によ
り一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。図
3の操作では、まずステップ301でエアフローメータ
31から現在の実際の機関吸気量GAが読み込まれ、次
いでステップ303ではアクセル開度センサ33で検出
したアクセル開度ACCPと回転数センサ35で検出し
た機関回転数NEとがそれぞれ読み込まれる。
【0023】ステップ305では、上記により読み込ん
だACCPとNEとに基づいて機関の目標吸気量GAT
が算出される。目標吸気量GAT は、それぞれのアクセ
ル開度と機関回転数とにおける最適な機関吸気量であ
る。本実施形態では予め実際の機関をアクセル開度と機
関回転数とを変えて運転し、各運転状態に応じた最適な
目標吸気量が求められている。この目標吸気量は、例え
ばACCPとNEとを用いた2次元数値マップの形でE
CU30のROMに格納されている。ステップ305で
は、ステップ303で検出したACCPとNEとを用い
てこの数値マップを参照し、目標吸気量GAT が設定さ
れる。
【0024】ステップ307とステップ309では、ス
テップ303で設定した目標吸気量GAT とステップ3
01で検出した実際の機関吸気量との偏差ΔGAに基づ
くPID制御により、スロットル弁アクチュエータ21
aへのデューティー出力DUTYが算出される。すなわ
ち、ステップ307では偏差ΔGAが、ΔGA=GAT
−GAとして算出され、ステップ309では、デューテ
ィー出力が、 DUTY=α×ΔGAi +β×(ΔGAi −ΔG
i-1 )+γ×ΣΔGAi として算出される。
【0025】上式において、ΔGAi は今回の操作実行
時にステップ307で算出した偏差を、ΔGAi-1 は前
回操作実行時に算出した偏差を、ΣΔGAi は偏差の積
算値を、それぞれ示している。すなわち、上式において
(ΔGAi −ΔGAi )は微分項を、ΣΔGAi は積分
項を表している。また、α、β、γは、それぞれ比例係
数、微分係数、積分係数であり本実施形態では一定値と
される。
【0026】上記によりデューティー出力DUTY算出
後、ステップ311ではアクチュエータ21aにDUT
Yが出力される。これにより、実際の吸気量GAが目標
吸気量GAT に一致するようにスロットル弁21の開度
がフィードバック制御されるようになる。次に、本発明
の別の実施形態について説明する。上述の実施形態では
エアフローメータで検出した実際の機関吸気量GAのみ
に基づいてスロットル弁開度を制御していた。ところ
が、実際の機関ではスロットル弁開度が変化してから開
度変化が吸気量の変化として現れるまでに吸気系の特性
により定まる遅れ時間が存在する。機関が定常状態また
は緩加速、緩減速等の準定常状態で運転されている場合
にはこの遅れ時間は問題とならないものの、急加速等の
ように機関運転状態が急激に変化する過渡運転時には上
記遅れ時間により吸気制御の応答性が悪化する場合が生
じる。この場合も、フィードバック制御のゲイン(比例
係数、微分係数、積分定数等)を大きく設定すれば制御
応答性を向上させることは可能であるが、制御ゲインを
あまりに大きく設定すると制御にハンチングを生じ不安
定になる場合がある。
【0027】そこで、本実施形態では、前述の実施形態
と同様に、機関の実際の吸気量に基づいてスロットル弁
アクチュエータ21aへのデューティー出力DUTYを
算出するとともに、電子スロットル弁の動作モデルに基
づいてスロットル弁開度を推定し、このスロットル弁開
度推定値に基づいて上記デューティー出力を補正するこ
とにより、制御が不安定になることを防止しつつ過渡運
転時の応答性を向上させている。
【0028】図4は、本実施形態の吸気量制御を示すブ
ロック図である。図4に示すように、本実施形態の吸気
量制御では、図2の制御(図4に点線IIで囲んだ部分
に相当する)に対して点線IVで囲んだ部分が付加され
ている点が相違している。すなわち、本実施形態では、
アクチュエータ21へのデューティー出力に基づいて、
電子スロットル弁動作モデルを用いて現在のスロットル
弁開度θを推定する(ブロック41)。また、本実施形
態では機関の目標吸気量GAT と機関回転数NEとに基
づいて目標吸気量GAT を得るためのスロットル弁開度
目標値θTを算出し(ブロック43)、スロットル弁開
度目標値θT と推定スロットル弁開度θとの偏差に基づ
いてPID制御によりデューティー出力の補正量ΔDU
TYを算出する(ブロック45)。そして、この補正量
ΔDUTYを吸気量に基づいて算出されるデューティー
出力DUTYに加算する補正を行う。
【0029】図5は、本制御の吸気量制御による応答性
向上を模式的に説明するタイミング図である。図5にお
いて、横軸は時間を表し、カーブIは目標吸気量GAT
の変化を、カーブIIは図2、図3のように吸気量のみ
に基づいてスロットル弁開度を制御した場合の実際の吸
気量の変化を、カーブIIIは本実施形態のように、吸
気量に加えてスロットル弁開度推定値を用いてスロット
ル弁開度を制御した場合の実際の吸気量変化を、それぞ
れ示している。
【0030】例えば、図5に示すように時点t0 で急加
速が開始され目標吸気量GAT が急激に増大した場合に
ついて考える。この場合、吸気量のみに基づいてスロッ
トル弁開度を制御している場合(カーブII)には、制
御ゲインをあまり大きな値に設定できないためスロット
ル弁開度の増大は比較的緩やかであり、実際の吸気量の
増加も緩やかになるため加速応答性等が悪化する場合が
生じる。
【0031】これに対して、本実施形態ではスロットル
弁開度推定値に基づくデューティー出力補正量ΔDUT
Yが吸気量に基づく制御に付加されるため、スロットル
弁開度は目標吸気量GAT の変化に良好に追従し、実際
の吸気量も迅速に増大するようになる(カーブII
I)。すなわち、カーブIIIとカーブIIとの差がデ
ューティー出力の補正量ΔDUTYに相当することにな
る。これにより、本実施形態では応答遅れ時間を有する
吸気量に基づくスロットル弁開度制御のゲインを増大さ
せて制御が不安定になることを回避しながら、過渡運転
時にも応答性の良好な吸気量制御を行うことが可能とな
っている。
【0032】図6は、図4の吸気量制御操作の詳細を説
明するフローチャートである。本操作はECU30によ
り一定時間毎に実行されるルーチンとして行われる。図
6の操作では、ステップ601から609で、目標吸気
量GAT とエアフローメータ31で検出した実際の吸気
量GAとの偏差に基づくPID制御によりデューティー
出力DUTYが算出される。ステップ601から609
の各操作は図3、ステップ301から309の操作とそ
れぞれ同一である。
【0033】本実施形態では、上記に加えて更に、ステ
ップ611で後述する電子スロットル弁作動モデルに基
づいて現在のスロットル弁開度の推定値θが算出される
とともに、ステップ613では、ステップ603で読み
込んだ機関回転数NEを用いて、目標吸気量GAT を得
るために必要なスロットル弁開度(目標スロットル弁開
度)θT が算出される。本実施形態では、予め実際の機
関を各回転数条件で運転し、スロットル弁開度と機関吸
気量との関係を実測してあり、必要とされるスロットル
弁開度θT の値が吸気量GAT と機関回転数NEとを用
いた2次元数値マップの形でECU30のROMに格納
されている。ステップ611では、ステップ605で算
出された目標吸気量GAT とステップ603で読み込ん
だ現在の機関回転数NEとを用いて、この数値マップか
ら目標スロットル弁開度θT が読み出される。
【0034】次いで、ステップ615と617では目標
スロットル弁開度θT とスロットル弁開度推定値θとの
偏差Δθに基づくPID制御によりデューティー出力の
補正量ΔDUTYが算出される。すなわち、ステップ6
15では偏差Δθが、Δθ=θT −θ0 として算出さ
れ、ステップ617では、補正量ΔDUTYが、 ΔDUTY=A×Δθi +B×(Δθi −Δθi-1 )+
C×ΣΔθi として算出される。
【0035】ここで、Δθi は現在のスロットル弁開度
偏差、Δθi-1 は前回操作実行時のスロットル弁開度偏
差を、ΣΔθi はスロットル弁開度偏差Δθの積算値を
表し、A×Δθi は比例項、B×(Δθi −Δθi-1
は微分項、C×ΣΔθi は積分項にそれぞれ相当する。
また、A、B、Cはそれぞれ比例係数、微分係数、積分
係数に相当する定数である。
【0036】ステップ617で補正量ΔDUTYが算出
されると、ステップ609で算出されたデューティー出
力は補正量ΔDUTYだけ増大補正され(ステップ61
9)、ステップ621では補正後の出力DUTYがスロ
ットル弁のアクチュエータ21aに出力される。次に、
本実施形態で用いる電子スロットル弁の動作モデルにつ
いて説明する。
【0037】図7は、実際の電子スロットル弁の簡易化
した動作モデルを模式的に示す図である。図7において
21aはDCモータからなるアクチュエータ、21はス
ロットル弁を示す。アクチュエータ21はスロットル弁
の弁軸21bに連結され弁軸を回動させる。また、弁軸
21bには弁軸21bを閉弁方向に回転するように付勢
するスロットルスプリング21cが設けられている。
【0038】図7のスロットル弁の動作モデルの運動方
程式は、弁軸とモータとに作用する力の釣り合いから以
下のように表される。 J×(d2/dt2)θm +K1 ×(d/dt)θm +(1/g)×(K・θ )+Tf =Km ×Im ……(1) ここで、θm はモータ(アクチュエータ21)の回転角
度、θは弁軸21bの回転角度(すなわちスロットル弁
開度)、Jはモータとスロットル弁との合計慣性モーメ
ント、K1 はモータ軸の粘性摩擦係数を示す。また、k
はスロットルスプリング21cのバネ定数、Tf は弁軸
に作用する摩擦トルクを表している。更に、Km はモー
タ定数、Im はモータの回路電流を表し、(d2/dt
2)θm、(d/dt)θm はそれぞれ、θm の2次時
間微分と1次時間微分を表している。gはモータ軸と弁
軸との間に介挿された減速ギヤのギヤ比を表し、g=θ
m/θとなる。
【0039】一方、モータの入力電圧とモータ軸の回転
速度(d/dt)θm との関係は以下のように表され
る。 em −Km ×(d/dt)θm =R×Im ……(2) ここで、em はモータの入力電圧で、出力デューティー
に比例する値(すなわち、em =K2 ×DUTY(K2
は定数))。また、Rはモータ回路抵抗である。
【0040】上記(1)と(2)の微分方程式を解く
と、以下のようにスロットル弁開度θの数値解が得られ
る。 θi =a×θi-1 +b×θi-2 +c×DUTYi +d ……(3) ここで、a、b、c、dは定数、θi は現在のスロット
ル弁開度、θi-1 は図6の操作の前回実行時のスロット
ル弁開度、θi-2 は図6の操作の前々回実行時のスロッ
トル弁開度を、またDUTYi は現在のデューティー出
力を、それぞれ表している。
【0041】図6、ステップ611では上記の動作モデ
ルに基づくスロットル弁開度計算式(3)を用いて、図
6の操作実行毎に前回と前々回のスロットル弁開度推定
値θ i-1 、θi-2 とステップ621で出力されるDUT
Yとの値に基づいてスロットル弁開度推定値θi を算出
する操作が行われる。これにより、スロットル弁開度セ
ンサを設けてスロットル弁開度を実際に検出することな
く、現在のスロットル弁開度が高精度に推定される。
【0042】上述のように、本実施形態では電子スロッ
トル弁の動作モデルに基づくデューティー出力の補正を
常時行っているが、前述したように機関の定常状態や準
定常状態での運転では吸気系の応答遅れによる吸気量制
御への影響は殆ど生じない。そこで、機関の定常状態ま
たは準定常状態での運転時には、図3に示したエアフロ
ーメータ31出力のみに基づいてスロットル弁開度を制
御し、急加速等の過渡運転時にのみ電子スロットル弁の
動作モデルに基づくデューティー出力の補正を行うよう
にすることも可能である。
【0043】図8は、過渡運転時にのみデューティー出
力の補正を行う場合の吸気量制御操作を示すフローチャ
ートである。図8の操作は、図6の操作に対してステッ
プ618が付加された点のみが図6の操作と相違してい
る。すなわち、図8ではデューティー出力補正量ΔDU
TYを算出(ステップ617)した後、ステップ618
で現在機関が過渡運転状態にあるか否かを前回からの機
関吸気量GAの変化幅に基づいて判定する。ステップ6
18において、GAi はステップ601でエアフローメ
ータ31により検出した現在の機関吸気量、GAi-1
前回図8の操作実行時に検出した機関吸気量を示してい
る。本実施形態では、ステップ618で、前回操作実行
時から機関吸気量が所定値D0 以上変化している場合に
は、現在機関の過渡運転中であると判断し、ステップ6
19を実行して、補正量ΔDUTYによるデューティー
出力の補正を行う。しかし、ステップ618で機関吸気
量の変化幅が所定値D0 より小さい場合には、現在機関
が定常状態または準定常状態で運転されていると判断
し、デューティー出力の補正を行わず、ステップ619
をバイパスして直接ステップ621に進む。この場合に
は、ステップ621ではステップ609で算出したデュ
ーティー出力DUTYがそのまま出力される。
【0044】上述したように、上述の各実施形態では本
発明をスロットル弁開度センサを全く持たない電子スロ
ットル制御装置に適用した場合について説明した。しか
し、上述の各実施形態の制御は追加の機器を設けること
なく、ECU30のソフトウェアを修正するのみで実現
可能である。このため、本発明を従来のスロットル弁開
度センサを有する電子スロットル制御装置に適用して、
通常時は従来と同様なスロットル弁開度実測値に基づく
吸気量制御を行い、スロットル弁開度センサが故障した
ときに図3、図6または図8 の制御を行うようにするこ
とも可能である。
【0045】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、電子ス
ロットル弁を用いた場合に実際のスロットル弁開度を検
出するスロットル弁開度センサを用いることなく高精度
の機関吸気量制御を行うことが可能となるため、装置の
コスト低減と信頼性向上とを同時に達成することが可能
となる優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した場合の装
置概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の吸気量制御を説明するブ
ロック図である。
【図3】図2 の吸気量制御の詳細を説明するフローチャ
ートである。
【図4】本発明の、図2、図3とは異なる実施形態の吸
気量制御を説明するブロック図である。
【図5】図4の吸気量制御の効果を説明するタイミング
図である。
【図6】図4の吸気量制御の詳細を説明するフローチャ
ートである。
【図7】図4の吸気量制御に使用する電子スロットル弁
の動作モデルの概略を示す図である。
【図8】図6の吸気量制御の変化例を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1…内燃機関 2…吸気通路 21…スロットル弁 21a…スロットル弁アクチュエータ 30…電子制御ユニット(ECU) 31…エアフローメータ 33…アクセル開度センサ 35…機関回転数センサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 364 F02D 45/00 364G 366 366F Fターム(参考) 3G065 CA00 DA05 FA00 FA12 GA05 GA10 GA46 KA16 3G084 BA05 DA04 DA13 EB12 EB13 FA07 FA34 3G301 JA20 LA03 NC02 ND02 ND05 ND41 ND45 PA01A PA01Z PE01Z PF03Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気通路に配置され、機関吸
    気量を制御するスロットル弁と、該スロットル弁を駆動
    するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御して
    スロットル弁開度を制御する制御手段とを備えた電子ス
    ロットル制御装置であって、 更に機関吸気量に応じた吸気量信号を発生する吸気量検
    出手段と、機関運転状態に応じた目標吸気量を設定する
    設定手段とを備え、 前記制御手段は、前記スロットル弁の開度の実測値を用
    いることなく、前記吸気量信号と前記目標吸気量とに基
    づいてスロットル弁開度を制御することを特徴とする電
    子スロットル制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は更に、スロットル弁の動
    作モデルに基づいてスロットル弁開度を推定する推定手
    段を備え、前記吸気量信号と前記目標吸気量とに加えて
    前記推定手段により推定されたスロットル弁開度推定値
    に基づいてスロットル弁開度を制御することを特徴とす
    る電子スロットル制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8285464B2 (en) 2007-05-18 2012-10-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Half-clutch state decision device
WO2017010550A1 (ja) * 2015-07-16 2017-01-19 いすゞ自動車株式会社 排気浄化システム
WO2020246286A1 (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 愛三工業株式会社 スロットル制御装置

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