JP3087660B2 - 内燃機関の電子スロットル制御装置 - Google Patents

内燃機関の電子スロットル制御装置

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JP3087660B2
JP3087660B2 JP08254913A JP25491396A JP3087660B2 JP 3087660 B2 JP3087660 B2 JP 3087660B2 JP 08254913 A JP08254913 A JP 08254913A JP 25491396 A JP25491396 A JP 25491396A JP 3087660 B2 JP3087660 B2 JP 3087660B2
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神尾  茂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクセル操作等に
応じてスロットルバルブをDCモータ等で駆動してスロ
ットル開度を電気的に制御するようにした内燃機関の電
子スロットル制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な電子スロットル制御装置
は、アクセルペダルの踏込量(アクセル操作量)をアク
セルセンサにより検出し、その検出値に応じて目標スロ
ットル開度を設定して、スロットルバルブをDCモータ
等で駆動し、スロットルバルブの開度(実スロットル開
度)を目標スロットル開度に一致させるようにしてい
る。このものでは、アクセル操作に対するスロットルバ
ルブの応答性が悪いと、ドライブフィーリングが悪くな
るため、スロットルバルブの応答性を向上させるための
技術が幾つか提案されている。
【0003】その一例として、例えば米国特許第523
5950号の公報には、目標スロットル開度の変化初期
に一時的に目標スロットル開度を大きくして、目標スロ
ットル開度変化初期のスロットルバルブの応答性を向上
させる技術が開示されている。しかし、目標スロットル
開度を大きくすると、スロットル開度を微調整する微開
閉モードでは、実スロットル開度が目標スロットル開度
を越えてオーバーシュートしてしまい、スロットル制御
が不安定となる。この場合でも、目標スロットル開度を
大きくする時間を短くすれば、オーバーシュートは少な
くなるが、それに伴って応答性が低下してしまう。従っ
て、目標スロットル開度を大きくする時間を適正に設定
することが非常に難しく、しかも、現実にはスロットル
ボディの製造ばらつきや経年変化等によってスロットル
軸回りの摩擦抵抗にばらつきがあり、これが応答性に大
きな影響を与えるため、目標スロットル開度の変更によ
り応答性向上とオーバーシュート防止とを両立させるこ
とは非常に困難である。
【0004】また、特開平5−35262号公報では、
経年変化等による応答性低下を防ぐために、アクセル操
作量が予め設定された変化量分だけ変化した時のスロッ
トルバルブの応答時間を検出し、この応答時間を初期設
定時の応答時間に一致させるように制御ゲインを変更す
るようにしている。しかし、この場合には、アクセル操
作量の変化量が特定の設定値に一致しないと、制御ゲイ
ンが変更されず、車両走行中の通常のアクセル操作に対
してはスロットルバルブの応答性を向上することは不可
能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】要するに、上述した従
来のスロットル制御方式では、スロットルバルブの応答
性向上とオーバーシュート防止とを両立させることは非
常に困難である。ここで、スロットルバルブの応答性を
悪くする主たる原因は、スロットル軸回りの摩擦力であ
り、その中でも、スロットルバルブが停止状態から動き
始めるまでに働く静止摩擦力が特に大きい。このため、
スロットル開度を微調整する微開閉モードでは、図14
(a)に示すように、目標スロットル開度変化後にモー
タの駆動力が静止摩擦力に打ち勝ってスロットルバルブ
が動き始めるまでの時間遅れが大きくなる傾向があり、
これが微開閉モードでの応答性を特に悪くする原因とな
っている。これを改善するために、微開閉モードで目標
スロットル開度を大きくしてモータの駆動力を大きく変
化させると、実スロットル開度が目標スロットル開度を
越えてオーバーシュートしてしまい、スロットル制御が
不安定となる。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、スロットルバルブの
応答性に影響を与えるスロットル軸回りの摩擦力の特性
を考慮したスロットル制御を行うことができ、スロット
ルバルブの応答性と安定性とを両立させることができる
内燃機関の電子スロットル制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の電子スロットル制御
装置は、スロットルバルブが停止状態から動き始めるま
でに働く静止摩擦力が大きいという事情を考慮し、スロ
ットルバルブが停止状態で目標スロットル開度が変化し
た時に、スロットル駆動手段に与える制御量を目標スロ
ットル開度の変化方向にオフセットさせる。これによ
り、目標スロットル開度変化直後からスロットル駆動手
段の駆動力を静止摩擦力に打ち勝つ大きさに変化させる
ことができ、スロットルバルブの応答性を向上すること
ができる。しかも、スロットル駆動手段に与える制御量
をオフセットさせることで、応答性を向上させるため、
従来のオーバーシュートの原因になっていた目標スロッ
トル開度のオフセットを行わずに済み、オーバーシュー
トを抑制できる。尚、本発明は、少なくとも、スロット
ルバルブ15が停止状態から動き始める時に制御量をオ
フセットさせれば良く、これ以外の適宜のタイミングで
制御量をオフセットさせることを排除するものではな
い。
【0008】この場合、前記制御量を演算する過程で少
なくとも積分動作を行い、前記制御量のオフセット時に
は積分動作の演算結果をオフセットさせるようにすると
良い。このようにすると、目標スロットル開度変化直後
に制御量のオフセット量を一旦設定すれば、以後、積分
動作によりオフセット量を徐々に低下させることができ
る。これにより、スロットルバルブの動き始めの摩擦力
が大きいときに駆動力を大きくして動き始めの立上がり
を速くしながら、実スロットル開度が目標スロットル開
度に近付くに従って駆動力を低下させてオーバーシュー
トを防止するというスロットルバルブの動きに適応した
スロットル制御が可能となる。
【0009】更に、請求項のように、オフセット量
を、目標スロットル開度の変化量、実スロットル開度、
目標スロットル開度変化後の経過時間のうちの少なくと
も1つに基づいて設定すると良い。例えば、目標スロッ
トル開度の変化量が大きい場合には、スロットルバルブ
駆動当初のオフセット量を大きくすることで、応答性を
更に高めることができる。また、スロットルバルブに働
く静止摩擦力は、実スロットル開度によって変化するの
で、実スロットル開度に基づいてオフセット量を設定す
ることで、その時の静止摩擦力に応じた適切なオフセッ
ト量を設定できる。また、目標スロットル開度変化が短
時間のうちに頻繁に繰り返されるような場合には、目標
スロットル開度の変化毎に同じ大きさのオフセット量を
付加すると、オフセット量が累積して制御量がオーバー
シュートするおそれがある。この対策として、目標スロ
ットル開度変化後の経過時間が少ない場合に、オフセッ
ト量を小さくすることで、目標スロットル開度変化が短
時間のうちに繰り返されるような場合でも、オーバーシ
ュートを防止できる。
【0010】また、請求項のように、目標スロットル
開度変化後の初期にオフセット量を大きくし、その後は
オフセット量を小さくするようにしても良い。このよう
にすれば、スロットルバルブの動き始めの摩擦力が大き
いときに駆動力を大きくして動き始めの立上がりを速く
しながら、実スロットル開度が目標スロットル開度に近
付くに従って駆動力を低下させてオーバーシュートを防
止するというスロットルバルブの動きに適応したスロッ
トル制御が可能となる。
【0011】また、請求項のように、スロットルバル
ブが停止状態であるか否かの判定を目標スロットル開度
に基づいて行うようにしても良い。例えば、実スロット
ル開度を検出するスロットルセンサの出力信号からスロ
ットルバルブの停止判定を行うことが考えられるが、ス
ロットルセンサの出力信号の誤差やノイズ等によって誤
判定するおそれがある。
【0012】これに対し、本発明では、スロットルバル
ブの応答性向上とオーバーシュート防止を両立できるの
で、実スロットル開度と目標スロットル開度との差を従
来よりも少なくすることができ、請求項のように、目
標スロットル開度からスロットルバルブの停止判定を行
うことが可能となる。目標スロットル開度はスロットル
センサの出力信号よりも信頼性が高いので、スロットル
センサの出力信号から停止判定する場合よりも停止判定
を精度良く行うことができる
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態(1)を
図1乃至図15に基づいて説明する。まず、図1に基づ
いて内燃機関11の制御システム全体の概略構成を説明
する。内燃機関11の吸気管12の上流側にはエアクリ
ーナ13が装着され、その下流側には吸気量Ga を測定
するエアフローメータ14が設置され、更にその下流側
にスロットルバルブ15が設けられている。このスロッ
トルバルブ15の回動軸15aには電磁クラッチ16を
介してDCモータ17(スロットル駆動手段)が連結さ
れ、DCモータ17の駆動力によってスロットルバルブ
15の開度(実スロットル開度)が制御され、この実ス
ロットル開度がスロットルセンサ18によって検出され
る。この場合、アイドル時も、DCモータ17の駆動力
によって実スロットル開度を制御し、それによって吸気
量Ga を制御して機関回転数を目標アイドル回転数に一
致させるようにフィードバック制御する。
【0014】スロットルバルブ15を通過した吸入空気
を内燃機関11の各気筒に導入する吸気マニホールド1
9には、インジェクタ20が取り付けられ、また、内燃
機関11の各気筒のシリンダヘッドには点火プラグ21
が取り付けられている。内燃機関11のクランク軸22
に嵌着されたシグナルロータ23の外周に対向してクラ
ンク角センサ24が取り付けられ、このクランク角セン
サ24から出力されるパルス状の機関回転数信号Neが
電子制御ユニット(ECU)25に取り込まれ、機関回
転数信号Neのパルス間隔によって機関回転数が検出さ
れる。
【0015】一方、アクセルペダル26の踏込量(アク
セル操作量)がアクセルセンサ27によって検出され、
アクセル操作量に応じた電圧信号Apが電子制御ユニッ
ト25にA/D変換器28を介して取り込まれる。エア
フローメータ14で検出した吸気量Ga やスロットルセ
ンサ18で検出したスロットル開度TAの各電圧信号
も、電子制御ユニット25にA/D変換器28を介して
取り込まれる。
【0016】この電子制御ユニット25は、CPU2
9、ROM30、RAM31等を備えたマイクロコンピ
ュータを主体として構成され、ROM30に格納されて
いる内燃機関制御用の各種プログラムをCPU29で実
行することで、点火プラグ21の点火時期を制御すると
共に、インジェクタ駆動回路45を介してインジェクタ
20に与える噴射パルスを制御し、燃料噴射量を制御す
る。更に、この電子制御ユニット25は、アクセルペダ
ル26が全閉位置から踏み込まれた時に、電磁クラッチ
駆動回路46を介して電磁クラッチ16を接続(ON)
すると共に、アクセル操作量Apに応じてモータ駆動回
路32を介してDCモータ17を制御し、その駆動力に
よって後述するように実スロットル開度を調整する制御
手段として機能する。
【0017】次に、図2及び図3に基づいて電子スロッ
トルシステムの構成を説明する。アクセルペダル26
は、ワイヤ33を介してアクセルレバー34に連結され
ている。このアクセルレバー34は、アクセルリターン
スプリング35,36によって図2の下方(アクセル閉
鎖方向)に付勢されている。そして、アクセルペダル2
6を操作しない状態(アクセルOFF)では、アクセル
レバー34はアクセルリターンスプリング35,36に
よってアクセル全閉ストッパ37に当接した状態に保持
される。内燃機関11の運転中は、アクセルレバー34
の位置がアクセルセンサ27によってアクセル操作量A
pとして検出される。
【0018】一方、スロットルバルブ15の回動軸15
aにはバルブレバー38が連結され、このバルブレバー
38が退避走行用スプリング39によって図2の上方
(スロットルバルブ15の開放方向)に付勢されてい
る。DCモータ17とスロットルバルブ15との間に介
在された電磁クラッチ16が切られているとき(クラッ
チOFF時)には、図2(b)に示すように、退避走行
用スプリング39によってバルブレバー38が中間レバ
ー40に当接した状態に保持される。この中間レバー4
0は、バルブリターンスプリング41によって図2の下
方(スロットルバルブ15の閉鎖方向)に付勢されてい
る。
【0019】このバルブリターンスプリング41の引張
力は退避走行用スプリング39の引張力よりも大きく設
定されている。従って、電磁クラッチ16が切られてい
るとき(クラッチOFF時)には、図2(b)に示すよ
うに、バルブリターンスプリング41の引張力が退避走
行用スプリング39の引張力に打ち勝って、中間レバー
40が中間ストッパ42に当接した状態に保持され、そ
れによって、スロットルバルブ15の開度が中間ストッ
パ42で規制される開度(約3deg)に保持される。
【0020】一方、電磁クラッチ16が接続されている
とき(クラッチON時)には、アクセルペダル26の操
作に応じてDCモータ17を正転又は逆転させてスロッ
トルバルブ15の開度を調整し、そのときのスロットル
バルブ15の開度(スロットル開度)がスロットルセン
サ18によって検出される。この際、スロットル開度を
開く場合には、DCモータ17を正回転させて、図2
(a)に示すようにバルブレバー38がバルブリターン
スプリング41の引張力に抗して中間レバー40を押し
上げながら、スロットルバルブ15の開度を開く方向に
駆動する。これとは逆に、スロットル開度を閉じる場合
には、DCモータ17を逆回転させてバルブレバー38
を下降させながらスロットルバルブ15を閉じる方向に
駆動し、スロットルバルブ15を全閉ストッパ位置(ス
ロットル開度=0deg)まで閉じたときに、バルブレ
バー38がスロットル全閉ストッパ43に突き当たっ
て、それ以上の回動が阻止される。
【0021】以上のように構成された電子スロットルシ
ステムは、図4等に示すスロットル制御用の各ルーチン
によって次のように制御される。図4のメインルーチン
は、イグニッションスイッチ(図示せず)のON後に、
電子制御ユニット25によって例えば2msの周期にて
繰り返し実行される。このメインルーチンの処理が開始
されると、まずステップ101で、イニシャルチェック
(初期化処理)を実行する。このイニシャルチェックで
は、電気系統各部の通信異常の有無についてのチェック
やRAM31の初期値のミラーチェック等が行われる。
この後、ステップ102で、上述した各種センサやスイ
ッチからの信号を読み込み、次のステップ103で、非
線形制御ルーチンを実行し、図5に示すマップを用い
て、アクセル操作量Apに対して非線形に制御するスロ
ットルバルブ15の目標スロットル開度(非線形目標開
度)TACCを演算する。
【0022】この後、ステップ104で、トラクション
制御ルーチンを実行し、車両のトラクション制御量に応
じたスロットルバルブ15の目標スロットル開度(トラ
クション目標開度)TTRCを演算する。そして、次の
ステップ105で、定速走行制御ルーチンを実行し、定
速走行制御モード移行時のスロットルバルブ15の初期
開度を演算すると共に、車速センサ(図示せず)を通じ
て検出される車両の実車連を目標車速に一致させるため
のスロットルバルブ15の目標開度(定速走行目標開
度)TCRCを演算する。
【0023】次のステップ106では、アイドル回転数
制御(ISC制御)ルーチンを実行し、アイドル時にお
けるスロットルバルブ15の目標開度(ISC目標開
度)TIDLを演算する。この後、ステップ107で、
フェイル制御ルーチンを実行し、例えば電磁クラッチ1
6の固着フェイル又はリターンスプリング41切損時
等、DCモータ17の制御により退避走行する場合のス
ロットルバルブ15の開度、すなわちフェイル時のスロ
ットルバルブ15の目標開度(フェイル目標開度)TF
AILを演算する。
【0024】この後、ステップ108で、上述したステ
ップ103〜107で演算した非線形制御、トラクショ
ン制御、定速走行制御、1SC、及びフェイル制御に関
する各目標開度に基づいて最終的な目標スロットル開度
(最終目標開度)TTAを演算する。この演算方法は、
図6に示すように、非線形目標開度TACCと定速走行
目標開度TCRCとを比較して大きい方を選択した後、
この選択値とトラクション目標開度TTRCとを比較し
て小さい方を選択し、更に、この選択値とフェイル目標
開度TFAILとを比較して小さい方を選択し、最後
に、この選択値にISC目標開度TIDLを加算して最
終目標開度TTAを算出する。
【0025】この後、図4のステップ109で、基準位
置学習ルーチンを実行し、基準位置(全閉ストッパ位
置)でのスロットルセンサ18の出力電圧OTPにより
基準位置を学習する。
【0026】ここで、基準位置の学習方法としては図7
と図8に示す2通りの方法がある。図7に示す基準位置
学習ルーチンは、例えば8ms毎に繰り返し処理され、
イグニッションスイッチ(IG)がOFFからONに切
り替えられた直後に、ステップ121からステップ12
2に進み、スロットルバルブ15を全閉ストッパ43に
当接させるまで駆動し、その全閉ストッパ位置でのスロ
ットルセンサ18の出力電圧OTPを読み込んで基準位
置を直接学習する。
【0027】また、図7の基準位置学習ルーチンに代え
て、図8の基準位置学習ルーチンを実行しても良い。図
8の基準位置学習ルーチンでは、図7のステップ122
に代えて、ステップ122aの処理を実行する。すなわ
ち、イグニッションスイッチ(IG)がOFFからON
に切り替えられた直後に、ステップ121からステップ
122aに進み、電磁クラッチ16がONする前にスロ
ットルセンサ18の出力を読み込み、この出力値から全
閉ストッパ位置でのスロットルセンサ18の出力電圧O
TPを推定する。つまり、電磁クラッチ16がONする
前(OFF状態のとき)は、図2(b)に示すように、
バルブレバー38が中間レバー40に当接し、且つ中間
レバー40が中間ストッパ42に当接した位置(以下こ
の位置を「中間ストッパ位置」という)に保持される。
このようにして、電磁クラッチ16がONする前は、ス
ロットルバルブ15の開度が中間ストッパ位置(約3d
eg)に保持されるため、この中間ストッパ位置でのス
ロットルセンサ18の出力電圧から全閉ストッパ位置で
のスロットルセンサ18の出力電圧OTPを推定するこ
とが可能である。
【0028】以上のようにして図7又は図8に示す基準
位置学習ルーチンを実行した後、図4のステップ110
に戻り、図9に示す開度−電圧変換マップを用い、前記
ステップ108で求めた最終目標開度TTAを目標電圧
TTPに変換する。この後、ステップ111で、図10
に示すように、目標電圧TTPとスロットルセンサ18
の出力電圧TAとを比較し、その偏差Δθ(=TTP−
TA)を小さくすべく、比例(P)・積分(I)・微分
(D)動作を行ってDCモータ17の制御量を演算す
る。このPID動作は、次式により行われる。
【0029】
【数1】
【0030】そして、次のステップ112で、上記制御
量をデューティ比信号に変換し、このデューティ比信号
をモータ駆動回路32を介してDCモータ17に印加す
るPWM出力処理を行う。これにより、スロットルバル
ブ15は、DCモータ17の駆動によって、実スロット
ル開度が上記目標電圧TTPにより指令される目標スロ
ットル開度TTAにフィードバック制御されることとな
る。このフィードバック制御中は、電磁クラッチ16が
ON状態に保持される。
【0031】ところで、実スロットル開度(スロットル
センサ18の出力電圧TA)を最終目標開度TTA(目
標電圧TTP)に一致させるために上記ステップ111
で行われるPID制御において、比例動作(Kp ・Δ
θ)を決定する比例ゲインKpは、スロットルバルブ1
5の開閉時の立ち上がり/立ち下がりの傾き、すなわち
応答速度を決定する。従って、この比例ゲインKp を大
きい値に固定すると、スロットルバルブ15の応答速度
は速くなるが、その反動としてのオーバーシュートが大
きくなる。
【0032】また、積分動作(Ki ・∫Δθ)は、目標
電圧TTPとスロットルセンサ18の出力電圧TAとの
偏差Δθを小さくするするように働く。従って、この積
分動作を決定する積分ゲインKi を大きい値に固定する
と、スロットルセンサ18の出力電圧TAが目標電圧T
TP付近に収束しているときには、その収束状態を保持
しやすくなるが、偏差Δθが大きいときには、この大き
な偏差Δθを蓄積することになるため、積分値Ki ・∫
Δθが大きくなり過ぎ、ハンチングが発生しやすくな
る。
【0033】また、微分動作(Kd ・dΔθ/dt)を
決定する微分ゲインKd は、スロットルバルブ15の開
閉動作の応答速度に関連する最終収束速度を決定する。
従って、この微分ゲインKd を大きくすると、スロット
ルバルブ15の最終応答速度が遅くなるが、その反面、
オーバーシュートが小さくなる。
【0034】以上のようなPID制御の特性を考慮し、
各ゲインKp ,Ki ,Kd は、スロットルバルブ15の
応答性と安定性(オーバーシュート・ハンチング防止)
とをある程度両立させるように設定されるが、全てのス
ロットル駆動モードでの両立は困難である。例えば、全
閉駆動/全開駆動を基準にして適合されたPIDゲイン
Kp ,Ki ,Kd は、DCモータ17の駆動力を微調整
する微開閉モードでは応答性が悪くなる。ここで、応答
性を悪くする主たる原因は、スロットルバルブ15の回
動軸15a回りの摩擦力であり、その中でも、スロット
ルバルブ15が停止状態から動き始めるまでに働く静止
摩擦力が特に大きい。このため、微開閉モードでは、目
標スロットル開度変化後にDCモータ17の駆動力が静
止摩擦力に打ち勝ってスロットルバルブ15が動き始め
るまでの時間遅れが大きくなる傾向があり、これが微開
閉モードでの応答性を悪くする原因となっている。これ
を改善するために、微開閉モードで目標スロットル開度
を大きくしたり、或は比例ゲインKp を大きくして、ス
ロットルバルブ15の開閉時の立ち上がり/立ち下がり
の傾きを大きくすると、オーバーシュートが発生し、ス
ロットル制御が不安定となる。
【0035】そこで、本実施形態では、微開閉モードを
含む全ての駆動モードで、応答性と安定性とを両立でき
るように、スロットルバルブ15が停止状態で目標スロ
ットル開度(目標電圧TTP)が変化した時に、DCモ
ータ17に与えるデューティ比信号(制御量)を目標ス
ロットル開度の変化方向にオフセットさせる。更に、本
実施形態では、このデューティ比信号のオフセットは、
PID制御の積分動作を行う積分項Iθ(=Ki ・∫Δ
θ)をオフセットさせることで行う。
【0036】このオフセット処理は、図11の積分項オ
フセット処理ルーチンによって例えば2ms毎に繰り返
し実行される。本ルーチンが起動されると、まずステッ
プ201で、今回の目標電圧TTP(i) から前回の目標
電圧TTP(i-1) を減算することで、目標電圧変化量Δ
TTPを算出する。そして、次のステップ202で、目
標電圧変化量ΔTTPの値から、スロットルバルブ15
が停止状態、開側/閉側駆動中のいずれに該当するかを
判別する。ここで、ΔTTP=0(目標電圧TTPが一
定)の場合には、スロットルバルブ15が停止状態であ
ると判定して、オフセット量Iofset を0にする(ステ
ップ203)。
【0037】この後、目標電圧TTP変化後の経過時間
に応じてオフセット量Iofset を補正するためのオフセ
ット量補正係数Kt をΔKt だけインクリメントして
(ステップ204)、オフセット量補正係数Kt が1を
越えたか否かを判定し(ステップ205)、Kt >1の
場合にはKt =1とする(ステップ206)。このオフ
セット量補正係数Kt は、後述するように目標電圧TT
Pの変化直後に0にクリアされる(ステップ209)。
このような処理により、図12に示すように、オフセッ
ト量補正係数Kt は、目標電圧TTPの変化直後に0に
クリアされ、その後の経過時間に応じて徐々に増加す
る。その増加途中で、目標電圧TTPが変化すると、オ
フセット量補正係数Kt は再び0にクリアされるが、目
標電圧TTPが変化しなければ、オフセット量補正係数
Kt は最終的に1まで増加する。
【0038】一方、前述したステップ202で、目標電
圧変化量ΔTTPがプラス値の場合には、スロットルバ
ルブ15が開側に駆動中と判定され、ステップ207に
進み、オフセット量Iofset をオフセット量補正係数K
t とオフセットベース量MAP(TA,ΔTTP)とを
乗算して求める。
【0039】 Iofset =Kt ・MAP(TA,ΔTTP) ここで、オフセットベース量MAP(TA,ΔTTP)
は、図13に示すように、スロットルセンサ18の出力
電圧TA(実スロットル開度)と目標電圧変化量ΔTT
Pとをパラメータとする二次元マップより算出する。こ
の二次元マップは、例えば目標電圧変化量ΔTTPが小
さい領域で、オフセットベース量が最大値でほぼ一定と
なり、目標電圧変化量ΔTTPが大きくなると、オフセ
ットベース量が0になるように設定されている。これに
より、微開閉モードでのみ積分項Iθにオフセットが付
加される。
【0040】また、スロットルバルブ15の駆動時に働
く摩擦力は、実スロットル開度によって変化する。例え
ば、バルブレバー38が全閉位置から中間レバー40に
当接するまでの領域と、バルブレバー38が中間レバー
40に当接した状態で一体的に回動する領域とでは、駆
動するレバーの本数やスプリング荷重が変化し、それに
よって摩擦力が変化する。この点を考慮し、本実施形態
では、実スロットル開度に応じた摩擦力に対して適正な
オフセットベース量を設定するために、スロットルセン
サ18の出力電圧TAに応じて適正なオフセットベース
量を選択するようになっている。
【0041】一方、前述したステップ202で、目標電
圧変化量ΔTTPがマイナス値の場合には、スロットル
バルブ15が閉側に駆動中と判定され、ステップ208
に進み、オフセット量Iofset を上述と同様の方法で次
式により算出する。 Iofset =−Kt ・MAP(TA,−ΔTTP) 上式において、オフセットベース量MAP(TA,−Δ
TTP)を算出するマップは、上述した開側駆動時に用
いた図13のマップを用いる(閉側駆動用の独自のマッ
プを作っても良い)。但し、閉側駆動時には、オフセッ
ト量Iofset はマイナス値となる。
【0042】以上のようにしてステップ207又は20
8で、オフセット量Iofset を算出した後、ステップ2
09に進み、オフセット量補正係数Kt を0にクリアす
る。この後、ステップ210に進み、前回の目標電圧T
TP(i-1) とスロットルセンサ18の出力電圧TA(実
スロットル開度)との差分|TTP(i-1) −TA|を所
定値(例えば0.1°に相当する値)と比較して、実ス
ロットル開度が既に最終目標開度TTAの近傍であるか
否かを判定し、最終目標開度TTAの近傍(開度差≦
0.1°)であれば、ステップ211に進み、オフセッ
ト量Iofset を0にクリアしてオーバーシュートを防止
する。
【0043】これに対し、実スロットル開度と最終目標
開度TTAとの開度差が0.1°よりも大きい場合に
は、ステップ212に進み、PIDの積分項Iθを次式
によりIofset だけオフセットさせて、応答性を向上さ
せる。 Iθ(i) =Iθ(i-1) +Ki ・{TTP(i) −TA}+
Iofset
【0044】以上のようなオフセット処理を行った場合
のスロットル制御の挙動を図12のタイムチャートに従
って説明する。時刻T1 以前は、スロットルバルブ15
が暫く停止状態に保持され、オフセット量補正係数Kt
が1(最大値)に保持されている。その後、時刻T1
で、アクセルペダル26が踏み込まれて、目標電圧TT
P(最終目標開度TTA)が変化すると、直ちにPID
制御の積分項Iθにオフセット量Iofset が付加された
後、オフセット量補正係数Kt が0にクリアされる。
【0045】このようにして、目標電圧TTPの変化直
後に積分項Iθに一旦オフセット量Iofset が加えられ
ると、その後、Iofset =0になっても、積分項Iθは
すぐには低下せず、時間の経過に従って徐々に低下す
る。これにより、スロットルバルブ15の動き始めの摩
擦力が大きいときに、DCモータ17の駆動力を大きく
して、図14(b)に示すようにスロットルバルブ15
の動き始めの立上がりを速くしながら、実スロットル開
度が最終目標開度TTAに近付くに従ってDCモータ1
7の駆動力を低下させてオーバーシュートを防止すると
いうスロットルバルブ15の動きに適応したスロットル
制御が可能となる。
【0046】更に、オフセット量Iofset を付加した直
後にオフセット量補正係数Kt を0にクリアするため、
目標電圧TTPの変化が短時間のうちに繰り返されるよ
うな場合でも、大きなオフセット量Iofset が累積して
オーバーシュートすることを未然に防止できる。そし
て、目標電圧TTPが変化しない間は、オフセット量補
正係数Kt が0から徐々に増加する。
【0047】その後、時刻T2 で、再びアクセルペダル
26が踏み込まれて目標電圧TTPが変化すると、直ち
にPIDの積分項Iθにオフセット量Iofset が加えら
れた後、オフセット量補正係数Kt が0にクリアされ
る。ここで、前回の目標電圧変化時T1 から今回の目標
電圧変化時T2 までの経過時間が短い場合には、オフセ
ット量補正係数Kt が1よりも小さい状態でオフセット
量Iofset を演算するため、オフセット量Iofset も小
さくなる。これにより、オフセット量Iofset の累積に
よるオーバーシュートが防止される。
【0048】その後、時刻T3 で、アクセルペダル26
が戻されて目標電圧TTPが低下すると、積分項Iθに
マイナス方向のオフセット量Iofset が加えられた後、
オフセット量補正係数Kt が0にクリアされる。
【0049】以上説明した実施形態では、図13に示す
マップを用いてオフセットベース量を算出することで、
微開閉モードでのみ積分項Iθにオフセット量Iofset
が加えられ、微開閉モードでの応答性と安定性とを両立
させることができる。
【0050】しかしながら、本発明は、微開閉モード以
外でもオフセット量を設けるようにしても良い。例え
ば、図15に示すオフセットベース量マップでは、目標
電圧変化量ΔTTPが小さくなるほど、オフセットベー
ス量を小さくして安定性を高め、目標電圧変化量ΔTT
Pが所定値以上の領域でオフセットベース量をほぼ一定
にしている。このようにすれば、微開閉モードを含む全
ての駆動モードで目標スロットル開度の変化直後にオフ
セット量が加えられる。但し、目標電圧変化量ΔTTP
が大きくなるに従って、比例項(Kp ・Δθ)が大きく
なって、この比例項のみでも応答性が高くなるので、積
分項Iθにオフセット量Iofset を付加する効果が少な
くなる。
【0051】また、図13、図15に示す2種類のオフ
セットベース量マップは、スロットルバルブ15の駆動
時に働く摩擦力が実スロットル開度によって変化するこ
とを考慮し、スロットルセンサ18の出力電圧TA(実
スロットル開度)に応じて、2種類又は3種類のオフセ
ットベース量特性曲線の中から適正なものを選択するよ
うになっている。このため、実スロットル開度に応じた
摩擦力に対して適正なオフセットベース量を設定するこ
とができ、応答性と安定性とをうまく両立させることが
できる。この場合、実スロットル開度に応じて4種類以
上のオフセットベース量特性曲線の中から適正なものを
選択するようにしても良く、或は、実スロットル開度の
大小を問わず、オフセットベース量特性曲線を1種類の
みとしても良い。
【0052】また、上記実施形態(1)では、積分項I
θにオフセット量Iofset を加えたが、積分項Iθと比
例項Pθ(=Kp ・Δθ)の双方にオフセット量を加え
るようにしても良い。以下、これを具体化した実施形態
(2)を図16及び図17に基づいて説明する。この場
合も、積分項Iθにオフセット量Iofset を加える処理
は、前記実施形態で説明した図11の積分項オフセット
処理ルーチンによって実行される。但し、積分項Iθの
オフセット量Iofset は動摩擦力に打ち勝つ分のオフセ
ット量で良く、前記実施形態(1)よりも小さいオフセ
ット量で良い。
【0053】一方、比例項Pθにオフセット量Pofset
を加える処理は、図16の比例項オフセット処理ルーチ
ンによって実行される。本ルーチンは、例えば2ms毎
に繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、ま
ずステップ301で、目標電圧変化量ΔTTPの値か
ら、スロットルバルブ15が停止状態、開側/閉側駆動
中のいずれに該当するか判別する。ここで、ΔTTP=
0(目標電圧TTPが一定)の場合には、スロットルバ
ルブ15が停止状態であると判定され、比例項Pθのオ
フセット量Pofset を0にする(ステップ302)。
【0054】一方、前記ステップ301で、目標電圧変
化量ΔTTPがプラス値の場合には、スロットルバルブ
15が開側に駆動中と判定され、ステップ303に進
み、オフセット量Pofset を、スロットルセンサ18の
出力電圧TA(実スロットル開度)と目標電圧変化量Δ
TTPとをパラメータとする二次元マップマップMAP
(TA,ΔTTP)より算出する。
【0055】Pofset =MAP(TA,ΔTTP) また、前記ステップ301で、目標電圧変化量ΔTTP
がマイナス値の場合には、スロットルバルブ15が閉側
に駆動中と判定され、ステップ304に進み、オフセッ
ト量Iofset を上記と同じ二次元マップマップより算出
する。 Pofset =−MAP(TA,−ΔTTP)
【0056】以上のようにしてステップ303又は30
4で、オフセット量Pofset を算出すると、ステップ3
05に進み、比例項Pθを次式によりPofset だけオフ
セットさせる。 Pθ=Kp ・(TTP−TA)+Iofset
【0057】この後は、本ルーチンを終了し、その後、
2ms経過後に再び本ルーチンを実行する。このとき、
目標電圧変化量ΔTTP=0になっていれば、ステップ
301からステップ302に進み、オフセット量Pofse
t を0にする。従って、比例項Pθにオフセット量Pof
set が加えられるのは目標電圧TTP変化直後の2ms
だけである。
【0058】以上のようなオフセット処理を行った場合
のスロットル制御の挙動を図17のタイムチャートに従
って説明する。スロットルバルブ15が暫く停止状態に
保持されているときに、時刻T1 で、アクセルペダル2
6が踏み込まれて、目標電圧TTP(最終目標開度TT
A)が変化すると、直ちにPID制御の積分項Iθと比
例項Pθにそれぞれオフセット量Iofset ,Pofset が
加えられる。これにより、目標電圧TTPの変化直後に
DCモータ17に与えるデューティ比信号に静止摩擦力
に打ち勝つ分のオフセット(Iofset +Pofset )が加
えられ、スロットルバルブ15の動き始めの立上がりが
速められる。その後、2ms後に比例項Pθのオフセッ
ト量Pofset が解除され、積分項Iθのオフセット分だ
けとなる。このようにする理由は、スロットルバルブ1
5が動き始めると、摩擦力(動摩擦力)が静止摩擦力よ
りも大幅に小さくなるため、それに合わせてデューティ
比信号のオフセット量を小さくするためである。従っ
て、この実施形態(2)では、積分項Iθのオフセット
量Iofset は、動摩擦力に打ち勝つ分のオフセット量で
良い。
【0059】この実施形態(2)では、目標電圧TTP
の変化後の初期にオフセット量を大きくし、その後はオ
フセット量を小さくすることができるため、スロットル
バルブ15の動き始めの摩擦力が大きいときに駆動力を
大きくして動き始めの立上がりを速くしながら、実スロ
ットル開度が目標スロットル開度に近付くに従って駆動
力を低下させてオーバーシュートを防止するというスロ
ットルバルブ15の動きに適応したスロットル制御が可
能となり、応答性と安定性とをうまく両立させることが
できる。
【0060】尚、デューティ比信号(制御量)にオフセ
ット量を加える処理は、上記各実施形態に限定されず、
例えば、予め設定されたオフセット量の変化パターンを
メモリに記憶しておき、目標スロットル開度変化後の経
過時間に応じて、メモリから読み出した変化パターンで
オフセット量を変化させるようにしても良い。
【0061】また、本発明は、少なくとも、スロットル
バルブ15が停止状態から動き始める時にデューティ比
信号(制御量)をオフセットさせれば良く、これ以外の
適宜のタイミングでデューティ比信号(制御量)をオフ
セットさせることを排除するものではない。例えば、ス
ロットルバルブ15が動いている場合でも、目標スロッ
トル開度が変化した時に、デューティ比信号(制御量)
をオフセットさせるようにしても良い。
【0062】また、上記各実施形態(1),(2)で
は、スロットルバルブ15が停止状態であるか否かの判
定を目標スロットル開度(目標電圧TTP)に基づいて
行うようにしたが、例えば、スロットルセンサ18の出
力信号からスロットルバルブ15の停止判定を行うこと
が考えられる。しかし、この場合、現状のスロットルセ
ンサ18では、出力信号の誤差やノイズ等によって微小
開度を精度良く検出できないため、スロットルバルブ1
5の停止判定を誤判定するおそれがある。
【0063】これに対し、上記各実施形態(1),
(2)では、スロットルバルブ15の応答性と安定性と
を両立できるので、実スロットル開度と目標スロットル
開度との差を従来よりも少なくすることができ、目標ス
ロットル開度からスロットルバルブ15の停止判定を行
うことが可能となる。目標スロットル開度はスロットル
センサ18の出力信号よりも信頼性が高いので、スロッ
トルセンサ18の出力信号から停止判定する場合よりも
停止判定を精度良く行うことができ、信頼性を向上でき
る。
【0064】但し、将来、微小開度を精度良く検出でき
るスロットルセンサが実用化されれば、そのスロットル
センサの出力信号からスロットルバルブ15の停止判定
を行うようにしても良いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示す内燃機関制御シ
ステム全体の概略構成図
【図2】電子スロットルシステムの概略構成図で、
(a)は通常制御時(クラッチON時)の状態を示す
図、(b)はクラッチOFF時の状態を示す図
【図3】電子スロットルシステムの斜視図
【図4】メインルーチンの処理の流れを示すフローチャ
ート
【図5】アクセル操作量Apから非線形目標開度TAC
Cを設定するためのマップを示す図
【図6】非線形目標開度TACC、定速走行目標開度T
CRC、トラクション目標開度TTRC、フェイル目標
開度TFAIL、ISC目標開度TCRCから最終目標
開度TTAを設定する手順を説明する図
【図7】基準位置学習ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図8】他の基準位置学習ルーチンの処理の流れを示す
フローチャート
【図9】最終目標開度TTAを目標電圧TTPに変換す
るマップを示す図
【図10】スロットル開度をPID制御する制御系のブ
ロック図
【図11】積分項オフセット処理ルーチンの処理の流れ
を示すフローチャート
【図12】実施形態(1)のスロットル制御の挙動を示
すタイムチャート
【図13】オフセットベース量を算出するマップを概念
的に示す図
【図14】(a)は従来のスロットル制御の挙動を示す
タイムチャート、(b)は実施形態(1)のスロットル
制御の挙動を示すタイムチャート
【図15】オフセットベース量を算出するマップの他の
例を概念的に示す図
【図16】実施形態(2)における比例項オフセット処
理ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図17】実施形態(2)のスロットル制御の挙動を示
すタイムチャート
【符号の説明】
11…内燃機関、12…吸気管、14…エアフローメー
タ、15…スロットルバルブ、16…電磁クラッチ、1
7…DCモータ(スロットル駆動手段)、18…スロッ
トルセンサ、25…電子制御ユニット(制御手段)、2
6…アクセルペダル、27…アクセルセンサ、34…ア
クセルレバー、35,36…アクセルリターンスプリン
グ、37…アクセル全閉レバー、38…バルブレバー、
39…退避走行用スプリング、40…中間レバー、41
…バルブリターンスプリング、42…中間ストッパ、4
3…スロットル全閉ストッパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 F02D 9/02 F02D 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットルバルブを駆動するスロットル
    駆動手段を備え、前記スロットルバルブの開度(以下
    「実スロットル開度」という)をアクセル操作等に応じ
    て設定された目標スロットル開度に一致させるための制
    御量を少なくとも積分動作を行うことにより演算し、そ
    の制御量を前記スロットル駆動手段に与えて実スロット
    ル開度を制御する制御手段を備えた内燃機関の電子スロ
    ットル制御装置において、 前記制御手段は、前記スロットルバルブが停止状態で前
    記目標スロットル開度が変化した時に前記積分動作の演
    算結果を目標スロットル開度の変化方向にオフセットさ
    せる手段を備えていることを特徴とする内燃機関の電子
    スロットル制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、オフセット量を、前記
    目標スロットル開度の変化量、前記実スロットル開度、
    前記目標スロットル開度変化後の経過時間のうちの少な
    くとも1つに基づいて設定することを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関の電子スロットル制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記目標スロットル開
    度変化後の初期にオフセット量を大きくし、その後はオ
    フセット量を小さくすることを特徴とする請求項1又は
    に記載の内燃機関の電子スロットル制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記スロットルバルブ
    が停止状態であるか否かの判定を前記目標スロットル開
    度に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至のい
    ずれかに記載の内燃機関の電子スロットル制御装置。
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