JP3045067B2 - 車速制御装置 - Google Patents

車速制御装置

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JP3045067B2
JP3045067B2 JP6250896A JP6250896A JP3045067B2 JP 3045067 B2 JP3045067 B2 JP 3045067B2 JP 6250896 A JP6250896 A JP 6250896A JP 6250896 A JP6250896 A JP 6250896A JP 3045067 B2 JP3045067 B2 JP 3045067B2
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秀男 岩本
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  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行速度が
目標値となるように制御する車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、外乱推定器により走行抵抗
を推定し、走行抵抗推定値により目標駆動力を補正して
スロットル開度を求め、スロットルアクチュエータを駆
動制御するようにした車速制御装置を提案している(特
願平7−20640号参照)。この車速制御装置では、
実車速を目標車速に一致させるための目標駆動力を操作
量とし、実車速を制御量とする制御対象の車両の数学モ
デルを設定し、走行抵抗などの外乱を推定している。と
ころで、車両のエンジンブレーキ力が有限であるため、
車速制御中に実際のエンジンブレーキ力を越えるブレー
キ力を必要とした時に外乱推定器内部に誤差が溜まり続
け、その後の車速制御性能が悪化してしまう。そこで、
上述した車速制御装置では、目標駆動力の下限を車両の
最小駆動力で制限して走行抵抗を推定している。なお、
この明細書では負のエンジン駆動力および負のエンジン
トルクがエンジンブレーキ時のブレーキ力およびブレー
キトルクに相当するものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た車速制御装置では、エンジン特性のばらつきや車重な
どのモデル化誤差により、予め設定した車両の最小駆動
力と実際のエンジンブレーキ力との間に誤差を生じて制
御性能を悪化させるという問題がある。また、車種やエ
ンジンの種類に応じて目標駆動力下限値を設定しなけれ
ばならないので、調整が煩雑になるという問題もある。
【0004】本発明の目的は、車両ごとの最小駆動力を
正しく検出して目標駆動力の下限値とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 請求項1の発明は、車両の実車速を検出する車
速検出手段と、実車速を目標車速に一致させるための目
標駆動力を演算する目標駆動力演算手段と、外乱推定手
段で推定される走行抵抗により目標駆動力を補正して最
終目標駆動力を演算する最終目標駆動力演算手段と、最
終目標駆動力を上限値および下限値以内に制限して修正
最終目標駆動力を求める最終目標駆動力修正手段と、修
正最終目標駆動力と実車速とに基づいて走行抵抗を推定
する走行抵抗推定手段と、最終目標駆動力にしたがって
スロットルアクチュエータを駆動制御するスロットル駆
動制御手段とを備えた車速制御装置であって、スロット
ルの全閉状態を検出するスロットル全閉検出手段を備
え、最終目標駆動力修正手段は、エンジン回転速度ごと
に測定したスロットル全開時のエンジントルクに基づい
て上限値を設定するとともに、スロットル全閉検出手段
でスロットルの全閉状態が所定時間検出された時に最終
目標駆動力演算手段により演算された最終目標駆動力を
下限値に設定する。実車速を目標車速に一致させるため
の目標駆動力を演算し、推定された走行抵抗により目標
駆動力を補正して最終目標駆動力を演算し、最終目標駆
動力にしたがってスロットルアクチュエータを駆動制御
する。また、エンジン回転速度ごとに測定したスロット
ル全開時のエンジントルクに基づいて最終目標駆動力の
上限値を設定するとともに、スロットルの全閉状態が所
定時間検出された時に演算された最終目標駆動力をその
下限値に設定し、最終目標駆動力を上限値および下限値
以内に制限して修正最終目標駆動力を求め、修正最終目
標駆動力と実車速とに基づいて走行抵抗を推定する。 (2) 請求項2の車速制御装置は、所定時間を車両の
応答遅れ時間としたものである。
【0006】
【発明の効果】
(1) 請求項1の発明によれば、実際の車両の最大エ
ンジンブレーキ力を正確に測定して駆動力下限値に設定
し、その下限値で走行抵抗推定手段への入力を制限する
ことができ、走行抵抗推定手段の内部に誤差が蓄積され
ることがなく、走行抵抗を正確に推定することができ
る。これにより、降坂路から平坦路へ戻った後でも走行
抵抗推定手段が速やかに機能して実車速のアンダーシュ
ートを防止でき、目標車速へ速やかに収束させることが
できる。また、スロットルの全閉状態が所定時間検出さ
れるたびに最終目標駆動力を下限値に設定するので、ス
ロットル全閉時のエンジントルクをエンジン回転速度ご
とに測定したデータテーブルを予め記憶しておいて、そ
の都度駆動力下限値を演算する必要がない。 (2) 降坂路に入ってスロットルが全閉状態になって
も、車両の応答遅れ時間のために直ちにエンジン出力が
最小値、すなわち最大エンジンブレーキ力にならず、応
答遅れ時間後に最大エンジンブレーキ力となる。したが
って、この時点の最終目標駆動力がほぼ正確に最大エン
ジンブレーキ力を示していることになり、請求項2の発
明によれば、より正確な最大エンジンブレーキ力を測定
でき、請求項1の効果をより高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に一実施形態の構成を示す。
車速制御用コントロールユニット1は、マイクロコンピ
ュータ10、駆動回路11およびフェイルセーフ用遮断
回路12を備える。マイクロコンピュータ10はメモリ
やインタフェースを備え、後述する制御プログラムを実
行して車両の走行速度を制御する。駆動回路11は、マ
イクロコンピュータ10からの指令にしたがってスロッ
トルアクチュエータ30を駆動する。また、フェイルセ
ーフ用遮断回路12は、異常発生時にバッテリBATか
らアクチュエータ駆動回路11への電源の供給を遮断し
て、定速走行制御を停止する。
【0008】コントロールユニット1には、メインスイ
ッチ2、セットスイッチ3、アクセラレートスイッチ
4、コーストスイッチ5、キャンセルスイッチ6、ブレ
ーキスイッチ7、車速センサ8、スロットルセンサ9、
クランク角センサ13が接続される。メインスイッチ2
は、車速制御装置を起動または停止させるためのスイッ
チである。セットスイッチ3は、定速走行制御の開始と
車速の設定を行なうためのスイッチである。アクセラレ
ートスイッチ4は目標車速の増加を指示するためのスイ
ッチであり、コーストスイッチ5は目標車速の低減を指
示するためのスイッチである。キャンセルスイッチ6は
定速走行制御を解除するためのスイッチ、ブレーキスイ
ッチ7はフットブレーキが操作された時に作動するスイ
ッチである。このブレーキスイッチ7が作動したら、キ
ャンセルスイッチ6が操作された場合と同様に定速走行
制御を解除する。また、車速センサ8は車両の所定の走
行距離ごとにパルス信号を発生し、所定時間における発
生パルス数をカウントして車両の走行速度を検出するこ
とができる。スロットルセンサ9はスロットルの実開度
を検出する。さらに、エンジン回転数センサ13はエン
ジンの所定の回転角度ごとにパルス信号を発生し、所定
時間における発生パルス数をカウントしてエンジン回転
速度を検出することができる。
【0009】自動変速機コントロールユニット20は、
車両のオートマチックトランスミッションを駆動制御す
る。自動変速機コントロールユニット20は、定速走行
制御中の3速またはオーバードライブ(以下、ODと呼
ぶ)のシフト位置を、信号線41を介して車速制御用コ
ントロールユニット1へ送る。なお、この実施形態では
ODを含む前進4速のトランスミッションを例に上げて
説明する。車速制御用コントロールユニット1は、定速
走行制御信号を制御線42を介して自動変速機コントロ
ールユニット20へ送るとともに、定速走行制御中のO
Dキャンセル指令を信号線43を介して自動変速機コン
トロールユニット20へ送る。
【0010】負圧式スロットルアクチュエータ30に
は、図2に示すように、負圧ポンプ31、ベントバルブ
32、セーフティバルブ33が接続される。負圧ポンプ
31は、モータ31aによりダイアフラム31bが駆動
され、アクチュエータ30の負圧室30aに負圧を発生
させる。ベントバルブ32とセーフティバルブ33は、
負圧室30aの負圧を抜いて大気圧にするために用いら
れる。車速制御用コントロールユニット1は、信号線4
4を介してベントバルブソレノイド32aとセーフティ
バルブソレノイド33aと負圧ポンプモータ31aとを
駆動制御する。負圧室30aの負圧は、負圧ポンプ3
1、ベントバルブ32およびセーフティバルブ33によ
り制御され、負圧に応じてダイアフラム30bが図の左
右に移動する。ダイアフラム30bの動きはアクセルワ
イヤ30cを介してスロットルバルブ30dに伝達さ
れ、スロットルバルブ30dが開閉される。
【0011】図3は車速制御プログラム例を示すフロー
チャートである。このフローチャートにより、一実施形
態の動作を説明する。コントロールユニット1のマイク
ロコンピュータ10は、所定時間(この実施形態では1
00msec)ごとにこの制御プログラムを実行する。
ステップ1において、前回の制御プログラム実行時から
現在までの車速センサ8とエンジン回転数センサ13の
計測値に基づいて平均実車速Vspと平均エンジン回転
速度Neを演算するとともに、スロットルセンサ9によ
りスロットル実開度を計測する。続くステップ2では、
キャンセルスイッチ6が操作されたか、あるいはフット
ブレーキが操作されたか否かを確認し、キャンセルスイ
ッチ6またはフットブレーキが操作されたらステップ1
2へ進み、そうでなければステップ3へ進む。キャンセ
ルスイッチ6またはフットブレーキが操作された時は定
速走行制御の解除を決定し、ステップ12で定速制御中
フラグと各種変数を初期化する。そして、ステップ13
で、遮断回路12によりアクチュエータ駆動回路11へ
の電源の供給を遮断する。
【0012】キャンセルスイッチ6もフットブレーキも
操作されていない場合は、ステップ3でセットスイッチ
3が操作されているかどうかを確認する。セットスイッ
チ3が操作されていればステップ4へ進み、操作されて
いなければステップ7へ進む。セットスイッチ4が操作
されている時は、ステップ4において、ステップ1で求
めた実車速Vspを目標車速Vsprに設定して記憶す
る。さらに、ステップ5で定速制御中フラグをセット
し、続くステップ6で遮断回路12によりアクチュエー
タ駆動回路11への電源の供給を行なう。一方、セット
スイッチ3が操作されていない時は、ステップ7で定速
制御中フラグがセットされているか、すなわち定速走行
制御中か否かを確認する。定速走行制御中の時は、ステ
ップ8〜11において実車速Vspが目標車速Vspr
に一致するようにスロットルアクチュエータ30の駆動
制御を行なう。定速走行制御中でない時はステップ13
へ進み、遮断回路12によりアクチュエータ駆動回路1
1への電源の供給を遮断して処理を終了する。
【0013】次に、定速走行時のスロットルアクチュエ
ータ30の駆動制御について説明する。まず、ステップ
8で、後述する目標駆動力演算ルーチンを実行して、実
車速Vspを目標車速Vsprに一致させるためのエン
ジンの最終目標駆動力y1を演算する。この演算につい
ては後述する。続くステップ9において、図4に示すよ
うに、最終目標駆動力y1に基づいてスロットル開度指
令値を演算する。まず、最終目標駆動力y1から等価排
気量1リッター当たりの目標エンジントルクTerを算
出する。
【数1】Ter=y1・Rt/(Gm・Gf・L) ここで、Lはリッター単位の等価排気量であり、種々の
エンジンの定常特性を正規化するための指標である。こ
の実施形態では、例えばツインカムエンジンであれば排
気量と同一とし、ターボチャージャー付エンジンであれ
ば2割り増とし、シングルカムエンジンであれば3割減
として換算したエンジン排気量とする。この等価排気量
Lでエンジントルクを除算して正規化したいろいろな種
類のエンジンの非線形定常特性マップを図5〜図8に示
す。これらの図から、エンジンの種類によらずほぼ同一
の特性になることがわかる。そこで、等価排気量により
正規化したエンジン非線形定常特性マップからエンジン
トルク指令値Terとエンジン回転速度Neとに対応す
るスロットル開度指令値を表引き演算する。
【0014】このように、個々のエンジンの等価排気量
により正規化された、エンジン回転速度をパラメータと
するエンジン非線形定常特性マップを用いて、エンジン
トルク指令値とエンジン回転速度とに対応するスロット
ル開度指令値を表引き演算するようにしたので、個々の
エンジンの非線形定常特性マップを用いなくても、正規
化したエンジン非線形定常特性マップと等価排気量とに
よりスロットル開度指令値を求めることができ、エンジ
ンの種類に応じてその都度、非線形定常特性マップを設
定する調整の煩雑さを解消できる。また、予め多くの種
類のエンジン非線形定常特性マップをメモリに記憶して
おく必要もない。なお、種々のエンジンの非線形定常特
性マップにおいて、低中開度域の傾きが同一でもトルク
飽和特性が大きくばらつく場合には、飽和特性の異なる
数種のエンジンの正規化エンジン非線形定常特性マップ
を用意すればよい。
【0015】ステップ10では、PID制御手法により
スロットル開度偏差(目標開度−実開度)に基づいて、
負圧ポンプモータ31a、ベントバルブソレノイド32
aおよびセーフティバルブソレノイド33aの駆動信号
のPWMデューティー比を演算する。そして、続くステ
ップ11で、算出したデューティーのPWM駆動信号を
信号線44を介して出力し、負圧ポンプモータ31a、
ベントバルブソレノイド32aおよびセーフティバルブ
ソレノイド33aを駆動する。
【0016】次に、図9により目標駆動力の演算処理を
説明する。目標駆動力の演算は、図10に示すように、
線形制御手法であるモデルマッチング手法と近似ゼロイ
ング手法による車速フィードバック補償器を用いて行な
う。まず、車速フィードバック補償器に組み込む制御対
象の車両モデルについて説明する。目標駆動力を操作量
とし車速を制御量として車両をモデル化するため、相対
的に応答性の速いエンジンやトルクコンバータの過渡特
性、およびトルクコンバータの非線形定常特性を省略す
ることができ、車両のパワートレインの挙動は図11に
示す簡易非線形モデルで表わすことができる。そして、
例えば図12に示すような、予め計測されたエンジン非
線形補償マップを用いて目標駆動力に実駆動力が一致す
るようなスロットル開度指令値を算出し、スロットル開
度をサーボコントロールすることにより、エンジン非線
形定常特性を線形化する。したがって、目標駆動力を入
力とし車速を出力とする車両モデルは積分特性となり、
補償器ではこの車両モデルの伝達特性をパルス伝達特性
P(z-1)とおくことができる。
【0017】図10において、zは遅延演算子であり、
-1を乗ずると1サンプル周期前の値となる。また、C
1(z-1)、C2(z-1)は近似ゼロイング手法による
外乱推定器であり、外乱やモデル化誤差による影響を抑
制する。さらに、C3(z-1)はモデルマッチング手法
による補償器であり、図13に示すように、目標車速V
sprを入力とし実車速Vspを出力とした場合の制御
対象の応答特性を、予め定めた一次遅れとむだ時間要素
を持つ規範モデルH(z-1)の特性に一致させる。
【0018】制御対象の伝達特性は、パワートレインの
遅れであるむだ時間を考慮する必要がある。このむだ時
間は200msec程度であり、この実施形態の2サン
プル周期に相当する。したがって、パルス伝達関数P
(z-1)は、次式に示す積分要素P1(z-1)とむだ時
間要素P2(z-1)(=z-2)の積で表わすことができ
る。
【数2】 ここで、Tはサンプル周期(この実施形態では100m
sec)、Mは平均車重である。また、この時、補償器
C1(z-1)は次式で表わされる。
【数3】 すなわち、補償器C1(z-1)は時定数Tbのローパス
フィルタである。さらに、補償器C2(z-1)はC1/
P1として次式で表わされる。
【数4】 なお、補償器C2は、車両モデルの逆系にローパスフィ
ルタをかけたものであり、実車速Vspから得られた外
乱(走行抵抗)の影響を受けた駆動力、すなわち図11
に示すように駆動力から走行抵抗を差し引いた駆動力を
逆算することができる。また、制御対象のむだ時間を無
視して、規範モデルH(z-1)を時定数Taの1次ロー
パスフィルタとすると、補償器C3は次のような定数と
なる。
【数5】
【0019】実際の最終目標駆動力y1は、図9に示す
手順にしたがって演算する。ステップ41において、図
10のモデルマッチング補償器C3(z-1)に相当する
部分の演算を行ない、実車速Vspから目標車速Vsp
rまで加速するための目標駆動力y4を求める。データ
y(k−1)は1サンプル周期前のデータy(k)を表
わすものとすると、
【数6】 y4(k)=K・(Vspr(k)−Vsp(k)) 続くステップ42で、図10に示す外乱推定器の一部の
ロバスト補償器C2(z- 1)に相当する部分の演算を行
ない、実車速Vspに基づいて外乱(走行抵抗など)の
影響を受けた駆動力y3を逆算する。
【数7】
【0020】ステップ43では、目標駆動力y4を走行
抵抗推定値Frで補正して最終目標駆動力y1を求め
る。
【数8】 y1(k)=y4(k)−(y3(k)−y2(k−2)) =y4(k)+(y2(k−2)−y3(k)), Fr=y2(k−2)−y3(k) ここで、y2(k−2)は後述するステップ45で演算
される駆動力y2(k)の2サンプル周期前の値であ
り、ステップ45における演算は上述した積分要素P1
(z-1)の演算に相当し、その2サンプル周期前の値を
用いることはむだ時間要素P2(z-1)の演算に相当す
る。y3(k)は実車速Vspから求めた走行抵抗の影
響を受けた駆動力であり、駆動力y2(k−2)は補償
器内で求めた走行抵抗の影響を受けない駆動力であるか
ら、両者の差が走行抵抗推定値Frとなる。このよう
に、近似ゼロイング手法で構成された外乱推定器は、制
御対象モデルの出力と実際の制御対象の出力との差に基
づいて走行抵抗などの外乱を正確に推定することができ
る。
【0021】ステップ44では、図14に示すサブルー
チンを実行して最終目標駆動力y1を上下限値以内に制
限する。図14のステップ51において、スロットル全
開時のエンジントルクをエンジン回転速度ごとに測定し
たデータテーブルを用いて、現在のエンジン回転速度N
eに対応する最大エンジントルクTemaxを求める。
次に、最大エンジントルクTemaxから次式により最
大駆動力Fmaxを求める。
【数9】Fmax=Temax・Gm・Gf/Rt, ここで、Gmはトランスミッションのギア比、Gfはフ
ァイナルギア比、Rtはタイヤの有効半径である。ステ
ップ52で最終目標駆動力y1が最大駆動力Fmax以
上か否かを判別し、y1≧Fmaxの場合はステップ5
3へ進み、外乱推定器へ入力される目標駆動力y5に最
大駆動力Fmaxを設定してリターンする。
【0022】一方、最終目標駆動力y1が最大駆動力F
maxよりも小さい場合にはステップ54へ進み、スロ
ットルセンサ9により検出した実スロットル開度が0度
かどうか、すなわちスロットルが全閉状態にあるかどう
かを確認する。スロットルが全閉状態にあればステップ
57へ進み、タイマをスタートする。このタイマには、
パワートレインの応答遅れ時間、例えば200mSを設
定する。次に、ステップ58でタイマがタイムアップし
たかどうか、すなわちスロットル全閉状態が所定時間継
続されたかどうかを確認する。スロットルが全閉状態に
なって、その状態が所定時間、例えば車両の応答遅れ時
間だけ継続された時は、最終目標駆動力y1が車両の最
大エンジンブレーキ力を表わしていると判断して、最終
目標駆動力y1を駆動力下限値Fminに設定する。一
方、スロットル開度が全閉状態になってから所定時間が
経過していない時は、車両がまだ最大エンジンブレーキ
力を発生していないと判断してステップ59をスキップ
する。
【0023】スロットルが全閉でない時は、ステップ5
5へ進み、タイマをリセットする。続くステップ56に
おいて、スロットルが全閉状態にないので車両が最大エ
ンジンブレーキ力を発生していないと判断し、駆動力下
限値Fminをリセットする。ステップ60において、
最終目標駆動力y1がステップ56またはステップ59
で設定された最小駆動力Fmin以下か否かを判別し、
y1≦Fminであればステップ61へ進み、外乱推定
器へ入力される目標駆動力y5を最小駆動力Fminに
制限する。なお、最終目標駆動力y1が最小駆動力Fm
inよりも大きく、且つ最大駆動力Fmaxよりも小さ
い場合には、最終目標駆動力y1を外乱推定器へ入力さ
れる目標駆動力y5に設定する。
【0024】このように、最終目標駆動力をその上限値
以内に制限することにより、定速走行制御中に急な上り
坂になって車両の最大駆動力でも駆動力が不足し、実車
速が目標車速から低下するような場合でも、外乱推定器
に入力される最終目標駆動力が実際の最大駆動力を越え
ないように制限され、実際に得られないような大きな目
標駆動力にならないので、外乱推定器内部に誤差が蓄積
されない。したがって、平坦路に戻った後でも、外乱推
定器が速やかに機能して実車速がオーバーシュートする
ようなことがない。
【0025】図15および図16は、従来装置による降
坂時の実車速、実スロットル開度、走行抵抗推定値を示
す図であり、図15は設定された駆動力下限値よりも実
際のエンジンブレーキ力が小さい場合を示し、図16は
設定された駆動力下限値よりも実際のエンジンブレーキ
力が大きい場合を示す。図15に示すように、従来装置
では駆動力下限値よりも実際のエンジンブレーキ力が小
さいと、降坂路から平坦路に戻ってから外乱推定器に溜
まった誤差によりスロットル開度の制御遅れが発生し、
実車速にアンダーシュートが生じていた。また、図16
に示すように、駆動力下限値よりも実際のエンジンブレ
ーキ力が大きいと、スロットルが全閉にならず、降坂路
から平坦路に戻ってからの目標車速への収束が遅くなっ
ていた。
【0026】図17は、本実施形態による降坂路の実写
速、実スロットル開度、走行抵抗推定値を示す図であ
る。本実施形態では、スロットルの全閉状態が所定時
間、例えばパワートレインの遅れ時間だけ継続された場
合には、その時の最終目標駆動力を駆動力下限値として
設定し、走行抵抗を推定する外乱推定器への入力目標駆
動力を制限するようにしたので、実際の車両の最大エン
ジンブレーキ力を正確に測定して駆動力下限値に設定で
き、その下限値で外乱推定器への入力を制限することに
より外乱推定器内部に誤差が蓄積されることがなく、走
行抵抗を正確に推定することができる。したがって、降
坂路から平坦路へ戻った後でも外乱推定器が速やかに機
能して実車速のアンダーシュートを防止でき、目標車速
へ速やかに収束させることができる。また、スロットル
の全閉状態が所定時間検出されるたびに最終目標駆動力
を下限値に設定するので、スロットル全閉時のエンジン
トルクをエンジン回転速度ごとに測定したデータテーブ
ルを予め記憶しておいて、その都度駆動力下限値を演算
する必要がない。
【0027】最後に、図9のステップ45へ戻り、外乱
推定器の一部であるローパスフィルタとしての補償器C
1(z-1)に相当する部分の演算を行なう。
【数10】y2(k)=γ・y2(k−1)+(1−
γ)・y5(k−1) 以上で、図10に示す車速フィードバック補償器の演算
を終了する。
【0028】以上の一実施形態の構成において、車速セ
ンサ8およびマイクロコンピュータ10が車速検出手段
を、マイクロコンピュータ10が目標駆動力演算手段、
最終目標駆動力演算手段、最終目標駆動力修正手段およ
び走行抵抗推定手段を、マイクロコンピュータ10およ
び駆動回路11がスロットル駆動制御手段を、スロット
ルセンサ9がスロットル全閉検出手段をそれぞれ構成す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の構成を示す図である。
【図2】 スロットルアクチュエータを示す図である。
【図3】 車速制御プログラムを示すフローチャートで
ある。
【図4】 正規化エンジン定常特性マップを用いた目標
スロットル開度の演算方法を説明する図である。
【図5】 エンジンAの正規化エンジン非線形定常特性
マップである。
【図6】 エンジンBの正規化エンジン非線形定常特性
マップである。
【図7】 エンジンCの正規化エンジン非線形定常特性
マップである。
【図8】 エンジンDの正規化エンジン非線形定常特性
マップである。
【図9】 目標駆動力演算ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図10】 車速フィードバック制御を示すブロック図
である。
【図11】 車両のパワートレインの簡易非線形モデル
である。
【図12】 エンジンの非線形定常特性マップで、スロ
ットル開度とエンジントルクの関係を示す。
【図13】 規範モデルを示す図である。
【図14】 目標駆動力の上下限値制限処理を示すフロ
ーチャートである。
【図15】 従来装置における、設定された駆動力下限
値よりも実際のエンジンブレーキ力が小さい場合の降坂
路の実車速、実スロットル開度および走行抵抗を示す図
である。
【図16】 従来装置における、設定された駆動力下限
値よりも実際のエンジンブレーキ力が大きい場合の降坂
路の実車速、実スロットル開度および走行抵抗を示す図
である。
【図17】 本実施形態による降坂路の実車速、実スロ
ットル開度および走行抵抗を示す図である。
【符号の説明】
1 車速制御用コントロールユニット 2 メインスイッチ 3 セットスイッチ 4 アクセラレートスイッチ 5 コーストスイッチ 6 キャンセルスイッチ 7 ブレーキスイッチ 8 車速センサ 9 スロットルセンサ 10 マイクロコンピュータ 11 スロットルアクチュエータ駆動回路 12 フェイルセーフ用遮断回路 13 エンジン回転数センサ 20 自動変速機コントロールユニット 30 負圧式スロットルアクチュエータ 30a 負圧室 30b ダイアフラム 30c アクセルワイヤ 30d スロットルバルブ 31 負圧ポンプ 31a モータ 31b ダイアフラム 32 ベントバルブ 32a ソレノイド 33 セーフティバルブ 33a ソレノイド 41〜44 信号線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−319136(JP,A) 特開 平5−246271(JP,A) 特開 平2−34436(JP,A) 特開 平2−34438(JP,A) 特開 平5−149181(JP,A) 特開 平2−256853(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 F02D 29/02 301 F02D 41/04 310

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の実際の速度(以下、実車速と呼
    ぶ)を検出する車速検出手段と、 前記実車速を目標車速に一致させるための目標駆動力を
    演算する目標駆動力演算手段と、 後記外乱推定手段で推定される走行抵抗により前記目標
    駆動力を補正して最終目標駆動力を演算する最終目標駆
    動力演算手段と、 前記最終目標駆動力を上限値および下限値以内に制限し
    て修正最終目標駆動力を求める最終目標駆動力修正手段
    と、 前記修正最終目標駆動力と前記実車速とに基づいて走行
    抵抗を推定する走行抵抗推定手段と、 前記最終目標駆動力にしたがってスロットルアクチュエ
    ータを駆動制御するスロットル駆動制御手段とを備えた
    車速制御装置であって、 スロットルの全閉状態を検出するスロットル全閉検出手
    段を備え、 前記最終目標駆動力修正手段は、エンジン回転速度ごと
    に測定したスロットル全開時のエンジントルクに基づい
    て前記上限値を設定するとともに、前記スロットル全閉
    検出手段でスロットルの全閉状態が所定時間検出された
    時に前記最終目標駆動力演算手段により演算された最終
    目標駆動力を前記下限値に設定することを特徴とする車
    速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車速制御装置におい
    て、 前記所定時間を車両の応答遅れ時間とすることを特徴と
    する車速制御装置。
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