JP4580861B2 - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は特にマグネシウムを構成要素として含む水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池に関する。
負極に水素吸蔵合金を用いる方式のニッケル水素二次電池では、従来、CaCu5型構造を有するLaNi5系合金、またはTi,Zr,V,Niを構成要素として含み、ラーベス相を主相とする合金を負極に用いるものが実用化されている。LaNi5系合金を使用した電池は現在生産されているニッケル水素二次電池の大部分を占め、汎用性の高い電池となっているが、合金の水素吸蔵量は金属元素1に対して水素原子1の割合であるとされており、この合金系でこれ以上の水素を吸蔵させることは極めて困難である。この水素吸蔵量を電気化学的な容量に換算すると約370mAh/gに相当するが、現行の実用電池で使用される合金は既に330mAh/g程度の容量を示しており、今後さらに電池を高容量密度化しようとする際には、この合金系を用いる限り飛躍的な増大は望めないと考えられる。
一方、ラーベス相系の合金では、金属元素1に対して水素原子1以上の吸蔵が可能であることが知られており、原理的には高容量密度化が可能であるが、合金表面に安定酸化皮膜が生じて十分な利用ができなかったり、初期の活性化に時間がかかったり、高率での充放電特性が不十分であったりして、高容量密度と他の要求される電池特性との両立が困難なため、高い汎用性をもつには至っていない。
これに対して、新たに見出されたマグネシウム、ニッケル、および希土類を主要構成元素とする水素吸蔵合金は、LaNi5系合金よりも体積当たりの容量密度及び重量当たりの容量密度の双方が高く、ラーベス系合金よりも活性化が速く、かつ高率充放電特性に優れるという特徴を有している。このため、従来のLaNi5系合金を用いたニッケル水素電池よりも高容量であり、しかもラーベス相合金を用いる電池よりも高率充放電特性に優れる二次電池を実現することが可能となる。
しかしながら、前述したNi、Mg及び希土類元素を含む水素吸蔵合金は、水素吸蔵に伴う体積増加が従来の合金と比較して大きく、充放電中の水素吸蔵合金電極の膨張収縮が顕著であるという問題があった。この電極の膨張収縮によって、電池中の電解液の分布が変化するため、充放電サイクル初期の自己放電が大きくなるという問題があった。
本発明は、マグネシウムを構成元素として含む水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池において、容器の材料である板材の機械的特性を制御することにより、負極の膨張収縮による体積変化分を容器の弾性変形域で吸収できるようにし、電池内部の電極群のバランスを維持することで充放電サイクルの比較的早い時期から内部短絡や内圧上昇および膨れ等を引き起こすという問題点を改善することを目的としている。
本発明に係わるニッケル水素二次電池は、引張り強さが25kgf/mm2〜40kgf/mm2、降伏点が10kgf/mm2〜30kgf/mm2、弾性率が20000kgf/mm2〜26000kgf/mm2、かつ炭素;0.13%以下、マンガン;0.5%以下、リン;0.05%以下、硫黄;0.05%以下の鋼板にニッケルメッキが施されたものからなる容器と、
前記容器内に収納され、一般式(R1-xMgx)Niyz(但し、Rはイットリウムを含む希土類元素か、前記希土類元素とCa、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素とからなり、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表わされる水素吸蔵合金を含む負極と
を具備することを特徴とするものである。
また、本発明によれば、水素を放出し難いという問題点を改善し、高容量化、低価格化および軽量化を同時に達成したAサイトをAB5組成よりも多量に含む水素吸蔵合金を含む負極を備え、充放電サイクル中の不良発生率が大幅に低減されたニッケル水素二次電池を提供することができる。
以下、本発明に係わる第1のニッケル水素二次電池の一例(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参照して説明する。図1に示すように有底円筒状の容器1内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
次に、前記正極2、負極4、セパレータ3および電解液について説明する。
1)正極2
この正極2は、水酸化ニッケルを含む。
前記正極2は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉末に導電性材料を添加し、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に塗着または充填、乾燥した後、加圧成形することにより作製される。
本発明に用いる水酸化ニッケルは通常に充放電できるものであれば特に限定されるものではないが、電池特性の観点から、CoやZnなどの遷移金属元素を共沈添加しているものがより望ましい。
前記導電性材料としては、例えばコバルト酸化物、コバルト水酸化物などを挙げることができる。
前記結着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
前記導電性基板としては、例えばニッケル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形成された網状基板、スポンジ状基板、繊維状基板、もしくは金属多孔体などを挙げることができる。
2)負極4
この負極4は、一般式(R1-xMgx)Niyz(但し、Rはイットリウムを含む希土類元素,Ca、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表わされる水素吸蔵合金と、前記水素吸蔵合金が担持された導電性基板とを含む。
前記負極4は、例えば、前記水素吸蔵合金の粉末に導電材を添加し、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、加圧成形することにより製造される。
前記水素吸蔵合金に含まれるRとしては、イットリウムを含む希土類元素が好ましい。このようにRとして希土類元素を用いた場合には、水素吸蔵電極の低コスト化を考慮して、La,Ce,Pr,NdおよびYから選ばれた少なくとも1種の希土類元素を使用することが好ましい。この例としては、CeがリッチなMm、LaがリッチなLmのような希土類混合物のミッシュメタルを挙げることができる。
また、Rとして希土類元素とCa、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素とを用いてもよい。この場合、後者の元素は前者の希土類元素に対して0.3原子%以下の量で置換することが好ましい。
前記水素吸蔵合金において、MgのRに対する置換量であるxを前記範囲することによって、水素を放出し難いという問題点を改善し、大きな放電容量を実現することが可能になる。特に、前記置換量xは0.1≦x≦0.6にすることが好ましい。前記置換量xを0.1未満にすると、水素を放出し難いとう問題点を改善できなくなる恐れがあり、放電容量が大きな二次電池を得ることが困難になる恐れがある。一方、前記置換量xが0.6を越えると可逆的な水素の吸蔵・放出量が低下して放電容量が大きな二次電池を得ることが困難になる恐れがある。さらにこの好ましい前記置換量xは、0.15≦x≦0.45である。
前記水素吸蔵合金において、Aの量(z)を前記範囲にすることによって、合金の水素吸蔵・放出速度等の水素吸蔵・放出特性を向上することができると共に、ニッケル水素二次電池のサイクル特性を飛躍的に改善することができる。Aの量(z)が1.5を越えると、放電容量が低下する。前記Aの量(z)のより好ましい範囲は、0.1≦z≦1.0である。特に、AとしてはCo、Mnが好ましい。このようなA元素を含む水素吸蔵合金を含む負極を備えたアルカリ二次電池はサイクル特性が向上され、特にCoを用いた場合には放電容量も向上される。
前記水素吸蔵合金中のNiおよびAの含有量(y+z)が2.5以上の範囲で水素吸蔵合金の水素吸蔵・放出速度等の水素吸蔵・放出特性が著しく向上され、大きな放電容量を得ることができ、しかもサイクル特性が改善される。しかしながら、(y+z)が4.5以上にすると、合金の水素サイトが減少して水素吸蔵量が低減し、放電容量が低下する。より好ましい(y+z)は、3.0≦(y+z)≦3.8である。
前記結着剤としては、前記正極2で用いたのと同様なものを挙げることができる。前記導電材とししては、例えばカーボンブラック等を挙げることができる。
前記導電性基板としては、パンチドメタル、エキスパンドメタル、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属板などの三次元基板を挙げることができる。
前記負極の前記導電性基板を除いて求めた密度(合金密度)は、充放電サイクル初期の自己放電を抑制する観点から、5.1g/cc以上、かつ5.8g/cc以下にする。前記密度(合金密度)が自己放電特性の改善に寄与するのは、前記密度がセパレータの圧縮具合と電解液の分布に大きな影響を及ぼすためと推察される。
3)セパレータ3
このセパレータ3は、充分な親水性と通気性を持つ絶縁体であれば特にその材料や形態に限定されないが、ニッケル水素二次電池の諸特性の向上という観点から、ポリオレフィン系合成樹脂繊維を含むシート状物から形成されることが好ましい。
前記ポリオレフィン系合成樹脂繊維としては、1種類のポリオリフィンからなる繊維、ポリオレフィン繊維からなる芯材表面に前記ポリオレフィン繊維とは異なるポリオレフィン繊維が被覆された芯鞘構造の複合繊維、互いに異なるポリオレフィン繊維同士が円形に接合された分割構造の複合繊維などを挙げることができる。前記ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
前記ポリオレフィン系合成樹脂繊維を含むシート状物としては、例えば前述したポリオレフィン系合成樹脂繊維からなる不織布、同繊維からなる織布もしくはこれら不織布および織布で複合化された複合シートを挙げることができる。前記不織布は、例えば乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などによって作製される。前記セパレータの平均繊維径は、機械的強度、正負極間のショート防止の観点から、1〜20μmであることが望ましい。
前記セパレータ3には、親水性を発現させるために、前記シート状物に含まれるポリオレフィン系合成樹脂繊維の表面を親水基を持つ共重合体(例えば、エチレンビニルアルコール共重合体など)で被覆するか、あるいは前記シート状物に親水基を持つビニルモノマーをグラフト共重合することが好ましい。ここで、親水基を有するビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、前記アクリル酸やメタクリル酸のエステル類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、スチレンスルホン酸、スチレンなど直接に酸または塩基と反応して塩を形成し得る官能基を有するもの、もしくはグラフト共重合させたのちに加水分解して塩を形成し得る官能基を有するものなどを挙げることができる。前記ビニルモノマーの中でも、アクリル酸が好適である。
4)アルカリ電解液
このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液、KOHと水酸化ナトリウム(NaOH)混合液、KOHと水酸化リチウム(LiOH)の混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液などを用いることができる。特に、KOH水溶液にNaOH水溶液やLiOH水溶液を混合した電解液を用いることが好ましい。この電解液において、KOHの濃度は2.0〜9.0Nが望ましく、さらに望ましくは3.0〜8.5Nである。NaOHの濃度としては1.0〜6.0Nが望ましく、さらに望ましくは2.0〜5.0Nの範囲である。また、LiOHの濃度としては0.3〜2.0Nが望ましく、さらに望ましくは0.5〜1.5Nの範囲である。
前記正極、負極及びセパレータからなる電極群の緊縛度は、前記電極群の積層方向の厚さを前記積層方向に沿う容器内寸法で徐し、これを100分率で表すことによって得られる。前記電極群の緊縛度は、充放電サイクル初期における自己放電特性を改善する観点から、98%以上、かつ110%以下にする。
前記緊縛度は、例えば円筒形ニッケル水素二次電池の場合、以下のようにして算出される。まず、前記二次電池の電極群の積層方向の厚さ(直径)の算出方法を図2を例にして説明する。前記電極群の最大直径、つまり、正極2の巻き終わり端部及びこの端部と重なる負極4を横切る直径を、正極2、負極4及びセパレータ3それぞれの厚さをこの直径を構成するのに必要な捲回数相当分積算した値と巻き芯14の直径の和から求め、得られた値を求める電極群の直径とする。前記電極群の直径をR1(mm)とし、前記電極群が収納される有底円筒形容器の内径をR2(mm)とした際、緊縛度X(%)は、下記(1)式から算出される。
X(%)=(R1/R2)×100 (1)
なお、前述した図1では正極2と負極4の間にセパレータ3を介在し渦巻き状に捲回し、有底円筒状の容器1内に収納したが、正極と負極との間にセパレータを介在させ、これを複数枚積層した積層物を有底矩形筒状の容器に収納して角形ニッケル水素二次電池を構成しても良い。この場合、緊縛度Xは、電極が膨張収縮する方向(積層方向)の正極、セパレータ及び負極の厚さを全て足しあわせて電極群の積層方向に沿う厚さT1(mm)とし、前記電極群の積層方向に沿う容器内側幅をT2(mm)とすると、下記(2)式から算出される。
X(%)=(T1/T2)×100 (2)
以上詳述したように本発明によれば、前記組成式で示される水素吸蔵合金を含む負極の導電性基板を除いて求めた密度(合金密度)及び前記緊縛度を特定の範囲にすることによって、前記組成式で示される水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池の充放電サイクル初期における自己放電を抑えることができる。この理由は、以下のように推察される。
ニッケル水素二次電池は、貯蔵中、負極に含まれる水素吸蔵合金の平衡圧に相当する水素分圧が容器内に存在する。この現象は、水素吸蔵合金においては、必然的に起こるものであり、ニッケル水素二次電池に特有の避けられない現象である。密閉型電池においては、この水素が正極に達することで正極の充電生成物(例えばオキシ水酸化ニッケル)が還元され、自己放電反応が進行する。この自己放電反応は、一般に、貯蔵する雰囲気温度が高いほど促進される。この自己放電を抑制するためには、充電された正極とガス状の水素の反応の機会を減らすことが有効である。この接触機会低減の一手法として、セパレータの親水性を高めることにより電解液保持量を増加させ、前記セパレータ中の空隙を埋めると共に、正極表面の濡れ性を高め、それにより水素ガスの拡散を抑制する方法がある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、前記組成式で示される水素吸蔵合金は、これまで知られている合金よりも充放電にともなう体積変化が大きく、このために充放電サイクルの初期における自己放電反応の進行度が変わりやすいことを究明し、負極の合金密度と電極群の構成を最適化するによって自己放電反応を抑制できることを見出した。つまり、前記組成式で示される水素吸蔵合金を含む負極の充放電にともなう体積変化を負極および電極群設計時に勘案し、前記体積変化を所望の値に制御することによって、充放電サイクル初期の自己放電を抑制できることがわかった。
すなわち、二次電池の充電にともなって負極が膨張するとセパレータが圧縮される。このセパレータの圧縮により、セパレータ中の空隙と電解液量が変化し、自己放電反応の進み具合が変わる。負極の膨張収縮の程度は、使用する水素吸蔵合金の体積変化率に大きく左右され、この体積変化率は合金の種類によって異なる。換言すれば、水素吸蔵合金の組成、負極の合金密度および電極群の緊縛度は相互に密接に関係している。したがって、前記組成式で示される水素吸蔵合金を含む負極を備えたニッケル水素二次電池において、前記負極の導電性基板を除いて求めた密度を5.1g/cc〜5.8g/ccの範囲にし、かつ前記電極群の緊縛度を98%〜110%の範囲にすることによって、自己放電を抑制することができる。
つまり、前記負極の導電性基板を除いた密度を5.1g/ccより小さくすると、セパレータの圧縮が不十分であるため、セパレータ中の空隙が減少しにくい。このため、水素ガスの拡散を抑制できず、自己放電が進行する。一方、前記密度が5.8g/ccを超えると、充電にともなう膨張によりセパレータ中の空隙が減少するものの、合金の膨張によって、負極中の合金間の隙間が大きくなり、この隙間にセパレータ中の電解液が移動する。その結果、セパレータの電解液保持量が減少し、前記セパレータ中の空隙を電解液で埋めることができなくなるので、自己放電の進行度合いが大きくなる。
また、前記緊縛度が98%を下回ると、充電に伴う負極の膨張によるセパレータの圧縮が不十分となるため、セパレータ中の空隙が大きくなる。このため、水素ガスの拡散を抑制できず、自己放電の進行が大きくなる。一方、前記緊縛度が110%を越えると、セパレータが強く圧縮され、セパレータの空隙が低下するものの、セパレータ中の電解液量が減少するため、自己放電の進行度合いが大きくなる。
なお、前記緊縛度は、100%を越える値であるが、実際に容器内へ挿入する際にセパレータが圧縮されるため、電極群の容器への挿入は十分可能である。以下、本発明に係る第2のニッケル水素二次電池について説明する。
このニッケル水素二次電池は、引張り強さが25kgf/mm2〜40kgf/mm2、降伏点が10kgf/mm2〜30kgf/mm2、弾性率が20000kgf/mm2〜26000kgf/mm2である板材から形成された容器と、前記容器内に収納される正極と、前記容器内に収納され、一般式(R1-xMgx)Niyz(ただし、Rはイットリウムを含む希土類元素、Ca、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表わされる水素吸蔵合金を含む負極と、前記正極及び前記負極の間に介在されたセパレータと、前記容器内に収容されたアルカリ電解液とを具備する。
本発明に係る二次電池は、例えば前述した図1に示すような円筒形ニッケル水素二次電池に適用することができる。また、正極と負極との間にセパレータを介在させ、これを複数枚積層した積層物を有底矩形筒状の容器に収納し、角形ニッケル水素二次電池を構成しても良い。
前記正極、前記セパレータ及び前記電解液としては、前述した第1のアルカリ二次電池で説明したのと同様なものを用いることができる。まず、前記負極について説明する。
前記負極は、例えば、前記水素吸蔵合金の粉末に導電材を添加し、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、加圧成形することにより製造される。
前記結着剤、前記導電材及び前記導電性基板としては、前述した第1の二次電池で説明したのと同様なものを挙げることができる。次いで、前記容器について説明する。
前記容器は、例えば、引張り強さが25kgf/mm2〜40kgf/mm2、降伏点が10kgf/mm2〜30kgf/mm2、弾性率が20000kgf/mm2〜26000kgf/mm2である板材(例えば、鋼板のような金属板)を冷間加工(深絞り加工)して有底円筒状もしくは有底矩形筒状に成形し、これにニッケルメッキを施すことにより作製される。ニッケルメッキは、前記容器の耐アルカリ性を高める目的で行われ、容器の機械的・電気的特性の低下を引き起こさなければ、その方法は問わない。例えば、前記板材を所望の形状に成形後、電気メッキを施す方法や、前記板材を所望の形状に成形後、メッキを施し、さらに融点以下の温度で熱処理を行なうことによりメッキ強度を高める方法などが挙げられる。
前記引張り強さ、降伏点及び弾性率を有する板材として鋼板を使用する場合、この鋼板の化学成分は、炭素;0.13%以下、マンガン;0.5%以下、リン;0.05%以下、硫黄;0.05%以下であることが好ましい。前記鋼板の化学成分を前述したように規定することによって、深絞り加工に適した特性を得ることができると共に、得られた容器の機械的特性を適正範囲にすることができる。一方、前記鋼板の化学成分が前記範囲を越えると、鋼板の強度が増加するなどに起因して深絞り加工が難しくなる恐れがあったり、得られた容器に多量の歪みなどが残存して前記容器の機械的特性が低下する場合がある。なお、鋼板の強度や硬度が大きい場合、深絞り加工中に熱処理を行ない加工性を上げるこが可能であるが、この熱処理は生産コスト増加の要因となる。
前記板材の機械的特性の測定は、JIS Z 2241に記載の方法によって行われる(弾性率は、JIS Z 2241記載の方法から得られるデータに基づいて算出される)。なお、使用する試験片は、JIS Z 2201に記載のもの(例えば、5号試験片)を使用する。
以下、前記板材の機械的特性を前述したように規定する理由について説明する。
(1)引っ張り強さ前記引っ張り強さを25kgf/mm2未満にすると、容器の強度が不十分になり、そのうえ負極の体積膨張による応力によって膨れ等の塑性変形を生じる。一方、前記引っ張り強さが40kgf/mm2を越えると、深絞り加工がし難くなり、無理に加工すると亀裂や多量の歪みが発生する。前記引っ張り強度のより好ましい範囲は、27〜37kgf/mm2である。なお、このような板材から得られた容器の引っ張り強度は、65kgf/mm2〜80kgf/mm2の範囲が好ましい。
(2)降伏点前記降伏点を10kgf/mm2未満にすると、容器の強度が不十分になり、そのうえ負極の体積膨張による応力によって膨れ等の塑性変形を生じる。一方、前記降伏点が30kgf/mm2を越えると、深絞り加工がし難くなり、無理に加工すると亀裂や多量の歪みが発生する。前記降伏点のより好ましい範囲は、15〜25kgf/mm2である。
(3)弾性率弾性率の増加に伴って、弾性変形域内で変化を生じさせる際により大きな応力が必要となる。前記弾性率が26000kgf/mm2を越えると、充放電時の負極の体積膨張に起因する応力に対する容器の弾性変形量が小さくなり、内部短絡が発生しやすくなる。前記弾性率の下限値(20000kgf/mm2)は、前記化学組成を有する鋼板で得られるほぼ最低値である。前記弾性率のより好ましい範囲は、21000〜25000kgf/mm2である。
以上詳述したように本発明に係る第2のニッケル水素二次電池によれば、前述した組成式(R1-xMgx)Niyzで表される水素吸蔵合金を含む負極の充放電の際の膨脹収縮に伴って生じる体積変化を、容器が弾性変形することによって吸収することができる。その結果、前記負極が膨脹した際に前記負極を含む電極群が前記容器で圧迫されるのを抑えることができるため、前記電極群中の空間バランスを所望の範囲に維持することができ、充放電サイクルの比較的早い時期から内部短絡や内圧上昇などが生じるのを防止することができる。
[実施例]
以下に本発明の好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
参考例1〜16)
<ペースト式負極の作製>
水素吸蔵合金は誘導溶解炉を用いて調製し、ランタン、マグネシウム、ニッケル、コバルトをモル比で0.7:0.3:2.5:0.5の割合で含有するものを得た。この合金を熱処理して均一化を行ない、不活性雰囲気中にて粉砕し、篩い分けにより400メッシュ〜200メッシュの間に残る合金粉末を選別した。得られた合金粉末の組成式は、La0.7Mg0.3Ni2.5Co0.5であった。この合金粉末100重量部に対して、25重量部の4%ポリビニルアルコール水溶液を添加してペースト状とし、導電性基板としての発泡ニッケル基板に充填したのち、加圧成形することによってペースト式負極を作製した。このとき、充填するペーストの量を変化させることによって、前記導電性基板を除いて求めた密度を5.1,5.3,5.5,5.8g/ccと変化させた負極を作製した。また、緊縛度の異なる電極群を作製するために、負極の厚さを変えたものも作製した。
<ペースト式正極の作製>
水酸化ニッケル粉末90重量部、および酸化コバルト10重量部からなる混合粉体に、カルボキシメチルセルロース0.15重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.15重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分60wt%)を固形分換算で0.5重量部添加し、これらに純水45重量部添加して混練することによりペーストを調製した。続いて、このペーストをニッケルメッキ繊維基板内へ充填した後、乾燥し、ローラープレスを用いて圧延することによりペースト式ニッケル正極を作製した。
<セパレータの作製>
前記セパレータは、ポリプロピレン樹脂をスパンボンド法を用いて、ポリプロピレン合成樹脂繊維製不織布を作製した。ひきつづき、前記不織布をアクリル酸水溶液に浸漬した後、紫外線を照射してアクリル酸モノマーをグラフト共重合させた。ついで、これらの不織布を洗浄して未反応のアクリル酸を除去した後、乾燥することにより、セパレータを作製した。
導電性基板を除いて求めた密度が5.1g/ccの負極と前記正極との間に前記セパレータを介して、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このとき、前記負極の厚さを変化させることによって、緊縛度を98,100,105,110%と異ならせ、4種類の電極群を作製した。また、導電性基板を除いて求めた密度が5.3g/cc,5.5g/cc,5.8g/ccの負極それぞれについて、緊縛度が異なる4種類の電極群を同様な方法によって作製した。各電極群と3.5NのKOH、4NのNaOH、1NのLiOHからなる電解液を有底円筒収容容器に収納して前述した図1に示す構造を有する4/3Aサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を組み立て、参考例1〜16とした。なお、電極群の緊縛度は、前述した(1)式から算出した。
(比較例1〜4)
参考例と同様な水素吸蔵合金を用い、導電性基板を除いて求めた負極密度を5.0g/ccとした以外は、参考例と同様な構成のニッケル水素二次電池を、緊縛度98,100,105,110%と変え、比較例1〜4とした。
(比較例5〜8)
参考例と同様な水素吸蔵合金を用い、導電性基板を除いて求めた負極密度を5.1,5.3,5.5,5.8g/ccとした以外は、参考例と同様な構成のニッケル水素二次電池を、緊縛度95%とし、比較例5〜8とした。
(比較例9〜12)
参考例と同様な水素吸蔵合金を用い、導電性基板を除いて求めた負極密度を5.1,5.3,5.5,5.8g/ccとした以外は、参考例と同様な構成のニッケル水素二次電池を、緊縛度112%とし、比較例5〜8とした。
(比較例13〜16)
組成がMm1.0Ni4.0Co0.4Mn0.3Al0.3(Mmはランタン富化ミッシュメタルを示す)で表されるMmNi5系水素吸蔵合金粉末100重量部に対して、25重量部の4%ポリビニルアルコール水溶液を添加してペースト状とし、導電性基板としての発泡ニッケル基板に充填したのち、加圧成形することによってペースト式負極を作製した。このとき、充填するペーストの量を変化させることによって、前記導電性基板を除いて求めた密度を5.1,5.3,5.5,5.8g/ccと変化させた負極を作製した。
導電性基板を除いて求めた密度が5.1g/ccの負極と参考例と同様な正極との間に参考例と同様なセパレータを介して、渦巻状に捲回し、緊縛度が100%の電極群を作製した。また、導電性基板を除いて求めた密度が5.3g/cc,5.5g/cc,5.8g/ccの負極それぞれについて、前記緊縛度を有する電極群を同様な方法によって作製した。各電極群と参考例と同様な電解液を有底円筒収容容器に収納して前述した図1に示す構造を有する4/3Aサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を製造した。
(比較例17)
導電性基板を除いて求めた密度を6.0にすること以外は、比較例13〜16と同様にして負極を作製した。得られた負極と参考例と同様な正極との間に参考例と同様なセパレータを介して、渦巻状に捲回し、緊縛度が112%の電極群を作製した。各電極群と参考例と同様な電解液を有底円筒収容容器に収納して前述した図1に示す構造を有する4/3Aサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を製造した。
(比較例18〜21)
参考例と同様な水素吸蔵合金を用い、導電性基板を除いて求めた負極密度を6.0g/ccとした以外は、参考例と同様な構成のニッケル水素二次電池を、緊縛度98%、100%、105%、110%とし、比較例18〜21とした。
得られた参考例1〜16及び比較例1〜21の二次電池について、0.1CmAで150%充電した後、1CmAで0.8Vまで放電する初充放電を1サイクル行なった後に、0.3CmAで150%充電した後、1CmAで1.0Vまで放電するサイクルを10サイクル繰り返して、電池の放電容量が一定になったことを確認した後、自己放電特性の測定を行なった。
まず、常温において0.3CmAで150%充電した後、50℃の恒温槽に7日間保管した。貯蔵後、常温に戻した後、1CmAで電池電圧が1.0Vに達するまで放電し、その放電容量(残存容量)を測定した。50℃恒温槽で7日間保管する前の0.3CmAで150%充電し、1CmAで電池電圧が1.0Vまで放電したときの放電容量をC1とし、50℃の恒温槽で7日間保管した後の放電容量を残存容量C2としたとき、容量残存率Rを下記(3)式から求め、この容量残存率から自己放電特性を判断した。その結果を表1、表2に示す。
R(%)=(C2/C1)×100 (3)
Figure 0004580861
Figure 0004580861
表1,2から明らかなように、参考例1〜16の二次電池は、高温で貯蔵した際の容量残存率を向上できることがわかる。これに対し、導電性基板を除いて求めた負極密度及び緊縛度のうちいずれか一方が特定の条件を満たさない比較例1〜12及び比較例18〜21の二次電池は、高温で貯蔵した際の容量残存率が低いことがわかる。また、比較例13〜17から、前記組成式(R1-xMgx)Niyzで表される水素吸蔵合金でないと、負極密度及び緊縛度を特定の条件に規定することによる容量残存率の改善がみられないことがわかる。
(実施例17〜18および比較例22)
<ペースト式負極の作製>
以下の組成となるように各元素を秤量し、アルゴン雰囲気下で高周波誘導炉で溶解し合金インゴットを作製した。
La0.63Mg0.37(Ni0.85Co0.1Al0.053.2
この合金インゴットに900℃で5時間の熱処理をアルゴン雰囲気下で施した後、粉砕し、合金粉末を得た。合金粉末にカーボンブラックを添加し、ポリビニルアルコール水溶液および水とともに混練してペーストを作製し、パンチドメタルに塗布し、乾燥させて負極を作製した。
<ペースト式正極の作製>
水酸化ニッケル粉末および酸化コバルトからなる混合粉体に、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョンを添加し、これらに純水を添加して混練することによりペーストを調製した。続いて、このペーストをニッケルメッキ繊維基板内へ充填した後、乾燥し、ローラープレスを用いて圧延することによりペースト式ニッケル正極を作製した。
前記負極と前記正極の間に高分子不織布からなるセパレータを介して渦巻状にして電極群を作製した。
<容器の作製>
化学成分及び機械的特性(引っ張り強度、降伏点及び弾性率)が下記表3に示すようなものである鋼板を冷間加工により有底円筒状に成形した後、ニッケルメッキを施すことにより3種類の容器(電池缶)を作製した。なお、比較例22の二次電池に使用する容器については、鋼板の加工性を向上させるため、鋼板に熱処理を施しながら冷間加工を行った。また、引っ張り強度、降伏点及び弾性率は、前述した方法によって測定した。
各容器内に前記電極群を収納し、8規定の水酸化カリウム電解液を注液した後、封口して、4/3Aサイズで、容量が4500mAhの円筒形ニッケル水素二次電池を製造した。なお、各種類につき、100個ずつ作製した。
得られた実施例17,18および比較例22の二次電池、各100個ずつについて、以下の条件で充放電サイクルを繰り返した際、下記表4に示す各サイクル終了時までに発生する容量不良発生率(内部短絡や、内圧上昇による安全弁作動に伴う電解液量の減少、あるいは電池缶の不可逆的な膨張変形による有効電解液量の低下などに起因する)を調べ、その結果を表4に併記する。
充放電条件:充電電流 4500mA
充電時間 1.3時間
放電電流 4500mA
放電終了電圧 1V
Figure 0004580861
Figure 0004580861
表3及び表4から明らかなように、実施例17,18の二次電池は、充放電サイクル中の容量不良発生率が皆無であることがわかる。これに対し、比較例22の二次電池は、充放電サイクル初期から容量不良が生じることがわかる。
(実施例19〜20および比較例23)
<容器の作製>
化学成分及び機械的特性(引っ張り強度、降伏点及び弾性率)が下記表5に示すようなものである鋼板を冷間加工により有底円筒状に成形した後、ニッケルメッキを施すことにより3種類の容器(電池缶)を作製した。なお、比較例23の二次電池に使用する容器については、鋼板の加工性を向上させるため、鋼板に冷間加工を施す際、途中、熱処理を施した。また、引っ張り強度、降伏点及び弾性率は、前述した方法によって測定した。
各容器内に実施例17〜18と同様な電極群を収納し、実施例17〜18と同様な電解液を注液した後、封口して、4/3Aサイズで、容量が4500mAhの円筒形ニッケル水素二次電池を製造した。なお、各種類につき、100個ずつ作製した。
得られた実施例19,20および比較例19の二次電池、各100個ずつについて、実施例17,18で行ったのと同様な条件で充放電サイクルを繰り返した際、下記表5に示す各サイクル終了時までに発生する容量不良発生率(内部短絡や、内圧上昇による安全弁作動に伴う電解液量の減少、あるいは電池缶の不可逆的な膨張変形による有効電解液量の低下などに起因する)を調べ、その結果を表6に併記する。
Figure 0004580861
Figure 0004580861
表5及び表6から明らかなように、実施例19,20の二次電池は、充放電サイクル中の容量不良発生率が皆無であることがわかる。これに対し、比較例23の二次電池は、充放電サイクル初期から容量不良が生じることがわかる。
本発明に係るニッケル水素二次電池の一例である円筒形ニッケル水素二次電池を示す部分切欠斜視図。 図1のニッケル水素二次電池に組み込まれる電極群を示す断面図。
符号の説明
1…容器、2…正極、4…負極、5…電極群、7…封口板。

Claims (2)

  1. 引張り強さが25kgf/mm2〜40kgf/mm2、降伏点が10kgf/mm2〜30kgf/mm2、弾性率が20000kgf/mm2〜26000kgf/mm2、かつ炭素;0.13%以下、マンガン;0.5%以下、リン;0.05%以下、硫黄;0.05%以下の鋼板にニッケルメッキが施されたものからなる容器と、
    前記容器内に収納され、一般式(R1-xMgx)Niyz(但し、Rはイットリウムを含む希土類元素か、前記希土類元素とCa、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素とからなり、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表わされる水素吸蔵合金を含む負極と
    を具備することを特徴とするニッケル水素二次電池。
  2. 前記水素吸蔵合金は誘導溶解炉を用いて作製されたものであることを特徴とする請求項1記載のニッケル水素二次電池。
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