JPH0817433A - ニッケル水素化物二次電池 - Google Patents

ニッケル水素化物二次電池

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JPH0817433A
JPH0817433A JP6170180A JP17018094A JPH0817433A JP H0817433 A JPH0817433 A JP H0817433A JP 6170180 A JP6170180 A JP 6170180A JP 17018094 A JP17018094 A JP 17018094A JP H0817433 A JPH0817433 A JP H0817433A
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negative electrode
storage alloy
hydrogen storage
hydrogen
secondary battery
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JP6170180A
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Shuichi Wada
秀一 和田
Masayuki Hirota
正幸 廣田
Shoichiro Tateishi
昭一郎 立石
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電特性、特に低温での放電特性の優れたニ
ッケル水素化物二次電池を提供する。 【構成】 ニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を含
む正極と、水素吸蔵合金を含む負極と、アルカリ水溶液
からなる電解液を有するニッケル水素化物二次電池にお
いて、上記負極が、放電状態において、30℃の平衡圧
力で0.002MPa相当以上の水素を含有するように
させる。また、上記負極の水素吸蔵合金の充填密度を、
基体を除いた部分で、5.3g/ml〜5.8g/ml
に調整することが、上記目的を達成する上で好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル水素化物二次
電池に関するものであり、さらに詳しくは放電特性、特
に低温での放電特性を向上させたニッケル水素化物二次
電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を負極活物質として用いた
ニッケル水素化物二次電池は、充放電容量が大きく、今
後増々需要が拡大していくものと考えられるが、その水
素吸蔵合金の中でも、Ti、Zr、Ni、Mnなどを主
要な構成元素とするAB2 型水素吸蔵合金は、特に大き
な充放電容量が期待できることから、次世代を担う水素
吸蔵合金として注目を集めている。
【0003】しかしながら、上記AB2 型水素吸蔵合金
は、充分に活性化させたり、その活性化状態を持続させ
ることがむつかしく、そのため、容量を充分に引き出せ
なかったり、放電特性を安定化させることがむつかし
く、期待通りの優れた放電特性は得られないという問題
があった。
【0004】そこで、放電特性を向上させるために、各
種の提案がなされている。例えば、特開平5−2175
78号公報には水素吸蔵合金を900℃で15時間10
00atmの水素圧力下で処理することによって水素吸
蔵合金を活性化して放電特性を向上させる方法が提案さ
れ、また特開平5−205734号公報には水素吸蔵合
金粉末をニッケル塩で処理することによって水素吸蔵合
金を活性化して放電特性を向上させる方法が提案されて
いる。さらに、特開平5−151990号公報には常温
付近での化成と低温での化成とを組み合せて放電特性を
向上させる方法が提案されている。
【0005】しかしながら、上記提案は、工程が複雑で
あって生産コストを高める原因になったり、放電特性を
充分に向上させることができないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ニッケル水素化物二次電池が持っていた放電特性が不安
定で充分な放電特性が得られなかったという問題点を解
決し、放電特性の優れたニッケル水素化物二次電池を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、完成後の電池の
放電状態での負極中の水素量と、負極の水素吸蔵合金の
充填密度を適正にすることによって、安定した放電特性
を生み出し、放電特性を向上させることができることを
見出した。
【0008】すなわち、負極が、放電状態で、30℃の
平衡圧力で0.002MPa以上の水素を含有すること
によって、充電および放電時に活性な水素を充分に利用
できるようになり、放電特性が安定化して、放電特性、
特に低温条件下での放電特性が向上する。
【0009】また、本発明者らは、有機バインダを用い
ない焼結式負極では、負極の水素吸蔵合金の充填密度が
放電特性を向上させるためのもう一つ重要な要素になる
ことも見出した。
【0010】すなわち、負極の水素吸蔵合金の充填密度
が、基体を除いた部分で、5.3g/ml〜5.8g/
mlであると、水素吸蔵合金の粒子間の接触状態が良好
で、かつ電解液の分布が均一になり、放電特性が向上す
る。
【0011】負極中の水素量を高めるには、通常、負極
作製時の焼結工程での不活性ガス雰囲気中の水素濃度を
高め、あらかじめ負極に水素を含ませておく方法が採用
されるが、それ以外にも、例えば、活性化時に温度を高
めて負極表面に適度な腐食を起こさせる方法、正極の化
成時に水酸化コバルトからCoOOHが生成する際の不
可逆的に負極に蓄積する水素を利用する方法などが適宜
採用される。
【0012】負極中の水素量は、ある程度までは多いほ
ど放電特性が向上するが、ある領域を超えると放電特性
の向上が得られなくなり、さらに多くなると、電池の内
圧が充電時に高くなりすぎて電池内部のガスが外部に漏
れやすくなり、サイクル寿命の低下を引き起こすなどの
弊害が生じるおそれがあるので、0.05PMa相当以
下であることが好ましく、特に0.003PMa〜0.
005PMa相当であることが好ましい。なお、水素吸
蔵合金を活物質として用いた負極では、充電は水素の吸
蔵で、放電は水素の放出であり、充電時には当然水素量
が多くなるので、本発明では、水素量の少ない放電状態
での負極中の水素量を特定量以上に規定し、それを必須
の構成要件としている。
【0013】負極は、例えば、平織金網、エキスパンド
メタル、パンチドメタル、発泡金属、ファイバーメタル
などの多孔性金属からなる基体に水素吸蔵合金の粉末を
圧着して焼結する焼結式で作製されたものや、水素吸蔵
合金の粉末を結着剤などと共にペースト状にし、そのペ
ーストを上記多孔性金属からなる基体に充填し、乾燥
後、プレスなどで圧着してシート状にし、熱処理するペ
ースト式で作製されたものなどが使用できる。ただし、
本発明においては、負極中の水素量を高めるために、負
極作製時の焼結工程を利用して、負極にあらかじめ水素
を含有させる場合が多いので、通常、焼結式の負極が適
している。そして、上記のように負極作製時の焼結工程
で負極に水素を含有させる場合には、不活性ガス雰囲気
中の水素濃度を1体積%以上にするのが好ましく、特に
2体積%以上で10体積%以下であることが好ましい。
【0014】上記負極の活物質として用いる水素吸蔵合
金としては、例えば、実施例で用いるTi15Zr2115
Ni29Cr5 Co6 Mn8 Fe1 をはじめ、TiZrV
NiCr系、TiNi系、TiNiZr系、LaNi
系、MmNi3 系などの各種水素吸蔵合金が使用可能で
あるが、本発明においては、少なくともTi、Zr、N
iおよびMnを必ず含み、V、Cr、FeおよびCoの
うち少なくとも2種以上を含むC14型またはC15型
ラーベス相を主たる合金相として有する多相系AB2
水素吸蔵合金が大きな容量を持つことから特に好まし
い。
【0015】負極は、上記のように水素吸蔵合金と基体
とで作製され、カルボキシメチルセルロースやポリテト
ラフルオロエチレンなどの有機バインダは焼結時に炭素
汚染を生じ、メタンガスが発生する原因になるので、含
有しないことが好ましい。
【0016】そして、この負極における水素吸蔵合金の
充填密度は、前記のように、基体を除いた部分で、5.
3g/ml〜5.8g/mlであることが好ましい。す
なわち、水素吸蔵合金の充填密度が5.3g/mlより
小さい場合は水素吸蔵合金の粒子間の接触が不足して、
放電特性が低下し、また水素吸蔵合金の充填密度が5.
8g/mlを超えると電解液の分布が不均一になって、
たとえ負極中の水素量を適切に調整したとしても、充分
な放電特性を得ることがむつかしい。
【0017】正極は、例えば、ニッケル焼結体を基体と
し、これにニッケル酸化物またはニッケル水酸化物を充
填する焼結式で作製されたものや、金網、エキスパンド
メタル、パンチドメタル、発泡金属、ファイバーメタル
などの多孔性金属を基体とし、これにニッケル酸化物ま
たはニッケル水酸化物を含有するペーストを充填し、乾
燥後、プレスしてシート状にし、熱処理するペースト式
で作製されたものなどが使用されるが、本発明の実施に
あたっては、例えば、焼結式やペースト式などで作製さ
れた公知のニッケル電極を使用することができる。
【0018】正極のニッケル酸化物やニッケル水酸化物
としては、例えば、一酸化ニッケル(NiO)、二酸化
ニッケル(NiO2 )、水酸化ニッケル〔Ni(OH)
2 〕などが挙げられる。これらは、正極が放電状態にあ
る場合であり、正極が充電状態にある場合には、上記ニ
ッケル酸化物やニッケル水酸化物は別の化合物として存
在する。
【0019】電解液は、アルカリ水溶液で構成される
が、このアルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカ
リ金属の水酸化物の水溶液が用いられる。
【0020】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例において、溶液の濃度を示す%は重量%である。
【0021】実施例1 水素吸蔵合金として、平均粒径が45μmで組成がTi
15Zr2115Ni29Cr5 Co6 Mn8 Fe1 の多相系
AB2 型水素吸蔵合金を用い、この水素吸蔵合金の粉末
をニッケル製のエキスパンドメタルに乾式で一体圧縮を
行った。ただし、その際、バインダはまったく使用しな
かった。
【0022】つぎに、上記水素吸蔵合金とエキスパンド
メタルとの圧縮体を水素を3体積%含むアルゴン雰囲気
中で870℃で15分間焼結した。この時の負極の基体
(エキスパンドメタル)を除いた部分での水素吸蔵合金
の充填密度は5.5g/mlであり、負極の寸法は12
7mm×39mm×0.28mmであった。
【0023】正極には、水酸化ニッケル100重量部、
コバルト粉末9重量部、2%カルボキシメチルセルロー
ス水溶液52重量部および60%ポリテトラフルオロエ
チレンディスパージョン6重量部を混合したペースト状
物をニッケルの発泡体に充填し、80℃で2時間乾燥し
た後、1トン/cm2 でプレスし、80℃のアルカリ水
溶液(30%水酸化カリウム)中に2時間浸漬した後、
水洗することによって作製したペースト式ニッケル電極
を用いた。このペースト式ニッケル電極からなる正極の
寸法は98mm×38mm×0.58mmであり、充填
容量は1200mAhであった。
【0024】上記負極と正極との間に親水化処理したポ
リプロピレン不織布からなるセパレータを介在させて渦
巻状に巻回し、その渦巻状電極体を用いて図1に示す構
造のAA形ニッケル水素化物二次電池を組み立てた。電
解液は30%水酸化カリウム水溶液に水酸化リチウムを
17g/リットル加えたものであり、電池には上記電解
液を1.85ml注入した。
【0025】ここで、図1について説明すると、1は正
極、2は負極、3はセパレータ、4は渦巻状電極体、5
は電池ケース、6は環状ガスケット、7は封口蓋、8は
端子板、9は封口板、10は金属バネ、11は弁体、1
2は正極リード体、13は絶縁体、14は絶縁体であ
る。
【0026】正極1は上記のペースト式ニッケル電極か
らなり、負極2は前記のように作製した水素吸蔵合金電
極からなり、セパレータ3は親水化処理したポリプロピ
レン不織布からなるものである。そして、上記正極1と
負極2はこのセパレータ3を介して重ね合わせられ、渦
巻状に巻回して渦巻状電極体4として電池ケース5内に
挿入され、その上部には絶縁体14が配置されている。
【0027】環状ガスケット6はナイロン66で作製さ
れ、封口蓋7は端子板8と封口板9とで構成され、電池
ケース5の開口部はこの封口蓋7と上記環状ガスケット
6とで封口されている。つまり、電池ケース5内に渦巻
状電極体4や絶縁体14などを挿入した後、電池ケース
5の開口端近傍部分に底部が内周側に突出した環状の溝
5aを形成し、その溝5aの内周側突出部で環状ガスケ
ット6の下部を支えさせて環状ガスケット6と封口蓋7
とを電池ケース5の開口部に配置し、電池ケース5の溝
5aから先の部分を内方に締め付けて電池ケース5の開
口部を封口蓋7と環状ガスケット6とで封口している。
【0028】上記端子板8にはガス排出孔8aが設けら
れ、封口板9にはガス検知孔9aが設けられ、端子板8
と封口板9との間には金属バネ10と弁体11とが配置
されている。そして、封口板9の外周部を折り曲げて端
子板8の外周部を挟み込んで端子板8と封口板9とを固
定している。
【0029】この電池は、通常の状況下では金属バネ1
0の押圧力により弁体11がガス検知孔9aを閉鎖して
いるので、電池内部は密閉状態に保たれているが、電池
内部でガスが発生して電池内圧が異常に上昇した場合に
は、金属バネ10が収縮して弁体11とガス検知孔9a
との間に隙間が生じ、電池内部のガスはガス検知孔9a
およびガス排出孔8aを通過して電池外部に放出され、
電池破裂が防止できるように構成されている。
【0030】組立後の電池を70℃の雰囲気下で24時
間活性化(エージング)を行った後、室温に戻して0.
2CAで7.5時間充電後、0.2CAで1.0Vまで
放電する充放電を2回繰り返して化成を行った。
【0031】この時点(負極は放電状態になっている)
で電池を分解して負極中に含まれる水素量を測定したと
ころ、30℃の平衡圧力で0.003MPa相当だっ
た。この水素を分析(負極を真空容器中で加熱してガス
分析する)した結果、この水素は焼結工程で1/3、正
極から1/3、活性化工程で1/3導入されたものであ
ることがわかった。
【0032】実施例2 負極作製時の焼結工程において、アルゴン雰囲気中の水
素濃度を1体積%にした以外は、実施例1と同様にして
ニッケル水素化物二次電池を作製した。このようにして
作製した完成後(すなわち、組立−エージング−化成
後)の電池の放電状態での負極中の水素量を実施例1と
同様に測定したところ、水素量は30℃の平衡圧力で
0.002MPa相当であった。
【0033】実施例3 負極作製時の焼結工程において、アルゴン雰囲気中の水
素濃度を5体積%にした以外は、実施例1と同様にして
ニッケル水素化物二次電池を作製した。このようにして
作製した完成後の電池の放電状態での負極中の水素量を
実施例1と同様に測定したところ、水素量は30℃の平
衡圧力で0.005MPa相当であった。
【0034】実施例4 負極作製時の焼結工程において、アルゴン雰囲気中の水
素濃度を7体積%にした以外は、実施例1と同様にして
ニッケル水素化物二次電池を作製した。このようにして
作製した完成後の電池の放電状態での負極中の水素量を
実施例1と同様に測定したところ、水素量は30℃の平
衡圧力で0.007MPa相当であった。
【0035】比較例1 負極作製時の焼結工程において、アルゴン雰囲気中の水
素濃度を0.5体積%にした以外は、実施例1と同様に
してニッケル水素化物二次電池を作製した。このように
して作製した完成後の電池の放電状態での負極中の水素
量を実施例1と同様に測定したところ、水素量は30℃
の平衡圧力で0.001MPa相当であった。
【0036】比較例2 活性化温度を25℃にした以外は、実施例1と同様にし
てニッケル水素化物二次電池を作製した。このようにし
て作製した完成後の電池の放電状態での負極中の水素量
は30℃の平衡圧力で0.001MPa相当であった。
【0037】比較例3 正極を電池組立前に2回化成して用いた以外は、実施例
1と同様にしてニッケル水素化物二次電池を作製した。
このようにして作製した完成後の電池の放電状態での負
極中の水素量は30℃の平衡圧力で0.001MPa相
当であった。
【0038】上記実施例1〜4および比較例1〜3の電
池を25℃、0.2Aで1.0Vまで放電させたときの
放電容量および0℃、0.5Aで1.0Vまで放電させ
たときの放電容量を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、実施例1〜4の電池
は、比較例1〜3の電池に比べて、放電容量が大きかっ
た。特に0℃、0.5Aでの放電容量に関しては、実施
例1〜4の電池と比較例1〜3の電池との差が大きく、
本発明は特に低温での放電特性の向上に顕著な効果が認
められた。
【0041】実施例5 負極の水素吸蔵合金の充填密度(ただし、基体部分を除
いた充填密度)を5.3g/mlにした以外は、実施例
1と同様にしてニッケル水素化物二次電池を作製した。
なお、このようにして作製した完成後の電池の放電状態
での負極中の水素量は30℃の平衡圧力で0.003M
Pa相当であった。
【0042】実施例6 負極の水素吸蔵合金の充填密度を5.8g/mlにした
以外は、実施例1と同様にしてニッケル水素化物二次電
池を作製した。なお、このようにして作製した完成後の
電池の放電状態での負極中の水素量は30℃の平衡圧力
で0.003MPa相当であった。
【0043】比較例4 負極の水素吸蔵合金の充填密度を5.2g/mlにした
以外は、実施例1と同様にしてニッケル水素化物二次電
池を作製した。なお、このようにして作製した完成後の
電池の放電状態での負極中の水素量は30℃の平衡圧力
で0.004MPa相当であった。
【0044】比較例5 負極の水素吸蔵合金の充填密度を5.9g/mlにした
以外は、実施例1と同様にしてニッケル水素化物二次電
池を作製した。なお、このようにして作製した完成後の
電池の放電状態での負極中の水素量は30℃の平衡圧力
で0.002MPa相当であった。
【0045】上記実施例4〜5および比較例4〜5の電
池を25℃、0.2Aで1.0Vまで放電した時の放電
容量および0℃、0.5Aで1.0Vまで放電したとき
の放電容量を測定した。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2に示すように、実施例5〜6の電池
は、比較例4〜5の電池に比べて、放電容量が大きかっ
た。特に0℃、0.5Aの放電容量に関しては、実施例
5〜6と比較例4〜5との差が大きく、本発明は特に低
温での放電特性の向上に顕著な効果が認められた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、電池
の放電状態での負極中の水素量と負極の水素吸蔵合金の
充填密度を適切にすることによって、放電特性、特に低
温での放電特性を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル水素化物二次電池の一実施例
を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル酸化物またはニッケル水酸化物
    を含む正極と、水素吸蔵合金を含む負極と、アルカリ水
    溶液からなる電解液を有するニッケル水素化物二次電池
    において、上記負極が、放電状態において、30℃の平
    衡圧力で0.002MPa相当以上の水素を含有するこ
    とを特徴とするニッケル水素化物二次電池。
  2. 【請求項2】 負極が、水素吸蔵合金と平織金網、エキ
    スパンドメタル、パンチドメタル、発泡金属およびファ
    イバーメタルから選ばれる少なくとも1種以上の多孔性
    金属からなる基体とで構成され、有機バインダを含有し
    ないことを特徴とする請求項1記載のニッケル水素化物
    二次電池。
  3. 【請求項3】 負極の水素吸蔵合金が、少なくともT
    i、Zr、NiおよびMnを必ず含み、かつV、Cr、
    FeおよびCoのうち少なくとも2種以上を含むC14
    型またはC15型ラーベス相を主たる合金相として有す
    る多相系AB2型水素吸蔵合金であることを特徴とする
    請求項1または2記載のニッケル水素化物二次電池。
  4. 【請求項4】 負極の水素吸蔵合金の充填密度が、基体
    を除いた部分で、5.3g/ml〜5.8g/mlであ
    ることを特徴とする請求項2または3記載のニッケル水
    素化物二次電池。
  5. 【請求項5】 負極が、基体と水素吸蔵合金とを一体成
    形したのち、焼結したものであることを特徴とする請求
    項2、3または4記載のニッケル水素化物二次電池。
  6. 【請求項6】 負極が、水素を1体積%以上含む不活性
    ガス雰囲気中で焼結したものであることを特徴とする請
    求項5項記載のニッケル水素化物二次電池。
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