JP3825548B2 - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特にマグネシウムを構成要素として含む水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
負極に水素吸蔵合金を用いるニッケル水素二次電池としては、従来、負極にCaCu5 型構造を主相とするLaNi5 系合金、またはTi,Zr,V,Niを構成要素として含み、ラーベス相を主相とする合金を負極に用いるものが実用化されている。LaNi5 系合金を使用したニッケル水素二次電池は現在生産されている二次電池の大部分を占め、汎用性が高い。しかしながら、前記合金の水素吸蔵量は金属元素1に対して水素原子1の割合であるため、この合金系でこれ以上の水素を吸蔵させることは極めて困難である。この水素吸蔵量を電気化学的な容量に換算すると約370mAh/gに相当するが、現行の実用電池で使用される合金はすでに330mAh/g程度の容量を示しており、この合金系を用いる限り、容量密度の飛躍的な増大は望めないと考えられる。
【0003】
一方、ラーベス相系の合金では、金属元素1に対して水素原子1以上の吸蔵が可能であることが知られており、原理的には高容量密度化が可能であるが、合金表面に安定酸化皮膜が生じて充分な利用ができなかったり、初期の活性化に時間がかかったり、高率での充放電特性が不充分であったりして、高容量密度と他の要求される電池特性との両立が困難なため、高い汎用性を持つには至っていない。 これに対して、新たに見出されたマグネシウム、ニッケル、および希土類を主要構成元素とする水素吸蔵合金は、LaNi5 系合金よりも体積当たりの容量密度及び重量当たりの容量密度の双方が高く、ラーベス系合金よりも活性化が速く、かつ高率充放電特性に優れるという特徴を有している。このため、従来のLaNi5 系合金を用いたニッケル水素電池よりも高容量であり、しかもラーベス相合金を用いる電池よりも高率充放電特性に優れる二次電池を実現することが可能となる。
【0004】
ところで、このマグネシウム、ニッケルおよび希土類元素を含有する水素吸蔵合金を含む負極を備えたニッケル水素二次電池は、前述したように従来の希土類AB5 型水素吸蔵合金に比べて負極の容量密度が高いため、ある一定サイズにするために必要な正極と負極の体積比が従来と変わる。そのうえ、この合金は、負極の微粉化の進行速度や合金粒子表面の電解液との反応性などが従来のAB5 型合金と異なる。このため、電池の容量あたりの電解液量や負極の合金量を従来通りにすると、電池の高容量化が果たせないだけでなく、負極における過充電時ガス再結合反応が不充分となって内圧が上昇したり、低温における放電容量が低下するという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、Mg及びNiを含有する水素吸蔵合金を負極に使用し、従来電池に比較して遜色ないガス再結合性および低温放電特性を持ち、かつ同等以上の容量を有するニッケル水素二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るニッケル水素二次電池は、一般式(R1-xMgx)Niyz(但し、Rはイットリウムを含む希土類元素,Ca、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表される水素吸蔵合金を含む負極と、正極と、アルカリ電解液とを具備し、
前記正極の理論容量1Ah当りの前記水素吸蔵合金の量をX(g)とし、前記正極の理論容量1Ah当りの前記電解液の量をY(ml)とした際に、下記(1)式及び(2)式を満たし、
電池内圧が6.0kgf/cm 2 以下であることを特徴とするものである。
3.≦X≦4.5 (1)
0.9≦Y≦0.2X+0.7 (2)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるニッケル水素二次電池の一例(円筒形ニッケル水素二次電池)を図1を参照して説明する。
図1に示すように有底円筒状の容器1内には、正極2とセパレータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回することにより作製された電極群5が収納されている。前記負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の第1の封口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子10上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前記穴から突出されるように配置されている。外装チューブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0008】
次に、前記正極2、負極4、セパレータ3および電解液について説明する。
1)正極2
この正極2は、水酸化ニッケルを含む。
【0009】
前記正極2は、例えば、活物質である水酸化ニッケル粉末に導電性材料を添加し、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に塗着または充填、乾燥した後、加圧成形することにより作製される。
【0010】
本発明に用いる水酸化ニッケルは通常に充放電できるものであれば特に限定されるものではないが、電池特性の観点から、CoやZnなどの遷移金属元素を共沈添加しているものがより望ましい。
【0011】
前記導電性材料としては、例えばコバルト酸化物、コバルト水酸化物などを挙げることができる。
前記結着剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。
【0012】
前記導電性基板としては、例えばニッケル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属から形成された網状基板、スポンジ状基板、繊維状基板、もしくは金属多孔体などを挙げることができる。
【0013】
2)負極4
この負極4は、一般式 (R1-x Mgx )Niyz (ただし、Rはイットリウムを含む希土類元素、Ca、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表される水素吸蔵合金を含有する。
【0014】
前記負極4は、例えば、前記水素吸蔵合金の粉末に導電材を添加し、結着剤および水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充填し、乾燥した後、加圧成形することにより製造される。
【0015】
前記水素吸蔵合金に含まれるRとしては、イットリウムを含む希土類元素が好ましい。このようにRとして希土類元素を用いた場合には、水素吸蔵電極の低コスト化を考慮して、La,Ce,Pr,NdおよびYから選ばれた少なくとも1種の希土類元素を使用することが好ましい。この例としては、CeがリッチなMm、LaがリッチなLmのような希土類混合物のミッシュメタルを挙げることができる。
【0016】
また、Rとして希土類元素とCa、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素とを用いてもよい。この場合、後者の元素は前者の希土類元素に対して0.3原子%以下の量で置換することが好ましい。
【0017】
前記水素吸蔵合金において、MgのRに対する置換量であるxを前記範囲することによって、水素を放出し難いという問題点を改善し、大きな放電容量を実現することが可能になる。特に、前記置換量xは0.1≦x≦0.6にすることが好ましい。前記置換量xを0.1未満にすると、水素を放出し難いとう問題点を改善できなくなる恐れがあり、放電容量が大きな二次電池を得ることが困難になる恐れがある。一方、前記置換量xが0.6を越えると可逆的な水素の吸蔵・放出量が低下して放電容量が大きな二次電池を得ることが困難になる恐れがある。さらにこの好ましい前記置換量xは、0.15≦x≦0.45である。
【0018】
前記水素吸蔵合金において、Aの量(z)を前記範囲にすることによって、合金の水素吸蔵・放出速度等の水素吸蔵・放出特性を向上することができると共に、ニッケル水素二次電池のサイクル特性を飛躍的に改善することができる。Aの量(z)が1.5を越えると、放電容量が低下する。前記Aの量(z)のより好ましい範囲は、0.1≦z≦1.0である。特に、AとしてはCo、Mnが好ましい。このようなA元素を含む水素吸蔵合金を含む負極を備えたアルカリ二次電池はサイクル特性が向上され、特にCoを用いた場合には放電容量も向上される。
【0019】
前記水素吸蔵合金中のNiおよびAの含有量(y+z)が2.5以上の範囲で水素吸蔵合金の水素吸蔵・放出速度等の水素吸蔵・放出特性が著しく向上され、大きな放電容量を得ることができ、しかもサイクル特性が改善される。しかしながら、(y+z)が4.5以上にすると、合金の水素サイトが減少して水素吸蔵量が低減し、放電容量が低下する。より好ましい(y+z)は、3.0≦(y+z)≦3.8である。
【0020】
前記結着剤としては、前記正極2で用いたのと同様なものを挙げることができる。
前記導電材とししては、例えばカーボンブラック等を挙げることができる。
【0021】
前記導電性基板としては、パンチドメタル、エキスパンドメタル、ニッケルネットなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポンジ状金属板などの三次元基板を挙げることができる。
【0022】
3)セパレータ3
このセパレータ3は、充分な親水性と通気性を持つ絶縁体であれば特にその材料や形態に限定されないが、ニッケル水素二次電池の諸特性の向上という観点から、ポリオレフィン系合成樹脂繊維を含むシート状物から形成されることが好ましい。
【0023】
前記ポリオレフィン系合成樹脂繊維としては、1種類のポリオリフィンからなる繊維、ポリオレフィン繊維からなる芯材表面に前記ポリオレフィン繊維とは異なるポリオレフィン繊維が被覆された芯鞘構造の複合繊維、互いに異なるポリオレフィン繊維同士が円形に接合された分割構造の複合繊維などを挙げることができる。前記ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
【0024】
前記ポリオレフィン系合成樹脂繊維を含むシート状物としては、例えば前述したポリオレフィン系合成樹脂繊維からなる不織布、同繊維からなる織布もしくはこれら不織布および織布で複合化された複合シートを挙げることができる。前記不織布は、例えば乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などによって作製される。前記セパレータの平均繊維径は、機械的強度、正負極間のショート防止の観点から、1〜20μmであることが望ましい。
【0025】
前記セパレータ3には、親水性を発現させるために、前記シート状物に含まれるポリオレフィン系合成樹脂繊維の表面を親水基を持つ共重合体(例えば、エチレンビニルアルコール共重合体など)で被覆するか、あるいは前記シート状物に親水基を持つビニルモノマーをグラフト共重合することが好ましい。ここで、親水基を有するビニルモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、前記アクリル酸やメタクリル酸のエステル類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、スチレンスルホン酸、スチレンなど直接に酸または塩基と反応して塩を形成し得る官能基を有するもの、もしくはグラフト共重合させたのちに加水分解して塩を形成し得る官能基を有するものなどを挙げることができる。前記ビニルモノマーの中でも、アクリル酸が好適である。
【0026】
4)アルカリ電解液
このアルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液、KOHと水酸化ナトリウム(NaOH)混合液、KOHと水酸化リチウム(LiOH)の混合液、KOHとLiOHとNaOHの混合液などを用いることができる。特に、KOH水溶液にNaOH水溶液やLiOH水溶液を混合した電解液を用いることが好ましい。この電解液において、KOHの濃度は2.0〜9.0Nが望ましく、さらに望ましくは3.0〜8.5Nである。NaOHの濃度としては1.0〜6.0Nが望ましく、さらに望ましくは2.0〜5.0Nの範囲である。また、LiOHの濃度としては0.3〜2.0Nが望ましく、さらに望ましくは0.5〜1.5Nの範囲である。
【0027】
本発明に係るニッケル水素二次電池は、前述したように、前記組成式(R1-x Mgx )Niyz で表される水素吸蔵合金を含む負極を備える。この合金は現行のLaNi5 系水素吸蔵合金と比べて体積あたりで約20%大きい吸蔵量を示すため、正極の理論容量あたりの合金量を低減させて高容量な二次電池を構成することが出来る。しかしながら、電池に必要な諸特性を維持しつつ、従来電池と比べて同等以上の容量を達成するためには、下記(1)式及び(2)式の条件を満たす必要がある。
【0028】
3.2≦X≦5.0 (1)
0.9≦Y≦0.2X+0.7 (2)
ここで、X(g)は、正極の理論容量1Ah当りの前記水素吸蔵合金の量を示し、Y(ml)は、正極の理論容量1Ah当りの前記電解液の量を示す。
【0029】
容量規制極が正極である密閉型ニッケル水素二次電池において、高容量化を図るためには正極の活物質量を増加させるのが不可欠であり、限られたスペース内で高容量化を進めるには負極活物質の量を低減する必要がある。前記組成式で表される水素吸蔵合金は、前述したように単位体積当りの水素吸蔵量が高いため、従来用いられているLaNi5 系合金に比べて少ない量で充分な容量を持つ負極を得ることが可能である。ところで、ニッケル水素二次電池に要求される特性は、高容量のみならず、低温放電特性及び過充電時の内圧特性などの電解液量と密接に関係するものがある。これら特性がバランスよく成立する範囲においてのみ実用的で、かつ高容量な電池を得ることが出来る。
【0030】
前記組成式で表される水素吸蔵合金を負極に使用して、従来の電池と同等以上の容量を有するニッケル水素二次電池を構成するには、正極の理論容量1Ah当りの前記水素吸蔵合金の量X(g)を3.2〜5.0gの範囲にする。これは次の理由によるものである。前記合金の量を3.2g未満にすると、負極と正極の容量差が小さくなるため、正極(容量規制極)の放電末期において負極の電位が低下ぎみになり、特に低温(−20℃付近)での容量が現行のLaNi5 系水素吸蔵合金を下回る。一方、前記合金の量が5.0gを越えると、前記組成式の合金の水素吸蔵量がAB5 系合金に比して高いことの優位性がなくなる。前記合金量X(g)は、次式、3.6≦X≦4.5を満足することがより好ましい。なお、前記合金量X(g)は、例えば、前記負極の合金密度を異ならせることによって調節することができる。
【0031】
前記組成式で表される水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池における正極理論容量1Ah当りのアルカリ電解液の量Y(ml)は、前述した(2)式を満足するものである。
【0032】
前記電解液量Y(ml)を前記(2)式によって規制するのは、次のような理由によるものである。前記電解液量が0.9mlを下回ると、負極構成材料である合金に必要な電解液量が満たされないため、特に低温(−20℃付近)での容量低下が著しくなる。また、前記電解液量が0.2X+0.7(Xは正極の理論容量1Ah当りの水素吸蔵合金の量/g)により算出した値を超えた場合には、電池の内圧が上昇し、充分なサイクル寿命が得られない。この電解液量は、その関係式からわかるように合金の量と密接に関係している。電池の内圧の上昇を抑制するためには、過充電時に発生した酸素ガスを負極中の合金粒子の表面へ速やかに拡散させることが必要であり、合金粒子同士の隙間にガス通路となる電解液が存在しない空間を確保することが必要である。このため、合金重量当りに許される電解液量はほぼ一定となり、結果として上記のような関係式が成立すると推測される。従って、この関係式は、従来の電池と同等以上の容量が実現可能な水素吸蔵合金量、つまり前記(1)式を満たす合金量の負極を備えたニッケル水素二次電池において、内圧上昇が問題にならない電解液量の上限値を示す。前記電解液量Y(ml)は、次式、0.95≦Y≦0.2X+0.6を満たすことがより好ましい。
【0033】
以上詳述したように本発明に係るニッケル水素二次電池によれば、前記組成式で表される水素吸蔵合金を含有する負極を備え、かつ正極の理論容量に対する水素吸蔵合金量および正極の理論容量に対する電解液量の双方を前述した(1),(2)式に従って規制することによって、低温放電特性、内圧特性及びサイクル寿命等の必要な特性を満足しつつ、さらなる高容量化を図ることが可能になる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例〜21、参考例1〜4,22〜25および比較例1〜12)
<負極の作製>
水素吸蔵合金は誘導溶解炉を用いて調整し、組成が(La0.7Mg0.3)Ni2.5Co0.5で表されるものを得た。この合金を熱処理して均質化を行い、不活性雰囲気中にて粉砕し、篩分けにより400メッシュ〜200メッシュの間に残る合金粉末を選別した。この合金粉末100重量部に対して市販のカルボニル法で調整されたニッケル粉末を0.5重量部添加して混合し、この混合粉末100重量部に対して25重量部の4%ポリビニルアルコール水溶液を加えてペースト状とし、導電性基板としての発泡ニッケル基板に充填したのち、加圧成形することによってペースト式負極を作製した。
【0035】
<正極の作製>
水酸化ニッケル粉末90重量部、および酸化コバルト10重量部からなる混合粉体に、カルボキシメチルセルロース0.15重量部、ポリアクリル酸ナトリウム0.15重量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重1.5、固形分60wt%)を固形分換算で0.5重量部添加し、これらに純水45重量部添加して混練することによりペーストを調製した。続いて、このペーストをニッケルメッキ繊維基板内へ充填した後、乾燥し、ローラープレスを用いて圧延することによりペースト式ニッケル正極を作製した。
【0036】
<セパレータの作製>
まず、ポリプロピレン樹脂からスパンボンド法を用いて、ポリプロピレン合成樹脂繊維製不織布を作製した。ひきつづき、前記不織布をアクリル酸水溶液に浸漬した後、紫外線を照射してアクリル酸モノマーをグラフト共重合させた。ついで、これらの不織布を洗浄して未反応のアクリル酸を除去した後、乾燥することにより、目付け量が50g/m2 のセパレータを作製した。
【0037】
前記負極と前記正極との間に前記セパレータを介して、渦巻状に捲回して電極群を作製した。このとき、正極と負極の体積比は、正極が容量規制極となるように設定した。前記電極群と2.75NのKOH、4.75NのNaOH、1NのLiOHからなる電解液を有底円筒状容器内に収納し、前述した図1に示す構造を有するAAサイズの円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。このとき、正極理論容量1Ah当りの水素吸蔵合金量X(g)及び正極理論容量1Ah当りの電解液量Y(mL)を下記表1〜表3に示すように異ならせた。
【0038】
(比較例13)
負極の水素吸蔵合金の組成をMm1.0 Ni4.0 Co0.4 Mn0.3 Al0.3 (Mmはランタン富化ミッシュメタルを示す)にすること以外は、実施例13と同様な円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0039】
(比較例14)
負極の水素吸蔵合金の組成をMm1.0 Ni4.0 Co0.4 Mn0.3 Al0.3 (Mmはランタン富化ミッシュメタルを示す)にすること以外は、比較例11と同様な円筒形ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0040】
得られた実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜14の二次電池について、既存のニッケル水素二次電池の処理手順に従って活性化し、1Cの電流で150%充電し、30分休止の後、1Cの電流で電池の電圧が1.1Vに低下するまで放電する充放電サイクルを20℃において行い、20サイクル目の放電容量を測定した。得られた放電容量を実施例6の放電容量を100として表し、その結果を下記表1及び表2に示す。
【0041】
また、実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜14の二次電池について、1Cの電流で150%充電したのち、電池を−20℃の恒温槽内にて充分冷却し、−20℃環境で0.3Cの電流で電池の電圧が1.1Vに低下するまで放電させた際の放電容量を測定し、得られた放電容量を実施例6の放電容量を100として表し、その結果を下記表1及び表2に示す。
【0042】
更に、実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜14の二次電池について、電池内圧を測定した。電池内圧の測定は、実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜14の電池を図2に示す圧力測定装置の容器内に収納して行った。
【0043】
すなわち、各電池内圧測定装置はアクリル樹脂製のケース本体21とキャップ22とからなる電池ケースを備える。前記ケース本体21の中心部には、AAサイズの電池の金属容器と同一の内径および高さを有する空間23が形成されている。前記空間23内部には、前記二次電池24が収納されている。前記二次電池24は、有底円筒形容器の上端に封口板が取り付けられずに開放されている。前記ケース本体21上には、前記キャップ22がパッキング25およびOリング26を介してボルト27およびナット28により気密に固定されている。前記キャップ22には、圧力検出器29が取り付けられている。負極からの負極リード30と正極からの正極リード31は前記パッキング25と前記Oリング26との間を通して導出されている。
【0044】
このような電池内圧測定装置により実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜14の二次電池について0.5CmAの電流で480%充電した際の最大電池内圧を測定し、その結果を下記表1〜3に示す。
【0045】
また、実施例〜21、参考例1〜4,22〜25及び比較例1〜12の二次電池について、正極理論容量1Ah当りの水素吸蔵合金量X(g)と正極理論容量1Ah当りの電解液量Y(mL)との関係をプロットし、その結果を図3に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003825548
【0047】
【表2】
Figure 0003825548
【0048】
【表3】
Figure 0003825548
【0049】
表1〜3及び図3から明らかなように、合金量X(g)及び電解液量Y(mL)の双方がY=0.9,Y=0.2X+0.7,X=3.2及びX=5.0の4つの直線で囲まれた領域内(図3の斜線で示す領域)に存在する実施例〜2の二次電池は、放電容量、低温放電特性及び内圧特性を同時に満足することがわかる。
【0050】
これに対し、合金量X(g)及び電解液量Y(mL)の双方が前記領域から外れる比較例1〜12の二次電池は、前述した3つの特性のうちいずれかが劣ることがわかる。一方、合金の組成がMmNi5 系である比較例13の二次電池は、実施例13の二次電池に比べて常温並びに低温での放電容量が低いことがわかる。また、比較例13及び比較例14から、合金の組成がMmNi5 系であると、合金量X(g)及び電解液量Y(mL)の規制による低温特性及び内圧特性向上の効果が得られないことがわかる。
【0051】
(実施例30〜46、参考例26〜29,47〜50および比較例15〜28)
実施例〜21、参考例1〜4,22〜25および比較例1〜14の二次電池それぞれにおいて、前記セパレータの目付量を40g/m2 に変更し、実施例30〜46、参考例26〜29,47〜50および比較例15〜28とした。
【0052】
得られた実施例30〜46、参考例26〜29,47〜50および比較例15〜28の二次電池について、前述したのと同様にして常温及び低温での放電容量と、最大内圧とを測定し、その結果を下記表4〜6に示す。
【0053】
【表4】
Figure 0003825548
【0054】
【表5】
Figure 0003825548
【0055】
【表6】
Figure 0003825548
【0056】
(実施例5〜71、参考例51〜54,72〜75および比較例29〜42)
実施例〜21、参考例1〜4,22〜25および比較例1〜14の二次電池それぞれにおいて、前記負極の導電性基板をパンチドメタルに変更し、実施例5〜71、参考例51〜54,72〜75および比較例29〜42とした。
【0057】
得られた実施例5〜71、参考例51〜54,72〜75および比較例29〜42の二次電池について、前述したのと同様にして常温及び低温での放電容量と、最大内圧とを測定し、その結果を下記表7〜9に示す。
【0058】
【表7】
Figure 0003825548
【0059】
【表8】
Figure 0003825548
【0060】
【表9】
Figure 0003825548
【0061】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、セパレータ、電極の構造に依存することなく、従来電池に比較して遜色ない低温放電特性及び内圧特性を有し、同等以上の容量を有するニッケル水素二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るニッケル水素二次電池の一例である円筒形ニッケル水素二次電池を示す部分切欠斜視図。
【図2】本発明の実施例における電池内圧を測定するための電池内圧測定装置を示す断面図。
【図3】本発明の実施例1〜25のニッケル水素二次電池及び比較例1〜12のニッケル水素二次電池における正極理論容量1Ah当りの水素吸蔵合金量X(g)と正極理論容量1Ah当りの電解液量Y(mL)との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…容器、
2…正極、
4…負極、
5…電極群、
7…封口板。

Claims (1)

  1. 一般式(R1-xMgx)Niyz(但し、Rはイットリウムを含む希土類元素,Ca、ZrおよびTiから選ばれる少なくとも1つの元素、AはCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元素であり、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦z≦1.5,2.5≦y+z<4.5を示す。)で表される水素吸蔵合金を含む負極と、正極と、アルカリ電解液とを具備し、
    前記正極の理論容量1Ah当りの前記水素吸蔵合金の量をX(g)とし、前記正極の理論容量1Ah当りの前記電解液の量をY(ml)とした際に、下記(1)式及び(2)式を満たし、
    電池内圧が6.0kgf/cm 2 以下であることを特徴とするニッケル水素二次電池。
    3.≦X≦4.5 (1)
    0.9≦Y≦0.2X+0.7 (2)
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