JP4580125B2 - 物干し器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯物等の干し物を脱着自在に吊下げ支持する物干し枠体と、吊下げ竿や鴨居等に掛止可能な吊下げフック、及び、物干し枠体の複数箇所に設けた被吊下げ部と吊下げフックとに亘って設けられる吊下げ連結体とからなる物干し器に関し、より詳しくは、前記物干し枠体を水平又はほぼ水平に維持したまま、吊下げフックが物干し枠体の中心上に位置する第1吊下げ位置とそれよりも横方向に偏位した第2吊下げ位置とに変更できるように構成してある物干し器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の物干し器では、矩形状の物干し枠体の短辺方向中央位置に設けた二つのリング状の被吊下げ部と、これに対向する状態で吊下げフックの基端部の円周方向二個所に形成した吊下げ係止部とに亘って、吊下げ連結体を構成する二本の第1チェーンを架設すると共に、物干し枠体の長辺方向中央位置に設けた二つのリング状の被吊下げ部と、これに対向する状態で吊下げフックの基端部に貫通形成された吊下げ挿通孔とに亘って、吊下げ連結体を構成する一本の第2チェーンを架設し、更に、前記吊下げフックの吊下げ挿通孔を、第1吊下げ位置と第2吊下げ位置において吊下げフックが位置ずれするのを防止するために、交差状に連なっている第2チェーンの一方のチェーンリングを通過させ、他方のチェーンリングを阻止することが可能な十字形状に形成していた(例えば、特開平11−333196号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の物干し器では、吊下げフックを物干し竿に掛止する第1吊下げ位置から鴨居等に掛止する第2吊下げ位置に変更する場合、吊下げフックを片手で吊下げ支持したまま、物干し枠体等の荷重に抗して第2チェーンを持ち上げ、吊下げフックの基部に形成された十字形状の吊下げ挿通孔のうち、縦方向の孔部分に縦姿勢のチェーンリングを位置合わせして通過させ、次に、横方向の孔部分に横姿勢のチェーンリングを位置合わせして通過させるといった煩雑な操作手順を繰返す必要がある。
【0004】
しかも、第2チェーンの移動操作途中においても、交差状態にある両チェーンリングが連結箇所の融通範囲内で自由に相対移動するため、後続のチェーンリングが吊下げ挿通孔の周縁に引っ掛り易く、その結果、吊下げフックの第2吊下げ位置又は第2吊下げ位置への変更作業に多くの手間を要していた。
【0005】
特に、吊下げフックを鴨居に掛けるときは、屋外に乾していた干し物を降雨によって室内に取り込む必要が生じた場合が多く、この場合、多数の干し物の荷重に抗して第2チェーンを移動操作する必要があるため、吊下げフックの吊下げ位置変更作業により手間取り易い。
【0006】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、第1吊下げ位置にある吊下げフックのずれ移動を確実に阻止しながらも、多数の干し物が吊下げられている条件下での第2吊下げ位置への変更作業を、簡単な操作で迅速に行なうことのできる物干し器を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の特徴構成は、物干し枠体の複数箇所に設けた被吊下げ部と吊下げフックとに亘ってそれぞれ吊下げ連結体が設けられているとともに、前記物干し枠体を水平又はほぼ水平に維持したまま、吊下げフックが物干し枠体の中心上又はその近傍に位置する第1吊下げ位置とそれよりも横方向に偏位した第2吊下げ位置とに変更できるように、吊下げフックの第2吊下げ位置への変更に連れて連結長さが増大する側に位置する吊下げ連結体中に、被吊下げ部と吊下げフックとの間の吊下げ連結長さを変更する連結長さ変更手段が設けられている物干し器であって、
前記連結長さ変更手段が、吊下げ連結体中に組付けられた少なくとも二つの連結杆を、杆長方向の長孔に沿って伸縮自在、並びに、長孔に係合する連結ピン周りで相対揺動自在に連結すると共に、両連結杆の相対向する部位に、収縮状態にある両連結杆の連結ピン周りでの相対揺動操作によって係合及び係合離脱自在で、かつ、係合時に両連結杆を収縮重合姿勢に保持する係合部を設けて構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、吊下げフックを物干し竿に掛止する通常の使用形態の場合には、連結長さ変更手段の係合部によって両連結杆が収縮重合姿勢に係止保持されていて、吊下げフックが物干し枠体の中心上又はその近傍に位置する第1吊下げ位置にあり、物干し枠体が水平又はほぼ水平姿勢に維持されている。
【0009】
この時、前記係合部での係合離脱方向が、収縮状態にある両連結杆の連結ピン周りでの相対揺動方向であるから、物干し枠体及び干し物の荷重で係合部が係合離脱することはない。
【0010】
また、吊下げフックを鴨居に掛止するべく、第1吊下げ位置にある吊下げフックを横方向に偏位した第2吊下げ位置に変更する場合には、吊下げフックの第2吊下げ位置への変更に連れて連結長さが増大する側に位置する各吊下げ連結体中に設けられた連結長さ変更手段を操作することにより、被吊下げ部と吊下げフックとの間の吊下げ連結長さを変更することができる。
【0011】
この変更時、連結長さ変更手段の係合部によって収縮重合姿勢で係止保持されている両連結杆を、長孔に係合する連結ピン周りで相対揺動操作して、係合部から係合離脱させるだけで、物干し枠体及び干し物の荷重を受けている一方の連結杆が長孔に沿って伸展移動する。
【0012】
従って、第1吊下げ位置にある吊下げフックのずれ移動を確実に阻止しながらも、多数の干し物が吊下げられている条件下での第2吊下げ位置への変更作業を、各吊下げ連結体中に組付けられた少なくとも二つの連結杆を相対揺動させるだけの簡単な操作で迅速に行なうことができる。
【0013】
本発明の請求項2による物干し器の特徴構成は、前記両連結杆が伸展姿勢にあるときに連結ピンが位置する長孔の伸展操作位置での出入口相当箇所に、そこを通過する連結ピンに移動抵抗を付与する抵抗付与手段が設けられている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、前記収縮重合姿勢にある両連結杆を伸展姿勢に変更する場合、長孔に沿って移動操作される連結ピンが伸展操作位置の出入口相当箇所に到達したことを、抵抗付与手段によって付与される移動抵抗の増加によって感覚的に知ることができるとともに、長孔の伸展操作位置に移入した連結ピンが振動等でずれ移動することを抑制することができる。
【0015】
本発明の請求項3による物干し器の特徴構成は、前記両連結杆が収縮重合姿勢にあるときに連結ピンが位置する長孔の収縮操作位置の出入口相当箇所に、そこを通過する連結ピンに移動抵抗を付与する抵抗付与手段が設けられている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、前記伸展姿勢にある両連結杆を収縮重合姿勢に変更する場合、長孔に沿って移動操作される連結ピンが収縮操作位置の出入口相当箇所に到達したことを、抵抗付与手段によって付与される移動抵抗の増加によって感覚的に知ることができるとともに、長孔の収縮操作位置に移入した連結ピンが振動等でずれ移動することを抑制することができるから、収縮状態にある両連結杆の連結ピン周りでの相対揺動による係合操作の確実化を図ることができる。
【0017】
本発明の請求項4による物干し器の特徴構成は、前記両連結杆の少なくとも一方に、収縮重合姿勢にある両連結杆を連結ピン周りで係合解除側に押出し操作するための押出し操作部が設けられている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、連結長さ変更手段の係合部によって収縮重合姿勢で係止保持されている両連結杆を、長孔に係合する連結ピン周りで相対揺動操作して、係合部から係合離脱させる際、両連結杆の少なくとも一方に設けられた押出し操作部での押出し操作によって簡単に係合解除することができる。
【0019】
本発明の請求項5による物干し器の特徴構成は、前記物干し枠体に、吊下げフックが第2吊下げ位置にあるとき、固定部と物干し枠体の外面との間に空隙を形成する空隙形成手段が設けられている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、物干し枠体の外周縁近くに吊下げられた干し物が壁等の固定部に接触することを抑制することができ、物干し枠体全体を活用することができる。
【0021】
本発明の請求項6による物干し器の特徴構成は、前記空隙形成手段が、物干し枠体の複数箇所に内外方向に揺動操作可能に設けられた接当体から構成されているとともに、各接当体が、物干し枠体の外側枠部の幅内に重合位置する格納姿勢に切換え自在に構成されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、吊下げフックが第2吊下げ位置にあるときには、物干し枠体の外方に突出する複数の接当体と固定部との接当によって、固定部と物干し枠体の外面との間に干し物の接触を抑制するための空隙を確実かつ安定的に形成しながらも、吊下げフックが第1吊下げ位置にあるときには、各接当体を、物干し枠体の外側枠部の幅内に重合位置する格納姿勢に切換えることができるから、各接当体が他物と接触することがない。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1〜図7は、洗濯物等の干し物を脱着自在に吊下げ支持するための複数のピンチ1を備えた矩形状の物干し枠体Aと、吊下げ竿や鴨居等に掛止可能な吊下げフックB、及び、物干し枠体Aの複数箇所に設けた被吊下げ部5と吊下げフックBとに亘って設けられる吊下げ連結体Cとからなる合成樹脂製の物干し器を示し、物干し枠体Aを水平又はほぼ水平姿勢に維持したまま、吊下げフックBが物干し枠体Aの中心位置(重心位置)を通る鉛直線上又はそれの近傍に位置する第1吊下げ位置とそれよりも横方向に偏位した第2吊下げ位置とに変更できるように、吊下げフックBの第2吊下げ位置への変更に連れて連結長さが増大する側に位置する各吊下げ連結体C中に、被吊下げ部5と吊下げフックBとの間の吊下げ連結長さを変更する連結長さ変更手段Dが設けられている。
【0024】
また、前記物干し枠体Aの短辺側部分の外側面には、吊下げフックBの吊下げ位置よりも低い位置で物干し竿に掛止可能な左右一対の補助吊下げフック3が、上方に突出する吊下げ姿勢と物干し枠体Aの外側面に沿ってほぼ90度倒伏させた格納姿勢とに水平軸芯周りで揺動切替え操作自在に枢着されているとともに、前記物干し枠体Aには、吊下げフックBが第2吊下げ状態にあるとき、壁面等の固定部Wと物干し枠体Aの外側面との間に干し物接触抑制用の空隙Sを形成する空隙形成手段の一例である当り部4が設けられ、更に、第2吊下げ状態にある吊下げフックBが、当り部4の突出代に相当する分だけ物干し枠体Aの外側面を通る鉛直線Pよりも外方に位置するように構成されている。
【0025】
前記物干し枠体Aは、長辺方向の中央位置で二分割された左右一対の分割枠体2A,2Bから構成され、更に、各分割枠体2A,2Bは、平面視ほぼコの字状で、かつ、横断面形状が下向きコの状の外枠部2aと、長辺方向にピンチ1の全長L2より大なる間隔L1を隔てて配置される横断面形状が下向きコの状の複数本(当該実施形態では3本)の横枠部2b、並びに、横枠部2b同士及び横枠部2bと外枠部2aとを繋ぐ状態で短辺方向の両側近くに長辺方向に沿って配置される横断面形状が下向きコの状の複数本(当該実施形態では6本)の縦補強枠部2cとを合成樹脂にて一体成形して構成されている。
【0026】
また、前記両分割枠体2A,2Bの中央側端部同士を、物干し枠体Aの短辺方向に沿う水平な折畳み軸芯X周りで揺動自在に嵌合連結することにより、両分割枠体2A,2Bが面一状態で水平方向に沿って一直線状に展開した吊下げ姿勢と、両分割枠体2A,2Bの下面同士が接当又は近接する状態にまで折畳み軸芯X周りで折り曲げた折畳み姿勢とに切換え操作自在に構成されている。
【0027】
前記各分割枠体2A,2Bの内部空間は、図7に示すように、格子状に配設された複数の横枠部2b及び複数の縦補強枠部2cにより、一つ又は複数のピンチ1が物干し枠体Aの長辺方向に沿った同じ向き姿勢で入込み可能な複数の空隙2eに区画形成され、特に、折畳み軸芯Xが通る中央の空隙2eは、物干し枠体Aの長辺方向に沿って二個のピンチ1が入込み可能な大きさに構成されているとともに、前記各外枠部2aの両角部の内側面には、前記被吊下げ部5を構成する係止リングが一体形成されている。
【0028】
前記両分割枠体2A,2Bの各横枠部2bの複数箇所、及び、各外枠部2aの短辺側部分の複数箇所の各々には、ピンチ1のC形状の挾持バネ1aを揺動自在に支持する合成樹脂製のピンチ吊下げ部材6が、物干し枠体Aの長辺方向にのみ揺動可能な状態で嵌合取付け部材7を介して物干し枠体Aの上面側から装着されているとともに、前記各横枠部2bの折畳み軸芯X側に位置する側壁部分、及び、各外枠部2aの短辺側部分における折畳み軸芯X側に位置する側壁部分には、図4、図7に示すように、吊下げフックBが下方に位置する反転姿勢での両分割枠体2A,2Bの折畳み姿勢への切替え操作に連れて、各分割枠体2A,2Bに装着された各ピンチ1が同一の折畳み軸芯X側に揺動しながら分割枠体2A,2B内の各空隙S 内に入り込むべく、各分割枠体2A,2Bの各ピンチ吊下げ部材6の折畳み軸芯X側への倒れ込み揺動をほぼ90度の範囲で許容するスリット状の切込み2dが形成されている。
【0029】
そのため、吊下げフックBが下方に位置する逆さ姿勢での両分割枠体2A,2Bの折畳み姿勢への切替え操作に連れて、それらに装備された複数のピンチ1が分割枠体2A,2Bの各空隙S内にスムースに入り込むから、ピンチ1が両分割枠体2A,2B間に挟み込まれることが無く、物干し枠体Aをコンパクトに折り畳むことができる。
【0030】
前記吊下げフックBは、物干し竿に掛止可能な主フック部10と、該主フック部10とは掛止方向が逆向きとなる鴨居等に掛止可能な副フック部11と、主フック部10の開口を閉止可能な脱落防止用の閉止体12と、主フック部10の下端部に連設されるグリップ部13とから構成されているとともに、前記グリップ部13の上部には、吊下げ連結体Cに対する左右一対の係止部14を備えた縦軸芯周りで相対回転自在な吊下げ回転リング15と、閉止体12を閉じ側への弾性付勢力に抗して開き操作する操作レバー16とが設けられている。
【0031】
また、前記閉止体12には、主フック部10を把持した手指で開閉操作可能な操作レバー部17が一体形成されているとともに、前記副フック部11が、主フック部10に枢着するための枢支ピン18の軸芯周りでの揺動操作により、横外方に突出する掛止姿勢とそれの先端が主フック部10の背面に接当又は近接する格納姿勢とに揺動切替え自在に構成されている。
【0032】
前記吊下げフックBの第2吊下げ位置への変更操作に連れて連結長さが増大する側に位置する両吊下げ連結体Cの各々は、吊下げフックBの係止部14に係合連結されたS字状の第1連結リング20と、第1連結リング20に係合連結される第1連結杆21と、第1連結杆21に重合状態で伸縮自在に連結される第2連結杆22と、第2連結杆22に係合連結されたS字状の第2連結リング23と、第2連結リング23に係合連結される第3連結杆24と、第3連結杆24と物干し枠体Aの係止リング5とを係合連結するS字状の第3連結リング25とから構成されている。
【0033】
前記吊下げフックBの吊下げ位置変更操作に関係なく一定の連結長さに維持される側に位置する両吊下げ連結体Cの各々は、重合状態で伸縮自在に連結された第1連結杆21及び第2連結杆22に代えて、一定長さの単一の第4連結杆26を用いたもので、他の構成は同一である。
【0034】
前記連結長さ変更手段Dは、各吊下げ連結体C中に組付けられた二つの第1連結杆21及び第2連結杆22を、第1連結杆21に形成された杆長方向の長孔21aに沿って伸縮自在、並びに、長孔21aに係合する状態で第2連結杆22の一端部に固着された連結ピン22a周りで相対揺動自在に連結すると共に、両連結杆21,22の相対向する部位に、収縮状態にある両連結杆21,22の連結ピン22a周りでの相対揺動操作によって係合及び係合離脱自在で、かつ、係合時に両連結杆21,22を収縮重合姿勢に保持する係合部27を設けて構成されている。
【0035】
そして、吊下げフックBを物干し竿に掛止する通常の使用形態の場合には、連結長さ変更手段Dの係合部27によって両連結杆21,22が収縮重合姿勢に係止保持されていて、吊下げフックBが物干し枠体Aの中心位置(重心位置)を通る鉛直線上又はそれの近傍に位置する第1吊下げ位置にあり、物干し枠体Aが水平又はほぼ水平姿勢に維持されている。
この時、前記係合部27での係合離脱方向が、収縮状態にある両連結杆21,22の連結ピン22a周りでの相対揺動方向であるから、物干し枠体A及び干し物の荷重で係合部27が係合離脱することはない。
【0036】
また、吊下げフックBの副フック部11を鴨居に掛止するべく、第1吊下げ位置にある吊下げフックBを横方向に偏位した第2吊下げ位置に変更する場合には、吊下げフックBの第2吊下げ位置への変更に連れて連結長さが増大する側に位置する各吊下げ連結体C中に設けられた連結長さ変更手段Dを操作することにより、掛止リング5と吊下げフックBとの間の吊下げ連結長さを変更することができる。
この変更時、連結長さ変更手段Dの係合部27によって収縮重合姿勢で係止保持されている両連結杆21,22を、長孔21aに係合する連結ピン22a周りで相対揺動操作して、係合部27から係合離脱させるだけで、物干し枠体A及び干し物の荷重を受けている一方の第2連結杆22が長孔21aに沿って伸展移動する。
【0037】
前記係合部27は、図8に示すように、第2連結杆22の他端部に一体成形された係合ピン27a と、収縮状態にある両連結杆21,22の連結ピン22a周りでの相対揺動操作により、係合ピン27a に対して係合及び係合離脱自在に形成された第1連結杆21側の係合穴27bとから構成されているとともに、前記係合穴27bの出入口相当箇所には、そこを通過する係合ピン27a に移動抵抗を付与する第1抵抗付与手段28の一例で、係合ピン27a の外径よりも少し小なる通路幅に形成する絞り部が形成されている。
【0038】
前記第1連結杆21及び第2連結杆22が伸展姿勢にあるときに連結ピン22aが位置する長孔21aの伸展操作位置P1の出入口相当箇所には、そこを通過する連結ピン22aに移動抵抗を付与する第2抵抗付与手段29の一例で、連結ピン22aの外径よりも少し小なる通路幅に形成する絞り部が設けられているとともに、前記両連結杆21,22が収縮重合姿勢にあるときに連結ピン22aが位置する長孔21aの収縮操作位置P2の出入口相当箇所には、そこを通過する連結ピン22aに移動抵抗を付与する第3抵抗付与手段30の一例で、連結ピン22aの外径よりも少し小なる通路幅に形成する絞り部が設けられている。
【0039】
前記接当部4は、物干し枠体Aの外枠部2aのうち、吊下げフックBの第2吊下げ状態への偏位側となる一方の長辺側枠部分の複数個所(当該実施形態では二個所)に上下軸芯周りで内外方向に揺動操作可能に枢着された合成樹脂製の接当体から構成されているとともに、各接当体4は、上下軸芯周りの任意の位置で摩擦保持可能で、かつ、物干し枠体Aの外側枠部の幅内に重合位置する格納姿勢に切換え操作自在に構成されている。
【0040】
〔第2実施形態〕
上述の第1実施形態では、前記第1連結杆21と第2連結杆22とを同一の輪郭形状に形成したが、図9に示すように、前記両連結杆21,22の各々に、収縮重合姿勢にある両連結杆21,22を連結ピン22a周りで係合解除側に押出し操作するための押出し操作部32を一体形成して実施してもよい。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0041】
また、当該第2実施形態では、前記押出し操作部32を両連結杆21,22の各々に形成したが、この押出し操作部32は両連結杆21,22の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0042】
〔その他の実施形態〕
(1) 上述の第1実施形態では、前記吊下げ連結体C中に組付けられた二つの連結杆21,22を、杆長方向の長孔21aに沿って伸縮自在、並びに、長孔21aに係合する連結ピン22a周りで相対揺動自在に連結したが、前記吊下げ連結体C中に組付けられた三つ以上の連結杆21,22を、杆長方向の長孔21aに沿って伸縮自在、並びに、長孔21aに係合する連結ピン22a周りで相対揺動自在に連結して実施してもよい。
【0043】
(2) 前記両連結杆21,22の相対向する部位に設けられる係合部27としては、収縮状態にある両連結杆21,22の連結ピン22a周りでの相対揺動操作によって係合及び係合離脱自在で、かつ、係合時に両連結杆21,22を収縮重合姿勢に保持することのできるものであれば、如何なる構造に構成してもよい。
【0044】
(3) 前記吊下げ連結体Cとしては、物干し枠体Aの複数箇所に設けた被吊下げ部5と吊下げフックBとを繋ぐことができ、かつ、その少なくとも一部に連結長さ変更手段Dを構成することのできるものであれば、如何なる構造のものを用いてもよい。
【0045】
(4) 上述の第1実施形態では、前記第1抵抗付与手段28として、前記係合穴27bの出入口相当箇所に、そこを通過する係合ピン27a の外径よりも少し小なる通路幅に形成する絞り部を形成したが、これの代わりに、前記係合穴27bの出入口相当箇所を通過する係合ピン27a に接触して移動抵抗を付与する板バネ等の弾性体を設けて実施してもよい。
【0046】
(5) 上述の第1実施形態では、第2抵抗付与手段29及び第3抵抗付与手段30として、長孔21aの伸展操作位置P1及び収縮操作位置P2の出入口相当箇所に、連結ピン22aの外径よりも少し小なる通路幅に形成する絞り部を形成したが、これに代えて、長孔21aの伸展操作位置P1及び収縮操作位置P2の出入口相当箇所を通過する連結ピン22aに接触して移動抵抗を付与する板バネ等の弾性体を設けて実施してもよい。
【0047】
(6) 上述の第1実施形態では、物干し枠体Aに、洗濯物等の干し物を脱着自在に吊下げ支持するための複数のピンチ1を設けたが、ピンチ1を設ける代わりに、干し物を逆Uの字状に掛け吊り可能な複数本の掛け吊り杆を物干し枠体Aに設けて実施してもよい。
【0048】
(7) 上述の第1実施形態では、吊下げフックBに、物干し竿に掛止可能な主フック部10と、該主フック部10とは掛止方向が逆向きとなる鴨居等に掛止可能な副フック部11とを装備して構成したが、一つのフック部を設けて、物干し竿と鴨居とに選択的に掛止可能に構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の物干し器の第1実施形態を示す全体の正面図
【図2】全体の側面図
【図3】全体の平面図
【図4】全体の底面図
【図5】吊下げフックを第2吊下げ位置に変更したときの平面図
【図6】吊下げフックを第2吊下げ位置に変更したときの側面図
【図7】ピンチの格納状態を示す要部の断面図
【図8】連結長さ変更手段を構成する両連結杆の分解斜視図
【図9】本願発明の物干し器の第2実施形態を示す連結長さ変更手段の斜視図
【符号の説明】
A 物干し枠体
B 吊下げフック
C 吊下げ連結体
D 連結長さ変更手段
S 干し物接触抑制用空隙
W 固定部
4 空隙形成手段(当り部)
5 被吊下げ部(係止リング)
21 連結杆(第1連結杆)
21a 長孔
22 連結杆(第2連結杆)
22a 連結ピン
27 係合部
29 抵抗付与手段(絞り部)
30 抵抗付与手段(絞り部)
32 押出し操作部
Claims (6)
- 物干し枠体の複数箇所に設けた被吊下げ部と吊下げフックとに亘ってそれぞれ吊下げ連結体が設けられているとともに、前記物干し枠体を水平又はほぼ水平に維持したまま、吊下げフックが物干し枠体の中心上又はその近傍に位置する第1吊下げ位置とそれよりも横方向に偏位した第2吊下げ位置とに変更できるように、吊下げフックの第2吊下げ位置への変更に連れて連結長さが増大する側に位置する吊下げ連結体中に、被吊下げ部と吊下げフックとの間の吊下げ連結長さを変更する連結長さ変更手段が設けられている物干し器であって、
前記連結長さ変更手段が、吊下げ連結体中に組付けられた少なくとも二つの連結杆を、杆長方向の長孔に沿って伸縮自在、並びに、長孔に係合する連結ピン周りで相対揺動自在に連結すると共に、両連結杆の相対向する部位に、収縮状態にある両連結杆の連結ピン周りでの相対揺動操作によって係合及び係合離脱自在で、かつ、係合時に両連結杆を収縮重合姿勢に保持する係合部を設けて構成されている物干し器。 - 前記両連結杆が伸展姿勢にあるときに連結ピンが位置する長孔の伸展操作位置の出入口相当箇所に、そこを通過する連結ピンに移動抵抗を付与する抵抗付与手段が設けられている請求項1記載の物干し器。
- 前記両連結杆が収縮重合姿勢にあるときに連結ピンが位置する長孔の収縮操作位置の出入口相当箇所に、そこを通過する連結ピンに移動抵抗を付与する抵抗付与手段が設けられている請求項1又は2記載の物干し器。
- 前記両連結杆の少なくとも一方には、収縮重合姿勢にある両連結杆を連結ピン周りで係合解除側に押出し操作するための押出し操作部が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物干し器。
- 前記物干し枠体には、吊下げフックが第2吊下げ位置にあるとき、固定部と物干し枠体の外面との間に空隙を形成する空隙形成手段が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物干し器。
- 前記空隙形成手段が、物干し枠体の複数箇所に内外方向に揺動操作可能に設けられた接当体から構成されているとともに、各接当体が、物干し枠体の外側枠部の幅内に重合位置する格納姿勢に切換え自在に構成されている請求項5に記載の物干し器。
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