JP4580014B2 - 熱可塑性材料で作られた容器、特にボトル - Google Patents

Description

本発明は、ＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られた、一般に容器、特にボトルの分野に関し、より具体的には、周囲に閉ループ状に形成された少なくとも１つの溝を備えた本体を有する容器の改良に関する。

特定の種類の容器は、満たされているときに、比較的わずかな外部または内部の力にすら損傷せずに持ちこたえられないような顕著な剛性を示す。

したがって、この種類の容器のネック部に軸方向に外部の力がかけられると（たとえば、非常に多くの容器が積み重ねられる場合、通常、多量のボトルがパレット上に積み重ねられる場合に）、プラスチック材料で作られた壁が、ネック部の下方の、容器のショルダ部で捩れることがあり、その結果ネック部が、たいてい容器の一方の側で、部分的にショルダ部に入り込み、それゆえ、ネック部が容器の軸に対して著しく傾斜する。たいてい、壁は破裂せず、したがって液体は漏れずに容器の内容物は使用できる。しかし、消費者は以前よりこのように損傷を受けた容器を受け入れず、それゆえ、このような容器は売ることができなくなる。

その上、特に、考慮の対象となる種類の容器に高温の液体が充填され、その後に密閉される場合、容器に閉じ込められている空気の体積は、冷めるときにわずかに減少する。これは、主として、高温で注入された液体が周囲の温度まで冷める前に容器が密閉される高速充填装置で充填された容器で発生する。したがって、冷める間に空気が収縮することによって、容器の内部が減圧状態になる。

容器が変形せずにこの減圧に耐えられるようにするには、容器が十分な機械的剛性を有する必要があり、これはたとえば容器が厚い壁を有することを意味し、つまり、このような容器はより多くの原料を必要とし、それゆえよりコストが高くなり、このことは容器に入れた液体の製造業者には受け入れられない。実際、見た目にわかるほど変形せずにこのような減圧に耐えることのできるように特別に構成された本体（パネル張り形状の本体）を有する容器を製造することは公知である。しかし、このような特別な形状の容器もまた、従来の容器よりかなりコストが高くなる。

しかしながら、容器が十分な強度を有していないと、容器は自由に変形してしまい、前述したように、見た目が悪くなって売るのが難しくなる。

したがって、従来の形状の容器、主として、実質的に円筒状の全体の形状を有するボトルであるが、特に、高温の液体が充填されたときに自由に変形してしまうことが実質的になく、かつ容器のコストを著しく高くすることなく、少なくともある程度、力に耐えることに適応する容器の緊急の必要性がある。

本発明は、まさに、このような要求を満たすことを目的とし、たとえば特にネック部にかかる外部の力であるか、または、特に高温の液体が充填された後に、とりわけ、容器が減圧された結果としてかかる内部の力であるかにかかわらず、力に耐えることができる改良された容器を提案する。

このような目的のために、本発明は、本体の軸に対して実質的に垂直な平面内を延びた、周囲に閉ループ状に形成された少なくとも１つの溝を備えた本体を有するＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られた容器、特にボトルにおいて、溝は約３ミリメートル（ｍｍ）〜６ｍｍの範囲の深さを有し、溝は横断面において、
０．２ｍｍ〜１．５ｍｍの範囲の比較的小さい曲率半径を有する、実質的に円形に形成された底部と、
実質的に平らであり、底部の両側から互いに離れる方向に広がり、その間に約５０°〜９０°の範囲の角度を形成している２つの面と、
曲線状、特に円弧状であり、一方の端部において、１８０°より実質的に小さい角度で各平らな面から離れる方向へ延び、１．５ｍｍ以下の比較的小さい曲率半径の各円形壁を介して平らな面に接続され、他方の端部において、本体の壁に対して実質的に接線方向に接続された２つの面と、
を有することを特徴とするＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られた容器、特にボトルを提案する。

この構成によって、溝は、軸方向に弾性的に変形することができ、容器に加わる軸方向の力が存在するとき、特に、高温であるときに容器に注入された液体が冷める間に体積が減少する影響の下で、および／または、容器に（たとえば、積み重ねられた容器のように）ほぼ軸方向に加わる力の作用の下で、軸方向に収縮する能力を有する溝である。溝が容器本体の全周囲にわたって一様な形状を有するため、溝はその全範囲にわたって同様に収縮し、したがって、本体の軸を同軸に保ち、かつ、外観的な曲がったラインを発生させることなく容器本体が変形する。言い換えれば、容器の全体の形状は、湾曲せずに同様なままであり、容器の変形（軸方向の収縮）はほとんど目立たず、したがって、従来容器の変形によって生じていた商業的な損失が現に回避される。したがって、このように構成された容器は、実際的な要望を満たす。

好ましくは、変形可能な溝の深さは約４ｍｍである。

さらに好ましくは、変形可能な溝の底部は、約０．５ｍｍの曲率半径を有する。

好適には、変形可能な溝の平らな面は、各平らな面の間に、約６０°〜８０°の範囲内、好ましくは約７０°の角度を形成している。

さらに好適には、平らな面と実質的に曲線状の面との間の円形壁は、約０．８ｍｍ〜１．２ｍｍの範囲内、好ましくは約１ｍｍの曲率半径を有する。

本発明の構成の実施は、容器本体の様々な実施形態に拡張することができる。

特に、考えられる１つの実施形態では、容器は軸方向に互いに間隔を置いて配置された変形可能な複数の溝を有していてもよく、溝の数は、予想される軸方向の変形の程度に応じて決定され、特に想定される高温の液体が充填される状況では、充填される液体の温度および／または容器の本体の寸法、特に容器の本体の横方向の寸法に依存する。一例として、それほど高くない温度（たとえば、約８０℃）で液体を充填するときには２つまたは３つの溝を設けることが見込まれ、一方、非常に高い温度（たとえば、約９０℃）で液体を充填するときには３つから５つの溝を設けることが見込まれる。

変形可能な溝の少なくともいくつかが連続的に配置されるか、または変形例として、少なくとも１つの変形不能な溝が、少なくともいくつかの変形可能な溝の間に配置されていてもよく、特に、この場合には、変形可能な溝が変形不能な溝と交互に配置されていてもよい。容器本体が少数の変形可能な溝を任意の位置（下部、上部、中央部）に有しており、本体の残りの部分には（たとえば、マーキングまたはラベルの貼り付けのために）溝を設けないことも想定できる。

本発明の構成が特に適用される用途は、これに限らないが、上述したように構成され、実質的に円筒断面の本体を有するボトル型の容器に適合する。

もちろん、容器の断面の形状にかかわらず任意の種類の容器に本発明を適用することが可能である。したがって、多角形の断面、たとえば三角形の断面の容器を補強することが可能であり、正方形または長方形の断面、さらには丸い角部を有する正方形または長方形の断面の容器を補強することも可能である。

上述の構成により、本発明に従って作られた容器は、その全体の形状にそれほど影響を与えずに軸方向に変形するかなりの能力を有する。具体的な例としては、概して、高温（たとえば、９０℃〜９２℃）で液体を充填した後には、高さを約４ｍｍ収縮させ、または本体を約３．１５％縮めて、体積を約１５ミリリットル（ｍｌ）減少させるのに適した０．５リットル（ｌ）ボトルを作ることが可能である。

さらに、無視できない利点として、本発明に従って作られた容器は、上述の改良された特徴を有する上に、従来技術の容器よりかなり軽量にすることもできる。たとえば、通常、パネル張り形状の本体を有し、２８グラム（ｇ）〜２９ｇの重量を有する０．５ｌの容量の従来技術の容器を、同じ容量であるが約２６ｇの重量を有する容器、さらには、なお一層軽量である約２２ｇ〜２３ｇの重量を有する容器に置き換えることができる。

本発明は、ただ非制限的な例としてのみ示される、いくつかの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。説明では、添付の図面を参照する。

まず図１を参照すると、ＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られたボトルの形をした容器１が側面図で示されている。容器１は、全体の形状が実質的に円筒状であり、上端において丸みのある部分またはショルダ部４を介してネック部３に接続され、内部的に容器の底部に接続された本体２を有する。本体２は、本体２の軸７に対して実質的に垂直な平面内を延びた、周囲に閉ループ状に形成された少なくとも１つの溝６を備えている。

図４では、溝６がはるかに大きいスケールで示されている。溝６は、約３ｍｍ〜６ｍｍの範囲の深さｐを有する。溝６は横断面において、
０．２ｍｍ〜１．５ｍｍの範囲の比較的小さい曲率半径Ｒ１を有する、実質的に円形に形成された底部８と、
実質的に平らであり、底部８の両側から互いに離れる方向に広がり、その間に約５０°〜９０°の範囲、好適には約６０°〜８０°の範囲の角度αを形成している２つの面９と、
曲線状であり、一方の端部において、１８０°より実質的に小さい角度βで各平らな面９から離れる方向へ延び、１．５ｍｍ以下、好適には０．８ｍｍ〜１．２ｍｍの範囲の比較的小さい曲率半径Ｒ２の各円形壁１１を介して平らな面９に接続され、他方の端部において、本体２の壁１２に実質的に対して実質的に接線方向に接続された２つの面１０と、
を有する。

このように配置された溝６の底部８は、ヒンジの性質を有しており、底部８によって２つの平らな面９が相対的に回動することができ、平らな面９の一方および／または他方にかかる荷重に応じて変化する開口部を有するピンサーをともに形成している。小さい曲率半径の円形壁１１はヒンジを形成しており、円形壁１１によって曲線状面１０が平らな面９の変位に伴って動くことができる。このように配置された溝は、変形を規制する優れた能力を有する。図４において、破線は変形した溝６の外形を示している。

ＰＥＴで作られ、０．５ｌの容量を有するボトルに関する代表的な実施形態では、溝６は約４ｍｍの深さを有し、溝６の底部８は約０．５ｍｍの曲率半径Ｒ１を有し、２つの実質的に平らな面９は各平らな面９の間に、約７０°の角度αを間に形成し、２つの曲線状の面１０は円弧を形成し、円形壁１１は約１ｍｍの曲率半径Ｒ２を有する。

本発明による溝は、容器に望まれる変形量に応じて多数の変形実施形態に展開させることができる。図１〜３に一例としていくつかの考えられる変形実施形態が示されている。

本発明による溝は、実際にほんの少しの軸方向の変形が望まれる容器でそのまま実施することができる。

しかし、現実的には、高温の液体（通常８０℃〜９０℃、またはさらにそれ以上）が充填される容器の場合に特に、容器が数十ミリリットル程度（たとえば、０．５ｌボトルの場合は約１０ｍｌ〜２０ｍｌ、または約４ｍｍの高さの変化量）の体積の制限に耐えられることが望ましい。したがって、本発明によって構成された複数の変形可能な溝を設ける必要があり、場合によっては実質的に変形不能である標準的な溝と組み合わされる必要がある。

図１では、ボトルの形をした容器１は、上述のように構成された変形可能な溝６、すなわち、この具体的な例では０．５ｌボトルの本体２のほぼ全高さにわたって分布している８つの変形可能な溝６のみを備えている。具体的には、容器の２つの隣り合う溝は、約１２．７ｍｍの距離だけ離され、底部を有する２つの溝に関して、一方の溝の、仮に静止しているものとみなした他方の溝に対する変位は約０．４ｍｍと測定され、すなわち約３．１５％の変位であった。図２では、変形可能な溝６がボトルの形をした容器１の本体２の下部にまとめて配置され、一方、容器の上部は任意の望ましい態様で構成されており、図示した実施形態では、本体２の上部は実質的に変形不能である標準的な溝１３を備えている。

図３では、ボトルの形をした容器１の本体２は、実質的に全高さにわたって、本発明の溝６と実質的に変形不能である標準的な溝１３とを交互に備えている。変形実施形態として、各種類の溝の組を交互に設けてもよい。

変形可能な溝の配置にかかわらず、容器の本体の残りの部分に標準的な変形不能な溝が存在することは必須ではなく、さらに、変形可能な溝を局在させる場合、変形可能な溝は、任意の所望の位置（下部、上部、中央部）に配置され、本体の残りの部分を、特にマーキングまたはラベルの貼り付けのために適するような、任意の適切な状態（たとえば、滑らかな状態、多角形状など）に形成されてもよいということを強調しておきたい。一例として、図５Ａでは、ボトルの形をした容器の本体２は、本体の上部に連続的に配置された本発明の２つの変形可能な溝６を備え、本体の残りの部分は滑らかであり溝を有していない。図５Ｂでは、ボトルの形をした容器の本体２が、本体の下部に連続的に配置された本発明の３つの変形可能な溝６を備え、本体の残りの部分は滑らかであり溝を有していない。

変形可能な溝６の配置について選択された構成にかかわらず、溝６の数は容器に望まれる軸方向の変形の大きさに応じて選択される。特に、この大きさは、高温で充填される液体の温度および／または容器の本体の寸法、特に本体の横方向の寸法との相関的要素である。したがって、それほど高くない温度、たとえば約８０℃の液体では、変形可能な溝６の数は２つまたは３つでよいが、液体が比較的高い温度、たとえば約９０℃〜９２℃であるときは、変形可能な溝６の数は約３つ〜５つに多くするべきである。

本発明による少なくとも１つの溝を備えたボトル型の容器の側面図である。 本発明による少なくとも１つの溝を備えたボトル型の容器の側面図である。 本発明による少なくとも１つの溝を備えたボトル型の容器の側面図である。 図１〜３の容器に設けられた本発明による溝の概略横断面図である。 本発明による少なくとも１つの溝を備えたボトル型の他の容器の側面図である。 本発明による少なくとも１つの溝を備えたボトル型の他の容器の側面図である。

Claims (12)

1. 本体の軸（７）に対して実質的に垂直な平面内を延びた、周囲に閉ループ状に形成された少なくとも１つの溝（６）を備えた本体（２）を有するＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られた特にボトルである容器（１）において、
   前記溝（６）は、約３ｍｍ〜６ｍｍの範囲の深さ（ｐ）を有し、前記溝（６）は横断面において、
   ０．２ｍｍ〜１．５ｍｍの範囲の比較的小さい曲率半径（Ｒ１）を有する、実質的に円形に形成された底部（８）と、
   実質的に平らであり、前記底部（８）の両側から互いに離れる方向に広がり、その間に約５０°〜９０°の範囲の角度（α）を形成している２つの面（９）と、
   曲線状であり、一方の端部において、１８０°より実質的に小さい角度（β）で平らな前記各面（９）から離れる方向へ延び、１．５ｍｍ以下の比較的小さい曲率半径（Ｒ２）の各円形壁（１１）を介して前記平らな面（９）に接続され、他方の端部において、前記本体（２）の壁（１２）に対して実質的に接線方向に接続された２つの面（１０）と、
   を有しており、
   前記溝（６）は、前記容器に加わる軸方向の力が存在するときに軸方向に収縮する能力を有する軸方向に変形可能な溝であることを特徴とする、ＰＥＴなどの熱可塑性材料で作られた特にボトルである容器。
2. 変形可能な前記溝（６）の深さ（ｐ）は約４ｍｍであることを特徴とする、請求項１に記載の容器。
3. 前記変形可能な溝（６）の前記底部（８）は、約０．５ｍｍの曲率半径（Ｒ１）を有することを特徴とする、請求項１または２に記載の容器。
4. 前記変形可能な溝（６）の前記平らな面（９）は、前記各平らな面（９）の間に、約６０°〜８０°の範囲の角度（α）を形成していることを特徴とする、請求項１から３のいずれか１項に記載の容器。
5. 前記変形可能な溝（６）の前記平らな面（９）は、前記各平らな面（９）の間に、約７０°の角度（ａ）を形成していることを特徴とする、請求項４に記載の容器。
6. 前記平らな面（９）と曲線状の前記面（１０）との間の前記円形壁（１１）は、約０．８ｍｍ〜１．２ｍｍの範囲の曲率半径（Ｒ２）を有することを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載の容器。
7. 前記平らな面（９）と前記曲線状の面（１０）との間の前記円形壁（１１）は、約１ｍｍの曲率半径（Ｒ２）を有することを特徴とする、請求項６に記載の容器。
8. 前記容器は、軸方向に互いに間隔を置いて配置された複数の前記変形可能な溝（６）を有することを特徴とする、請求項１から７のいずれか１項に記載の容器。
9. 前記変形可能な溝（６）の少なくともいくつかが連続的に配置されていることを特徴とする、請求項８に記載の容器。
10. 少なくとも１つの変形不能な溝（１３）が、少なくともいくつかの前記変形可能な溝（６）の間に配置されていることを特徴とする、請求項８に記載の容器。
11. 前記変形可能な溝（６）が、前記変形不能な溝（１３）と交互に配置されていることを特徴とする、請求項１０に記載の容器。
12. 少数の前記変形可能な溝（６）が前記容器の前記本体の一部にまとめて配置され、前記本体（２）の残りの部分には溝を有していないことを特徴とする、請求項８または９に記載の容器。

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