以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。図1は本実施形態に係るプラスチックボトル1の一例が示された正面図である。図2は図1のプラスチックボトル1にラベル70が貼付された状態の一例が示された正面図である。図3は図1のプラスチックボトル1の平面図であり、図4は図1のプラスチックボトル1の底面図である。なお、以下では、説明の便宜上、プラスチックボトル1を正立させた図1の状態において、容器内に内容物が充填されるプラスチックボトル1の口部10を上とする。
図1〜図6に示されるように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40とを有する。そして、胴部30は、環状の周溝である第1周溝50を複数有するラベル領域34を含む上側円筒部31と、上側円筒部31に連なり、環状の周溝である第2周溝51を複数有する減圧吸収領域35を含む下側円筒部32とを有し、下側円筒部の直径D2は、上側円筒部の直径D1より大であり、第1周溝50の深さd1は、第2周溝51の深さd2より小であり、第1周溝50の幅w1は、第2周溝51の幅w2より大であることを特徴とする。以下では、本実施形態に係るプラスチックボトル1の好適な態様として、上側円筒部31に6本の第1周溝50(50A〜50F)を有するラベル領域34が配置され、下側円筒部32に6本の第2周溝51(51A〜51F)を有する減圧吸収領域35が配置される形態を例示し、詳細に説明する。
口部10は、内容物の充填口、及び注出口、あるいは飲み口となり、口部10に、図示せぬキャップが取り付けられることによってプラスチックボトル1が密閉される。なお、口部10を密閉する形態は特に限定されるものではなく、螺合方式のキャップや打栓方式のキャップなどを用いることができる。
肩部20は、その上方が口部10に連なり、一方で、その下方が胴部30に連なる。肩部20は、上方から下方に向かって拡径する略円錐台の筒形状を有する。肩部20は、鉛直断面においてプラスチックボトル1の外方へ湾曲した面から形成されているが、内方へ湾曲した面であっても良く、肩部20の形状は特に限定されるものではない。
次に、胴部30は、肩部20に連なる上側円筒部31と、上側円筒部31に連なる下側円筒部32とを有する。上側円筒部31は、同一径の円筒形状であり、その直径はD1である。また、下側円筒部32は、同一径の円筒形状であり、その直径はD2である。下側円筒部32の直径D2は、上側円筒部31の直径D1より大である。なお、上側円筒部31と下側円筒部32は、連結円筒部33を介して連結されている。連結円筒部33は、上方から下方に向かって拡径する円筒形状である。
上側円筒部31には、プラスチックボトル1の内方へ窪み、水平方向に延びる環状の周溝である、6本の第1周溝50(50A〜50F)が形成されている。また、下側円筒部32には、プラスチックボトル1の内方へ窪み、水平方向に延びる環状の周溝である、6本の第2周溝51(51A〜51F)が形成されている。第1周溝50と第2周溝51とでは、その形状が異なる。第1周溝50と第2周溝51は、胴部30の水平方向の荷重に対する強度を向上させる。また、第1周溝50と第2周溝51は、鉛直方向の荷重に対して、クッションの役割を果たし、胴部30の座屈を防止する。なお、第2周溝51は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、鉛直方向に収縮変形することで、この減圧を吸収する。一方、第1周溝50は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、鉛直方向に収縮変形しないことで、胴部30の形状を保持する。つまり、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、第2周溝51の鉛直方向の収縮量は第1周溝50の鉛直方向の収縮量より大であり、第2周溝51によって減圧を吸収し、第1周溝50によって形状を保持する。
ここで、上側円筒部31は、上述の6本の第1周溝50(50A〜50F)を有するラベル領域34を有する。そして、このラベル領域34には、図2に示すようにラベル70を貼付することができ、貼付されたラベルによって、プラスチックボトル1の意匠性の向上や、内容物の情報を付与することができる。一方、下側円筒部32は、6本の第2周溝51(51A〜51F)を有する減圧吸収領域35を有する。
ラベル領域34は、上方から下方へ向けて6本の第1周溝50(50A〜50F)を等間隔で備える。減圧吸収領域35は、上方から下方へ向けて6本の第2周溝51(51A〜51F)を等間隔で備える。ラベル領域34は、第1周溝50によって、水平方向の荷重に対する強度が向上させるとともに、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の変形を抑制させる領域であり、ラベル70を好適に貼付することができ、詳細については後述する。減圧吸収領域35は、プラスチックボトル1の内部の減圧を第2周溝51によって効果的に吸収するとともに、胴部30の強度を保持する効果を有し、詳細については後述する。
底部40は、その上方が胴部30の下方に連なる。隣接する胴部30と、底部40との間には、面取りがなされた面取り部41が形成される。底部40は胴部30に対して垂直方向に伸び、プラスチックボトル1の接地面となる略平板状の底壁42と、底壁42からプラスチックボトル1の内方へ突出するドーム43とを有する。ドーム43は、プラスチックボトル1の径方向へ放射状に延びる8本の放射状リブ44を備える(図4参照)。このドーム43、及び放射状リブ44は、底部40の強度を向上させる。なお、底部40は、上述の構成に限定されるものではなく、例えば、放射状リブ44の数が少なくても(例えば4本)、多くても(例えば12本)良い。
次に、上側円筒部31が有するラベル領域34と下側円筒部32が有する減圧吸収領域35の詳細について説明する。図5は図1のIV−IV線断面図であり、図6は図1のV−V線断面図である。なお、図5は、第1周溝50の鉛直断面図であり、図5の右側がプラスチックボトル1の内部である。また、図6は、第2周溝51の鉛直断面図であり、図6の右側がプラスチックボトル1の内部である。
上述したように、ラベル領域34は、上方から下方へ向けて6本の第1周溝50(50A〜50F)を等間隔で有し、隣接する第1周溝50間の距離はL1である。ここで、距離L1は、第1周溝50の中央から隣接する別の第1周溝50の中央までの距離である。そして、図5に示すように、第1周溝50は、上側周面53と、溝底面54と、下側周面55とから構成される。上側周面53は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面54は、鉛直な周面である。下側周面55は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面53は溝底面54の上縁と連なり、下側周面55は溝底面54の下縁と連なっている。
第1周溝50の深さd1は、周方向に一定である。第1周溝50の溝幅w1は、周方向に一定である。溝底面54の幅、つまり、第1周溝50の溝底部の幅w3は、周方向に一定である。上側周面53と下側周面55は、溝底面54を中心として上下対称であり、上側周面53の水平に対する傾斜の角度と下側周面55の水平に対する傾斜の角度は同一である。そして、上側周面53と下側周面55とのなす角度、つまり第1周溝50の開き角度はθ1である。
一方、減圧吸収領域35は、上方から下方へ向けて6本の第2周溝51(51A〜51F)を等間隔で備え、隣接する第2周溝51間の距離はL2である。ここで、距離L2は、距離L1と同様に、第2周溝51の中央から隣接する別の第2周溝51の中央までの距離である。そして、図6に示すように、第2周溝51は、上側周面56と、溝底面57と、下側周面58とから構成される。上側周面56は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面57は、鉛直な周面である。下側周面58は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面56は溝底面57の上縁と連なり、下側周面58は溝底面57の下縁と連なっている。
第2周溝51の深さd2は、周方向に一定である。第2周溝51の溝幅w2は、周方向に一定である。溝底面57の幅、つまり、第2周溝51の溝底部の幅w4は、周方向に一定である。上側周面56と下側周面58は、溝底面57を中心として上下対称であり、上側周面56の水平に対する傾斜の角度と下側周面58の水平に対する傾斜の角度は同一である。そして、上側周面56と下側周面58とのなす角度、つまり第2周溝51の開き角度はθ2である。
ここで、第1周溝50と第2周溝51とは、同様の構成からなる周溝であって、その深さや幅などが異なる。そして、第1周溝50の深さd1は、第2周溝51の深さd2より小である。また、第1周溝50の幅w1は、第2周溝51の幅w2より大である。
幅が広くかつ浅い溝である第1周溝50は、水平方向の荷重に対する強度を向上させる。更に、第1周溝50は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、鉛直方向へ収縮変形しにくく、形状が保持される。そして、この第1周溝50が等間隔に配置されるラベル領域34は、水平方向の荷重に対する強度が向上するとともに、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の変形が抑制されて形状が保持される。したがって、ラベル領域34は、ラベル70が貼付される際に変形することがなく、ラベル領域34にラベル70を容易に貼付することができる。さらに、ラベル領域34は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた場合であっても収縮変形しにくい領域であり、このラベル領域34に貼付されるラベル70には、緩み、浮き、しわなどが発生しにくい。
一方、幅が狭く深い溝である第2周溝51は、水平方向に対する強度を向上させるとともに、鉛直方向の荷重による座屈を防止する。更に、第2周溝51は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、鉛直方向へ収縮変形し、内部の減圧を吸収する役割を果たす。ここで、第2周溝51の鉛直方向の収縮量は第1周溝50の鉛直方向の収縮量より大である。そして、この第2周溝51が等間隔に配置される減圧吸収領域35は、プラスチックボトル1の内部の減圧を効果的に吸収するとともに、鉛直方向及び水平方向の強度を向上して、鉛直方向の荷重による座屈を防止することができる。そして、プラスチックボトル1全体の外観を良好に維持できる。
ここで、第1周溝50は、上側周面53と上側円筒部31の円筒面との間(上側周面53の上縁の稜線)、上側周面53と溝底面54との間、溝底面54と下側周面55との間、下側周面55と上側円筒部31の円筒面との間(下側周面55の下縁の稜線)に適宜R取りを設けることができる。また、溝底面54は、プラスチックボトル1の内方へ向けて湾曲した面であっても良い。
また、第2周溝51は、上側周面56と下側円筒部32の円筒面との間(上側周面56の上縁の稜線)、上側周面56と溝底面57との間、溝底面57と下側周面58との間、下側周面58と下側円筒部32の円筒面との間(下側周面58の下縁の稜線)に適宜R取りを設けることができる。また、溝底面57は、プラスチックボトル1の内方へ向けて湾曲した面であっても良い。
なお、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際に、ラベル領域34では形状を保持し、減圧吸収領域35では内部の減圧を吸収し、胴部30全体の強度および形状を維持する観点から、第1周溝50の深さd1は、1.0mm以上かつ3.0mm以下が好ましく、第2周溝51の深さd2は、3.0mm以上かつ5.0mm以下が好ましい。深さd1は、3.0mmよりも大であると、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際に、鉛直方向に収縮変形しやすくなり、ラベル領域34の形状を保持しにくくなる。一方で、深さd1は、1.0mmよりも小であると、水平方向の荷重に対する強度を向上する効果が発揮されにくくなる。また、深さd2は、5.0mmよりも大であると、座屈変形しやすくなるとともに、賦形性が悪くなりやすい。一方で、深さd2は、3.0mmよりも小であると、鉛直方向の荷重による座屈を防止する効果と内部の減圧を吸収する効果が発揮されにくくなる。
また、第1周溝50の幅w1は、4.0mm以上かつ10.0mm以下が好ましく、6.0mm以上かつ8.0mm以下がより好ましい。第2周溝51の幅w2は、4.0mm以上かつ10.0mm以下が好ましく、5.0mm以上かつ7.0mm以下がより好ましい。幅w1は、10.0mmよりも大であると、水平方向の荷重に対する強度を向上する効果が発揮されにくくなる。一方で、幅w1は、4.0mmよりも小であると、座屈変形しやすくなるとともに、賦形性が悪くなりやすい。また、幅w2は、10.0mmよりも大であると、座屈変形しやすくなる。一方で、幅w2は、4.0mmよりも小であると、鉛直方向の荷重による座屈を防止する効果と内部の減圧を吸収する効果が発揮されにくくなるとともに、賦形性が悪くなりやすい。
また、隣接する第1周溝50間の距離L1は、8.0mm以上かつ20.0mm以下が好ましく、隣接する第2周溝51間の距離L2は、8.0mm以上かつ20.0mm以下が好ましい。距離L1は、8.0mmよりも小であると、ラベル領域34の平坦な面(円筒形状)が少なくなり、ラベル70を貼付しにくくなる。また、賦形性が悪くなりやすい。一方で、距離L1は、20.0mmよりも大であると、ラベル領域34における水平方向の荷重に対する強度が向上しにくくなる。また、距離L2は、8.0mmよりも小であると、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、収縮変形した第2周溝51同士が隣接し、減圧吸収領域35が全体として湾曲した形状となりやすく、胴部30の安定した形状を維持しにくくなる。また、賦形性が悪くなりやすい。一方で、距離L2は、20.0mmよりも大であると、減圧吸収領域35における十分な内部の減圧吸収効果が得られず、内部に減圧が生じた際のプラスチックボトル1の外観が維持されにくくなる。
また、第1周溝50の開き角度θ1は、第2周溝51の開き角度θ2より大であることが好ましい。このような構成にすることで、ラベル領域34は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の変形が抑制されて形状が保持される。一方、減圧吸収領域35は、プラスチックボトル1の内部の減圧を効果的に吸収するとともに、鉛直方向及び水平方向の強度が向上し、鉛直方向の荷重による座屈を防止することができる。したがって、プラスチックボトル1は、内部に減圧が生じた場合であっても、ラベル領域34にラベル70を好適に貼付することができるとともに、プラスチックボトル1全体の外観を良好に維持できる。
そして、第1周溝50の開き角度θ1は、60度以上かつ150度以下が好ましく、75度がより好ましい。第2周溝51の開き角度θ2は、45度以上かつ90度以下が好ましく、60度がより好ましい。角度θ1は、150度よりも大であると、水平方向の荷重に対する強度の向上効果が発揮されにくくなる。一方で、角度θ1は、60度よりも小であると、鉛直方向の荷重に対する強度が低下しやすくなるとともに、賦形性が悪くなりやすい。また、角度θ2は、90度よりも大であると、水平方向の荷重に対する強度の向上効果が発揮されにくくなるとともに、内部に減圧が生じた際に第2周溝53が鉛直方向に収縮変形せず、溝底部57を起点として折れ曲がりやすくなる。そして、胴部30が湾曲した形状となりやすい。一方で、角度θ2は、45度よりも小であると、鉛直方向の荷重に対する強度が低下しやすくなるとともに、内部の減圧を吸収する効果が発揮されにくくなる。また、賦形性が悪くなりやすい。
また、第1周溝50の溝底部の幅w3は、第2周溝51の溝底部の幅w4より大であることが好ましい。このような構成にすることで、ラベル領域34は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の変形が抑制されて形状が保持される。一方、減圧吸収領域35は、プラスチックボトル1の内部の減圧を効果的に吸収するとともに、鉛直方向及び水平方向の強度が向上し、鉛直方向の荷重による座屈を防止することができる。したがって、プラスチックボトル1は、内部に減圧が生じた場合であっても、ラベル領域34にラベル70を好適に貼付することができるとともに、プラスチックボトル1全体の外観を良好に維持できる。
そして、第1周溝50の溝底部の幅w3は、0.5mm以上かつ3.0mm以下が好ましく、1.0mm以上かつ2.0mm以下がより好ましい。第2周溝51の溝底部の幅w4は、0.01mm以上かつ2.0mm以下が好ましく、0.5mm以上かつ1.0mm以下がより好ましい。幅w3は、3.0mmよりも大であると、内部の減圧が生じた際の減圧の影響によって変形しやすくなる。一方で、幅w3は、0.5mmよりも小であると、水平方向の荷重に対する強度の向上効果が発揮されにくくなるとともに、賦形性が悪くなりやすい。また、幅w4は、2.0mmよりも大であると、内部の減圧を吸収する効果と鉛直方向の荷重による座屈を防止する効果が発揮されにくくなる。また、内部に減圧が生じた際に第2周溝51が鉛直方向に収縮変形せず、溝底部57を起点として折れ曲がりやすくなり、胴部30が湾曲した形状となりやすい。一方で、幅w4は、0.01mmよりも小であると、賦形性が悪くなりやすい。
また、ラベル領域34の幅w5と胴部30の幅w7との比w5/w7は、0.2以上かつ0.8以下が好ましい。ここで、幅w5は、6本の第1周溝50(50A〜50F)を含む上側円筒部31の領域の幅であって、上側円筒部31の上端と最上方に位置する第1周溝50Aとの間から、最下方に位置する第1周溝50Fと上側円筒部31の下端との間までの幅である。また、胴部30の幅w7は、胴部30の上端から下端までの幅である。比w5/w7が0.2よりも小であると、ラベル領域34に貼付可能なラベル70の幅が狭くなり、貼付されるラベル70による意匠効果や情報提供効果が十分に発揮されにくくなる。一方で、比w5/w7が0.8よりも大であると、減圧吸収領域35の範囲を十分に確保しにくくなり、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の十分な減圧吸収効果が得られず、プラスチックボトル1全体の外観を良好に維持しにくくなる。
また、減圧吸収領域35の幅w6と胴部30の幅w7との比w6/w7は、0.2以上かつ0.8以下が好ましい。ここで、幅w6は、6本の第2周溝51(51A〜51F)を含む胴部30の領域の幅であって、最上方に位置する第2周溝51Aから、最下方に位置する第2周溝51Fまでの幅である。比w6/w7が0.2よりも小であると、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の十分な減圧吸収効果が得られず、プラスチックボトル1全体の外観を良好に維持しにくくなる。一方で、比w6/w7が0.8よりも大であると、ラベル領域34の範囲を十分に確保しにくくなり、ラベル領域34に貼付可能なラベル70の幅が狭くなり、貼付されるラベル70による意匠効果や情報提供効果が十分に発揮されにくくなる。
ここで、上述したように、上側円筒部31の直径D1と上側円筒部の直径D2とは異なり、下側円筒部32の直径D2が上側円筒部31の直径D1より大である。このような構成にすることで、正立させた状態におけるプラスチックボトル1の重心が低くなるため、プラスチックボトル1を安定して正立させることができる。また、複数のプラスチックボトル1を正立させた状態で隣接して並べた際、隣り合うプラスチックボトル1同士は、直径が大きい下側円筒部32同士が接触し、上側円筒部31は接触することがない。したがって、ラベル領域34に貼付されるラベル70の剥がれや傷つきを防止することができる。
そして、上側円筒部31の直径D1と下側円筒部32の直径D2との比D1/D2は、0.85以上かつ0.99以下が好ましい。比D1/D2が0.85より小であると、プラスチックボトル1を正立させた状態での積載効率や陳列効率が低下し易くなる。一方で、比D1/D2が0.99より大であると、上側円筒部31と下側円筒部32とを連結する連結円筒部33が屈曲点になりやすく、鉛直方向及び水平方向の荷重に対する強度が低下しやすい。また、正立させた状態におけるプラスチックボトル1の重心が低くなりにくく、プラスチックボトル1を安定して正立させる効果が発揮されにくくなる。また、ラベル領域34に貼付されるラベル70の剥がれや傷つきを防止する効果が発揮されにくくなる。
また、底部40の接地面42から上側円筒部31の下端までの高さH2と、プラスチックボトル1の全高H1との比H2/H1は、0.3以上かつ0.7以下であることが好ましい。このような構成にすることで、正立させた状態におけるプラスチックボトル1の重心を好適に低くすることができ、プラスチックボトル1を更に安定して正立させることができる。また、プラスチックボトル1を正立させた状態において、ラベル領域34に貼付されるラベル70を好適に視認させることができ、ラベル70による意匠効果や情報提供効果を向上させることができる。なお、比H2/H1が0.7よりも大であると、上側円筒部31の幅が小さくなり、ラベル領域34の十分な幅が確保しにくくなる。一方で、比H2/H1が0.3よりも小であると、上側円筒部31の幅が大きくなり、プラスチックボトル1の重心が低くなりにくく、プラスチックボトル1を安定して正立させにくくなる。また、ラベル領域34が胴部30の下側に位置することになり、プラスチックボトル1を正立させた状態において、ラベル領域34に貼付されるラベル70の視認性が悪化しやすくなり、ラベル70による意匠効果や情報提供効果が十分に発揮されにくくなる。また、十分な減圧効果を得るためには、ラベル領域34の更に上方に別の減圧吸収領域を設ける必要が生じる。ここで、水平方向の強度が向上したラベル領域34を把持することでプラスチックボトル1を好適に持ち運ぶことが可能となるが、比H2/H1が0.3よりも小であると、ラベル領域34が胴部30の下側に位置することになる。つまり、プラスチックボトル1を持ち運ぶ際、プラスチックボトル1の下側を把持することになるため、プラスチックボトル1の取り扱い性が低下する。
そして、プラスチックボトル1は、上述したように、上側円筒部31にプラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際に形状が保持されるラベル領域34を有し、下側円筒部32にプラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際に内部の減圧を効果的に吸収する減圧吸収領域35を有することで、プラスチックボトル1全体として座屈強度を保持しながらプラスチックボトル1の内部の減圧を吸収し外観を良好に維持できる。そして、水平方向の荷重に対する強度が向上したラベル領域34には、ラベル70を好適に貼付することができる。また、ラベル領域34は、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の影響を受けにくく変形が抑えられるので、ラベル領域34に貼付したラベル70に緩み、浮き、しわが発生することを防止することができる。また、下側円筒部32の直径D2は、上側円筒部31の直径D1より大であるので、プラスチックボトル1を安定して正立させることができるとともに、輸送時や陳列時にラベル70同士が接触することがなく、ラベル70の剥がれや傷つきを防止することができる。
ここで、ラベル領域34に貼付するラベル70は、特に限定されるものではなく、例えば紙ラベルを用いることができる。紙ラベルとしては、紙を基材層とし、この基材層の表面に印刷層、トップコート層が順次積層された積層材料を用いることができる。この基材層には、上質紙、クラフト紙、模造紙、コート紙などを用いることができる。また、印刷層は、公知のグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷などの印刷方式により、デザインや情報などの印刷が施されて形成される。また、トップコート層は、印刷層や基材層を保護するための樹脂から形成される透明な保護層であり、樹脂としては、アクリルなどが用いられる。なお、紙ラベルは上述の構成に限定されるものではなく、例えば、トップコート層を備えない構成や、基材層と印刷層との間にアルミニウム蒸着層を有する構成などであっても良い。
上述のような紙ラベルは、ラベル領域34に貼付されて装着される。例えば、紙ラベルの裏面(基材層の裏面)に接着剤を塗布してラベル領域34に貼付することができるが、貼付の方法は特に限定されるものではない。また、貼付に用いられる接着剤は特に限定されるものではなく、例えば、デンプン糊などを用いることができる。
また、ラベル領域34に装着するラベル70は、各種合成樹脂から構成されるロールラベルやシュリンクラベルなどであっても良い。ロールラベルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピンなどから構成される単層または多層の樹脂フィルムを用いることができ、その厚みは20μm〜40μmである。シュリンクラベルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンなどから構成される単層または多層の樹脂フィルムを用いることができ、その厚みは30μm〜60μmである。なお、ロールラベルやシュリンクラベルには、適宜印刷層が形成される。
ラベル領域34は、複数の第1周溝50を有することによって、水平方向の荷重に対する強度が向上するとともに、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際の変形を抑制して形状が保持される。したがって、熱収縮によってプラスチックボトルに装着されるシュリンクラベルであっても好適に装着することが可能であり、ラベルによる意匠効果や情報提供効果を好適に発揮させることができる。なお、ラベル領域34に貼付されて装着されるラベル70、特に紙ラベルにおいては、貼付の際にラベル領域34が変形することがなく、好適に紙ラベルを貼付できる。一方、貼付後においては、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際にこの減圧によってラベル領域34が変形することがなく、紙ラベルには緩み、浮き、しわなどが発生しにくい。
ここで、胴部30は、上述の構成に限定されるものではなく、複数の第1周溝50を有するラベル領域34を含む上側円筒部31と、複数の第2周溝51を有する減圧吸収領域35を含む下側円筒部32とを有し、下側円筒部32上の直径D2が上側円筒部31の直径D1より大である構成であれば良い。
そして、ラベル領域34が有する第1周溝50の数と、減圧吸収領域35が有する第2周溝51の数は、上述の構成に限定されるものではなく、プラスチックボトル1の大きさなどに応じて適宜設計できる。
また、隣接する第1周溝50間の距離L1は、それぞれの第1周溝50間、例えば、第1周溝50Bと第1周溝50C間の距離L1と、第1周溝50Cと第1周溝50D間の距離L1とが異なる構成であっても良い。しかし、ラベル領域34における強度とプラスチックボトル1の内部の減圧に対する形状保持の観点から、隣接する第1周溝50間の距離L1は、いずれも等しく、第1周溝50が等間隔で配置される構成が好ましい。このような構成にすることで、ラベル領域34には減圧による偏荷重がかかりにくくなり、ラベル領域34の変形を効果的に抑制することができる。
また、ラベル領域34は、第1周溝50とは異なる構成の補強溝、例えば、第2周溝51を有する構成であっても良い。しかし、ラベル領域34におけるプラスチックボトル1の内部の減圧に対する形状保持の観点から、ラベル領域34は第1周溝50のみを有する構成が好ましい。このような構成にすることで、ラベル領域34の強度が均等化され、プラスチックボトル1の内部の減圧に対して好適に形状を保持できる。また、ラベル領域34は、第2周溝51のようなプラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際に変形する構成を含まないため、貼付後のラベル70には緩み、浮き、しわが生じない。
また、隣接する第2周溝51間の距離L2は、それぞれの第2周溝51間、例えば、第2周溝51Bと第2周溝51C間の距離L2と、第2周溝51Cと第2周溝51D間の距離L2とが異なる構成であっても良い。しかし、減圧吸収領域35における強度とプラスチックボトル1の内部の減圧吸収効果の観点から、隣接する第2周溝51間の距離L2は、いずれも等しく、第2周溝51が等間隔で配置される構成が好ましい。このような構成にすることで、プラスチックボトル1の内部に減圧が生じた際、減圧吸収領域35の変形が鉛直方向で均一になり、変形時における圧吸収領域35の形状が安定し、プラスチックボトル1の外観を良好に維持できる。
また、減圧吸収領域35は、第2周溝51とは異なる構成の補強溝、例えば、第1周溝50を有する構成であっても良い。しかし、減圧吸収領域35における強度とプラスチックボトル1の内部の減圧吸収効果の観点から、減圧吸収領域35は第2周溝51のみを有する構成が好ましい。このような構成にすることで、減圧吸収領域35の強度とプラスチックボトル1の内部の減圧吸収効果とが均等化され、プラスチックボトル1の内部の減圧を効果的に吸収することができとともに、減圧吸収領域35には減圧による偏荷重がかかりにくくなる。そして、減圧吸収領域35は、減圧によって変形する際の形状が安定し、プラスチックボトル1の外観を良好に維持できる。
また、上側円筒部31の直径D1は、図7に示すように、肩部20の下端における直径D3よりも小さい構成であっても良い。つまり、肩部20と上側円筒部31との連結部に段差60が形成される構成であっても良い。このような構成にすることで、肩部20と上側円筒部31との連結部における水平方向の荷重に対する強度が向上する。また、ラベル領域34の上端は段差60となるため、この段差60を基準としてラベル70をラベル領域34に貼付することができる。したがって、ラベルの貼付が容易に行えるとともに、ラベル70の抜けを好適に防止することができる。また、プラスチックボトル1を横置きする際、ラベル70が外部と接触することがなく、ラベル70の剥がれや傷つきを防止することができる。
また、図8に示すように、胴部30は、上側円筒部31の上端と下端とのそれぞれに第1周溝50とは異なる構成の補強溝61、62を有する構成であっても良い。なお、補強溝61、62は、上述の第2周溝51と同じ構成である。そして、上側円筒部31は5本の第1周溝50を有するラベル領域34を有し、下側円筒部32は5本の第2周溝51を有する減圧吸収領域35を有する。ここで、上側円筒部31は、補強溝61を介して肩部20に連なる。また、上側円筒部31は、上述の連結円筒部33に替わって、補強溝62を介して下側円筒部32に連なる。このような構成にすることで、上側円筒部31においても、補強溝61、62によってプラスチックボトル1の内部の減圧吸収効果が得られる。なお、この補強溝61、62は、ラベル領域34には影響を与えることがないため、貼付後のラベル70には緩み、浮き、しわなど生じない。したがって、胴部30の鉛直方向における減圧吸収効果のバランスが図られ、プラスチックボトル1の内部の減圧を効果的に吸収して外観を良好に維持できる。なお、補強溝61、62は、第2周溝51と異なる構成であってもよいが、プラスチックボトル1の内部の減圧吸収効果の観点から、第2周溝51と同一の構成とすることが好ましい。また、補強溝61、62は、上側円筒部31の少なくとも上端及び下端のいずれか一方に設ける構成であれば良いが、上側円筒部31における強度と減圧吸収効果のバランスを図る観点から、上端及び下端の両方に設ける構成が好ましい。
本実施形態に係るプラスチックボトル1はサイズによって限定されることはなく、種々のサイズに対して適用することができるが、プラスチックボトル1の内容量が200ml〜2000mlであるプラスチックボトル1に対して好適である。とりわけ、プラスチックボトル1の全高H1が130mm〜300mmであり、上側円筒部31の直径D1が48mm〜98mmであり、下側円筒部32の直径D2が50mm〜100mmであることが好ましく、本実施形態に係るプラスチックボトル1の奏する効果を好適に得ることができる。
プラスチックボトル1を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂、あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレート等のエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好適に使用することができる。更に、アクリロニトリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等も使用することができる。更に、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えば、ポリ乳酸(PLA)を用いることも可能である。上述された樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合することができる。
プラスチックボトル1を構成するエチレンテレフタレート系熱可塑性樹脂として、エステル反復部分の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃であり、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。また、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートが耐圧性等の点で特に優れているものの、エチレンテレフタレート単位以外に、イソフタル酸や、ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸と、プロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位を少量含む共重合ポリエステルも使用することができる。
更に、プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成する場合には、層間にバリア層や、酸素吸収層等の中間層を備えることができる。酸素吸収層としては、酸化可能有機成分、及び遷移金属触媒の組み合わせ、あるいは実質的に酸化しないガスバリア性樹脂等を含む層を使用することができる。
プラスチックボトル1は、上述の材料を射出成形して製作したプリフォームをブロー成形によって成形することにより作製することができる。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、胴部30は、環状の周溝である第1周溝50を複数有するラベル領域34を含む上側円筒部31と、上側円筒部31に連なり、環状の周溝である第2周溝51を複数有する減圧吸収領域35を含む下側円筒部32とを有し、下側円筒部32の直径D2は、上側円筒部31の直径D1より大である構成であり、第1周溝50の深さd1は、第2周溝51の深さd2より小であり、第1周溝50の幅w1は、第2周溝52の幅w2より大である。そして、本実施形態に係る構成によれば、軽量化されたプラスチックボトル1に対して、座屈強度を保持しながらプラスチックボトル1の内部の減圧を吸収して外観を良好に維持できるとともに、ラベル70をラベル領域34に好適に貼付することができる。また、プラスチックボトル1を安定して正立させることができるとともに、輸送時や陳列時にラベル70同士が接触することがなく、ラベル70の剥がれや傷つきを防止することができる。
以下に、実施例を示して、本発明を更に詳細、かつ具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示される本実施形態に係るプラスチックボトル1が用いられた。すなわち、プラスチックボトル1は、胴部30は、上側円筒部31と上側円筒部31より直径が大である下側円筒部32とを有する構成であり、上側円筒部31は、6本の第1周溝50を有するラベル領域34を含み、下側円筒部32は、6本の第2周溝51を有する減圧吸収領域35を含み、第1周溝50の深さd1は、第2周溝51の深さd2より小であり、第1周溝50の幅w1は、第2周溝52の幅w2より大であるといった特徴を有している。プラスチックボトル1は、ポリエチレンテレフタレート製であり、重量が23.8gで、容量が1050mlであった。また、プラスチックボトル1は、全高H1が270.0mmで、上側円筒部31の直径D1が76mmで、下側円筒部32の直径D2が81mmで、第1周溝50の深さd1が2.0mmで、第2周溝51の深さd2が3.0mmで、第1周溝50の幅w1が6.5mmで、第2周溝51の幅w2が5.7mmで、ラベル領域34の幅w5が103mmで、減圧吸収領域35の幅w6が100mmで、接地面42から上側円筒部31の下端までの高さH2は102mmであった。プラスチックボトル1は、プリフォームをブロー成形することによって作製された。プラスチックボトル1のラベル領域34には、紙ラベル(幅97mm)が、接着剤としてのデンプン糊を用いて貼付された。なお、ラベル領域34に紙ラベルを貼付する際、ラベル領域34は変形することがなかった。
(常温時外観確認試験)
紙ラベルが貼付された実施例1のプラスチックボトル1に70℃に加熱された水をホット充填方式によって1000g充填し、口部10をキャップによって密封した。この内容物がホット充填方式によって充填されたプラスチックボトル1を常温(23℃)下に静置した。この時、プラスチックボトル1の正立した状態での全高と、胴部30の下端に対する上端の水平方向の最大変位、つまり胴部30の傾き量とをそれぞれ測定した。表1に結果を示す。なお、プラスチックボトル1は、安定して正立させることができ、窪みなどの変形は生じず、外観は良好に維持された。また、ラベル領域34に貼付された紙ラベルには、緩み、浮き、しわは発生しなかった。
(垂直座強度試験)
紙ラベルが貼付された実施例1のプラスチックボトル1に70℃に加熱された水をホット充填方式によって1000g充填し、口部10をキャップによって密封した。この内容物がホット充填方式によって充填されたプラスチックボトル1を常温(23℃)下に静置した。この時、プラスチックボトル1の正立した状態での垂直座屈強度を測定した。この垂直座屈強度の測定は、AGR社製のテスター、TOP LOADを使用して行った。
表1に結果を示す。
(輸送外観試験)
紙ラベルが貼付された実施例1のプラスチックボトル1に70℃に加熱された水をホット充填方式によって1000g充填し、口部10をキャップによって密封した。この内容物がホット充填方式によって充填されたプラスチックボトル1を常温(23℃)下に静置した。この内容物が充填されたプラスチックボトル1を、正立状態で縦3本、横4本に配列させてダンボールに箱詰めした。このプラスチックボトル1が詰められたダンボールを、貨物トラックにて1200kmの距離を輸送した。輸送後のプラスチックボトル1に貼付された紙ラベルには、緩み、浮き、しわ、傷、破れは発生しなかった。
上述された実施例から以下の点が導き出された。実施例1は、ホット充填方式によって内容物が充填された場合において、常温状態におけるプラスチックボトル1の内部の減圧を主に減圧吸収領域35における第2周溝51が収縮変形することで吸収し、この収縮変形は略鉛直方向であって胴部30が大きく傾くことなく、窪みなどの変形は生じず、外観を良好に維持できた。さらに、プラスチックボトル1の座屈強度は380Nであった。また、ラベル領域34には紙ラベルを好適に貼付できるととともに、この貼付された紙ラベルには、緩み、浮き、しわは発生せず、紙ラベルの意匠効果及び情報提供効果は良好であった。また、プラスチックボトル1を正立させて輸送した紙ラベルは剥がれることがなく、また、紙ラベルには傷や破れは発生せず、紙ラベルの剥がれや傷つきが防止できた。
上述された実施例から、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、その構成によって、軽量化されたプラスチックボトルにおいて、ホット充填方式によって充填された後に常温保管される際のプラスチックボトルの内部の減圧を吸収でき、薄肉化されても座屈強度を保持するとともに外観を良好に維持でき、胴部に紙ラベルを好適に貼付することができるものであることが示された。更に、このプラスチックボトルは安定して正立させることができるとともに、輸送時におけるラベルの剥がれや傷つきが防止されることが示された。