JP6347167B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックボトルに関し、より詳細には、軽量化されたプラスチックボトルの構造に関する。
例えば、飲料が充填される容器としてプラスチックボトルが用いられる。そして、プラスチックボトルの生産量は年々増加傾向にある。一方で、省資源化、ごみの減量化や、輸送時の環境負荷低減等による、エネルギー使用量、及び二酸化炭素排出量の低減の観点から原料の使用量を削減することによるプラスチックボトルの軽量化が取り組まれている。
プラスチックボトルを軽量化するとプラスチックボトルの容器の肉厚が薄くなる為、プラスチックボトルの強度が低下する傾向がある。プラスチックボトルは、複数本の容器の口が上を向いた状態で段ボール等に箱詰めにされたものを複数個積み上げ一つのパレットとして、保管、及び輸送される。その際に、プラスチックボトルが、その上下方向の荷重に耐える強度である座屈強度を充分に有していない場合には、座屈変形が生じ、荷崩れが発生するおそれがある。
更に、プラスチックボトルが、その水平方向の荷重に耐える強度である側壁強度を充分に有していない場合には、プラスチックボトルが横向きに積載される自動販売機内において下段にあるプラスチックボトルは側面に変形を生じやすくなり、自動販売機から正常に排出されなくなるおそれがある。なお、プラスチックボトルが、自動販売機から正常に排出されるか否かの特性はベンダー適性とも称される。
更に、プラスチックボトルは、樹脂製のプリフォームをブロー成形することによって作製されるが、プラスチックボトルの容器の肉厚を薄くすることによって、白化等の賦形不良が生じやすくなる傾向がある。そして、プラスチックボトルの賦形不良は、ブロー成形時におけるプリフォームからの延伸量が多く樹脂が到達しにくい部位、例えば、激しい凹凸を有する部位や底部などで発生しやすい。
ところで、プラスチックボトルの形状には大別して、容器の胴部の断面が円形の丸ボトルと、容器の胴部の断面が略四角形の角ボトルとがある。丸ボトルでは、容器の周囲に貼り付けられるラベルが容器の真正面からみづらい場合がある。一方で、角ボトルでは、上述のような問題が生じにくく、更に、積載効率や陳列効率が優れており、これらの長所を有する角ボトルの需要は多い。
しかしながら、上述のような強度、特に座屈強度は、丸ボトルの場合には上下方向の荷重が円形の胴部に効果的に分散されるのに対し、胴部が面と、コーナー部を形成する柱(ピラー)とで構成される角ボトルでは柱の部分に偏荷重がかかってしまうので弱くなる。したがって、角ボトルを軽量化する際には強度の対策が特に必要となる。
特許文献1に開示されている横断面形状が角型のプラスチックボトルでは、上下方向の荷重に耐える強度(縦圧縮強度)を向上するために、プラスチックボトルの胴部全周に形成される環状凹溝の深さを、各コーナー部を側辺部よりも深く形成している。
特許第4330667号
特許文献1の横断面形状が角型のプラスチックボトルによれば、プラスチックボトルの胴部全周に形成される環状凹溝の深さを、各コーナー部を側辺部よりも深く形成しているので、上下方向の荷重(縦圧縮力)に対して環状凹溝の底面全周が略円形状に変形することで胴部の形状が安定し、座屈強度が向上することができるとされている。しかしながら、特許文献1では、上下方向の荷重に対する胴部の座屈強度は考えられているものの、上下方向の荷重に対する胴部の圧縮変形量やプラスチックボトルの賦形性については何ら考慮がなされていない。
ここで、上述したように、プラスチックボトルは、段ボール箱詰め状態で積み上げられて保管、及び輸送される。この際に、プラスチックボトルは作用する上下方向の荷重に応じて圧縮変形するが、段ボール箱も同様に圧縮変形する。なお、段ボール箱の圧縮変形量の限界値は、段ボールの材質、形状、大きさ等から決まっている。したがって、プラスチックボトルは、段ボール箱の圧縮変形が可能な範囲内(圧縮変形量)で、上下方向の荷重に対する座屈強度を向上させる必要がある。例えば、プラスチックボトルが上下方向の荷重に耐える十分な座屈強度を有していても、その際のプラスチックボトルの圧縮変形量が段ボールの圧縮変形が可能な範囲を超える場合、上下方向の荷重は段ボール箱に集中することになり、段ボール箱に座屈変形が生じて荷崩れが発生する恐れがある。
また、ブロー成形時におけるプリフォームは、丸ボトルの場合には胴部が円形であるので比較的均一に延伸される。しかし、角ボトルの場合には胴部の面とコーナー部とでは容器中心からの距離が異なり、プリフォームの延伸量が多くなるコーナー部に凹凸が激しい形状を形成すると、賦形不良が生じやすくなる。したがって、軽量化された角型のプラスチックボトルには、上下方向の荷重に耐える座屈強度を向上させながら圧縮変形量を小さくし、賦形性が良好であることが必要とされる。
そこで本発明の目的は、軽量化された角型のプラスチックボトルに対する、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量を小さくして段ボール箱詰め状態での荷崩れが防止でき、賦形性が良好であるプラスチックボトルを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明のプラスチックボトルは、
口部と、肩部と、胴部と、底部とを有し、
前記胴部は、複数の壁部と、前記壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、
前記壁部、及び前記コーナー部を横切る複数の環状の周溝を有するプラスチックボトルにおいて、
前記周溝の深さが、前記コーナー部での深さより前記壁部での深さが大である第1周溝と、
前記周溝の深さが、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大である第2周溝と
を有し、
前記胴部に、上方から下方に向かって順次、前記第1周溝を有する第1領域、前記第2周溝を有する第2領域、前記第1領域が配置されることを特徴とする。
更に、前記第1周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も小であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の最大深さに対する、前記第1周溝の最小深さの比は、0.20以上0.85以下であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も大であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝の最大深さに対する、前記第2周溝の最小深さの比は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の幅は、前記コーナー部での幅より前記壁部での幅が大であることを特徴とする。
更に、前記第1周溝の最小幅に対する、前記第1周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝は、前記壁部での幅より前記コーナー部での幅が大であることを特徴とする。
更に、前記第2周溝の最小幅に対する、前記第2周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下であることを特徴とする。
更に、前記胴部に、前記第1領域と前記第2領域とが上方から下方に向かって交互に配置されることを特徴とする。
更に、前記第1領域は、複数の前記第1周溝を有し、前記第2領域は、複数の前記第2周溝を有することを特徴とする。
更に、前記第1領域は少なくとも3つの前記第1周溝を有し、前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記壁部での深さは、他の前記第1周溝における前記壁部での深さよりも大であり、前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第1周溝における前記コーナー部での深さよりも大であることを特徴とする。
更に、前記第2領域は少なくとも3つの前記第2周溝を有し、前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記壁部での深さは、他の前記第2周溝における前記壁部での深さよりも小であり、前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第2周溝における前記コーナー部での深さよりも小であることを特徴とする。
本発明のプラスチックボトルによれば、口部と、肩部と、胴部と、底部とを有し、前記胴部は、複数の壁部と、前記壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、前記壁部、及び前記コーナー部を横切る複数の環状の周溝を有するプラスチックボトルにおいて、前記周溝の深さが、前記コーナー部での深さより前記壁部での深さが大である第1周溝と、前記周溝の深さが、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大である第2周溝と、を有し、前記胴部に、上方から下方に向かって順次、前記第1周溝を有する第1領域、前記第2周溝を有する第2領域、前記第1領域が配置されるので、軽量化した容器において、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量を小さくすることができる。そして、例えば、複数本のプラスチックボトルを段ボール箱に箱詰めした状態における荷崩れを防ぐことができ、取り扱い性に優れる。また、ブロー成形時における賦形性が良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も小であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量をより小さくすることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1周溝の最大深さに対する、前記第1周溝の最小深さの比は、0.20以上0.85以下であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量をより小さくすることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第2周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も大であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第2周溝の最大深さに対する、前記第2周溝の最小深さの比は、0.25以上0.95以下であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1周溝の幅は、前記コーナー部での幅より前記壁部での幅が大であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1周溝の最小幅に対する、前記第1周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第2周溝は、前記壁部での幅より前記コーナー部での幅が大であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第2周溝の最小幅に対する、前記第2周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下あるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記胴部に、前記第1領域と前記第2領域とが上方から下方に向かって交互に配置されるので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量をより小さくすることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1領域は、複数の前記第1周溝を有し、前記第2領域は、複数の前記第2周溝を有するので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量をより小さくすることができる。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第1領域は少なくとも3つの前記第1周溝を有し、前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記壁部での深さは、他の前記第1周溝における前記壁部での深さよりも大であり、前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第1周溝における前記コーナー部での深さよりも大であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量をより小さくすることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
更に、本発明のプラスチックボトルによれば、前記第2領域は少なくとも3つの前記第2周溝を有し、前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記壁部での深さは、他の前記第2周溝における前記壁部での深さよりも小であり、前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第2周溝における前記コーナー部での深さよりも小であるので、上下方向の荷重に対する座屈強度をより強化させることができる。また、ブロー成形時における賦形性がより良好である。
本実施形態に係るプラスチックボトルの一例が示された正面図である。 図1のプラスチックボトルの平面図である。 図1のプラスチックボトルの底面図である。 図2のIV方向矢視図である。 図1の部分拡大図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図1の部分拡大図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 比較例のプラスチックボトルの正面図である。 図9のプラスチックボトルの平面図である。 図9のプラスチックボトルの底面図である。 図9のXII−XII線断面図である。 図9のXIII−XIII線断面図である。 垂直座屈強度の測定結果を示す図である。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態の詳細を説明する。図1は本実施形態に係るプラスチックボトル1の一例が示された正面図である。図2は図1のプラスチックボトル1の平面図であり、図3は図1のプラスチックボトル1の底面図である。図4は図2のIV方向矢視図、すなわち、図1のプラスチックボトル1を平面視で周方向に45度回転させた方向からみたプラスチックボトル1の正面図である。なお、以下では、説明の便宜上、プラスチックボトル1を正立させた図1の状態において、容器内に内容物が充填されるプラスチックボトル1の口部10を上とする。
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、口部10と、肩部20と、胴部30と、底部40とを有する。胴部30は、複数の壁部31と、壁部31同士をつなぐコーナー部32とからなる。そして、プラスチックボトル1は、壁部31、及びコーナー部32を横切る複数の環状の周溝である、第1周溝50(50a、50b、50c、50d、50e、50f)と第2周溝60(60a、60b、60c)とを有することを特徴とする。以下では、本実施形態に係るプラスチックボトル1の好適な態様として、水平方向の断面視が略正方形の角ボトルを例示し、詳細に説明する。
口部10は、内容物の充填口、及び注出口、あるいは飲み口となり、口部10に、図示せぬキャップが取り付けられることによってプラスチックボトル1が密閉される。
肩部20は、その上側が口部10に連なり、一方で、その下側が胴部30に連なる。肩部20は、上方から下方に向かって拡径する略四角錐台の形状を有する。図2に示されるように、プラスチックボトル1は角ボトルであるため、肩部20は、互いに同一の形状からなる外方に湾曲した4つの壁部21を有しており、更に、隣接する壁部21同士の間には外方に湾曲するコーナー部22が形成されている。なお、肩部20は、外方に湾曲した形状であることが、強度や、設計された形状への追従性を示す賦形性等の観点から好ましいものの、内方に湾曲した形状であっても良く、その形状は特に限定されない。
胴部30は、互いに同一の形状からなる4つの壁部31を有しており、全体として略正四角筒の形状を有している(図2参照)。更に、隣接する壁部31同士の間には外方に湾曲するコーナー部32が形成されている(図2参照)。ここで、この外方に湾曲しているコーナー部32を有することによって、胴部30が円筒に近い形状となり、胴部30の上下方向の座屈強度が向上している。なお、胴部30は、正四角筒形状に限定されるものではなく、多面筒形状であれば良く、特に偶数の多面筒形状であれば、自動販売機に好適に利用可能であるため、より好ましい。更に、胴部30は長四角筒形状であっても良い。
胴部30は、壁部31、及びコーナー部32を横切る環状の周溝である、第1周溝50(50a、50b、50c、50d、50e、50f)、及び第2周溝60(60a、60b、60c)を有する。
環状の周溝である、第1周溝50、及び第2周溝60は、胴部30の水平方向の荷重に耐える強度である側壁強度を向上させる。また、第1周溝50、及び第2周溝60は、上下方向の荷重に対して、クッションの役割を果たし、胴部30の座屈を防止する。
次に、第1周溝50の詳細について説明する。図5は図1の胴部30の上部の部分拡大図であり、図6は図5のVI−VI線断面図である。胴部30の上部に位置する領域33には、上方から下方に向けて3本の第1周溝50a、50b、50cが形成される(図1参照)。また、胴部30の下部に位置する領域34には、上方から下方に向けて3本の第1周溝50d、50e、50fが形成される(図1参照)。したがって、胴部30には、6本の第1周溝50が形成されている。なお、以下では、第1周溝50cを取り上げて説明を行い、必要に応じて、それぞれの第1周溝50に対し、符号a〜fを適宜付す。
第1周溝50は、上側周面51と、溝底面52と、下側周面53とから構成される。上側周面51は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面52は、鉛直な周面である。下側周面53は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面51は溝底面52の上縁と連なり、下側周面53は溝底面52の下縁と連なっている。
図6に示すように、第1周溝50の深さは、壁部31での深さa1とコーナー部32での深さa2とで異なり、コーナー部32での深さa2より壁部31での深さa1が大である。壁部31での深さa1は、周方向に略一定であり、第1周溝50における深さの最大部位である。コーナー部32での深さa2は、両端部から中央に向けて浅溝となるように形成され、中央が第1周溝50における深さの最小部位である。
この構成によって、壁部31では側壁強度を向上しつつ上下方向の荷重に対する座屈を防止し、コーナー部32では上下方向の荷重に対する圧縮変形量を小さくすることができる。また、第1周溝50は、プラスチックボトル1の中心からの距離があるコーナー部32での深さa2が小であるため、凹凸が激しい形状とはなりにくく、賦形性が良好である。
第1周溝50の最大深さに対する、第1周溝50の最小深さの比は、0.20以上0.85以下とすることが好ましい。この比が小であると、上下方向の荷重に対する圧縮変形量を小さくしにくくなる。一方で、この比が大であると、コーナー部32に上下方向の荷重が集中しやすくなり、胴部30の座屈強度が低下する。
第1周溝50の壁部31での深さa1、つまり最大深さは、0.5〜4.0mm、好ましくは、0.8〜2.5mmである。深さが小であると、胴部30の側壁強度を向上しにくくなる。一方で、深さが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第1周溝50の圧縮変形量が多くなる。
また、第1周溝50の幅は、壁部31での幅b1とコーナー部32での幅b2とで異なり、コーナー部32での幅b2より壁部31での幅b1が大である(図5参照)。この構成によって、胴部30の剛性を高めることができる。また、第1周溝50は、深さが大である壁部31での幅が大であるため、凹凸が激しい形状とはなりにくく、賦形性が良好である。
なお、第1周溝50の幅は、周方向に一定に形成されても良いが、座屈強度、及び賦形性の観点から、壁部31の中央での幅が広くなることが好ましい。例えば、壁部31の両端部から中央に向け、幅広となるように形成されてもよい。
第1周溝50の壁部31での幅b1は、2.0〜6.0mm、好ましくは、3.0〜4.0mmである。第1周溝50のコーナー部32での幅b2は、0.5〜0.95mm、好ましくは、1.0〜2.0mmである。但し、b1/b2>1である。幅が小であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良が発生しやすくなる。また、幅が大であると、上下方向の荷重に対する強度が低下するとともに、その際の圧縮変形量が増大する。
b1/b2の比は1.1〜4.5であることが座屈強度、及び賦形性の観点から好ましい。b1/b2の比が1.1よりも小であると、応力の集中を防止する効果が発揮されにくくなる。一方で、b1/b2の比が4.5よりも大であると、上下方向の荷重に対して屈曲点になってしまう。
図示せぬ上側周面51の傾斜角度θ1と図示せぬ下側周面53の傾斜角度θ2については、5度≦θ1≦80度、5度≦θ2≦80度であることが好ましい。ブロー成形性や、成形後の離型性を考慮すると、10度≦θ1≦80度、10度≦θ2≦80度であることがより好ましい。なお、θ1と、θ2とは互いに同一の値であっても良く、互いに異なる値であっても良い。
なお、第1周溝50の形状は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチックボトル1の内方に窪む円弧状やV字状の周溝であってもよい。
ここで、第1周溝50a〜50fはそれぞれ周溝の深さや幅の寸法が異なるものであり、第1周溝50aは第1周溝50fと、第1周溝50bは第1周溝50eと、第1周溝50cは第1周溝50dとそれぞれ同じである。周溝の深さは、第1周溝50c>第1周溝50a>第1周溝50bである。周溝の幅は、第1周溝50c>第1周溝50a>第1周溝50bである。
次に、第2周溝60の詳細について説明する。図7は図1の胴部30の中央部の部分拡大図であり、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。胴部30の中央部に位置する領域35には、上方から下方に向けて3本の第2周溝60a、60b、60cが形成される(図1参照)。なお、以下では、第2周溝60bを取り上げて説明を行い、必要に応じて、それぞれの第2周溝60に対し、符号a〜cを適宜付す。
第2周溝60は、上側周面61と、溝底面62と、下側周面63とから構成される。上側周面61は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の内方へ傾斜する周面である。溝底面62は、鉛直な周面である。下側周面63は、上方から下方に向けてプラスチックボトル1の外方へ傾斜する周面である。そして、上側周面61は溝底面62の上縁と連なり、下側周面63は溝底面62の下縁と連なっている。
図8に示すように、第2周溝60の深さは、壁部31での深さc1とコーナー部32での深さc2とで異なり、壁部31での深さc1よりコーナー部32での深さc2が大である。壁部31での深さc1は、周方向に略一定であり、第2周溝60における深さの最小部位である。コーナー部32での深さc2は、両端部から中央に向けて深溝となるように形成され、中央が第2周溝60における深さの最大部位である。
この構成によって、上下方向の荷重に対して溝底面62が略円形状に変形する。したがって、側壁強度を向上しつつ、上下方向の荷重に対して胴部30の形状が安定し、胴部30への荷重を効果的に分散することができ、座屈強度が向上する。
第2周溝60の最大深さに対する、第2周溝60の最小深さの比は、0.25以上0.95以下とすることが好ましい。この比が小であると、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。また、上下方向の荷重に対して上下方向の荷重を分散できず、座屈強度の向上が図れない。一方で、この比が大であると、コーナー部32に上下方向の荷重が集中しやすくなり、座屈強度が低下する。
第2周溝60のコーナー部32の中央での深さc2、つまり最大深さは、1.5〜6.5mm、好ましくは、2.0〜4.5mmである。深さが小であると、胴部30の側壁強度を向上しにくくなる。一方で、深さが大であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良や、過延伸による白化が発生しやすくなる。更に、上下方向の荷重に対する第2周溝60の圧縮変形量が多くなる。
また、第2周溝60の幅は、壁部31での幅d1とコーナー部32での幅d2とで異なり、壁部31での幅d1よりコーナー部32での幅d2が大である(図7参照)。この構成によって、胴部30の剛性を高めることができる。また、第2周溝60は、深さが大であるコーナー部32での幅が大であるため、凹凸が激しい形状とはなりにくく、賦形性が良好となる。
なお、第2周溝60の幅は、周方向に一定に形成されても良いが、座屈強度、及び賦形性の観点から、コーナー部32の中央での幅が広くなることが好ましい。例えば、コーナー部32の両端部から中央に向け、幅広となるように形成されてもよい。
第2周溝60の幅d1、d2は、1.0〜7.0mm、好ましくは、2.0〜5.0mmである。幅が小であると、プラスチックボトル1の成形時に、賦形不良が発生しやすくなる。また、幅が大であると、上下方向の荷重に対する強度が低下するとともに、その際の圧縮変形量が増大する。
d2/d1の比は1.1〜4.5であることが座屈強度、及び賦形性の観点から好ましい。d2/d1の比が1.1よりも小であると、応力の集中を防止する効果が発揮されにくくなる。一方で、d2/d1の比が4.5よりも大であると、上下方向の荷重に対して屈曲点になってしまう。
図示せぬ上側周面61の傾斜角度θ3と図示せぬ下側周面63の傾斜角度θ4については、5度≦θ3≦80度、5度≦θ4≦80度であることが好ましい。ブロー成形性や、成形後の離型性を考慮すると、10度≦θ3≦80度、10度≦θ4≦80度であることがより好ましい。なお、θ3と、θ4とは互いに同一の値であっても良く、互いに異なる値であっても良い。
なお、第2周溝60の形状は上述の構成に限定されるものではなく、例えば、プラスチックボトル1の内方に窪む円弧状やV字状の周溝であってもよい。
ここで、第2周溝60bの深さや幅の寸法は、第2周溝60a及び第2周溝60cと異なるが、第2周溝60aと第2周溝60cは同じである。周溝の深さは、第2周溝60b>第2周溝60a=第2周溝60cである。周溝の幅は、第2周溝60b>第2周溝60a=第2周溝60cである。
次に、第1周溝50、及び第2周溝60の位置について説明する。上述したように、胴部30の上部に位置する領域33には、3本の第1周溝50a、50b、50cが形成され、胴部30の下部に位置する領域34には、3本の第1周溝50d、50e、50fが形成される。また、胴部30の中央部であって、領域33と領域34に挟まれた領域35には、3本の第2周溝60a、60b、60cが形成される(図1参照)。つまり、胴部30には、上方から下方に向かって順次、第1周溝50を有する領域33(第1領域)、第2周溝60を有する領域35(第2領域)、第1周溝50を有する領域34(別の第1領域)が配置される。
ここで、第1周溝50の深さはコーナー部32での深さa2より壁部31での深さa1が大であり(図6参照)、第2周溝60の深さは壁部31での深さc1よりコーナー部32での深さc2が大である(図8参照)。つまり、第1周溝50と第2周溝60とは、壁部31とコーナー部32とにおけるそれぞれの深さの関係が逆となる構成である。
したがって、第1周溝50を有する第1領域(領域33,34)と、第2周溝60を有する第2領域(領域35)とが上方から下方に向かって交互に配置される上述のプラスチックボトル1は、上下方向の荷重に対して胴部30が全体としてバランスよく圧縮変形し、効果的に座屈強度を向上させることができ、さらに、その際の胴部30の圧縮変形量を小さくすることができる。
また、胴部30は、胴部30の上部(領域33)と下部(領域34)に、水平方向の荷重に対する側壁強度を、特に壁部31で向上させる第1周溝50を有する第1領域が配置される構成である。したがって、プラスチックボトル1を横向きに載積する際、胴部30に加わる荷重を上部(領域33)と下部(領域34)の第1領域にバランスよく分散することができ、安定して横向きに載積することができる。例えば、プラスチックボトルを横向きに載積する自動販売機内において、横向き載積状態でプラスチックボトル1の胴部30は変形することがない。また、自動販売機のアームによって押し出される際、アームと当接する壁部31は変形することがなく、プラスチックボトルは正常に排出される。
また、領域33において、上側に位置する第1周溝50aと下側に位置する第1周溝50cは、中央に位置する第1周溝50bよりも深い。第1周溝50aと第1周溝50cによって、それぞれの近傍における胴部30の水平方向の剛性が高められ、さらに、第1周溝50aと第1周溝50cとの間における胴部30の水平方向の剛性も多少高められる。したがって、領域33の上下方向の全域において、水平方向の剛性を同程度のものとする場合、第1周溝50aと第1周溝50cと間に形成する第1周溝50bの深さは、第1周溝50aと第1周溝50cよりも浅くすることができる。もしくは、第1周溝50aと第1周溝50bと第1周溝50cの間隔を広げることができる。したがって、例えば、胴部30にシュリンクラベルを形成する場合では、シュリンクラベル装着時の領域33における第1周溝50の凹凸による外観不良を防止し、シュリンクラベルによるディスプレイ効果(宣伝効果)を向上させることができる。なお、領域34における第1周溝50dと第1周溝50eと第1周溝50fについても同様である。
また、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、胴部30の中央部(領域35)に、上下方向の荷重に対して効果的に圧縮変形して座屈を防止する第2周溝60を有する第2領域が配置される構成である。領域35において、中央に位置する第2周溝60bは、上側に位置する第2周溝60aと下側に位置する第2周溝60cよりも深い。また、第2周溝60bは、胴部30の上下方向の略中央に形成される。したがって、プラスチックボトル1を保持する際、この溝が深い第2周溝60bに指がかかり、プラスチックボトル1を保持しやすい。
ここで、第1周溝50と第2周溝60の数や位置は上述の構成に限定されるものではない。第1周溝50と第2周溝60とによって、上下方向の荷重に対して胴部30が全体としてバランスよく圧縮変形する構成であればよい。例えば、上述の第1領域と第2領域が入れ替わった構成であり、上方から下方に向かって順次、第2領域、第1領域、別の第2領域が配置される構成であってもよい。また、第1領域と第2領域は、それぞれ複数本の第1周溝50と第2周溝60を備える必要はなく、例えば、第1周溝50と第2周溝60が上方から下方に向かって交互に複数本配置される構成であってもよい。
本実施形態に係るプラスチックボトル1にはサイズによる限定はなく、種々のサイズに対して適用することができる。例えば、プラスチックボトル1の内容量が200ml〜1000mlであっても良く、特に、内容量が400ml〜600mlであるプラスチックボトル1に対して好適である。とりわけ、プラスチックボトル1の全高が190mm〜220mmであり、胴部30の最大幅が40mm〜75mmであることが好ましく、本実施形態に係るプラスチックボトル1の奏する効果を好適に得ることができる。
プラスチックボトル1を構成する熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂、あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレート等のエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好適に使用することができる。更に、アクリロニトリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等も使用することができる。更に、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えば、ポリ乳酸(PLA)を用いることも可能である。上述された樹脂には、成形品の品質を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、核剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を配合することができる。なお、プラスチックボトル1は、過酸化水素、過酢酸を添加して無菌化させることが好ましい。
プラスチックボトル1を構成するエチレンテレフタレート系熱可塑性樹脂として、エステル反復部分の大部分、一般に70モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50〜90℃であり、融点(Tm)が200〜275℃の範囲にあるものが好適である。また、エチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートが耐圧性等の点で特に優れているものの、エチレンテレフタレート単位以外に、イソフタル酸や、ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸と、プロピレングリコール等のジオールからなるエステル単位を少量含む共重合ポリエステルも使用することができる。
更に、プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成することもできる。更に、プラスチックボトル1は、二層以上の熱可塑性ポリエステル層により構成する場合には、層間にバリア層や、酸素吸収層等の中間層を備えることができる。酸素吸収層としては、酸化可能有機成分、及び遷移金属触媒の組み合わせ、あるいは実質的に酸化しないガスバリア性樹脂等を含む層を使用することができる。
プラスチックボトル1は、上述の材料を射出成形して製作したプリフォームをブロー成形によって成形することにより作製することができる。
以上に説明がなされたように、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、胴部30は、複数の壁部31と、壁部31同士をつなぐコーナー部32とからなり、壁部31、及びコーナー部32を横切る複数の環状の周溝(第1周溝50、第2周溝60)を有するプラスチックボトル1において、第1周溝50の深さは、コーナー部32での深さa2より壁部31での深さa1が大であり、第2周溝60の深さは、壁部31での深さc1よりコーナー部32での深さc2が大である。そして、本実施形態に係る構成によれば、軽量化された角型のプラスチックボトル1に対する、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量を小さくし、例えば、段ボール箱詰め状態での荷崩れが防止でき、賦形性が良好である。
以下に、実施例、及び比較例を示して、本発明を更に詳細、かつ具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<材料>
[実施例1]
図1に示される本実施形態に係るプラスチックボトル1が用いられた。すなわち、プラスチックボトル1は、第1周溝50の深さはコーナー部32での深さa2より壁部31での深さa1が大であり、第2周溝60の深さは壁部31での深さc1よりコーナー部32での深さc2が大である等といった特徴を有している。プラスチックボトル1は、ポリエチレンテレフタレート製であり、重量が16gで、容量が500mlであった。プラスチックボトル1は、プリフォームをブロー成形することによって作製された。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
[比較例1]
図9〜図12に示される、口部310と、肩部320と、胴部330と、底部340とを備えた構成であって、500ml用のプラスチックボトル300が比較例1として供試された。
ここで、図9はプラスチックボトル300の正面図、図10は図9のプラスチックボトル300の平面図、図11は図9のプラスチックボトル300の底面図、図12は図9のプラスチックボトル300のXII−XII線断面図、図13は図9のプラスチックボトル300のXIII−XIII線断面図である。肩部320は、四つの壁部321を有しており、下方に向かって拡開する略四角錐台状に形成されている。肩部320の隣接する壁部321同士の間には外方に湾曲するコーナー部322が設けられる。胴部330は、4つの壁部331を有する略四角筒形状である。胴部330の隣接する壁部331同士の間には、コーナー部332が設けられる。
胴部330の上部に位置する領域333には、3本の補強溝350a、350b、350cが形成される。胴部330の下部に位置する領域334には、3本の補強溝350d、350e、350fが形成される。6本の補強溝350a、350b、350c、350d、350e、350fは、4つの壁部331及び4つコーナー部332を横切る環状の周溝であり、いずれも同一形状である。また、図12に示すように、補強溝350の深さa31は、周方向に一定であり、実施例1の深さa2と同じである(図6参照)。また、補強溝350の幅b31は、周方向に一定であり、実施例1の幅b2と同じである(図5参照)。
胴部330の中央部に位置する領域335には、3本の補強溝360a、360b、360cが形成される。3本の補強溝360a、360b、360cは、4つの壁部331及び4つコーナー部332を横切る環状の周溝であり、いずれも同一形状である。また、図13に示すように、補強溝360の深さc31は、周方向に一定であり、実施例1の深さc1と同じである(図8参照)。また、補強溝360の幅d31は、周方向に一定であり、実施例1の幅d1と同じである(図5参照)。このような構成のプラスチックボトル300は、16gのプリフォームがブロー成形されることで作製された。なお、ブロー成形時に賦形不良が発生することはなかった。
[比較例2]
図示はしないが、上述の比較例1の補強溝350、及び補強溝360の深さのみが異なる構成の500ml用のプラスチックボトル400が比較例2として供試された。なお、比較例2における補強溝350の深さa31は、周方向に一定であり、実施例1の深さa1と同じである(図6参照)。また、比較例2における補強溝360の深さc31は、周方向に一定であり、実施例1の深さc2と同じである(図8参照)。このような構成のプラスチックボトル400は、16gのプリフォームがブロー成形されることで作製された。ここで、ブロー成形時に補強溝350に賦形不良が発生した。
<方法>
(ブロー成形評価)
実施例1、比較例1、及び比較例2のプラスチックボトルのブロー成形性の評価がなされた。表1には、ブロー成形によって作製されたプラスチックボトルの目視による成形評価の結果が示され、○:賦形不良なし、×:賦形不良発生、で表記されている。
(垂直座屈強度試験)
実施例1及び比較例1のプラスチックボトルにヘッドスペースが20mlになるように緑茶が充填され口部がキャップによって密封された。この内容物が充填されたプラスチックボトルの正立した状態でのそれぞれの10mmまでの変位に対する垂直座屈強度が測定された。この垂直座屈強度の測定は、AGR社製のテスター、TOP LOADが使用された。図14には、試験の結果が示されている。ここで、実施例1の結果は実線で、比較例1の結果は点線で示し、縦軸は強度(N)、横軸は変位(mm)である。なお、賦形不良が発生した比較例2のプラスチックボトルについては、垂直座屈強度試験は実施していない。
(組付試験)
実施例1及び比較例1のプラスチックボトルにヘッドスペースが20mlになるように緑茶が充填され、口部がキャップによって密封された。この内容物が充填されたプラスチックボトルが、縦3本、横4本に配列されてダンボールに箱詰めされた。このプラスチックボトルが詰められたダンボールが段積みされ、3段積みの組付可否の組付試験がそれぞれ行われた。表1には、試験の結果が示されている。組付可否は、○:荷崩れなし、×:荷崩れ発生、で表記されている。なお、賦形不良が発生した比較例2のプラスチックボトルについては、組付試験は実施していない。
(総合評価)
垂直座屈強度試験と組付試験に基づいて、実施例1、比較例1、及び比較例2のプラスチックボトルの総合評価がなされた。表1には、総合評価の結果が示されている。○:良好、×:適性なし、で表記されている。
Figure 0006347167
上述された実施例から以下の点が導き出された。表1に示すように、実施例1は、軽量化を図ることができ、組付性を満たすだけの座屈強度と変位量を有していた。比較例1は、高い垂直座屈強度を有するものの、その際の変位量が大きく、組付性を有していなかった。比較例2は、ブロー成形時に賦形不良が発生した。なお、実施例1及び比較例1は、ブロー成形時に賦形不良は発生しなかった。
上述された実施例から、本実施形態に係るプラスチックボトル1は、その構成によって、軽量化された角型のプラスチックボトルに対する、上下方向の荷重に対する座屈強度を強化させながら圧縮変形量を小さくして段ボール箱詰め状態での荷崩れが防止でき、賦形性が良好であるものであることが示された。
本開示は、無菌充填用、耐熱用等の種々のプラスチックボトルに好適に利用することができる。しかしながら、本開示は、上述された実施形態、及び実施例に限定されるものではない。本開示のプラスチックボトルは、内容物に、例えば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、果汁、清涼飲料等の各種非炭酸飲料、あるいはしょうゆ、ソース、みりん等の調味料、食用油、酒類を含む食品等、洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品、その他を収容した、あらゆる容器に有用であり、容器の横倒し積載が可能であるので自動販売機等による販売にも適している。
1 プラスチックボトル
10 口部
20 肩部
30 胴部
31 壁部
32 コーナー部
33、34 領域(第1領域)
35 領域(第2領域)
50 第1周溝
51 上側周面
52 溝底面
53 下側周面
60 第2周溝
61 上側周面
62 溝底面
63 下側周面
a1 第1周溝の壁部での深さ
a2 第1周溝のコーナー部での深さ
b1 第1周溝の壁部での幅
b2 第1周溝のコーナー部での幅
c1 第2周溝の壁部での深さ
c2 第2周溝のコーナー部での深さ
d1 第2周溝の壁部での幅
d2 第2周溝のコーナー部での幅

Claims (13)

  1. 口部と、肩部と、胴部と、底部とを有し、
    前記胴部は、複数の壁部と、前記壁部同士をつなぐコーナー部とからなり、
    前記壁部、及び前記コーナー部を横切る複数の環状の周溝を有するプラスチックボトルにおいて、
    前記周溝の深さが、前記コーナー部での深さより前記壁部での深さが大である第1周溝と、
    前記周溝の深さが、前記壁部での深さより前記コーナー部での深さが大である第2周溝と
    を有し、
    前記胴部に、上方から下方に向かって順次、前記第1周溝を有する第1領域、前記第2周溝を有する第2領域、前記第1領域が配置されることを特徴とする、プラスチックボトル。
  2. 前記第1周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も小であることを特徴とする、
    請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記第1周溝の最大深さに対する、前記第1周溝の最小深さの比は、0.20以上0.85以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のプラスチックボトル。
  4. 前記第2周溝は、前記コーナー部の中央での深さが最も大であることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  5. 前記第2周溝の最大深さに対する、前記第2周溝の最小深さの比は、0.25以上0.95以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  6. 前記第1周溝の幅は、前記コーナー部での幅より前記壁部での幅が大であることを特徴とする、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  7. 前記第1周溝の最小幅に対する、前記第1周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  8. 前記第2周溝は、前記壁部での幅より前記コーナー部での幅が大であることを特徴とする、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  9. 前記第2周溝の最小幅に対する、前記第2周溝の最大幅の比は、1.1以上4.5以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  10. 前記胴部に、前記第1領域と前記第2領域とが上方から下方に向かって交互に配置されることを特徴とする、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  11. 前記第1領域は、複数の前記第1周溝を有し、
    前記第2領域は、複数の前記第2周溝を有することを特徴とする、
    請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  12. 前記第1領域は少なくとも3つの前記第1周溝を有し、
    前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記壁部での深さは、他の前記第1周溝における前記壁部での深さよりも大であり、
    前記第1領域の最上と最下の前記第1周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第1周溝における前記コーナー部での深さよりも大であることを特徴とする、
    請求項乃至11のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
  13. 前記第2領域は少なくとも3つの前記第2周溝を有し、
    前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記壁部での深さは、他の前記第2周溝における前記壁部での深さよりも小であり、
    前記第2領域の最上と最下の前記第2周溝における前記コーナー部での深さは、他の前記第2周溝における前記コーナー部での深さよりも小であることを特徴とする、
    請求項乃至12のいずれか1項に記載のプラスチックボトル。
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