JP5030823B2 - 耐座屈性を有するプラスチック容器及びそれを用いた飲料製品 - Google Patents

耐座屈性を有するプラスチック容器及びそれを用いた飲料製品 Download PDF

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Description

本発明は、耐座屈性を有するプラスチック容器に関し、特に飲料・食品用のPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)容器について、軽量・薄肉でも座屈変形し難い形状を提供する。
飲料を加熱殺菌した後に充填を行なう所謂ホット充填においては、密封後室温にて容器内が減圧状態となっているため、容器の肉厚を厚くする必要があった。しかし、飲料用PET容器は、環境面及びコスト面から軽量化・薄肉化の要請が強い。ホット充填用容器であっても同様であり、容器の肉厚を比較的薄く形成しても減圧変形を小とし、かつ、座屈強度の高い構造を有するプラスチックボトルの技術が開示されている(例えば特許文献1又は2を参照。)。
ここで、容器に大きな座屈強度が求められるのは、倉庫等における荷積みや物流時における積載などにおいて一旦座屈すると、容器に座屈変形跡が残り、美観上の商品価値を低下させてしまうからである。
実開平6‐69114号公報 特開平11‐236022号公報
しかし、特許文献1又は2に記載された技術はホット充填の場合を想定しており、その目的は減圧変形を小とし、剛直性を高めることで座屈強度を高めることである。
現在、ホット充填から充填時に加熱殺菌を行なわない無菌充填が主流となりつつあり、容器の更なる軽量化・薄肉化が課題となっている。したがって、軽量化・薄肉化しても必要な座屈強度を有した構造を有した容器が望まれている。
しかし、使用樹脂量を減少させると、充分な剛直性を持たせることが困難となり、座屈強度が低下せざるを得ない。
そこで、本発明の目的は、無菌充填に用いる容器において求められる、より一層の軽量化・薄肉化を達成するとともに、荷重がかけられたときに容器をたわませることで美観を低下させる座屈変形跡の発生を抑制した耐座屈性を有するプラスチック容器を提供することである。また、この軽量化・薄肉化された容器にて無菌充填された飲料製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、容器の主軸方向と平行な荷重方向について、硬い剛直部と柔らかいたわみ部を設けることで、弾性変形はするものの、塑性変形はせずに座屈変形跡が残らない構造を有する耐座屈性を有するプラスチック容器を完成させた。
すなわち、本発明に係る耐座屈性を有するプラスチック容器は、上から順に口部、肩部、ラベル部、胴部及び底部を有し、前記ラベル部及び前記胴部のそれぞれの側面に全周連続した環状溝状の複数の凹条部が水平かつ互いに平行に設けられており、側面が壁面部と隅部とを有する角型のプラスチック容器において、前記胴部又は前記ラベル部のいずれか一方の凹条部は、最上段と最下段の凹条部の溝深さが該凹条部に挟まれた他の凹条部よりも深く形成された構造を有し、かつ、前記胴部又は前記ラベル部の他方の凹条部は、前記壁面部を通る凹条の溝底にさらに溝が設けられた二段溝構造を有することを特徴とする。
本発明に係る耐座屈性を有するプラスチック容器では、前記ラベル部と前記胴部との間の側面に全周連続した環状溝状の掴み部をさらに設けることが好ましい。ラベルとの境界を目立たせ、消費者に容器の掴み所を視認させることができる。
本発明に係る耐座屈性を有するプラスチック容器では、前記隅部は、角が面取りされ、かつ該面と壁面部との境界が曲面となっている形状を有していることが好ましい。カット調の外観を持たせても、前記境界での応力集中を避けることができ、隅部にて荷重を支える構造としつつも弾性変形させることができる。
本発明に係る耐座屈性を有するプラスチック容器では、プラスチック容器の高さが200〜370mm、矩形で外挿した胴径が(65〜120)×(60〜100)mm、胴部肉厚が0.14〜0.50mmであり、かつ、前記最上段と最下段の凹条部の溝深さが2.2〜2.8mmであり、最上段と最下段の凹条部に挟まれた他の凹条部の溝深さが、前記最上段と最下段の凹条部の溝深さよりも、0.3〜0.7mm浅く、かつ、前記二段溝構造を有する凹条部の長壁部における一段溝の長さをBFaとし、二段溝の長さをBFbとし、短壁部における一段溝の長さをSFaとし、二段溝の長さをSFbとしたとき、数1及び数2の関係を満たしていることが好ましい。
(数1)0.70≦(BFb/BFa)≦0.96
(数2)0.72≦(SFb/SFa)≦0.86
荷重がかけられたときに容器の胴径方向に向けて全体が膨らむように弾性変形しやすくなるので、特定の箇所にて座屈変形することによるその跡の発生が抑制される。
本発明に係る飲料製品は、本発明の耐座屈性を有するプラスチック容器に飲料が無菌充填されたことを特徴とする。
本発明に係る耐座屈性を有するプラスチック容器は、無菌充填に用いる容器において求められる、より一層の軽量化・薄肉化を達成し、かつ、美観を低下させる座屈変形跡の発生を抑制することができる。また、この軽量化・薄肉化された容器にて無菌充填された飲料製品を提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る耐座屈性を有するプラスチック容器の一形態を示す概観図であり、(a)は長壁面を正面からみた図、(b)は短壁面を正面からみた図である。図2は、ボトルのA−A面での断面図を示す図である。ただし、肩部と口部の記載は省略している。図3は、胴部5の部分拡大図である。図4は、ラベル部3の部分拡大図であり、二段溝構造を説明するための図である。図1〜図4に示した耐座屈性を有するプラスチック容器100は、上から順に口部1、肩部2、ラベル部3、胴部5及び底部6を有し、ラベル部3及び胴部5のそれぞれの側面に全周連続した環状溝状の複数の凹条部10,15が水平かつ互いに平行に設けられており、側面が壁面部(すなわち長壁面20と短壁面21)と隅部22とからなる角型のプラスチック容器である。そして胴部5の凹条部15は、最上段の凹条部15aと最下段の凹条部15cの溝深さd1が凹条部15a,15cに挟まれた他の凹条部15b(溝深さをd2とする)よりも深く形成された構造を有し、かつ、ラベル部3の凹条部10は、壁面部20,21を通る凹条の溝底11にさらに溝12(以下、二段溝ともいう)が設けられた二段溝構造を有する。
口部1は中身の飲料を注ぎやすいように通常、1.5〜4cmの直径で形成されており、また肩部2は、胴径の大きいラベル部3につながるようにラベル部に向かって胴径を拡径させて錐体形状をしている。なお、図1に示した容器の肩部2は複数のカット面から形成されているが、曲面で形成してもよい。ラベル部3はその外側にシュリンクラベル又はロールラベル等の商品表示ラベルが装着される。胴部5は、主として消費者に把持される箇所であり、ラベル部3とほぼ同様の胴径が与えられるか、或いは、ラベルのこすれを防止するためにラベル部3よりも長辺、短辺共に1mm程度大きい胴径が与えられる。底部6は、縦リブが複数設けられており、自立型を実現している。
プラスチック容器の材質は、PET樹脂が好ましいが、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を用いてもよい。また、プラスチック容器は角型であり、図2に示すように長壁部20と短壁部21と隅部22とからなる。なお、長壁部20の長辺と短壁部21の短辺とが同じ長さである形状、すなわち断面がほぼ正方形の角型であってもよい。また、隅部22は、R面としていてもよいが、図1及び図2で示すように角が面取りされ、かつ該面と壁面部との境界が曲面となっている形状を有していることが好ましい。隅部22を角が面取りされた形状とすることでカット調の外観を持たせることができる。このとき垂直荷重がかけられたときに前記境界での応力集中を避けることができる。これによって、隅部にて荷重を支える構造としつつも弾性変形させることができる。
プラスチック容器は、例えば500ml〜2リットルの容量を対象とするが、特に座屈強度が要求される容量1〜2リットルの容器を好適な対象とする。例えば、プラスチック容器の高さが200〜370mm、矩形で外挿した胴径、つまり長壁面と短壁面の接線で囲まれる矩形で近似した胴径が(65〜120)×(60〜100)mm、胴部肉厚が0.14〜0.50mmである。無菌充填用のボトルの場合、胴部肉厚は0.14〜0.28mmとすることが好ましい。また、ホット充填用の容器とすることも可能であり、この場合、胴部肉厚は0.25〜0.50mmとすることが好ましい。本発明は、肉厚を薄くすることが求められる無菌充填用のボトルとして、胴部肉厚が0.14〜0.28mmである場合に好適である。なお、500ml以下の容量で高さが200mm未満であるプラスチック容器についても、後述する硬い剛直部と柔らかいたわみ部を与えることで、耐座屈性を有するプラスチック容器とすることができる。この場合、前記寸法のプラスチック容器を基準として相似形状を維持しながら小型化させることで対応できる。例えば、小型容器の高さが150mmと仮定すると、容器高さ300mmを基準として、柔らかいたわみ部における最上段と最下段の凹条部の溝深さ、該凹条部に挟まれた他の凹条部の溝深さ、硬直部の凹条部の一段溝の溝深さ及び二段溝の深さ、これらの溝の高さ幅など、硬い剛直部と柔らかいたわみ部における細部形状の寸法範囲を、それぞれ0.5倍(=150mm/300mm)して補正することで相似形状が維持される。
本実施形態に係る耐座屈性を有するプラスチック容器100は、容器の主軸方向と平行な荷重方向について、硬い剛直部と柔らかいたわみ部を設けている。図1に示した耐座屈性を有するプラスチック容器100の場合、硬い剛直部に相当する箇所がラベル部3であり、柔らかいたわみ部に相当する箇所が胴部5である。硬い剛直部と柔らかいたわみ部を容器の主軸方向に沿って縦列に配置することで、倉庫保管時や物流時に垂直方向に荷重がかかったときに、たわみ部がたわむことで座屈を抑制し、かつ、硬直部によってたわませすぎず、荷重を支えることで転倒を抑制することができる。容器をこのような構造とすることで、弾性変形はするものの、塑性変形はせずに座屈変形跡が残らない。このように、剛直部のみを設けて剛性を高めることによって耐座屈性を付与したわけではなく、たわみ部と剛直部の両方を設けて耐座屈性を付与したため、使用樹脂量を減らすことができ、薄肉化が実現できる。従って、無菌充填用の容器として好適である。
図3に示すように、柔らかいたわみ部は、最上段の凹条部15aと最下段の凹条部15cの溝深さd1が凹条部15a,15cに挟まれた他の凹条部15bよりも深く形成された構造とすることで得られる。最上段の凹条部15aの溝深さと最下段の凹条部15cの溝深さは、同じであるか、その差は大きくても0.4mm以内、好ましくは0.2mm以内する。胴部5において、荷重がかけられるとそれによって生じる応力が、特に最上段の凹条部15aと最下段の凹条部15cに集中しやすくなる。これによって、最上段の凹条部15a又は最下段の凹条部15cにおいてその近傍の壁面を含めて外側(壁面法線方向)に飛び出るような座屈変形が生じやすい。一旦、座屈変形が生じると、外側に飛び出したままの状態となり、或いは、仮に基の形状に戻ったとしても座屈変形跡が残り、美観性の低下となる。
そこで、本実施形態では、応力が特に集中しやすい最上段の凹条部15aと最下段の凹条部15cの溝深さd1を凹条部15a,15cに挟まれた他の凹条部15bよりも深く形成する。溝深さを相対的に深くすることで、相対的に当該箇所の強度を向上させ、また応力を分散させ、座屈変形の発生を抑制する。一方、凹条部15a,15cに挟まれた他の凹条部15bにおいては、外側に飛び出るような応力が働くものの、最上段の凹条部15aや最下段の凹条部15cの箇所ほど応力がかからないので相対的に座屈変形しにくい。このとき、胴部5に設けた全ての凹条部15が荷重方向に対して弾性変形の範囲内でたわみやすくなり、座屈を抑制することができる。したがって胴部5全体でみると座屈変形せずにたわみやすい構造となる。
なお、図1では、他の凹条部15bを四本設けた場合を示したが、胴部5の高さに応じて二本〜六本に変更してもよい。
また、最上段と最下段の凹条部15a,15cの溝深さd1は2.2〜2.8mmとすることが好ましく、2.4〜2.6mmとすることがより好ましい。一方、最上段と最下段の凹条部に挟まれた他の凹条部の溝深さd2は、溝深さd1よりも、0.3〜0.7mm浅くすることが好ましく、0.4〜0.6mm浅くすることがより好ましい。
さらに、最上段と最下段の凹条部15a,15cのそれぞれの高さ方向の幅aは6〜9mmが好ましく、7〜8mmがより好ましい。他の凹条部15bの高さ方向の幅cは5.5〜8.5mmが好ましく、6.5〜7.5mmがより好ましい。ここで、幅a>幅cの関係を満たしていることが好ましい。また、最上段の凹条部15aと他の凹条部15bとの間の距離bは、6〜12mmが好ましく、7.5〜9.5mmがより好ましい。最下段の凹条部15cと他の凹条部15bとの間の距離も距離bと同様とする。また、他の凹条部15b同士の間の距離eは、6〜12mmが好ましく、7.5〜9.5mmがより好ましい。凹条部15の溝側面形状が緩やかな傾斜となることで、応力の分散が図られる。
図4に示すように、硬い剛直部は、ラベル部3の凹条部10を、壁面部20(長壁面),壁面部21(短壁面)を通る凹条の溝底11にさらに溝12を設けた二段溝構造とすることで得られ、荷重方向に対してたわみにくくさせる。一段溝構造の凹条部を設けても、荷重がかけられたときに、壁面を外側に飛び出させようとする応力に対して抗力が得られるが、応力が分散せずに特定箇所に変形が生じやすい。それに対して、二段溝を最も応力がかかりやすい壁面部中央に配置することで、応力を剛直部の周方向に分散させることができ、胴径方向に向けて壁面全体が広がる変形を生じさせることができる。この結果、座屈を伴う変形を生じさせ難い。
また、側面に全周連続した環状溝状の凹条部10を設け、かつ、隅部22を角が面取りされ、かつ該面と壁面部との境界が曲面となっている形状とすることで、カット調の外観を持たせても、前記境界での応力集中を避けることができ、隅部22にて荷重を支える構造としつつも弾性変形させることができる。また、環状溝状の凹条部10が設けられているので、荷重方向に対して多少のたわみ性を付与することができる。なお、不連続の環状溝状の凹条部とすれば、不連続部においてたわみ性がないため、当該箇所において座屈変形しやすくなる。
ここで、図2に示しように、二段溝構造を有する凹条部10の長壁部20における一段溝の長さをBFaとし、二段溝の長さをBFbとし、短壁部における一段溝の長さをSFaとし、二段溝の長さをSFbとしたとき、数1及び数2の関係を満たしていることが好ましい。
(数1)0.70≦(BFb/BFa)≦0.96
(数2)0.72≦(SFb/SFa)≦0.86
図5は容器に荷重がかかったときに座屈変形が発生した様子を説明する図であり、(a)は荷重付加前、(b)は荷重負荷後を示す。図6は容器に荷重がかかったときに座屈変形が発生せずに全体が膨らんで弾性変形の範囲にある様子を説明する図であり、(a)は荷重付加前、(b)は荷重負荷後を示す。
数1及び数2の条件を満たすと、図6に示しように荷重がかけられたときに容器の胴径方向に向けて壁全体が膨らむように弾性変形しやすくなるので、特定の箇所にて座屈変形することによるその跡の発生が抑制される。例えば、BFaを57mm、SFaを37mmとすると、BFbは40〜55mmとすることが好ましく、45〜49mmがより好ましく、SFbは23〜32mmとすることが好ましく、25〜29mmがより好ましい。BFb/BFaが0.96を超える場合及びSFb/SFaが0.86を超える場合は、壁面部と隅部との境界に沿って壁面部側の隅部22とともに荷重を支えている領域が縮小し、座屈しやすくなる。
一方、BFb/BFaが0.70より小さい場合及びSFbが0.72より小さい場合は、二段溝12と一段溝11の境界である傾斜底13と、一段溝11との境界付近で座屈変形しやすくなる。図5(b)において、傾斜底13と一段底11との境界において座屈変形箇所25を示した。なお、図1では、ラベル部3において凹条部10が五本設けた場合を示したが、ラベル部3の高さに応じて三本〜七本に調整してもよい。
剛直部における一段溝の深さは壁面を基準として0.5〜2.5mm、好ましくは1.0〜2.0mmとする。また二段溝の深さは先と同じ壁面を基準として1.5〜4.5mm、好ましくは2.0〜4.0mmとする。
図1に示した耐座屈性を有するプラスチック容器100では、ラベル部3を硬い剛直部とし、胴部5を柔らかいたわみ部としたが、ラベル部3を柔らかいたわみ部とし、胴部5を硬い剛直部としてもよい(不図示)。
本実施形態に係る耐座屈性を有するプラスチック容器100では、図1に示すようにラベル部3と胴部5との間の側面に全周連続した環状溝状の掴み部4を設けている。掴み部4の深さは例えは2.0〜4.5mmとし、好ましくは2.5〜3.5mmとし、胴部5の最上段の凹条部15aの溝深さよりも深くてもよい。掴み部4の高さ幅例えば7.0〜15.0mmとし、好ましくは9.0〜13.0mmとする。ラベルとの境界を目立たせ、消費者に容器の掴み所を視認させることができる。

本実施形態に係る耐座屈性を有するプラスチック容器100では、実施例1として例えば図1〜4に図示した容器(1.5リットル)の形状とした。すなわち、容器高さを307mm、胴径90×77mm、胴部肉厚0.21mm(場所により0.19〜0.24mmと肉厚分布があり、平均的な厚さが0.21mmである)、凹条部15を六本、凹条部10を五本、深さ3.15mmの掴み部を一本設けた。このとき、胴部5の最上段の凹条部15aの溝深さ及び最下段の凹条部15cの溝深さを共に2.5mm、最上段と最下段の凹条部15a,15cの高さ方向の幅aを7.6mm、他の凹条部15bの溝深さを2mm、他の凹条部15bの高さ方向の幅bを7.0mm、最上段の凹条部15aと他の凹条部15bとの間の距離bを8.5mm、最下段の凹条部15cと他の凹条部15bとの間の距離を8.5mm、他の凹条部15b同士の間の距離eを8.8mm、図2のBFaを57mm、BFbを47mm、SFaを24mm、SFbを27mm、Cを37mm、胴部全周を284mm、一段溝の深さを1.6mm、二段溝の深さを3.2mmとした。PET樹脂使用量は42gとした。この容器に1.5リットルの水を無菌充填で入れて蓋をして密封し、容器に垂直荷重300Nを負荷した。このとき、垂直方向の容器全体の変位量(たわみ量)は7.5mmとなり、座屈しなかった。
比較例1として、このとき、胴部5の最上段の凹条部15aの溝深さ及び最下段の凹条部15cの溝深さを共に2.0mm、最上段と最下段の凹条部15a,15cの高さ方向の幅aを7.0mmとして他の凹条部15bと区別なしに形成し(PET使用樹脂量は42g)、同様に垂直荷重を280N負荷したところ、垂直方向の容器全体の変位量(たわみ量)は6.2mmで座屈した。同条件の試験回数を行なうと最上段若しくは最下段の凹条部(15a若しくは15c)で座屈が生じた。
比較例1と同じ形状のボトルをPET使用樹脂量51gで形成し、比較例2とした。実施例1と同様に垂直荷重を負荷したところ、座屈はしなかった。
このことから、実施例1は、比較例2よりもPET樹脂9gの軽量化しながら、同様に座屈変形を抑制することができた。すなわち、約18%の軽量化を達成したことがわかった。また、比較例1と実施例1とを比較すると、PET使用樹脂量42gであれば、実施例1の形状の容器としなければ耐座屈性が不十分であることがわかった。実施例1は垂直荷重が300Nと大きいときにたわみ量も大きく座屈せずに持ちこたえ、最上段若しくは最下段の凹条部(15a若しくは15c)での座屈が抑制され、耐座屈性を有していた。
本実施形態に係る耐座屈性を有するプラスチック容器の一形態を示す概観図であり、(a)は長壁面を正面からみた図、(b)は短壁面を正面からみた図である。 ボトルのA−A面での断面図を示す図である。 胴部5の部分拡大図である。 ラベル部3の部分拡大図であり、二段溝構造を説明するための図である。 容器に荷重がかかったときに座屈変形が発生した様子を説明する図であり、(a)は荷重負荷前、(b)は荷重負荷後を示す。 容器に荷重がかかったときに座屈変形が発生せずに全体が膨らんで弾性変形の範囲にある様子を説明する図であり、(a)は荷重負荷前、(b)は荷重負荷後を示す。
符号の説明
1 口部
2 肩部
3 ラベル部
4 掴み部
5 胴部
6 底部
10,15 凹条部
11 凹条の溝底
12 二段溝
13 傾斜底
15a 最上段の凹条部
15b 他の凹条部
15c 最下段の凹条部
20 壁面部(長壁部)
21 壁面部(短壁部)
22 隅部
25 座屈変形箇所
d1,d2 溝深さ
a 最上段の凹条部15aの高さ方向の幅
b 最上段の凹条部15aと他の凹条部15bとの間の距離
c 他の凹条部15bの高さ方向の幅
e 他の凹条部15b同士の間の距離
100 プラスチック容器

Claims (5)

  1. 上から順に口部、肩部、ラベル部、胴部及び底部を有し、前記ラベル部及び前記胴部のそれぞれの側面に全周連続した環状溝状の複数の凹条部が水平かつ互いに平行に設けられており、側面が壁面部と隅部とを有する角型のプラスチック容器において、
    前記胴部又は前記ラベル部のいずれか一方の凹条部は、最上段と最下段の凹条部の溝深さが該凹条部に挟まれた他の凹条部よりも深く形成された構造を有し、かつ、前記胴部又は前記ラベル部の他方の凹条部は、前記壁面部を通る凹条の溝底にさらに溝が設けられた二段溝構造を有することを特徴とする耐座屈性を有するプラスチック容器。
  2. 前記ラベル部と前記胴部との間の側面に全周連続した環状溝状の掴み部をさらに設けたことを特徴とする請求項1に記載の耐座屈性を有するプラスチック容器。
  3. 前記隅部は、角が面取りされ、かつ該面と壁面部との境界が曲面となっている形状を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐座屈性を有するプラスチック容器。
  4. プラスチック容器の高さが200〜370mm、矩形で外挿した胴径が(65〜120)×(60〜100)mm、胴部肉厚が0.14〜0.50mmであり、かつ、
    前記最上段と最下段の凹条部の溝深さが2.2〜2.8mmであり、最上段と最下段の凹条部に挟まれた他の凹条部の溝深さが、前記最上段と最下段の凹条部の溝深さよりも、0.3〜0.7mm浅く、かつ、
    前記二段溝構造を有する凹条部の長壁部における一段溝の長さをBFaとし、二段溝の長さをBFbとし、短壁部における一段溝の長さをSFaとし、二段溝の長さをSFbとしたとき、数1及び数2の関係を満たしていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の耐座屈性を有するプラスチック容器。
    (数1)0.70≦(BFb/BFa)≦0.96
    (数2)0.72≦(SFb/SFa)≦0.86
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の耐座屈性を有するプラスチック容器に飲料が無菌充填されたことを特徴とする飲料製品。
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