JP5221501B2 - 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品 - Google Patents

飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品 Download PDF

Info

Publication number
JP5221501B2
JP5221501B2 JP2009277202A JP2009277202A JP5221501B2 JP 5221501 B2 JP5221501 B2 JP 5221501B2 JP 2009277202 A JP2009277202 A JP 2009277202A JP 2009277202 A JP2009277202 A JP 2009277202A JP 5221501 B2 JP5221501 B2 JP 5221501B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
side wall
groove
long side
plastic container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009277202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011116427A (ja
Inventor
浩二 中村
憲保 吉村
修 堀居
実 鎌田
元基 小竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Beverage Corp
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Beverage Corp
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Beverage Corp, Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Beverage Corp
Priority to JP2009277202A priority Critical patent/JP5221501B2/ja
Publication of JP2011116427A publication Critical patent/JP2011116427A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5221501B2 publication Critical patent/JP5221501B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

本発明は、プラスチック容器に関し、特には、注ぎ出し動作における筋負担を低減できる把持しやすい胴部形状を有し、かつ、縦圧縮荷重に対する座屈強度を有する非炭酸系飲料充填用の角型の飲料用プラスチック容器に関する。
プラスチック容器は、水、お茶、炭酸飲料、ジュース等の飲料の容器として広く利用されている。特に、2リットル程度の大容量プラスチック容器では、その質量はかなり重くなり、容器を持ち上げ、続いて容器本体を傾ける一連の動作である「注ぎ出し動作」には、相当に強い力を必要とする。そのため、容器を把持する力も強くなり、プラスチック容器に変形が生じて、持ち上げにくい問題があった。さらに、大容量化にともない、容器の胴囲が大きくなり、片手で把持することが困難になるという問題があった。
一方、飲料用プラスチック容器は数本〜数十本単位で段ボール箱に入れられて輸送・保管されるが、このとき段ボール箱は段積みされるため、飲料用プラスチック容器には縦圧縮荷重がかかることから、縦圧縮荷重に対して座屈強度も必要である。
しかし、飲料用プラスチック容器は、環境面及びコスト面から軽量化・薄肉化の要望が強く、容器の強度は全体的に低下している。容器が変形しやすく、取り扱いがより困難になるばかりか、輸送・保管時の縦圧縮荷重によって、容器に不可逆な変形が発生し、商品価値を下げるおそれがある。
そこで、片手で把持しての取り扱いが安定した状態で容易にでき、かつ、容器に強度を付与したプラスチック容器が提案されている(例えば、特許文献1、2、3又は4を参照。)。
特許文献1には、容器胴部の全周にわたるくびれ部分の一部に一対の凹状の把持部を設け、この把持部に連続して縦方向に下方に延びる複数本の指をおける長さの凹状の把持延長部を連設することによって、5本の指先の力をプラスチックボトル容器に与え、かつ、親指と人差し指の間の股部をくびれ部分に沿わせてしっかりとプラスチックボトル容器を把持することができるプラスチックボトル容器が提案されている。
特許文献2には、容器の胴部に設けた複数の斜面によって容器内方へ窪む把持部において、把持部の容器口部側斜面に外方に膨らむ凸部及び容器底部側斜面に内方に窪む凹部を形成することによって、片手で把持したときに安定性よく持ち上げられ、かつ繰り返しの変形に強い容器が提案されている。
特許文献3には、ボトルのウェスト部に形成された径方向内方に向けて凹むパネル部が、ウェスト部の下部から胴部の中央部を介して上部に至るように設けられることによって、優れたグリップ性を具備したボトルが提案されている。
特許文献4には、容器の胴部中央の全周に、親指と人差し指との間の股部を密着させることができるように幅広に形成されたくびれ部を設け、くびれ部の形状及び寸法を設計することによって、しっかりと把持することができ、かつ、プラスチックボトル容器の不可逆な変形を防止することができるプラスチックボトル容器が提案されている。
特開2007−168813号公報 特開2009−046202号公報 特開2009−029450号公報 特開2008−296920号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプラスチック容器では、5本の指先を凹部に引っ掛け、親指と人差し指との間の股部をくびれ部分に沿わせて容器を把持することができるものの、掌部を含んだ手指全体を容器に密着させて把持することは難しく、注ぎ出し動作において、容器を傾けて内容物を注ぐ動作の身体負担を低減できるものではない。また、胴部の全周にわたるくびれが、座屈ポイントとなり、縦圧縮荷重によって容器に不可逆な変形が発生し、商品価値を下げるおそれがある。
特許文献2に記載の容器では、容器の胴部に設けた把持部に親指及び人差し指又は中指を引っ掛けて、容器を把持することができるものの、親指及び人差し指又は中指に加え、親指及び人差し指の間の股部や掌部を容器に密着させて把持することは難しく、注ぎ出し動作において、容器を傾けて内容物を注ぐ動作の身体負担を低減できるとは言い難い。
特許文献3に記載の容器では、親指、人差し指又は中指及び親指と人差し指との間の股部をくびれ部に沿わせて容器を把持することができるが、手の小さなユーザーに対応するためにはくびれ部の縮径の度合いを大きくする必要がある。くびれ部の縮径の度合いを大きくすると、縦圧縮荷重によってくびれ部において、不可逆な変形が発生し、商品価値を下げるおそれがある。
特許文献4に記載のプラスチックボトル容器では、くびれ部が幅広に設けられているため、指先及び親指と人差し指の間の股部を密着させる面積が大きくなり、把持しやすさは改善されている。また、くびれ部の内方に突出する縦長の突起部によって、座屈強度を付与している。しかし、掌部全体を密着させることは難しく、注ぎ出し動作において、容器を傾けて内容物を注ぐ動作の身体負担を低減できるものではない。
そこで本発明の目的は、プラスチック容器、特には大容量の非炭酸系飲料充填用の飲料用プラスチック容器において、把持部に適度な反発力があり、安定したグリップ性を有し、注ぎ出し動作における身体負担(以下、筋負担という。)を軽減することができ、かつ、必要な座屈強度を有したプラスチック容器を提案することである。また、軽量化・薄肉化された容器を用いて、美観上の商品価値の低下が起こりにくい非炭酸系飲料製品を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、胴部に設けた把持用エンボス部の底面を底部に向かうにつれ容器の底部に向かうにつれて容器外側に傾斜した斜面とし、かつ、把持用エンボス部を横断する環状リブを特定の形状及び配置とすることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る飲料用プラスチック容器は、上から順に口部、肩部、ラベル部、胴部及び底部を有し、前記胴部が、長辺壁と、短辺壁と、前記長辺壁及び前記短辺壁をつなぐ隅壁と、水平方向に周回する複数本の環状リブとを有し、前記長辺壁が把持用エンボス部を有する、非炭酸系飲料充填用の角型の飲料用プラスチック容器において、前記隅壁の水平断面の表面形状は円弧状又は楕円弧状であり、かつ、前記把持用エンボス部は、前記長辺壁と前記隅壁との境界にて該長辺壁を容器内方向へ屈曲させ、該長辺壁の水平両側の前記境界から該長辺壁の幅中央に向かって容器内方向へ傾斜した傾斜面と、該傾斜面の両方と連接され、前記長辺壁の幅中央部に配置された、エンボスの底面とを有し、かつ、該底面は、前記容器の底部に向かうにつれて容器外方向に傾斜しており、前記環状リブのうち、少なくとも1本は前記把持用エンボス部を横断する横断環状リブであり、該横断環状リブは、前記隅壁では浅溝であり、前記長辺壁では深溝であり、かつ、前記長辺壁と前記隅壁との境界と前記深溝と前記浅溝との境界とが一致していることを特徴とする。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記浅溝は、断面U文字型溝であり、かつ、前記深溝は、断面V文字型溝であることが好ましい。浅溝を、断面U文字型溝とすることによって、縦圧縮荷重に対する座屈強度をより強くすることができる。深溝を、断面V文字型溝とすることによって、把持用エンボス部を掴むことによる容器の内方に向かう押圧力が与えられた時に、胴部が適度な反発力を有し、より安定したグリップ感を得ることができる。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記横断環状リブは、前記深溝の溝底から上側の溝縁までの高さが、前記深溝の溝底から下側の溝縁までの高さよりも高く形成されてなり、前記底面は段差付き面であることが好ましい。指が更に引っ掛かり易くなり、滑りにくくなるため、より安定して把持することができる。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記短辺壁と該短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ前記境界同士の間隔が70mm以上80mm以下であることが好ましい。子供、女性など手の小さなユーザーでも容易に把持することができる。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記短辺壁と該短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ前記境界の間の周長が115mm以下であることが好ましい。子供、女性など手の小さなユーザーでも容易に把持することができる。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記底面の前記容器の主軸に対する傾斜角度が、15〜25°であることが好ましい。この傾斜角度にすることによって、親指とその他4本の指とがなす角度と、プラスチック容器の一対の把持用エンボス部のなす角度が一致するため、容器と親指及びその他の4本の指との接地面積が大きくなり、注ぎ出し動作における身体負担(筋負担)をより軽減することができる。
本発明に係る飲料用プラスチック容器では、前記把持用エンボス部の上端が、前記容器高さをhとしたとき、前記容器の重心を中心として上下に0.02hの高さの範囲に位置することが好ましい。注ぎ出し動作の筋負担を低減することができ、かつ、内容物を安定して注ぎだすことができる。
本発明に係る飲料製品は、本発明に係る飲料用プラスチック容器に非炭酸系飲料が充填されていることを特徴とする。
本発明は、プラスチック容器、特には大容量の非炭酸系飲料充填用の飲料用プラスチック容器において、把持部に適度な反発力があり、安定したグリップ性を有し、注ぎ出し動作における身体負担(筋負担)を軽減することができ、かつ、必要な座屈強度を有したプラスチック容器を提案することができる。また、軽量化された容器を用いて、美観上の商品価値の低下が起こりにくい非炭酸系飲料製品を提供することができる。
本実施形態に係る飲料用プラスチック容器の一例を示す概観図であり、(a)は長辺壁側正面図、(b)は短辺壁側正面図を示す。 図1に示したプラスチック容器の平面図である。 図1に示したプラスチック容器の斜視図である。 図1(b)のA−A破断面の外周形状である。 把持用エンボス部の底面の前記容器の主軸に対する傾斜角度を説明するための図であり、(a)は胴部の短辺壁側の部分拡大図、(b)は手の概略図である。 図1のB−B破断面である。 図1のC−C破断面であり、(a)は第一の形態、(b)は第二の形態を示す。 容器の重心と把持用エンボス部との位置関係を説明するための図である。 測定対象の容器であり、(a)は実施例1、(b)は比較例1、(c)は比較例2を示す。 測定対象容器の把持用エンボス部の水平断面形状であり、(a)は実施例1であり、a−a破断面の外周形状、(b)は比較例1であり、b−b破断面の外周形状、(c)は比較例2であり、c−c破断面の外周形状を示す。 注ぎ出し動作におけるプラスチックボトルの持ち方を示す図である。 測定対象筋を示す図である。 浅指屈筋の最大筋力比と筋負担に対する被験者の主観的評価との関係を示す。 図13における縦軸の被験者の主観的評価の数値の具体的基準(ボルグスケール)を示す。 前記被験者6名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は持ち上げる動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。 前記被験者6名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は注ぐ動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。 握力の弱い被験者1名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は持ち上げる動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。 握力の弱い被験者1名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は注ぐ動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は構成の例であり、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る飲料用プラスチック容器の一例を示す概観図であり、(a)は長辺壁側正面図、(b)は短辺壁側正面図を示す。図2は、図1に示したプラスチック容器の平面図である。図3は、図1に示したプラスチック容器の斜視図である。本実施形態に係る飲料用プラスチック容器は、上から順に口部1、肩部2、ラベル部3、胴部4及び底部5を有し、胴部4が、長辺壁41と、短辺壁42と、長辺壁41及び短辺壁42をつなぐ隅壁43と、水平方向に周回する複数本の環状リブ11とを有し、長辺壁41が把持用エンボス部50を有する、非炭酸系飲料充填用の角型の飲料用プラスチック容器100において、隅壁43の水平断面の表面形状は円弧状又は楕円弧状であり、かつ、把持用エンボス部50は、長辺壁41と隅壁43との境界Sにて長辺壁41を容器内方向へ屈曲させ、長辺壁41の水平両側の境界Sから長辺壁41の幅中央に向かって容器内方向へ傾斜した傾斜面50bと、傾斜面50bの両方と連接され、長辺壁41の幅中央部に配置された、エンボスの底面50aとを有し、かつ、底面50aは、容器100の底部5に向かうにつれて容器外方向に傾斜しており、環状リブ11のうち、少なくとも1本は把持用エンボス部50を横断する横断環状リブ15であり、横断環状リブ15は、隅壁43では浅溝15aであり、長辺壁41では深溝15bであり、かつ、長辺壁41と隅壁43との境界Sと深溝15bと浅溝15aとの境界S´とが一致している。
口部1は中身の飲料を注ぎ易いように通常、1.5〜4cmの直径で形成されており、また肩部2は、胴径の大きいラベル部3につながるようにラベル部に向かって胴径を拡径させて錐体形状をしている。なお、図1、図2及び図3に示した容器の肩部2は複数のカット面から形成されているが、曲面で形成してもよい。ラベル部3はその外周にシュリンクラベル又はロールラベルなどの商品表示ラベルが装着される。ラベル部3の水平断面形状は、胴部4になだらかにつながる形状であればよく、本実施形態では限定されない。例えば、胴部4と同様に長辺壁、短辺壁及び隅壁を有する角型、円型、楕円型である。また、ラベル部3には、陥没したグリップ用エンボス部31が設けることができる。グリップ用エンボス部31は、消費者がラベル部3を把持した場合に、指先がグリップ用エンボス部31の陥没した凹部に入ることで、グリップ性を高めるために設けられている。胴部4は、主として消費者に把持される箇所であり、ラベル部3とほぼ同様の胴径が与えられるか、又はラベルのこすれを防止するためにラベル部3よりも長辺及び短辺を1mm程度大きい胴径が与えられる。底部5は、縦リブが複数設けられて強度を向上させており、自立型を実現している。
飲料用プラスチック容器は、ブロー成形、好ましくは2軸延伸ブロー成形によって得られる。飲料プラスチック容器の材質は、PET樹脂が好ましいが、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
飲料用プラスチック容器は、例えば、500ml〜2リットルの容量を対象とするが、特に把持するのに筋負担が大きく、かつ、座屈強度が要求される1.5〜2リットルの容器を好適な対象とする。例えば、プラスチック容器の高さが200〜370mm、矩形で外挿した胴径、つまり長辺壁と短辺壁との接線で囲まれる矩形で近似した胴径が(60〜120)×(60〜100)mm、胴部肉厚が0.10〜0.30mmである。無菌充填用のボトルの場合、胴部肉厚は、0.10〜0.30mmとすることが好ましい。また、ホット充填用の容器とすることも可能であり、この場合、胴部肉厚は0.20〜0.50mmとすることが好ましい。本発明は、肉厚を薄くすることが求められる無菌充填用のボトルとして、胴部肉厚が0.10〜0.30mmである場合に好適である。なお、500ml以下の容量で高さが200mm未満であるプラスチック容器についても、把持しやすさを向上させ、かつ、耐座屈性を有するプラスチック容器とすることができる。この場合、前記寸法のプラスチック容器を基準として相似形状を維持しながら小型化させることで対応できる。
ラベル部3及び胴部4には、それぞれ水平方向に周回する複数本の環状リブ11が設けられている。環状リブ11の形状は、本実施形態では限定されず、例えば、水平状、横波状とすることができる。特に、図1及び図3に示すように、胴部4のうち底部5に近い下方を、垂直方向を振幅方向とする横波状のリブとすることが好ましい。これによって、縦圧縮荷重に対する座屈強度に強い容器とすることができる。
図2に示すように、本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、胴部4は角型であり、長辺壁41と短辺壁42と隅壁43とからなる。なお、長辺壁41の長辺と短辺壁42の短辺とが同じ長さである形状、すなわち水平断面形状がほぼ正方形の角型であってもよい。隅壁43の水平断面の表面形状は円弧状又は楕円弧状である。また、隅壁43を角が面取りされた形状としてもよい。
図4は、図1(b)のA−A破断面の外周形状である。本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、短辺壁42と短辺壁42の両側に連接された隅壁43とを間に挟んだ境界S同士の間隔Pが70mm以上80mm以下であることが好ましい。より好ましくは、70〜77mmであり、特に好ましくは70〜75である。70mm未満では、耐座屈性に劣る場合がある。また、所望の内容量を充填することができなくなる場合がある。80mmを超えると、特に子供、女性など手の小さなユーザーが容易に把持することができなくなる場合があり、手の大きなユーザーにおいても注ぎ出し動作の筋負担が大きくなるおそれがある。
本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、短辺壁42と短辺壁42の両側に連接された隅壁43とを間に挟んだ境界Sの間の周長Qが115mm以下であることが好ましい。より好ましくは、110mm以下であり、特に好ましくは、100mm以下である。115mmを超えると、子供、女性など手の小さなユーザーが容易に把持することができなくなる場合がある。また、手の大きなユーザーにおいても注ぎ出し動作の筋負担が大きくなるおそれがある。なお、周長Qの下限は、90mmであることが好ましい。90mm未満では、耐座屈性に劣る場合がある。また、所望の内容量を充填することができなくなる場合がある。
把持用エンボス部50の形状について図1、図3及び図4を用いて以下に説明する。図1及び図3に示すように、胴部4の長辺壁41には、胴部4の上端部4aを上端部50tとする把持用エンボス部50が設けられている。把持用エンボス部50は、長辺壁41の中央部に位置していることが好ましい。図4に示すように、把持用エンボス部50は、長辺壁41と隅壁43との境界Sにて長辺壁41を容器内方向へ屈曲させ、長辺壁41の水平両側の境界Sから長辺壁41の幅中央に向かって容器内方向へ傾斜した傾斜面50bと、傾斜面50bの両方と連接され、長辺壁41の幅中央部に配置された、底面50aとを有する凹部である。傾斜面50bと長辺壁41の胴壁とのなす角度θ3は、20〜50°であることが好ましい。より好ましくは、30〜40°であり、特に好ましくは33〜37°である。
把持用エンボス部50の大きさは、水平方向の幅、すなわち長辺壁41の水平両側の境界S同士の間の距離Tは、40〜70mmであることが好ましい。より好ましくは、55〜65mmであり、特に好ましくは、56〜60mmである。40mm未満では、短辺壁42と短辺壁42の両側に連接された隅壁43とを間に挟んだ境界Sの間の周長Qが長くなるため、親指及びその他4本の指を引っ掛けることが難しくなり、特に、手の小さなユーザーが把持するのが困難になる場合がある。結果として、注ぎ出し動作における筋負担が大きくなるおそれがある。また、70mmを超えると、必要な座屈強度が得られなくなる場合がある。一方、垂直方向の幅、すなわち把持用エンボス部50の上端部50tと下端部50sとの間の距離Rは、40〜70mmであることが好ましい。より好ましくは、45〜65mmであり、特に好ましくは、50〜60mmである。40mm未満では、人差し指、中指、薬指及び小指を容器に密着させにくくなる場合がある。70mmを超えると、容器の耐座屈性が劣る場合がある。
把持用エンボス部50の深さは、図1(b)に示すように胴部4の上端部4aで最も深くなり、容器100の底部5に向かうにつれて、底面50aは容器外方向に傾斜し、胴壁につながっている。胴部4の上端部4aでの把持用エンボス部50の深さは、把持して容器を持ち上げた時に指の引っ掛かりを確実にし、安定して注ぎ出し動作を行うことができるようにするために、親指の厚さ以上とすることが好ましい。具体的には、8〜18mmであることが好ましい。より好ましくは、10〜16mmであり、特に好ましくは、12〜14mmである。8mm未満では、指の引っ掛かりが不十分である場合があり、安定した注ぎ出し動作ができなくなるおそれがある。18mmを超えると、指を把持用エンボス部50の底面50aに接触させることが困難になり、把持しにくくなる場合がある。
図5は、把持用エンボス部の底面の前記容器の主軸に対する傾斜角度を説明するための図であり、(a)は胴部の短辺壁側の部分拡大図、(b)は手の概略図である。図5(a)に示すように、把持用エンボス部50の底面50aは、容器100の底部5に向かうにつれて容器外方向に傾斜している。本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、底面50aの容器の主軸Oに対する傾斜角度θ1が、15〜25°であることが好ましい。より好ましくは、17〜23°であり、特に好ましくは、19〜21°である。図5(b)に示す親指とその他4本の指とがなす角度θ2と、一対の把持用エンボス部50a同士がなす角度θ1+θ1が近似している。したがって、容器と手との接触面積が大きくなり、結果として、注ぎ出し動作の筋負担を低減することができる。
環状リブ11のうち、少なくとも1本は把持用エンボス部50を横断する横断環状リブ15である。横断環状リブ15は、隅壁43では浅溝15aであり、長辺壁41では深溝15bであり、かつ、長辺壁41と隅壁43との境界Sと深溝15bと浅溝15aとの境界S´とが一致している。これによって、容器を把持した時に生じる容器の水平方向の圧縮荷重に対して適度な反発力を付与することができ、かつ、容器の不可逆な変形を防止することができる。
図6は、図1のB−B破断面、すなわち隅壁43の破断面である。図7は、図1のC−C破断面、すなわち長辺壁41の破断面であり、(a)は第一の形態、(b)は第二の形態を示す。浅溝15a及び深溝15bの幅Wは3〜6mmであることが好ましく、より好ましくは、4〜5mmである。リブ幅は一定であることが好ましい。なお、浅溝15a及び深溝15bの幅Wは、容器の高さ方向の幅、すなわち深溝15bの上側の溝縁Jを通る水平面と、下側の溝縁Kを通る水平面との距離である。浅溝15aの深さd1は、例えば1.0〜2.0mmであり、深溝15bの深さd2は、例えば2.0〜4.0mmである。深溝15bの深さd2は浅溝15aの深さd1よりも大きいことが好ましい。このような形態を実現するために、例えば、浅溝15aを1段溝としたとき、深溝15bを更に深い2段溝とする。
本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、図6又は図7に示すように、浅溝15aは、断面U文字型溝であり、かつ、前記深溝15bは、断面V文字型溝であることが好ましい。ここで、断面U文字型溝は、溝の斜面15a1と斜面15a1同士の間に溝底面15a2を有する形状をいう。溝底面15a2は、図6に示すような平面形状に限定されず、湾曲面である形状を包含する。断面V文字型溝は、溝の上側の斜面15b1と下側の斜面15b3とが当接した溝底15b2を有する形状をいう。溝底15b2は、平面部を有さない形状の他、図7に示すようにわずかに平面部を有する形状、角を丸めた形状を包含する。
浅溝15aを、断面U文字型溝とすることによって、縦圧縮荷重に対する座屈強度をより強くすることができる。また、指の腹及び親指と人差し指との間の股部が溝縁に接触する時の違和感を低減することができる。一方、深溝15bを、断面V文字型溝とすることによって、把持用エンボス部を掴むことによって生じる容器の水平方向の圧縮荷重が加えられた時に、胴部が適度な反発力を有し、より安定したグリップ感を得ることができる。また、断面V文字型溝では、溝底15b2の位置を、上側の溝縁Jと下側の溝縁Kとを結んだ線分の中点Iの高さよりも上側とする形態、中点Iと同じ高さにする形態、中点Iの高さよりも下側とする形態を包含するが、図7(a)に示すように、中点Iより上側とする形態とすることがより好ましい。このようにすることによって、容器を把持して持ち上げる時に上側の斜面15b1に指がより引っ掛かり易くなり、筋負担を低減することができる。
図7(b)に示すように、本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、横断環状リブ15は、深溝15bの溝底15b2から上側の溝縁Jまでの高さd3が、深溝15bの溝底15b2から下側の溝縁Kまでの高さd4よりも高く形成されてなり、把持用エンボス部50の底面50aは段差付き面であることが好ましい。ここで、深溝15bの溝底15b2から上側の溝縁Jまでの高さd3とは、図7(b)に示すとおり、上側の溝縁Jを含む把持用エンボス部50の底面50aと、底面50aと平行な面であって、溝底15b2を通る面50bとの距離をいう。深溝15bの溝底15b2から下側の溝縁Kまでの高さd4についても同様である。例えば、深溝15bの溝底15b2から上側の溝縁Jまでの高さd3を2.0〜4.0mmとしたとき、深溝15bの溝底15b2から下側の溝縁Kまでの高さd4は1.0〜2.0mmとする。把持用エンボス部の底面50aはd3>d4とすることによって、段差付き面となるため、より指が引っ掛かり易くなり、滑りにくくなるため、より安定して把持することができる。結果として、注ぎ出し動作の筋負担を低減することができる。
本実施形態では、胴部4の横断環状リブ15以外の環状リブ11を、隅壁43では浅溝とし、長辺壁41では深溝とすることが好ましい。さらに、浅溝は、断面U文字型溝とし、かつ、深溝は、断面V文字型溝とすることが好ましい。短辺壁42についても同様に、隅壁43では浅溝とし、短辺壁42では深溝とすることが好ましく、更に浅溝は、断面U文字型溝とし、かつ、深溝は、断面V文字型溝とすることが好ましい。また、ラベル部3の環状リブ11aを隅壁33では、浅溝とし、長辺壁31では深溝とすることが好ましい。短辺壁32についても同様に、隅壁33では浅溝とし、短辺壁32では深溝とすることが好ましい。このとき、浅溝は、断面U文字型溝とし、かつ、深溝は、断面V文字型溝とすることが好ましい。これによって、容器全体の耐座屈性を向上し、水平方向の圧縮荷重に対して反発力を与えることができる。
図8は、容器の重心と把持用エンボス部との位置関係を説明するための図である。図8に示すように、本実施形態に係る飲料用プラスチック容器では、把持用エンボス部50の上端部50tが、容器100の高さをhとしたとき、容器100の重心Gを中心として上下に0.02hの高さの範囲に位置することが好ましい。注ぎ出し動作の筋負担を低減することができ、かつ、内容物を安定して注ぎだすことができる。
本実施形態に係る飲料用プラスチック容器は、非炭酸系飲料が充填されている製品、特に容量1〜2リットル、更には容量1.5〜2リットル用として好適に使用される。容器を軽量化・薄肉化した容器を用いて、美観上の商品価値の低下が起こりにくい非炭酸系飲料製品を提供することができる。
以下、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
図9は、測定対象の容器であり、(a)は実施例1、(b)は比較例1、(c)は比較例2を示す。図10は、測定対象容器の把持用エンボス部の水平断面形状であり、(a)は実施例1であり、a−a破断面の外周形状、(b)は比較例1であり、b−b破断面の外周形状、(c)は比較例2であり、c−c破断面の外周形状を示す。測定対象容器の内容量はいずれも2リットルとした。図9及び図10に示すように、測定対象の容器は、いずれも内容量が2リットルのプラスチック容器であり、長辺壁のラベル部又は胴部に把持用エンボス部を有し、かつ、把持用エンボス部の水辺断面形状が角を丸めた矩形である。実施例1、比較例1又は比較例2の測定対象容器は、把持用エンボス部の凹部の形状が異なるA、B又はCである。これらの測定対象の容器について、主観評価及び注ぎ出し動作の負担推定方法により、注ぎ出し動作における負担を評価した。被験者は、手首と手のひらの境界から中指の先端までの手長が15.4〜17.4cmであり、握力が18〜34kgである手の小さい10代から30代の男女6名とした。
(注ぎ出し動作の負担推定方法による注ぎ出し動作における負担の評価)
注ぎ出し動作の負担推定方法とは、容器本体を持ち上げ、続いて容器本体を傾ける一連の注ぎ出し動作における身体負担を客観的かつ定量的に評価することで、主観的評価を推定する方法である。すなわち、注ぎ出し動作時に働く動作筋を特定し、この動作筋について、最大随意当尺性収縮時の筋電位情報の取得工程、筋電位情報の取得工程及び最大筋力比算出工程を経ることにより注ぎ出し動作の負担を評価する。この注ぎ出し動作の負担推定方法は、最大筋力比を指標として使用するため、個人間の差異が出にくい。よって、官能評価のように数多くの被験者を集める必要がなく、注ぎ出し動作における身体負担を客観的に評価することができ、また、最大筋力比という数値で表現できるため、定量的に把握できる。また、被験者として、身体的特徴(男女、手の大きさなど)の異なる特定の数名の被験者を集めで計測すれば、その身体的特徴を包含する被験者を想定して、注ぎ出し動作における身体負担を把握することが可能となる。例えば、被験者母集団の境界に位置するような人、例えば母集団の中で手の大きな人、小さな人、握力の大きい人、小さい人などを選定し、これらの人のデータを取ることで、最も母集団に適した容器を推定することができる。
計測において、把持の方法及び注ぎ出し動作は、次のとおり指定した。すなわち、把持の方法は、図11に示すようにプラスチックボトルの高さ中央が中指の位置にくるように、かつ、中指が水平方向を向くように把持する。注ぎ出し動作は、2秒で持ち上げ、3秒静止、2秒で傾け、3秒停止する。上記注ぎ出し動作を8回試行し、筋電位を最大筋力比に換算し、平均した。このとき、持ち上げ動作と、注ぎ動作を分けてそれぞれ最大筋力比を算出した。
(動作筋の特定)
注ぎ出し動作において、上肢の各関節の動きは次のとおりである。
(1)把持する。つまり、母指の屈曲、内転及び第2〜5指の屈曲の動きである。
(2)持ち上げる。つまり、肘関節の屈曲、手関節の橈屈、伸展の動きである。
(3)コップに注ぐ。つまり、肩関節の外転、手関節の屈曲、尺屈の動きである。
前記(1)〜(3)の動作の中で働く動作筋のうち、筋電図を計測可能な筋を選定した結果、持ち上げる動作では、第1背側骨間筋、長母指外転筋、総指伸筋及び橈側手根伸筋であり、注ぐ(容器本体を傾ける)動作では、第1背側骨間筋、浅指屈筋、総指伸筋及び橈側手根伸筋であった。図12に、選定した測定対象筋を示す。測定対象筋はそれぞれ、筋A:第1背側骨間筋、筋B:長母指外転筋、筋C:浅指屈筋、筋D:総指伸筋及び筋E:橈側手根伸筋とした。各骨格筋の働きは、例えば、第1背側骨間筋は、母指の内転(人差し指に近づける動作)、長母指外転筋は、母指の外転(人差し指から離れる動作)、総指伸筋は、第2指〜第5指の伸展(母指以外の指を伸ばす動作)である。
筋電図は筋電位の経過時間を横軸とし、筋電位を縦軸とするグラフである。筋肉は脳からの指令によって収縮を行うが、この指令は電気信号として伝わる。この電気信号を皮膚表面に固定した電極によって測定したものを筋電位という。筋電位は計測系だけでなく、筋肉量や皮膚の厚さ、負荷に対する筋活動の現れ方など、個人差が大きいため、最大随意当尺性収縮(以下、「MVC:maximum voluntary contraction」ともいう)時の筋電位を100%とする相対値(%MVC)を用いて比較すると個人差等の誤差を少なくすることができる。%MVCは、最大筋力比であり、数1で求めることができる。
(数1)最大筋力比=注ぎ出し動作に伴う筋電位/最大随意当尺性収縮時の筋電位
最大筋力比と筋負担に対する被験者の主観的評価(例えば楽である、やや楽である、ややきつい、きついなど)との関係は、対数関数として対応可能である。図13に浅指屈筋の最大筋力比と筋負担に対する被験者の主観的評価との関係を示す。図14に、図13における縦軸の被験者の主観的評価の数値の具体的基準(ボルグスケール)を示した。
(動作筋の最大随意当尺性収縮時の筋電位情報の取得工程)
前記の選定された測定対象筋についてそれぞれ最大随意当尺性収縮時の筋電位を求めた。筋電位の測定は、筋電計を用いて公知の方法、例えば手・腕の筋部位に電極を取り付け、筋電位を測定することで行った。
(動作筋の筋電位情報の取得工程)
次に注ぎ出し動作がなされたときの測定対象筋の筋電位情報を取得した。筋電位の測定方法は、測定対象筋の最大随意当尺性収縮時の筋電位情報を取得する場合と同様である。
(最大筋力比算出工程)
前記のとおり、筋電位を単に比較するのではなく、個人差等の測定値の変動要因を排除するために、最大随意当尺性収縮時の筋電位を100%とする相対値(%MVC=最大筋力比)を用いて比較する。%MVCは、最大筋力比であり、数1で算出した。以上の工程を経ることで、測定対象の容器について筋ごとに最大筋力比の値を算出した。
(主観評価)
注ぎ出し動作の負担推定方法による注ぎ出し動作における負担の評価において、注ぎ出し動作を行った時の主観評価を、比較例1を基準(3点)とし、比較例1よりも容易な場合は3点未満、難易の場合には3点を超える得点をつけて行った。
図15は、前記被験者6名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は持ち上げる動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。図16は、前記被験者6名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は注ぐ動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。
図15(a)より、実施例1の容器は、持ち上げ動作において比較例1及び比較例2の容器よりも主観評価が低く被験者が注ぎ易いと感じたことが確認できた。図15(b)より、実施例1の容器は、持ち上げ動作において、比較例1の容器と比較して筋負担を20%低減し、比較例2の容器と比較して筋負担を10%低減したことが確認できた。また、図16(a)より、実施例1の容器は、注ぐ動作において比較例1及び比較例2の容器よりも主観評価が低く被験者が注ぎ易いと感じたことが確認できた。図16(b)より、実施例1の容器は、注ぐ動作において、比較例1の容器と比較して筋負担を15%低減し、比較例2の容器と比較して筋負担を5%低減したことが確認できた。
さらに、握力の弱い被験者について、同様の評価を行った。被験者は、手長17.2cmであり、握力18kgの20代の女性である。図17は、握力の弱い被験者1名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は持ち上げる動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。図18は、握力の弱い被験者1名が注ぎ出し動作を8回試行した平均を示したグラフであり、(a)は注ぐ動作の主観評価、(b)は各動作筋の最大筋力比(%MVC)を示したグラフである。
図17(a)より、実施例1の容器は、持ち上げ動作において比較例1及び比較例2の容器よりも主観評価が低く被験者が注ぎ易いと感じたことが確認できた。図17(b)より、実施例1の容器は、持ち上げ動作において、比較例1の容器と比較して筋負担を46%低減し、比較例2の容器と比較して筋負担を21%低減したことが確認できた。また、図18(a)より、実施例1の容器は、注ぐ動作において比較例1及び比較例2の容器よりも主観評価が低く被験者が注ぎ易いと感じたことが確認できた。図18(b)より、実施例1の容器は、注ぎ出し動作において、比較例1の容器と比較して筋負担を30%低減し、比較例2の容器と比較して筋負担を7%低減したことが確認できた。以上より、本発明に係る飲料用プラスチック容器は、握力の弱いユーザーについて特に筋負担の顕著な低減を確認することができた。
1 口部
2 肩部
3 ラベル部
4 胴部
4a 胴部の上端部
5 底部
11 環状リブ
15 横断環状リブ
15a 浅溝
15a1 浅溝の斜面
15a2 浅溝の底面
15b 深溝
15b1 深溝の上側の斜面
15b2 深溝の溝底
15b3 深溝の下側の斜面
31 グリップ用エンボス部
41 長辺壁
42 短辺壁
43 隅壁
50 把持用エンボス部
50a 把持用エンボス部の底面
50b 把持用エンボス部の傾斜面
50t 把持用エンボス部の上端部
50s 把持用エンボス部の下端部
100 飲料用プラスチック容器
θ1 容器の主軸Oに対する把持用エンボス部の底面の傾斜角度
θ2 親指とその他4本の指とがなす角度
θ3 把持用エンボス部の傾斜面と長辺壁の胴壁とのなす角度
d1 浅溝の深さ
d2 深溝の深さ
d3 深溝の溝底から上側の溝縁までの高さ
d4 深溝の溝底から下側の溝縁までの高さ
W 浅溝及び深溝の幅
I 深溝の上側の溝縁と下側の溝縁とを結んだ線分の中点
J 深溝の上側の溝縁
K 深溝の下側の溝縁
S 長辺壁と隅壁との境界
S´ 深溝と浅溝との境界
P 短辺壁と短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ境界S同士の間隔
Q 短辺壁と短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ境界Sの間の周長
T 把持用エンボス部の水平方向の幅
R 把持用エンボス部の垂直方向の幅
h 飲料用プラスチック容器の高さ
G 飲料用プラスチック容器の重心

Claims (8)

  1. 上から順に口部、肩部、ラベル部、胴部及び底部を有し、前記胴部が、長辺壁と、短辺壁と、前記長辺壁及び前記短辺壁をつなぐ隅壁と、水平方向に周回する複数本の環状リブとを有し、前記長辺壁が把持用エンボス部を有する、非炭酸系飲料充填用の角型の飲料用プラスチック容器において、
    前記隅壁の水平断面の表面形状は円弧状又は楕円弧状であり、かつ、
    前記把持用エンボス部は、前記長辺壁と前記隅壁との境界にて該長辺壁を容器内方向へ屈曲させ、該長辺壁の水平両側の前記境界から該長辺壁の幅中央に向かって容器内方向へ傾斜した傾斜面と、該傾斜面の両方と連接され、前記長辺壁の幅中央部に配置された、エンボスの底面とを有し、かつ、該底面は、前記容器の底部に向かうにつれて容器外方向に傾斜しており、
    前記環状リブのうち、少なくとも1本は前記把持用エンボス部を横断する横断環状リブであり、該横断環状リブは、前記隅壁では浅溝であり、前記長辺壁では深溝であり、かつ、前記長辺壁と前記隅壁との境界と前記深溝と前記浅溝との境界とが一致していることを特徴とする飲料用プラスチック容器。
  2. 前記浅溝は、断面U文字型溝であり、かつ、前記深溝は、断面V文字型溝であることを特徴とする請求項1に記載の飲料用プラスチック容器。
  3. 前記横断環状リブは、前記深溝の溝底から上側の溝縁までの高さが、前記深溝の溝底から下側の溝縁までの高さよりも高く形成されてなり、前記底面は段差付き面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料用プラスチック容器。
  4. 前記短辺壁と該短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ前記境界同士の間隔が70mm以上80mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の飲料用プラスチック容器。
  5. 前記短辺壁と該短辺壁の両側に連接された隅壁とを間に挟んだ前記境界の間の周長が115mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の飲料用プラスチック容器。
  6. 前記底面の前記容器の主軸に対する傾斜角度が、15〜25°であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の飲料用プラスチック容器。
  7. 前記把持用エンボス部の上端が、前記容器高さをhとしたとき、前記容器の重心を中心として上下に0.02hの高さの範囲に位置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の飲料用プラスチック容器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の飲料用プラスチック容器に非炭酸系飲料が充填されていることを特徴とする飲料製品。
JP2009277202A 2009-12-07 2009-12-07 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品 Active JP5221501B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009277202A JP5221501B2 (ja) 2009-12-07 2009-12-07 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009277202A JP5221501B2 (ja) 2009-12-07 2009-12-07 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011116427A JP2011116427A (ja) 2011-06-16
JP5221501B2 true JP5221501B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=44282242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009277202A Active JP5221501B2 (ja) 2009-12-07 2009-12-07 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5221501B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USD888564S1 (en) 2019-10-09 2020-06-30 Owens-Brockway Glass Container Inc. Container

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5997097B2 (ja) * 2013-05-10 2016-09-28 麒麟麦酒株式会社 プラスチックボトル及び飲料製品
JP6254416B2 (ja) * 2013-10-17 2017-12-27 キリン株式会社 プラスチック容器
JP6537770B2 (ja) 2013-11-22 2019-07-03 ザ コカ・コーラ カンパニーThe Coca‐Cola Company プラスチックボトル
JP6240499B2 (ja) * 2013-12-27 2017-11-29 サントリーホールディングス株式会社 ボトル容器
JP7481111B2 (ja) * 2019-12-26 2024-05-10 キリンホールディングス株式会社 プラスチックボトル

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0751460Y2 (ja) * 1989-02-01 1995-11-22 東洋製罐株式会社 角形プラスチックボトル
ITMI20020164U1 (it) * 2002-03-27 2003-09-29 Sanpellegrino S P A Struttura di bottiglia per bevande avente ergonomia di presa ed efficienza strutturale accresciute
US20070114200A1 (en) * 2004-11-05 2007-05-24 Lane Dean V Stackable bottle system
JP4940646B2 (ja) * 2005-12-19 2012-05-30 大日本印刷株式会社 プラスチックボトル容器
FR2899204B1 (fr) * 2006-04-04 2008-06-20 Eaux Minerales D Evian Saeme S Bouteille en matiere plastique presentant une portion de prehension
JP4990709B2 (ja) * 2007-07-25 2012-08-01 株式会社吉野工業所 ボトル
JP5030823B2 (ja) * 2008-03-07 2012-09-19 麒麟麦酒株式会社 耐座屈性を有するプラスチック容器及びそれを用いた飲料製品
JP5143686B2 (ja) * 2008-09-24 2013-02-13 ザ コカ・コーラ カンパニー プラスチックボトル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USD888564S1 (en) 2019-10-09 2020-06-30 Owens-Brockway Glass Container Inc. Container

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011116427A (ja) 2011-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5221501B2 (ja) 飲料用プラスチック容器及びそれを用いた飲料製品
JP5024666B2 (ja) プラスチックボトル容器およびプラスチックボトル容器のくびれ部
US7628285B2 (en) Bottle with anti-slippage prints
US20080012368A1 (en) Carton holder
JPH07503688A (ja) 注ぎ出しを容易に行うことができるようにする実質的に剛性の把持部を持つ,ハンドルを備えていないプラスチック製軽量ボトル
EP2042438A1 (en) Synthetic resin bottle
US8444022B2 (en) Pouring device with deformable spout
JP2003226319A (ja) 合成樹脂製の薄肉ボトル容器
JP4940646B2 (ja) プラスチックボトル容器
JP4314945B2 (ja) 容器
JP5002957B2 (ja) プラスチックボトル容器
JP5424791B2 (ja) プラスチックボトル及びそれを用いた飲料製品
US11213710B2 (en) Ergonomic yoga block and method of use
JP3138927U (ja) ペットボトル
US7024730B2 (en) Handheld device for holding plastic grocery bags
JP5618523B2 (ja) ボトル型容器
EP3013191B1 (en) Device for a set of cutlery
JP4940647B2 (ja) プラスチックボトル容器
JP4025915B1 (ja) ペットボトル
CN209814509U (zh) 一种饮料瓶
JP5462642B2 (ja) 合成樹脂製容器
KR200343440Y1 (ko) 아령 운동용 휴대손잡이
JP2017128348A5 (ja)
CN201694474U (zh) 一种手提购物筐
JP2011105325A (ja) ボトル型容器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5221501

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313118

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250