JP3138927U - ペットボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】握力の小さい老人・子どもでも容易に片手でペットボトルを吊り下げて持ち運べるようにする。
【解決手段】ペットボトルの半分高さより上方の位置に(高さ方向の重心位置より上の位置に)、胴部の胴面に少なくとも1本の指(人差し指・中指・薬指の内の少なくとも1本)を引っ掛け、ペットボトルを吊り下げて持ち運びできる凹部20を配設したもので、凹部20は奥行き方向に上向き傾斜してアンダーカット状を呈した構成。
【選択図】図2

Description

本考案は、ペットボトルの形状に関する。詳しくは、ペットボトルの胴部の胴面に指を引っ掛けて吊り下げ,片手で持ち運びできるようにしたペットボトルに関する。
老人・子どもなどの握力が弱い人、あるいは手の小さい人にとって、内容積が2〜3リットル程度の大型ペットボトルを片手で挟持すること、挟持し運ぶこと、または挟持して内容物をコップ等に注ぐことが困難である。特に、ペットボトルを冷蔵庫から出した直後は結露して滑りやすく、ペットボトルの取扱いと持ち運びが不便で難渋していた。特に、軽量化とコスト減のためペットボトルの肉厚が薄い場合は胴部の押圧挟持により変形しやすく持ち運びしにくかった。
ペットボトルの胴部を手のひらと指で押圧挟持した際、ペットボトルの変形を防止するため、口部、胴部及び底部を備えた容器であって、前記胴部の高さ方向ほぼ中央に、容器口部側接続面、溝底面、容器底部側接続面を備えたウエスト溝が形成されており、少なくとも一組の互いに対向する把持凹部を前記ウエスト溝上に形成するとともに、少なくとも前記ウエスト溝の容器底部側接続面を含む領域に、前記ウエスト溝に対して前記底部側に位置し、かつ、容器内方に向かって凸曲面状の指収納凹部が、少なくとも一つ形成されていることを特徴とする容器として特開2006−256693号公報が提案されている。
さらに、片手で把持したときに安定性よく持ち上げられ、かつ繰り返しの変形に強い容器として、容器胴部4の胴面41に、複数の斜面71,72,73によって容器内方に窪む把持部7を設けた容器1において、前記斜面の一つに外方に膨らむ凸部75又は内方に窪む凹部76を形成したことを特徴とする容器、前記斜面の少なくとも一つに段部78を形成したことを特徴とする容器又は前記複数の斜面のうち、幅方向に形成してある斜面に稜線79を設け、かつ、この稜線79を容器幅方向の中心線側に傾斜させたことを特徴とするものが特開2004−250063号公報に提案されている。
さらに、実開平07−035335号公報には、指掛け用凹部9を奥行き方向に傾斜させる構成が記載されている。
特開2006−256693号公報 特開2004−250063号公報 実開平07−035335号公報
しかし特許文献1においては、ペットボトルの胴部を横方向から手と指で挟持するものであって、胴部を押圧挟持した際、指収納凹部62に親指の側部の一部が引っ掛かるように構成したものである。また、胴部の裏面側に対向するごとく配設した把持凹部63に人差し指や中指などの側部の一部が嵌り込むようにしたものである。
同様に特許文献2おいては、直立するペットボトルの胴部を横方向から手と指で挟持するものであって、胴部を挟持した際、凹部76に親指の側部の一部が窪みに引っ掛かるようにし、胴部の裏面側に対向するごとく配設した凸部75に人差し指や中指などの側部の一部が引っ掛かるようにしたものである。
このように特許文献1、2ではペットボトルの胴部を手のひらと指とで押圧挟持することを目的としており、本願のごとくペットボトルの胴部の胴面に設けたアンダーカット状の凹部に少なくとも1本の指を引っ掛けて吊り下げることを目的とするものでない。
ペットボトルを冷蔵庫から出した直後は結露して滑りやすい。特許文献1、2において、結露したペットボトルを持ち上げるにはすべらないよう胴部を挟持する力が強くなり、胴部が押圧力で変形する恐れが大きかった。
軽量化とコスト減を目的として肉厚を薄くしたペットボトルにおいても、胴部を手のひらと指で挟持すると押圧力で変形する恐れが大きかった。
さらに特許文献3においては、前記指掛け用凹部9は底面近傍に配設されており、缶容器1の半分高さより上方の位置(缶容器1の高さ方向の重心より高い位置)に配設したものでない。従って、凹部9のみに指を掛けて缶容器1を吊り下げた場合、缶容器1は横倒しになる、または逆さに反転して内容物がこぼれてしまう。従って、この場合の缶容器1では指掛け用凹部9に指を掛けて缶容器1を吊り下げる、または搬送することは不可能であった。
本考案は、握力の小さい老人・子どもでも容易に片手でペットボトルを吊り下げて持ち運びできるようにすることを目的とする。
本考案にかかるペットボトルは、ペットボトルの半分高さより上方の位置に(詳しくは、ペットボトルの高さ方向の重心より高い位置に)、胴部の胴面に少なくとも1本の指を引っ掛けてペットボトルを吊り下げ搬送可能にする凹部を設けたものであって、前記凹部が奥行き方向に上向き傾斜しアンダーカット状を呈していることを特徴としたもので、これによりペットボトルが結露していても凹部から指が外れる恐れがない。また、胴部を押圧挟持することによる変形がない。握力の小さい老人・子どもでも容易に片手でペットボトルを吊り下げて持ち運びできる。
なお、本考案にかかるペットボトルにおいて、指の第一関節の略半分以上が引っ掛かる凹部とするのが好ましい。これにより凹部への指の掛かりを確実にできペットボトルを落とすことがない。
さらに本考案にかかるペットボトルにおいて、凹部の開口高さhを15〜20mm程度、前記凹部の開口幅Wを20〜65mm、前記凹部の深さDを20mm以内、前記凹部の胴面に対する天面の傾斜角度θを40〜60度とするのが好ましい。これによりペットボトルを片手で容易に吊り下げられ持ち運びが楽になる。
さらに本考案にかかるペットボトルにおいて、凹部の天面と底面を繋ぐリブを開口の略中央部に配設した構成とするのが好ましい。これによりペットボトルの剛性が増し、ペットボトルを吊り下げた際のペットボトル変形をより一層防止できる。
上記構成により本考案のペットボトルは、握力の小さい老人・子どもでも容易に片手でペットボトルを吊り下げ持ち運びできる。ペットボトルが結露していても指の掛かりが外れ滑り落ちることがない。
本考案にかかるペットボトルは上述の通りである。一般的に各種樹脂製ボトル及びペットボトルの各部は大まかに言って口部40と該口部に螺合するキャップ、肩部60、胴部10、底部50から構成されている(図2参照)。ペットボトルの横断面形状は矩形、円形、正方形など任意としてよいことは自明である。
胴面に配設する凹部の幅は人差し指1本を引っ掛けて吊り上げるのに必要な開口幅としてもよいし、人差し指、中指、薬指等の複数本の指が入る開口幅とするなど任意に設定してよい。そして、凹部の寸法は例えば、開口高さhを15〜20mm程度、前記凹部の開口幅Wを20〜65mm、前記凹部の深さDを20mm以内、前記凹部の胴面に対する傾斜角度θを40〜60度とするのが好ましい。
また、ペットボトルの剛性を高め取り扱いを容易にするため前記凹部の天面と底面を繋ぐリブを開口の略中央部に配設した構成とするのが好ましい。
ペットボトルの成型は一般的にブロー成型などの工法が用いられるが、前記アンダーカットをなす凹部の成型はスライドコアを併用すれば容易に実施できる。
ボトルを形成するプラスチック材料はポリエチレンテレフタレートの他に、ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリカーボネート,ポリアリレート、又はこれらの共重合体等の熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂あるいは他の樹脂とのブレンド物が好適であり、特に、ポリエチレンテレフタレート等のエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが好適に使用される。
また、アクリロニトリル樹脂,ポリプロピレン,プロピレン−エチレン共重合体,ポリエチレン等も使用することができる。
以下、本考案の一実施例におけるペットボトルを図面とともに説明する。図1は本考案の一実施例におけるペットボトルの要部正面図、図2は図1を切断線S−Sで切断した側面方向の要部断面図を示す。符号20は凹部、21は天面、22は底面、23は奥行き側の側面を示す。
図1、図2に示すペットボトル100はペットボトルの半分高さより上方の位置に(高さ方向の重心位置より上の位置に),胴部10の胴面に少なくとも1本の指(人差し指・中指・薬指の内の少なくとも1本)を引っ掛け、ペットボトルを吊り下げて持ち運び可能にする凹部20を配設したものである。前記凹部20は奥行き方向に上向き傾斜しアンダーカット状を呈している。
凹部20の寸法は、開口高さhを20mm程度、開口幅Wを22mm程度、深さDを15mm程度、胴面に対する上向き傾斜角度θを55度程度とした。
上記構成によりペットボトル100の凹部20に人差し指等を引っ掛けて容易に吊り下げられ持ち運びが楽になる。
なお図示していないが、凹部の開口幅が50mm程度と広くすることでペットボトルの胴面が撓む恐れがある場合、凹部20の天面21と底面22を繋ぐリブを開口の略中央部に配設した構成としてもよい。これによりペットボトルの胴部剛性が増し、ペットボトルを吊り下げた際のペットボトル変形をより一層防止できる。リブの幅は3〜5mm程度とするのが好ましい。
本考案は、把手の無い各種ペットボトルとして利用することの他に、醤油、油、酒等を入れた樹脂製食品容器、洗剤を入れた把手のない樹脂製容器等にも利用できる。
本考案の一実施例におけるペットボトルの要部正面図 図1を切断線S−Sで切断した側面方向の要部断面図
符号の説明
10 胴部
20 凹部
21 天面
22 底面
23 奥行き側の側面
40 口部
50 底部
60 肩部
100 ペットボトル
h 開口高さ
D 凹部の深さ
W 凹部の開口幅
θ 胴面に対する傾斜角度
L 胴部直立高さ

Claims (1)

  1. ペットボトルの高さ方向の重心位置より上方の位置に、胴部の胴面に少なくとも1本の指を引っ掛けてペットボトルを吊り下げ搬送可能にする凹部を設けたものであって、前記凹部が奥行き方向に上向き傾斜しアンダーカット状を呈していることを特徴とするペットボトル。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
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