JP4579911B2 - スルビビン発現の調節 - Google Patents

スルビビン発現の調節 Download PDF

Info

Publication number
JP4579911B2
JP4579911B2 JP2006515126A JP2006515126A JP4579911B2 JP 4579911 B2 JP4579911 B2 JP 4579911B2 JP 2006515126 A JP2006515126 A JP 2006515126A JP 2006515126 A JP2006515126 A JP 2006515126A JP 4579911 B2 JP4579911 B2 JP 4579911B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rna
compound
acid
survivin
oligonucleotide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006515126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006526988A (ja
Inventor
バルクリシェン・バット
バービン・クマー・ペイテル
エリック・スウェイジ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ionis Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Isis Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isis Pharmaceuticals Inc filed Critical Isis Pharmaceuticals Inc
Publication of JP2006526988A publication Critical patent/JP2006526988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4579911B2 publication Critical patent/JP4579911B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • C12N15/1135Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing against oncogenes or tumor suppressor genes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/14Type of nucleic acid interfering N.A.
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/31Chemical structure of the backbone
    • C12N2310/315Phosphorothioates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/32Chemical structure of the sugar
    • C12N2310/3212'-O-R Modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/30Chemical structure
    • C12N2310/32Chemical structure of the sugar
    • C12N2310/3222'-R Modification

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明はスルビビン発現を調節する組成物および方法を提供する。特に、本発明はアンチセンス化合物、具体的にはヒトスルビビンをコード化する核酸とのハイブリッド形成が可能な二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。このようなオリゴヌクレオチドは、スルビビン発現を調節することが証明されている。
(発明の背景)
癌性細胞の顕著な特徴は無制限に増殖することである。腫瘍と正常細胞の違いとして、アポトーシスとしても知られるプログラム細胞死のプロセスに対する抵抗力が確認されている(アンブロシーニ(Ambrosini)ら、ネイチャーメディスン(Nat.Med.)、1997、3、917-921)。アポトーシスは、多細胞生物が細胞の無制限増殖を避け、疾患細胞、有害細胞、または必要でなくなった細胞を排除するために発達させたプロセスである。アポトーシスのプロセスは、タンパク質分解酵素およびDNAエンドヌクレアーゼの協奏的作用を通じて細胞がその内部から分解され、その結果アポトーシス体が形成され、その後スカベンジャー細胞によってアポトーシス体が除去されるという多段階カスケードを含む。今日までの研究で、大部分の細胞内分解が、アスパラギン酸塩の残基付近で開裂するタンパク質分解酵素群系カスパーゼの作用を通じて行われることが証明されている(コーヘン(Cohen)、バイオケミストリージャーナル(Biochemistry Journal)、1997、326、1-16)。
大部分の腫瘍細胞が当該アポトーシスプロセスに対する抵抗力を示すという発見は、腫瘍細胞が有するアポトーシスに対する抵抗力の軽減を目的とした治療方針が腫瘍細胞の拡散を止めるための新規手段となり得るという見解につながった(アンブロシーニ(Ambrosini)ら、ネイチャーメディスン(Nat.Med.)、1997、3、917-921)。腫瘍細胞がアポトーシスに対する抵抗力を獲得すると考えられる機構の1つは、これは近年、IAP(アポトーシス阻害剤)カスパーゼ阻害剤系に属するとされたスルビビンの過剰発現によるものである。今日まで、スルビビンの過剰発現は肺、大腸、膵臓、前立腺、乳房および胃の腫瘍、非ホジキンリンパ腫、および神経芽細胞腫にて検出されている(アディダ(Adida)ら、ランセット(Lancet)、1998、351、882-883;アンブロシーニ(Ambrosini)ら,ネイチャーメディスン(Nat.Med.)、1997、3、917-921;ルー(Lu)ら、キャンサーリサーチ(Cancer Res.)、1998、58、1808-1812)。神経芽細胞腫において詳細な分析が行われた。ここで、スルビビンの過剰発現が、予後不良と関係することで知られている腫瘍組織学で区別されることが発見された(アディダ(Adida)ら、ランセット(Lancet)、1998、351、882-883)。最後にアンブロシーニ(Ambrosini)らは、エフェクター細胞プロテアーゼ受容体1(EPR-1)をコード化するヒトcDNAの708ntフラグメントを含む発現ベクターを持つHeLa細胞のトランスフェクションについて記述している。そのフラグメントのコード配列は、スルビビンのコード鎖に対して相補的である(アンブロシーニ(Ambrosini)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Bio.Chem.)、1998、273、11177-11182)。この構造が細胞生存性の減少をもたらした。
最近、スルビビンが細胞周期の制御に関与していることが発見された。スルビビンは制御された細胞周期のG2/M期に発現し、紡錘体の微小管と関係することが分かった。この相互作用の崩壊によって、スルビビンの抗アポトーシス機能が失われ、有糸分裂中のカスパーゼ-3活性が増加する。カスパーゼ-3はアポトーシス細胞死と関連する。そのため、スルビビンはG2/M期におけるアポトーシスのデフォルト帰納推論に対抗する可能性があると考えられている。また癌におけるスルビビンの過剰発現がこのアポトーシスチェックポイントを超え、癌細胞が不要に残存し、分裂する可能性があるとも考えられている。アンブロシーニ(Ambrosini)によるスルビビンアンチセンス構造は、HeLa細胞にある内因性スルビビンを下方制御し、G2/M期における細胞内のカスパーゼ-3依存アポトーシスを増加させることが発見された。リー(Li)ら、ネイチャー(Nature)、1998、396、580-584。
多くの種において、二本鎖RNA(dsRNA)の導入が強力且つ特異的な遺伝子の発現抑制を誘発する。この現象は、植物においても動物においても生じ、ウイルス防御機構およびトランスポゾンの発現抑制機構に関与する(ヨルゲンセン(Jorgensen)ら、植物分子生物学(Plant Mol.Biol.)、1996、31、957-973;ナポリ(Napoli)ら、植物細胞(Plant Cell)、1990、2、279-289)。
dsRNAが動物における遺伝子の発現抑制につながるという第一の証拠は、シノラブディスエレガンスという線虫の研究に由来する。この研究において、dsRNA(センス鎖およびアンチセンス鎖の混合体)を供給、浸漬、または注入することによって、センス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかを単独で注入するよりも格段に効果的に発現抑制が行われることが証明されている(クオ(Guo)および(Kemphues)、セル(Cell)、1995、81、611-620;ファイア(Fire)ら、ネイチャー(Nature)391:806-811(1998);モンゴメリー(Montgomery)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)95:15502-15507(1998);PCT国際公開WO99/32619;(ファイア(Fire)ら、ネイチャー(Nature)、1998、391、806-810;ティモンズ(Timmons)ら、遺伝子(Gene)、2001、263、103-112;ティモンズ(Timmons)およびファイア(Fire)、ネイチャー(Nature)、1998、395、854)。以降、該現象は、キイロショウジョウバエ(ケネデル(Kennerdell)ら、細胞(Cell)95:1017-1026(1998))およびマウス胚(ウィアニー(Wianny)ら、ネイチャー・セル・バイオロジー(Nat.Cell Biol.)2:70-75(2000))を含む多くの生物で見られている。
この転写後の遺伝子発現抑制現象は「RNA干渉(RNAi)」と呼ばれ、一般にターゲットmRNAの分解を介して遺伝子発現を配列特異的に低下させるdsRNAが関わる遺伝子発現抑制プロセスを意味するようになっている(タッシュル(Tuschl)ら、遺伝子と発生(Genes Dev.)、1999、13、3191-3197)。
3’オーバーハングを持つ21-および22-nt dsRNAフラグメントはRNAiの標準配列特異的メディエーターであることが証明されている。低分子干渉RNA(siRNA)と呼ばれるこれらのフラグメントは、長鎖dsRNAからのRNaseIII様処理反応によって生成される。化学的に合成されたsiRNAは、当該siRNAの誘導鎖によってつながれた領域の中心近くに位置する開列部位を用いて、効率的なターゲットRNA開裂も仲介する。(エルバシール(Elbashir)ら、ネイチャー(Nature)、2001、411、494-498)。21-23ヌクレオチドsiRNAによって生じる内因性および異種遺伝子の発現抑制の特性は、ヒト胚腎臓(293)およびHeLa細胞(エルバシール(Elbashir)ら、遺伝子と発生(Genes and Development)、2001、15、188-200)を含む複数の哺乳類細胞系において調査されている。
近年、一本鎖RNAオリゴマー(ssRNAiまたはasRNA)のアンチセンス極性が遺伝子発現抑制の強力な誘導因子となり得ること、また一本鎖オリゴマーが最終的にRNAi現象に関与することが示されている(タイスターマン(Tijsterman)ら、サイエンス(Science)、2002、295、694-697)。
ここに参照することにより組み込まれる米国特許5,898,031および6,107,094は、それぞれRNA様特性を持つ特定のオリゴヌクレオチドについて記述している。RNAとハイブリッド形成する場合、これらのオリゴヌクレオチドは、dsRNase酵素によって生じるRNAの開裂部分を持つdsRNase酵素の基質として機能する(クルック(Crooke)、2000;クルック(Crooke)、1999)。
アポトーシス、およびスルビビン発現が多様な腫瘍細胞型に対する成長促進において果たすと考えられる役割の理解におけるこれらの進展の結果として、スルビビンの発現を調節できる組成物を提供することが切に望まれている。動物においてスルビビンをコード化する核酸の診断薬および検出方法を提供することも強く望まれている。また、スルビビン発現から生じる症状の診断および処置方法の提供も望まれている。さらに、スルビビンをコード化する核酸を検出および研究するための改良された研究キットおよび試薬も求められている。従って、本発明は一群のスルビビン新規阻害剤、それらの化合物を含む組成物、およびその化合物の使用方法を提供する。
(発明の要約)
本発明はオリゴマー化合物、特にスルビビンをコード化する核酸をターゲットとし、スルビビンの発現を調節する一本鎖および二本鎖アンチセンス化合物を対象とする。幾つかの実施態様において、当該アンチセンス化合物はオリゴヌクレオチドである。幾つかの実施態様において、当該オリゴヌクレオチドはRNAiオリゴヌクレオチド(主にRNAまたはRNA様)である。他の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドはRNase Hオリゴヌクレオチド(主にDNAまたはDNA様)である。さらに他の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドは化学的に修飾されていてもよい。本発明のアンチセンス化合物を含む医薬組成物および他の組成物も提供される。さらに、細胞または組織を、1つまたは複数の本発明のアンチセンス化合物または組成物と接触させることを含む、前記細胞または組織におけるスルビビンの発現を調節する方法も提供される。さらに、スルビビンの発現に関連する病気または症状を持つ、またはそれらが起こりやすいと疑われる動物、特にヒトを、治療上または予防上効果のある量の1つまたは複数の本発明のオリゴヌクレオチドまたは組成物を投与することによって処置する方法も提供する。別の実施態様において、本発明は、ここに開示する任意且つすべての病状について処置するための医薬物の製造に使用するために、本発明の化合物を提供する。
当該疾病または状態は増殖性の強い状態となり得る。ある実施態様において、増殖性の強い状態とは癌である。
本発明のオリゴマー化合物は、スルビビンの発現または過剰発現の阻害剤である。これらの化合物はスルビビンの発現または過剰発現の効果を阻害するため、当該化合物はスルビビン活性に関連する疾患の処置に有効である。従って、本発明の化合物は抗腫瘍薬である。
本化合物は、中枢神経系新生物(多形成グリア芽細胞腫、星状細胞腫、希突起膠腫、上衣および脈絡叢腫瘍、松果体部腫瘍、神経細胞腫瘍、髄芽腫、神経鞘腫、髄膜腫、髄膜肉腫)、眼の新生物(基底細胞癌、扁平上皮癌、黒色腫、横紋筋肉腫、網膜芽腫)、内分泌腺新生物(下垂体新生物、甲状腺新生物、副腎皮質新生物、神経内分泌形新生物、胃腸膵管内分泌系新生物、生殖腺新生物)、頭部および頸部新生物(頭部および頸部癌、口腔、咽頭、喉頭、歯原性腫瘍)、胸部新生物(大細胞肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胸部新生物、悪性中皮腫、胸腺腫、胸部の第一胚細胞腫瘍)、消化管新生物(食道新生物、胃新生物、肝臓新生物、胆嚢新生物、膵臓外分泌線新生物、小腸新生物、完全型虫垂および腹膜、大腸および直腸腺癌、肛門新生物)、尿生殖路新生物(腎細胞腫瘍、腎盂および尿管新生物、膀胱新生物、尿道新生物、前立腺新生物、陰茎新生物、睾丸新生物)、女性生殖器新生物(外陰および膣新生物、頸部新生物、子宮体腺癌、卵巣癌、婦人科肉腫)、乳房新生物、皮膚の新生物(基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、皮膚線維肉腫、マーケル細胞腫瘍、悪性黒色腫、骨および軟組織新生物(骨原性肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、血管肉腫)、細網内皮系新生物(骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、HTLV-1およびT-細胞白血病/リンパ腫、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、肥満細胞白血病)、および子供の新生物(急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、リンパ腫、腎腫瘍)等、の癌腫処置に有効であると考えられる。
従って、ある実施態様において、本発明は、効果のある量のスルビビンに関する一本鎖(ssRNAまたはssRNAiまたはasRNA)または二本鎖(dsRNAまたはsiRNA)オリゴヌクレオチドを動物、特にヒトに投与することを含む感受性新生物の処置方法を提供する。当該ssRNAまたはdsRNAオリゴヌクレオチドは、修飾しても未修飾でもよい。つまり、本発明はスルビビンを対象とした二本鎖RNAオリゴヌクレオチド、またはその医薬組成物の使用、また感受性新生物の処置を提供する。
別の側面において、本発明は、単離された二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの化合物をスルビビンの発現または過剰発現を抑制するための薬剤製造における使用を提供する。従って、本発明は、上記の方法による感受性新生物の処置用医薬物の製造におけるスルビビンを対象とする単離された二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの使用を提供する。
本発明の化合物は、特に膵臓癌、前立腺癌、大腸癌、乳癌、肺癌、膀胱癌、肝臓癌、卵巣癌、腎臓癌、グリア芽細胞腫、および非ホジキンリンパ腫の処置に有効である。
本発明の別の実施態様は、アポトーシスの減少を特徴とする病気または症状を持つ動物、特にヒトの処置方法である。治療上効果のある量の8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物を患者に投与する方法を含む。このアンチセンス化合物は、スルビビンの発現が抑制されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。
本発明は、細胞と8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物を接触させることを含む細胞内のアポトーシス調節方法も提供する。このアンチセンス化合物は、アポトーシスが調節されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。
本発明のさらに別の実施態様は、細胞と8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物を接触させることを含む細胞内の細胞質分裂調節方法である。このアンチセンス化合物は、細胞質分裂が調節されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。
本発明は、細胞と8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物を接触させることを含む細胞周期調節方法も提供する。このアンチセンス化合物は、細胞周期が調節されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。
さらに別の本発明の実施態様において、細胞を有効量の8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物と接触させることを含む細胞増殖抑制方法が提供される。このアンチセンス化合物は、細胞の増殖が抑制されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。ある実施態様において、該細胞は癌細胞である。さらに該方法は、患者への化学療法薬の投与を含む。
さらに別の実施態様において、細胞を有効量の8から80核酸塩基長のアンチセンス化合物と接触させることを含む増殖性の強い細胞のアポトーシス調節方法が提供される。このアンチセンス化合物は、細胞のアポトーシスが調節されるようにヒトスルビビンをコード化する核酸分子を標的とする。ある実施態様において、細胞は増殖性の強い細胞であり、アポトーシスは該アンチセンス化合物によって強化される。別の実施態様において、アポトーシスの調節はアポトーシス刺激に対して感作性を持つ。ある実施態様において、アポトーシス刺激は細胞毒性の化学療法薬である。さらに当該方法は、細胞を化学療法薬と接触させることを含み得る。
(発明の詳細な説明)
本発明は、二本鎖および一本鎖オリゴマーアンチセンス化合物、特にRNAまたはRNA様の一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチド、およびDNAまたはDNA様の一本鎖または二本鎖オリゴヌクレオチドを、スルビビンをコード化する核酸分子の機能の調節、ひいては生成されるスルビビン量の調節に使用する。これは、特にスルビビンをコード化する1つまたは複数の核酸とハイブリッド形成するアンチセンス化合物を提供することによって実現できる。ここで使用する「ターゲット核酸」および「スルビビンをコード化する核酸」という用語は、スルビビンをコード化するDNA、そのようなDNAから転写されたRNA(mRNA前駆体およびmRNAまたはその一部を含む)、またそのようなRNAから派生するcDNAを含む。オリゴマー化合物とその相補的なセンス方向ターゲット核酸と特異的なハイブリッド形成は、核酸の正常機能に干渉する。ターゲット核酸を特異的にハイブリッド形成する化合物によるターゲット核酸の機能調節を一般に「アンチセンス」といい、かかる化合物はターゲットに関して「アンチセンス方向」にあると表現することができる。
干渉されるDNAの機能には複製および転写が含まれる。干渉されるRNAの機能には、例えばタンパク質翻訳部位への該RNAの転座、該RNAからのタンパク質翻訳、1つまたは複数のmRNA種を産生するためのRNAスプライシング、および当該RNAに関与する触媒作用または当該RNAによって促進される触媒作用が含まれる。このようなターゲット核酸機能の干渉がもたらす全体的な影響は、当該RNAおよび/またはタンパク質レベルでのスルビビン発現の調節である。本発明との関係において、「調節」とは当該発現の増加(刺激)または減少(抑制)のいずれかを意味する。本発明との関係において、抑制は遺伝子発現を調節する望ましい形態であり、RNA、および幾つかの実施態様においてはmRNAが適切なターゲットとなる。
アンチセンスに特異的な核酸を標的とすることが適切である。本発明との関係において、特定の核酸に対するアンチセンス化合物の「ターゲッティング」は、多段階のプロセスである。通常、当該プロセスは機能が調節される核酸配列の同定から始まる。これは、例えばその発現が特定の疾病または病状と関連する細胞遺伝子(または当該遺伝子から転写されたmRNA)、または病原菌からの核酸分子である。本発明において、該ターゲットはスルビビンをコード化する核酸分子である。該ターゲッティングプロセスには、この遺伝子内に望ましい効果、例えば該mRNAおよび/またはタンパク質発現の検出または調節が結果として得られるように、アンチセンス相互作用を生じさせる1つまたは複数の部位を決定することも含まれる。本発明との関係において、1つの遺伝子内部位は、当該遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)の翻訳開始コドンまたは終止コドンを含む領域である。当該技術分野において、翻訳開始コドンは主に5’-AUG(転写されたmRNA分子内;対応するDNA分子における5’-ATG)であるため、当該翻訳開始コドンは「AUGコドン」、「開始コドン」、または「AUG開始コドン」とも呼ばれる。RNA配列5’-GUG、5’-UUG、および5’-CUGを持つ翻訳開始コドンを含む遺伝子はごく少数であるが、翻訳開始コドン5’-AUA、5’-ACG、および5’-CUGは生体内で機能することが証明されている。従って、各例の開始アミノ酸は主に(真核生物において)メチオニンまたは(原核生物において)ホルミルメチオニンであるが、「翻訳開始コドン」および「開始コドン」という用語は、多くのコドン配列を含むことができる。真核および原核遺伝子が2つ以上の代替開始コドンを有してよく、そのいずれかを特定細胞型または組織、あるいは特定の条件下で選択的に翻訳開始に使用してよいということも、当該技術分野において周知である。本発明との関係において、「開始コドン」および「翻訳開始コドン」は、かかるコドンの配列に関係なく、スルビビンをコード化する遺伝子から転写されるmRNA分子の翻訳を開始するために生体内で使用される1つまたは複数のコドンを意味する。
また、遺伝子の翻訳終止コドン(または「停止コドン」)が5’-UAA、5’ -UAG、5’-UGA(対応するDNA配列はそれぞれ5’-TAA、5’-TAG、および5’-TGA)の3配列のうち1つを持つことがあることも当該技術分野で周知である。「開始コドン領域」および「翻訳開始コドン領域」という用語は、mRNAまたは遺伝子が約25から50の連続ヌクレオチドを翻訳開始コドンからの一方向(5’または3’)に含むmRNAまたは遺伝子の一部を示す。同様に、「停止コドン領域」および「翻訳終止コドン領域」は、mRNAまたは遺伝子が約25から50の連続ヌクレオチドを翻訳終止コドンからの一方向(5’または3’)に含むmRNAまたは遺伝子の一部を示す。
当該技術分野において周知のオープンリーディングフレーム(ORF)または「コーディング領域」は、翻訳開始コドンと翻訳終止コドンの間の領域を示し、効果的なターゲット領域でもある。他のターゲット領域は5’未翻訳領域(5’UTR)を含む。この未翻訳領域は、当該技術分野において翻訳開始コドンから5’方向にあるmRNAの一部を示すことが知られている。よって、5’キャップ部位とmRNAの翻訳開始コドンの間にあるヌクレオチド、または遺伝子上で対応するヌクレオチド、および3’未翻訳領域(3‘UTR)を含む。当該3’未翻訳領域は、当該技術分野において翻訳終止コドンから3’方向にあるmRNAの一部を示すことが知られている。このため、翻訳終止コドンとmRNAの3’端の間にあるヌクレオチド、または遺伝子上で対応するヌクレオチドを含む。mRNAの当該5’キャップは、5’-5’三リン酸塩結合によってmRNAの最も5’側のほとんどの残基と結合されるN7-メチル化グアノシン残基で構成される。mRNAの当該5’キャップ領域は、当該キャップに隣接する最初の50ヌクレオチドとともに5’キャップ構造自体を含むと考えられる。当該5’キャップ領域は、有効なターゲット領域でもあり得る。
真核性のmRNA転写物には直接翻訳されるものもあるが、多くは「イントロン」として知られる1つまたは複数の領域を含む。この領域は翻訳される前に転写物から削除される。「エクソン」として知られる残りの領域(およびその結果翻訳された領域)がともにスプライスされ、連続的なmRNA配列を形成する。mRNAスプライス部位(すなわち、イントロン-エクソン接合部)はターゲット領域でもあり、病気において異常なスプライシングに影響される部位、または病気において特定のmRNAスプライス生成物が過剰生産される部位において特に有効である。
1つまたは複数のターゲット部位が識別されると、ターゲットに対して十分に相補的な(すなわち、十分にハイブリッド形成し、十分な特異性を持つ)アンチセンスオリゴマー化合物、主にアンチセンスオリゴヌクレオチドが選択され、望ましい効果が得られる。
本発明との関係において、「ハイブリダイゼーション」は水素結合を意味する。これは、相補的なヌクレオシドまたはヌクレオチド塩基間のワトソン-クリック(Watson-Crick)型、フーグスティン(Hoogsteen)型または逆フーグスティン(Hoogsteen)型水素結合である。例えば、アデニンおよびチミンは、水素結合の形成を通じて対合する相補的な核酸塩基である。ここで使用する「相補的」とは、2つのヌクレオチドが正確に対合する能力を意味する。例えば、オリゴヌクレオチドの特定の位置におけるヌクレオチドは、DNAまたはRNA分子の同位置にあるヌクレオチドと水素結合することができる。従って、当該オリゴヌクレオチドと当該DNAまたはRNAはその位置で互いに相補的であると考えられる。当該オリゴヌクレオチドと当該DNAまたはRNAは、各分子における十分な数の対応位置が、互いに水素結合できるヌクレオチドにおって占められている場合、互いに相補的である。よって、「特異的にハイブリッド形成可能な」および「相補的な」という表現は、当該オリゴヌクレオチドと当該DNAまたはRNAターゲットの間で安定した特異的な結合が生じるような十分な相補性または正確な対合を示すために使用される。当該技術分野において、アンチセンス化合物の配列は、特異的にハイブリッド形成可能であるために、そのターゲット核酸の配列と100%相補的である必要はないことが理解されている。アンチセンス化合物は、当該化合物とターゲットDNAまたはRNA分子との結合がターゲットDNAまたはRNAの正常な機能を干渉することによって、その機能が完全または部分的に喪失する場合、また特異的な結合が望まれる条件下(すなわち、治療上の処置における生理条件下、または生体外または生体内検査が実施される条件下)において、当該アンチセンス化合物と非ターゲット配列の非特異的結合を回避するのに十分な相補性がある場合に、特異的なハイブリッド形成が可能である。さらに、オリゴヌクレオチドは、介在または隣接するセグメントがハイブリダイゼーションイベントに関与しないよう1つまたは複数のセグメントでハイブリッド形成することができる(例えば、ループ構造、ミスマッチまたはヘアピン構造)。本発明の化合物は、標的となるターゲット核酸配列内のターゲット領域に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列相補性を持つ。例えば、アンチセンス化合物の20核酸塩基中18の核酸塩基がターゲット領域に対して相補性を持つアンチセンス化合物は、特異的にハイブリッド形成し、90%の相補性を示す。この例において、残りの非相補的な核酸塩基は相補的な核酸塩基とともにクラスタ化または分散されることができ、互いに隣接または相補的な核酸塩基に隣接する必要はない。このように、ターゲット核酸と完全相補の2領域に挟まれた4つの非相補的核酸塩基を持つ18核酸塩基長のアンチセンス化合物は、ターゲット核酸と全体で77.8%の相補性を示し、よって本発明の範囲に含まれる。
ターゲット核酸領域を有するアンチセンス化合物の相補率は、通常BLASTプログラム(基本的なローカル配列検索ツール)および当該技術分野において周知のPowerBLASTプログラム(アルトシュル(Altschul)ら、分子生物学ジャーナル(J Mol.Biol.)、1990、215、403-410;チャン(Zhang)およびマッデン(Madden)、ゲノムリサーチ(Gnome Res.)、1997、7、649-656)を使用して判別できる。相同性率、配列同一性率、または相補性率は、例えばギャップ(Gap)プログラム(ウィスコンシン配列分析パッケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)、Unix用バージョン8、Genetics Computer Group、ユニバーシティ・リサーチ・パーク、ウィスコンシン州マディソン)で、スミス(Smith)およびウォーターマン(Waterman)(上級応用数学(Adv.Appl.Math.)、1981、2、482-489)のアルゴリズムを使用するデフォルト設定を用いて決定できる。幾つかの実施態様において、当該アンチセンス化合物とターゲット間の相同性、配列同一性または相補性は約50%から60%の間である。当該アンチセンス化合物とターゲット間の相同性、配列同一性または相補性が約60%から70%の間である実施態様もある。当該アンチセンス化合物とターゲット間の相同性、配列同一性または相補性が約70%から80%の間である実施態様もある。当該アンチセンス化合物とターゲット間の相同性、配列同一性または相補性が約80%から90%の間である実施態様もある。幾つかの実施態様では、相同性、配列同一性または相補性が約90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%である。
アンチセンス化合物は、一般に試験薬および診断薬として使用される。例えば、優れた特異性を持ち、遺伝子発現を抑制できるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、しばしば当業者が特定遺伝子の機能を解明する場合に使用される。アンチセンス化合物は、例えば生物学的経路の様々な構成要素の機能を区別する際にも使用される。そのため、アンチセンス調節は研究のために利用されてきた。
短鎖合成オリゴヌクレオチドのそばに存在する複数の機構を使用して、哺乳類細胞における遺伝子発現を調節できる。一般に活用されるアンチセンス機構は標的となるRNAのRNase H-依存的分解である。RNase Hは、RNA鎖を加水分解しながらアンチセンスDNA-RNAヘテロ二本鎖を認識する普遍発現エンドヌクレアーゼである。さらにアンチセンス機構は、RNA-RNA二本鎖の開裂部に触媒作用を及ぼす酵素の利用を含む。これらの反応は、RNAseIIIおよびRNAse Lを含むがこれらに限定されない一群のRNAse酵素によって触媒される。RNA干渉(RNAi)として知られる当該アンチセンス機構は、RNA-RNAハイブリッド上などで作用する。
RNase H-ベースのアンチセンス(通常は一本鎖化合物を使用する)およびRNA干渉(通常はsiRNAとして知られる二本鎖化合物を使用する)はともにアンチセンス機構であり、主にターゲットRNAの機能を喪失させる。
最適化されたsiRNAおよびRNase H-依存的オリゴマー化合物は、効力、最大効果、特異性および作用の持続時間、効率性の点において同様に振る舞う。さらに、dsRNAの活性が一般に、同一部位を標的とするRNase H-依存的一本鎖アンチセンス化合物の活性と相関して構成されることが示されている。主な例外としては、RNase H-依存的アンチセンス化合物が一般に、mRNA前駆体におけるターゲット部位に対してアクティブであるが、siRNAにおいてはアクティブでないことが挙げられる。
これらのデータは、一般にRNase H-依存的オリゴヌクレオチドでアクティブでなかったターゲットRNA上の部位がsiRNAにとっても同様に好ましい部位でなかったことを示唆している。反対に、アクティブなRNase HオリゴヌクレオチドとsiRNAの間に十分な相関関係が発見された。これは、RNase Hオリゴヌクレオチドに対するハイブリッド形成に部位が使用可能である場合、その部位がsiRNA複合体によるハイブリッド形成および分割にも使用可能であることを示唆している。結果的に、適切なターゲット部位がアンチセンスアプローチのいずれか一方によって決定されると、これらの部位を代替アンチセンス機構によって作用する構成物の設計に使用することができる(ビッカーズ(Vickers)ら、2003、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Biol.Chena.)278、7108)。さらに、部位がRNAiまたはRNAse Hオリゴヌクレオチドのいずれかに対してアクティブであることが示されると、一本鎖RNAiオリゴヌクレオチド(ssRNAiまたはasRNA)を設計することができる。
本発明の幾つかの実施態様においては、二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドが適切である。これらの二本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドはRNAまたはRNA様であり、修飾しても未修飾でもよい。修飾する場合、当該オリゴヌクレオチドは、RNA:RNAハイブリッド形成およびdsRNaseの採用および(活性化)特性を保持する。他の実施態様において、一本鎖オリゴヌクレオチド(ssRNAiまたはasRNA)はRNA様である。
本発明の他の実施態様においては、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドが適切である。幾つかの実施態様において、一本鎖オリゴヌクレオチドは「DNA様」であってよく、その場合当該オリゴヌクレオチドは、例えばチオリン酸など複数の未修飾2’Hまたは安定した骨格を含む十分に特徴的な構造機能を持つ。つまり、構造的にターゲットオリゴヌクレオチドとの相互作用およびRNaseの採用および(活性化)に適している。
オリゴヌクレオチドはアンチセンス化合物の一形態であるが、本発明は以下に記載するようなオリゴヌクレオチド模倣体を含むがこれに限定されない他のオリゴマーアンチセンス化合物を包含する。本発明に記載の化合物は、約8から80の核酸塩基で構成できる。別の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドは約10から50ヌクレオチド長である。さらに別の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドは12から30ヌクレオチド長である。さらに別の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドは12から24ヌクレオチド長である。さらに別の実施態様において、当該オリゴヌクレオチドは19から23ヌクレオチド長である。幾つかの実施態様は、スルビビンの発現を抑制するオリゴマー化合物配列の少なくとも8核酸塩基部分で構成される。スルビビンを対象とするdsRNAまたはsiRNA分子、およびスルビビンmRNA発現におけるそれらの使用も本発明の範囲内の実施態様である。
本発明のオリゴヌクレオチドは、異なる塩基が当該オリゴヌクレオチドにおける1つまたは複数のヌクレオチド位置に存在する変異体も含む。例えば、第一ヌクレオチドがアデノシンである場合、この位置にチミジン(またはRNAの場合ウリジン)、グアノシンまたはシチジンを含む変異体が生成される可能性がある。これは、当該オリゴヌクレオチドの任意の位置で行われる。従って、20量体部分は60の変異体(20位置x各位置に3つの代替物)で含めてもよい。ここで、元のヌクレオチドは3つの代替ヌクレオチドと置き換えられる。その後、これらのオリゴヌクレオチドは、ここに記載する方法を使用してテストされ、スルビビンmRNAの発現を抑制する能力が判定される。
オリゴマー化合物
本発明との関連において、「オリゴマー化合物」という用語は核酸分子の領域に対してハイブリッド形成できるポリマー構造を示す。この用語は、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣体、およびこれらのキメラ化合物を含む。オリゴマー化合物は、通常線形に生成されるが、結合するか、または円状に生成することができ、また分岐を含んでもよい。オリゴマー化合物は二本鎖構造、例えば、二本鎖化合物を形成するようにハイブリッド形成された二本の鎖、あるいは完全または部分的な二本鎖化合物のハイブリッド形成および形成に十分な自己相補性を持つ一本鎖を含む。本発明の一実施態様において、二本鎖アンチセンス化合物は、短鎖干渉RNA(siRNA)を包含する。ここで使用する「siRNA」は、第一鎖および第二鎖を持つ二本鎖化合物として定義され、前記第一鎖、第二鎖の間に中央相補部を備え、前記第一鎖、第二鎖の間またはターゲットmRNAと任意の相補性を持つ末端部を備える。各鎖は、約8から約80核酸塩基長、10から50核酸塩基長、12から30核酸塩基長、12から24核酸塩基長または19から23核酸塩基長であってよい。当該中央相補部位は、約8から約80核酸塩基長、10から50核酸塩基長、12から30核酸塩基長、12から24核酸塩基長または19から23核酸塩基長であってよい。末端部分は、1から6核酸塩基長となる。当該siRNAは末端部を持たなくてもよい。siRNAの二本の鎖は、フリーな3’または5’末端を残して内的に結合するか、または連続的なヘアピン構造またはループを形成するように結合できる。当該ヘアピン構造は、一本鎖形質を延長して、5’または3’末端のいずれかにオーバーハングを含んでよい。
本発明の一実施態様において、二本鎖アンチセンス化合物は標準siRNAである。ここで使用する「標準siRNA」という用語は、それぞれ21核酸塩基長であり、19以上の核酸塩基が相補的である第一鎖および第二鎖を持つ二本鎖オリゴマー化合物、および各鎖の3’末端に二本鎖化合物が3’オーバーハングとして作用するデオキシチミジン二量体(dTdT)を持つ二本鎖オリゴマー化合物として定義される。
別の実施態様において、当該二本鎖アンチセンス化合物は、平滑末端siRNAである。ここで使用する「平滑末端siRNA」は、末端オーバーハングを持たないsiRNAとして定義される。つまり、当該二本鎖化合物の少なくとも一端が平滑である。標準siRNAでも平滑siRNAでも、dsRNAse酵素を発現させるように作用し、当該RNAiアンチセンス機構の採用または作動を誘発する。さらに別の実施態様において、当該RNAiアンチセンス機構を介して作用する一本鎖RNAi(ssRNAi)化合物が検討されている。
さらに、当該二本鎖化合物は修飾することができ、また1つの末端、選択された核酸塩基位置、糖位置、またはインターヌクレオシド結合の1つに接触する結合グループを含んでよい。代わりに、二本の鎖を非核酸部分またはリンカーグループを介して連結することができる。一本の鎖のみで形成した場合、dsRNAは複製を形成するために自分で折り返す自己相補ヘアピン型分子の形態をとる。従って、dsRNAは完全または部分的に二本鎖である。二本の鎖または自分で折り返す自己相補ヘアピン型分子の形態をとって複製を形成する一本鎖から形成する場合、二本の鎖(または一本鎖の複製形成領域)はワトソン-クリック(Watson-Crick)型の塩基対である相補的RNA鎖である。
一般に、オリゴマー化合物は連結グループと結合される単量体サブユニットの骨格を構成する。ここで、結合された単量体サブユニットは、それぞれ直接的または間接的に複素環塩基部分に接触する。オリゴマー化合物は、複素環塩基部分に連結しない単量体サブユニットを含んでもよく、それによって脱塩基部位を提供する。ヘミマー、ギャップマーおよびキメラを含む多様なモチーフを生じさせて、オリゴマー化合物を構成する連続ユニットの1つを修飾することができる。
当該技術分野において周知のように、ヌクレオシドは複素環塩基部分に結合する糖部分から構成される。このような複素環塩基の最も一般的な2つの群は、プリンとピリミジンである。ヌクレオチドは、さらに当該ヌクレオシドの糖部分と共有結合しているリン酸基を含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むそれらのヌクレオシドの場合、より一般的な3’、5’-インターヌクレオシド結合またはそれほど一般的でない2’5’-インターヌクレオシド結合によって、リン酸基を糖の2’、3’または5’ヒドロキシル基のいずれかに連結させることができる。オリゴヌクレオチドの形成において、リン酸基は隣接するヌクレオシドの糖部分と共有結合する。各末端はハイブリッド形成または共有結合の形成によって、円形構造を形成するように結合することができる。さらに、線系の化合物は内部核酸塩基相補性を持ち、そのため完全または部分的に二本鎖の化合物を製造する方法で折り重なってよい。オリゴヌクレオチド内で、当該リン酸基は一般的にインターヌクレオシド結合を形成するか、または糖環と連結して当該オリゴヌクレオチドの骨格を形成するとされている。RNAおよびDNAの骨格を構成する正常なインターヌクレオシド結合は、3’から5’ホスホジエステル結合である。しかし、一般的には開いた線形構造が望ましい。
本発明との関連において、「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)またはその模倣体のオリゴマーまたはポリマーを示す。この用語は、天然核酸塩基、糖および共有インターヌクレオチド結合から成るオリゴヌクレオチド、と同様にオリゴヌクレオチド類似体または同様に機能する1つまたは複数の非自然発生部位を持つ化学的に修飾されたオリゴヌクレオチドを含む。このような修飾または置換オリゴヌクレオチドは、例えば、さらなる細胞取り込み、核酸ターゲットに対するさらなる親和性、およびヌクレアーゼのさらなる安定性、等の望ましい特性を持つため、天然形態に適切である。
本発明との関連において、「オリゴヌクレオシド」という用語は、リン原子を持たないインターヌクレオシド結合によって結合される一連のヌクレオシドを示す。このタイプのインターヌクレオシド結合は、短鎖アルキル、シクロアルキル、混合ヘテロ原子アルキル、混合ヘテロ原子シクロアルキル、1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子リンカー、および1つまたは複数の短鎖複素環リンカーを含む。これらのインターヌクレオシド結合は、シロキサン、硫化物、スルホキシド、スルホン、アセチル、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、チオホルムアセチル、アルケン、スルファミン酸、メチレンイミノ、メチレンヒドラジン、スルホン塩酸、スルホンアミド、アミドおよびその他N、O、Sの混合およびCH構成要素を持つものを含むが、これらに限定されない。
上記オリゴヌクレオシドの生成を説明している代表的な米国特許として、5,034,506、5,166,315、5,185,444、5,214,134、5,216,141、5,235,033、5,264,562、5,264,564、5,405,938、5,434,257、5,466,677、5,470,967、5,489,677、5,541,307、5,561,225、5,596,086、5,602,240、5,610,289、5,602,240、5,608,046、5,610,289、5,618,704、5,623,070、5,663,312、5,633,360、5,677,437、5,792,608、5,646,269および5,677,439が挙げられるが、これらに限定されない。これらの各米国特許は、参照することにより本書に組み込まれる。
さらに本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、代替スプライサー、およびターゲット核酸の少なくとも一部に対してハイブリッド形成する他のオリゴマー化合物を含むアンチセンスオリゴマー化合物を含む。そのようなものとして、これらのアンチセンスオリゴマー化合物は、一本鎖、二本鎖、円形またはヘアピンオリゴマー化合物の形態で導入してもよく、内部または末端バルジ、ミスマッチ、またはループなどの構造要素を含んでよい。一般に、核酸(オリゴヌクレオチドを含む)は「DNA様」(すなわち、2’-デオキシ糖、および一般的にT塩基ではなくU塩基を持つ)または「RNA様」(すなわち、2’-修飾糖、および一般的にU塩基ではなくT塩基を持つ)としてよい。一旦システムに導入されると、本発明の当該オリゴマー化合物は1つまたは複数の酵素または構造タンパク質の作用を引き出し、ターゲット核酸の修飾に影響を与えることがある。
本発明に関連する当該オリゴマー化合物は、約8から約80の核酸塩基(例えば約8から約80の結合核酸塩基および/または単量体サブユニット)から構成できる。当該技術分野における通常の技術を有する者は、本発明が8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80核酸塩基長のオリゴマー化合物を統合していることを理解するであろう。
ある実施態様において、本発明の当該オリゴマー化合物は10から50核酸塩基長である。当該技術分野における通常の技術を有する者は、これが12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50核酸塩基長のオリゴマー化合物を統合していることを理解するであろう。
別の実施態様において、本発明の当該オリゴマー化合物は12から30核酸塩基長である。当該技術分野における通常の技術を有する者は、これが12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30核酸塩基長のオリゴマー化合物を統合していることを理解するであろう。
さらに別の実施態様において、本発明の当該オリゴマー化合物は12から24核酸塩基長である。当該技術分野における通常の技術を有する者は、これが12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24核酸塩基長のオリゴマー化合物を統合していることを理解するであろう。
別の実施態様において、本発明の当該オリゴマー化合物は19から23の核酸塩基長である。当該技術分野における通常の技術を有する者は、これが19、20、21、22、または23核酸塩基長のオリゴマー化合物を統合していることを理解するであろう。
ある特定のオリゴマー化合物の長さは約12から約30核酸塩基である。別の特定の長さは約12から約24核酸塩基である。さらに特に適切な長さは約19から約23核酸塩基である。
キメラオリゴマー化合物
オリゴマー化合物のすべての位置が一様に修飾される必要はない。実際、1つ以上の前記修飾を単一のオリゴマー化合物またはオリゴマー化合物内のヌクレオシドのような単一の単量体サブユニットにさえも組み込むことができる。本発明は、キメラオリゴマー化合物であるオリゴマー化合物も含む。本発明との関連において、「キメラ」オリゴマー化合物または「キメラ」は、2つ以上の化学的に異なる領域を含むオリゴマー化合物である。各領域は、少なくとも1つの単量体ユニット(すなわち、核酸塩基オリゴマーの場合はヌクレオチド)を含んで構成される。
キメラオリゴマー化合物は、ヌクレアーゼ分解に対するさらなる抵抗力、さらなる細胞取り込み、負荷の変更および/またはターゲット核酸に対するさらなる結合親和性を与えるため、一般に少なくとも1つの修飾領域を含む。当該オリゴマー化合物の追加領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを開裂できる酵素の基質として作用することがある。例として、RNase HはRNA:DNA二本鎖のRNA鎖を開裂する細胞エンドヌクレアーゼである。そのため、RNase Hの作用によってRNAターゲットが開裂し、それによって遺伝子発現抑制の効率が大いに向上する。従って、キメラを使用する場合、例えば同一ターゲット領域に対してハイブリッド形成するホスホロチオ酸デオキシオリゴヌクレオチドと比較して、短鎖のオリゴマー化合物でもしばしば同様の結果が得られる。当該RNAターゲットの開裂は、通常、ゲル電気泳動によって、また必要であれば、当該技術分野において周知の関連核酸ハイブリダイゼーション法によって検出できる。RNA:RNAハイブリッドを形成し、dsRNaseの基質であるキメラの場合も同様の結果が得られる。
本発明のキメラオリゴマー化合物は、上記の2つ以上のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオシドおよび/またはオリゴヌクレオチド模倣体の複合構造として形成してもよい。通常使用されるキメラ化合物は、ハイブリッド、ヘミマー、ギャップマー、逆ギャップマーおよびブロッカーを含むが、これらに限定されない。ここで、様々な位置の修飾および/または領域が天然DNAまたは修飾DNA、およびRNA型ユニット、および/または例えばロックされた核酸(LNA)(以下に示すENTA TUを含む)、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ、およびその他などの模倣型サブユニットから選択される。これらを以下に記載する。このようなハイブリッド構造の生成について説明している代表的な米国特許として、5,013,830、5,149,797、5,220,007、5,256,775、5,366,878、5,403,711、5,491,133、5,565,350、5,623,065、5,652,355、5,652,356、および5,700,922が挙げられるが、これらに制限されない。これらの各特許は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
オリゴマー模倣体
本発明に基づく別のオリゴマー化合物グループは、オリゴヌクレオチド模倣体を含む。模倣体という用語は、オリゴヌクレオチドに適用されるため、オリゴマー化合物を含むことを意図している。ここで、フラノース環または当該フラノース環とインターヌクレオチドの結合は、新規のグループと置き換えられる。フラノース環のみの置換は、当該技術分野において、糖の代理を意味する。複素環塩基部分または修飾複素環塩基部分は、適切なターゲット核酸とのハイブリダイゼーションのために維持される。
このようなオリゴマー化合物、優れたハイブリダイゼーション特性を持つことが証明されているオリゴヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNAは好ましいハイブリダイゼーション特性、高度な生物学的安定性を有し、静電気的に中性の分子である。近年の研究において、PNAは遺伝子導入マウスにおける異常なスプライシングの訂正に使用された(サザーニ(Sazani)ら、ネイチャーバイオテクノロジー(Nat.Biotechnol.)、2002、20、1228-1233)。PNAオリゴマー化合物において、オリゴヌクレオチドの糖の骨格は、骨格を含むアミド、特にアミノエチルグリシン骨格と置き換えられる。核酸塩基は、直接的または間接的に(以下に示すように-C(=O)-CH-)当該骨格のアミド部分の炭素の代わりに窒素を含む原子と結合される。PNAオリゴマー化合物の生成について説明している代表的な米国特許として、5,539,082、5,714,331、および5,719,262が挙げられるが、これらに限定されない。これらの各特許は、参照することにより本書に組み込まれる。PNAはアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社(米カリフォルニア州フォスター市)から商業的に入手可能である。
1991年にニールセン(Nielsen)と同僚たちによって紹介されて以来、基本的なPNA骨格に対して多くの修飾が行われている(ニールセン(Nielsen)ら、サイエンス(Science)、1991、254、1497-1500)。基本的な構造を以下に示す。
Figure 0004579911
ここで、
Bxは、複素環塩基部分であり、
は、水素、アミノ保護基、-C(O)R、置換または非置換C-C10アルキル、置換または非置換C-C10アルケニル、置換または非置換C-C10アルキニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、化学的官能基、レポーター基、共役基、α-カルボキシル基を介するか、または所望によりアミノ酸がアスパラギン酸、またはグルタミン酸である場合にω-カルボキシル基を介して結合されるDまたはLα-アミノ酸、またはカルボキシル基を介して結合されるD、L、またはDおよびLの混合アミノ酸から派生したペプチドであり、ここで該置換基はヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルから選択される、
は、-OH、-N(Z)Z、R、α-アミノ基を介するか、または所望により、該アミノ酸がリジンまたはオルニチンである場合に、ω-アミノ基を介して結合されるDまたはLα-アミノ酸、またはアミノ基を介して結合されるD、L、またはDおよびLの混合アミノ酸から派生したペプチド、化学的官能基、レポーター基または共役基であり;Zは水素、C-Cアルキルまたはアミノ保護基であり;Zは水素、C-Cアルキル、アミノ保護基、-C(=O)-(CH-J-Z、α-カルボキシル基を介して、または所望により該アミノ酸がアスパラギン酸またはグルタミン酸である場合に、ω-カルボキシル基を介して結合されるDまたはLα-アミノ酸、またはカルボキシル基を介して結合されるD、LまたはDとLの混合アミノ酸から派生するペプチドであり;Zは水素、アミノ保護基、-C-Cアルキル、-C(=O)-CH、ベンジル、ベンゾイルまたは-(CH-N(H)Zであり;各JはO、SまたはNHであり;Rはカルボニル保護基であり、
nは7から約79である。
研究されている別のオリゴヌクレオチド模倣体群は、モルホリノ環に結合された複素環塩基を持つ結合モルホリノユニット(モルホリノ核酸)に基づく。多くの連結基がモルホリノ核酸においてモルホリノ単量ユニットを連結することが報告されている。ある連結基群が非イオンのオリゴマー化合物を提供するために選択されている。非イオンモルホリノベースのオリゴマー化合物が不適切に細胞タンパク質と相互作用する可能性は低い。モルホリノベースのオリゴマー化合物は、細胞タンパク質と不適切に相互作用する可能性の低いオリゴヌクレオチドの非イオン模倣体である(ドウェインA.ブラーシュ(Dwaine A.Braasch)およびデービッドR.コーリー(David R.Corey)、バイオケミストリー(Biochemistry)、2002、41(14)、4503-4510)。モルホリノベースのオリゴマー化合物はゼブラフィッシュ胚において研究されている(ジェネシス(Genesis)、第30巻、第3版、2001年およびヒーズマン、J.(Heasman,J.)、発生生物学(Dev.Biol.)、2002、243、209-214を参照)。モルホリノベースのオリゴマー化合物に関するさらなる研究が報告されている(ナセヴィシヤス(Nasevicius)ら、ネイチャー・ジェネティクス(Nat.Genet.)、2000、26、216-220、およびラセーラ(Lacerra)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)、2000、97、9591-9596)。モルホリノベースのオリゴマー化合物は、1991年7月23日発行の米国特許5,034,506において開示されている。当該モルホリノ群のオリゴマー化合物は、当該モノマーサブユニットを結合する様々な異なる連結基を含めて生成されている。
モルホリノ核酸は、当該モノマーサブユニットを結合する様々な異なる連結基(L2)を含めて生成されている。その基本的な形式を以下に示す。
Figure 0004579911
ここで、
は水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物であり
は、水素またはリン酸塩、リン酸塩誘導体、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物であり、
は、キラルからアキラル、帯電からニュートラルに変えることができる連結基[米国特許5,166,315では-O-P(=O)(N(CH)-O-を含む連結を開示している;米国特許5,034,506では、アキラルインターモルホリノ結合、例えば-S(=O)-X-(XはNH、NCH、O、SまたはCHである)、-C(=Y)-O-(YはOまたはSである)、-S(=O)(OH)-CH-、-S(=O)(OH)-N(R)-CH-(RはHまたはCHである)を開示している;また米国特許5,185,444では、キラルインターモルホリノ結合、例えば-P(=O)(-X)-O-(Xは、F、CHR、S-CHRまたはNRであって、各々R、RおよびRは、H、CHまたは塩基特異的な水素結合と干渉しないその他の部分である)を含むリンを開示している]であり、
nは7から約79である。
別のオリゴヌクレオチド模倣体群は、シクロヘキセニル核酸(CeNA)と呼ばれる。DNA/RNA分子中に通常存在する該フラノース環は、シクロヘニル環と置き換えられる。CeNA DMT保護ホスホラミダイトモノマーが生成され、古典的なホスホラミダイト化学反応に従ってオリゴマー化合物の合成に使用されている。完全に修飾されたCeNAオリゴマー化合物およびCeNAによって特定の位置を修飾されたオリゴヌクレオチドが生成、研究されている(ワン(Wang)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2000、122、8595-8602を参照)。一般に、CeNAモノマーをDNA鎖に組み込むと、DNA/RNAハイブリッドの安定性が増加する。CeNAオリゴアデニル酸塩は、天然複合体と同様の安定性を持つRNAおよびDNA相補体とともに複合体を形成した。CeNA構造を天然核酸構造に組み入れる研究は、NMRおよび円偏光二色性によって証明され、容易な立体配座適合が進められている。さらに、CeNAを配列ターゲッティングRNAに組み込むことによって、血清に対して安定となり、大腸菌RNaseを活性化してターゲットRNA鎖を開裂することができた。
CeNAの一般的な化学式を以下に示す。
Figure 0004579911

ここで、
各々Bxは、複素環塩基部分であり、
は、例えばホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合などの内部シクロヘキセニル結合であり、
は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物であり、
は、水素またはリン酸塩、リン酸塩誘導体、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物である。
別のオリゴヌクレオチド模倣体群(無水ヘキシトール核酸)は、1つまたは複数の無水ヘキシトールヌクレオシドから生成することができる(ウーターズ(Wouters)およびハーデウィン(Herdewijn)、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorg Med.Chem.Lett.)、1999、9、1563-1566を参照)。また、そのオリゴヌクレオチド模倣体は一般的な化学式を持つ。
Figure 0004579911
ここで、
各々Bxは、複素環塩基部分であり、
Lは、例えばホスホジエステルまたはホスホロチオエート結合などの内部無水ヘキシトール結合であり、
は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物であり、
は、水素またはリン酸塩、リン酸塩誘導体、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物である。
別の修飾は、例えば「ロックされた核酸(LNA)」などの二環式糖部分を含む。このLNAにおいて、リボシル糖環の2’-ヒドロキシル基が糖環の4’炭素原子と結合することによって2’-C、4’-Cオキシメチレン結合を形成し、結果的に二環式糖部分を形成する(エラヤディ(Elayadi)ら、治験薬におけるカレントオピニオン(Curr.Opinion Invens.Drugs)、2001、2、558-561、ブラーシュ(Braasch)ら、ケミストリー・アンド・バイオロジー(Chem.Biol.)、2001、81-7、およびオーラム(Orum)ら、分子治療におけるカレントオピニオン(Curr.Opinion Mol.Ther.)、2001、3、239-243に掲載。また米国特許6,268,490および6,670,461を参照)。当該結合は、2’酸素原子と4’炭素原子を結合する(-CH-)x基となる。ここで、x=1の場合はLNAが使用され、x=2の場合はENA(商標)が使用される(シング(Singh)ら、ケミカルコミュニケーションズ(Chem.Commun.)、1998、4、455-456。ENA(商標):森田ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorganic Medicinal Chemistry)、2003、11、2211-2226)。従って、「ENA(商標)」はLNAの制限されない一例である。LNAおよび他の二環式糖類似体は、相補DNAおよびRNAとの非常に高い二本鎖熱的安定性(Tm=+3から+10℃)、3’-外部核酸分解に対する安定性、および良好な溶解特性を示す。LNAはプロリゴ(ProLigo)社から商業的に入手可能である(仏パリおよび米コロラド州ボールダー)。二環式システムに単一CH結合を持つLNAの基本構造を以下に示す。これは単にLNAの一例を示している。
Figure 0004579911

ここで、
およびTは、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル保護基、結合ヌクレオシドまたは結合オリゴマー化合物であり、
各々Zは、例えばホスホジエステルまたはホスホロチオエートなどのインターヌクレオシド連結基である。
研究されているLNAの異性体は、3’-エクソヌクレアーゼに対して優れた安定性を持つことが証明されているα-L-LNAである(フリーデン(Frieden)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、2003、21、6365-6372)。該α-L-LNAは強力なアンチセンス活性を示すアンチセンスギャップマーおよびキメラに組み込まれている。α-L-LNAの構造を以下に示す。
Figure 0004579911
生成、研究されている別の類似した二環式糖部分は、3’-ヒドロキシル基から単一のメチレン基を介して糖環の4’炭素原子に結合され、それによって3’-C、4’-Cオキシメチレン結合が形成される(米国特許6,043,060を参照)。
2D NMR分光法によって判別されるLNAの構造は、一本鎖LNAにおいても二本鎖においても、LNAヌクレオチドのロックされた方向が、より高密度のN型構造を導入するようにリン酸の骨格を制限することを示している(ピーターセン(Petersen)ら、分子認識ジャーナル(J.Mol.Recognit.)、2000、13、44-53)。これらの構造は、核酸塩基の改善されたスタッキングに関連している(ウェンゲル(Wengel)ら、ヌクレオシド ヌクレオチド(Nucleosides Nucleotides)、1999、18、1365-1370)。
LNAは極めて安定したLNA:LNA二本鎖を形成することが証明されている(コシュキン(Koshkin)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1998、120、13252-13253)。LNA:LNAハイブリダイゼーションは、最も熱的安定性のある核酸型二本鎖システムであることが示されており、LNAのRNA模倣特性は二本鎖レベルで確立されている。3つのLNAモノマー(TまたはA)の導入によって、DNA相補体に対する溶解点(Tm=+15/+11)が大幅に上昇した。LNA媒介のハイブリダイゼーションの普遍性は、非常に安定したLNA:LNA二本鎖の形成によって強調されている。LNAのRNA模倣は、モノマーのN型構造的制限およびLNA:RNA二本鎖の第二構造に関して反映されている。
またLNAは高い熱的安定性を持つ相補DNA、RNAまたはLNAとともに二本鎖を形成する。円偏光二色性(CD)スペクトルは、完全に修飾されたLNA(特にLNA:RNA)を含む二本鎖は構造的にA型RNA:RNA二本鎖と類似していることを示している。LNA:DNA二本鎖の核磁気共鳴(NMR)検査では、LNAモノマーの3’-内部構造が確認されている。二本鎖DNAの認識は、LNAによる鎖侵入を示唆している。ミスマッチ配列の研究は、LNAがワトソン-クリック(Watson−Crick)塩基対合ルールに従い、対応する未修飾の参照鎖と比較して一般的に改善された選択性を持つことを示している。DN/LNAキメラは、ルシフェラーゼmRNA内の様々な領域(5’-未翻訳領域、開始コドンの領域またはコード化領域)を標的とする場合に、遺伝子の発現を効果的に抑制することが示されている(ブラーシュ(Braasch)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、2002、30、5160-5167)。
新型のLNAオリゴマー化合物は、LNAと同様に、幅広い診断的および治療的用途において有効である。このうち、アンチセンスアプリケーションは、PCRアプリケーション、鎖置換オリゴマー、核酸ポリメラーゼの基質、および一般にはヌクレオチドベースの薬物である。
LNAを含む強力で非毒性のアンチセンスオリゴヌクレオチドについて記載されている(ワーレステッド(Wahlestedt)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)、2000、97、5633-5638)。当該著者は、LNAがアンチセンス化合物に対して幾つかの望ましい特性を付与すると記述している。LNA/DNAコポリマーは、血清および細胞抽出物中において即座に分解しなかった。LNA/DNAコポリマーは、定量法において強力なアンチセンス活性を示し、生きているラットの脳におけるG-タンパク-結合受容体のシグナル伝達および大腸菌におけるレポーター遺伝子の検出とは本質的に異なることが分かった。ヒト乳癌生細胞へのリポフェクチンを媒介とした効率的なLNA送達も実施されている。さらに、LNAに関するインビボ検査の成功例は、毒性のないラットのδオピオイド受容体の構造を示している(ワーレステッド(Wahlestedt)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.)、2000、97、5633-5638)。また別の研究では、大きいサブユニットのRNAポリメラーゼIIの翻訳障害が示されている(フルイター(Fluiter)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Res.)、2003、31、953-962)。
LNAモノマーアデニン、シトシン、グアニン、5-メチル-シトシン、チミンおよびウラシルの合成および生成について、それらのオリゴマー化、および核酸認識特性とともに記載されている(コーシュキン(Koshkin)ら、テトラヒドロン(Tetrahedron)、1998、54、3607-3630)。LNAおよびその生成については、WO98/39352およびWO99/14226にも記載されている。
LNAの第一類似体、ホスホロチオエート-LNAおよび2’-チオ-LNAも生成されている(クマール(Kumar)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、1998、8、2219−2222)。核酸ポリメラーゼの基質としてオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖を含むロックされたヌクレオシド類似体の生成についても記載されている(ウェンゲル(Wengel)ら、PCT国際出願WO03/020739およびWO99/14226)。さらに、2’-アミノ-LNA、ハンドルを持つ配座固定された高親和性の新規オリゴヌクレオチド類似体は、当該技術分野において記述されている(シング(Singh)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1998、63、10035-10039)。さらに、2’-アミノ-および2’-メチルアミノ-LNAが生成されており、相補RNA鎖および相補DNA鎖を持つそれらの二本鎖の熱的安定性は以前に報告されている。
生成、研究されている本発明に基づく別のオリゴヌクレオチド模倣体は、トレオース核酸である。このオリゴヌクレオチド模倣体は、リボースヌクレオシドの代わりにトレオースヌクレオシドに基づき、以下の一般的な構造を持つ。
Figure 0004579911
(3’,2’)-α-L-トレオース核酸(TNA)に関する第一の関心事は、TNAをコピーするDNAポリメラーゼが存在するかという問題である。特定のDNAポリメラーゼは、TNAテンプレートの制限された伸張をコピーできることが発見されている(C&EN/2003年1月13日で報告されている)。
別の研究において、TNAが相補DNA、RNAおよびTNAオリゴヌクレオチドとの逆行性のワトソン-クリック(Watson−Crick)型塩基対合が可能であることが断定されている(チャプット(Chaput)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2003、125、856-857)。
ある研究において、(3’、2’)-α-L-トレオース核酸が生成され、2’および3’アミデート類似体と比較されている(ウー(Wu)ら、オーガニックレターズ(Organic Letters)、2002、4(8)、1279-1282)。当該アミデート類似体は、RNAおよびDNAと結合し、RNA/DNAのそれに匹敵する強さを持つことが証明されている。
さらに、オリゴヌクレオチド模倣体は、以下の化学式を持つ二環式および三環式ヌクレオシド類似体を含むように生成されている(以下のアミダイトモノマー)。
Figure 0004579911
(ステファンズ(Steffens)ら、ヘルベチカ・シミカ(Helv.Chim.Acta)、1997、80、2426-2439、ステファンズ(Steffens)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1999、121、3249-3255、レネバーグ(Renneberg)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2002、124、5993-6002、およびレネバーグ(Renneberg)ら、核酸リサーチ(Nucleic acids res.)、2002、30、2751-2757)。これらの修飾ヌクレオシド類似体は、ホスホラミダイトアプローチを使用してオリゴマー化されており、その結果得られた三環式ヌクレオシド類似体を含むオリゴマー化合物は、DNA、RNA、およびそれ自体に対してハイブリッド形成した場合、熱的安定性(Tm)の増大を示している。二環式ヌクレオシド類似体を含むオリゴマー化合物は、DNA二本鎖に近い熱的安定性を示している。
別のオリゴヌクレオチド模倣体群は、その骨格にリン基を組み込むホスホノモノエステル核酸と呼ばれる。このオリゴヌクレオチド模倣体群は、核酸の検出器、および分子生物学において使用する補助装置として、遺伝子発現を抑制する領域に有効な物理的、生物学的、および薬理学的特性を持つことが報告されている(アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、センスオリゴヌクレオチド、および三重鎖形成性オリゴヌクレオチド)。
一般的な化学式を以下に示す(マルクーシュ変数の定義については、米国特許5,874,553および6,127,346を参照。これらは参照することによりその全体が本書に組み込まれる)。
Figure 0004579911
本発明に基づく別のオリゴヌクレオチド模倣体が生成されている。ここで、シクロブチル環が天然フラノシル環を置換する。
修飾インターヌクレオシド結合
本発明において有効なアンチセンスオリゴマー化合物の修飾インターヌクレオシド結合の特定例は、修飾された(例えば非天然の)インターヌクレオシド結合を含むオリゴヌクレオチドを含む。本明細書で定義するように、修飾インターヌクレオシド結合を持つオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するインターヌクレオシド結合、およびリン原子を持たないインターヌクレオシド結合を含む。本明細書の目的において、また当該技術分野においてしばしば参照されるように、そのインターヌクレオシド骨格にリン原子を持たない修飾オリゴヌクレオチドもオリゴヌクレオシドとして考慮できる。
リン原子を含む修飾オリゴヌクレオチド骨格は、例えばホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル、および3’-アルキレンホスホン塩酸、5’-アルキレンホスホン塩酸、およびキラルホスホン塩酸を含む他のアルキルホスホン塩酸、ホスフィン塩酸、3’-アミノホスホラミデートおよびアミノアルキルホスホラミデートを含むホスホラミデート、チオノホスホラミデート、チオノアルキルホスホン塩酸、チオノアルキルホスホトリエステル、ホスホノアセテート、およびチオノアルキルホスホン塩酸(シーハン(Sheehan)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、2003、31(14)、4109-4118およびデリンジャー(Dellinger)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、2003、125、940-950を参照)、正常な3’-5’結合を持つセレノリン酸およびボラノリン酸、それらの2’-5’結合類似体、および逆の極性を持つ類似体を含む。ここで、1つまたは複数のインターヌクレオチド結合は3’-3’、5’-5’または2’-2’結合である。修飾インターヌクレオシド結合を含むリンは、3’-5’結合でリンクされるホスホロチオエートインターヌクレオシド結合である。逆の極性を持つオリゴヌクレオチドは、最も3’側のインターヌクレオチド結合における単一の3’-3’結合、例えば脱塩基の単一逆ヌクレオシド残基(核酸塩基が喪失しているか、またはその場所にヒドロキシル基を持つ)で構成される。様々な塩、混合塩、および遊離酸形態も含まれる。
N3’-P5’-ホスホラミデートは、相補RNA鎖に対する高い親和性とヌクレアーゼ抵抗の両方を示すことが報告されている(グリヤズノフ(Gryaznov)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1994、116、3143-3144)。インビボ研究で幾つかの成功例があるN3’-P5’-ホスホラミデートは、特に、c-myc遺伝子の発現を下方規制する(スコルスキー(Skorski)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.)、1997、94、3966-3971、およびフェイラ(Faira)ら、ネイチャーバイオテクノロジー(Nat.Biotechnol.)、2001、19、40-44)。
結合を含む前記リンの生成について説明している代表的な米国特許として、米国特許3,687,808、4,469,863、4,476,301、5,023,243、5,177,196、5,188,897、5,264,423、5,276,019、5,278,302、5,286,717、5,321,131、5,399,676、5,405,939、5,453,496、5,455,233、5,466,677、5,476,925、5,519,126、5,536,821、5,541,306、5,550,111、5,563,253、5,571,799、5,587,361、5,194,599、5,565,555、5,527,899、5,721,218、5,672,697、および5,625,050が挙げられるが、これらに限定されない。これらの各特許は参照することにより本書に組み込まれる。
本発明の幾つかの実施態様において、オリゴマー化合物は1つまたは複数のホスホロチオエートおよび/またはヘテロ原子インターヌクレオシド結合を持つ。具体的には、-CH-NH-O-CH-、-CH-N(CH)-O-CH-(メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として知られる)、-CH-O-N(CH)-CH-、-CH-N(CH)-N(CH)-CH-、および-O-N(CH)-CH-CH-(ここで、天然ホスホジエステルインターヌクレオチド結合は、-O-P(=O)(OH)-O-CH-)である。MMI型のインターヌクレオシド結合は、上記の米国特許5,489,677において開示されている。アミドヌクレオシド結合は、上記の米国特許5,602,240で開示されている。
リン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルインターヌクレオシド結合、混合へテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルインターヌクレオシド結合、あるいは1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子または複素環インターヌクレオシド結合によって形成される骨格を持つ。これらは、モルホリノ結合を持つ(ヌクレオシドの糖部分から一部形成される)骨格;シロキサン骨格;硫化物、スルホキシドおよびスルホン骨格;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格;リボアセチル骨格;メチレンヒドラジノ骨格、スルホン酸塩およびスルホンアミド骨格;アミド骨格;および混合N、O、SおよびCH構成要素を持つその他の骨格を含む。
上記オリゴヌクレオシドの生成について説明している代表的な米国特許として、米国特許5,034,506、5,166,315、5,185,444、5,214,134、5,216,141、5,235,033、5,264,562、5,264,564、5,405,938、5,434,257、5,466,677、5,470,967、5,489,677、5,541,307、5,561,225、5,596,086、5,602,240、5,610,289、5,602,240、5,792,608、5,646,269、および5,677,439が挙げられるが、これらに限定されない。これらの各特許は、参照することにより本書に組み込まれる。
修飾糖
本発明のオリゴマー化合物は、1つまたは複数の置換糖部分または修飾糖部分も含む。リボシルおよび関連する糖部分は通常、結合に関与しない任意の反応部位で修飾される。従って、糖置換基の適切な位置は2’-位であり、通常、自然な3’−5’−インターヌクレオシド結合では使用されない。他の適切な位置は3’および5’-末端である。3’-糖位は、2つの隣接糖ユニット間の結合が2’,5’-結合である場合、自由に修飾することができる。糖置換基は、OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-、またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルを含む。ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換CからC10アルキルまたはCからC10アルケニルおよびアルキニルであってよい。特に適しているのは、O((CH)nO)mCH、O(CH)nOCH、O(CH)nNH2、O(CH)nCH、O(CH)nONH、およびO(CH)nON((CH)nCHである。ここで、nおよびmは1〜約10である。他の適切なオリゴヌクレオチドは、CからC10低アルキル、置換低アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル(alkaryl)、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、複素環アルキル、複素環アルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA開裂基、レポーター基、挿入剤、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善する基、またはオリゴヌクレオチドの薬理学的特性を改善する基、および同様の特性を持つ他の置換基から選択した糖置換基で構成される。
ある修飾は、例えばアルコキシアルコキシ基などの2’-メトキシエトキシ(2’-O-(2-メトキシエチル)または2’-MOE)としても知られる2’-O-CHCHOCH)を含む(マーティン(Martin)ら、ヘルベチカ・シミカ・アクタ(Helv.Chim.Acta)、1995、78、486-504)。さらに別の修飾は、以下の例に示すように、例えばO(CHON(CH基などの、2’-DMAOEとしても知られる2’-ジメチルアミノオキシエトキシ、例えば2’-O-(CHO-(CHN(CHなどの2’-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野において2’-O-ジメチル-アミノ-エトキシ-エチル、または2’-DMAEOEとしても知られる)、およびN-メチルアセトアミド(NMA、2’-O-CH-C(=O)-N(H)CHとしても知られる)を含む。
他の糖置換基は、メトキシ(-O-CH)、アミノプロポキシ(-OCHCHCHNH)、アリル(-CH-CH=CH)、-O-アリル(-O-CH-CH=CH)およびフルオロ(F)を含む。2’-糖置換基は、アラビノ(上方)位またはリボ(下方)位にある。2’-アラビノ修飾の一例は2’-Fである(ロック(Loc)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、2002、41、3457-3467を参照)。同様の修飾は、オリゴマー化合物の他の位置、特に3’末端ヌクレオシド上の糖の3’位、または2’-5’結合オリゴヌクレオチドおよび5’末端ヌクレオチドの5’位でも行ってよい。オリゴマー化合物は、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を持ってもよい。このような修飾糖構造の生成について説明している代表的な米国特許として、米国特許4,981,957、5,118,800、5,319,080、5,359,044、5,393,878、5,446,137、5,466,786、5,514,785、5,519,134、5,567,811、5,567,427、5,591,722、5,597,909、5,610,300、5,627,053、5,639,873、5,646,265、5,658,873、5,670,633、5,792,747、5,700,920、および6,147,200が挙げられるが、これらに限定されない。これらの各特許は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
別の代表的な糖置換基は、化学式IaまたはIIaの基を含む。
Figure 0004579911
式中、
は、O、SまたはNHであり、
は、単結合、O、SまたはC(=O)であり、
は、C−C10アルキル、N(R)(R)、N(R)(R)、N=C(R)(R)、N=C(R)(R)であるか、または化学式IIIa
Figure 0004579911
[ここで、
およびRは、独立して、水素またはC−C10アルキルであり、
は-R-Rであり、
各々R、R、RおよびRvは、独立して水素、C(O)R、置換または非置換C-C10アルキル、置換または非置換C-C10アルケニル、置換または非置換C-C10アルキニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、化学的官能基または共役基であって、該置換基はヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニルから選択されるか、または所望により、RおよびRは、一体となってそれらが結合している窒素と共にフタルイミド部分を形成し、各々Rは、独立して、置換または非置換C−C10アルキル、トリフルオロメチル、シアノエチルオキシ、メトキシ、エトキシ、t-ブトキシ、アリルオキシ、9-フルオレニルメトキシ、2-(トリメチルシリル)-エトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、ベンジルオキシ、ブチリル、イソ-ブチリル、フェニルまたはアリールである]であり、
は、水素、窒素保護基または-R-R
[Rは、結合または連結部分であり、
は、化学的官能基、共役基または固定支持媒体であり、各々RおよびRは、水素、窒素保護基、置換または非置換C-C10アルキル、置換または非置換C-C10アルケニル、置換または非置換C-C10アルキニル(ここで該置換基は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニルである)、NH3+、N(R)(R)、グアニジノおよびアシルであり、前記アシルは酸アミドまたはエステルである]であるか、または
およびRが、一緒に、窒素保護基であるか、NおよびOから選択される追加ヘテロ原子を所望により含む環構造に結合されているか、または化学的官能基である、
は、OR、SR、またはN(Rであり、各々Rは、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C(=NH)N(H)R、C(=O)N(H)RまたはOC(=O)N(H)Rであり、
、RおよびRは、約4から約7の炭素原子または約3から約6の炭素原子を有する環系、および1または2のヘテロ原子を含み、該ヘテロ原子は酸素、窒素および硫黄から選択され、前記環系は脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、または飽和あるいは不飽和複素環である、
は、1から約10個の炭素原子を持つアルキルまたはハロアルキル、2から約10個の炭素原子を持つアルケニル、2から約10個の炭素原子を持つアルキニル、6から約14個の炭素原子を持つアリール、N(R)(R)OR、ハロ、SRまたはCNであり、
maは1〜約10であり、
各mbはそれぞれ0または1であり、
mcは0または1から10の整数であり、
mdは1から10の整数であり、
meは0、1または2である、ただしmcが0である場合、mdは1より大きい。
化学式Iの代表的な置換基は、米国特許6,172,209「キャップされた2’-オキシエトキシオリゴヌクレオチド」において開示されている。これは参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
化学式IIの代表的な環状置換基は、米国特許6,271,358「配座を事前設定したRNAターゲット2’-オリゴマー化合物」において開示されている。これは参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
糖置換基は、O((CH)nO)mCH、O(CH)nOCH、O(CH)nNH、O(CH)nCH、O(CH)nONHおよびO(CH)nON((CH)nCH))を含み、nおよびmは1から約10である。
化学式IIIで示される代表的なグアニジン置換基は、1999年7月7日出願の米国特許6,593,466「官能化オリゴマー」において開示されている。これは参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
代表的なアセトアミド置換基は、米国特許6,147,200において開示されている。これは参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
代表的なジメチルアミノエチルオキシエチル置換基は、国際公報WO00/08044895「2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル-オリゴマー化合物」において開示されている。これは参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
本発明のオリゴマー化合物は、2つ以上の同一または化学的に異なる糖、塩基およびインターヌクレオシド結合修飾の任意の組合せで構成してもよい。ここで使用する「化学的に異なる」という表現は、全体的または部分的に関わらず、異なる化学的エンティティを意味する。例えば、オリゴマー化合物は2’-フルオロおよび2’-MOE修飾で構成される。これら2つの修飾は同一分子内に配置された化学的に異なるエンティティであると考えられる。
修飾核酸塩基/天然核酸塩基
オリゴマー化合物は、核酸塩基(当該技術分野において、しばしば単に「塩基」または「複素環塩基部分」と呼ばれる)、修飾または置換も含む。ここで使用する「未修飾」または「天然」核酸塩基は、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、およびピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を含む。ここで複素環塩基部分と呼ばれる修飾核酸塩基は、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ハイポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、アデニンおよびグアニンの他のアルキル誘導体、2-プロピルおよびアデニンとグアニンの他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH)ウラシルおよびシトシンおよびピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(偽ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニンおよび3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニン等、他の合成および天然核酸塩基も含む。
複素環塩基部分は、例えば7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジンおよび2-ピリドンなど、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環と置換される部分を含む。さらに核酸塩基は、米国特許3,687,808で開示されている塩基、コンサイス版高分子大辞典(The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering)、pp.858-859、クロシュヴィッツ、J.I.(Kroschwitz、J.I.)ら、ジョンウィリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)、1990において開示されている塩基、イングリッシュ(Englisch)ら、アンゲワンテ・ケミ(Angewandte Chemie)、インターナショナルエディション、1991、30、613において開示されている塩基、およびサングヴィ、Y.S.(Sanghvi,Y.S.)、第15章、アンチセンスリサーチおよびアプリケーション(Antisense Research and Applications)、pp.289-302、クルック、S.T.(Crooke,S.T.)およびレブリュー、B.(Lebleu,B.)、編、CRC Press、1993において開示されている塩基を含む。これらの特定核酸塩基は、特に本発明のオリゴマー化合物の結合親和性を増加するのに有効である。これらは、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロイニルシトシンを含む5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2、N-6およびO-6置換プリンを含む。5-メチルシトシン置換基は、0.6から1.2℃で核酸二本鎖の安定性を増加させることが示されており(サングヴィ、Y.S.(Sanghvi,Y.S.)、クルック、S.T.(Crooke,S.T.)およびレブリュー、B.(Lebleu,B.)、編、アンチセンスリサーチおよびアプリケーション(Antisense Research and Applications)、CRC Press、ボカレイトン(Boca Raton)、1993、pp.276-278)、具体的に2’-O-メトキシエチル糖修飾物と結合される場合にも適切な塩基置換基である。
本発明のオリゴマー化合物は、1つまたは複数の複素環塩基部分の代わりに多環式の複素環化合物も含むこともできる。多くの三環式複素環化合物は以前に報告されている。これらの化合物は通常、アンチセンスアプリケーションにおいて使用され、ターゲット鎖に対する修飾鎖の結合特性を増加させる。最も研究されている修飾は、グアノシンをターゲットとするため、それらはG-クランプまたはシチジン類似体とも呼ばれている。これらの多環式複素環化合物の多くは、一般的な化学式を示す。
Figure 0004579911
第二鎖にあるグアノシンと3水素結合をなす代表的なシトシン類似体は、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(R10=O、R11-R14=H)(クルチャホフ(Kurchavov)ら、ヌクレオシドおよびヌクレオチド(Nucleosides and Nucleotides)、1997、16、1837-1846)、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(R10=S、R11-R14=H)(リン、K. -Y(Lin,K.-Y.);ジョーンズ,R.J.(Jones,R.J.);マテウチ,M.J.(Matteucci,M.)米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1995、117、3873-3874)および6、7、8、9-テトラフルオロ-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(R10=O、R11-R14=H)(ワン、J.(Wang,J.);リン、K.-Y.(Lin,K.−Y.)、マテウチ,M(Matteucci,M.)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、1998、39、8385-8388)を含む。オリゴヌクレオチドに組み込まれるこれらの塩基修飾は、相補グアニンを用いてハイブリッド形成することが示されている。また、後者はアデニンを用いてハイブリッド形成し、拡張されたスタッキング相互作用によって、らせんの熱的安定性を強化することも示されている(2002年5月24日出願の米国特許10/155,920「修飾ペプチド、核酸」および2002年5月24日出願の米国特許10/013,295「ヌクレアーゼ抵抗キメラオリゴヌクレオチド」を参照。これらの両特許は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる)。
さらに、シトシン類似体/置換基が、固定された1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン骨格に結合されているアミノエトキシ部分を持つ場合に、らせんの安定特性が観察されている(R10=O、R11=-O-(CH-NH、R12-14=H)(リン,K.-Y.(Lin,K.-Y.);マテウチ、M.(Matteucci,M.)米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1998、120、8531-8532)。結合試験は、単一の組み込みによって、5-メチルシトシン(dC5me)との関連で最大18度までの△Tmで相補ターゲットDNAまたはRNAに対するモデルオリゴヌクレオチドの結合親和性を強化できることを示した。これは、単一修飾に関して現在知られている最高の親和性強化である。一方、らせん安定性における結果によってオリゴヌクレオチドの特異性は変わらない。Tmデータは、duc5meと比較して、完全一致配列およびミスマッチ配列との間にさらに大きな違いを示している。連結アミノ基が、追加の水素結合供与体として作用し、フーグスティン(Hoogsteen)面、すなわち相補グアニンのO6と相互作用して、結果的に4水素結合を形成することが示唆されている。これは、G-クランプの増加した親和性が拡張塩基スタッキングと追加の特異的水素結合の組み合わせによって媒介されることを意味する。
さらに、本発明に基づく三環式複素環化合物およびその使用方法は、米国特許6,028,183および米国特許6,007,992において開示されている。両特許の内容は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
フェノキサジン誘導体は、拡張された結合親和性と、その変わらない配列特異性によって、さらに強力なアンチセンスベースの薬物開発のための貴重な核酸塩基類似体となる。実際、インビトロ試験から、フェノキサジン置換基を含む7-ヌクレオチドがRNaseHを活性し、細胞取り込みを強化してアンチセンス活性を増加させるという期待できるデータが得られている(リン、K.-Y.(Lin,K.-Y.);マテウチ、M.(Matteucci,M.)米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)1998、120、8531-8532)。当該活性強化は、G-クランプの場合さらに顕著である。これは、単一置換が20量体2’-デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのインビトロでの効能を著しく改善することが示されているためである(フラナガン、W.M.(Flanagan,W.M.);ウルフ、J.J.(Wolf,J.J.);オルソン、P.(Olson,P.);グラント、D.(Grant,D.);リン、K.-Y.(Lin,K.-Y.);ワグナー、R.W.(Wagner,R.W.);マテウチ、M.(Matteucci,M.)全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、1999、96、3513-3518)。それでもやはり、オリゴヌクレオチド設計を最適化するため、また生物活動におけるこれらの複素環修飾の影響をさらに理解するために、オリゴマーのヌクレアーゼ安定性対する影響を評価することが重要である。
複素環塩基として有効な別の修飾多環式複素環化合物は、上記の米国特許3,687,808および米国特許4,845,205、5,130,302、5,134,066、5,175,273、5,367,066、5,432,272、5,434,257、5,457,187、5,459,255、5,484,908、5,502,177、5,525,711、5,552,540、5,587,469、5,594,121、5,596,091、5,614,617、5,645,985、5,646,269、5,750,692、5,830,653、5,763,588、6,005,096、5,681,941、および2001年11月28日出願の米国特許出願09/996,292において開示されているが、これらに限定されない。これらは参照することにより本書に組み込まれる。
共役
本発明の組成物で使用される共役オリゴマー化合物は、結果として生じるオリゴマー化合物の活性、細胞分配または細胞取り込みを強化するため、1つまたは複数の部分または共役体を持つように修飾することもできる。一実施態様において、そのような修飾オリゴマー化合物は、共役基をヒドロキシルまたはアミノ基などの官能基に共有結合することによって生成される。本発明の共役基は、挿入剤、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、オリゴマーの薬理学的特性を強化する基、およびオリゴマーの薬物動態を強化する基を含む。典型的な共役基は、コレステロール、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フォレート、フェナンスリジン、アントラキン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、およびCy3およびAlexaを含むような色素を含む。本発明との関連において、薬理学的特性を強化する基は、オリゴマーの取り込みを改善し、分解に対するオリゴマー抵抗を強化して、および/またはRNAとの配列特異的ハイブリッド形成を強化する基を含む。本発明との関連において、薬物動態特性を強化する基は、オリゴマーの取り込み、分配、代謝または排出を改善する基を含む。代表的な共役基は1992年10月23日出願の国際特許出願PCT/US92/09196において開示されている。参照することによりその開示内容全体が本書に組み込まれる。
共役部分は、コレステロール部分(レッツィンガー(Letsinger)ら、全米科学アカデミー紀要(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、1994、4、1053-1060)、コール酸(マノハラン(Manoharan)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorg.Med.Chem.Let.)、1994、4、1053-1060)、ヘキシル-S-トリチルチオールなどのチオエーテル(マノハラン(Manoharan)ら、ニューヨーク科学アカデミー年報(Ann.N.Y.Acad.Sci.)、1992、660、306-309;(マノハラン(Manoharan)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorg.Med.Chem.Let.)、1993、3、2765-2770)、チオコレステロール(オーベルハウザー(Oberhauser)ら、核酸リサーチ(Nucl.Acids Res.)、1992、20、533-538)、ドデカンジオールまたはウンデシル残基などの脂肪族鎖(セゾン-ベモアラ(Saison−Behmoaras)ら、イーエムビーオー・ジャーナル(EMBO J.)、1991、10、1111-1118;コバノフ(Kabanov)ら、エフイービーエス・レター(FEBSLett.)、1990、259、327-330;スヴィナルチュク(Svinarchuk)ら、ビオチネー(Biochinaie)、1993、75、49-54)、ジヘキサデシルリン脂質-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2-di-O-ヘキサデシル−rac−グリセロ-3-H-ホスホン塩酸などのリン脂質(マノハラン(Manoharan)ら、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、1995、36、3651-3654;シェイ(Shea)ら、核酸リサーチ(Nucl.Acids Res.)、1990、18、3777-3783)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(マノハラン(Manoharan)ら、ヌクレオシドおよびヌクレオチドNucleosides&Nucleotides)、1995、14、969-973)、またはアダマンタン酢酸(マノハラン(Manoharan)ら、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、1995、36、3651-3654)、パルミチル部分(ミシュラ(Mishra)ら、ビオチン(Biochim.Biophys.Acta)、1995、1264、229-237)、またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(クルック(Crooke)ら、薬理学および試験的治療ジャーナル(J。Pharmacol.Exp.Ther.)、1996、277、923-937)等、の脂質部分を含むが、それらに制限されない。
本発明のオリゴマー化合物は、例えば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-3ヨード安息香酸、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾサイアジアザイド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメタシン、バルビツール酸、セファロスポリン、サルファ剤、抗糖尿病剤、抗菌剤、抗生物質などのアクティブな薬品成分と共役されてもよい。オリゴヌクレオチド薬共役体およびその製剤は、米国特許出願09/334,130(1999年5月15日出願)において記載されている。この特許は、参照することによりその全体が本書に組み込まれる。
そのようなオリゴヌクレオチド共役体の生成について説明している代表的な米国特許として、米国特許4,828,979、4,948,882、5,218,105、5,525,465、5,541,313、5,545,730、5,552,538、5,578,717、5,580,731、5,580,731、5,591,584、5,109,124、5,118,802、5,138,045、5,414,077、5,486,603、5,512,439、5,578,718、5,608,046、4,587,044、4,605,735、4,667,025、4,762,779、4,789,737、4,824,941、4,835,263、4,876,335、4,904,582、4,958,013、5,082,830、5,112,963、5,214,136、5,082,830、5,112,963、5,214,136、5,245,022、5,254,469、5,258,506、5,262,536、5,272,250、5,292,873、5,317,098、5,371,241、5,391,723、5,416,203、5,451,463、5,510,475、5,512,667、5,514,785、5,565,552、5,567,810、5,574,142、5,585,481、5,587,371、5,595,726、5,597,696、5,599,923、5,599,928、および5,688,941が挙げられるが、それらに制限されない。これらの各特許は参照することによりここに組み込まれる。
本発明の組成物中で使用されるオリゴマー化合物は、一般に一本鎖オリゴマー化合物の一端または両端、あるいは二本鎖のいずれかの鎖の3’または5’端と結合される1つまたは複数の安定基を持ち、ヌクレアーゼ安定性などの特性を強化するように修飾することもできる。安定基にはキャップ構造が含まれる。「キャップ構造または末端キャップ部分」はオリゴヌクレオチドのいずれかの末端で組み込まれている化学的な修飾を意味する(ウィンコット(Wincott)ら、WO97/26270を参照。これは参照することによりここに組み込まれる)。これらの末端修飾は、末端核酸分子を持つオリゴマー化合物をエクソヌクレアーゼ分解から保護し、細胞内での送達および/または局在化に役立つ。当該キャップは、5’-末端(5’キャップ)または3’-末端(3’キャップ)に存在するか、または両端に存在することもできる。このキャップ構造は、元々のmRNA分子の5’端に存在する逆メチルグアノシン「5’キャップ」と混同されることはない。制限されない例において、当該5’キャップは、逆脱塩基残基(部分)、4’、5’-メチレンヌクレオチド;1-(β-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド;1,5-無水ヘキシトールヌクレオチド;L-ヌクレオチド;α-ヌクレオチド;修飾基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート結合;トレオ-ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’-セコヌクレオチド;非環式3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド;非環式3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’-3’-逆ヌクレオチド部分;3’-3’-逆脱塩基部分;3’-2’-逆ヌクレオチド部分;3’-2’-逆脱塩基部分;1,4-ブタンジオールホスホン酸;3’-ホスホルアミデート;ヘキシルリホスホン酸;アミノヘキシルホスホン酸;3’-ホスホン酸;3’-ホスホロチオエート;ホスホロジチオエート;あるいは結合または非結合メチルホスホン酸部分(詳細は、ウィンコット(Wincott)ら、国際PCT出願公開番号WO97/26270を参照。これは参照することによりここに組み込まれる)を含む。
本発明の3’-キャップ構造は、例えば4’、5’-メチレンヌクレオチド;1-(β-D-エリスロフラノシル)ヌクレオチド;4’-チオヌクレオチド、炭素環式ヌクレオチド;5’-アミノ-アルキルホスホン酸;1,3-ジアミノ-2-プロピルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸;6-アミノヘキシルホスホン酸;1,2-アミノドデシルホスホン酸;ヒドロキシプロピルホスホン酸;1,5-無水ヘキシトールヌクレオチド;L-ヌクレオチド;α-ヌクレオチド;修飾基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート;トレオ-ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’-セコヌクレオチド;3,4-ジヒドロキシブチルヌクレオチド;3,5-ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’-5’-逆ヌクレオチド部分;5’-5’-逆脱塩基部分;5’ホスホルアミデート;5’-ホスホロチオエート;1,4-ブタンジオールホスホン酸;5’-アミノ;結合および/または非結合5’-ホスホルアミデート、ホスホロチオエートおよび/またはホスホロジチオエート、結合または非結合メチルホスホン酸および5'-メルカプト部分(詳細は、ヴューケージおよびタイヤ(Beaucage and Tyer)、1993、テトラヒドロン(Tetrahedron)49、1925を参照。これは参照することによりここに組み込まれる)を含む。
さらに、1つまたは両方のオリゴマー化合物をキャップして、ヌクレアーゼ安定性を包含するために使用できる3’および5’-安定基は、2003年1月16日公開のWO03/004602において開示されたものを含む。
3’-エンド修飾
同二本鎖核酸の立体配座構成を記述する際は、RNAの場合「A型」、DNAの場合「B型」という用語を使用する。RNAおよびDNA二本鎖の立体配座構成は、それぞれ核酸繊維のX線回折解析から判断される(アーノットおよびハキンス(Arnott and Hukins)、バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションス(Biochem.Biophys.Res.Comm.)、1970、47、1504)。一般に、RNA:RNA二本鎖はより安定しており、DNA:DNA二本鎖よりも高い溶解温度(Tm)を持つ(サンガー(Sanger)ら、核酸構造の原理(Principles of Nucleic Acid Structure)、1984、Springer-Verlag;New York、NY.;レスニク(Lesnik)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、1995、34、10807-10815;コント(Conte)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Res.)、1997、25、2627-2634)。RNAの安定性の向上は幾つかの構造的機能に貢献している。最も顕著なのは、A型構造に起因する塩基スタッキング相互作用の改善である(サール(Searle)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acid Res.)、1993、21、2051-2056)。RNAにおける2’ヒドロキシルの存在は、ノーザンパッカーとも呼ばれるC3’エンドパッカーに対して糖をバイアスする。これによって二本鎖がA型構造を支持する。さらに、RNAの2’ヒドロキシル基は、RNA二本鎖を安定させる水媒介の水素結合ネットワークを形成することができる(エグリ(Egli)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、1996、35、8489-8494)。一本、デオキシ核酸はサザンパッカーとしても知られるC2’エンド糖パッカーを好む。これは安定性の低いB型構造を付与すると考えられる(サンガー、W.(Sanger,W.)(1984)核酸構造の原理(Principles of Nucleic Acid Structure)、Springer-Verlag、New York、NY)。ここで使用するB型構造は、C2’-エンドパッカーおよびO4’-エンドパッカーの両者を含む。これは、B型二本鎖を生じるフラノーゼ構成を考慮すると、O4’-エンドパッカーの貢献も考慮すべきであると指摘しているバーガー(Berger)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、1998、26、2473-2480と一致する。
しかしDNA:RNAハイブリッド二本鎖は通常、純粋なRNA:RNA二本鎖よりも安定性が低く、配列によってDNA:DNA二本鎖より安定性が高低する場合がある(サール(Searle)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Res.)、1993、21、2051-2056)。ハイブリッド二本鎖の構造はA型構造とB型構造の中間であり、乏しいスタッキング相互作用をもたらす(レーン(Lane)ら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur.J Biochem.)、1993、215、297-306;フェドロフ(Fedoroff)ら、分子生物学ジャーナル(J.Mol.Biol.)、1993、233、509-523;ゴンザレス(Gonzalez)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)、1995、34、4969-4982;ホートン(Horton)ら、分子生物学ジャーナル(J.Mol.Biol.)、1996、264、521-533)。ターゲットRNAと合成配列の間に形成される二本鎖の安定性は、RNAseH、RNAiまたはオリゴマー化合物をRNAターゲット鎖と結合するために必要な任意の機構を含むがそれに制限されないアンチセンス機構に対する治療の中核を成す。アンチセンスの場合、mRNAを効果的に抑制するには、アンチセンス化合物がmRNAと十分な高結合親和性を持つことが必要である。そうでなければ、オリゴマーアンチセンス化合物とターゲットmRNA鎖の望ましい相互作用があまり生じないため、結果的に有効性が減少する。
通常使用される糖パッカリングを修飾方法は、2’-位で糖を当該糖配座に影響する置換基と置き換えることである。環構造への影響は、2’-位にある置換基の性質に依存する。それらの糖パッカリング効果を判定するために多くの異なる置換基が研究されている。例えば、2’-ハロゲンの研究は、2’-フルオロ誘導体がC3’-エンド型の最大密度(65%)、2’-ヨウ素が最低密度(7%)を呈することを示している。アデノシン(2’-OH)対デオキシアデノシン(2’−H)の密度は、それぞれ36%および19%である。さらに、アデノシンニ量体の2’-フルオロ基(2’-デオキシ-2’-フルオロアデノシン-2’-デオキシ-2’-フルオロ-アデノシン)は、スタックされた構造の安定性にも関連する。
予想どおり、関連する二本鎖の安定性は、2’-OH基を2’-F基と置き換えることによって強化することができ、それによってC3’-エンド密度が増加する。2’-F結合の高い極性と、C3’-エンドパッカリングに対する極度の優先によって、A型二本鎖におけるスタックされた構造が安定すると想定される。UV淡色効果、偏円光二色性、およびH NMRから得られたデータは、ハロ置換基の電気陰性度が減少するにつれて、スタッキングの度合いが減少することを示している。さらに、糖部分2’-位の立体バルクは、’B型二本鎖よりもA型二本鎖に適合する。このため、ジヌクレオチドモノリン酸の3’-末端上における2’-置換は、立体反発、フラノースパッカリング優先、静電気反発、疎水性誘引、および水素結合能力等のスタッキング配座に多大な影響を与えると考えられる。これら置換基の効果は、置換基の分子サイズ、電気陰性、および疎水性によって決定されると考えられる。相補鎖の溶解温度は、2’-置換アデノシン2リン酸とともに増加する。配座の3’-エンド優先または置換基の存在が結合の増加に関与するかどうかは不明である。しかし、隣接する塩基が大きく重なる(スタッキングする)と3’-エンド配座が実現する。
本発明の一面において、オリゴマー化合物は、3’-エンド糖配座を誘引するように合成的に修飾されたヌクレオシドを含む。ヌクレオシドは複素環塩基、糖部分またはその両者の合成的修飾を組み込んで、望ましい3’-エンド糖配座を誘引することができる。これらの修飾ヌクレオシドを模倣RNA様ヌクレオシドに使用すると、望ましい3’-エンド糖配座を維持しながらオリゴマー化合物の特定の特性を強化できる。RNA干渉機構の要件(誘因)としてRNA型ニ本鎖(A型らせん、主に3’-エンド)が明らかに好まれる。この機構は、2’-デオキシ-2’-F-ヌクレオシドを構成するニ本鎖はC.エレガンスシステムにおいてRNAi応答を誘発するのに有効であるという事実によって一部支持される。より安定した3’-エンドヌクレオシドを使用することによって強化される特性は、タンパク質結合、タンパク質オフ比率、吸収およびクリアランスの修飾を通じた薬物動態特性の変調;ヌクレアーゼ安定性および化学的安定性の変調;オリゴマーの結合親和性および特異性の変調(酵素および相補配列の親和性および特異性);およびRNA開裂の有効性の増加を含むが、それらに制限されない。本発明は、C3’-エンド型配座を好むように修飾された1つまたは複数のヌクレオシドを持つRNAiパスウェイの誘発剤として作用するオリゴマー化合物を提供する。
(配座スキーム)
Figure 0004579911
C2’-エンド/サザン C3’-エンド/ノーザン
ヌクレオシド配座は、ペントフラノシル糖の2’、3’、または4’-位の置換を含む様々な要素によって影響を受ける。電気陰性の置換基は、一般にアキシアル位を好むが、立体的に込み入った置換基は、一般にエクアトリアル位を好む(核酸構造の原理(Principles of Nucleic Acid Structure)、ウルフガング サンガー(Wolfgang Sanger)、1984、Springer-Verlag)。3’-エンド配座を好むような2’位の修飾は、認識要素として2’-OHを維持しながら実施できる(ガロ(Gallo)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)(2001)、57、5707-5713、ハリー・オークル(Harry-O’kuru)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、(1997)、62(6)、1754-1759およびタング(Tang)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)(1999)、64、747-754)。
代わりに、2’デオキシ-2’F-ヌクレオシドに例示される2’-OHを削除することによって3’-エンド配座を優先させることができる(カワサキ(Kawasaki)ら、ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(J.Med.Chem.)(1993)、36、831-841)。これは、アキシアル位に電気陰性のフルオリン原子を配置する3’-エンド配座を適用する。リボース環の他の修飾は、例えば4’-F修飾ヌクレオシドを生じる4’-位の置換である(ギレルム(Guillerm)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(1995)、5、1455-1460およびオーウェン(Owen)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)(1976)、41、3010-3017)。またはメタノカルバヌクレオシド類似体を産出する修飾(ヤコブソン(Jacobson)ら、ケミストリー・レター(Chem.Lett.)(2000)、43、2196-2203およびリー(Lee)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)(2001)、11、1333-1337)も3’-エンド配座の優先を誘因する。同様に、RNAi反応を誘発するオリゴマー化合物は、例えば構成がロックされた核酸(LNA、シング(Singh)ら、ケミカルコミュニケーションズ(Chem.Commun.)(1998)、4、455-456)およびエチレン結合された核酸(ENA(登録商標)、モリタ(Morita)ら、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レター(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)(2002)、12、73-76)などのC3’-エンド型配座に固定されるように修飾される1つまたは複数のヌクレオシドで構成される。
修飾ヌクレオシドおよびそのオリゴマーの好ましい配座は、分子ダイナミクス計算、核磁気共鳴分光学、およびCD測定など様々な方法で予測できる。従って、オリゴマー化合物においてRNA様配座、A型二本鎖配座を誘発すると予測される修飾が、本発明の修飾オリゴヌクレオチドにおいて使用するために選択される。本発明に基づく多くの修飾ヌクレオシドの合成は、当該技術分野において周知である(例えば、ヌクレオシドおよびヌクレオチドの化学(Chemistry of Nucleosides and Nucleotides)第1〜3巻、編.リロイ B.タウンセンド(Leroy B.Townsend)、1988、Plenum press.および以下の例を参照)。
一局面において、本発明は本来のRNA、対抗する核酸ターゲットと比べて強化された特性を持たせて生成されるオリゴマー化合物を対象としている。強化されたオリゴマー化合物の設計において、ターゲットが識別され、当該ターゲット配列部分に相補的な効果的な長さの配列を持つオリゴマー化合物が選択される。選択された配列の各ヌクレオシドは修飾を強化する可能性について綿密に調査される。修飾の一例は、1つまたは複数のRNAヌクレオシドを同一の3’-エンド配座に加えて強化された特性を持つヌクレオシドと置換することである。このような修飾によって、天然RNAに比べて化学的安定性およびヌクレアーゼ安定性を強化することができ、同時により低コストで簡単にオリゴヌクレオチドを合成および/または組み込むことができる。選択されたオリゴマー化合物配列はさらに複数領域に分割することができ、各領域のヌクレオシドは結果としてキメラ構成を生じる修飾を強化するために評価される。また1つまたは複数の末端ヌクレオシドに対して実施できる有効な修飾がしばしばあるため、5’および3’-末端も考慮する必要がある。本発明のオリゴマー化合物は、少なくとも1つの5’-修飾リン酸基を一本鎖または1つの二本鎖配列または複数配列の少なくとも1つの5’-位に含む。さらに、修飾はインターヌクレオシド結合、共役基、置換糖または塩基、ヌクレオシド模倣体を持つ1つまたは複数のヌクレオシドの置換基、および意図されたターゲットに対する選択された配列の親和性を増強する他の任意の修飾であると考えられる。
ヌクレアーゼ抵抗を増加させ、ヌクレオチドに対する非常に高い結合親和性を付与する合成2’-修飾の一例は、2-メトキシエトキシ(2’-MOE、2’-OCHCHOCH)側鎖である(ベーカー(Baker)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、1997、272、11944-12000)。2’-MOE置換によって即時に得られる利益は、結合親和性の改善である。これは、O-メチル、O-プロピル、およびO-アミノプロピルなどを含む多くの類似2’修飾よりも優れている。2’-O-メトキシエチル置換基を持つオリゴマーは、インビボ使用にとって期待できる機能を持つ遺伝子発現のアンチセンス抑制剤であることも示されている(マーティン、P.(Martin,P.)、ヘルベチカ・シミカ・アクタ(Helv.Chim.Acta)、1995、78、486-504;アルトマン(Altmann)ら、シミカ(Chimia)、1996、50、168-176;アルトマン(Altmann)ら、バイオケミカル・ソサエティー・トランザクション(Biochem.Soc.Trans.)、1996、24、630-637;およびアルトマン(Altmann)ら、ヌクレオシド ヌクレオチド(Nucleosides Nucleotides)、1997、16、917-926)。DNAに関連して、2’−MOE修飾を持つオリゴマーは、向上したRNA親和性と、より高いヌクレアーゼ抵抗を示した。ヌクレオシド翼およびデオキシホスホロチオエートヌクレオチドの内部領域に2’-MOE置換基を持つキメラオリゴマー(ギャップト(gapped)オリゴマーまたはギャップマー(gapmer)とも呼ばれる)は、低量で動物モデルにおける腫瘍の成長を効果的に削減することが示されている。2’-MOE置換オリゴマーは、幾つかの病状におけるアンチセンス化合物としての顕著な裏づけを示している。そのようなMOE置換オリゴマーの一例は、CMV網膜炎の処置に認可されている。
2’-MOE置換の大部分は、C-C結合のエチルリンカーの周囲にゴーシュ(gauche)配座を示した。しかし、2つの例においてC-C結合の周囲のトランス(trans)配座が観察されている。結晶における格子相互作用は、その副溝を介した相互の二本鎖パッキングを含む。そのため、2’-O-置換基の配座が隣接する二本鎖との関係によって影響される残基もある。一般に、置換基の配座変化(例えば、g+またはC-C結合の周りのg)によって、置換基間、両鎖間、副溝経由、および鎖内の相互作用が生じる。ある位置において、2つの残基からの置換基原子は副溝を通じてヴァン・デル・ワールス接触している。同様に、2つの隣接するストランド内残基からの置換基原子間で密接な接触が生じる。
事前設定されたA-DNAニ本鎖の結晶構造は、同一の2’-O-メチルT残基を組み込む構造用であった。前記の2’-MOE置換基用の結晶構造において、2’-MOE残基の場合に保存されている水和パターンが観察されている。O2’、O3’および置換基のメトキシ酸素原子との間に単一の水分子が配置されている。この水分子は2.9および3.4Aの間にあるO2’、O3’および置換基のメトキシ酸素原子すべてと接触する。さらに、置換基の酸素原子は、幾つかの他の水素結合接触と関与する。例えば、特定の2’-O-置換基のメトキシ酸素原子は、結合水分子を介して反対鎖からアデノシンのN3と水素結合を形成する。
幾つかの例において、水分子は酸素原子O2’、O3’および修飾ヌクレオシドのOC’の間に閉じ込められている。エチレングリコールリンカーのC-C結合の周囲にトランス(trans)配座を持つ2’-MOE置換基は、OC’とグアノシンのN2との間の反対鎖からの密接な接触、およびOC’とN3(G)間の水媒介の密接な接触に関連する。2’-MOE修飾鎖を含む二本鎖に関する有効な熱力学データを含めて考慮すると、この結晶構造によって、他の修飾に関するさらに詳細な構造安定性の分析が可能になる。
結晶構造研究を進めるにあたり、2’-O-修飾を持つオリゴヌクレオチドのさらに強化された結合親和性を研究するため、分子モデリング実験を行った。当該オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドに2’-O-修飾を持つ配列番号:10以上の化合物に関してコンピュータ・シミュレーションを実施した。このシミュレーションは、AMBER力場法によって、水溶液中でオリゴヌクレオチドを使用して行った(コーネル(Cornell)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1995、117、5179-5197)(カリフォルニア州サンフランシスコ、UCSF社製モデリングソフトウェアパッケージ)。Indigo2 SGI機械に関する計算が実施された(カリフォルニア州マウンテンビュー、シリコン・グラフィックス(Silicon Graphics)社)。
3’-エンド糖配座構成を付与する別の2’-糖置換基は2’-OMe基である。2’-OMe基を持つグアノシン、シチジン、およびウリジンジヌクレオシドリン酸の2’-置換基は、対応する天然(2’-OH)種に関して強化されたスタッキング効果を示した。これによって、結果的に糖がC3’-エンド配座を適用する。この場合、メチル基の魅力的な疎水力が立体バルクの不安定な効果を克服する傾向にあると考えられている。
オリゴヌクレオチドが相補ターゲット鎖に結合する能力は、オリゴヌクレオチドとその相補鎖のハイブリダイゼーション複合体の溶解温度(Tm)を判定することによって比較される。溶解温度(Tm)、二重らせんの特徴的な物理特性は、50%らせん(ハイブリッド形成された)対コイル(ハイブリッド形成されていない)型が存在する温度(摂氏)を示す。TmはUVスペクトラムを使用して計測され、ハイブリダイゼーション複合体の形成および分解(溶解)を判別する。ハイブリダイゼーション中に起こる塩基スタッキングに伴って、UV吸収(淡色効果)が減少する。結果的に、UV吸収の減少が高いTmを示す。Tmが高くなるほど、鎖間の結合力が強くなる。
フレイヤー(Freier)およびアルトマン(Altmann)、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、(1997)25:4429-4443は、以前にオリゴヌクレオチドの構造的修飾の影響に関して、ターゲットRNAを持つその二本鎖の安定性についての研究を発表している。この研究において、著者はハイブリダイゼーション親和性およびTmが合成、評価されている200以上の異なる修飾を含む一連のオリゴヌクレオチドを検討した。研究された糖修飾は、糖の2’-位上の置換、3’−置換、4’-酸素の置換、二環式糖の使用、および四員環置換を含んでいた。チミンの5または6位の置換、ピリミジン複素環の修飾、およびプリン複素環の修飾を含む幾つかの核酸塩基修飾も研究された。中性、リン、およびインターヌクレオシド結合を含む非リンを含む修飾インターヌクレオシド結合についても研究された。
RNAターゲット鎖を標的とする修飾オリゴヌクレオチドにおけるC3’-エンド糖率を増加することによって、この鎖がRNAと結合するように事前設定できるはずである。文献において報告および研究されている幾つかの糖修飾のうち、2’-フルオロまたは2’-アルコキシなどの電気陰性置換基を組み込むことによって、糖の配座が3’エンド(ノーザン)パッカー配座にシフトする。これが、A型配座を持たせる修飾を組み込むオリゴヌクレオチドを事前に組織化する。このA型配座によって、ターゲットRNA鎖に対する当該オリゴヌクレオチドの結合親和性が増加する。
さらに、エチレングリコールモチーフを含む2’-置換基の場合、側鎖のO-C-C-Oねじれを囲む酸素原子間のゴーシュ(gauche)相互作用が二本鎖に安定した効果を持つ場合がある(フレイヤー(Freier)アイビッド(ibid.))。このようなゴーシュ(gauche)効果によって、二本鎖の形成に適した側鎖が構成される。この安定構成の正確な本質はまだ明らかになっていない。理論に固執したくはないが、アルキル側鎖に見られるランダムな分配ではなく、単一のゴーシュ(gauche)構成におけるO-C-C-Oねじれを保持することによって、二本鎖のエントロピー効果が提供されると考えられる。
本発明に基づく代表的な2’-置換基は、結果として生じる二本鎖にA型配座特性(3’-エンド)を付与し、2’-O-アルキル、2’-O-置換アルキル、および2’-フルオロ置換基を含む。様々なアルキルおよびアリールエーテルおよびチオエーテル、アミンおよびモノアルキルおよびジアルキル置換アミンが置換基に適している。さらに、1つまたは複数の単量体サブユニット(ヌクレオシドが適当)および/またはインターヌクレオシド結合の複数部位で、1つまたは複数の本発明のオリゴマー化合物に複数の修飾を行い、特性を強化し得るが、本発明の選択された適用での活性を制限するものではない。
2’-O修飾として包含するための本発明の環構造は、シクロヘキシル、シクロペンチルおよびフェニル環に似た空間フットプリントを持つ複素環とともに、シクロヘキシル、シクロペンチルおよびフェニル環を含む。本発明の2’-O-置換基は、2’-O-(トランス2-メトキシシクロヘキシル、2’-O-(トランス2-メトキシシクロペンチル)、2’-O-(トランス2-ウレイドシクロヘキシル)および2’-O-(トランス2-メチルオキシフェニル)を含むが、それらに制限されない。
定義される化学反応
ここに別段の定義がない限り、C-C12、C-C、またはC-C、直鎖または(可能であれば)分岐鎖脂肪族炭化水素を意味する。
ここに別段の定義がない限り、ヘテロアルキルはC-C12、C-C、またはC-C、鎖の末端部分を含めて、鎖に少なくとも1つまたは約1から約3のヘテロ原子を含む直鎖または(可能であれば)分岐鎖脂肪族炭化水素を意味する。ヘテロ原子はN、O、およびSを含む。
ここに別段の定義がない限り、シクロアルキルはC-C12、C-C、またはC-C、脂肪族炭化水素環を意味する。
ここに別段の定義がない限り、アルケニルはC-C12、C-C、またはC-Cアルケニルを意味する。これは直鎖または(可能であれば)分岐した炭化水素部分であり、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。
ここに別段の定義がない限り、アルキニルはC-C12、C-C、またはC-Cアルキニルを意味する。これは直鎖または(可能であれば)分岐した炭化水素部分であり、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む。
ここに別段の定義がない限り、ヘテロシクロアルキルは、少なくとも3つの環員、そのうち少なくとも1つに炭素、また1、2、または3環員に炭素以外を含む環部分を意味する。炭素原子の数は1から約12、1から約6に変えることができ、また環員の合計数は3から約15、または約3から約8に変えることができる。環へテロ原子はN、O、およびSである。ヘテロシクロアルキル基はモルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモモルホリノ、ホモチオモルホリノ、ピロロジニル、テトラヒドロオキザゾリル、テトライドロイミダゾイル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソキサゾリル、テトラヒドロピラゾリル、フラニル、ピラニル、およびテトラヒドロイソチアゾリルを含む。
ここに別段の定義がない限り、アリールは少なくとも1つのアリール環を含む任意の炭化水素環構造を意味する。アリール環は約6から約20の環炭素を持つ。アリール環はフェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフェナントレニルも含む。
ここに別段の定義がない限り、ヘタリルは少なくとも1つの完全不飽和環を含む環部分、炭素および非炭素原子から成る環を意味する。当該環系は約1から約4の環を含むことができる。炭素原子の数は1から約12または1から約6に変えることができ、また環員の合計数は3から約15、または約3から8に変えることができる。環へテロ原子はN、O、およびSである。ヘタリル部分は、ピラゾリル、チオフェニル、ピリジル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンジミダゾリル、ベンゾチオフェニルなどを含む。
ここに別段の定義がない限り、部分がヘタリルアルキル(ヘタリルおよびアルキル)、アラルキル(アリールおよびアルキル)などの合成部分として定義される場合、各副部分はここに定義のとおりである。
ここに別段の定義がない限り、電子求引基は、それが結合される炭素から離れて電荷を引き付けるシアノまたはイソシアナト基などの基である。注目すべき他の電子求引基は、その電子陰性が炭素の電子陰性を超える基、例えば垂直または並行位置において1つまたは複数のシアノ、イソチオシアナト、ニトロまたはハロ基と置換されたハロゲン、ニトロ、またはフェニルを含む。
ここに別段の定義がない限り、ハロゲンおよびハロという用語はそれらの通常の意味を持つ。ハロ(ハロゲン)置換基は、F、Cl、Br、およびIである。
前記の任意の置換基は、ここに別段の定義がない限り、意図される特性に応じて適切な置換基である。ハロゲン(F、Cl、Br、I)は、アルキル、アルケニル、およびアルキニル部分、NO、NH(置換および非置換)、酸部分(例えばCOH、-OS0など)、ヘテロシクロアルキル部分、ヘタリル部分、アリール部分などを含む。
すべての前記化学式において、波線(〜)は5’-リン酸の酸素または硫黄結合を示す。リン酸保護基は、米国特許5,760,209、5,614,621、6,051,699、6,020,475、6,326,478、6,169,177、6,121,437、6,465,628において記載されている基を含む。これらの各特許は、その全体を参照することによりここに明示的に組み込まれる。
オリゴマー合成
修飾および未修飾ヌクレオシドのオリゴマー化はDNA(オリゴヌクレオチドおよびアナログのプロトコル(Protocols for Oligonucleotides and Analogs)、編.Agrawal(1993)、Humana Press)および/またはRNA(スカリンジ(Scaringe)、メソッド(Methods)(2001)、23、206-217.ゲイト(Gait)ら、RNAにおける化学生成RNAの応用:タンパク質相互作用(Applications of Chemically synthesized RNA in RNA:Protein Interactions)、編.スミス(Smith)(1998)、1-36、ガロ(Gallo)ら、テトラヒドロン(Tetrahedron)(2001)、57、5707-5713)合成の文献手順に適宜従って実施される。さらに、本発明のオリゴマー化合物の合成に対する特定のプロトコルは、以下の例に示されている。
本発明に従って使用されるオリゴマー化合物は、固相合成の周知の技術を通じて便宜的および日常的に生成できる。そのような合成のための装置は、アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社(カリフォルニア州フォスター市)を含むメーカー数社によって販売されている。そのような合成のための当該技術分野で周知の任意の他の装置も追加、または代替として使用してよい。同様の技術を用いてホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体などのオリゴヌクレオチドを生成することもよく知られている。
本発明のオリゴマー化合物は、取り込み、分配および/または吸収を促進するためのリポソーム、受容体ターゲット分子、経口、直腸、局所または他の製剤として、他の分子、分子構造または化合物の混合物と混合、封入、結合または関連付けてもよい。そのような取り込み、分配および/または吸収を促進する製剤の生成について説明している代表的な米国特許として、米国特許5,108,921、5,354,844、5,416,016、5,459,127、5,521,291、5,543,158、5,547,932、5,583,020、5,591,721、4,426,330、4,534,899、5,013,556、5,108,921、5,213,804、5,227,170、5,264,221、5,356,633、5,395,619、5,416,016、5,417,978、5,462,854、5,469,854、5,512,295、5,527,528、5,534,259、5,543,152、5,556,948、5,580,575、および5,595,756が挙げられるが、それらに制限されない。これらの各特許は、参照することによりここに組み込まれる。
塩、プロドラッグ、および生物学的同等物:
本発明のオリゴマー化合物は任意の医薬的に許容し得る塩、エステル、またはそのようなエステルの塩、またはヒトを含む動物に投与する際に、生物学的活性代謝物またはその残基を(直接的または間接的に)提供できる任意の他の化合物を含む。従って、本発明の化合物のプロドラッグおよび医薬的に許容し得る塩、そのプロドラッグの医薬的に許容し得る塩、および他の生物学的同等物も開示される。
「プロドラッグ」という用語は、内部酵素の活性化または他の化学物質および/または症状によっては体内またはその細胞内で活性体(薬物)に変換される非活性または低活性体として調製される治療薬を示す。特に、本発明のオリゴヌクレオチドのプロドラッグは、1993年12月9日公開WO93/24510(ゴセリン(Gosselin)ら)またはWO94/26764(インバッハ(Imbach)に開示されている方法に従って、SATE((S-アセチル-2-チオエチル)リン酸)誘導体として生成される。
「医薬的に許容し得る塩」という用語は、本発明の化合物の生理的および医薬的に許容し得る塩を示す。例えば、親化合物の望ましい生物活性を保持し、それに対して望ましくない毒物学的効果を与えない塩を示す。
医薬的に許容し得る塩基付加塩は、アルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。イオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、および同等物である。適切なアミンの例は、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、およびプロカインである(例として、ベルゲ(Berge)ら、「医薬的な塩(Pharmaceutical Salts)」ジャーナル・オブ・ファーマスーティカル・サイエンス(J.of Pharma Sci.)1977、66,1-19)。前記酸性化合物の塩基付加塩は、従来の塩生成方法で遊離酸形態を十分な量の望ましい塩基と結合することによって生成される。当該遊離酸形態は、従来の方法で塩を酸と結合し、遊離酸を分離することによって再生成される。遊離酸形態は、極性溶媒中の溶解度など、特定の物理特性において各塩形態と異なる。それ以外は、塩は本発明の目的において、それぞれの遊離酸と同等である。ここで使用する「医薬的な付加塩」は本発明の組成の一化合物の酸形態の医薬的に許容し得る塩を含む。これらはアミンの有機または無機の酸性塩を含む。酸性塩は、塩酸塩、酢酸塩、サリチル塩酸、硝酸塩およびリン酸塩である。他の適した医薬的に許容し得る塩は、当業者によく知られており、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、またはリン酸などの無機酸;プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、恩貝酸、ニコチン酸またはイソニコチン酸などの有機酸;および事実上タンパク質の合成に関与する20α-アミノ酸、例えばグルタミン酸またはアスパラギン酸などのアミノ酸;またフェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、2-または3-ホスホグリセリン酸、グルコース-6-ホスホン酸、N-シクロヘキシルスルファミン酸(チクロ形成の場合)またはアスコルビン酸などの他の酸性有機化合物、等との様々な無機および有機酸の塩基性塩を含む。化合物の医薬的に許容し得る塩は、医薬的に許容し得るカチオンを用いて生成することもできる。適切な医薬的に許容しうるカチオンは、当業者にはよく知られており、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウムおよび第4級アンモニウムカチオンを含む。炭素または炭化水素も使用可能である。
オリゴヌクレオチドの場合、医薬的に許容し得る塩の例は(a)ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウム、およびスペルミンおよびスペルジミンなどのポリアミンイオンで形成される塩、(b)塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、および同等物などの無機酸で形成される酸付加塩、(c)酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギニン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸、および同等物などの有機酸で形成される塩、および(d)塩素、臭素、およびヨウ素などの基本的なイオンから形成される塩を含むがそれらに制限されない。一実施態様において、二本鎖オリゴマー化合物はナトリウム塩として提供される。
ここで使用する「患者」という用語は、スルビビンの発現または過剰発現に関連する1つまたは複数の疾病に苦しむ哺乳動物を示す。最も適した患者がヒトであることは理解されるであろう。また、本発明は、特に哺乳類のスルビビン発現または過剰発現の抑制に関することも理解される。
当業者が、有効量の本発明の化合物を使用して、当該疾病に苦しむ患者を処置することによってスルビビン発現または過剰発現に関連する疾病に影響を与え得ることが認識されている。このため「処置」および「処置する」という用語は、ここに記載されている疾病の進行を遅滞、阻害、阻止、制御、または停止するすべてのプロセスを示すことを意図しているが、すべての症状の完全廃絶を示すとは限らない。
ここで使用する本発明の化合物の「有効量」または「治療上効果のある量」は、本明細書に記載の疾病の処置または予防に有効な量を示す。
本発明のオリゴマー化合物は、診断薬、治療、予防に利用でき、また試験薬および試験キットとしても使用できる。治療学上、スルビビンの発現を調節することによって処置可能な病気または障害を持つと疑われるヒトなどの患者は、本発明に基づくアンチセンス化合物の投与によって処置される。本発明の化合物は、有効量のアンチセンス化合物を適切な医薬的に許容し得る希釈剤または担体に添加することによって医薬組成に利用できる。本発明のアンチセンス化合物および方法の使用は、予防学的に、例えば感染、炎症または腫瘍形成の予防または遅延にも有効である。
本発明は、そのオリゴマー化合物を含む医薬的組成および調剤も含む。本発明の医薬的組成は、局所的処置が望まれるか、または全身処置が望まれるかによって、また処置対象領域に応じて多くの方法で投与される。投与は、局所投与(眼への送達および膣や直腸を含む粘膜送達を含む)、経肺投与(例えば、噴霧器などを用いた粉末または噴霧質の吸入または吹送による);気管内投与、経鼻投与、上皮投与、皮内投与および経皮投与、経口または非経口投与である。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内注射、点滴または注入、あるいはくも膜下または脳質内投与などの頭蓋内投与を含む。少なくとも1つの2’‐O‐メトキシエチル修飾を持つオリゴヌクレオチドは、特に経口投与に有効であると考えられている。
局所投与用の医薬組成物および剤形は、経皮貼布、軟膏、ローション、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体および粉末である。従来の薬品担体、水性、粉末またはオイルベース、増粘剤およびその他類似物を必須としても、または所望してもよい。コーティングしたコンドーム、グローブおよび同様物も有効である。
経口投与用の組成物および剤形は、粉末または顆粒、水または非水性媒介の懸濁液または溶液、カプセル、小袋または錠剤を含む。増粘剤、香料添加剤、希釈剤、乳化剤、分散剤、または結合剤が所望され得る。経口投与用組成物は、拍動送達組成物および生体粘着性組成物も含む。これらについては、同時係属中の2001年8月22日出願の米国特許出願09/944,493および2001年8月22日出願の09/935,316に記載されている。その公開内容は、参照することによりその全体がここに組み込まれる。疾病処置のための経口投与はここに記載されている。しかし、経口投与が唯一の経路ではない。例えば、静脈経路も便宜上、または経口投与に関連して起こり得る合併症を防ぐために望ましい。本発明の化合物を静脈経路で投与する場合は、静脈ボーラスまたはゆっくりした注入が望ましい。
非経口、くも膜下、または脳室内投与用の組成物および剤形は、滅菌水溶液を含む。この水溶液はバッファー、希釈液および浸透促進剤、担体化合物および他の医薬的に許容し得る担体または賦形剤、等の他の適切な添加物も含まれるが、それらに制限されない。
本発明のオリゴマー化合物から成る医薬組成物および/または剤形は、オリゴヌクレオチドの栄養送達を強化するために浸透促進剤も含む。浸透促進剤は脂肪酸、胆汁塩、キレート剤、界面活性剤および非界面活性剤の5大領域の1つに分類される(リー(Lee)ら、(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1991、8、91-192;ムラニシ(Muranishi)、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1990、7:1、1-33)。1つまたは複数のこれら領域の1つまたは複数の浸透促進剤を含んでよい。浸透促進剤として作用する様々な脂肪酸およびその誘導体には、例えば、オレイン酸、ラウリン酸(C12)、カプリン酸(C10)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、レシンレート、モノオレイン(a.k.a.1-モノオレオイル-rac-グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセリル1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノ-およびジ-グリセリド、およびその生理学上許容し得る塩(例えば、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、リノレン酸塩など)(リー(Lee)ら、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1991、8:2、91-192;ムラニシ(Muranishi)、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1990、7:1、1-33;エル-ハリリ(El-Hariri)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマコロジー(J.Pharm.Pharmacol.)、1992、44、651-654)。幾つかの脂肪酸の例としては、0.5から5%の濃度で、単一または組み合わせて使用されるカプリン酸ナトリウムおよびラウリン酸ナトリウムがある。
様々な中性胆汁塩、およびそれらの合成誘導体は浸透促進剤として作用する。従って、「胆汁塩」という用語は、任意の天然胆汁の構成要素と任意の合成誘導体を含む。胆汁塩の例は、一般に0.5から2%の濃度で使用されるケノデオキシコール酸(CDCA)および/またはウルソデオキシコール酸(UDCA)である。
1つまたは複数の浸透促進剤を含む混合製剤が使用される。例えば、胆汁塩を脂肪酸と組み合わせて使用することによって、混合製剤を生成する。CDCAとカプリン酸ナトリウムまたはラウリン酸ナトリウムとの組み合わせが適切である(一般に0.5から5%)。
キレート剤は、2ナトリウムエチレンジアミン4酢酸(EDTA)、クエン酸、サリチル酸塩(例えば、サリチル酸ソーダ、5-メトキシサリチル酸およびホモバニリン酸)、コラーゲンのN-アシル誘導体、ラウレス-9およびβ-ジケトン(エナミン)のN-アミノアシル誘導体が含まれるが、それらに限定されない(リー(Lee)ら、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1991、8:2、92-192;ムラニシ(Muranishi)、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1990、7:1、1-33;ブール(Buur)ら、J.コントロール Rel.(J.Control Rel.)、1990、14、43−51)。キレート剤はDNase抑制剤としても作用するという別の利点も持つ。
界面活性剤は、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテルおよびポリオキシエチレン-20-セチルエーテル(リー(Lee)ら、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1991、8:2、92-191);およびFC-43(タカハシ(Takahashi)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマコロジー(J.Phare.Pharmacol.)、1988、40、252-257)などのパーフルオロ化合物乳剤を含む。
非界面活性剤は、例えば不飽和環状尿素、1-アルキル-および1-アルケニルアザシクロ-アルカノン誘導体(リー(Lee)ら、治療薬剤担体システムにおける批評(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、1991、8:2、92-191);およびジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、およびフェニルブタゾンなどの非ステロイド性抗炎症剤(ヤマシタ(Yamashita)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシー・アンド・ファーマコロジー(J.Pharm.Pharntacol.)、1987、39、621-626)を含む。
「医薬的に許容し得る担体」(賦形剤)は、医薬的に許容し得る溶媒、懸濁剤または1つまたは複数の核酸を動物に送達するための任意の他の薬理学的に不活性なビヒクルである。医薬的に許容し得る担体は、液体または固体であってもよく、また核酸と特定の医薬組成の他の構成要素が組み合わされる場合、望ましい容量、密度などを提供するように考慮して計画された投与方法によって選択される。医薬的に許容し得る主な担体は、結合剤(例えば事前にゼラチン化されたトウモロコシでんぷん、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖、微晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリルまたはカルシウムリン酸水素など)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属性ステアリン酸、硬化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど)、崩壊剤(例えば、スターチ、グリコール酸ナトリウムスターチなど)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を含むが、それらに制限されない。徐放性経口送達システムおよび/または経口投与薬型の腸溶性コーティングについては、米国特許4,704,295、4,556,552、4,309,406、および4,309,404に記載されている。
本発明の組成物は、通常医薬組成物中で従来的に見出される他の補助成分をさらに含んでよい。従って、例えば当該組成物は、追加の融和性医薬的に活性な物質、例えば、かゆみ止め薬、アストリンゼン、局部麻酔薬または抗炎症剤などを含んでよい。または、染料、香料添加剤、保存剤、酸化防止剤、乳白剤、増粘剤、および安定剤など、本発明の組成の様々な投与形態を物理的に形成するために有効な追加物質を含んでよい。しかし、そのような物質は、添加された場合に本発明の組成の化合物の生体活性を過度に干渉してはならない。
本発明のオリゴマー化合物を患者に導入する方法に関わらず、コロイド分散系は、化合物のインビボ安定性を強化するため、および/または特定の器官、組織または細胞のタイプに該化合物を標的とするための送達ビヒクルとして使用され得る。コロイド分散系は、水中油型乳剤、ミセル、混合ミセル、リポソームおよび脂質(未同定構造のオリゴヌクレオチド複合体)を含む高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズおよび脂質基材系を含むが、それに制限されない。コロイド分散系の一例は、多数のリポソームである。リポソームは、二層構造に配置された脂質から成る1つまたは複数の外層に囲まれた水性核を持つ微小球体である(一般にはコーン(Chonn)ら、バイオテクノロジーにおけるカレントオピニオン(Current Op.Biotech.)、1995、6、698-708を参照)。
本発明の特定の実施態様は、リポソームおよび他の組成物、非アンチセンス機構によって機能する1つまたは複数の他の化学療法薬を提供する。そのような化学療法薬の例として、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン、ブレオマイシン、マフォスファミド、イフォスファミド、シトシンアラビノシド、ビス−クロロエチルニトロソ尿素、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニゾン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロン、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロソ尿素、ニトロゲンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-アザシチジン、ヒドロキシ尿素、デオキシコフォルマイシン、4-ヒドロキシペロキシシクロホスホラミド、5-フルオロウラシル(5-FU)、5-フルオロデオキシウリジン(5-FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、タクソール;ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(VP-16)、トリメトレキサート、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、テニポシド、シスプラチン、カーボプラチンおよびジエチルスチルベストロール(DES)が挙げられるが、それらに制限されない。一般に、メルクマニュアル―診断薬と治療(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)、第15版、1987、pp.1206-1228、ベルコウ(Berkow)ら、編.Rahway、N.J.を参照。本発明の化合物とともに使用する場合、そのような化学療法薬は個別に(例えば、5-FUとオリゴヌクレオチド)、連続的に(例えば5-FUとオリゴヌクレオチドを一定期間投与した後、MTXおよびオリゴヌクレオチドを投与する)、または1つまたは複数の他の化学療法薬と組み合わせて(例えば、5-FU、MTXおよびオリゴヌクレオチド、または5-FU、放射線療法およびオリゴヌクレオチド)使用する。
リビビリン、ビダラビン、アシクロビルおよびガンシクロビルを含むがそれらに限定されない非ステロイド系抗炎症薬とコルチコステロイド、および抗ウイルス薬を含むがそれらに限定されない抗炎症薬は、本発明の組成と結合することもできる。一般に、メルクマニュアル―診断と治療(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)、第15版、ベルコウ(Berkow)ら、編.1987、Rahway、N.J.pp.2499-2506および46-49を参照。他の非アンチセンス化学療法薬も本発明の範囲に含まれる。2つ以上組合せた化合物を、一緒に使用しても、または連続的に使用してもよい。
治療用組成物の処方およびその後の投与は、当該技術分野における従来技術に含まれると考えられる。投薬は処置される病状の重篤度および感受性に依存する。その処置期間は数日から数ヶ月、または治療効果が現れるまで、または病状が減退するまでである。最適な投薬スケジュールは、患者の体内における薬物累積測定の結果から計算できる。当業者であれば、最適用量、投与方法および繰返し率を容易に判定できる。最適用量は個別のオリゴヌクレオチドの相対力によって変動し、一般にインビトロおよびインビボ動物モデルにおいて効果的であると判断されるEC50sに基づいて推定される。一般に、用量は体重1kgあたり0.01μgから100gであり、1日に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、または1年に1回投与される。当該技術分野における従来技術を有する者は、体液または組織内の測定された滞留時間および薬物濃度に基づいて投与の繰返し率を容易に推定できる。処置が成功した場合、患者はその後維持療法を受けて病状の再発を避けることが望ましい。ここで、維持量(体重1kgあたり0.01μgから100g)の当該オリゴヌクレオチドが1日に1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、または1年に1回投与される。二本鎖化合物の場合、用量は第二鎖の増加した核酸負荷(2つの個別の鎖を含む化合物を有する場合)または追加の核酸長(二本鎖領域を持つ自己相補的な一本鎖を有する場合)を考慮して計算する必要がある。
二本鎖化合物は、多くの異なる方法で細胞に導入することができる。例えば、二本鎖化合物は、マイクロインジェクション、二本鎖化合物で覆われた微粒子衝撃、二本鎖化合物溶液への細胞浸積、二本鎖化合物の存在下で細胞電気穿孔、二本鎖化合物のリポソーム媒介送達、カルシウムホスホン酸、陽イオン性脂質などの化学物質によって媒介されるトランスフェクション、ウイルス感染、形質転換などによって投与できる。二本鎖化合物は、細胞によるRNA取り込みを強化し、アニーリル化した鎖を安定化し、またはターゲットとなるポリヌクレオチド配列の機能阻害を増加させる構成要素とともに導入することができる。細胞培養または組織エクスポアントの場合、細胞は二本鎖化合物を含む溶液中で便利に培養されるか、または脂質媒介の形質転換を受ける。
スルビビンの発現または過剰発現に関連する病気の処置または予防目的でヒトまたは動物患者に投与される二本鎖化合物の最適量の決定は、その二本鎖オリゴヌクレオチドを含む治療薬または医薬組成物の投与方法とともに、医薬技術分野の範囲である。ヒトまたは動物患者への投与量は、症状、状態、または病気の性質、疾患細胞または組織の性質、患者の状態;体重;一般的な健康状態;性別;食事;時間、期間および投与経路;二本鎖化合物の吸収、送達、代謝および排出率;他の薬物の組み合わせ;薬理学上の重篤度、および処置される病状の反応性に依存する。投与される二本鎖化合物の量は、ターゲットポリヌクレオチド配列またはその領域の性質、および二本鎖化合物の性質にも依存し、望ましいレベルの有効性を獲得するために予め最適化することができる。処置の期間は数日から数週間または数ヶ月、あるいは治療の効果が現れるまたは病状の許容できる軽減または回避が達成されるまで継続する。最適な投与スケジュールは、処置の有効性と併せて、患者の体内における薬物累積の計測結果から計算できる。従来技術を有する者であれば、容易に最適用量、投与方法および繰返し率を判断できる。
本発明の実施態様は特定の実施態様に従って特異性について記載しているが、以下の例は本発明を説明するためのものであり、それに制限することを意図していない。
(実施例)
実施例1:オリゴヌクレオチド合成デオキシおよび2’-アルコキシアミダイトのヌクレオシドホスホラミダイト
2’-デオキシおよび2’-メトキシβ-シアノエチルジイソプロピルホスホルアミダイトは、製造販売元から購入した(例えば、マサチューセッツ州ニードハンのケムジーン社(Chemgenes)社、またはバージニア州スターリングのグレンリサーチ(Glen Research,Inc.)社)。他の2’-O-アルコキシ置換ヌクレオシドアミダイトは、米国特許5,506,351に記載のとおり生成される。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。2’-アルコキシアミダイトを使用して合成されたオリゴヌクレオチドの場合、テトラゾールおよび塩基のパルス送達後の待機段階が360秒まで増加することを除いて、未修飾オリゴヌクレオチドの標準周期が使用される。
5-メチル-2’-デオキシシチジン(5-Me-C)ヌクレオチドは、公開済みの方法(サンクヴィ(Sanghvi)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Research)、1993、21、3197-3203)に従って、購入可能なホスホラミダイト(バージニア州スターリングのグレンリサーチ(Glen Research)社、またはマサチューセッツ州ニードハンのケムジーン社(ChemGenes)社)を使用して合成される。
2’-フルオロアミダイト
2’-フルオロデオキシアデノシンアミダイト
2’-フルオロオリゴヌクレオチドは、前述の(カワサキ(Kawasaki)ら、ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリー(J。 Med.Chem.)、1993、36、831-841)および米国特許5,670,633に記載のとおり合成した。これらは参照することによりここに組み込まれる。つまり、保護ヌクレオシドN6-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロアデノシンは、購入可能な9-β-D-アラビノフラノシルアデニンを出発物質として使用し、文献の手順を修飾することによって合成される。ここで、2’-α-フルオロ原子が2’-β-トリチル基のSN2-置換に導入される。このため、N6-ベンゾイル-9-β-D-アラビノフラノシルアデニンが、3’、5’-ジテトラヒドロピラニル(THP)中間体として中間収率において選択的に保護される。THPおよびN6-ベンゾイル基の脱保護は、標準的な方法を使用して行った。また標準な方法を使用して、5’-ジメトキシトリチル-(DMT)および5’-DMT-3’-ホスホラミダイト中間体を得た。
2’-フルオロデオキシグアノシン
2’-デオキシ-2’-フルオログアノシンの合成は、テトライソプロピルジシロキサニル(TPDS)保護9-β-D-アラビノフラノシルグアニンを出発物質として、また中間ジイソブチリルアラビノフラノシルグアノシンへの転換を使用して行った。THPを持つヒドロキシル基の保護に続いてTPDS基を脱保護し、ジイソブチリル2-THP保護アラビノフラノシルグアニンを得た。
選択的なO-脱アシル化およびトリフレーションは、フッ化物を用いて粗製物を処理した後、THP基を脱保護した。標準的な方法論を用いて5’-DMT-および5’-DMT-3’-ホスホラミダイトを得た。
2’-フルオロウリジン
2’-デオキシ-2’-フルオロウリヂンの合成は、文献の手順を修飾することによって行った。ここで、2,2’-無水素-1-β-D-アラビノフラノシルウラシルは、70%水素フッ化ピリジンで処理される。標準的な手順を使用して、5’-DMTおよび5’-DMT-3’ホスホラミダイトを得た。
2’-フルオロデオキシチジン
2’-デオキシ-2’-フルオロウリジンのアミノ化を介して2’-デオキシ-2’-フルオロシチジンを合成した後、選択的保護によってN4-ベンゾイル-2’-デオキシ-2’-フルオロシチジンを得た。標準的な手順を使用して、5’-DMTおよび5’-DMT-3’ホスホラミダイトを得た。
2’-O-(2-メトキシエチル)修飾アミダイト
2’-O-メトキシエチル-置換ヌクレオシドアミダイトは、以下のように生成するか、または代替としてマーティン、P(Martin,P.)、ヘルベチカ・シミカ・アクタ(Helvetica Chimica Scta)、1995、78、486-504の方法に従って生成した。
2,2’-無水(1-(β-D-アラビノフラノシル)-5-メチルウリジン)
5-メチルウリジン(リボシルチミン、銚子市ヤマサ(Yamasa)社を通じて商業的に入手可能)(72.0g、0.279M)、ジフェニル炭酸塩(90.0g、0.420M)および重炭酸ナトリウム(2.0g、0.024M)をDMF(300mL)に加えた。その混合液を加熱し、攪拌しながら還流させた。これによって発生する二酸化炭素ガスを統制下で放出した。1時間後、わずかに暗くなった溶液を減圧下で濃縮した。結果として得られたシロップをジエチルエーテル(2.5L)に攪拌しながら注いだ。ガムが形成された。エーテルを静かに移し、残留物を最小量のメタノール(ca.400mL)に溶解した。この溶液を新たなエーテル(2.5L)に注ぎ、固いガムを生成した。このエーテルを静かに移し、ガムを真空オーブンで乾燥させた(1mmHgで60℃、24時間)。その結果、明るい黄褐色の粉末状に砕かれた固体が生成された(57g、粗製収率85%)。NMRスペクトラムは構造と一致し、そのナトリウム塩であるフェノールで汚染された(ca.5%)。この物質を、さらなる反応に使用した(または酢酸エチル中のメタノール勾配(10-25%)を使用し、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製して、白色固体を得た。mp222-4℃)。
2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン
2,2’-無水-5-メチルウリジン(195g、0.81M)、トリス(2-メトキシエチル)ホウ酸塩(231g、0.98M)および2-メトキシエタノール(1.2L)を2Lステンレス鋼圧力容器に入れ、160℃に予熱したオイルバスに入れた。155から160℃で48時間加熱した後、容器を開けて溶液を蒸発乾固させ、MeOH(200mL)で磨砕した。残留物を熱いアセトン(1L)で懸濁した。不溶性の塩をろ過し、アセトン(150mL)で洗浄して、そのろ液を蒸発させた。その残留物(280g)をCHCN(600mL)に溶解して蒸発させた。シリカゲルカラム(3kg)を0.5%EtNHを含むCHCl/アセトン/MeOH(20:5:3)に詰めた。その残留物をCHCl(250mL)に溶解し、シリカ(150g)上に吸収させた後、カラムに乗せた。生成物をパッキング溶液とともに溶出し、160g(63%)の生成物を生じた。不純画分を再度処理することによって追加の物質が得られた。
2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン
2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(160g、0.506M)をピリジン(250mL)でと共に蒸発し、その乾燥残留物をピリジン(1.3L)に溶解した。ジメトキシトリチル塩化物の第一アリコート(94.3g、0.278M)を添加し、その混合物を室温で1時間攪拌した。ジメトキシトリチル塩化物の第二アリコート(94.3g、0.278M)を添加し、その反応液をさらに1時間攪拌した。次にメタノール(170mL)を加えて反応を止めた。HPLCは約70%の生成物の存在を示した。溶媒を蒸発させて、CHCN(200mL)と共に磨砕した。残留物をCHCl(1.5L)に溶解し、2x500mLの飽和NaHC0および2x500mLの飽和NaClで抽出した。有機相をNaSOで乾燥し、ろ過して蒸発させた。残留物275gを得た。この残留物を3.5kgシリカゲルカラム上で精製し、パックして、0.5% EtNHを含むEtOAc/ヘキサン/アセトン(5:5:1)で溶出した。純粋画分を蒸発させ、164gの生成物を得た。不純画分からさらに約20gが得られ、合計収量は183g(57%)であった。
3’-O-アセチル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン
2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン(106g、0.167M)、DMF/ピリジン(DMF562mLおよびピリジン188mLから生成した3:1混合物750mL)および無水酢酸(24.38mL、0.258M)を混合し、室温で24時間攪拌した。この反応を、MeOHの添加によりtlcサンプルをまず停止させ、tlcでモニターした。tlcから、反応が終了したと判断されたら、MeOH(50mL)を加え、混合液を35℃で蒸発させた。残留物をCHCl(800mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム(2x200mL)および飽和NaCl(2x200mL)で抽出した。200mLのCHC1で水層を逆抽出した。合わせた有機体を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて122gの残留物を得た(約90%の生成物)。残留物を3.5kgシリカゲルカラム上で精製し、EtOAc/ヘキサン(4:1)を使用して溶出した。純粋な生成物画分を蒸発させて96g(84%)を産出した。後者の画分からさらに1.5gが得られた。
3’-O-アセチル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチル-4-トリアゾールウリジン
最初の溶液を、CHCN(700mL)に3’-O-アセチル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルウリジン(96g、0.144M)を溶解することによって調製し、置いておく。
CHCN(1L)にトリアゾール(90g、1.3M)を加えた溶液にトリエチルアミン(189mL、1.44M)を添加し、−5℃まで冷却してオーバーヘッド攪拌器で攪拌した。この攪拌した溶液にPOClを0.5時間にわたって滴加し、0−10℃で維持した。その結果生じた混合液をさらに2時間攪拌した。後者の溶液に最初の溶液を45分間以上滴下添加した。反応混合液から塩を濾去し、溶液を蒸発させた。その残留物をEtOAc(1L)に溶解し、ろ液から不溶性固体を除去した。ろ液をNaHCO(1x300mL)および飽和NaCl(2x300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、蒸発させた。残留物をEtOAcで磨砕し、表題の化合物を得た。
2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン
3’-O-アセチル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチル-4-トリアゾールウリジン(103g、0.141M)をジオキサン(500mL)およびNH0H(30mL)に加えた溶液を室温で2時間攪拌した。このジオキサン溶液を蒸発させ、その残留物をMeOH(2x200mL)で共沸混合した。この残留物をMeOH(300mL)に溶解し、2Lステンレス鋼圧力容器に移した。NHガスで飽和したMeOH(400mL)を加え、容器を2時間100℃まで加熱した(tlcは完全変換を示した)。容器の内容物を蒸発乾固させ、残留物をEtOAc(500mL)に溶解して、飽和NaCl(200mL)で一度洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて85g(95%)の表題化合物を得た。
N4-ベンゾイル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン
2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン(85g、0.134M)をDMF(800mL)に溶解し、無水ベンゾイン(37.2g、0.165M)を加えて攪拌した。3時間攪拌した後、tlcは反応が約95%完了したことを示した。この溶媒を蒸発させて、残留物をMeOH(200mL)で共沸混合した。残留物をCHC1(700mL)でインキュベートし、飽和NaHCO(2x300mL)および飽和NaCl(2x300mL)で抽出し、MgSOで乾燥、蒸発させて残留物(96g)を得た。溶出溶媒として0.5% EtNHを含むEtOAc/ヘキサン(1:1)を使用して、この残留物を1.5kgシリカカラムでクロマトグラフにかけた。純粋生成物の画分を蒸発させて90g(90%)の表題化合物を得た。
N4-ベンゾイル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン-3’-アミダイト
N4-ベンゾイル-2’-O-メトキシエチル-5’-O-ジメトキシトリチル-5-メチルシチジン(74g、0.10M)をCHCl(1L)に溶解する。テトラゾールジイソプロピルアミン(7.1g)および2-シアノエトキシテトラ(イソプロピル)亜リン酸塩(40.5mL、0.123M)を窒素雰囲気下で攪拌しながら加えた。その結果生じる混合液を室温で20時間攪拌した(tlcは反応が95%完了したことを示した)。この反応混合液を飽和NaHCO(1x300mL)および飽和NaCl(3x300mL)で抽出した。水性洗液をCHCl(300mL)で逆抽出し、該抽出液を合わせてMgSOで乾燥、濃縮した。溶出溶媒としてEtOAc/ヘキサン(3:1)を使用して、得られた残留物を1.5kgシリカカラムでクロマトグラフにかけた。純粋な画分を合わせて、90.6g(87%)の表題化合物を得た。
2’-(アミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイトおよび2’-(ジメチルアミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト
アミノオキシエチルおよびジメチルアミノオキシエチルアミダイトを米国特許6,127,533の方法に従って生成する。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
実施例2:オリゴヌクレオチドの合成
ヨウ素による酸化を用いた標準ホスホロアミダイト化学反応を使用して、未置換および置換リン酸ジエステル(P=O)オリゴヌクレオチドを自動DNAシンセサイザー(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)モデル380B)で合成した。
亜リン酸塩結合の段階的なチエーション(thiation)のために、アセトニトリルに3H-1,2-ベンゾジチオール-3-オン-1,1-ジオキサイドを加えた0.2M溶液で標準酸化ボトルを置き換えたことを除いて、ホスホジエステルオリゴヌクレオチドに関して、ホスホロチオエート(P=S)を合成した。チエーション(thiation)待機段階は68秒まで増加し、その後にキャッピング段階が続いた。CPGカラムから切断し、55℃で18時間濃縮したアンモニウム水酸化物で脱ブロック化した後、0.5MNaCl溶液から2.5量のエタノールで二度沈殿させることによってオリゴヌクレオチドを精製した。ホスフィン酸塩オリゴヌクレオチドは、米国特許5,508,270に記載のとおり生成される。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
リン酸アルキルオリゴヌクレオチドは、米国特許4,469,863に記載のとおり生成される。この特許は、参照することによりここに組み込まれる
3’-デオキシ-3’-リン酸メチレンオリゴヌクレオチドは、米国特許5,610,289または5,625,050に記載のとおり生成される。これらの特許は、参照することによりここに組み込まれる。
ホスホラミダイトオリゴヌクレオチドは、米国特許5,256,775または5,366,878に記載のとおり生成される。これらの特許は、参照することによりここに組み込まれる。
アルキルホスホノチオエートオリゴヌクレオチドは、公開済みのPCT出願PCT/US94/00902およびPCT/US93/06976(それぞれWO94/17093およびWO94/02499として公開)に記載の方法で生成される。これは参照することによりここに組み込まれる。3’-デオキシ-3’-アミノホスホラミデートオリゴヌクレオチドは、米国特許5,476,925に記載のとおり生成される。この特許は、参照することによりここに組み込まれる。
ホスホトリエステルオリゴヌクレオチドは、米国特許5,023,243に記載のとおり生成される。この特許は、参照することによりここに組み込まれる
ボラノリン酸オリゴヌクレオチドは、米国特許5,130,302および5,177,198に記載の方法で生成される。これらの特許は、参照することによりここに組み込まれる。
4-リボヌクレオシドおよび2’-デオキシ-4’リボヌクレオシド組成は、ナカ(Naka)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)122:7233-7243,2000および米国特許5,639,873に記載の方法で生成される。これらは、その全体を参照することによりここに組み込まれる。
実施例3:オリゴヌクレオシドの合成
MMI結合オリゴヌクレオシドとしても同定されたメチレンメチルイミノ結合オリゴヌクレシド、アミド-3結合オリゴヌクレオシドとしても同定されたメチレンジメチルヒドラゾ結合オリゴヌクレオシド、およびアミド-3結合オリゴヌクレオシドとしても同定されたメチレンカルボニルアミノ結合オリゴヌクレオシド、アミド-4結合オリゴヌクレオシドとしても同定されたメチレンアミノカルボニル結合オリゴヌクレオシド、さらにMMIの代わりにP=OまたはP=S結合を持つ混合骨格化合物は、米国特許5,378,825、5,386,023、5,489,677、5,602,240、および5,610,289に記載のとおり生成される。これらの特許は、すべてを参照することによりここに組み込まれる。本発明のオリゴマー化合物は、混合結合を構成してもよい。その混合結合において、任意の数の複数の型の結合が、例えば、ホスホロチオエート結合を含む5’ハーフの化合物およびホスホジエステル結合を含む3’ハーフ等のオリゴマー化合物内の任意の位置に任意の順序で存在する。これらは混合ホスホロチオエートおよびホスホジエステル結合と呼ばれる。
ホルムアセタールおよびチオホルムアセタール結合オリゴヌクレオシドは、米国特許5,264,562および5,264,564に記載のとおり生成される。これらの特許は、参照することによりここに組み込まれる。
エチレンオキシド結合オリゴヌクレオシドは、米国特許5,223,618に記載のとおり生成される。この特許は参照することによりここに組み込まれる。
実施例4:PNAの合成
ペプチド核酸(PNA)は、ペプチド核酸(PNA):合成、特性、およびポテンシャルアプリケーション、バイオオーガニック・アンド・メディカル・ケミストリー(Bioorganic&Medicinal Chemistry)、1996、4、5-23において参照される様々な手順に従って生成される。また米国特許5,539,082、5,700,922、および5,719,262に従って生成してもよい。これらの特許は、参照することによりここに組み込まれる。
実施例5:キメラオリゴヌクレオチドの合成
本発明のキメラオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシドまたは混合オリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドには、幾つかの異なるタイプがある。結合ヌクレオシドの「ギャップ」セグメントが結合ヌクレオシドの5’「翼」セグメントと3’「翼」セグメントの間に位置する第一タイプと「ギャップ」セグメントがオリゴマー化合物の3’または5’末端のいずれかに位置する第二「オープンエンド」タイプがある。第一タイプのオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において「ギャップマー」またはギャップトオリゴヌクレオチドとして知られている。第二タイプのオリゴヌクレオチドは、当該技術分野において「ヘミマー」または「ウィングマー」として知られている。
本発明の二本鎖化合物は、siRNA、標準siRNA、平滑末端siRNAまたはヘアピンを含むがそれらに制限されない幾つかのタイプである。RNAiアンチセンス機構を付与する本発明の一本鎖化合物も本発明の範囲内に含まれる。これらは、ssRNAiおよびアンチセンスRNA(asRNA)を含むがそれらに制限されない。
(2’-O-Me)-(2’-デオキシ)-(2’-O-Me)キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチド
2’-O-アルキルホスホロチオエートおよび2’-デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドセグメントを持つキメラオリゴヌクレオチドは、上記のアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製自動DNAシンセサイザーモデル380Bを使用して合成される。オリゴヌクレオチドは自動シンセサイザーを使用して、DNA部分の2’-デオキシ-5’-ジメトキシトリチル-3’-O-ホスホラミダイトおよび2’-MOE修飾ヌクレオチドの5’-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-3’-O-ホスホラミダイトで合成される。標準的な合成周期は、テトラゾールおよび塩基送達後の待機段階を、RNAの場合の4倍、2’-O-メチルの場合の2倍の時間である600秒まで増加させることによって修飾する。完全に保護されたオリゴヌクレオチドを支持体から切断し、リン酸基をアンモニア/エタノール(3:1)において室温で一晩脱保護した後、凍結乾燥した。メタノールアンモニアにおいて室温で24時間処理して脱保護した後、すべての塩基およびサンプルを再度凍結乾燥した。ペレットを1M TBAFのTHFにおいて室温で24時間懸濁して2’位を脱保護した。この反応を1M TEAAで停止させ、サンプルをロトバックによって半量まで減量した後、G25サイズ排除カラムで脱塩した。キャピラリー電気泳動および質量分析によって、回収されたオリゴの収率および純度を分光光度法的に分析した。
(2’-O-(2-メトキシエチル))-(2’-デオキシ)-(2’-O-(メトキシエチル))キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチド
(2’-O-(2-メトキシエチル))-(2’-デオキシ)-(-2’-O-(メトキシエチル))キメラホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルキメラオリゴヌクレオチドの場合、2’-O-メチルアミダイトの2’-O-(メトキシエチル)の置換基を用いて、上記の手順に従って生成する。
(2’-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル)-(2’-デオキシホスホロチオエート)-(2’-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル)キメラオリゴヌクレオチド
(2’-O-(2-メトキシエチル)ホスホジエステル)-(2’-デオキシホスホロチオエート)-(2’-O-(メトキシエチル)ホスホジエステル)キメラオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルアミダイトの2’-O-(メトキシエチル)アミダイト置換基を用いて2’−O-メチルキメラオリゴヌクレオチドの上記の手順に従って生成し、ヨウ素で酸化して、キメラ構造の翼部分にホスホジエステルインターヌクレオチド結合を生成する、また3,H-1,2ベンゾジチオール-3-オン 1,1ジオキサイド(ヴューケージ試薬(Beaucage Reagent))を使用して硫化し、中心ギャップのホスホロチオエートインターヌクレオチド結合を生成する。
他のキメラオリゴヌクレオチド、キメラオリゴヌクレオシドおよび混合キメラオリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドは、米国特許5,623,065に従って合成される。この特許は、参照することにより本書に組み込まれる。
RNAの合成
一般に、RNA合成の化学的性質は、戦略的な中間体反応時に様々な保護基を選択的に組み込むことに基づく。当該技術分野における従来技術を有する者であれば、有機合成における保護基の使用を理解すると考えられるが、有効な保護基群はシリルエーテルを含む。特に、大量のシリルエーテルを使用して、2’-ヒドロキシル上にある酸に不安定なオルトエステル保護基と組み合わせて5’-ヒドロキシルを保護する。この保護基の組み合わせは、標準的な固相合成技術で使用される。他の合成段階がすべて終了した後、酸に不安定なオルトエステル保護基を最後に除去することが重要である。さらに、合成中にシリル保護基を早期使用することによって、必要な場合は、2’ヒドロキシルの望ましくない脱保護なしに容易に除去することができる。
個別に除去される保護基および個別に化学的に不安定な保護基による2-ヒドロキシルの保護と組み合わせて、5’-ヒドロキシルの連続的な保護のこの手順を実施すると、RNAオリゴヌクレオチドが合成される。
RNAオリゴヌクレオチドは、段階的に合成される。各ヌクレオチドを固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドに連続的に加える(3’-から5’-方向)。鎖の3’-端にある第一ヌクレオシドは固体支持体と共有結合している。前駆ヌクレオチド、リボヌクレオシドホスホルアミダイト、および活性剤を加え、第二塩基を第一ヌクレオシドの5’-端に結合する。支持体を洗浄し、任意の未反応5’-ヒドロキシル基を無水酢酸でキャップして5’-アセチル部分を生成する。次に、この結合がさらに安定し、最終的には目的とするP(V)結合が得られるように酸化させる。ヌクレオチド付加サイクルの最後に、5’-シリル基をフルオリドで開裂する。このサイクルを続く各ヌクレオチドに対して繰り返す。
合成した後、DMFにおける1M 2ナトリウム-2-カルバモイル-2-シアノエチレン-1、1-ジチオレートトリハイドレート(SNa)を使用して、リン酸上のメチル保護基を30分間開裂する。脱保護溶液を固体支持体結合オリゴヌクレオチドから水で洗い出す。次に40%メチルアミンを用いて、この支持体を水中において10分間55℃で処理する。これによって、RNAオリゴヌクレオチドが溶液中に放出され、環外アミンを脱保護して2’-基を修飾する。この段階で、陰イオン交換HPLCによってオリゴヌクレオチドを分析できる。
2’-オルトエステル基は、最後に除去される保護基である。ダーマコン・リサーチ(Dharmacon Research)社(コロラド州ラファイエット)が開発したエチレングリコールモノアセテートオルトエステル保護基は、以下の重要な特性を持つ有効なオルトエステル保護基の一例である。ヌクレオシドホスホラミダイト合成およびオリゴヌクレオチド合成の状態は安定している。しかし、オリゴヌクレオチド合成後、当該オリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドを固体支持体から開裂するだけでなく、オルトエステルからアセチル基を除去するメチルアミンで処理される。結果として生じるオーソエステルオルトエステル上の2-エチル-ヒドロキシル置換基は、電子求引性がアセチル化前駆体よりも低い。従って、修飾オルトエステルは酸性触媒の加水分解に対してさらに不安定になる。特に、開裂率はアセチル基を除去した後、約10倍速くなる。そのため、このオルトエステルはオリゴヌクレオチド合成と適合するために十分な安定性を有するが、次に修飾された場合に、最後のRNAオリゴヌクレオチド生成物に適合する比較的穏やかな水性状態下での脱保護を許可する。
さらに、RNA合成方法は当該技術分野においてよく知られている(スカリンジ、S.A.Ph.D(Scaringe,S.A.Ph.D.)論文、コロラド大学、1996;スカリンジ、S.A.(Scaringe,S.A.)ら、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1998、120、11820-11821;マテウチ、M.D.(Matteucci,M.D.)およびカルザーズM.H.(Caruthers,M.H.)米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、1981、103、3185-3191;ヴューケージ(Beaucage,S.L.)およびカルザーズM.H.(Caruthers,M.H.)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、1981、22、1859-1862;ダール、B.J.(Dahl,B.J.)ら、アクタ・ケミカル・エスシーエーエヌディー(Acta Chem.Scand.)、1990、44、639-641;レディー、M.P.(Reddy,M.P.)ら、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、1994、25、4311-4314;ウィンコット、F.(Wincott,F.)ら、核酸リサーチ(Nucleic Acids Res.)、1995、23、2677-2684;グリフィン、B.E.(Griffin,B.E.)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)、1967、23、2301-2313;グリフィン、B.E.(Griffin,B.E.)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)、1967、23、2315-2331)。
本発明のRNAアンチセンス化合物(一本または二本鎖RNAオリゴヌクレオチド)は、ここに記載の方法で合成するか、またはダーマコン・リサーチ(Dharamacon Research)社(コロラド州ラファイエット)から購入できる。一旦合成されると、相補RNAアンチセンス化合物が当該技術分野において周知の方法でアニールされて二本鎖(重複)アンチセンス化合物を形成する。例えば、二本鎖は30μlのRNAオリゴヌクレオチドの相補鎖(50μM RNAオリゴヌクレオチド溶液)と15μ1の5Xアニーリングバッファー(100m酢酸カリウム、30mM HEPES-KOH pH7.4、2mM酢酸マグネシウム)をあわせて、90℃で1分間、その後37℃で1時間加熱することによって形成する。結果として得られた二本鎖アンチセンス化合物をキット、アッセイ、スクリーン、または他の方法で使用して、ターゲット核酸の役割の調査、または診断目的あるいは治療目的で使用することができる。
実施例6:オリゴヌクレオチドの単離
制御されたコアガラスカラム(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社)から切断し、濃縮水酸化アンモニウムにおいて55℃で18時間脱ブロック化した後、2.5量エタノールを加えた0.5M NaClから二度沈殿させることによって、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオシドを精製する。合成オリゴヌクレオチドをポリアクリルアミドゲル電気泳動によって、ゲルを変性しながら分析したところ、全長が少なくとも85%であると判定された。合成で得られたホスホロチオエートおよびホスホジエステル結合の相対量を、31P核磁気共鳴分光学によって定期的にチェックした。幾つかの研究では、チャン(Chiang)ら、ジャーナル・オブ・バイオケミカル(J.Biol.Chem.)1991、266、18162-18171に記載のように、オリゴヌクレオチドをHPLCによって精製した。HPLC精製物質で得られた結果は、非HPLC精製物質で得られた結果と類似していた。
実施例7:オリゴヌクレオチドの合成-96ウェルプレート形式
オリゴヌクレオチドを固相P(III)ホスホラミダイト化学反応を介して、96配列を標準96ウェル形式で同時に組み立てることができる自動シンセサイザーで合成した。ホスホジエステルインターヌクレオチド結合は、水性ヨウ素を用いる酸化によって提供される。ホスホルチオエートインターヌクレオチド結合は、無水アセトニトリル中で3,H-1,2ベンゾジチオール-3-one 1,1ジオキサイド(ヴューケージ試薬(Beaucage Reagent))を使用して、硫化することによって生成した。標準的な塩基保護βシアノエチルジイソプロピルホスホラミダイトは、製造元から購入した(例えば、PE-アプライド・バイオシステムズ(PE-Applied Biosystems)社、カリフォルニア州フォスター市、またはファーマシア(Pharmacia)社、ニュージャージー州ピスカッタウェイ)。非標準ヌクレオシドは、周知の文献または特許された方法に従って合成される。これらを塩基保護βシアノエチルジイソプロピルホスホラミダイトとして使用する。
オリゴヌクレオチドを支持体から開裂し、55から60℃に加温しながら12から16時間濃縮NH0Hで脱保護した。その後、放出された生成物を真空で乾燥させた。乾燥した生成物を、滅菌水中で再度懸濁し、すべての分析および試験プレートサンプルが配置されていたマスタープレートを自動分注器で希釈した。
実施例8:オリゴヌクレオチドの分析-96ウェルプレート形式
各ウェルにおけるオリゴヌクレオチドの濃度をサンプルの希釈およびUV光吸光度法によって検査した。個別の生成物の完全統合は、キャピラリー電気泳動(CE)によって、96ウェル形式で(ベックマン P(Beckman P)/ACEJ MDQ)または個別に生成されたサンプルの場合は、商業的CE装置(例えば、ベックマン P(Beckman P)/ACEJ5000、ABI270)のいずれかによって評価した。塩基および骨格の組成は、化合物の質量分析によって、エレクトロスプレー電気質量計を使用して確認した。すべてのアッセイテストプレートを単一および複数チャンネル自動分注器を使用してマスタープレートから希釈した。プレートについては、プレート上の化合物の少なくとも85%が、全長の少なくとも85%である場合に許容できると判断した。
実施例9:細胞培養およびオリゴヌクレオチド処理
アンチセンス化合物がターゲット核酸の発現に与える影響は、ターゲット核酸が測定可能なレベルで存在するなら、あらゆる様々な細胞型でテストできる。これは通常、例えばPCRまたはノーザンブロット分析を使用して判断される。説明目的で以下の細胞型を提示するが、他の細胞型も通常使用できる。
MCF7:
ヒト乳癌細胞線MCF-7は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(バージニア州マナサス)から入手した。MCF-7細胞は通常どおり、10%ウシ胎仔血清(インビトロゲン・ライフ・テクノロジーズ(Invitrogen Life Technologies)社、カリフォルニア州カールスバッド)で補完されたDMEM低グルコース(インビトロゲン・ライフ・テクノロジーズ(Invitrogen Life Technologies)社、カリフォルニア州カールスバッド)において培養した。約90%コンフルエンスに達した後、細胞を通常どおりトリプシン処理および希釈によって継代した。細胞を約7,000細胞/ウェル密度で96-ウェルプレート(ファルコン-プリマリア(Falcon-Primaria)社#3872)に播種してRT-PCR分析に使用した。ノーザンブロットまたは他の分析の場合、適切な量の培地およびオリゴヌクレオチドを使用して、細胞を100mmまたは他の標準細胞培養プレートに播種して同様に処理してもよい。
HeLa細胞:
ヒト類上皮性肉芽腫HeLaは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(バージニア州マナサス)から入手した。HeLa細胞は通常どおり、10%ウシ胎仔血清(インビトロゲン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)社、カリフォルニア州カールスバッド)で補完されたDMEM高グルコース(インビトロゲン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)社、カリフォルニア州カールスバッド)において培養した。約90%コンフルエンスに達した後、細胞を通常どおりトリプシン処理および希釈によって継代した。細胞を約50,000細胞/ウェル密度で24-ウェルプレート(ファルコン-プリマリア(Falcon-Primaria)社#3846)に播種するか、または約5,000細胞/ウェル密度で96-ウェルプレートに播種して、RT-PCR分析に使用した。ノーザンブロットまたは他の分析の場合、約90%コンフルエンスに達した時点で細胞を収穫した。
U-87MG細胞:
ヒトグリア芽腫U-87MG細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(バージニア州マナサス)から入手した。U-87 MG細胞は、10%ウシ胎仔血清(インビトロゲン・ライフ・テクノロジーズ(Invitrogen Life Technologies)社、カリフォルニア州カールスバッド)で補完されたDMEM(インビトロゲン・ライフ・テクノロジーズ(Invitrogen Life Technologies)社、カリフォルニア州カールスバッド)において培養した。約90%コンフルエンスに達した時点で、細胞を通常どおりトリプシン処理および希釈によって継代した。細胞を約10,000細胞/ウェル密度で96-ウェルプレート(ファルコン-プリマリア(Falcon-Primaria)社#3872)に播種してRT-PCR分析に使用した。
ノーザンブロットまたは他の分析の場合、適切な量の培地およびオリゴヌクレオチドを使用して、細胞を100mmまたは他の標準細胞培養プレートに播種して同様に処理してもよい。
HUVEC細胞:
HUVECはATCCから取得し、SingleQuotsで補完されたEBM(クロネティクス(Clonetics Corp)社、メリーランド州ウォーカーシル)で培養した。約90%コンフルエンスに達した時点で、細胞を通常どおりトリプシン処理および希釈によって継代し、最高15代まで維持した。96-ウェルプレート(10,000細胞/ウェル)で成長した細胞の場合、ウェルを200μL OPTI-MEM-1(登録商標)血清低減培地(ギブコ BRL(Gibco BRL))で一度洗浄し、次に12μg/mL LIPOFECTIN(登録商標)(ギブコ BRL(Gibco BRL)および最終濃度25nMの望ましい二本鎖化合物を含むOPTI-MEM-1(登録商標)130μLで処理する。処理の5時間後、培地を新しい培地と置き換える。dsRNA処理の16時間後に細胞を収集した。この時点で、RNAが分離され、RT-PCRによってターゲット低下が測定される。
オリゴマー化合物の処理:
細胞が80%コンフルエンスに達した時点で、細胞をオリゴヌクレオチドで処理した。96-ウェルプレートで成長した細胞の場合、ウェルを200μL OPTI-MEM-1血清低減培地(ギブコ BRL(Gibco BRL))で一度洗浄し、次に3.75μg/mL LIPOFECTINJ(ギブコ BRL(Gibco BRL))および最終濃度150nMの望ましいオリゴヌクレオチドを含むOPTI-MEM-1(130μL)で処理する。dsRNA化合物の場合、2x130μLのOPTI-MEM-1を使用した。処理の4時間後、培地を新しい培地と置き換えた。オリゴヌクレオチド処理の16時間後に細胞を収穫した。使用したオリゴヌクレオチドの濃度は細胞株ごとに異なる。特定の細胞株に最適なオリゴヌクレオチド濃度を判断するため、一連の濃度の実対照オリゴヌクレオチドで細胞を処理する。ヒト細胞の場合、RNAse Hオリゴヌクレオチドの実対照は、ヒトH-rasをターゲットとするホスホロチオエート骨格を持つISIS13920、TCCGTCATCGCTCCTCAGGG、配列番号:1、2’-O-メトキシエチルギャップマー(太字で示す2’-O-メトキシエチル)である。マウスまたはラット細胞の場合、実対照オリゴヌクレオチドは、マウスおよびラットc-rafの両方を標的とするホスホロチオエート骨格を持つISIS15770、ATGCATTCTGCCCCAAGGA、配列番号:2、2’-O-メトキシエチルギャップマー(太字で示す2’-O-メトキシエチル)である。H-ras(ISIS13920の場合)またはc-raf(ISIS15770の場合)を80%抑制する実対照オリゴヌクレオチドの濃度は、当該細胞株の次の実験における新しいオリゴヌクレオチドのスクリーニング濃度として使用される。80%の抑制が達成されない場合、H-rasまたはc-raf mRNAを60%抑制する実対照オリゴヌクレオチドの最低濃度が、当該細胞株の次の実験におけるオリゴヌクレオチドのスクリーニング濃度として使用される。60%の抑制が達成されない場合、その特定の細胞株はオリゴヌクレオチドのトランスフェクション実験に適していないと判断される。
実施例10:スルビビン発現のオリゴヌクレオチド抑制の分析
スルビビン発現のアンチセンス調節は、当該技術分野において周知の様々な方法で試験できる。例えば、スルビビンmRNAレベルは、ノーザンブロット分析、競合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または実時間PCR(RT-PCR)などで計量できる。現行では、実時間定量PCRが好まれている。RNA分析は総細胞RNAまたはポリ(A)+mRNAで実施される。RNA分離方法は、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、第1巻、pp.4.1.1-4.2.9、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1996で説明されている。ノーザンブロット分析は、当該技術分野において周知であり、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、第1巻、pp.4.2.1-4.2.9、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1996で説明されている。実時間定量(PCR)は、PE-アプライド・バイオシステムズ(PE-Applied Biosystems)社(カリフォルニア州フォスター市)から購入可能なABI PRISM7700配列検出システムを製造者の指示に従って使用して便利に実施できる。他のPCR手段も当該技術分野において周知である。
スルビビンタンパク質レベルは、例えば免疫沈降、ウェスタンブロット分析(免疫ブロット法)、ELISAまたは蛍光活性化細胞選別装置(FACS)など、当該技術分野において周知の様々な方法で定量できる。スルビビンを対象とする抗体は、抗体のMSRSカタログ(アエリー社(Aerie Corporation)、ミシシッピ州バーミンガム)等の様々な資料から識別および取得するか、または従来の抗体生成方法を介して生成することができる。ポリクローナル抗血清の生成方法は、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、第2巻、pp.11.12.1-11.12.9、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1997で説明されている。モノクローナル抗体の生成については、例えば、オースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル((Current Protocols in Molecular Biology)、第2巻、pp.11.4.1-11.11.5、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1997で説明されている。
免疫沈降方法は、当該技術分野において標準的であり、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル((Current Protocols in Molecular Biology)、第2巻、pp.10.16.1-10.16.11、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1997で説明されている。ウェスタンブロット(免疫ブロット)分析は当該技術分野において標準的であり、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル((Current Protocols in Molecular Biology)、第2巻、pp.10.8.1-10.8.21、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1997で説明されている。酵素免疫測定法(ELISA)は、当該技術分野において標準的であり、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル((Current Protocols in Molecular Biology)、第2巻、pp.11.2.1-11.2.22、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1991で説明されている。
実施例11:ポリ(A)+mRNAの分離
ポリ(A)+mRNAは、ミウラ(Miura)ら、臨床化学(Clin.Chem.)、1996、42、1758-1764に従って分離される。ポリ(A)+mRNA分離の他の方法は、例えばオースベル、F.M.(Ausubel,F.M.)ら、分子生物学最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、第1巻、pp.4.5.1-4.5.3、ジョンワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1993で説明されている。つまり、96-ウェルプレートで成長した細胞の場合、成長培地を細胞から除去し、各ウェルを200μLの冷たいPBSで洗浄した。60μLの溶解バッファー(10mM Tris-HCl、pH7.6、1mM EDTA、0.5M NaCl、0.5% NP-40、20mM バナジルリボヌクレオシド複合体)を各ウェルに加え、プレートをやさしく振とうし、室温で5分間培養した。55μLの溶解物をオリゴd(T)でコーティングした96-ウェルプレート(AGCT Inc.カリフォルニア州アーバイン)に移した。プレートを室温で60分間培養し、200μLの洗浄バッファー(10mM Tris-Cl pH7.6、1mM EDTA、0.3M NaCl)で3回洗浄した。最後の洗浄後、ペーパータオルでプレートの余分な洗浄バッファーを拭き取り、次に5分間空気乾燥させる。70℃に予熱した60μLの溶出バッファー(5mM Tris-Cl pH7.6)を各ウェルに加え、そのプレートを90℃のホットプレートで5分間培養した。次に、溶出液を新たな96-ウェルプレートに移した。
100mmまたは他の標準プレートで成長した細胞は、適切な量のあらゆる溶液を使用して同様に処理してよい。
実施例12:総RNAの分離
総mRNAをキアゲン(Qiagen,Inc.)社(カリフォルニア州バレンシア)から購入したRNEASY96キットおよびバッファーを製造者が推奨する手順に従って使用して分離した。つまり、96-ウェルプレートで成長した細胞の場合、成長培地を細胞から除去し、各ウェルを200μLの冷たいPBSで洗浄した。100μLバッファーRLTを各ウェルに加え、プレートを20秒間激しく振とうした。次に、100μLの70%エタノールを各ウェルに加え、その内容物をピペットによって3回上下に振り混ぜた。その後、廃棄物収集トレイを備えたQIAVAC連結管および真空ソースに取り付けられたRNEASY 96ウェルプレートに当該サンプルを移した。15秒間真空処理した。1mLのバッファーRW1をRNEASY 96プレートの各ウェルに添加し、再度15秒間真空処理を行った。バッファーRPE洗浄を繰り返し、さらに10秒間真空処理を行った。その後プレートをQIAVAC連結管から取り外し、ペーパータオルで拭き乾かした。1.2mL収集チューブを含む収集チューブラックを備えたQIAVAC連結管に再度プレートを取り付けた。次に60μLの水をピペットし、1分間インキュベートして30秒間真空処理を行うことによって、RNAを各ウェルに溶出した。当該溶出ステップをさらに60μLの水で繰り返した。
実施例13:スルビビンmRNAレベルの実時間定量PCR分析
スルビビンmRNAレベルの定量は、ABI PRISM7700 配列検出システム(PE-アプライド・バイオシステムズ(PE-Applied Biosystems)社、カリフォルニア州フォスター市)を製造者の指示に従って使用し、実時間定量PCRによって判定した。これは、実時間でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物の高性能定量が可能な閉管で非ゲルベースの蛍光検出システムである。PCR完了後に増幅産物が定量される標準的なPCRに対して、実時間定量PCRの生成物は、累積途中で定量される。これは、PCR反応において、特に前進PCRと後進PCRプライマーの間にアニール化するオリゴヌクレオチドプローブを組み込み、2つの蛍光染料を含めることによって行う。レポーター染料(例えば、オペロン・テクノロジーズ(Operon Technlogies Inc.)社、カリフォルニア州アラメダ、またはPE-アプライド・バイオシステムズ(PE-Applied Biosystems)カリフォルニア州フォスターのいずれかから入手可能なJOEまたはFAM)は、当該プローブの5’端に取り付けられ、消光染料(例えば、オペロン・テクノロジーズ(Operon Technlogies Inc.)社、カリフォルニア州アラメダ、またはPE-アプライド・バイオシステムズ(PE-Applied Biosystems)カリフォルニア州フォスターのいずれかから入手可能なTAMRA)は、当該プローブの3’端に取り付けられる。プローブおよび染料が正常な場合、レポーター染料の放出は、近接の3’消光染料によって抑制される。増幅中、ターゲット配列に対する当該プローブのアニールによって、Taqポリメラーゼの5’-エクソヌクレアーゼ活性によって開裂できる置換基が生成される。PCR増幅周期の拡張相の間、Taqポリメラーゼによるプローブの開裂によってプローブの残りの部分(つまり消光部分)からレポーター染料が放出され、配列特異的な蛍光シグナルが生成される。各周期において、追加のレポーター染料分子が各プローブから切断され、ABI PRISM7700配列検出システムに内蔵されているレーザー光学によって、蛍光濃度が標準的な(6秒)間隔でモニターされる。各試験において、未処理対象サンプルからのmRNAの連続希釈を含む一連の平行反応によって、標準的な曲線が生成される。これは、テストサンプルのアンチセンスオリゴヌクレオチド処理後の抑制率を定量するのに使用される。
PCR試薬は、PE-アプライド・バイオシステムズ(PE−Applied Biosystems)社(カリフォルニア州フォスター市)から入手した。25μLのPCRカクテル(1xTAQMANバッファーA、5.5M MgCl、各300μMのdATP、dCTP、およびdGTP、600μMのdUTP、各100nMの前進プライマー、後進プライマー、およびプローブ、20単位のRNAse抑制剤、1.25単位のAMPLITAQ GOLD、および12.5単位のMuL V逆転写酵素)を25μLのポリ(A)mRNA溶液を含む96ウェルプレートに添加することによってRT-PCR反応を実施した。当該RT反応は、48℃で30分間培養することによって行った。95℃で10分間培養して、AMPLITAQ GOLDを活性化した後、40周期の2段階PCRプロトコルを実施した。95℃で15分間(変性)、その後60℃で1.5分間(アニール/拡張)。ヒトスルビビンに対するプローブおよびプライマーは、公開済みの配列情報(GenBank受理番号U75285、配列番号:3としてここに組み込まれる)を使用して、ヒトスルビビン配列に対してハイブリッド形成するように設計されている。ヒトスルビビンの場合、PCRプライマーは前進プライマー:AAGGACCACCGCATCTCTACA(配列番号:4)後進プライマー:CCAAGTCTGGCTCGTTCTCAGT(配列番号:5)であり、PCRプローブはFAM-CGAGGCTGGCTTCATCCACTGCC-TAMRA(配列番号:6)である。ここで、FAM(PE-アプライド・バイオシステムズ(PE−Applied Biosystems)社、カリフォルニア州フォスター市)は消光染料である。ヒトGAPDHの場合、PCRプライマーは、前進プライマー:GAAGGTGAAGGTCGGAGTC(配列番号:7)、後進プライマー:GAAGATGGTGATGGGATTTC(配列番号:8)およびPCRプローブは5’JOE-CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC-TAMRA 3’(配列番号:9)である。ここで、JOE(PE-アプライド・バイオシステムズ(PE−Applied Biosystems)社、カリフォルニア州フォスター市)は蛍光レポーター染料であり、TAMRA(PE-アプライド・バイオシステムズ(PE−Applied Biosystems)社、カリフォルニア州フォスター市)は消光染料である。
実施例14:スルビビンタンパク質レベルのウェスタンブロット分析
ウェスタンブロット分析(免疫ブロット分析)は、標準的な方法で実施される。細胞はオリゴヌクレオチド処理の16から20時間後に収穫し、PBSで一度洗浄してLaemmliバッファー(100μl/ウェル)に懸濁した後、5分間沸騰させて16%SDS-PAGEゲル上で負荷する。150Vで1.5時間ゲルを流し、ウェスタンブロット用の膜に移した。スルビビンを対象とする適切な一次抗体は、その一次抗体種に対抗する放射性標識または蛍光標識二次抗体とともに使用される。バンドは、PHOSPHORIMAGERTM(登録商標)(モルキュラー・ダイナミクス(Molecular Dynamics)、カリフォルニア州サニーベール)を使用して視覚化される。
実施例15:スルビビンを標的とする二本鎖アンチセンス化合物(siRNA)の設計およびスクリーニング
本発明によると、本発明のアンチセンス化合物およびその相補体から成る一連の二本鎖オリゴマー化合物(siRNA)は、スルビビンを標的とするように設計することができる。二本鎖のアンチセンス鎖の核酸塩基配列は、ここに記載するように、スルビビンを標的とする少なくとも1つのオリゴヌクレオチド部分から成る。1つまたは複数の天然または修飾核酸塩基を追加して重複部分を形成することによって、鎖の末端を修飾する場合がある。次に、dsRNAのセンス鎖をアンチセンス鎖の相補体として設計、合成する。各末端に対する修飾または追加を含んでもよい。例えば、ある実施例において、dsRNA二本鎖の両鎖は、それぞれ1つまたは両方の末端にオーバーハングを持ち、中央核酸塩基全体に対して相補性を持つ。
例えば、配列:CGAGAGGCGGACGGGACCG(配列番号:10)およびデオキシチミジン(dT)の2つの核酸塩基オーバーハングを持つアンチセンス鎖から成る二本鎖は、以下の構造を持つ。
cgagaggcggacgggaccgTT アンチセンス(配列番号:11)
TTgctctccgcctgccctggc 相補(配列番号:12)
このように、この二本鎖化合物は、標準的なsiRNAを示す。
別の実施例において、同一配列CGAGAGGCGGACGGGACCG(配列番号:10)を持つアンチセンス鎖から成る二本鎖は、平滑末端(一本鎖のオーバーハングがない)を用いて次のように生成してよい。
cgagaggcggacgggaccg アンチセンス(配列番号:10)
gctctccgcctgccctggc 相補(配列番号:13)
このように、この二本鎖化合物は平滑末端siRNAを示す。
二本鎖のRNA鎖は、ここに開示する方法によって合成するか、またはダーマコン・リサーチ(Dharmacon Research Inc.)社(コロラド州ラファイエット)から購入できる。合成した後、相補鎖をアニール化する。一本鎖を等分し、50μM濃度に希釈する。希釈した後、30μLの各鎖を15μLのアニール溶液5X溶液と混合する。前記バッファーの最終濃度は100mM酢酸ナトリウム、30mM HEPES-KOH pH7.4および2mM酢酸マグネシウムである。最終量は75μLである。この溶液を90℃で1分間インキュベーションした後、15秒間遠心分離した。このチューブを37℃で1時間静置する。この時dsRNA二本鎖を実験に使用する。dsRNA二本鎖の最終濃度は20μMである。この溶液を冷凍保存し(-20℃)、最高5回まで凍結融解する。
生成後、ここに記載するプロトコルに従って、二本鎖アンチセンス化合物(siRNA)のスルビビン発現調節能力を評価する。
細胞培養条件、dsRNAsインビトロIC50のIC50値の決定:
本発明のdsRNAインビトロIC50のIC50値は、様々なインビトロ濃度のdsRNAをスルビビンの発現または過剰発現に関連する病理を示す適切な細胞株、組織、または器官と接触させることによって、またスルビビン病理学または発病機構の様々なステップ、段階、または側面を含むがそれらに制限されないパラメータに関して、そのような濃度におけるこれらdsRNAの定量効果を判断することによって決定することができる。検査できる代表的なパラメータは、例えば、スルビビンmRNAまたはスルビビンタンパク質合成の翻訳、代理マーカーへの影響、またはインビトロで便利に計測できるdsRNAの潜在的な治療効果を示すような任意の他のパラメータを含む。
当該技術分野の状況から判断すると、当業者であれば、現在存在する細胞ベースの試験を採用するか、または全く新規のインビトロ試験を開発して、必要以上に試験を行うことなく、ここに開示するdsRNAのIC50値を決定することが可能である。
ウェスタンブロット:ウェスタンブロット分析の場合、7.5X10細胞/皿の密度で10cm組織培養皿(ファルコン(Falcon)#3003)に細胞を播種する。RT-PCR分析の場合、96-ウェルプレート(コーニング・インコーポレーテッド(Corning Incorporated)#3596)は、1x10細胞/ウェルでめっきされる。リポフェクチン(ギブコ(GIBCO)/インビトロゲン(Invitrogen))トランスフェクション試薬を3μl/mlのOPTIMEM血清低減培地(ギブコ(GIBCO)/インビトロゲン(Invitrogen))/100nM siRNA二本鎖の濃度で使用する。リポフェクチン試薬をOPTIMEM培地で30分間培養した後、siRNAを加える。望ましい量のsiRNAを添加して混ぜ合わせる。さらに1:1希釈をOPTIMEMで実施する。細胞を1Xリン酸緩衝生理食塩水で二度洗浄した後、OPTIMEMにおいてsiRNA/リポフェクチン混合物で処理する。4時間培養した後、OPTIMEM培地を完全成長培地と置き換える。ウェスタンブロットまたはRT-PCR分析用の場合は、さらに16から20時間後に細胞を収穫する。
培養期間の最後に、培養培地を除去し、細胞をPBSで二度洗浄する。プレートにバッファーを直接加えることによって、細胞をRIPAバッファー(20mM Tris-HCl、pH7.4、5mM EDTA、50mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム、50mMフッ化ナトリウム、および1%Nonidet P40)に、Complete(登録商標)Miniプロテアーゼ抑制剤タブレット(ロッシュ(Roche)社、#1836153)および1mMオルトバナジウム酸ナトリウム(シグマ(Sigma)社)を加えた溶液に溶解する。溶解物をスクラッピングによって収集し、マイクロ遠心チューブに移して、4℃で30分間遠心分離(14,000rpm)して細胞残屑を取り除く。タンパク質濃度は、BCAタンパク質試薬(ピアース(Pierce)社)を使用して判断する。総細胞タンパク質はSDS−PAGEを経て、イモビロン-P膜(ミリポア(Millipore)#IPVH091)上に移される。膜はスルビビン(アール・アンド・ディー・システムズ(R&D Systems)社、#AF886)およびβ-アクチン(シグマ(Sigma)社、#A5441)に対する一次抗体を使用して調査する。ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗-ラビットIg、抗-マウスIg、抗体(ファーマシア(Pharmacia)社)を二次抗体として使用する。抗原性抗体複合体は、スーパーシグマル・ウェスト・ピコ(SuperSigmal West Pico)化学発光試薬(ピアース(Pierce)社)において5分間膜を培養した後、クールCCDカメラを備えたFluor-S撮像装置(バイオラド(Biorad)社)を使用して化学発光を撮影することによって視覚化される。各サンプルの話題となるタンパク結合は、クォンティティ・ワン(Quantity One)というソフトウェア(バイオラド(Biorad)社)を使用して定量する。各サンプルの抑制率は、サンプルのスルビビン/アクチンタンパク率と未処理対象のスルビビン/アクチンタンパク率を比較することで計算する。IC50はグラフパッド・プリズム(GraphPad Prism)というソフトウェア(グラフパッド・ソフトウェア(GraphPad Software)社)を使用して抑制率データの非線形回帰分析から得る。
RNAの分離:
総RNAは、推奨されるプロトコル(キアゲン(Qiagen)社)RNeasy(登録商標)96キットを使用して分離する。つまり、成長培地を除去した後、200μl PBSで細胞を洗浄する。各ウェルに、100μlの70%エタノールを添加し、ピペットで上下に3回振り混ぜる。次に、真空ソースに取り付けられたQIAvac96連結管のQIAvacトップベースに配置されたRNeasy 96プレートのウェルにサンプルを適用する。30秒間または移転が完了するまで真空処理を行う。各ウェルに、80μlのDNase I培養ミックス(20mM Tris-HCl、pH8.4、2mM MgCl2、50mM KClおよび225ユニット/mlのDNase I(インビトロゲン(Invitrogen)社)を加え、室温で30分間培養する。バッファーRW1(1ml/ウェル)を加え、30秒間真空処理する。バッファーRW1およびRPE1を用いた洗浄ステップを再度繰り返す。次に、プレートを連結管から取り外し、ペーパータオルで拭き乾かす。QIAvac連結管にプレートを戻し、10分間真空処理する。RNAを溶出するため、30μlのRNaseが含まれていない水を各ウェルの膜に直接添加し、1分間培養した後、30秒間真空処理する。総RNAの回収を最大限にするため、さらに30μl/ウェルのRNaseを含まない水を使用して溶出ステップを繰り返す。
スルビビンの定量:スルビビンおよびGAPDH mRNAレベルの定量は、ABI PRISM(登録商標)7900配列検出システム(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社)を使用し、実時間定量RT-PCRによって判定する。RT-PCR反応は、15μlのTaqMan One Step PCR Master Mix(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社、#4309169)試薬(各100nMの前進プライマーおよび後進プライマー、および200nMのプローブを含む)を10μlの総RNAを持つ96-ウェルプレートに添加することによって実施する。ヒトスルビビンの場合、前進PCRプライマーは、5’GCACCACTTCCAGGGTTTATTC3’(配列番号:186)であり、および後進プライマーは、5’TCTCCTTTCCTAAGACATTGCTAAGG3’(配列番号:187)である。使用されるスルビビンTaqMan(登録商標)プローブは、5’(FAM)TGGTGCCACCAGCCTTCCTGTG3’(配列番号:188)(バイオサーチ・テクノロジーズ(Biosearch Technologies,Inc.)社)である。配列番号14を対象としたこのプライマーとプローブのセットを、例15以降のすべての試験に使用した。ヒトGAPDHの場合は、TaqMan GAPDH対照試薬キット(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社、#402869)を使用する。各サンプルの抑制率は、サンプルのスルビビン/GAPDH mRNA率と未処理対照のスルビビン/GAPDH mRNA率を比較することによって計算する。IC50は、グラフパッド・プリズム(GraphPad Prism)ソフトウェア(グラフパッド・ソフトウェア(GraphPad Software)社)を使用して、抑制率データの非線形の回帰分析から得る。
実施例16:スルビビン抑制剤を使用するための表現型分析およびインビボ研究の設計
表現型分析:スルビビンを標的とする活性オリゴマー化合物が、ここに開示する方法によって同定されてから、該化合物を1つまたは複数の表現型分析でさらに調査する。各表現型分析は、特定の病状または症状の処置の効果を予測する測定可能な評価項目を持つ。
それらを使用するための表現型分析試験、キット、および試薬は、当業者にとって周知であり、ここでは健康および病気におけるスルビビンの役割および/または関連を調査するために使用する。メーカー数社から購入できる代表的な表現型分析試験は、細胞の生死判別、細胞毒性、増殖または細胞生存を判別する試験(モルキュラー・プローブス(Molecular Probes)社(オレゴン州ユージーン)、パーキンエルマー(PerkinElmer)社(マサチューセッツ州ボストン))、酵素測定を含むタンパクベース試験(パンベラ(Panvera,LLC)社(ウィスコンシン州マディソン)、BD バイオサイエンス(BD Biosciences)社(ニュージャージー州フランクリンレイク)、オンコジーン・リサーチ・プロダクツ(Oncogene Research Products)社(カリフォルニア州サンディエゴ))、細胞調節、シグナル変換、炎症、酸化過程およびアポトーシス(アッセイ・デザインズ(Assay Designs Inc.)社(ミシガン州アンアーバー))、トリグリセリド累積(シグマ・アルドリッチ(Sigma-Aldrich)社(モンタナ州セントルイス))、血管形成試験、管形成試験、サイトカインおよびホルモン試験ならびに代謝試験(ケミコン・インターナショナル(Chemicon International Inc.)社(カリフォルニア州テメキュラ)、アメルシャム・バイオサイエンス(Amersham Biosciences)社(ニュージャージー州ピスカッタウェイ))を含む。
制限されない例において、特定の表現型試験に適切であると判断される細胞(例えば、乳癌研究用に選択されるMCF-7細胞;肥満研究用の含脂肪細胞)は、上記の方法で決定される最適濃度の対照化合物とともに、インビトロ研究で同定されるスルビビン抑制剤を用いて処理する。処理期間の最後に、試験特異的な1つまたは複数の方法で分析して、処理細胞および未処理細胞を表現型の結果および評価項目を決定する。
表現型評価項目は、タンパク質、脂質、核酸、ホルモン、糖類または金属などの細胞性成分のレベルにおける変化とともに、経時的な細胞形態学における変化または処置用量を含む。pH、細胞周期の段階、細胞による生物学的指標の取込みまたは排出を含む細胞状態の計測も重要な評価項目である。
処置後の細胞遺伝子型分析(1つまたは複数の細胞遺伝子の発現の測定)は、スルビビン抑制剤の有効性または能力の指標としても使用される。特徴的な遺伝子または特定の病状、状態または表現型と関連すると疑われる遺伝子は、処理および未処理細胞の両方において測定される。
実施例17:二本鎖RNA(dsRNA)によるヒトスルビビン発現の調節
本発明によると、本発明のアンチセンス化合物から成る一連の二本鎖オリゴマー化合物およびその相補体は、スルビビンmRNAを標的とするように設計されている。dsRNAのセンス鎖は、表1にリスト表示するアンチセンス鎖の逆相補体として設計および合成される。オリゴマー化合物はHeLa細胞において評価される。HeLa細胞に使用される培養方法は、例えばwww.atcc.orgで説明されている。
96-ウェルプレートで成長した細胞の場合、ウェルを200μLのOPTI-MEM-1(登録商標)血清低減培地(ギブコ BRL(Gibco BRL)社)で一度洗浄した後、12μg/mLのLIPOFECTIN(登録商標)(ギブコ BRL(Gibco BRL)社)および最終濃度25nMの望ましいdsRNAを含む130μLのOPTI-MEM-1(登録商標)で処理した。処理の5時間後、培地を新たな培地と置き換えた。dsRNA処理の16時間後に細胞を収穫した。この時点でRNAを単離し、上記のようにRT-PCRによってターゲットの低下を測定した。
dsRNAオリゴマー化合物のアンチセンス配列を表1に示す。HeLa細胞を処理する前に、例16で概説される方法に従って、アンチセンス鎖およびセンス鎖をアニール化することによってdsRNAオリゴマーを生成した。ターゲット部位は、配列ソース資料(Genbank受理番号_NM001168.1、配列番号:14としてここに組み込まれる)で指定されている最初の(最も5’側)ヌクレオチド番号によって示され、dsRNAオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖と結合する。
表1の全化合物は、dsRNA、5’から3’方向で最初にリストされるアンチセンス鎖(トップ鎖)を持つ全長20ヌクレオチド、および5’から3’方向で次に表示されるセンス鎖(ボトム鎖)である。すべてのヌクレオシドはリボースであり、骨格結合はリン酸(P=O)である。「ターゲット部位」とは、アンチセンス鎖が標的とされるスルビビンmRNA上のターゲット領域の最も5’側の位を示す。このように、これらの化合物は平滑末端siRNAである。
ここに記載のとおり、実時間定量PCRによってデータを得た。ヒトスルビビンmRNAを標的とする二本鎖オリゴマー化合物(対応するセンス鎖に対してハイブリッド形成されたアンチセンス鎖で構成される)を用いて、HeLa細胞を処理した。
dsRNAオリゴマー化合物によるヒトスルビビンmRNAレベルの抑制
Figure 0004579911

Figure 0004579911
ISIS339046、339047、339053、339065、339068、および339072を除くすべてのdsRNA化合物は、スルビビン発現を45%以上抑制した。
用量反応実験において、本明細書の他の例で記載されているように、100nMオリゴヌクレオチドにつき3μg/mLのLIPOFECTINと混合した1.1、3.3、10および30nMの表示オリゴヌクレオチドを用いてHeLa細胞を処理した。未処理細胞を対照として使用した。処理の16時間後、次の実時間PCR分析用のRNAを細胞から調製した。
ヒトスルビビンmRNA発現レベルを実時間PCRによって定量し、本明細書の他の例に記載のリボグリーンを使用して遺伝子ターゲット量を正常化した。2つの実験のデータを平均し、それを表2に示す。
二本鎖の2つの鎖の性質は、最初に示されるアンチセンス鎖(アンチセンス鎖_センス鎖)とともにアンダースコアで分けて表示される。
Figure 0004579911
表2に示すように、テストした化合物は、濃度依存的にHeLa細胞におけるヒトスルビビンmRNA発現を抑制する。
実施例18:5’-リン酸塩キャップを持つ二本鎖RNA(dsRNA)によるヒトスルビビン発現の調節
本発明に基づいて、表1(ISIS339045−339073)に示すアンチセンス化合物から成る一連の二本鎖オリゴマー化合物、5’-末端リン酸基を修飾した各化合物、およびその相補体はスルビビンmRNAを標的とするように設計した。対応するdsRNA化合物は、ISIS341201-341229である(表3)。当該dsRNAのセンス鎖はアンチセンス鎖の相補体として設計、合成した。そのリストを表2に示す。当該オリゴマー化合物は、HeLa細胞において評価した。HeLa細胞に使用した培養手段については、例えば、www.atcc.orgで参照される。
96-ウェルプレートで成長した細胞の場合、ウェルを200μLのOPTI-MEM-1(登録商標)血清低減培地(ギブコ BRL(Gibco BRL)社)で一度洗浄した後、12μg/mLのリポフェクチン(ギブコ BRL(Gibco BRL)社)および最終濃度25nMのdsRNAを含む130μLのOPTI-MEM-1Mで処理した。処理の5時間後、培地を新しい培地と置き換えた。dsRNA処理の16時間後に細胞を収穫した。この時点でRNAを分離し、RT-PCRによってターゲット低下を計測した。
dsRNAオリゴマー化合物を表3に示す。HeLa細胞を処理する前に、dsRNAオリゴマーを例17に概説される方法に従って、アンチセンスおよびセンス鎖をアニール化することによって生成した。ターゲット部位は、配列ソース文献(Genbank受理番号:NM001168.1、配列番号:14としてここに組み込まれる)に指定されるように、最初の(最も5’側の)ヌクレオチド番号によって示され、dsRNAオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖がその部位に結合する。
表3のすべての化合物は、最初に示されるアンチセンス鎖および次に示されるセンス鎖の両方を5’から3’方向に持つ長さ20ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである。表3の化合物はリン酸(P=O)骨格を持ち、各鎖の末端5’-リン酸キャップを含む。表3の化合物は平滑末端siRNAである。
本明細書中の他の例に記載のように、実時間定量PCRによってデータを取得した。HeLa細胞をヒトスルビビンmRNAをターゲットとする二本鎖オリゴマー化合物で処理した。
Figure 0004579911


Figure 0004579911
ISIS341203、341209、341221、341224および341225を除くすべてのdsRNA化合物は、スルビビン発現を40%以上抑制した。これらのデータは、特定のターゲット部位において、5’リン酸を持つ二本鎖化合物がスルビビン発現を抑制するさらに強力な能力を示すことを示唆している(表1および3を比較)。
実施例19:スルビビンmRNAの同一部位をターゲットとするsiRNA構築体の比較:用量反応
本発明によると、HeLa細胞におけるヒトスルビビンmRNAの抑制に対してISIS339048配列の置換が与える影響について調査した。ISIS343867(5’-UUUGAAAAUGUUGAUCUC-3’:配列番号:81)は、ISIS339048として、スルビビンmRNA上の同一部位に結合する平滑末端siRNAのアンチセンス鎖である。ISIS343867がISIS339048の5’-末端アデニン残基を持たない19量体化合物である点で異なる。ISIS341881(UUUGAAAAUGUUGAUCUCCTT、配列番号:82)は、ISIS3309048としてスルビビンmRNA上の同一部位に結合する標準siRNAのアンチセンス鎖である。ISIS341881が3’-末端(「dTdTオーバーハング」)にdTdT(デオキシチミジン-デオキシチミジン)を含むという点で異なる。ISIS343868は配列5’-GGAGAUCAACAUUUUCAAA-3’(配列番号:83)を持ち、ISIS343867に対応するセンス鎖である。ISIS341880(配列番号:84)は、ISIS341881に対応するセンス鎖である。最初にアンチセンス鎖、次にセンス鎖がともに5’から3’方向に示される構築体を表4に示す。表4はスルビビンsiRNA構築体の配列、表5は用量反応の結果を示す。
Figure 0004579911
Figure 0004579911
表5に示すように、当該化合物に関して、用量依存的方法でHeLa細胞におけるヒトスルビビンmRNA発現の抑制を検査した。ISIS343867およびISIS341881は、最低用量を除くすべての用量において、スルビビンmRNAレベルの抑制に効果的であり、平滑末端19量体 siRNAまたは3’-末端にdTdT修飾を持つ標準21量体 siRNAがISIS339048、元の平滑末端20-mer siRNAの有効な修飾になり得ることを示している。
これら3化合物のIC50値(nM)は以下のとおりであった。
平滑末端siRNA(20-mer)339048_339078、0.28nM
平滑末端siRNA(19-mer)343867_343868、0.19nM
標準siRNA341881_341880、0.15nM
IC50はオリゴマー化合物の濃度として定義され、結果として未処理の対照と比較してmRNA(またはタンパク質)発現を50%抑制する。これらのデータから、標準siRNAおよび平滑末端siRNA(19量体)の両方が平滑末端siRNA(20量体)よりはるかに良好に作動したと言える。
ヒトスルビビンを標的とする追加の平滑末端組成:修飾化合物
ヒトスルビビンをターゲットとする一連のsiRNA化合物(GenBank受理番号:NM_01168.1、配列番号:14)を設計した。それを5’から3’方向で表6に示す。
Figure 0004579911
表6における配列の修飾は以下のとおりである。
ISIS346272:全リボース、全P=O結合
ISIS346279-346281、346286、346287:全P=S結合
ISIS346282-346284、346289、346295および346296:代替P=O/P=S結合、P=Oで開始
ISIS 346291、346292、346294、346295および346296:代替P=S/P=O結合;P=Sで開始
ISIS34831:P=O骨格を持つ全リボース
ISIS352505:5、8、11、14および17-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 352506:6、7、10、11および17-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS352507:1、3、5、7、9、11、13、15、17および19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS352508:5、8、11および14位の2’-MOE;17-19位の2’-O-メチル。P=O骨格。
ISIS 352509:4、9および18位の2’-MOE。P=O骨格。
ISIS 352510:1、3、5、7、9、11、13、15、17および19位の2’-MOE。P=O骨格。
ISIS 352511:2、4、6、8、10、12、14、16、および18位の2’-MOE。P=O骨格。
ISIS 352512:各位の2’-メチル。P=O骨格。
ISIS 352513:各位の2’-メチル。P=O骨格。
ISIS 352514:2、4、6、8、10、12、14、16、および18位の2’-MOE。P=O骨格。
ISIS 352515:15-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 352516:結合1−7のP=Sリンカー。8-18結合のP=Oリンカー。
ISIS 353537:1-3位および17-19位の4’-チオリボース。P=O骨格。
ISIS 353538:3、9、12および17-19位の4’-チオリボース。P=O骨格。
ISIS 353539:1-3、9および12位の4’-チオリボース。17-10位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 353540:1-3位の4’-チオリボース。17-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 355710:1-5位の2’-ara-フルオロ-2’-デオキシリボース。15-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 355711:1-5、8、9および12−16位の2’-ara-フルオロ-2’-デオキシリボース。6、7、10、11、17-19位の2’-O-メチルリボース。P=O骨格。
ISIS 355712:5、8、11、14位のLNA。17-19位の2’-O-メチル。P=O骨格。
ISIS 355713:2’-O-メチルリボース/2’-ara-フルオロ-2’-デオキシリボース置換、1位の2’OMe。P=O骨格。
ISIS 355715:4、9、18位のLNA。P=O骨格。
ISIS 355716:1、2、6、11、20位のLNA。P=O骨格。
実施例20:一本鎖RNAi化合物によるヒトスルビビン発現の調節
一連の一本鎖オリゴマー化合物(asRNA)について、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におけるヒトスルビビンの抑制能力を評価した。HUVECに使用する培養方法については、例えば、www.atcc.orgで説明されている。
表7はasRNAオリゴマー化合物の配列を示す。ターゲット部位は、配列ソース文献(Genbank受理番号NM_001168.1、配列番号:14としてここに組み込まれる)第一(最も5’側の)ヌクレオチド番号で表示され、asRNAオリゴヌクレオチドと結合する。
表7の全化合物は、全体にホスホロチオエート骨格結合および5p端に末端リン酸を持つ長さ20ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドである。また、これらはすべて5’から3’方向に示される。
本明細書の他の例に記載の実時間定量PCRによって、データを取得した。
Figure 0004579911
表7に示すように、すべてのasRNA化合物が少なくとも44%のスルビビン発現を抑制した。
実施例21:ヒトスルビビンに対するdsRNA構築体を使用したHeLa細胞におけるスルビビンmRNA発現の抑制
ヒトスルビビンプライマープローブセット(配列番号186-188)を使用して上記のように様々なdsRNA組成をHeLa細胞においてテストし、ISIS 343867 19-mer(配列番号:81)、339048 20-mer(配列番号:23)上のPS置換の影響、および2’-O-メチル(2’-OMe)、2’-フルオロ(2’-F)、2’-O-メトキシエチル(2’-MOE)および4’-チオ(4’-S)化学反応の影響を判断した。表8および9はその結果を示す。最初のISIS番号はアンチセンス鎖、二番目のISIS番号はセンス鎖を示す。
Figure 0004579911
これらのデータは、19-mer平滑末端ホスホジエステルsiRNAがスルビビン発現の抑制においてさらに有効であり、20-mer対照物よりも10折りたたみ分低いIC50を持つ(ラインAおよびBを比較)ことを示している。さらに、IC50によって計測されたように、この増加した能力は、完全なホスホロチオエート結合によって骨格結合が置き換えられると喪失する。しかし、ターゲットとする低下は維持される(ラインAおよびCを比較)。
また、ホスホジエステル結合を置換領域のアンチセンス鎖に再導入することによって、低下したIC50値によって計測されるように、完全なP=O骨格のレベルまでではないが、その効率を回復できることが示された(例えば、ラインDおよびHを比較)。
最後に、対向領域の場合(1つの鎖においてP=O、もう一方の鎖においてP=S)、各鎖における置換ホスホジエステル/ホスホロチオエート結合はIC50および発現レベルに最大の影響を与え、結果として天然の最適の構築体よりも良い値となった(ラインIおよびAを比較)。
Figure 0004579911
これらのデータは、19-merと対照的に、平滑末端20-merは、両鎖における完全なP=Oを持つ20-merと比較可能な20-mer完全P=SのIC50値を持つ両鎖におけるホスホロチオエート骨格修飾に対してより優れた耐性を持つことを示唆している(ラインBおよびCを比較)。
しかし、両方の20mer構築体は、19-merで見られるIC50を達成できなかった(ラインBおよびCとラインAを比較)。
糖に対する化学的修飾の影響
一連の平滑末端siRNAを設計し、ヒトスルビビンmRNAの発現を抑制するための二本鎖化合物の能力に関する糖修飾の効果を調査した。本明細書の他の例に記載のとおり、HeLa細胞において研究を実施し、mRNAレベルをRT-PCRによって判断した。
化合物の修飾は以下のとおりである。
ISIS 352511は2、4、6、8、10、12、14、16および18位における2’-O-メチル修飾(下線)を含む。
ISIS 352512は、各2’位の2’-O-メチル修飾(下線)を含む。
ISIS 355714は、1、3、5、7、9、11、13、15、17および19位の2’-フルオロ修飾(太字)および2、4、6、8、10、12、14、16および18位の2’-O-メチル修飾を含む。
ISIS 352514は、2、4、6、8、10、12、14、16および18位の置換2’-MOE修飾を含む。
他の化合物はすべて天然のRNA化合物である。表10はその結果を示す。
Figure 0004579911
これらのデータは、2’Fおよび2’OMeの置換モチーフを含む二本鎖化合物が、ヒトスルビビン発現の抑制に最適な構築体であることを示唆している。
実施例22:ヒトスルビビンに対するdsRNA構築体を使用したHeLa細胞における用量反応試験
用量反応試験において、HeLa細胞を100nMオリゴヌクレオチドごとに3μg/mLリポフェクチンと混合した0.02、0.2、2.0および20.0nMの表示されたdsRNAオリゴヌクレオチドを用いて、本明細書の他の例に記載のとおり処理した。未処理の細胞を対照として使用した。処理の16時間後、次の実時間PCR分析に使用するためのRNAを細胞から調製した。
本発明の他の例に記載のとおり、ヒトスルビビンmRNA発現レベルを実時間PCRによって定量し、遺伝子ターゲット量をリボグリーン(Ribogreen)で正常化した。2つの実験から得たデータの平均を表11に示す。アンチセンス鎖のISIS番号を最初に示し、次にセンス鎖のISIS番号を示した(アンチセンス_センス)。
Figure 0004579911
表11に示すように、dsRNA化合物の多くは、用量反応方法でHeLa細胞におけるヒトスルビビンmRNA発現を抑制する。
実施例23:ヒトスルビビンに対するdsRNA構築体を使用したHeLa細胞における用量反応実験
用量反応実験において、本明細書の他の例に記載のとおり、100nMオリゴヌクレオチドごとに3μg/mLのリポフェクチンを混合した0.014、0.04、0.12、0.37、1.11、3.33、10および30nMの表示dsRNAオリゴヌクレオチドをHeLa細胞で処理した。未処理の細胞を対照として使用した。処理の16時間後、次の実時間PCR分析に使用するためのRNAを細胞から調製した。
本明細書の他の例に記載のとおり、実時間PCRによってヒトスルビビンmRNA発現レベルを定量し、ターゲット量をリボグリーン(Ribogreen)で正常化した。2つの実験から得たデータの平均を表12に示す。アンチセンス鎖のISIS番号を最初に示し、次にセンス鎖のISIS番号を示した(アンチセンス_センス)。
Figure 0004579911
表12に示すように、dsRNA化合物の大部分が用量依存的な方法でHeLa細胞におけるヒトスルビビンmRNA発現を抑制した。
実施例24:U-87MG細胞におけるスルビビンmRNA発現の用量依存的抑制
上記の方法を使用して、二本鎖化合物を、U-87MG細胞におけるヒトスルビビンmRNA発現の抑制能力についてテストした。ヒトスルビビンを標的とする様々なdsRNA構築体を0.0019nM、0.0096nM、0.048nM、0.24nM、1.2nM、6.0nM、30.0nM、および150.0nMの濃度でテストした。表13はその結果の要約である。アンチセンス鎖のISIS番号を最初に示し、次にセンス鎖のISIS番号を示した(アンチセンス_センス)。
Figure 0004579911

表13に示すように、大部分のdsRNA化合物が用量依存的方法でU-87MG細胞におけるヒトスルビビンmRNAを抑制する。
実施例25:標準siRNAオリゴヌクレオチドによるスルビビンの抑制
ヒトスルビビンを標的とする一連の標準siRNAを設計した。以下に示すスルビビンに特異的な各dsRNA配列はRNAオリゴヌクレオチド二本鎖の各鎖の3’末端に2つのデオキシチミジンヌクレオチドを含む(図示せず)。ダーマコン・リサーチ(Dharmacon Research Inc.)によって、遺伝子特異的なsiRNAの合成、二本鎖形成および精製を行った。表において、「位置」はdsRNAのアンチセンス鎖が結合する遺伝子の位置を示す。表における各配列は、アンチセンス鎖(トップ鎖)が5’から3’方向に書き込まれ、その相補センス鎖(ボトム鎖)も5’から3’方向に書き込まれるようにリストされている。
Figure 0004579911

Figure 0004579911

Figure 0004579911
Figure 0004579911

Figure 0004579911

Figure 0004579911
化合物U17、U20、U23、U36、U48およびU54について、上記のRT-PCRおよび定量ウェスタンブロット試験を使用してスルビビンmRNAの抑制をテストしたところ、100nMより低いIC50を示した。
化合物U17は、定量RT-PCR分析およびウェスタンブロット分析の両方において強力な活性を示すため、ここに記載する指標として特に好まれる。
実施例26:ヒトスルビビンを標的とする追加二本鎖化合物のIC50値
表15および16は、本明細書に記載の方法を使用して実施された様々なdsRNAを用いて、IC50値を概説している。テストした構築体は、5’から3’方向のアンチセンス鎖および5’から3’方向のセンス鎖を含む。表15において、「D」は用量反応(mRNAレベル)であり、「W」はウェスタンブロットである。すべてのインターヌクレオシド結合は、ホスホロチオエート結合を示す小文字の「s」による別段の定
義がない限り、ホスホジエステルである。
Figure 0004579911

Figure 0004579911
Figure 0004579911

Figure 0004579911
Figure 0004579911

Figure 0004579911
実施例27:ヒトグリア芽腫異種移植腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性の測定
当該技術分野において知られる動物モデルにおいて、本明細書に記載の1つまたは複数のオリゴマー化合物を、その抗腫瘍活性についてテストする。2つの動物モデルは、(1)U-87MGヒトグリア芽腫異種移植腫瘍モデル(キアリス H、(Kiaris H)、シャリー AV(Schally AV)、ヴァルガ JL(Varga JL)、裸マウス新生物におけるU-87MGヒトグリア芽腫の成長を抑制する成長ホルモン放出ホルモンの抑制因子。2000年5月−6月、2(3):242-50)、および(2)YUSAC-2ヒト黒色腫異種移植腫瘍モデル(グロスマン D(Grossman D)、キム PJ(Kim PJ)、シェクナー JS(Schechner JS)、アルティエリ DC(Altieri DC)、スルビビンターゲッティングによるインビボ黒色腫腫瘍成長の抑制。全米科学アカデミー紀要(Proc Natl Acad Sci USA)。2001年1月16日;98(2):635-40)である。各グループに合計10 CD1nu/nu(チャールズリバー(Charles River))マウスを使用する。移植するため、腫瘍細胞をトリプシン処理し、PBSで洗浄して、同じくPBSで、DMEM中6X10細胞/ml(U-87MG)および4X10細胞/ml(YUSAC-2)で懸濁する。移植直前に、動物に放射線照射し(450TBI)、細胞をマトリゲル(1:1)に混合する。0.2ml量中合計6X106(U-87MG)および4X10(YUSAC-2)の腫瘍細胞を左後脇腹に経皮的(s.c.)に注入する。テストオリゴマー化合物(0.9%NaClに溶解、注入グレード)またはミスマッチ対照オリゴヌクレオチド(0.9%NaClに溶解)またはビヒクル(0.9%NaCl)を用いた処置を腫瘍細胞移植の3日後に開始する。U−87MGおよびYUSAC-2の研究の場合、化合物を腹腔内(i.p.)および静脈に(i.v.)それぞれ0.2ml量を一日おきに、U−87MG研究の場合は合計約12用量およびYUSAC-2研究の場合は約13用量投与する。腫瘍の長さおよび幅を週に2回計測し、腫瘍の体積を計算式:腫瘍の体積=(LXW2)X0.536を使用して計算する。腫瘍の体積を各処置グループの主要移植後の日数に対してプロットする。
1つまたは複数のオリゴマー化合物を用いた処置は、ビヒクルまたは25mg/kgミスマッチ対照オリゴヌクレオチドを用いて処置した腫瘍を持つ動物と比較すると、ヒトグリア芽腫および黒色腫の腫瘍成長を遅らせる。
実施例28:マウス血漿における2’-O-メチル/2’-フルオロsiRNA構築体の置換の安定性
前記の方法と同様に、抽出およびキャピラリー電気泳動方法を使用して、正常な二本鎖RNAを希釈したマウス血漿から分析した(リーズ、J.M.(Leeds、J.M.)ら、1996、生物科学分析(Anal.Biochem.)、235、36-43;ギアリー R.S.(Geary R.S.)ら、1999、生物科学分析(Anal.Biochem.)、274、241-248)。3-6ヶ月齢の雌Balb/cマウス(チャールズリバー研究所(Charles River Labs))から得たヘパリン処理したマウス血漿を−80℃から解凍し、リン酸バッファー生理食塩水(140mM NaCl、3mM KCl、2mMリン酸ナトリウム、10mMリン酸カリウム)を用いて25%(v/v)に希釈した。100μM濃度の約10nmolの事前アニール済siRNAを25%血漿に追加し、37℃で0、15、30、45、60、120、180、240、360および420分間培養した。指定の時間にアリコートを取出し、EDTAで最終濃度2mMになるまで処理して、キャピラリーゲル電気泳動(eCap DNAキャピラリーチューブを持つBeckman P/ACE MDQ-UV)で分析されるまで0℃の氷上に配置した。siRNA二本鎖のピーク領域を計測し、それを使用して残りのsiRNA正常比率を計算した。2.5mM濃度のアデノシン三リン酸(ATP)を内部検定基準として各注射液に添加した。リン酸バッファー生理食塩水でsiRNAを希釈することによってゼロ時点を取り、その後キャピラリー電気泳動を行った。時間に対して正常なsiRNA率をプロットすることによって、偽の一次半減を計算できた。表17に結果を示す。
Figure 0004579911
ISIS 353538 アンチセンス鎖は、3、8、11、17-19位に4’チオ修飾を含み、未修飾のセンスRNA鎖と対合される。ISIS 355713 アンチセンス鎖は、糖に対する置換2’Oメチル/2’F修飾を含み、置換2’F/2’Oメチル修飾を持つセンス鎖と対合わされる。置換修飾は対向領域にあり、1位に2’Omeで修飾されるアンチセンス鎖を持つ。一方、センス鎖は1位の2’Fで修飾される。置換2’-O-メチル/2’-フルオロ構築体は、比較的変化せず、血清中で安定する。
本明細書に記載の技術に加え、本発明の様々な変形例は、上記を読めば当業者にとって明白である。かかる変形例は、添付の請求項の範囲内に含まれることを意図している。本出願の各引用文献は、その全体を参照することによりここに組み込まれる。

Claims (10)

19-23 核酸塩基長である化学的に修飾されたかまたは非修飾の二本鎖核酸化合物を含む化合物であって、第一鎖が、配列番号17、23、25、27、29、31、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、59、61、65、67、69、73、および81からなる群から選択されるポリヌクレオチドの少なくとも 19の連続する核酸塩基を有し、第二鎖が該第一鎖に対して100%相補的である化合物。
平滑末端であるか、または、各鎖の各3'末端に二本鎖核酸化合物において3'オーバーハングとして作用するデオキシチミジンダイマーを有する請求項1の化合物。
糖、核酸塩基、またはインターヌクレオシド結合に対して少なくとも1つの化学修飾を含む請求項1または2の化合物。
糖に対する各化学修飾が2’ 修飾である請求項 3の化合物。
各2’ 糖修飾が、2’-O-メトキシエチル (2’-MOE)、2’-O-メチル、ロックされた核酸 (LNA)および2’-フルオロからなる群から独立して選択される請求項 4の化合物。
糖に対する化学修飾が4’チオである請求項 3の化合物。
少なくとも1つのインターヌクレオシド結合修飾を含む請求項3-6のいずれかの化合物。
少なくとも1つのホスホロチオエート結合および少なくとも1つのホスホジエステル結合を含む請求項 7の化合物。
第一鎖が配列番号81からなる請求項1の化合物。
化合物が二本鎖核酸化合物において3’オーバーハングとして作用するデオキシチミジンダイマーを各鎖の各3’末端に有する請求項9の化合物。
JP2006515126A 2003-06-03 2004-06-03 スルビビン発現の調節 Expired - Fee Related JP4579911B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US47532403P 2003-06-03 2003-06-03
US61855303A 2003-07-11 2003-07-11
US82344804A 2004-04-13 2004-04-13
PCT/US2004/017490 WO2005002507A2 (en) 2003-06-03 2004-06-03 Modulation of survivin expression

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006526988A JP2006526988A (ja) 2006-11-30
JP4579911B2 true JP4579911B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=33568589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006515126A Expired - Fee Related JP4579911B2 (ja) 2003-06-03 2004-06-03 スルビビン発現の調節

Country Status (9)

Country Link
US (2) US7541344B2 (ja)
EP (2) EP2241572A3 (ja)
JP (1) JP4579911B2 (ja)
CN (1) CN1984921B (ja)
AU (2) AU2004253455B2 (ja)
BR (1) BRPI0410886A (ja)
CA (1) CA2524495A1 (ja)
HK (1) HK1108454A1 (ja)
WO (1) WO2005002507A2 (ja)

Families Citing this family (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7480382B2 (en) * 2003-09-30 2009-01-20 Microsoft Corporation Image file container
CN101437933B (zh) 2005-12-28 2013-11-06 斯克里普斯研究所 作为药物靶标的天然反义和非编码的rna转录物
CN101037688B (zh) * 2007-02-05 2010-05-19 中国药科大学 一种小分子干扰rna及其抗肿瘤用途
WO2009114476A1 (en) * 2008-03-12 2009-09-17 Intradigm Corporation Compositions comprising survivin sirna and methods of use thereof
WO2010008562A2 (en) 2008-07-16 2010-01-21 Recombinetics Methods and materials for producing transgenic animals
JP6128732B2 (ja) * 2008-10-03 2017-05-17 クルナ・インコーポレーテッド アポリポタンパク質−a1に対する天然アンチセンス転写物の抑制によるアポリポタンパク質−a1関連疾患の治療
KR101881596B1 (ko) 2008-12-02 2018-07-24 웨이브 라이프 사이언시스 재팬 인코포레이티드 인 원자 변형된 핵산의 합성 방법
ES2637063T3 (es) 2008-12-04 2017-10-10 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con genes supresores de tumor mediante inhibición del transcrito antisentido natural al gen
WO2010065792A2 (en) 2008-12-04 2010-06-10 Curna, Inc. Treatment of erythropoietin (epo) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to epo
JP5971948B2 (ja) * 2008-12-04 2016-08-17 クルナ・インコーポレーテッド Vegfに対する天然アンチセンス転写物の抑制による血管内皮増殖因子(vegf)関連疾患の治療
PL2396038T3 (pl) 2009-02-12 2016-05-31 Curna Inc Leczenie chorób związanych z neurotropowym czynnikiem pochodzenia mózgowego (bdnf) poprzez zahamowanie naturalnego antysensownego transkryptu bdnf
US8975389B2 (en) 2009-03-02 2015-03-10 Alnylam Pharmaceuticals, Inc. Nucleic acid chemical modifications
US9464287B2 (en) 2009-03-16 2016-10-11 Curna, Inc. Treatment of nuclear factor (erythroid-derived 2)-like 2 (NRF2) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to NRF2
CA2755404C (en) 2009-03-17 2020-03-24 Joseph Collard Treatment of delta-like 1 homolog (dlk1) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to dlk1
CN106237345A (zh) 2009-05-06 2016-12-21 库尔纳公司 通过针对脂质转运和代谢基因的天然反义转录物的抑制治疗脂质转运和代谢基因相关疾病
ES2609655T3 (es) 2009-05-06 2017-04-21 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con tristetraprolina (TTP) mediante inhibición de transcrito antisentido natural para TTP
ES2618572T3 (es) 2009-05-08 2017-06-21 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con la familia de la distrofina mediante inhibición de un transcrito antisentido natural para la familia de dmd
KR101224828B1 (ko) * 2009-05-14 2013-01-22 (주)바이오니아 siRNA 접합체 및 그 제조방법
JP5922017B2 (ja) 2009-05-18 2016-05-24 クルナ・インコーポレーテッド リプログラミング因子に対する天然アンチセンス転写物の抑制によるリプログラミング因子関連疾患の治療
WO2010135695A2 (en) 2009-05-22 2010-11-25 Curna, Inc. TREATMENT OF TRANSCRIPTION FACTOR E3 (TFE3) and INSULIN RECEPTOR SUBSTRATE 2 (IRS2) RELATED DISEASES BY INHIBITION OF NATURAL ANTISENSE TRANSCRIPT TO TFE3
EP2435571B1 (en) 2009-05-28 2016-12-14 CuRNA, Inc. Treatment of antiviral gene related diseases by inhibition of natural antisense transcript to an antiviral gene
KR101801404B1 (ko) 2009-06-16 2017-12-20 큐알엔에이, 인크. 콜라겐 유전자에 대한 천연 안티센스 전사체의 억제에 의한 콜라겐 유전자 관련된 질환의 치료
ES2629339T3 (es) 2009-06-16 2017-08-08 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con la paraoxonasa 1 (pon1) por inhibición de transcrito antisentido natural a pon1
CA2765889A1 (en) 2009-06-24 2010-12-29 Opko Curna, Llc Treatment of tumor necrosis factor receptor 2 (tnfr2) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to tnfr2
KR101807324B1 (ko) 2009-06-26 2017-12-08 큐알엔에이, 인크. 다운 증후군 유전자에 대한 천연 안티센스 전사체의 억제에 의한 다운 증후군 유전자 관련된 질환의 치료
AU2015255202B2 (en) * 2009-07-06 2017-07-27 Wave Life Sciences Ltd. Novel nucleic acid prodrugs and methods of use thereof
IN2012DN00720A (ja) 2009-07-06 2015-06-19 Ontorii Inc
CN102712925B (zh) 2009-07-24 2017-10-27 库尔纳公司 通过抑制sirtuin(sirt)的天然反义转录物来治疗sirtuin(sirt)相关性疾病
CA2769665A1 (en) 2009-08-05 2011-02-10 Opko Curna, Llc Treatment of insulin gene (ins) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to an insulin gene (ins)
EP2464731B1 (en) 2009-08-11 2016-10-05 CuRNA, Inc. Treatment of adiponectin (adipoq) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to an adiponectin (adipoq)
WO2011022606A2 (en) 2009-08-21 2011-02-24 Curna, Inc. Treatment of 'c terminus of hsp70-interacting protein' (chip) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to chip
KR101892760B1 (ko) 2009-08-25 2018-08-28 큐알엔에이, 인크. IQGAP에 대한 천연 안티센스 전사체의 억제에 의한 GTPase 활성화 단백질을 함유하는 IQ 모티프(IQGAP)와 관련된 질환의 치료
CN102791861B (zh) 2009-09-25 2018-08-07 库尔纳公司 通过调节聚丝蛋白(flg)的表达和活性而治疗flg相关疾病
ES2661813T3 (es) 2009-12-16 2018-04-04 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con la peptidasa del factor de transcripción de membrana, sitio 1 (mbtps1) mediante inhibición del transcrito antisentido natural al gen mbtps1
EP2515947B1 (en) 2009-12-23 2021-10-06 CuRNA, Inc. Treatment of uncoupling protein 2 (ucp2) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to ucp2
WO2011079261A2 (en) 2009-12-23 2011-06-30 Curna, Inc. Treatment of hepatocyte growth factor (hgf) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to hgf
RU2615450C2 (ru) 2009-12-29 2017-04-04 Курна, Инк. Лечение заболеваний, связанных с ядерным респираторным фактором 1(nrf1), путем ингибирования природного антисмыслового транскрипта к nrf1
JP5982288B2 (ja) 2009-12-29 2016-08-31 カッパーアールエヌエー,インコーポレイテッド 腫瘍タンパク質63(p63)に対する天然アンチセンス転写物の阻害による腫瘍タンパク質63関連疾患の治療
EP2519632B1 (en) 2009-12-31 2018-04-11 CuRNA, Inc. Treatment of insulin receptor substrate 2 (irs2) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to irs2 and transcription factor e3 (tfe3)
DK2521784T3 (en) 2010-01-04 2018-03-12 Curna Inc TREATMENT OF INTERFERON REGULATORY FACTOR 8- (IRF8) RELATED DISEASES BY INHIBITION OF NATURAL ANTISENCE TRANSCRIPT TO IRF8
JP5963680B2 (ja) 2010-01-06 2016-08-03 カッパーアールエヌエー,インコーポレイテッド 膵臓発生遺伝子に対する天然アンチセンス転写物の阻害による膵臓発生遺伝子疾患の治療
WO2011085347A2 (en) 2010-01-11 2011-07-14 Opko Curna, Llc Treatment of sex hormone binding globulin (shbg) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to shbg
ES2671877T3 (es) 2010-01-25 2018-06-11 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con la RNASA (H1) mediante inhibición del transcrito antisentido natural a RNASA H1
CN102844435B (zh) * 2010-02-22 2017-05-10 库尔纳公司 通过抑制吡咯啉‑5‑羧酸还原酶1(pycr1)的天然反义转录物而治疗pycr1相关疾病
WO2011105610A1 (ja) * 2010-02-26 2011-09-01 国立大学法人名古屋大学 インスレーター及びその利用
WO2011123621A2 (en) 2010-04-01 2011-10-06 Alnylam Pharmaceuticals Inc. 2' and 5' modified monomers and oligonucleotides
RU2612884C2 (ru) 2010-04-02 2017-03-13 Курна, Инк. Лечение заболеваний, связанных с колониестимулирующим фактором 3 (csf3), путем ингибирования природного антисмыслового транскрипта k csf3
EP2556160A4 (en) 2010-04-09 2013-08-21 Curna Inc TREATMENT OF ILLNESSES ASSOCIATED WITH FIBROBLASTIC GROWTH FACTOR 21 (FGF21) BY INHIBITION OF THE NATURAL ANTISENSE TRANSCRIPT AGAINST FGF21
WO2011139387A1 (en) 2010-05-03 2011-11-10 Opko Curna, Llc Treatment of sirtuin (sirt) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to a sirtuin (sirt)
TWI586356B (zh) 2010-05-14 2017-06-11 可娜公司 藉由抑制par4天然反股轉錄本治療par4相關疾病
KR20180053419A (ko) 2010-05-26 2018-05-21 큐알엔에이, 인크. 무조(無調)의 동소체 1 (atoh1)에 대한 자연 안티센스 전사체의 저해에 의한 atoh1 관련된 질환의 치료
EP2576784B1 (en) 2010-05-26 2017-11-15 CuRNA, Inc. Treatment of methionine sulfoxide reductase a (msra) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to msra
WO2011163499A2 (en) 2010-06-23 2011-12-29 Opko Curna, Llc Treatment of sodium channel, voltage-gated, alpha subunit (scna) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to scna
WO2012009402A2 (en) 2010-07-14 2012-01-19 Opko Curna Llc Treatment of discs large homolog (dlg) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to dlg
WO2012039137A2 (en) * 2010-09-22 2012-03-29 National University Corporation Hokkaido University A nucleic acid having an anti-metabolic syndrome effect
US10428019B2 (en) 2010-09-24 2019-10-01 Wave Life Sciences Ltd. Chiral auxiliaries
CA2813901C (en) 2010-10-06 2019-11-12 Curna, Inc. Treatment of sialidase 4 (neu4) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to neu4
EP2630241B1 (en) 2010-10-22 2018-10-17 CuRNA, Inc. Treatment of alpha-l-iduronidase (idua) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to idua
US10000752B2 (en) 2010-11-18 2018-06-19 Curna, Inc. Antagonat compositions and methods of use
ES2657590T3 (es) 2010-11-23 2018-03-06 Curna, Inc. Tratamiento de enfermedades relacionadas con nanog mediante inhibición del transcrito antisentido natural a nanog
RU2620980C2 (ru) 2011-06-09 2017-05-30 Курна, Инк. Лечение заболеваний, связанных с фратаксином (fxn), путем ингибирования природного антисмыслового транскрипта fxn
BR112014001244A2 (pt) 2011-07-19 2017-02-21 Wave Life Sciences Pte Ltd métodos para a síntese de ácidos nucléicos funcionalizados
US10583128B2 (en) 2011-09-06 2020-03-10 Curna, Inc. Treatment of diseases related to alpha subunits of sodium channels, voltage-gated (SCNxA) with small molecules
EP2788033B1 (en) 2011-12-05 2017-05-31 Factor Bioscience Inc. Methods and products for transfecting cells
US20150031750A1 (en) 2012-03-15 2015-01-29 The Scripps Research Institute Treatment of brain derived neurotrophic factor (bdnf) related diseases by inhibition of natural antisense transcript to bdnf
BR112015000784A8 (pt) 2012-07-13 2018-04-03 Wave Life Sciences Japan Grupo auxiliar assimétrico
EP2873674B1 (en) 2012-07-13 2020-05-06 Shin Nippon Biomedical Laboratories, Ltd. Chiral nucleic acid adjuvant
EP2872147B1 (en) 2012-07-13 2022-12-21 Wave Life Sciences Ltd. Method for making chiral oligonucleotides
US10260089B2 (en) 2012-10-29 2019-04-16 The Research Foundation Of The State University Of New York Compositions and methods for recognition of RNA using triple helical peptide nucleic acids
CN104769112A (zh) 2012-11-01 2015-07-08 菲克特生物科学股份有限公司 用于在细胞中表达蛋白质的方法和产品
WO2014076195A1 (en) * 2012-11-15 2014-05-22 Santaris Pharma A/S Oligonucleotide conjugates
JPWO2015108046A1 (ja) 2014-01-15 2017-03-23 株式会社新日本科学 抗アレルギー作用を有するキラル核酸アジュバンド及び抗アレルギー剤
JPWO2015108048A1 (ja) 2014-01-15 2017-03-23 株式会社新日本科学 抗腫瘍作用を有するキラル核酸アジュバンド及び抗腫瘍剤
WO2015108047A1 (ja) 2014-01-15 2015-07-23 株式会社新日本科学 免疫誘導活性を有するキラル核酸アジュバンド及び免疫誘導活性剤
KR20230152178A (ko) 2014-01-16 2023-11-02 웨이브 라이프 사이언시스 리미티드 키랄 디자인
MX2016009771A (es) 2014-01-31 2016-11-14 Factor Bioscience Inc Metodos y productos para la produccion y administracion de acido nucleico.
US9777273B2 (en) * 2014-08-07 2017-10-03 Industrial Technology Research Institute Small interfering RNA and pharmaceutical composition and method for inhibiting galectin-12 expression and/or enhancing lipolysis containing the same
CN104531707A (zh) * 2014-12-16 2015-04-22 吉林大学 一种抑制survivin基因表达用途的siRNA序列及用途
WO2016131052A1 (en) 2015-02-13 2016-08-18 Factor Bioscience Inc. Nucleic acid products and methods of administration thereof
US10946466B1 (en) 2015-11-02 2021-03-16 American Innovative Manufacturing, Llc Welder apparatus and methods
WO2018035377A1 (en) 2016-08-17 2018-02-22 Factor Bioscience Inc. Nucleic acid products and methods of administration thereof
WO2018051762A1 (ja) * 2016-09-14 2018-03-22 レナセラピューティクス株式会社 副作用を減じたアンチセンス核酸
US10501404B1 (en) 2019-07-30 2019-12-10 Factor Bioscience Inc. Cationic lipids and transfection methods
WO2023097244A1 (en) * 2021-11-24 2023-06-01 Yale University Methods of determining chromatin alterations

Family Cites Families (238)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US568046A (en) 1896-09-22 spratt
US1329502A (en) 1914-05-26 1920-02-03 First Trust & Savings Company Ironing-machine
US3687808A (en) 1969-08-14 1972-08-29 Univ Leland Stanford Junior Synthetic polynucleotides
US4309406A (en) 1979-07-10 1982-01-05 American Home Products Corporation Sustained release pharmaceutical compositions
US4309404A (en) 1979-08-09 1982-01-05 American Home Products Corporation Sustained release pharmaceutical compositions
US4469863A (en) 1980-11-12 1984-09-04 Ts O Paul O P Nonionic nucleic acid alkyl and aryl phosphonates and processes for manufacture and use thereof
US4534899A (en) 1981-07-20 1985-08-13 Lipid Specialties, Inc. Synthetic phospholipid compounds
US4426330A (en) 1981-07-20 1984-01-17 Lipid Specialties, Inc. Synthetic phospholipid compounds
US5023243A (en) 1981-10-23 1991-06-11 Molecular Biosystems, Inc. Oligonucleotide therapeutic agent and method of making same
US4476301A (en) 1982-04-29 1984-10-09 Centre National De La Recherche Scientifique Oligonucleotides, a process for preparing the same and their application as mediators of the action of interferon
JPS5927900A (ja) 1982-08-09 1984-02-14 Wakunaga Seiyaku Kk 固定化オリゴヌクレオチド
FR2540122B1 (fr) 1983-01-27 1985-11-29 Centre Nat Rech Scient Nouveaux composes comportant une sequence d'oligonucleotide liee a un agent d'intercalation, leur procede de synthese et leur application
US4605735A (en) 1983-02-14 1986-08-12 Wakunaga Seiyaku Kabushiki Kaisha Oligonucleotide derivatives
US4948882A (en) 1983-02-22 1990-08-14 Syngene, Inc. Single-stranded labelled oligonucleotides, reactive monomers and methods of synthesis
US4824941A (en) 1983-03-10 1989-04-25 Julian Gordon Specific antibody to the native form of 2'5'-oligonucleotides, the method of preparation and the use as reagents in immunoassays or for binding 2'5'-oligonucleotides in biological systems
US4587044A (en) 1983-09-01 1986-05-06 The Johns Hopkins University Linkage of proteins to nucleic acids
US4556552A (en) 1983-09-19 1985-12-03 Colorcon, Inc. Enteric film-coating compositions
US4704295A (en) 1983-09-19 1987-11-03 Colorcon, Inc. Enteric film-coating compositions
US5118802A (en) 1983-12-20 1992-06-02 California Institute Of Technology DNA-reporter conjugates linked via the 2' or 5'-primary amino group of the 5'-terminal nucleoside
US5118800A (en) 1983-12-20 1992-06-02 California Institute Of Technology Oligonucleotides possessing a primary amino group in the terminal nucleotide
US5550111A (en) 1984-07-11 1996-08-27 Temple University-Of The Commonwealth System Of Higher Education Dual action 2',5'-oligoadenylate antiviral derivatives and uses thereof
FR2567892B1 (fr) 1984-07-19 1989-02-17 Centre Nat Rech Scient Nouveaux oligonucleotides, leur procede de preparation et leurs applications comme mediateurs dans le developpement des effets des interferons
US5258506A (en) 1984-10-16 1993-11-02 Chiron Corporation Photolabile reagents for incorporation into oligonucleotide chains
US5367066A (en) 1984-10-16 1994-11-22 Chiron Corporation Oligonucleotides with selectably cleavable and/or abasic sites
US5430136A (en) 1984-10-16 1995-07-04 Chiron Corporation Oligonucleotides having selectably cleavable and/or abasic sites
US4828979A (en) 1984-11-08 1989-05-09 Life Technologies, Inc. Nucleotide analogs for nucleic acid labeling and detection
FR2575751B1 (fr) 1985-01-08 1987-04-03 Pasteur Institut Nouveaux nucleosides de derives de l'adenosine, leur preparation et leurs applications biologiques
US5185444A (en) 1985-03-15 1993-02-09 Anti-Gene Deveopment Group Uncharged morpolino-based polymers having phosphorous containing chiral intersubunit linkages
US5235033A (en) 1985-03-15 1993-08-10 Anti-Gene Development Group Alpha-morpholino ribonucleoside derivatives and polymers thereof
US5166315A (en) 1989-12-20 1992-11-24 Anti-Gene Development Group Sequence-specific binding polymers for duplex nucleic acids
US5034506A (en) 1985-03-15 1991-07-23 Anti-Gene Development Group Uncharged morpholino-based polymers having achiral intersubunit linkages
US5405938A (en) 1989-12-20 1995-04-11 Anti-Gene Development Group Sequence-specific binding polymers for duplex nucleic acids
US4762779A (en) 1985-06-13 1988-08-09 Amgen Inc. Compositions and methods for functionalizing nucleic acids
US5317098A (en) 1986-03-17 1994-05-31 Hiroaki Shizuya Non-radioisotope tagging of fragments
JPS638396A (ja) 1986-06-30 1988-01-14 Wakunaga Pharmaceut Co Ltd ポリ標識化オリゴヌクレオチド誘導体
DE3788914T2 (de) 1986-09-08 1994-08-25 Ajinomoto Kk Verbindungen zur Spaltung von RNS an eine spezifische Position, Oligomere, verwendet bei der Herstellung dieser Verbindungen und Ausgangsprodukte für die Synthese dieser Oligomere.
US5276019A (en) 1987-03-25 1994-01-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Inhibitors for replication of retroviruses and for the expression of oncogene products
US5264423A (en) 1987-03-25 1993-11-23 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Inhibitors for replication of retroviruses and for the expression of oncogene products
US4904582A (en) 1987-06-11 1990-02-27 Synthetic Genetics Novel amphiphilic nucleic acid conjugates
DE3851889T2 (de) 1987-06-24 1995-04-13 Florey Howard Inst Nukleosid-derivate.
US5585481A (en) 1987-09-21 1996-12-17 Gen-Probe Incorporated Linking reagents for nucleotide probes
US5188897A (en) 1987-10-22 1993-02-23 Temple University Of The Commonwealth System Of Higher Education Encapsulated 2',5'-phosphorothioate oligoadenylates
US4924624A (en) 1987-10-22 1990-05-15 Temple University-Of The Commonwealth System Of Higher Education 2,',5'-phosphorothioate oligoadenylates and plant antiviral uses thereof
US5525465A (en) 1987-10-28 1996-06-11 Howard Florey Institute Of Experimental Physiology And Medicine Oligonucleotide-polyamide conjugates and methods of production and applications of the same
DE3738460A1 (de) 1987-11-12 1989-05-24 Max Planck Gesellschaft Modifizierte oligonukleotide
ATE151467T1 (de) 1987-11-30 1997-04-15 Univ Iowa Res Found Durch modifikationen an der 3'-terminalen phosphodiesterbindung stabilisierte dna moleküle, ihre verwendung als nukleinsäuresonden sowie als therapeutische mittel zur hemmung der expression spezifischer zielgene
US5403711A (en) 1987-11-30 1995-04-04 University Of Iowa Research Foundation Nucleic acid hybridization and amplification method for detection of specific sequences in which a complementary labeled nucleic acid probe is cleaved
US5082830A (en) 1988-02-26 1992-01-21 Enzo Biochem, Inc. End labeled nucleotide probe
EP0406309A4 (en) 1988-03-25 1992-08-19 The University Of Virginia Alumni Patents Foundation Oligonucleotide n-alkylphosphoramidates
US5278302A (en) 1988-05-26 1994-01-11 University Patents, Inc. Polynucleotide phosphorodithioates
US5109124A (en) 1988-06-01 1992-04-28 Biogen, Inc. Nucleic acid probe linked to a label having a terminal cysteine
US5216141A (en) 1988-06-06 1993-06-01 Benner Steven A Oligonucleotide analogs containing sulfur linkages
US5175273A (en) 1988-07-01 1992-12-29 Genentech, Inc. Nucleic acid intercalating agents
US5262536A (en) 1988-09-15 1993-11-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Reagents for the preparation of 5'-tagged oligonucleotides
US5194599A (en) 1988-09-23 1993-03-16 Gilead Sciences, Inc. Hydrogen phosphonodithioate compositions
US5512439A (en) 1988-11-21 1996-04-30 Dynal As Oligonucleotide-linked magnetic particles and uses thereof
US5599923A (en) 1989-03-06 1997-02-04 Board Of Regents, University Of Tx Texaphyrin metal complexes having improved functionalization
US5457183A (en) 1989-03-06 1995-10-10 Board Of Regents, The University Of Texas System Hydroxylated texaphyrins
US5354844A (en) 1989-03-16 1994-10-11 Boehringer Ingelheim International Gmbh Protein-polycation conjugates
US5108921A (en) 1989-04-03 1992-04-28 Purdue Research Foundation Method for enhanced transmembrane transport of exogenous molecules
US5391723A (en) 1989-05-31 1995-02-21 Neorx Corporation Oligonucleotide conjugates
US5256775A (en) 1989-06-05 1993-10-26 Gilead Sciences, Inc. Exonuclease-resistant oligonucleotides
US4958013A (en) 1989-06-06 1990-09-18 Northwestern University Cholesteryl modified oligonucleotides
US5227170A (en) 1989-06-22 1993-07-13 Vestar, Inc. Encapsulation process
US5451463A (en) 1989-08-28 1995-09-19 Clontech Laboratories, Inc. Non-nucleoside 1,3-diol reagents for labeling synthetic oligonucleotides
US5134066A (en) 1989-08-29 1992-07-28 Monsanto Company Improved probes using nucleosides containing 3-dezauracil analogs
US5254469A (en) 1989-09-12 1993-10-19 Eastman Kodak Company Oligonucleotide-enzyme conjugate that can be used as a probe in hybridization assays and polymerase chain reaction procedures
US5591722A (en) 1989-09-15 1997-01-07 Southern Research Institute 2'-deoxy-4'-thioribonucleosides and their antiviral activity
US5356633A (en) 1989-10-20 1994-10-18 Liposome Technology, Inc. Method of treatment of inflamed tissues
US5013556A (en) 1989-10-20 1991-05-07 Liposome Technology, Inc. Liposomes with enhanced circulation time
US5527528A (en) 1989-10-20 1996-06-18 Sequus Pharmaceuticals, Inc. Solid-tumor treatment method
US5721218A (en) 1989-10-23 1998-02-24 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotides with inverted polarity
US5399676A (en) 1989-10-23 1995-03-21 Gilead Sciences Oligonucleotides with inverted polarity
US5264562A (en) 1989-10-24 1993-11-23 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotide analogs with novel linkages
US5264564A (en) 1989-10-24 1993-11-23 Gilead Sciences Oligonucleotide analogs with novel linkages
EP0942000B1 (en) 1989-10-24 2004-06-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. 2'-Modified oligonucleotides
US5292873A (en) 1989-11-29 1994-03-08 The Research Foundation Of State University Of New York Nucleic acids labeled with naphthoquinone probe
US5177198A (en) 1989-11-30 1993-01-05 University Of N.C. At Chapel Hill Process for preparing oligoribonucleoside and oligodeoxyribonucleoside boranophosphates
US5130302A (en) 1989-12-20 1992-07-14 Boron Bilogicals, Inc. Boronated nucleoside, nucleotide and oligonucleotide compounds, compositions and methods for using same
US5469854A (en) 1989-12-22 1995-11-28 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods of preparing gas-filled liposomes
US5486603A (en) 1990-01-08 1996-01-23 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotide having enhanced binding affinity
US5587361A (en) 1991-10-15 1996-12-24 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotides having phosphorothioate linkages of high chiral purity
US5459255A (en) 1990-01-11 1995-10-17 Isis Pharmaceuticals, Inc. N-2 substituted purines
US5587470A (en) 1990-01-11 1996-12-24 Isis Pharmaceuticals, Inc. 3-deazapurines
US5646265A (en) 1990-01-11 1997-07-08 Isis Pharmceuticals, Inc. Process for the preparation of 2'-O-alkyl purine phosphoramidites
US5506351A (en) 1992-07-23 1996-04-09 Isis Pharmaceuticals Process for the preparation of 2'-O-alkyl guanosine and related compounds
US5670633A (en) 1990-01-11 1997-09-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. Sugar modified oligonucleotides that detect and modulate gene expression
US5623065A (en) 1990-08-13 1997-04-22 Isis Pharmaceuticals, Inc. Gapped 2' modified oligonucleotides
US5681941A (en) 1990-01-11 1997-10-28 Isis Pharmaceuticals, Inc. Substituted purines and oligonucleotide cross-linking
US5578718A (en) 1990-01-11 1996-11-26 Isis Pharmaceuticals, Inc. Thiol-derivatized nucleosides
US5149797A (en) 1990-02-15 1992-09-22 The Worcester Foundation For Experimental Biology Method of site-specific alteration of rna and production of encoded polypeptides
US5220007A (en) 1990-02-15 1993-06-15 The Worcester Foundation For Experimental Biology Method of site-specific alteration of RNA and production of encoded polypeptides
US5214136A (en) 1990-02-20 1993-05-25 Gilead Sciences, Inc. Anthraquinone-derivatives oligonucleotides
WO1991013080A1 (en) 1990-02-20 1991-09-05 Gilead Sciences, Inc. Pseudonucleosides and pseudonucleotides and their polymers
US5321131A (en) 1990-03-08 1994-06-14 Hybridon, Inc. Site-specific functionalization of oligodeoxynucleotides for non-radioactive labelling
US5470967A (en) 1990-04-10 1995-11-28 The Dupont Merck Pharmaceutical Company Oligonucleotide analogs with sulfamate linkages
US5264618A (en) 1990-04-19 1993-11-23 Vical, Inc. Cationic lipids for intracellular delivery of biologically active molecules
GB9009980D0 (en) 1990-05-03 1990-06-27 Amersham Int Plc Phosphoramidite derivatives,their preparation and the use thereof in the incorporation of reporter groups on synthetic oligonucleotides
DK0455905T3 (da) 1990-05-11 1998-12-07 Microprobe Corp Dipsticks til nukleinsyrehybridiseringsassays og fremgangsmåde til kovalent immobilisering af oligonukleotider
US5688941A (en) 1990-07-27 1997-11-18 Isis Pharmaceuticals, Inc. Methods of making conjugated 4' desmethyl nucleoside analog compounds
ATE154246T1 (de) 1990-07-27 1997-06-15 Isis Pharmaceuticals Inc Nuklease resistente, pyrimidin modifizierte oligonukleotide, die die gen-expression detektieren und modulieren
US5602240A (en) 1990-07-27 1997-02-11 Ciba Geigy Ag. Backbone modified oligonucleotide analogs
US5608046A (en) 1990-07-27 1997-03-04 Isis Pharmaceuticals, Inc. Conjugated 4'-desmethyl nucleoside analog compounds
US5218105A (en) 1990-07-27 1993-06-08 Isis Pharmaceuticals Polyamine conjugated oligonucleotides
US5386023A (en) 1990-07-27 1995-01-31 Isis Pharmaceuticals Backbone modified oligonucleotide analogs and preparation thereof through reductive coupling
US5138045A (en) 1990-07-27 1992-08-11 Isis Pharmaceuticals Polyamine conjugated oligonucleotides
US5223618A (en) 1990-08-13 1993-06-29 Isis Pharmaceuticals, Inc. 4'-desmethyl nucleoside analog compounds
US5378825A (en) 1990-07-27 1995-01-03 Isis Pharmaceuticals, Inc. Backbone modified oligonucleotide analogs
US5623070A (en) 1990-07-27 1997-04-22 Isis Pharmaceuticals, Inc. Heteroatomic oligonucleoside linkages
US5618704A (en) 1990-07-27 1997-04-08 Isis Pharmacueticals, Inc. Backbone-modified oligonucleotide analogs and preparation thereof through radical coupling
US5489677A (en) 1990-07-27 1996-02-06 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleoside linkages containing adjacent oxygen and nitrogen atoms
US5610289A (en) 1990-07-27 1997-03-11 Isis Pharmaceuticals, Inc. Backbone modified oligonucleotide analogues
US5541307A (en) 1990-07-27 1996-07-30 Isis Pharmaceuticals, Inc. Backbone modified oligonucleotide analogs and solid phase synthesis thereof
US5677437A (en) 1990-07-27 1997-10-14 Isis Pharmaceuticals, Inc. Heteroatomic oligonucleoside linkages
US5245022A (en) 1990-08-03 1993-09-14 Sterling Drug, Inc. Exonuclease resistant terminally substituted oligonucleotides
WO1992002534A2 (en) 1990-08-03 1992-02-20 Sterling Drug, Inc. Compounds and methods for inhibiting gene expression
US5177196A (en) 1990-08-16 1993-01-05 Microprobe Corporation Oligo (α-arabinofuranosyl nucleotides) and α-arabinofuranosyl precursors thereof
US5512667A (en) 1990-08-28 1996-04-30 Reed; Michael W. Trifunctional intermediates for preparing 3'-tailed oligonucleotides
US5214134A (en) 1990-09-12 1993-05-25 Sterling Winthrop Inc. Process of linking nucleosides with a siloxane bridge
US5561225A (en) 1990-09-19 1996-10-01 Southern Research Institute Polynucleotide analogs containing sulfonate and sulfonamide internucleoside linkages
WO1992005186A1 (en) 1990-09-20 1992-04-02 Gilead Sciences Modified internucleoside linkages
US5432272A (en) 1990-10-09 1995-07-11 Benner; Steven A. Method for incorporating into a DNA or RNA oligonucleotide using nucleotides bearing heterocyclic bases
KR930702373A (ko) 1990-11-08 1993-09-08 안토니 제이. 페이네 합성 올리고누클레오티드에 대한 다중 리포터(Reporter)그룹의 첨합
US5672697A (en) 1991-02-08 1997-09-30 Gilead Sciences, Inc. Nucleoside 5'-methylene phosphonates
JP3220180B2 (ja) 1991-05-23 2001-10-22 三菱化学株式会社 薬剤含有タンパク質結合リポソーム
US5714331A (en) 1991-05-24 1998-02-03 Buchardt, Deceased; Ole Peptide nucleic acids having enhanced binding affinity, sequence specificity and solubility
US5719262A (en) 1993-11-22 1998-02-17 Buchardt, Deceased; Ole Peptide nucleic acids having amino acid side chains
US5539082A (en) 1993-04-26 1996-07-23 Nielsen; Peter E. Peptide nucleic acids
US5371241A (en) 1991-07-19 1994-12-06 Pharmacia P-L Biochemicals Inc. Fluorescein labelled phosphoramidites
US5571799A (en) 1991-08-12 1996-11-05 Basco, Ltd. (2'-5') oligoadenylate analogues useful as inhibitors of host-v5.-graft response
US5521291A (en) 1991-09-30 1996-05-28 Boehringer Ingelheim International, Gmbh Conjugates for introducing nucleic acid into higher eucaryotic cells
NZ244306A (en) 1991-09-30 1995-07-26 Boehringer Ingelheim Int Composition for introducing nucleic acid complexes into eucaryotic cells, complex containing nucleic acid and endosomolytic agent, peptide with endosomolytic domain and nucleic acid binding domain and preparation
EP0538194B1 (de) 1991-10-17 1997-06-04 Novartis AG Bicyclische Nukleoside, Oligonukleotide, Verfahren zu deren Herstellung und Zwischenprodukte
US5594121A (en) 1991-11-07 1997-01-14 Gilead Sciences, Inc. Enhanced triple-helix and double-helix formation with oligomers containing modified purines
US5484908A (en) 1991-11-26 1996-01-16 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotides containing 5-propynyl pyrimidines
DE637965T1 (de) 1991-11-26 1995-12-14 Gilead Sciences Inc Gesteigerte bildung von triple- und doppelhelices aus oligomeren mit modifizierten pyrimidinen.
TW393513B (en) 1991-11-26 2000-06-11 Isis Pharmaceuticals Inc Enhanced triple-helix and double-helix formation with oligomers containing modified pyrimidines
US5792608A (en) 1991-12-12 1998-08-11 Gilead Sciences, Inc. Nuclease stable and binding competent oligomers and methods for their use
US5359044A (en) 1991-12-13 1994-10-25 Isis Pharmaceuticals Cyclobutyl oligonucleotide surrogates
US5700922A (en) 1991-12-24 1997-12-23 Isis Pharmaceuticals, Inc. PNA-DNA-PNA chimeric macromolecules
US5565552A (en) 1992-01-21 1996-10-15 Pharmacyclics, Inc. Method of expanded porphyrin-oligonucleotide conjugate synthesis
US5595726A (en) 1992-01-21 1997-01-21 Pharmacyclics, Inc. Chromophore probe for detection of nucleic acid
FR2687679B1 (fr) 1992-02-05 1994-10-28 Centre Nat Rech Scient Oligothionucleotides.
US5633360A (en) 1992-04-14 1997-05-27 Gilead Sciences, Inc. Oligonucleotide analogs capable of passive cell membrane permeation
US20030206887A1 (en) * 1992-05-14 2003-11-06 David Morrissey RNA interference mediated inhibition of hepatitis B virus (HBV) using short interfering nucleic acid (siNA)
FR2692265B1 (fr) 1992-05-25 1996-11-08 Centre Nat Rech Scient Composes biologiquement actifs de type phosphotriesters.
US5434257A (en) 1992-06-01 1995-07-18 Gilead Sciences, Inc. Binding compentent oligomers containing unsaturated 3',5' and 2',5' linkages
EP0577558A2 (de) 1992-07-01 1994-01-05 Ciba-Geigy Ag Carbocyclische Nukleoside mit bicyclischen Ringen, Oligonukleotide daraus, Verfahren zu deren Herstellung, deren Verwendung und Zwischenproduckte
US5272250A (en) 1992-07-10 1993-12-21 Spielvogel Bernard F Boronated phosphoramidate compounds
US5652355A (en) 1992-07-23 1997-07-29 Worcester Foundation For Experimental Biology Hybrid oligonucleotide phosphorothioates
JPH08502723A (ja) 1992-07-27 1996-03-26 ハイブライドン インコーポレイテッド オリゴヌクレオチド・アルキルホスホノチオエート
US5583020A (en) 1992-11-24 1996-12-10 Ribozyme Pharmaceuticals, Inc. Permeability enhancers for negatively charged polynucleotides
US5574142A (en) 1992-12-15 1996-11-12 Microprobe Corporation Peptide linkers for improved oligonucleotide delivery
CN1121721A (zh) 1993-01-25 1996-05-01 海布里顿公司 寡核苷酸烷基膦酸酯和烷基硫代膦酸酯
US5476925A (en) 1993-02-01 1995-12-19 Northwestern University Oligodeoxyribonucleotides including 3'-aminonucleoside-phosphoramidate linkages and terminal 3'-amino groups
US5395619A (en) 1993-03-03 1995-03-07 Liposome Technology, Inc. Lipid-polymer conjugates and liposomes
GB9304620D0 (en) 1993-03-06 1993-04-21 Ciba Geigy Ag Compounds
GB9304618D0 (en) 1993-03-06 1993-04-21 Ciba Geigy Ag Chemical compounds
EP0691968B1 (en) 1993-03-30 1997-07-16 Sanofi Acyclic nucleoside analogs and oligonucleotide sequences containing them
EP0691977B1 (en) 1993-03-31 1997-11-26 Sanofi Oligonucleotides with amide linkages replacing phosphodiester linkages
DE4311944A1 (de) 1993-04-10 1994-10-13 Degussa Umhüllte Natriumpercarbonatpartikel, Verfahren zu deren Herstellung und sie enthaltende Wasch-, Reinigungs- und Bleichmittelzusammensetzungen
US5462854A (en) 1993-04-19 1995-10-31 Beckman Instruments, Inc. Inverse linkage oligonucleotides for chemical and enzymatic processes
FR2705099B1 (fr) 1993-05-12 1995-08-04 Centre Nat Rech Scient Oligonucléotides phosphorothioates triesters et procédé de préparation.
US5534259A (en) 1993-07-08 1996-07-09 Liposome Technology, Inc. Polymer compound and coated particle composition
US5543158A (en) 1993-07-23 1996-08-06 Massachusetts Institute Of Technology Biodegradable injectable nanoparticles
US5614621A (en) 1993-07-29 1997-03-25 Isis Pharmaceuticals, Inc. Process for preparing oligonucleotides using silyl-containing diamino phosphorous reagents
US5417978A (en) 1993-07-29 1995-05-23 Board Of Regents, The University Of Texas System Liposomal antisense methyl phosphonate oligonucleotides and methods for their preparation and use
US5808036A (en) 1993-09-01 1998-09-15 Research Corporation Technologies Inc. Stem-loop oligonucleotides containing parallel and antiparallel binding domains
US5502177A (en) 1993-09-17 1996-03-26 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives for labeled binding partners
US6060456A (en) * 1993-11-16 2000-05-09 Genta Incorporated Chimeric oligonucleoside compounds
US5457187A (en) 1993-12-08 1995-10-10 Board Of Regents University Of Nebraska Oligonucleotides containing 5-fluorouracil
US5446137B1 (en) 1993-12-09 1998-10-06 Behringwerke Ag Oligonucleotides containing 4'-substituted nucleotides
DE69425903T2 (de) 1993-12-09 2001-02-15 Thomas Jefferson University Ph Verbindungen und verfahren zur ortsspezifischen mutation in eukaryotischen zellen
US5519134A (en) 1994-01-11 1996-05-21 Isis Pharmaceuticals, Inc. Pyrrolidine-containing monomers and oligomers
US5596091A (en) 1994-03-18 1997-01-21 The Regents Of The University Of California Antisense oligonucleotides comprising 5-aminoalkyl pyrimidine nucleotides
US5627053A (en) 1994-03-29 1997-05-06 Ribozyme Pharmaceuticals, Inc. 2'deoxy-2'-alkylnucleotide containing nucleic acid
US5625050A (en) 1994-03-31 1997-04-29 Amgen Inc. Modified oligonucleotides and intermediates useful in nucleic acid therapeutics
US5646269A (en) 1994-04-28 1997-07-08 Gilead Sciences, Inc. Method for oligonucleotide analog synthesis
US5525711A (en) 1994-05-18 1996-06-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Pteridine nucleotide analogs as fluorescent DNA probes
US5543152A (en) 1994-06-20 1996-08-06 Inex Pharmaceuticals Corporation Sphingosomes for enhanced drug delivery
US5597696A (en) 1994-07-18 1997-01-28 Becton Dickinson And Company Covalent cyanine dye oligonucleotide conjugates
US5597909A (en) 1994-08-25 1997-01-28 Chiron Corporation Polynucleotide reagents containing modified deoxyribose moieties, and associated methods of synthesis and use
US5580731A (en) 1994-08-25 1996-12-03 Chiron Corporation N-4 modified pyrimidine deoxynucleotides and oligonucleotide probes synthesized therewith
US5591721A (en) 1994-10-25 1997-01-07 Hybridon, Inc. Method of down-regulating gene expression
US5512295A (en) 1994-11-10 1996-04-30 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Synthetic liposomes for enhanced uptake and delivery
US5792747A (en) 1995-01-24 1998-08-11 The Administrators Of The Tulane Educational Fund Highly potent agonists of growth hormone releasing hormone
PT739898E (pt) 1995-03-13 2002-03-28 Aventis Pharma Gmbh Mono-esteres de acidos fosfonucleicos processo para a sua preparacao e sua utilizacao
US5652356A (en) 1995-08-17 1997-07-29 Hybridon, Inc. Inverted chimeric and hybrid oligonucleotides
US5705621A (en) 1995-11-17 1998-01-06 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligomeric phosphite, phosphodiester, Phosphorothioate and phosphorodithioate compounds and intermediates for preparing same
EP0886641A2 (en) 1996-01-16 1998-12-30 Ribozyme Pharmaceuticals, Inc. Synthesis of methoxy nucleosides and enzymatic nucleic acid molecules
US5898031A (en) 1996-06-06 1999-04-27 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligoribonucleotides for cleaving RNA
WO1998022489A1 (fr) 1996-11-18 1998-05-28 Takeshi Imanishi Nouveaux analogues de nucleotides
AU736587B2 (en) 1996-11-20 2001-08-02 Yale University Survivin, a protein that inhibits cellular apoptosis, and its modulation
US6172209B1 (en) 1997-02-14 2001-01-09 Isis Pharmaceuticals Inc. Aminooxy-modified oligonucleotides and methods for making same
US6127533A (en) 1997-02-14 2000-10-03 Isis Pharmaceuticals, Inc. 2'-O-aminooxy-modified oligonucleotides
US5760209A (en) 1997-03-03 1998-06-02 Isis Pharmaceuticals, Inc. Protecting group for synthesizing oligonucleotide analogs
JP3756313B2 (ja) 1997-03-07 2006-03-15 武 今西 新規ビシクロヌクレオシド及びオリゴヌクレオチド類縁体
US6794499B2 (en) 1997-09-12 2004-09-21 Exiqon A/S Oligonucleotide analogues
CA2303299C (en) 1997-09-12 2016-02-23 Exiqon A/S Oligonucleotide analogues
US6028183A (en) 1997-11-07 2000-02-22 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives and oligonucleotides containing same
US6007992A (en) 1997-11-10 1999-12-28 Gilead Sciences, Inc. Pyrimidine derivatives for labeled binding partners
US6506559B1 (en) 1997-12-23 2003-01-14 Carnegie Institute Of Washington Genetic inhibition by double-stranded RNA
US6020475A (en) 1998-02-10 2000-02-01 Isis Pharmeuticals, Inc. Process for the synthesis of oligomeric compounds
US6326478B1 (en) 1998-07-08 2001-12-04 Isis Pharmaceuticals, Inc. Process for the synthesis of oligomeric compounds
US6271358B1 (en) 1998-07-27 2001-08-07 Isis Pharmaceuticals, Inc. RNA targeted 2′-modified oligonucleotides that are conformationally preorganized
US6335194B1 (en) * 1998-09-29 2002-01-01 Isis Pharmaceuticals, Inc. Antisense modulation of survivin expression
US6838283B2 (en) * 1998-09-29 2005-01-04 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense modulation of survivin expression
US6077709A (en) 1998-09-29 2000-06-20 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense modulation of Survivin expression
US6169177B1 (en) 1998-11-06 2001-01-02 Isis Pharmaceuticals, Inc. Processes for the synthesis of oligomeric compounds
CA2361201A1 (en) 1999-01-28 2000-08-03 Medical College Of Georgia Research Institute, Inc. Composition and method for in vivo and in vitro attenuation of gene expression using double stranded rna
DE19956568A1 (de) 1999-01-30 2000-08-17 Roland Kreutzer Verfahren und Medikament zur Hemmung der Expression eines vorgegebenen Gens
US6465628B1 (en) 1999-02-04 2002-10-15 Isis Pharmaceuticals, Inc. Process for the synthesis of oligomeric compounds
AU3369900A (en) 1999-02-19 2000-09-04 General Hospital Corporation, The Gene silencing
US6121437A (en) 1999-03-16 2000-09-19 Isis Pharmaceuticals, Inc. Phosphate and thiophosphate protecting groups
US6593466B1 (en) 1999-07-07 2003-07-15 Isis Pharmaceuticals, Inc. Guanidinium functionalized nucleotides and precursors thereof
US6147200A (en) 1999-08-19 2000-11-14 Isis Pharmaceuticals, Inc. 2'-O-acetamido modified monomers and oligomers
US6608108B2 (en) 1999-10-15 2003-08-19 Johns Hopkins University Method for treatment of tumors using nordihydroguaiaretic acid derivatives
EP1235842A4 (en) 1999-10-15 2003-04-23 Univ Massachusetts GENESIS OF THE RNA INTERFERENCE PATH AS AID OF TARGETED GENTIAN INTERFERENCE
DE60041452D1 (de) 1999-11-02 2009-03-12 Novartis Vaccines & Diagnostic CpG REZEPTOR (CpG-R) UND DARAUF BEZOGENE METHODEN
GB9927444D0 (en) 1999-11-19 2000-01-19 Cancer Res Campaign Tech Inhibiting gene expression
GB9930691D0 (en) 1999-12-24 2000-02-16 Devgen Nv Improvements relating to double-stranded RNA inhibition
US6509162B1 (en) 2000-02-29 2003-01-21 Yale University Methods for selectively modulating survivin apoptosis pathways
IL151781A0 (en) 2000-03-16 2003-04-10 Genetica Inc Methods and compositions for rna interference
EP2345742B1 (en) 2000-03-30 2014-06-11 The Whitehead Institute for Biomedical Research RNA sequence-specific mediators of RNA interference
US6656684B1 (en) 2000-11-02 2003-12-02 University Of Iowa Research Foundation Method for predicting tumor recurrence
US20020132788A1 (en) 2000-11-06 2002-09-19 David Lewis Inhibition of gene expression by delivery of small interfering RNA to post-embryonic animal cells in vivo
CZ308053B6 (cs) * 2000-12-01 2019-11-27 Max Planck Gesellschaft Izolovaná molekula dvouřetězcové RNA, způsob její výroby a její použití
DE10060810A1 (de) * 2000-12-07 2002-06-20 Aventis Pharma Gmbh Coniosetin und Derivate davon, Verfahren zur Herstellung und Verwendung derselben
JP2004532616A (ja) 2000-12-28 2004-10-28 ジョンソン・アンド・ジョンソン・リサーチ・ピー・ティー・ワイ・リミテッド 二本鎖rna仲介遺伝子抑制
CA2452458A1 (en) 2001-07-03 2003-01-16 Isis Pharmaceuticals, Inc. Nuclease resistant chimeric oligonucleotides
EP1446412B1 (en) 2001-09-04 2012-03-07 Exiqon A/S Novel lna compositions and uses thereof
US20030125287A1 (en) * 2001-09-24 2003-07-03 Hybridon, Inc. Antisense oligonucleotides and methods to induce tumor cell death
BR0308923A (pt) * 2002-03-27 2005-01-04 Aegera Therapeutics Inc OligÈmeros de nucleobase de iap anti-sentido e empregos destes
US20040029275A1 (en) * 2002-08-10 2004-02-12 David Brown Methods and compositions for reducing target gene expression using cocktails of siRNAs or constructs expressing siRNAs
US7713738B2 (en) * 2003-02-10 2010-05-11 Enzon Pharmaceuticals, Inc. Oligomeric compounds for the modulation of survivin expression
JP4912873B2 (ja) * 2003-04-09 2012-04-11 アルナイラム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド iRNA複合体
KR100814597B1 (ko) 2006-10-13 2008-03-17 에스케이에너지 주식회사 메틸 4-포밀벤조에이트와 디메틸테레프탈레이트의 분리방법
US9209196B2 (en) 2011-11-30 2015-12-08 Sharp Kabushiki Kaisha Memory circuit, method of driving the same, nonvolatile storage device using the same, and liquid crystal display device

Also Published As

Publication number Publication date
EP1633307A4 (en) 2009-06-24
US20070161547A1 (en) 2007-07-12
CN1984921A (zh) 2007-06-20
HK1108454A1 (en) 2008-05-09
WO2005002507A3 (en) 2006-04-13
AU2010202724A1 (en) 2010-07-15
BRPI0410886A (pt) 2006-07-04
US20090203896A1 (en) 2009-08-13
AU2004253455A1 (en) 2005-01-13
JP2006526988A (ja) 2006-11-30
AU2004253455B2 (en) 2011-03-03
US7541344B2 (en) 2009-06-02
CN1984921B (zh) 2010-06-16
EP2241572A3 (en) 2011-04-06
CA2524495A1 (en) 2005-01-13
EP2241572A2 (en) 2010-10-20
EP1633307A2 (en) 2006-03-15
AU2010202724B2 (en) 2012-04-05
WO2005002507A2 (en) 2005-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4579911B2 (ja) スルビビン発現の調節
JP4672664B2 (ja) eIF4E発現の調整
AU2010201712B2 (en) 2'-substituted oligomeric compounds and compositions for use in gene modulations
WO2004044133A2 (en) Modified oligonucleotides for use in rna interference
CA2504720C (en) Chimeric oligomeric compounds and their use in gene modulation
JP2008501335A (ja) キメラギャップ化オリゴマー組成物
WO2005006958A2 (en) Modulation of ceacam1 expression
AU2011203091B2 (en) Chimeric oligomeric compounds and their use in gene modulation
MXPA05013065A (en) Modulation of survivin expression
CA2756586A1 (en) Modulation of survivin expression
ZA200602273B (en) Modulation of elF4E expression
JP2012180358A (ja) キメラギャップ化オリゴマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100602

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100826

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees