JP2012180358A - キメラギャップ化オリゴマー組成物 - Google Patents

キメラギャップ化オリゴマー組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2012180358A
JP2012180358A JP2012097083A JP2012097083A JP2012180358A JP 2012180358 A JP2012180358 A JP 2012180358A JP 2012097083 A JP2012097083 A JP 2012097083A JP 2012097083 A JP2012097083 A JP 2012097083A JP 2012180358 A JP2012180358 A JP 2012180358A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
moiety
rna
modified
regions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012097083A
Other languages
English (en)
Inventor
Balkrishen Bhat
バット、バルクリシェン
Eric Swayze
スウェイジ、エリック
Allerson Charles
アラーソン、チャールズ
Dande Prasad
ダンデ、プラサッド
P Prakash Thazha
プラカッシュ、ターザ、ピー.
Richard H Griffey
グリッフィー、リチャード、エイチ.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ionis Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Isis Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isis Pharmaceuticals Inc filed Critical Isis Pharmaceuticals Inc
Priority to JP2012097083A priority Critical patent/JP2012180358A/ja
Publication of JP2012180358A publication Critical patent/JP2012180358A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】遺伝子発現を調節する方法の提供。
【解決手段】第1の鎖は異なる3つの領域を有し、第2の鎖は天然RNAであり、各々の領域は、他の2つの領域のものとは異なる、天然の若しくは修飾されたリボフラノシル糖部分を有する二本鎖組成物。第1のオリゴマー化合物の少なくとも一部は、核酸標的と相補的でありハイブリダイズする。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸標的にハイブリダイズするのに十分な相補性を有するオリゴマー化合物、及びそれらを遺伝子発現の調節に使用する方法を提供する。一実施形態において、前記オリゴマー化合物は、核酸標的にハイブリダイズすることができる第1の鎖と、前記第1の鎖にハイブリダイズするのに十分な相補性を有する第2の鎖とを有する二本鎖コンストラクトを有する。好ましい実施形態において、前記オリゴマー化合物は、標的RNAの一部、若しくは標的RNAの転写又は翻訳に関与する関連核酸標的にハイブリダイズし、結果として前記標的RNAの活性を調節する。
多くの生物種において、二本鎖RNA(dsRNA)の導入は、強力且つ特異的な遺伝子サイレンシングを誘発する。この現象は、植物及び動物の両者で起き、ウイルス防御及びトランスポゾンサイレンシング機構の役割を有するものである。この現象は、もともとは、ペチュニア花を研究する研究者らによって10年以上前に最初に報告されたものである。これらの花の紫色を濃くしようとして、Jorgensenらは、強力なプロモーターの制御下で色素産生遺伝子を導入した。濃い紫色を期待していたが、多くの花は、色がまだらになったり白くなるものさえあった。これは前記導入遺伝子及び相同の内在性遺伝子の両方の発現が抑制されたためであることから、Jorgensenは、観察された現象を"共抑制"と名付けた(Napoli et al.,Plant Cell,1990,2,279−289;Jorgensen et al.,Plant Mol.Biol.,1996,31,957−973)。
その後、共抑制は植物、菌類の多くの生物種で起こることが発見されているが、特にアカパンカビにおいて特に顕著に見出すことができ、"クエリング(quelling)"として知られている(Cogoni and Macino,Genes Dev.2000,10,638−643;Guru,Nature,2000,404,804−808)。
dsRNAが動物の遺伝子サイレンシングを導くことができるという最初の証拠は、線形動物である線虫の研究によってもたらされた。1995年、研究者Guo及びKemphuesは、その機能を見極めるために、par―1遺伝子の発現を停止するアンチセンスRNAの使用を試みていた。予想されたように、前記アンチセンスRNAの導入は、par―1の発現を妨げたが、奇妙にも、センス鎖コントロールの導入もまた発現を妨げた(Guo and Kempheus,Cell,1995,81,611−620)。この結果は、Fireらが線虫にdsRNA(センス鎖及びアンチセンス鎖両方の混合物)を導入するまで、謎であった。この導入は、前記センス鎖若しくはアンチセンス鎖のどちらか単独の導入よりも、非常に効率的なサイレンシングを結果としてもたらした。細胞につきわずか数分子のdsRNAの導入は、相同遺伝子の発現を完全にサイレンシングするのに十分であった。さらに、前記虫の腸へのdsRNAの導入は、前記虫全体だけでなく第1世代の子孫にも遺伝子サイレンシングをもたらした(Fire et al.,Nature,1998,391,806−811)。
この現象の効力がきっかけで、Timmons及びFireは、線虫のunc−22遺伝子と相同なdsRNAを発現するように改変されている線形動物細菌を餌として与えることによって、dsRNA効果の限界を調査することとなった。驚くべきことに、これらの虫は、unc−22のヌル様な表現型を明らかにした(Timmons and Fire,Nature 1998,395,854;Timmons et al.,Gene,2001,263,103−112)。更なる研究は、虫をdsRNAに浸すこともまた、サイレンシングを導くことが可能であることを示した(Tabara et al.,Science,1998,282,430−431)。PCT国際公開公報第WO01/48183号パンフレットは、線形動物虫の標的遺伝子の発現を阻害する方法を開示しており、これは、標的遺伝子の一部と実質的に同一なヌクレオチド配列を有する二本鎖RNA構造を産生することができる食物生物を前記虫に与える工程に続き、前記線形動物が前記食物生物を摂取する工程、若しくは前記二本鎖RNA構造を産生することができるDNAを導入する工程を含む(Bogaert et al.,2001)。
二本鎖RNA(dsRNA)暴露の結果として生じた、線虫で明示された転写後遺伝子サイレンシングは、その後、RNA干渉(RNAi)と呼ばれている。この用語は、内在性の標的mRNAレベルの配列特異的な減少を導いているdsRNAに関与する遺伝子サイレンシングの全ての様式を一般化するために用いられ、遺伝子組換えDNAが導入遺伝子及び内在性の遺伝子の両方のサイレンシングを導く共抑制とは異なる。線虫への外来性二本鎖RNA(dsRNA)の導入は、相同配列を含む遺伝子の活性を明確且つ強力に乱すことを示している。Montgomeryらは、dsRNAの主要な干渉効果が転写後であることを示唆し、この結論は、dsDNAが媒介した干渉の後の主要DNA配列の検討、即ち改変の証拠がないという発見後の、その下流遺伝子の活性には影響を及ぼさない上流オペロンの改変に関連する研究に由来する。これらの結果は、転写の開始若しくは伸長への影響と相反する。最終的に、彼らは、細胞質での転写産物の蓄積が事実上なくなる一方で、dsRNAに媒介された干渉が核内での新生転写産物の蓄積の完全ではないが実質的な減少をもたらすことをin situハイブリダイゼーションによって観察した。これらの結果は、内在性mRNAが干渉の最初の標的であることを指し示し、翻訳前の標的mRNAを分解する機構が起き得ることを示唆する。またこの機構が、異常なメッセージを標的化し破壊することに関与する線虫のmRNA監視システムであるSMGシステムに依存しないことも発見された。その著者らは更に、分解する相同mRNAを標的とするために、dsRNAがどのように触媒機構として機能するかのモデルを提案した(Montgomery et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1998,95,15502−15507)。
最近、RNAiの多くの特徴を繰り返す合胞体胞胚葉ショウジョウバエ胚からの無細胞系の進歩が報告された。この反応において観察される干渉は、配列特異的であり、dsRNAによって促進されるが一本鎖RNAでは促進されず、特定のmRNA分解によって機能し、最小長dsRNAを必要とする。さらに、dsRNAのプレインキュベーションはその活性を増強し、RNAiが溶解反応物中で配列特異的な過程によって媒介され得ることを証明している(Tuschl et al.,Genes Dev.,1999,13,3191−3197)。
その後の実験において、Tuschlらは、ショウジョウバエのインビトロ系を使用し、21nt及び22ntのRNA断片がRNAiの配列特異的な媒介物であることを証明した。彼らが低分子干渉RNA(siRNA)と呼んだこれらの断片は、リボヌクレアーゼIII様なプロセシング反応によって長いdsRNAから産生することが示された。彼らはまた、オーバーハング3’末端を有する化学的に合成されたsiRNA二本鎖が、ショウジョウバエ溶解液において、効率的な標的RNAの切断を媒介することと、前記切断部位が、ガイドsiRNAによって計測された領域の中心近くに位置することとを示した。加えて彼らは、センス若しくはアンチセンスのどちらの標的RNAがsiRNA−タンパク質複合体によって切断され得るかを、dsRNAプロセシングの方向が決定するということを示唆している(Elbashir et al.,Genes Dev.,2001,15,188−200)。21〜23個のヌクレオチドsiRNAによって生じる内在性及び異種遺伝子の発現の抑制の更なる特徴は、ヒト胎児腎臓細胞(293)及びヒーラー細胞を含むいくつかの哺乳類細胞株において調査されている(Elbashir et al.,Nature,2001,411,494−498)。
つい最近、Tijstermanらはアンチセンス方向性の一本鎖RNAオリゴマーが遺伝子サイレンシングの強力な誘導因子であり得ることを実際に明らかにした。共抑制の場合のように、彼らは、アンチセンスRNAは、RNAi遺伝子rde−1及びrde−4とは独立に作用するが、変異誘発/RNAi遺伝子mut−7及び推定DEAD box RNAヘリカーゼであるmut−14を必要とすることを示した。その著者らによれば、それらのデータは、鋳型としてmRNAを使用しているRNAプライマー伸長によって遺伝子サイレンシングが遂行され、後に分解されるdsRNAを導くという仮説を支持し、一重鎖RNAオリゴマーが最終的にRNAi現象の原因となることを示唆している(Tijsterman et al.,Science,2002,295,694−697)。
最近のいくつかの公報には、RNAi活性に必要なdsRNAトリガーの構造条件が記載されている。最近の報告は、理想的なdsRNAの配列は2ntの3’末端オーバーハングを含む21ntの長さであることを指し示している(Elbashir et al,EMBO,2001,20,6877−6887,Sabine Brantl,Biochimica et Biophysica Acta,2002,1575,15−25)。この系において、3’末端からの4つのヌクレオシドの2’−デオキシヌクレオシドとの置換は、活性に影響しないことが証明されている。一方、前記配列(センス若しくはアンチセンス)全体にわたる2’−デオキシヌクレオシド若しくは2’−OCH−ヌクレオシドの置換は、RNAi活性に有害なことが示された。
線虫のRNAサイレンシングのための構造条件の調査は、活性に干渉しないインターヌクレオチド連結(ホスホロチオエート)の修飾を証明している(Parrish et al.,Molecular Cell,2000,6,1077−1087)。また、2’−アミノ若しくは5’−ヨードウリジンのような化学修飾は、センス鎖においては良好な耐用性を示すが、dsRNAのアンチセンス鎖では耐用性を示さないことがParrishらによって示され、これはRNAiにおいて2つの鎖に異なる役割があることを示唆している。グアニンからイノシン等の塩基修飾(1つの水素結合が消失する)は、前記修飾(センス若しくはアンチセンス)の位置と独立してRNAi活性を減少させることが証明されている。同一の"位置独立"な活性の消失は、dsRNAトリガー中のミスマッチの導入に続いて観測されている。一部の修飾の型、例えば、5−ヨードU等の立体的な要求をしている塩基の導入は、アンチセンス鎖に位置するときはRNAi活性に有害であることが示されているが、一方でセンス鎖に修飾位置があると、RNAi活性への有害の程度が小さいことが示された。21ntのdsRNA配列の場合のように、RNA−DNAのヘテロ二本鎖はRNAiのトリガーとしての役目を果たさなかった。しかし、2’−2’−F修飾ヌクレオシドを含むdsRNAは、2’−F修飾ヌクレオシドの位置(センス若しくはアンチセンス)と無関係なRNAi反応の引き金を引く際に効率的であるように見えた。
1つの実験において、遺伝子発現の減少は、着床後のハツカネズミ胚にエレクトロポレーション処理されたdsRNA及び25merのモルホリノを使用して研究された(Mellitzer et al.,Mehanisms of Development,2002,118,57−63)。前記モルホリノオリゴマーは活性を示したが、dsRNAほど有効ではなかった。
RNAi現象に関する多くの国際出願が最近公開されている。これらは、国際公開公報番号第WO00/44895号、国際公開公報番号第WO00/49035号、国際公開公報番号第WO00/63364号、国際公開公報番号第WO01/36641号、国際公開公報番号第WO01/36646号、国際公開公報番号第WO99/32619号、国際公開公報番号第WO00/44914号、国際公開公報番号第WO01/29058号、及び国際公開公報番号第WO01/75164号パンフレットを含む。
米国特許第5,898,031号及び6,107,094号(それぞれは、本出願に共通に所有され、この参照により本明細書に組み込まれるものである)には、RNA様の特性を有する特定のオリゴヌクレオチドが報告されている。RNAとハイブリダイズするとき、これらのオリゴヌクレオチドは、dsリボヌクレアーゼ酵素の基質として役立ち、結果として前記酵素による前記RNAの切断が起こる。
最近公開された他の論文(Martinez et al.,Cell,2002,110,563−574)において、一本鎖siRNAと同様に二本鎖siRNAは、elF2C1及びelF2C2(ヒトGERp950アルゴノートタンパク質)と一緒にRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)中に属することが示された。5’−リン酸化一本鎖siRNAの活性は、研究された系において二本鎖siRNAと同程度であった。関連する研究において、5’−リン酸塩部分の含有物は、インビボでショウジョウバエ胚中のsiRNAの活性を増強することが示された(Boutla,et al.,Curr.Biol.,2001,11,1776−1780)。他の研究において、5’−リン酸塩は、ヒトヒーラー細胞中のsiRNA機能に必要であることが報告された(Schwarz et al.,Molecular Cell,2002,10,537−548)。
最近公開された1つの論文において、その著者は、siRNAのセンス鎖、アンチセンス鎖、若しくはセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方への2’−O−メチル基の包含は、大きな活性の減少を示したことを主張している(Chiu,Ya−Lin and Rana,Tariq,M.,RNA,2003,9,1034−1048)。
リボヌクレアーゼのH経路のように、遺伝子発現のアンチセンス調節のRNA干渉経路は、特定の遺伝子産物のレベルを調節するための有効手段であり、従って、遺伝子サイレンシングに関連する非常に有用な多くの治療、診断、及び研究の用途であると判明するかもしれない。従って、本発明は更に、遺伝子発現経路を調節するのに有効な組成物を提供し、それらが非アンチセンス機構と同様にRNA干渉及びdsRNA酵素等のアンチセンス作用機構に依存することを含む。この開示を身につけた当業者は、必要以上に実験することなく、これらの使用のための好ましい組成物を識別することが可能である。
特定の観点において、本発明は第1のオリゴマー化合物及と第2のオリゴマー化合物とを有する組成物に関連するものであり、各々は連結ヌクレオシド塩基を有している。前記第1のオリゴマーの少なくとも一部は、前記第2のオリゴマーの少なくとも一部とハイブリダイズすることができ、前記第1のオリゴマーの少なくとも一部は、選択された標的核酸と相補的であり、且つハイブリダイズすることができる。ここにおいて、前記第1のオリゴマー化合物は、インターヌクレオシド連結基によって連結される複数の連結ヌクレオシドを有するものであり、前記ヌクレオシドは更に3つの領域を有するものである。前記3つの領域の各々は、別個に修飾されたリボフラノシル糖部分、若しくはβ−D−リボフラノシル糖部分を有する1つの領域を有することによって、少なくとも1つの観点において、他の2つの領域の各々と区別され、前記他の2つの領域は、別個に修飾されたリボフラノシル糖部分を有することによって、少なくとも1つの観点において、互いに区別される。前記第2のオリゴマー化合物は、インターヌクレオシド連結基によって連結された複数の連結β−D−リボフラノシルヌクレオシドを有するものである。1つの観点において、前記第1及び第2のオリゴマー化合物は、選択的にリン酸基、3’−オーバーハング、若しくは結合基を有する。
1つの観点において、修飾リボフラノシル糖部分の各々の領域は、均一に修飾される。他の観点において、少なくとも1つの領域は、3つ全ての領域を有する3’−末端配座配置を有するヌクレオシドを有するものであって、前記3つ全ての領域は、3’−末端配座配置を有するヌクレオシドを有することが好ましい。
1つの観点において、少なくとも1つの領域は、2’−置換リボフラノシル部分を有するものであり、2’−置換基は、−F、−O−CHCH−O−CH、−OC−Cl2アルキル、−O−CH−CH−CH−NH、−O−(CH−O−N(R、−O−CHC(=O)−N(R、−O−(CH−O−(CH−N(R、−O−CH−CH−CH−NHR、−N、−O−CH−CH=CH、−NHCOR、−NH、−NHR、−N(R、−SH、−SR、−N(H)OH、−N(H)OR、−N(R)OH、−N(R)OR、若しくは−O−CH−N(H)−C(=NR)[N(R]であり、各々のRは、個別に、H、C〜Cl2アルキル、保護基、若しくは置換又は非置換C〜Cl2アルキル、C〜Cl2アルケニル、若しくはC〜Cl2アルキニルであり、前記置換基は、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アジド基、シアノ基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、ハロアルコキシ基、若しくはアリール基から選択されるものである。
2’−置換基のより好ましい基は、−F、−O−CH、−O−CHCH−O−CH、−O−CH−CH=CH、N、NH、NHOH、−O−(CH−O−N(R、−O−CHC(O)−N(R、−O−CH−CH−CH−NH、−O−(CH−O−(CH−N(R、若しくは−O−CH−N(H)−C(=NR)[N(R]を含むものであり、各々のRは、個別に、H、C〜Cl2アルキル、保護基、若しくは置換又は非置換C〜Cl2アルキル、C〜Cl2アルケニル、若しくはC〜Cl2アルキニルであり、前記置換基は、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、アジド基、シアノ基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、ハロアルコキシ基、若しくはアリール基から選択されるものである。
2’−置換基のさらにより好ましい基は、−F、−O−CHCH−O−CH、−O−CH、−O−CH−CH=CH、若しくは−O−CH−CH−CH−NH(R)であり、RはH若しくはC〜C10アルキルである。さらにより好ましいのは、−F、−O−CH、若しくは−O−CHCH−O−CHであり、−F若しくは−O−CHは、さらにより好ましい。
前記第1のオリゴマー化合物の1つの領域のための好ましいリボフラノシル修飾は、4’−チオ修飾ヌクレオシドを含む。
一実施形態において、組成物は、β−D−リボフラノシル糖部分の1つの領域、及びリボフラノシル糖部分の2つの別個に修飾された領域を有する第1のオリゴマー化合物を含む。好ましい配向性は、別個に修飾されたリボフラノシル糖部分の2つの外側領域、及びβ−D−リボフラノシル糖部分の1つの内側領域を有することを含む。好ましいキメラ配向性は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分、若しくは4’−チオ修飾リボフラノシル部分を有する5’−外側領域、β−D−リボフラノシル糖部分を有する内側領域、及び2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、4’−チオ修飾リボフラノシル部分、修飾リボフラノシル部分を有する3’−外側領域を有するものであり、各々は、4’−CH−O−2’−架橋若しくはリボフラノシル部分を有するものであり、各々は、4’−(CH−O−2’−架橋を有するものである。
一実施形態において、組成物は、リボフラノシル糖部分の別個に修飾された3つの領域を有する第1のオリゴマー化合物を含むものであり、各々の領域は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分、2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、4’−チオ修飾リボフラノシル部分、修飾リボフラノシル部分から選択された均一に修飾されたリボフラノシル部分を有するものであり、各々は、4’−CH−O−2’−架橋若しくはリボフラノシル部分を有するものであり、各々は、4’−(CH−O−2’−架橋を有するものである。好ましい組成物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有する3つの領域を有することを含むものであり、5’−外側領域は、4’−チオ修飾リボフラノシル部分を有するものであり、前記内側領域は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分を有するものであり、3’−外側領域は、2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、修飾リボフラノシル部分を有するものであり、各々は、4’−CH−O−2’−架橋若しくはリボフラノシル部分を有するものであり、各々は、4’−(CHnn−O−2’−架橋を有するものである。
一実施形態において、前記組成物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有する第1のオリゴマー化合物を含むものであり、前記外側領域は、各々1〜6個のヌクレオシドを有し、前記内側領域は、6〜14個のヌクレオシドを有するものである。好ましい範囲は、各々2〜5個のヌクレオシドを有する外側領域、及び8〜13個のヌクレオシドを有する内側領域を含む。より好ましい範囲は、各々2〜5個のヌクレオシドを有する外側領域、及び8〜13個のヌクレオシドを有する内側領域を含む。他の好ましい範囲は、各々2〜5個のヌクレオシドを有する外側領域、及び8〜13個のヌクレオシドを有する内側領域を含む。特に好ましいキメラギャップマーは、各外側領域に2〜5個のヌクレオシド及び前記内側領域に10〜16個のヌクレオシドを有する20mers(2〜5/10〜14/2〜5)、及び各外側領域に1〜3個のヌクレオシド及び前記内側領域に13〜17個のヌクレオシドを有する19mers(1〜3/13〜17/1〜3)を含む。
一実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの5’−リン酸基を含む。他の実施形態において、前記組成物は、末端3’−OH基を含む。更なる実施形態において、前記組成物は、少なくとも1つの結合基を有する。
一実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結される。他の実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々のヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結される。更なる実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の1つのヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結され、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の他のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結される。他の実施形態において、前記第1のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結され、前記第2のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結される。更なる実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、個別に、ホスホロチオエート若しくはリン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結される。他の実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の少なくとも1つは、個別に、ホスホロチオエート及びリン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって交互に連結される。
一実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の少なくとも1つは更に、3’−末端、5’−末端、若しくは3’−末端及び5’−末端の両方に結合された少なくとも1つの末端キャップ部分を有する。1つの好ましい末端キャップ部分は、反転デオキシ脱塩基部分である。好ましい実施形態において、組成物は、前記3’−末端及び前記5’−末端の一方若しくは両方に、末端キャップ部分を有する第2のオリゴマー化合物を含むものであり、反転デオキシ脱塩基部分は、好ましい末端キャップ部分である。一実施形態において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物は、siRNAオリゴヌクレオチドの相補対である。一実施形態において、前記第1及び第2のオリゴマー化合物の各々は、約8〜約80個の核酸塩基を有するものであり、より好ましい範囲は、約10〜約50個の核酸塩基である。更により好ましい範囲は、約12〜約30個の核酸塩基、約12〜約24個の核酸塩基、及び約19〜約23個の核酸塩基を含む。
一実施形態において、前記第1のオリゴマー化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、他の実施形態において、前記第2のオリゴマー化合物は、センスオリゴヌクレオチドである。
1つの観点において、前記組成物は、少なくとも1つのタンパク質を含み、前記タンパク質は、RNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)の少なくとも一部を含むものである。
他の実施形態において、本発明は、1若しくはそれ以上の細胞、組織、若しくは動物を本発明の組成物と接触させる工程を有する遺伝子発現を阻害する方法を含む。他の実施形態において、方法は、1若しくはそれ以上の細胞、組織、若しくは動物を請求項1の第1若しくは第2のオリゴマー化合物に接触させる工程を有する遺伝子発現を阻害する工程を含む。
本発明は、オリゴマー化合物の組成物を提供するものであり、前記組成物の少なくとも一部は、二重鎖であり、前記組成物の更なる部分は、核酸標的と相補的であり、ハイブリダイズする。前記組成物は、自己相補的な領域を有する一本鎖を有することができ、従って、ループ構造を形成している。より好ましい組成物は、第1及び第2のオリゴマー化合物を有する二本鎖の組成物を含むものであり、前記第1のオリゴマー化合物は、前記第2のオリゴマー化合物とハイブリダイズし、更に標的核酸とハイブリダイズする相補的な領域を有する。この性質において、前記第1のオリゴマー化合物は、前記組成物のアンチセンス鎖であり、前記第2のオリゴマー化合物はセンス鎖である。
1つの観点において、核酸標的と相補的な前記第1のオリゴマー化合物の領域は、3’−末端糖配座配置を有するヌクレオシドを有する。前記相補的な領域は、好ましくは、キメラギャップオリゴマー化合物を有するものであり、内側領域は、他の2つの領域によって側面に位置され、全てのヌクレオシドは、3’−末端配座配置を有する。前記3つの領域は、各々の個々の領域と同一である異なるリボフラノシルサブユニットを有することによって少なくとも差別化される。前記3つの領域は、天然若しくは修飾インターヌクレオシド連結、及び天然若しくは修飾複素環塩基部分のいずれの組み合わせを有することができる。ここに記載され、当該分野に既知のように、前記オリゴマー化合物は、5’−リン酸基及び結合基等の修飾によって更に修飾され得る。
本発明の1つの観点において、前記第1のオリゴマー化合物は、3つの相異する領域に分割される連結したヌクレオシドの連続的な配列を有するものであり、各々の領域は、他の2つの領域と関連する少なくとも異なるリボフラノシル糖部分を有する。本発明の他の観点において、前記3つの領域の1つは、連結したβ−D−リボヌクレオシドヌクレオシドの連続的な配列であり、残りの領域は、それらのリボフラノシル糖部分を有することによって差別化される。未修飾RNA(連結したβ−D−リボヌクレオシドヌクレオシド)を含まない領域は、好ましくは、本質的には各々の領域と同一であるが領域間では異なる、少なくとも均一に修飾されたリボフラノシル糖ユニットを含むヌクレオシドを有する。修飾リボフラノシル糖部分の好ましい修飾は、4’−チオリボヌクレオシド、2’−置換リボヌクレオシド、及び4’−CH−0−2’−架橋若しくは4’−(CH−O−2‘−架橋を有するヌクレオシドを含む。より好ましい修飾は、修飾されたヌクレオシドに3’−末端糖配座配置を与える。
1つの観点において、前記第1のオリゴマー化合物は、3つの領域を有するものであり、1つの内側領域は、2つの外側領域によって側面に位置される。1つの観点において、前記外側領域は、各々約1〜約6個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、約6〜約14個のヌクレオシドを有する。他の観点において、前記外側領域は、各々約2〜約5個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、約8〜約13個のヌクレオシドを有する。更なる観点において、前記外側領域は、約2〜約3個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、約10〜約13個のヌクレオシドを有する。
本発明の組成物は、遺伝子発現の調節に有益である。本発明の1つの観点において、標的細胞、細胞集団、組織、若しくは動物は、遺伝子発現を直接阻害することができるメッセージの減少を生じさせるために、本発明の組成物と接触される。他の実施形態において、メッセージの減少は、標的遺伝子を非標的遺伝子と関連づける経路を通して、非標的遺伝子を間接的に上方調節する。本発明のオリゴマー化合物を使用した遺伝子を調節する方法及びモデルは、実施例において例示される。
他の観点において、遺伝子発現を阻害する方法は、1若しくはそれ以上の細胞、組織、若しくは動物を本発明の組成物に接触する工程を有することを開示される。本発明の組成物を使用する方法の多数の手順は、実施例の欄において例示される。
本発明の組成物は、核酸標的にハイブリダイズすることによって遺伝子発現を調節し、結果として、その正常な機能が失われる。本明細書において使用される"標的核酸"若しくは"核酸標的"は、標的となり得るいずれの核酸を網羅する利便性のために使用され、核酸は、DNA、そのようなDNAから転写されたRNA(pre−mRNA及びmRNA、若しくはその一部を含む)、及びそのようなRNA由来のcDNAを含むがこれに限られるものではない。本発明の好ましい実施例において、前記標的核酸は、メッセンジャーRNAである。更なる好ましい実施形態において、前記標的メッセンジャーRNAの分解は、本発明のオリゴマー化合物と共に形成されるRISC複合体によって促進される。他の好ましい実施形態において、前記標的メッセンジャーRNAの分解は、リボヌクレアーゼH等のヌクレアーゼによって促進される。
その標的核酸を有する本発明のオリゴマー化合物のハイブリダイゼーションは、"アンチセンス"と一般に呼ばれるものである。従って、本発明の一部の好ましい実施形態の実行における好ましい機構は、本明細書において"アンチセンス阻害"と称される。そのようなアンチセンス阻害は、一般的に、少なくとも1つの鎖若しくは断片が、切断、分解、若しくは別の方法で機能不能にされるようなオリゴヌクレオチド鎖若しくは断片の水素結合に基づいたハイブリダイゼーションに基づく。この点において、そのようなアンチセンス阻害のための、特異的な核酸分子及びそれらの機能を標的とすることは、現在好ましい。
妨げられるDNAの機能は、複製及び転写を含むことができる。複製及び転写は、例えば、内在性の細胞鋳型、ベクター、プラスミドコンストラクト、若しくは別のものからなることができる。妨げられるRNAの機能は、タンパク質翻訳部位へのRNAのトランスロケーション、RNA合成部位から離れている細胞内の部位へのRNAのトランスロケーション、RNAからのタンパク質の翻訳、1若しくはそれ以上のRNA種をもたらすRNAのスプライシング、及びRNAが携わっている若しくはRNAによって促進される可能性がある、RNAに関連する触媒活性若しくは複合体形成等の機能を含むことができる。本発明の文脈において、"調節"及び"発現の調節"は、遺伝子、例えば、DNA若しくはRNAをコードする核酸分子の量若しくはレベルの増加(刺激)若しくは減少(阻害)のどちらかを意味する。阻害は多くの場合、発現の調節の好ましい形式であり、mRNAは多くの場合、標的核酸が好ましい。
本発明の組成物及び方法はまた、small non−coding RNAの研究、性質決定、検証、及び調節において有益である。それらは、これに限られるものではないが、マイクロRNA(micro RNA、miRNA)、核内低分子RNA(small nuclear RNA、snRNA)、核小体低分子RNA(small nucleolar RNA、snoRNA)、small temporal RNA(stRNA)、及びtiny non−coding RNA(tncRNA)、若しくはそれらの前駆物質、若しくはプロセシング済転写産物、若しくはそれらの他の細胞成分と関連するものを含む。
small non−coding RNAは、植物、線虫、及び哺乳類を含む広範囲の生物における多様な発生及び制御経路において機能することが示されている。マイクロRNAは、small non−coding RNAであり、それは、酵素的切断によって、より大きな前駆物質からプロセシングされ、mRNAの翻訳を阻害する。前駆物質からプロセシングされるが、miRNAに酷似したstRNAは、発生のタイミングの制御に関与することが示されている。他のnon−coding small RNAは、転写、翻訳、運搬、及び染色体構造の細胞のスプライシングと同じく多様に事象に関与している。
small non−coding RNAのモジュレータが機能するとき、本発明の組成物は、スプライシングの調節、染色体のパッケージング又はメチル化、発生のタイミングの事象の制御、特定の生物学的経路への移送のタイミングに依存した標的RNA発現レベルの増加又は減少、及び翻訳又は転写の制御等の細胞の機能若しくは作用の制御及び操作において実用性を見つける。加えて、本発明の組成物は、細胞原形質、細胞核、核小体、若しくはミトコンドリア等の特定の細胞区画におけるそれらの効果を最適化するために修飾され得る。
本発明の組成物は更に、スクリーニングアッセイ若しくは装置と同様にRNAプロセシング若しくは代謝の調節経路の成分を同定するために使用され得る。
オリゴマー化合物
本発明の文脈において、用語"オリゴマー化合物"は、核酸分子の領域をハイブリダイズすることができるポリマー構造を指す。この用語は、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド擬態、及びこれらのキメラ化合を含む。オリゴマー化合物は、通常線形に調製されるが、接続される若しくは別の方法で円形に調製されることができ、また枝分れを含むことができる。オリゴマー化合物は、例えば、二本鎖化合物を形成するために、ハイブリダイズした二本鎖等の二本鎖コンストラクトに含まれ得る。前記二本鎖オリゴマー化合物は、連結若しくは分離することができ、平滑末端、末端のオーバーハングを有することができ、若しくは平滑末端及びオーバーハングを有する末端を含む組み合わせを有することができる。更なる修飾は、前記末端の1つ、選択された核酸塩基位置、糖位置、若しくはインターヌクレオシド連結の1つに結合された結合基を含むことができる。一般に、オリゴマー化合物は、連結基が接続された単量体サブユニットの骨格を有するものであり、各々の連結された単量体サブユニットは、直接若しくは間接的に複素環塩基部分に結合される。オリゴマー化合物はまた、複素環塩基部分に連結されない単量体サブユニットを含む可能性があり、それによって脱塩基部位を提供する。オリゴマー化合物を作り上げている反復ユニットのいずれの1つは、修飾されることができ、ヘミマー、ギャップマー、及びキメラを含む様々なモチーフを生じさせている。
当該技術分野で既知のように、ヌクレオシドは複素環塩基部分に結合される糖部分を有する。このような複素環塩基の最も一般的な2つの種別は、プリン及びピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合しているリン酸基を更に含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むそれらのヌクレオシドにとって、前記リン酸基は、より一般的な3’,5−インターヌクレオシド連結若しくはそれほど一般的でない2’,5’−インターヌクレオシド連結を与えている糖の2’,3’、若しくは5’ヒドロキシル部分のどちらかと連結され得る。オリゴヌクレオチドの形成において、前記リン酸基は、隣接したヌクレオシドの糖部分と共有結合する。それぞれの末端は、ハイブリダイゼーション若しくは共有結合の形成によって、円形構造を形成するために接続され得るが、オープンリニア(open linear)構造が一般的に好ましい。
本発明の文脈において、用語"オリゴヌクレオチド"は、リボ核酸(RNA)若しくはデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマー若しくはポリマーを指す。この用語は、自然発生の核酸塩基、糖、及び共有インターヌクレオシド連結から成るオリゴヌクレオチドを含む。用語"オリゴヌクレオチド類似体"は、オリゴヌクレオチドに類似した様式で機能する1若しくはそれ以上の非自然発生の部分を有するオリゴヌクレオチドを指す。このようなオリゴヌクレオチド類似体は、望ましい特性、例えば、増大された細胞の取込み、核酸標的のための増大された親和性、及び増大されたヌクレアーゼ安定性、が原因となった自然発生上の形態が多くの場合好ましい。本発明の文脈において、用語"オリゴヌクレオシド"は、リン原子を有さないインターヌクレオシド連結によって繋がれる一連のヌクレオシドを指す。この型のインターヌクレオシド連結は、短鎖アルキル、シクロアルキル、混合ヘテロ原子アルキル、混合ヘテロ原子シクロアルキル、1若しくはそれ以上の短鎖ヘテロ原子、及び1若しくはそれ以上の短鎖複素環を含む。これらのインターヌクレオシド連結は、シロキサン、硫化物、スルホキシド、スルホン、アセチル、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、チオホルムアセチル、アルケニル、スルファミン酸塩、メチレンイミノ、メチレンヒドラジノ、スルホン酸塩、スルホンアミド、アミド、及び混合されたN、O、S、及びCH構成要素を有するその他のものを含むが、これに限られるものではない。上記のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第5,034,506号、5,166,315号、5,185,444号、5,214,134号、5,216,141号、5,235,033号、5,264,562号、5,264,564号、5,405,938号、5,434,257号、5,466,677号、5,470,967号、5,489,677号、5,541,307号、5,561,225号、5,596,086号、5,602,240号、5,610,289号、5,602,240号、5,608,046号、5,610,289号、5,618,704号、5,623,070号、5,663,312号、5,633,360号、5,677,437号、5,792,608号、5,646,269号、及び5,677,439号を含むが、これに限られるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
アンチセンスオリゴマー化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、外側ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、代替スプライサー、プライマー、プローブ、及び標的核酸の少なくとも一部にハイブリダイズするその他のオリゴマー化合物等のオリゴマー化合物は、本発明に更に含まれる。このように、これらのオリゴマー化合物は、一本鎖、二本鎖、環状、若しくはヘアピンのオリゴマー化合物の形態で導入されても良く、内部若しくは末端オーバーハング又はループ等の構造要素を含んでも良い。一旦、系に導入されると、本発明のオリゴマー化合物は、標的核酸の修飾をもたらすために、1若しくはそれ以上の酵素若しくは構造タンパク質の作用を引き出すことができる。
このような酵素の限られない1つの例は、細胞性エンドヌクレアーゼであるリボヌクレアーゼHであり、これは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖、若しくはRNA:DNA領域を有する二本差のRNA領域を切断し、望ましい特性を増大させるために他の化学的特性を有する可能性がある。"DNAのような"一本鎖アンチセンスオリゴマー化合物がリボヌクレアーゼHを引き出すことは、当該技術分野において既知である。従って、リボヌクレアーゼHの活性化は、RNA標的の切断をもたらし、その結果、オリゴヌクレオチドが媒介した遺伝子発現の阻害の効率を大きく増大させる。同様な役割は、リボヌクレアーゼIII及びリボヌクレアーゼLファミリー等の他のリボヌクレアーゼに仮定される。
アンチセンスオリゴマー化合物の好ましい形態が、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドである間、多くの生物種において、二本鎖RNA(dsRNA)等の二本鎖コンストラクトの導入は、遺伝子、若しくはその関連した遺伝子産物の、アンチセンスが媒介した機能の縮小を強力に及び特異的に誘導することを示した。この現象は、植物及び動物の両方で起こり、ウイルス防御及びトランスポゾンサイレンシングに、進化的な関係を有すると考えられる。
本発明に基づくオリゴマー化合物は、好ましくは、約8〜約80個の核酸塩基(即ち、約8〜約80個の連結されたヌクレオシド/単量体サブユニット)を有する。当業者は、本発明が長さ8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、若しくは80個の核酸塩基のオリゴマー化合物を具体化すると理解する。
1つの好ましい実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、長さ10〜50個の核酸塩基である。当業者は、これが長さ12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、56、47、48、49、若しくは50個の核酸塩基のオリゴマー化合物を具体化すると理解する。
他の好ましい実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、長さ12〜30個の核酸塩基である。当業者は、これが長さ12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、若しくは30個の核酸塩基のオリゴマー化合物を具体化すると理解する。
更に好ましい実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、長さ12〜24個の核酸塩基である。当業者は、これが長さ12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、若しくは24個の核酸塩基のオリゴマー化合物を具体化すると理解する。
更に好ましい実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、長さ19〜23個の核酸塩基である。当業者は、これが長さ19、20、21、22、若しくは23個の核酸塩基のオリゴマー化合物を具体化すると理解する。
オリゴマー化合物の特に好ましい長さの1つは、約12〜約30個の核酸塩基である。他の特に好ましい長さは、約12〜約24個の核酸塩基である。更に特に好ましい長さは、約19〜約23個の核酸塩基である。
キメラオリゴマー化合物
オリゴマー化合物の全ての位置が均一に修飾される必要はなく、実際、上述した修飾のうちの1つ以上は、単一のオリゴマー化合物において、若しくはオリゴマー化合物中のヌクレオシド等の単一の単量体サブユニットにさえ組み込まれることができる。本発明はまた、キメラオリゴマー化合物であるオリゴマー化合物を含む。本発明の文脈中の"キメラ"オリゴマー化合物、若しくは"キメラ"は、2若しくはそれ以上の化学的に明瞭な領域を含んでいるオリゴマー化合物であり、各々は、少なくとも1つの単量体ユニット(即ち、核酸ベースのオリゴマーの場合、ヌクレオチド)から作り上げられる。
キメラオリゴマー化合物は、ヌクレアーゼ分解への増加した耐性、細胞の増加した取り込み、及び/若しくは標的核酸の増加した結合能を与えるために、一般的に少なくとも1つの修飾された領域を含む。オリゴマー化合物の付加的な領域は、RNA:DNA若しくはRNA:RNAハイブリッドを切断することができる酵素の基質として役立つ可能性がある。一例として、リボヌクレアーゼHは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼである。従って、リボヌクレアーゼHの活性化は、RNA標的の切断をもたらし、その結果、遺伝子発現の阻害の効率を大きく増大させる。従って、例えば、同じ標的領域にハイブリダイズしているホスホロチオエートデオキシオリゴヌクレオチドと比較して、キメラが使用されるときに、類似の結果が、より短いオリゴマー化合物で多くの場合得られることができる。RNA標的の切断は、通常、ゲル電気泳動、及び必要に応じて、当該技術分野において既知の核酸ハイブリダイゼーションと関連した技術によって検出され得る。
本発明のキメラオリゴマー化合物は、上記の通りに2若しくはそれ以上のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオシド、及び/若しくはオリゴヌクレオチド擬態の複合構造として形成され得る。通常使用されるキメラ化合物は、ハイブリッド、ヘミマー、ギャップマー、反転ギャップマー、及びブロックマーを含むが、これに限定されるものではなく、様々な点修飾及び/若しくは領域は、天然若しくは修飾DNA及びRNA型ユニット、及び/若しくは例えば、LNA、ENA(商標)、PNA、モルホリノ、及びその他のもの等の擬態型サブユニットから選択される。このようなハイブリッド構造の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第5,013,830号、5,149,797号、5,220,007号、5,256,775号、5,366,878号、5,403,711号、5,491,133号、5,565,350号、5,623,065号、5,652,355号、5,652,356号、及び5,700,922号を含むがこれに限定されるものではなく、これらの一部は即時の出願に一般に所有され、それぞれはこの参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
オリゴマー擬態
本発明に受け入れられるオリゴマー化合物の好ましい他の基は、オリゴヌクレオチド擬態を含む。オリゴヌクレオチドに適用されるような擬態という用語は、オリゴマー化合物を含むことを意図され、ここにおいてフラノースリング、若しくはフラノースリング及びインターヌクレオチド連結は新規な基に置換され、フラノースリングだけの置換はまた、当該技術分野において糖代用物であるとして言及される。複素環塩基部分若しくは修飾された複素環塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために維持される。
1つのそのようなオリゴマー化合物、優れたハイブリダイゼーション特性を有することを示しているオリゴヌクレオチド擬態は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNAは良好なハイブリダイゼーション特性、高い生物学的安定性を有し、静電気的に中性分子である。最近の1つの研究において、PNAはトランスジェニックマウスモデルでの異常スプライシングを修正することに使用された(Sazani et al.,Nat.Biotechnol.,2002,20,1228−1233)。PNAオリゴマー化合物において、オリゴヌクレオチドの糖−主鎖は、主鎖、特にアミノエチルグリシン主鎖を含むアミドと置換される。前記核酸塩基は、直接若しくは間接的に(以下に示すように−C(=O)−CH−)前記主鎖のアミド部分のアザ窒素原子と結合される。PNAオリゴマー化合物の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第5,539,082号、5,714,331号、及び5,719,262号を含むがこれに限定されるものではなく、それぞれはこの参照により本明細書に組み込まれるものである。PNAはApplied Biosystems(米国カリフォルニア州Foster City)から市販で手に入れられる。
1991年に、Nielsen及びその同僚によって発表されてから(Nielsen et al.,Science,1991,254,1497−1500)、多数の修飾が基本的なPNA主鎖に作られている。基本構造を下に示す:
Figure 2012180358
ここにおいて、Bxは複素環塩基部分であり、
は、水素、アミノ保護基、−C(O)R、置換或いは非置換C〜C10アルキル、置換或いは非置換C〜C10アルケニル、置換或いは非置換C〜C10アルキニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、化学官能基、レポーター基、結合基、アミノ酸がアスパラギン酸或いはグルタミン酸のときにα−カルボキシル基を介して或いは選択的にω−カルボキシル基を通して連結されるD或いはLα−アミノ酸、若しくはカルボキシル基を通して連結されるD、L、或いは混合D及びLアミノ酸由来のペプチドであり、前記置換基は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルから選択され、
は、−OH、−N(Z)Z、R、アミノ酸がリシン或いはオルニチンのときにα−アミノ基を介して或いは選択的にω−アミノ基を通して連結されるD或いはLα−アミノ酸、若しくはアミノ基を通して連結されるD、L、或いは混合D及びLアミノ酸由来のペプチド、化学官能基、レポーター基、若しくは結合基であり、
は、水素、C〜Cアルキル、若しくはアミノ保護基であり、
は、水素、C〜Cアルキル、アミノ保護基、−C(=O)−(CH−J−Z、アミノ酸がアスパラギン酸或いはグルタミン酸のときにα−カルボキシル基を介して或いは選択的にω−カルボキシル基を通して連結されるD或いはLα−アミノ酸、若しくはカルボキシル基を通して連結されるD、L、或いは混合D及びLアミノ酸由来のペプチドであり、
は、水素、アミノ保護基、−C〜Cアルキル、−C(=O)−CH、ベンジル、ベンゾイル、若しくは−(CH−N(H)Zであり、
各々のJは、O、S、若しくはNHであり、
は、カルボニル保護基であり、
nは、2〜約50である。
研究されている他の種類のオリゴヌクレオチド擬態は、モルホリノリングに結合される複素環塩基を有している連結モルホリノユニット(モルホリノ核酸)に基づいている。モルホリノ核酸中でモルホリノ単量体ユニットを連結する多くの連結基が報告されている。連結基の好ましい種類は、非イオン性オリゴマー化合物を与えるために選択されている。非イオン性モルホリノを基にしたオリゴマー化合物は、細胞のタンパク質との望まれていない相互作用を有する可能性が低い。モルホリノを基にしたオリゴマー化合物は、細胞のタンパク質との望まれていない相互作用を形成する可能性が低いオリゴヌクレオチドの非イオン性の擬態である(Dwaine A.Braasch and David R.Corey,Biochemistry,2002,41(14),4503−4510)。モルホリノを基にしたオリゴマー化合物は、エブラフィッシュ(ebrafish)胚で研究されている(Genesis,volume 30,issue 3,2001、及びHeasman,J.,Dev.Biol.,2002,243,209−214を参照)。モルホリノを基にしたオリゴマー化合物の更なる研究もまた報告されている(Nasevicius et al.,Nat.Genet.,2000,26,216−220、及びLacerra et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2000,97,9591−9596を参照)。モルホリノを基にしたオリゴマー化合物は、1991年7月23日に発行された米国特許第5,034,506号に開示される。オリゴマー化合物のモルホリノの種類は、単量体サブユニットを接合している様々な異なる連結基を有して調製されている。
モルホリノ核酸は、単量体サブユニットを接合している様々な異なる連結基(L)を有して調製されている。基本構造式を下に示す:
Figure 2012180358
ここにおいて、
は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物であり、
は、水素或いはリン酸塩、リン酸塩誘導体、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物であり、
は、キラルからアキラルまで荷電から中性まで変化され得る連結基であり(米国特許第5,166,315号は、−O−P(=O)[N(CH]−O−を含む連結を開示し、米国特許第5,034,506号は、例えば−S(=O)−X−(ここでXはNH、NCH、O、S、若しくはCHである)、−C(=Y)−O−(ここでYはO若しくはSである)、−S(=O)(OH)−CH−、−S(=O)(OH)−N(R)−CH−(ここでRはH若しくはCHである)等のアキラルインターモルホリノ連結を開示し、米国特許第5,185,444号は、例えば−P(=O)(−X)−O−(ここでXはF、CHR、S−CHR、若しくはNRであり、R、R、及びRは各々H、CH、若しくは塩基特異的水素結合の形成を妨げない一部の他の部分である)等のキラルインターモルホリノ連結を含むリンを開示する)、
nは、2〜約50である。
オリゴヌクレオチド擬態の更なる種類は、シクロヘキセニル核酸(CeNA)と呼ばれる。通常DNA/RNA分子中に存在するフラノースリングは、シクロヘニルリングによって置換される。CeNA DMTで保護されたホスホラミダイトモノマーは調製され、古典的なホスホラミダイト化学に附随するオリゴマー化合物合成のために使用されている。CeNAで修飾された特定の位置を有する、充分に修飾されたCeNAオリゴマー化合物及びオリゴヌクレオチドは、調製され、研究されている(Wang et al.,J.Am.Chem.Soc.,2000,122,8595−8602を参照)。一般的に、DNA鎖へのCeNAモノマーの組み込みは、DNA/RNAハイブリッドの安定性を増加させる。RNA及びDNAとの複合体を形成するCeNAオリゴアデニレートは、天然の複合体に同様の安定性を補完する。天然核酸構造へのCeNA構造の組み込みの研究は、簡単な配座の順応を継続するためにNMR及び円偏光二色性によって示された。さらに、標的RNAの配列へのCeNAの組み込みは、血清に対して安定であり、大腸菌リボヌクレアーゼを活性化することができ、結果として標的RNA鎖の切断をもたらす。
CeNAの一般構造式を下に示す:
Figure 2012180358
ここにおいて、
各々のBxは複素環塩基部分であり、
は、例えばリン酸ジエステル等のインターシクロヘキセニル連結、若しくはホスホロチオエート連結であり、
は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物であり、
は、水素或いはリン酸塩、リン酸塩誘導体、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物である。
他の種類のオリゴヌクレオチド擬態(アンヒドロヘキシトール核酸)は、1若しくはそれ以上のアンヒドロヘキシトールヌクレオシドから調製されることができ(Wouters and Herdewijn,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1999,9,1563−1566を参照)、一般構造式を有する:
Figure 2012180358
各々のBxは複素環塩基部分であり、
Lは、例えばリン酸ジエステル等のインターアンヒドロヘキシトール連結、若しくはホスホロチオエート連結であり、
は、水素、ヒドロキシル、保護ヒドロキシル、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物であり、
は、水素或いはリン酸塩、リン酸塩誘導体、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物である。
更なる好ましい修飾は、二環式の糖部分を形成するためにリボシル糖環の2’−水酸基が前記糖環の4’炭素原子に連結され、それにより2’−C,4’−C−オキシメチレン連結を形成している"Locked Nucleic Acid"(LNA)等の二環式の糖部分を含む(Elayadi et al.,Curr.Opinion Invens.Drugs,2001,2,558−561;Braasch et al.,Chem.Biol.,2001,8 1−7;及びOrum et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.,2001,3,239−243に概説される。また米国特許第6,268,490号及び6,670,461号も参照)。前記連結は、好ましくは2’酸素原子及び4’炭素原子が架橋しているメチレン(−CH−)基であり、n=1ではLNA(locked nucleic acidは、ここでは2’−O,4’−メチレン−架橋核酸として使用される)が使用され、n=2ではENA(商標)(2’−O,4’−エチレン−架橋核酸)が使用される(Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455−456;ENA(商標):Morita et al.,Bioorganic Medicinal Chemistry,2003,11,2211−2226)。LNA及び他の二環式の糖類似体は、相補的DNA及びRNA(Tm=+3〜+10C)を有する非常に高い二本鎖熱安定性、3’−エキソヌクレオリティック分解へ向かう安定性、及び良好な溶解特性を示す。LNAはProLigo(仏国パリ及び米国コロラド州Boulder)から市販されている。二環式の環システムを示しているLNAの基本構造を下に示す。
Figure 2012180358
ここにおいて各々のT及びTは、個別に、水素、ヒドロキシル保護基、連結ヌクレオシド、若しくは連結オリゴマー化合物であり、各々のZは、例えばリン酸ジエステル若しくはホスホロチオエート等のインターヌクレオシド連結基である。
また研究されているLNAの異性体は、∀−L−LNAであり、3’−エキソヌクレアーゼに反して優れた安定性を有することを示している(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365−6372)。前記∀−L−LNAは、強力なアンチセンス活性を示したアンチセンスギャップマー及びキメラに組み込まれた。∀−L−LNAの構造は下に示される。
Figure 2012180358
調製及び研究されている他の類似した二環式の糖部分は、単一のメチレン基を介した3’−水酸基から前記糖環の4’炭素原子に渡る架橋を有し、従って3’−C,4’−C−オキシメチレン連結を形成している(米国特許第6,043,060号を参照)。2D NMR分光法によって決定されるLNAの配座は、N型配座のより高い集団を取り入れるように一本鎖及び二本鎖両方のLNA核酸の固定された配向性がリン酸骨格を強制することを示した(Petersen et al.,J.Mol.Recognit.,2000,13,44−53)。これらの配座は、前記核酸塩基の改良されたスタッキングと関連する(Wengel et al.,Nucleosides Nucleotides,1999,18,1365−1370)。
LNAは、非常に安定したLNA:LNA二本鎖を形成することを示している(Koshkin et al.,J.Am.Chem.Soc.,1998,120,13252−13253)。LNA:LNAハイブリダイゼーションは、熱的に最も安定した核酸型二本鎖システムであることが示され、LNAのRNA様の特徴は二本鎖レベルで定められた。3つのLNAモノマー(T若しくはA)の導入は、DNA相補体の方へ著しく融点(Tm=+15/+11)を増加させた。LNAによって媒介されるハイブリダイゼーションの一般性は、非常に安定したLNA:LNA二本鎖の形成によって強調されている。前記RNA様のLNAは、モノマーのN型配座の制限、及びLNA:RNA二本鎖の二次構造に関して反映された。
LNAはまた、高熱親和性を有する相補的DNA、RNA、若しくはLNAと二本鎖を形成する。円偏光二色性(CD)スペクトルは、充分に修飾されたLNA(特にLNA:RNA)を含む二本鎖がA−型RNA:RNA二本鎖と構造的に似ていることを示す。LNA:DNA二本鎖の核磁気共鳴(NMR)試験は、LNAモノマーの3’−末端の配座を確かにした。二本鎖DNAの認識はまた、LNAによる鎖侵襲の示唆を証明されている。ミスマッチ配列の研究は、対応する未修飾な基準鎖と比較して一般に改良された選択性を有するワトソン−クリックの塩基対合規則にLNAが従うことを示す。ルシフェラーゼmRNAの中の様々な領域(5’−非翻訳領域、開始コドン領域、若しくはコード領域)を標的としたときに、DNA:LNAキメラは効率的に遺伝子発現を阻害することを示している(Braasch et al.,Nucleic Acids Research,2002,30,5160−5167)。
LNA−オリゴマー化合物の新規な型は、前記LNAと同様に広範囲にわたる診断及び治療の適用において有益である。それらの中には、アンチセンス適用、PCR適用、鎖−置換オリゴマー、核酸ポリメラーゼ用及び一般にヌクレオチドを基にした薬物用の基質がある。
LNAを含む強力な及び非毒性のアンチセンスオリゴヌクレオチドが報告されている(Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,2000,97,5633−5638)。著者らは、LNAがいくつかの所望の特性をアンチセンス剤に与えることを証明した。LNA/DNA共重合体は、血清及び細胞抽出物中で容易に分解されることはなかった。LNA/DNA共重合体は、生体ラット脳のGタンパク質結合受容体シグナル及び大腸菌のレポーター遺伝子の検出と同じくらい異なるアッセイシステムにおいて、強力なアンチセンス活性を呈した。生体ヒト乳癌細胞への、リポフェクチンによって媒介されるLNAの効率的な送達はまた遂行されている。LNAに関連するインビボのさらに成功した研究は、毒性なしにラットデルタオピオイド受容体のノックダウンを示し(Wahlestedt et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2000,97,5633−5638)、及び他の研究においてはRNAポリメラーゼIIの大サブユニットの翻訳の遮断を示している(Fluiter et al.,Nucleic Acids Res.,2003,31,953−962)。前記LNAモノマーのアデニン、シトシン、グアニン、5−メチル−シトシン、チミン、及びウラシルの合成及び調製は、それらのオリゴマー形成及び核酸認識特性と一緒に報告されている(Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607−3630)。LNA及びその調製はまた、国際公開番号第WO98/39352号及び国際公開番号第WO99/14226号に記載されている。
LNAの最初の類自体(ホスホロチオエート−LNA及び2’−チオ−LNA)はまた調製されている(Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219−2222)。核酸ポリメラーゼ用の基質としてオリゴデオキシリボヌクレオチド二本鎖を含んでいる固定されたヌクレオシド類似体の調製はまた報告されている(Wengel et al.,国際出願番号第WO98−DK393 19980914号パンフレット)。さらに、2’−アミノ−LNAの合成、柄を有する配座固定された新規な高親和性オリゴヌクレオチド類似体は、当該技術分野において報告されている(Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035−10039)。加えて、2’−アミノ−LNA及び2’−メチルアミノ−LNAは調製され、相補的RNA及びDNA鎖とのそれらの二本鎖の熱安定性は以前に報告されている。
調製及び研究されている、本発明に従う他のオリゴヌクレオチド擬態は、トレオース核酸である。このオリゴヌクレオチド擬態は、リボースヌクレオシドの代わりにトレオースヌクレオシドに基づいており、以下に示される一般構造を有する。
Figure 2012180358
(3’,2’)−∀−L−トレオース核酸(TNA)の初期の関心は、TNAをコピーするDNAポリメラーゼが存在したかどうかという問題へ向いた。特定のDNAポリメラーゼがTNA鋳型の限られた長さをコピーできたことが分かった(C&EN/January 13,2003で報告)。
他の研究において、TNAは相補的DNA、RNA、及びTNAオリゴヌクレオチドと逆平行のワトソン−クリック塩基対合ができると見つけ出された(Chaput et al.,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,856−857)。
1つの研究において、(3’,2’)−∀−L−トレオース核酸は調製され、2’及び3’アミド化類似体と比較されている(Wu et al.,Organic Letters,2002,4(8),1279−1282)。前記アミド化類似体は、RNA/DNAと同程度の強度を有するRNA及びDNAへの結合が示された。
更なるオリゴヌクレオチド擬態は、二環及び三環ヌクレオシド類似体を含むように調製され、構造式を有する(アミド化モノマーを示す)。
Figure 2012180358
(Steffens et al.,Helv.Chim.Acta,1997,80,2426−2439、Steffens et al.,J.Am.Chem.Soc.,1999,121,3249−3255、Renneberg et al.,J.Am.Chem.Soc.,2002,124,5993−6002、及びRenneberg et al.,Nucleic acids res.,2002,30,2751−2757を参照)。これらの修飾ヌクレオシド類似体はホスホラミダイト研究法を使用してオリゴマー形成され、結果として生じる、三環ヌクレオシド類似体を含むオリゴマー化合物は、DNA、RNA及びそれ自体にハイブリダイズされるときに、増加した熱安定性(Tm)を示している。二環ヌクレオシド類似体を含むオリゴマー化合物は、DNA二本鎖の熱安定性に匹敵する熱安定性を示している。
オリゴヌクレオチド擬態の他の種類はホスホノモノエステル核酸と呼ばれ、それは主鎖中にリン基を組み込む。この種類のオリゴヌクレオチド擬態は、核酸の検出のためのプローブとして及び分子生物学で使用される補助物として、遺伝子発現(アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、センスオリゴヌクレオチド、及び三重鎖形成性オリゴヌクレオチド)を阻害する領域において、物理学的及び生物学的及び薬理学的な有益な特性を有すると報告されている。
一般構造式(Markushの定義の変数参照:米国特許第5,874,553号及び6,127,346号。この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである)は以下に示される。
Figure 2012180358
本発明に従う更なるオリゴヌクレオチド擬態は調整され、ここにおいてシクロブチルリングは天然フラノシルリングと置換する。
オリゴマー及びモノマー修飾
当該技術分野において既知であるように、ヌクレオシドは塩基−糖の組み合わせである。ヌクレオシドの塩基部分は、通常複素環塩基である。このような複素環塩基の2つの最も一般的な種類は、プリン及びピリミジンである。ヌクレオチドは更に、前記ヌクレオシドの糖部分に共有結合で連結されるリン酸基を含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むこれらのヌクレオシドでは、前記リン酸基は前記糖の2’、3’、若しくは5’ヒドロキシル部分のいずれかと連結され得る。オリゴヌクレオチドの形成において、線形ポリマー化合物を形成するために、前記リン酸基は隣接したヌクレオシドと互いに共有結合的に連結する。次々に、この線形ポリマー化合物のそれぞれの末端は、円形化合物を形成するために更に接合され得るが、線形化合物が一般に好ましい。加えて、線形化合物は内部の核酸塩基の相補性を有する可能性があり、従って、完全に若しくは部分的な二重鎖化合物を産生することに関しては、いわば折り重なることができる。オリゴヌクレオチドの内部では、前記リン酸基は、一般に、前記インターヌクレオシド連結の形成、若しくは前記オリゴヌクレオチドの主鎖の糖環と併せて呼ばれる。RNA及びDNAの主鎖を作り上げる正常なインターヌクレオシド連結は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。
修飾されたインターヌクレオシド連結
この本発明に有益な好ましいアンチセンスオリゴマー化合物の具体的な例は、修正を含むオリゴヌクレオチド、例えば非自然発生のインターヌクレオシド連結を含む。この明細書において定義したように、修飾インターヌクレオシド連結を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保有するインターヌクレオシド連結及びリン原子を有しないインターヌクレオシド連結を含む。この明細書の目的にとって、当該技術分野において時々参照されるように、それらのインターヌクレオシド主鎖中のリン原子を有さない修飾オリゴヌクレオチドはまた、オリゴヌクレオシドであると考えられ得る。
線虫の系において、インターヌクレオチド連結(ホスホロチオエート)の修飾は、RNAi活性を著しくは妨げなかった。この観測に基づいて、本発明の特定の好ましいオリゴマー化合物はまた、1若しくはそれ以上の修飾インターヌクレオシド連結を有することができると示唆される。修飾インターヌクレオシド連結を含む好ましいリンは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結である。
リン原子をその中に含む好ましい修飾オリゴヌクレオチド主鎖は、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、リン酸トリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’−アルキレンホスホン酸塩、5’−アルキレンホスホン酸塩、及びキラルホスホン酸塩を含むメチル及び他のアルキルホスホン酸塩、ホスフィナート、3’−アミノアミド亜リン酸エステル及びアミノアルキルアミド亜リン酸エステルを含むアミド亜リン酸エステル、チオアミド亜リン酸エステル、チオノアルキルホスホン酸塩、チオノアルキルホスホトリエステルを含む他のアルキルホスホン酸塩、ホスホノアセテート、及びチオホスホノアセテート(Sheehan et al.,Nucleic Acids Research,2003,31(14),4109−4118 及びDellinger et al.,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,940−950)、正常の3’−5’連結を有するセレノリン酸塩及びボラノリン酸塩、これらの2’−5’連結類似体、及びこれらの反転した極性を有するものを含み、ここにおいて1若しくはそれ以上のインターヌクレオチド連結は、3’から3’、5’から5’、若しくは2’から2’の連結である。反転した極性を有する好ましいオリゴヌクレオチドは、3’−大部分のインターヌクレオチド連結、即ち、脱塩基(核酸塩基が失われている若しくはその場所に水酸基を有する)され得る単一の反転ヌクレオシド残基において、単一の3’から3’への連結を有する。様々な塩、混合塩、及び遊離酸形状もまた含まれる。
N3’−P5’アミド亜リン酸エステルは、相補的RNA鎖への高親和性及びヌクレアーゼ耐性の両方を呈すると報告されている(Gryaznov et al.,J.Am.Chem.Soc.,1994,116,3143−3144)。N3’−P5’アミド亜リン酸エステルは、インビボで一部の成功(具体的にはc−myc遺伝子の発現を下方制御する)を有する研究がされている(Skorski et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,1997,94,3966−3971;及びFaira et al.,Nat.Biotechnol.,2001,19,40−44)。
上記のリン含有連結の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第3,687,808号;4,469,863号;4,476,301号;5,023,243号;5,177,196号;5,188,897号;5,264,423号;5,276,019号;5,278,302号;5,286,717号;5,321,131号;5,399,676号;5,405,939号;5,453,496号;5,455,233号;5,466,677号;5,476,925号;5,519,126号;5,536,821号;5,541,306号;5,550,111号;5,563,253号;5,571,799号;5,587,361号;5,194,599号;5,565,555号;5,527,899号;5,721,218号;5,672,697号;及び5,625,050号を含むが、これに限定されるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
本発明のより好ましい実施形態において、オリゴマー化合物は、1若しくはそれ以上のホスホロチオエート及び/若しくはヘテロ原子インターヌクレオシド連結、特に−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−[メチレン(メチルイミノ)若しくはMMI主鎖として既知である]、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、及び−O−N(CH)−CH−CH−[天然のリン酸ジエステルインターヌクレオチド連結は、−O−P(=O)(OH)−O−CH−として表される]を有する。MMI型インターヌクレオシド連結は、上記参照された米国特許第5,489,677号において開示される。好ましいアミドインターヌクレオシド連結は、上記参照された米国特許第5,602,240号において開示される。
その中にリン原子を含まない好ましい修飾オリゴヌクレオチド主鎖は、短鎖アルキル或いはシクロアルキルインターヌクレオシド連結、ヘテロ原子及びアルキル或いはシクロアルキルインターヌクレオシドの混合物、若しくは1若しくはそれ以上の短鎖ヘテロ原子或いは複素環インターヌクレオシド連結によって形成される主鎖を有する。これらは、モルホリノ連結(ヌクレオシドの糖部分から一部分形成される);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシド、及びスルホン主鎖;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;リボアセチル主鎖;主鎖を含むアルケン;スルファミン酸エステル主鎖;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ主鎖;スルホン酸エステル及びスルホンアミド主鎖;及びN、O、S、及びCHの構成要素を有する他のものを有する主鎖を含む。上記のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第5,034,506号;5,166,315号;5,185,444号;5,214,134号;5,216,141号;5,235,033号;5,264,562号;5,264,564号;5,405,938号;5,434,257号;5,466,677号;5,470,967号;5,489,677号;5,541,307号;5,561,225号;5,596,086号;5,602,240号;5,610,289号;5,602,240号;5,608,046号;5,610,289号;5,618,704号;5,623,070号;5,663,312号;5,633,360号;5,677,437号;5,792,608号;5,646,269号;及び5,677,439号を含むが、これに限定されるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
修飾された糖
本発明のオリゴマー化合物はまた、1若しくはそれ以上の置換された若しくは別の修飾された糖部分を含んでも良い。リボシル及び関連する糖部分は、通常、連結に関係しないどの反応位置でも修飾される。従って、糖置換基のための好ましい位置は、天然の3’から5’へのインターヌクレオシド連結には通常使用されない2’の位置である。他の好ましい位置は3’及び5’末端である。3’−糖位置は、2つの隣接した糖単位の間が2’、5’連結のとき、修飾を受けやすい。好ましい糖置換基は、OH;F;O−、S−、或いはN−アルキル;O−、S−、或いはN−アルケニル;O−、S−、或いはN−アルキニル;若しくはO−アルキル−O−アルキルを含み、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、C〜C10アルキル、若しくはC〜C10アルケニル及びアルキニルへ置換されても若しくは置換されなくても良い。O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON[(CHCHは特に好ましく、n及びmは1〜約10である。他の好ましいオリゴヌクレオチドは、C〜C10の低アルキル、置換された低アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル或いはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換されたシリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレータ、オリゴヌクレオチドの薬物速度論的特性を改良するための基、若しくは薬力学的特性を改良するための基、及び同様の特性を有する他の置換基から選択された糖置換基を有する。好ましい修飾は、すなわち2’−メトキシエトキシ(2’−O−CHCHOCH、また2’−O−(2−メトキシエチル)或いは2’−MOEとしても既知)(Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504)、即ちアルコキシアルコキシ基を含む。更に好ましい修飾は、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、即ちO(CHON(CH基(実施例において後述の通り2’−DMAOEとしても既知)、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(また当該技術分野において2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチル或いは2’−DMAEOEとしても既知)、即ち2’−O−(CHO−(CHN(CH、及びN−メチルアセトアミド(またNMA、2’−O−CH−C(=O)−N(H)CHとも呼ぶ)を含む。
他の好ましい糖置換基は、メトキシ(−O−CH)、アミノプロポキシ(−OCHCHCHNH)、アリル(−CH−CH=CH)、−O−アリル(−O−CH−CH=CH)、及びフルオロ(F)を含む。2’−糖置換基は、アラビノ(上)位置若しくはリボ(下)位置であっても良い。好ましい2’−アラビノ修飾は、2’−Fである(Loc et al.,Biochemistry,2002,41,3457−3467参照)。同様の修飾はまた、オリゴマー化合物の他の位置、特に3’末端ヌクレオシド若しくは2’−5’連結オリゴヌクレオチドの3’位置の糖、及び5’末端ヌクレオチドの5’位置の糖で作られ得る。オリゴマー化合物はまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分等の糖擬態を有することができる。このような修飾された糖構造の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第4,981,957号;5,118,800号;5,319,080号;5,359,044号;5,393,878号;5,446,137号;5,466,786号;5,514,785号;5,519,134号;5,567,811号;5,576,427号;5,591,722号;5,597,909号;5,610,300号;5,627,053号;5,639,873号;5,646,265号;5,658,873号;5,670,633号;5,792,747号;5,700,920号;及び6,147,200号明細書を含むが、これに限定されるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
更なる代表的な糖置換基は、構造式Ia若しくIIaの基を含み、
Figure 2012180358
ここにおいて、
はO、S、若しくはNHである;
は単結合、O、S、若しくはC(=O)である;
はC〜C10アルキル、N(R)(R)、N(R)(R)、N=C(R)(R)、N=C(R)(R)、若しくは構造式IIIaを有する;
Figure 2012180358
及びRは各々個別に水素若しくはC〜C10アルキルである;
は−R−Rである;
各々のR、R、R、及びRは個別に水素、C(O)R、置換或いは非置換C〜C10アルキル、置換或いは非置換C〜C10アルケニル、置換或いは非置換C〜C10アルキニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、化学官能基、若しくは結合基であり、ここにおいて置換基はヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、及びアルキニルから選択される;
若しくは選択的に、R及びRはそれらが結合されるための窒素原子と一緒にフタリミド部分を形成する;
各々のRは個別に置換或いは非置換C〜C10アルキル、トリフロロメチル、シアノエチルオキシ、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、アリルオキシ、9−フルオレニルメトキシ、2−(トリメチルシリル)−エトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、ベンジルオキシ、ブチリル、イソブチリル、フェニルまたはアリールである;
は水素、窒素保護基、若しくは−R−Rである;
は結合若しくは連結部分である;
は化学官能基、結合基、若しくは立体支持媒体である;
各々のR及びRは、H、窒素保護基、置換或いは非置換C〜C10アルキル、置換或いは非置換C〜C10アルケニル、置換或いは非置換C〜C10アルキニルであり、ここにおいて置換基はヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、NH 、N(R)(R)、グアニジノ、及びアシルから選択され、前記アシルは、酸アミド若しくはエステルである;
若しくはR及びRは共に、窒素保護基であるか、N及びOから選択される追加のヘテロ原子を選択的に含む環構造に接合されるか、若しくは化学官能基である:
は、OR、SR、若しくはN(R)2である;
各々のRは個別に、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C(=NH)N(H)R、C(=O)N(H)R、若しくはOC(=O)N(H)Rである;
、R、及びRは、約4〜約7個の炭素原子、若しくは約3〜約6個の炭素原子と1若しくは2個のヘテロ原子とを有する環構造を有するものであり、前記ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄から選択され、前記環構造は脂肪族化合物、不飽和脂肪族化合物、芳香族化合物、若しくは飽和或いは不飽和複素環化合物である;
は、1〜約10個の炭素原子を有するアルキル或いはハロアルキル、2〜約10個の炭素原子を有するアルケニル、2〜約10個の炭素原子を有するアルキニル、6〜約14個の炭素原子を有するアリール、N(R)(R)OR、ハロ、SR、若しくはCNである;
maは1〜約10である;
各々のmbは個別に、0若しくは1である;
mcは0若しくは1〜10の整数である;
mdは1〜10の整数である;
meは0、1、若しくは2である;
mcが0のとき、mdは1より大きい。
構造式Iの代表的な置換基は、1998年8月7日出願の米国特許出願番号第09/130,973号において開示され、表題"Capped 2’−Oxyethoxy Oligonucleotides"は、この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
特に好ましい糖置換基は、O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON[(CHCHを含み、n及びmは1〜約10である。
構造式III及びIVに示される代表的なグアニジノ置換基は、共通に所有された米国特許出願09/349040号(表題"Functionalized Oligomers"、1999年7月7日出願)に開示され、これはこの参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
代表的なアセトアミド置換基は、米国特許第6,147,200号明細書に開示され、この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
代表的なジメチルアミノエチルオキシエチル置換基は、1999年8月6日に出願された国際特許出願第PCT/US99/17895号(表題"2’−O−Dimethylaminoethyloxyethyl−Oligomeric compounds")において開示され、この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
修飾された核酸塩基/天然核酸塩基
オリゴマー化合物はまた、核酸塩基(多くの場合、当該技術分野において単に"塩基"若しくは"複素環塩基部分"と言う)修飾若しくは置換を含んでも良い。本明細書において使用される"未修飾な"若しくは"天然の"核酸塩基は、プリン塩基(アデニン(A)及びグアニン(G))、及びピリミジン塩基(チミン(T)、シトシン(C)、及びウラシル(U))を含む。修飾された核酸塩基はまた、本明細書において、複素環塩基部分が、5−メチルシトシン(5−me−C)、5‐ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル派生物、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル派生物、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、ピリミジン塩基の5−プロピニル(−C≡C−CH)ウラシル及びシトシン及び他のアルキニル派生物、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(偽ウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ特に、5−ブロモ、5−トリフロロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−デアザアデニン及び3−デアザグアニン及び3−デアザアデニン等の他の合成及び天然核酸塩基を含むことを指す。
複素環塩基部分はまた、プリン若しくはピリミジン塩基が他のヘテロ環(例えば7−デアザ−アデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン及び2−ピリドン)と置換されるものを含んでも良い。更なる核酸塩基は、米国特許第3,687,808号明細書において開示されたもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley & Sons,1990において開示されたもの、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613において開示されたもの、及びSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B., ed.,CRC Press,1993において開示されたものを含む。これらの核酸塩基の一部は、本発明のオリゴマー化合物の結合能を増加するのに特に有益である。これらは5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、及びN−2、N−6、及びO−6置換プリンを含み、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシンを含む。5メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃で核酸二本鎖の安定性を増加させることを示し(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,eds.,Antisense Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278)、特に2’−O−メトキシエチル糖修飾と結合するときには更に塩基置換が現在のところ好ましい。
本発明のオリゴマー化合物はまた、1若しくはそれ以上の複素環塩基部分の代わりに多環の複素環化合物を含むことができる。多くの三環複素環式化合物は以前に報告されている。これらの化合物は、標的鎖への修飾鎖の結合特性を増加させるためにアンチセンス適用において一般的に使用される。最も熟慮された修飾はグアノシンを標的にしたときであり、従って、それらはG−クランプ若しくはシチジン類似体と呼ばれる。これらの多環の複素環化合物の多くは、一般構造式を有する:
Figure 2012180358
第2鎖においてグアノシンと3つの水素結合を作る代表的なシトシン類似体は、1,3−ジアザフェノキサジン−2−one(R10=O,R11−R14=H)[Kurchavov, et al.,Nucleosides and Nucleotides,1997,16,1837−1846]、1,3−ジアザフェノチアジン−2−one(R10=S,R11−R14=H),[Lin,K.−Y.;Jones,R.J.;Matteucci,M.J.Am.Chem.Soc.1995,117,3873−3874]、及び6,7,8,9−テトラフルオロ−1,3−ジアザフェノキサジン−2−one(R10=O,R11−R14=F)[Wang,J.;Lin,K.−Y.,Matteucci,M.Tetrahedron Lett.1998,39,8385−8388]を含む。オリゴヌクレオチドに組み入れられたこれらの塩基修飾は、相補的なグアニンとハイブリダイズすることが示され、最近ではまた、アデニンとハイブリダイズすること、及び拡張されたスタッキング相互作用によって螺旋の熱安定性を増強することが示されている(2002年5月24日出願の米国特許出願第10/155,920号(表題"Modified Peptide Nucleic Acids")、及び2002年5月24日出願の米国特許出願第10/013,295号(表題"Nuclease Resistant Chimeric Oligonucleotides")を参照。これらの両方は本出願に共通に所有され、この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである)。
シトシン類似体/置換が固定1,3−ジアザフェノキサジン−2−one骨格に結合したアミノエトキシ部分を有するときに、更なる螺旋−安定化特性は観察されている(R10=O,R11=−O−(CH−NH,R12−14=H)[Lin,K.−Y.;Matteucci,M.J.Am.Chem.Soc.1998,120,8531−8532]。結合の研究は、単一の取り込みが5−メチルシトシン(dC5me)と関連して、最大18°までのΔTmを有する、その相補的な標的DNA若しくはRNAに対するモデルオリゴヌクレオチドの結合能を増強し得ることを証明し、しかしそれは単一の修飾のための、最も高い既知の親和性の増大である。一方、螺旋の安定性の利得は、オリゴヌクレオチドの特異性を危うくさせることはない。Tデータは、完全に一致した配列と不一致の配列との間の、dC5meと比較してさらに大きな区別を指し示す。鎖でつながれたアミノ基が相補的なグアニンのフーグスティーン面(即ち、O6)と相互作用するための追加の水素結合のドナーとして役立ち、従って4つの水素結合を形成していることが示唆された。これは、G−クランプの増加した親和性が、拡張した塩基スタッキング及び追加の特異的水素結合の組み合わせによって媒介されることを意味する。
更に、本発明に従う三環式の複素環化合物及びそれらを使用する方法は、2000年5月22日発行の米国特許出願番号第6,028,183号、及び1999年12月28日発行の米国特許出願番号第6,007,992号に開示されており、両者の内容は本出願に共通に割り当てられ、本明細書に完全に組み込まれるものである。
強固な配列特異性と共にフェノキサジン派生物の増強された結合能は、それらをより強力なアンチセンスに基づく薬物の開発のための有益な核酸塩基類似体とする。実際、有望なデータは、フェノキサジン置換を含むヘプタヌクレオチドがRNaseHを活性化し、細胞の取込みを増強し、及び増加したアンチセンス活性を提示することができることを証明しているインビトロ実験に由来する[Lin,K−Y;Matteucci,M.J.Am.Chem.Soc.1998,120,8531−8532]。単一の置換がかなり20merの 2’デオキシホスホロチオエートオリゴヌクレオチドのインビトロでの有効性を大きく改善することを示したように、前記活性の増大は、G−クランプの場合にはさらに顕著であった[Flanagan,W.M.;Wolf,J.J.;Olson,P.;Grant,D.;Lin,K.−Y.;Wagner,R.W.;Matteucci,M.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1999,96,3513−3518]。それにもかかわらず、オリゴヌクレオチド設計を最適化し、生物活性上のこれらの複素環式修飾の効果をよりよく理解するために、オリゴマーのヌクレアーゼ安定性に対するそれらの影響を評価することは重要である。
更に、ヘテロ環塩基として有益な、修飾された多環の複素環化合物は、米国特許第4,845,205号;5,130,302号;5,134,066号;5,175,273号;5,367,066号;5,432,272号;5,434,257号;5,457,187号;5,459,255号;5,484,908号;5,502,177号;5,525,711号;5,552,540号;5,587,469号;5,594,121号;5,596,091号;5,614,617号;5,645,985号;5,646,269号;5,750,692号;5,830,653号;5,763,588号;6,005,096号;及び5,681,941号明細書、及び2001年11月28日出願の米国特許出願番号第09/996,292号と同様に、上記で指摘した米国特許第3,687,808号に開示されるが、これに制限されるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
結合
本発明の組成物に使用されるオリゴマー化合物はまた、結果として生じるオリゴマー化合物の活性、細胞分布若しくは細胞の取込みを増強するための1若しくはそれ以上の部分若しくは結合を有するために修飾される。一実施形態において、このような修飾されたオリゴマー化合物は、ヒドロキシル若しくはアミノ基等の官能基に結合基を共有結合させることによって調製される。本発明の結合基は、インターカレータ、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール、ポリエーテル、オリゴマーの薬力学的特性を増強する基、及びオリゴマーの薬物速度論的特性を増強する基を含む。典型的な結合基は、コレステロール、脂質、リン脂質、ビオチン、フェナジン、葉酸塩、フェナントリジン、アントラキノン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、及びCy3及びAlexa等を含む色素を含む。本発明の前後関係において、薬力学的特性を増強する基は、オリゴマーの取込みを改善する、分解に対するオリゴマーの耐性を増強する、及び/若しくはRNAとの配列−特異的なハイブリダイゼーションを強化する基を含む。本発明の前後関係において、薬物速度論的特性を増強する基は、オリゴマーの取込み、分配、代謝若しくは排出を改善する基を含む。代表的な結合基は、1992年10月23日出願の国際特許出願番号第PCT/US92/09196号に開示され、これらの全体の開示は、この参照によって本明細書に組み込まれるものである。
結合部分は、コレステロール部分等の脂質部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553−6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1994,4,1053−1060)、チオエーテル(例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール)(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306−309;manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3,2765−2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533−538)、脂肪族鎖(例えば、ドデカンジオール或いはウンデシル残基)(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111−1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327−330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49−54)、リン脂質(例えば、ジ−ヘキサデジル−ラック−グリセロール或いはトリエチルアンモニウム 1,2−ジ−O−ヘキサデジル−ラック−グリセロ−3−H−ホスホネート)(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651−3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777−3783)、ポリアミン若しくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14,969−973)、若しくはアダマンタン酢酸(manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651−3654)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229−237)、若しくはオクタデシルアミン或いはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923−937)を含むが、これに限定されるものではない。
本発明のオリゴマー化合物はまた、例えば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)−(+)−プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5−トリヨード安息香酸、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾサイアジアザイド、クロロサイアザイド、ジアゼピン、インドメチシン、バルビツレート、セファロスポリン、サルファ剤、抗糖尿病薬、抗細菌性、若しくは抗生物質等の活性薬物材料と結合される可能性がある。オリゴヌクレオチド−薬物結合体及びそれらの調製は、米国特許出願第09/334,130号明細書(1999年6月15日出願)に開示されており、この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
このようなオリゴヌクレオチドの結合の調製を教示する代表的な米国特許は、米国特許第4,828,979号;4,948,882号;5,218,105号;5,525,465号;5,541,313号;5,545,730号;5,552,538号;5,578,717号;5,580,731号;5,580,731号;5,591,584号;5,109,124号;5,118,802号;5,138,045号;5,414,077号;5,486,603号;5,512,439号;5,578,718号;5,608,046号;4,587,044号;4,605,735号;4,667,025号;4,762,779号;4,789,737号;4,824,941号;4,835,263号;4,876,335号;4,904,582号;4,958,013号;5,082,830号;5,112,963号;5,214,136号;5,082,830号;5,112,963号;5,214,136号;5,245,022号;5,254,469号;5,258,506号;5,262,536号;5,272,250号;5,292,873号;5,317,098号;5,371,241号;5,391,723号;5,416,203号;5,451,463号;5,510,475号;5,512,667号;5,514,785号;5,565,552号;5,567,810号;5,574,142号;5,585,481号;5,587,371号;5,595,726号;5,597,696号;5,599,923号;5,599,928号;及び5,688,941号明細書を含むが、これらに限定されるものではなく、これらの一部は本出願に共通に所有され、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれるものである。
本発明の組成物に使用されるオリゴマー化合物はまた、ヌクレアーゼ安定性のような特性を増強するために、一般に、オリゴマー化合物の一方若しくは両方の末端に結合される1若しくはそれ以上の安定化基を有するように修飾され得る。キャップ構造は、安定化基に含まれる。"キャップ構造若しくは末端のキャップ部分"は、オリゴヌクレオチドのいずれの末端にも結合されている化学修飾を意味している(例えば、Wincottらによる国際公開第WO97/26270号パンフレット参照。この開示はこの参照により本明細書に組み込まれるものである)。これらの末端の修飾は、エキソヌクレアーゼ分解から、末端の核酸分子を有するオリゴマー化合物を保護し、細胞内での送達及び/若しくは局在に役に立つことができる。前記キャップは、5’−末端(5’−キャップ)若しくは3’−末端(3’−キャップ)で存在されることができ、若しくは両末端で存在されることができる。制限されない例において、前記5’−キャップは、反転脱塩基残基(部分)、4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリトロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド、炭素環ヌクレオチド;1,5−無水ヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド;修飾された塩基ヌクレオチド;ジチオリン酸連結;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;非環式3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’−3’−反転ヌクレオチド部分;3’−3’−反転脱塩基部分;3’−2’−反転ヌクレオチド部分;3’−2’−反転脱塩基部分;1,4−ブタンジオールリン酸塩;3’−アミド亜リン酸エステル;ヘキシルリン酸塩;アミノヘキシルリン酸塩;3’−リン酸塩;3’−ホスホロチオエート;ホスホロジチオエート;若しくは架橋或いは非架橋のメチルホスホン酸塩部分を含む(詳細は、Wincott et al.,国際公開公報第WO97/26270号パンフレットを参照。この参照により本明細書に組み込まれるものである)。
本発明の特に好ましい3’−キャップ構造は、例えば、4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリトロフラノシル)ヌクレオチド;4’−チオヌクレオチド、炭素環ヌクレオチド;5’−アミノ−有機リン酸化合物;1,3−ジアミノ−2−プロピルリン酸塩、3−アミノプロピルリン酸塩;6−アミノヘキシルリン酸塩;1,2−アミノドデシルリン酸塩;ヒドロキシプロピルリン酸塩;1,5−無水ヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド;修飾された塩基ヌクレオチド;ジチオリン酸;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’−5’−反転ヌクレオチド部分;5’−5’−反転脱塩基部分;5’−アミド亜リン酸エステル;5’−ホスホロチオエート;1,4−ブタンジオールリン酸塩;5’−アミノ;架橋及び/若しくは非架橋の5’−ホスホロアミデート、ホスホロチオエート、及び/若しくはジチオリン酸、架橋或いは非架橋のメチルホスホン酸塩、及び5’−メルカプト部分を含む(詳細は、Beaucage and Tyer,1993,Tetrahedron 49,1925を参照。この参照により本明細書に組み込まれるものである)。
更に、ヌクレアーゼ安定性を与えるために、オリゴマー化合物の一方若しくは両方の末端のキャップに使用され得る3’及び5’−安定化基は、2003年1月16日に公開された国際公開番号第WO03/004602号パンフレットに開示されるものを含む。
3’−末端修飾
本発明の1つの観点において、オリゴマー化合物は、3’−末端の糖立体構造を生じさせるように合成的に修飾されたヌクレオシドを含む。ヌクレオシドは、所望の3’−末端の糖立体構造を生じさせるために、複素環塩基、糖部分、若しくは両者の合成修飾を結合することができる。望ましい3’−末端の立体構造配置を維持すると共に、オリゴマー化合物の特定の特性が増強され得るために、これらの修飾されたヌクレオシドはヌクレオシドのような擬態RNAに使用される。線虫の系において、2’−デオキシ−2’−F−ヌクレオシドで構成された二本鎖がRNAi反応の引き金を引く際に効率的に見えるという事実によって一部支持されるRNA干渉の要件(例えば、引き金)として、RNA型二本鎖(形状螺旋、主に3’−末端)にとって明らかな好ましさがある。より安定した3’−末端ヌクレオシドを使用することによって増強される特性は、化学的安定性;オリゴマーの結合能及び特異性の調節(相補配列と同様に酵素のための親和性及び特異性);及びRNA切断の効果の増加と同様に、タンパク質結合の修飾を介した薬物速度論的特性の調節、タンパク質off−rate(オフ−レート)、吸収、及びクリアランス;ヌクレアーゼ安定性の調節を含むが、これらに限定されるものではない。本発明は、C3’−末端型立体構造を支持するような方法で修飾された1若しくはそれ以上のヌクレオシドを有するRNAiのオリゴマーの引き金を提供する。
Figure 2012180358
ヌクレオシド立体構造は、2’、3’、若しくは4’−位置のペントフラノシル糖での置換を含む様々な因子によって影響される。電気的陰性物質置換基は、一般にアキシアル位を好み、その一方で、立体的に要求されている置換基は、一般にエクアトリアル位を好む(Principles of Nucleic Acid Structure,Wolfgang Sanger,1984,Springer−Verlag)。下の図2にて図示したように、認識要素として2’−OHを保持すると共に、3’−末端の立体構造を支持する2’位置の修飾は達成され得る(Gallo et al.,Tetrahedron(2001),57,5707−5713.Harry−O‘kuru et al.,J.Org.Chem.,(1997),62(6),1754−1759 and Tang et al.,J.Org.Chem.(1999),64,747−754)。或いは、アキシアル位の電気陰性フッ素原子の位置を決める3’−末端の立体構造をとる2’デオキシ−2‘F−ヌクレオシドによって例証されるように、3’−末端の立体構造に対する好みは2’−OHの欠失によって達成され得る(Kawasaki et al.,J.Med.Chem.(1993),36,831−841)。リボース環の他の修飾、例えば、4’−F修飾ヌクレオシドを与えるための4’−位置での置換(Guillerm et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters(1995),5,1455−1460、及びOwen et al.,J.Org.Chem.(1976),41,3010−3017)、若しくは、例えば、メタノカルバヌクレオシド類似体を生じさせるための修飾(Jacobson et al.,J.Med.Chem.Lett.(2000),43,2196−2203、及びLee et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters(2001),11,1333−1337)11、1333−1337)はまた、3’−末端の立体構造に対する好みをも生じさせる。同じように、RNAi反応のオリゴマーの引き金は、立体構造がC3’−末端型立体構造、即ち、Locked Nucleic Acid(LNA、Singh et al,Chem.Commun.(1998),4,455−456)、及びethylene bridged Nucleic Acids(ENA(商標)、Morita et al,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2002),12,73−76)に固定されるというような方法で修飾された1若しくはそれ以上のヌクレオシドから成るかもしれない。
修飾されたヌクレオシド及びそれらのオリゴマーの好ましい立体構造は、分子動力学計算、核磁気共鳴分光法、及びCD計測等の様々な方法によって推定され得る。従って、RNAに似た立体構造(オリゴマーとの関連においてA−型二本鎖配置)を生じさせると予測される修飾は、本発明の修飾されたオリゴヌクレオチドに使用されるために選択される。本発明に従う多数の修飾ヌクレオシドの合成は、当該技術分野において既知である(例えば、Chemistry of Nucleosides and Nucleotides Vol.1−3,ed.Leroy B.Townsend,1988,Plenum press.,及び下記の実施例を参照)。
1つの観点において、本発明は、核酸標的に対する、天然RNAと比較して増強された特性を有するように調製されるオリゴマーを対象としている。標的は識別され、オリゴマーは、効果的な長さ及び標的配列の一部と相補的である配列を有するように選択される。選択された配列の各々のヌクレオシドは、可能な増強修飾のために精査される。好ましい修飾は、同一の3’−末端の立体構造配置を有するヌクレオシドを有する1若しくはそれ以上のRNAヌクレオシドの置換である。このような修飾は、天然RNAと関連して化学的及びヌクレアーゼ安定性を増強することができ、一方で同時に、オリゴヌクレオチドに合成する及び/若しくは組み入れるために、非常に安価且つ容易である。選択された配列は、更にいくつかの領域に分割されることができ、各々の領域のヌクレオシドは、キメラ配位の結果である修飾を増強するかが評価された。また、1若しくはそれ以上の末端ヌクレオシドに対してなされる多くの場合有利な修飾が5’及び3’−末端に与えられると考察された。本発明のオリゴマー化合物は、一本鎖の若しくは二本鎖配列或いは複数の配列の少なくとも1つの5’−位置の、少なくとも1つの5’−修飾リン酸基を含む。更なる修飾はまた、インターヌクレオシド連結、結合基、置換糖或いは塩基、ヌクレオシド擬態を有する1若しくはそれ以上のヌクレオシドの置換、及びその標的のために選択された配列を増強し得る他のいかなる修飾等をも考慮されている。
ホモ二本鎖核酸の立体構造配置を記載するために使用された用語は、RNA用の"A型"及びDNA用の"B型"である。RNA及びDNA二本鎖のためのそれぞれの立体構造の配置は、核酸性質のX線回折分析から決定された(Arnott and Hukins,Biochem.Biophys.Res.Comm.,1970,47,1504)。一般に、RNA:RNA二本鎖はより安定していて、DNA:DNA二本鎖より高い融解温度(Tm’s)を有する(Sanger et al.,Principles of Nucleic Acid Structure,1984,Springer−Verlag;New York,NY.;Lesnik et al.,Biochemistry,1995,34,10807−10815;Conte et al.,Nucleic Acids Res.,1997,25,2627−2634)。RNAの増加した安定性は、構造上のいくつかの特徴、最も特にA−型配置から生じる改良された塩基スタッキング相互作用に起因すると考えられている(Searle et al.,Nucleic Acids Res.,1993,21,2051−2056)。RNA中の2’ヒドロキシルの存在が、A−型配置を支持するための二本鎖をもたらすC3’末端パッカー、言い換えればノーザンパッカーの方へ糖にバイアスをかける。加えて、RNAの2’水酸基は、RNA二本鎖を安定させるのを助ける、水に媒介された水素結合のネットワークを形成することができる(Egli et al.,Biochemistry,1996,35,8489−8494)。一方、デオキシ核酸は、安定性の低いB−型配置を与えると考えられるC2’末端の糖パッカー、言い換えればサザンパッカーを好む(Sanger,W.(1984)Principles of Nucleic Acid Structure,Springer−Verlag,ニューヨーク州New York)。本明細書において使用されるB型配置は、C2’−末端パッカー及びO4’−末端パッカーの両者を含んでいる。これは、Berger,et.al.,Nucleic Acids Research,1998,26,2473−2480と矛盾せず、BergerはB−型二本鎖の起源を与える、フラノースの立体構造を考察する際に、考察はO4’−末端パッカーに寄与するであろうと指摘した。
しかし、DNA:RNAハイブリッド二本鎖は、純粋のRNA:RNA二本鎖より通常安定せず、それらの配列への依存はDNA:DNA二本鎖より安定していてもしていなくても良い(Searle et al.,Nucleic Acids Res.,1993,21,2051−2056)。ハイブリッド二本鎖の構造は、A−型及びB−型配置の間の中間体であり、それは結果として貧弱なスタッキング相互作用になる可能性がある(Lane et al.,Eur.J.Biochem.,1993,215,297−306;Fedoroff et al.,J.Mol.Biol.,1993,233,509−523;Gonzalez et al.,Biochemistry,1995,34,4969−4982;Horton et al.,J.Mol.Biol.,1996,264,521−533)。これらの機構が合成オリゴマー鎖のRNA標的鎖への結合を必要とするときに、標的RNA及び合成配列の間で形成される二本鎖の安定性は、アンチセンス及びRNA干渉等の治療が中心となるが、これに限定されるものではない。アンチセンスの場合、mRNAの効果的な阻害は、アンチセンスDNAがmRNAと非常に高い結合能を有することを必要とする。一方、合成オリゴマー鎖及び標的mRNA鎖間の所望の相互作用はまれに生じ、結果として効果を減少させる。
糖のパッキングを修正する1つの通常使用される方法は、糖配置に影響する置換基と2’−位置の糖との置換である。環立体構造への影響は、2’位置の置換基の性質に依存する。多くの異なる置換基は、それらの糖パッキングを決定するために研究されている。例えば、2’−ハロゲンは研究されて、2’フルオロ派生物がC3’末端型の最大の集団(65%)を呈し、2’ヨードは最小さい集団(7%)を呈すということを示している。アデノシン(2’OH)対デオキシアデノシン(2’H)の集団は、それぞれ36%及び19%である。更に、アデノシンダイマー(2’−デオキシ−2’−フルオロアデノシン−2’−デオキシ−2’−フルオロ−アデノシン)の2’−フルオロ基の効果は、積み重ねられた立体構造の安定化と更に相関している。
予想通り、相対的な二本鎖の安定性は、2’−F基と2’−OH基との置換によって増強されることができ、その結果C3’−末端の集団を増加させている。高極性の2’F結合及び極端にC3’末端パッキングを好むことは、A−型二本鎖中の積み重ねられた立体構造を安定させる可能性があると推測されている。UV淡色効果、円偏光二色性、及び1HのNMRのデータはまた、スタッキングの程度がハロ置換基の電気陰性度が減少するにつれて減少することを指し示す。更に、糖成分の2’位置の立体の大部分は、B−型二本鎖よりもA−型二本鎖中に適応する。従って、ジヌクレオシド一リン酸の3’末端の2’置換基は、スタッキング立体構造に多くの効果を与えると考えられる:立体反発、フラノースパッキング選好、静電反発力、疎水性引力、及び水素結合形成能力。これらの置換基効果は、分子の大きさ、電気陰性度、及び置換基の疎水性によって決定されると考えられる。相補鎖の融解温度はまた、2’が置換したアデノシン二リン酸とともに増加される。立体構造の3’末端選好若しくは置換基の存在は、増加した結合に関与する。しかし、隣接した塩基(スタッキング)の、より大きな重なりは、3’末端立体構造によって達成され得る。
増加したヌクレアーゼ耐性及びヌクレオチドへの非常に高い結合能を与える1つの合成2’−修飾は、2−メトキシエトキシ(2’−MOE(2’−OCH2CH2OCH3))側鎖である(Baker et al.,J.Biol.Chem.,1997,272,11944−12000)。2’−MOE置換の即効性の利点のうちの1つは、O−メチル、O−プロピル、及びO−アミノプロピル等の多くの同様の2’修飾より大きい結合能の改善である。2’−O−メトキシエチル置換基を有するオリゴマーはまた、インビボでの使用に有望な特徴を有する遺伝子発現のアンチセンスインヒビダーであることが示されている(Martin,P.,Helv.Chim.Acta,1995,78,486−504;Altmann et al.,Chimia,1996,50,168−176;Altmann et al.,Biochem.Soc.Trans.,1996,24,630−637;及びAltmann et al.,Nucleosides Nucleotides,1997,16,917−926)。DNAと比較して、2’−MOE修飾を有するオリゴマーは、改善されたRNA親和性及びより高いヌクレアーゼ耐性を示した。ウイングヌクレオシドの2’−MOE置換基及びデオキシ−ホスホロチオエートヌクレオチドの内部領域(また、ギャップオリゴマー若しくはギャップマーとも呼ばれる)を有するキメラオリゴマーは、低薬量で、動物モデルの腫瘍の成長の効果的な減少を示した。2’−MOE置換されたオリゴマーはまた、いくつかの疾病状態においてアンチセンス薬剤としての顕著な見込みを示している。そのようなMOE置換されたオリゴマーの1つは、CMV網膜炎の治療のための臨床試験において、現在調査されている。
2’−O−メトキシエチルのより高いRNA親和性をより理解するため、及び2’−O−メトキシエチル置換基の立体構造の特性を調べるために、2つの十二量体オリゴヌクレオチドは、配列ID番号1(CGC GAA UUC GCG)及び配列ID番号2(GCG CUU AAG CGC)を有するように合成された。これらの自己相補性鎖は、2’−O−メトキシエチルによって修飾される全ての2’−位置を有する。二本鎖は1.7オングストロームの分解能で結晶化され、結晶構造は決定された。結晶化に使用された条件は、2mMのオリゴヌクレオチド、50mMのNa Hepes pH6.2〜7.5、10.50mMのMgCl、15%のPEG400であった。結晶データは、空間群C2、セル定数a=41.2Å、b=34.4Å、c=46.6Å、=92.4°を示した。分解能は、−170℃で1.7Åであった。電流R=因子は、20%(Rfree26%)であった。
この結晶構造は、十分に修飾されたRNAオリゴヌクレオチド類似体の最初の結晶構造であると信じられている。二本鎖は、全A−型立体構造及びC3’−末端パッカーを示す全ての修飾された糖をとる。下記の構造式IIにて図示するように、エチレングリコールリンカーの大部分の2’−O−置換基、A’−B’結合の周囲のねじれ角は、ゴーシュ配座を有する。2’−MOEでは、下記の構造式IIのA’及びB’はMOEのエチル部位のメチレン部分であり、R’はメトキシ部位である。
Figure 2012180358
結晶において、結晶学上の2層の回転軸が分子の2折層の回転軸と一致しないように、2’−MOE RNA二本鎖は一般的な配向性をとる。二本鎖は予想されるA−型配置をとり、24の2’−MOE置換基の全ては十分な分解能での電子密度図で見られた。置換基原子の温度要因と同様に電子密度図は、一部の例において2’−MOE置換基の屈曲性を指し示す。
大部分の2’−MOE置換基は、エチルリンカーのC−C結合の周りでゴーシュ配座を示す。しかし、2つの例において、C−C結合の周りのトランス立体構造が観察される。結晶の格子相互作用は、それらの副溝を互いに介して二本鎖のパッキングを含む。従って、一部の残基では、2’−O−置換基の立体構造は、隣接した二本鎖に接触することによって影響を受ける。一般に、置換基の立体構造の変化(例えば、C−C結合の周りのg若しくはg)は、両方の鎖間で、副溝を交差して、及び鎖内での相互作用の範囲を作り出す。1つの位置では、2つの残基からの置換基の原子は、副溝を横切ったファン・デル・ワールス接触においてある。同様に、密接な接触は、2つの隣接した鎖内残基からの置換基の原子の間で起こる。
A−DNA二本鎖の以前に決定された結晶構造は、単離された2’−O−メチルT残基を結合した構造のためにあった。2’−MOE置換基のための上記の結晶構造において、保存された水和の傾向は、2’−MOE残基で観察されている。単一の水分子は、O2’、O3’、及びメトキシ酸素原子の間に位置することが観察され、3つ全てが2.9及び3.4Åの間の接触を形成している。加えて、置換基の酸素原子は、他のいくつかの水素結合接触に関係している。例えば、特定の2’−O−置換基のメトキシ酸素原子は、架橋水分子を介した逆鎖からのアデノシンのN3への水素結合を形成する。
いくつかの場合において、水分子は、修飾されたヌクレオシドの酸素原子O2’、O3’、及びOC’の間で捕捉される。エチレングリコールリンカーのC−C結合の周りのトランス配座を有する2’−MOE置換基は、OC’と逆鎖からのグアノシンのN2との間の近い接触、及びOC’とN3(G)との間の水媒介に関連される。2’−MOEの修飾された鎖を含んでいる二本鎖に利用できる熱力学データを組み合わせると、この結晶構造は、他の修飾のさらに詳細な構造−安定性の分析を可能にする。
結晶学上の構造研究を拡張する際に、分子モデリング実験は、2’−O−修飾を有するオリゴヌクレオチドの更に増強された結合能を研究するために実行された。コンピュータシミュレーションは、オリゴヌクレオチドの各々のヌクレオシドに位置する2’−O−修飾を有する上記配列ID番号1の化合物で実施された。シミュレーションは、AMBER力場法を使用して水溶液中のオリゴヌクレオチドで実行された(Cornell et al.,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,5179−5197)(modeling software package from UCSF,カリフォルニア州San Francisco)。計算は、Indigo2 SGI機で実行された(Silicon Graphics,カリフォルニア州Mountain View)。
更に、3’−末端糖作用を有する2’−O−修飾は、構造式IIのA’及びB’原子に対応する2つの原子部分を組み入れる環構造を有する修飾を含む。環構造は、オリゴヌクレオチドに組み込まれる1若しくはそれ以上のヌクレオシドの糖部分の2’位置に結合される。ヌクレオシドの2’−酸素は、構造式IIのA’原子に対応する炭素原子に連結する。これらの環構造は、脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、若しくは複素環式であることができる。環の更なる原子(構造式IIのB’原子に対応する原子)は、更なる酸素原子若しくは硫黄或いは窒素原子を持つ。この酸素、硫黄若しくは窒素原子は、1若しくはそれ以上の水素原子、アルキル部分或いはハロアルキル部分に結合され、若しくはウレイド、カルバミン酸塩、アミド或いはアミジン部分等の更なる化学的部分の一部である。前記環構造の残部は、これらの2つの環原子を接合する結合についての回転を制限する。更なる原子のような"更なる酸素、硫黄若しくは窒素原子"(上記のR位置の部分)に位置する際のこの補助は、前記ヌクレオシドの3’−酸素原子(O3’)に近接近して位置され得る。
3’−末端糖の配座配置を与える好ましい他の2’−糖置換基は、2’−OMe基である。2’−OMe基を有するグアノシン、シチジン、及びウリジンジヌクレオシドリン酸の2’−置換は、前記糖がC3’−末端配座をとるという結論を導く対応する天然(2’−OH)種に関して、増強されたスタッキング効果を示した。この場合、メチル基の疎水性の引力がその立体の大部分の不安定化効果を打開する傾向があると信じられている。
それらの相補的な標的鎖に結合するオリゴヌクレオチドの能力は、前記オリゴヌクレオチド及びその相補的な鎖のハイブリダイゼーション複合体の融解温度(Tm)を決定することによって比較される。二重螺旋の特徴的な物理的性特性である前記融解温度(Tm)は、50%の螺旋(ハイブリダイズされている)対コイル(ハイブリダイズされていない)の形状が存在する温度(摂氏度)を示す。Tmは、ハイブリダイゼーション複合体の形成及び分解(融解)を決定するUVスペクトルを使用することによって測定される。ハイブリダイゼーションの間に起こる塩基スタッキングは、UV吸収(淡色効果)の減少に附随して起こる。従って、UV吸収の減少は、より高いTmを指し示す。より高いTmは、鎖間の結合のより強い強度を指し示す。
Freier and Altmann,Nucleic Acids Research,(1997)25:4429−4443は、以前に有する標的RNAとのそれらの二本鎖の安定性上のオリゴヌクレオチドの構造修飾の作用の研究を以前に公開している。この研究において、著者は、合成され、及びそれらのハイブリダイゼーションの親和性及びTmを査定された200以上の異なる修飾を含む一連のオリゴヌクレオチドを再調査した。研究された糖修飾は、前記糖の2’−位置の置換、3’−置換、4’−酸素の置換、二環式糖の使用、四員環置換を含んだ。いくつかの核酸塩基修飾はまた、チミンの5若しくは6位置の置換、ピリミジンヘテロ環の修飾、及びプリンヘテロ環の修飾を含んで研究されている。修飾インターヌクレオシド連結はまた、インターヌクレオシド連結を含む中性、リン、及び非リンを含んで研究された。
RNA標的鎖に標的される修飾されたオリゴヌクレオチド中のC3’−末端糖の割合を増加することは、RNAに結合するこの鎖を事前に組織化しなければならない。文献において報告及び研究されているいくつかの糖修飾のうち、2’−フルオロ若しくは2’−アルコキシ等の電気陰性置換基の組み入れは、3’末端(ノーザン)パッカー配座の方向に糖配座を移動させる。A−型の配座配置を有するために、これは、このような修飾を組み入れるオリゴヌクレオチドを事前に組織化する。このA−型配座は、標的RNA鎖への、オリゴヌクレオチドの増加した結合能を結果としてもたらしている。
分子のモデリング実験は、2’−O−修飾を有するオリゴヌクレオチドの更に増強された結合能を研究するために行われた。コンピュータシミュレーションは、オリゴヌクレオチドの各々のヌクレオシドに位置する本発明の2’−O−修飾を有している配列ID番号1、r(CGC GAA UUC GCG)を有する化合物で行われた。前記シミュレーションは、AMBER力場法を使用して、水溶液中のオリゴヌクレオチドで実行された(Cornell et al.,J.Am.Chem.Soc.,1995,117,5179−5197)(modeling software package from UCSF,カリフォルニア州San Francisco)。計算は、Indigo2 SGI機で実行された(Silicon Graphics,カリフォルニア州Mountain View)。
加えて、エチレングリコールモチーフを含んでいる2’−置換基では、側鎖のO−C−C−Oねじれの周りの酸素原子間のゴーシュ相互作用は、二本鎖への安定化効果を有する可能性がある(Freier同上)。このようなゴーシュ相互作用は、何年もの間、実験的に観察されている(Wolfe et al.,Acc.Chem.Res.,1972,5,102;Abe et al.,J.Am.Chem.Soc.,1976,98,468)。このゴーシュ効果は、二本鎖形成に好都合である側鎖の配位に結果としてなる可能性がある。この安定化配位の正確な性質は、まだ説明されていない。我々が理論によって結ばれたくないと共に、アルキル側鎖で見られる、よりランダムな分布よりも、単一のゴーシュ配位中でO−C−C−Oねじれを保つことは、二本鎖形成にエントロピー効果を提供する。
結果として生じる二本鎖にA−型配座の特性(3’−末端)を与える本発明に従う代表的な2’−置換基は、2’−O−アルキル、2’−O−置換アルキル、及び2’−フルオロ置換基を含む。好ましい置換基は、様々なアルキル及びアリールエーテル及びチオエーテル、アミン、及びモノアルキル、及びジアルキル置換アミンである。複数の修飾が、1若しくはそれ以上の単量体サブユニット(ヌクレオシドは、好ましい)の複数の部位での本発明の1若しくはそれ以上のオリゴマー化合物、及び若しくはこれに限られるものではないが、選択された適用における活性等の特性を増強するためのインターヌクレオシド連結に作られ得ることを更に意図している。表IからVIIは、RNA相補体にハイブリダイズされたDNA鎖に、修飾/置換が作られたときの修飾につき、正数の∈Tmを与えることを示しているヌクレオシド及びインターヌクレオチド連結修飾/置換を一覧にしている。
表I
RNA相補体に対してTmの全体的な増加を与える2’−置換基を有する修飾されたDNA鎖:
Figure 2012180358
※これらの修飾は、オリゴヌクレオチドのTmを増加させることができるだけでなく、また位置及び数(モチーフ依存)に依存してTmを減少させることができる。
表II
RNA相補体に対してTmの全体的な増加を与える修飾された糖環(構造xを参照)を有する修飾されたDNA鎖:
Figure 2012180358
注釈:一般に、硫黄若しくはメチレンとの環酸素置換は、特異的なモチーフのためのTmに対する軽微な影響だけが研究されている。前記二本鎖を安定させることを示す基との2’−位置での置換は、CHが環Oを置換したときに不安定されている。これは、特定の2’−置換基(例えば、−O−CH及び−(O−CHCH−O−CH)を有する環Oの間の必要なゴーシュ相互作用によると考えられる。
表III
RNA相補体に対してTmの全体的な増加を与える修飾された糖環を有する修飾されたDNA鎖:
Figure 2012180358
※これらの修飾は、オリゴヌクレオチドのTmを増加させることができるだけでなく、また位置及び数(モチーフ依存)に依存してTmを減少させることができる。
表IV
糖修飾がRNA相補体に対してTmの全体的な増加を与える二環式の置換糖修飾を有する修飾されたDNA鎖:
Figure 2012180358
表V
RNA相補体に対してTmの全体的な増加を与える修飾された複素環塩基部分を有する修飾されたDNA鎖:
Figure 2012180358
※これらの修飾は、オリゴヌクレオチドのTmを増加させることができるだけでなく、また位置及び数(モチーフ依存)に依存してTmを減少させることができる。
での置換は安定化されることができ、Rでの置換は一般に非常に不安定化され(アンチコンホーメーションを形成することができない)、安定化5及び2’−置換基を有するモチーフは、一般に追加物、例えば安定増加である。
2’−O−メチルウリジンのO4及びO2位置の置換は、これらの修飾が期待される結果となる水素結合部位を除去するときに、非常に不安定な二本鎖である。6−アザTはまた、この置換がpKaを減少させ、エノール互変異性体の方へヌクレオシドを移すときに、極度の不安定さを示し、結果として水素結合を削減している。
表VI
インターヌクレオシド連結を含む少なくとも1つの修飾されたリン、及びRNA相補体に対するTmへの影響を有するDNA鎖:
Figure 2012180358
表VII
インターヌクレオシド連結を含む少なくとも1つの非リン、及びRNA相補体に対するTmへの影響を有するDNA鎖:
Figure 2012180358
※これらの修飾は、オリゴヌクレオチドのTmを増加させることができるだけでなく、また位置及び数(モチーフ依存)に依存してTmを減少させることができる。
注釈:一般に、炭素連鎖インターヌクレオチド連結は、二本鎖形成を不安定にしていた。二重及び三重結合が使用されるとき、この不安定化は重度ではなかった。グリコール及び柔軟性エーテル連結の使用はまた、不安定にしていた。
2’−O修飾を包含する本発明の好ましい環構造は、シクロヘキシル、シクロペンチル、及びフェニル環と類似した空間の痕跡を有する複素環式環と同様に、シクロヘキシル、シクロペンチル、及びフェニル環を含む。本発明の特に好ましい2’−O−置換基は、2’−O−(トランス2−メトキシシクロヘキシル)、2’−O−(トランス2−メトキシシクロペンチル)、2’−O−(トランス2−ウレイドシクロヘキシル)、及び2’−O−(トランス2−メトキシフェニル)を含むが、これに限定されるものではない。
3’−末端糖配座を有すると予想される修飾された一部のヌクレオシドの実施例は、下記の表Iに示されている。これらの実施例は、代表的なものであり、包括的なものではない。
Figure 2012180358
DNA:RNAハイブリッドの全体的な安定性が、配列−依存性及びDNA若しくはRNA鎖のプリン含量を含むいくつかの要因に依存するにもかかわらず、DNA:RNAハイブリッドは、通常RNA:RNA二本鎖より安定してなく、場合によっては、DNA:DNA二本鎖より安定していることさえない。利用可能な実験データは、DNA:DNA(B−ファミリー)及びRNA:RNA(A−ファミリー)二本鎖の間の、主に、その中間体の配座の性質に対するDNA:RNAハイブリッドの比較的低下された安定性に起因すると考えられている。核酸二本鎖の全体的な熱力学的安定性は、主鎖、塩基対合、及びスタッキング相互作用の配座を含むいくつかの要因から生じる可能性がある。前記二本鎖の全体的な安定化に対する個々の熱力学的貢献を確認することは困難ではあるが、ハイブリッド二本鎖の増加した安定性を促進する主要な要因が、水和にとって、より良いスタッキング相互作用(静電−相互作用)、及びより有益な溝特質であると論じることは妥当である。C2’−Sメチル置換は、ハイブリッド二本鎖を不安定にすることを示している。3つのハイブリッドの間での上昇値の顕著な相違は、一部の説明を提供する可能性がある。2’−S−メチル基は、高い上昇値(〜3.2Å)による塩基−スタッキングを減少させることに対して強い影響を有するが、一方で2’−O−メチル基は、A−型二本鎖の上昇値(〜2.6Å)に等しい上昇値によって、よりコンパクトな全体構造を作る。その全体的にAのような構造の特徴にもかかわらず、SMe_DNA:RNAハイブリッド構造は、B−ファミリー二本鎖の平均上昇値に極めて近い、平均上昇値3.2Åを所有する。実際、一部の局所塩基−ステップ(CGステップ)は、異常に高い上昇値(4.5Åと同程度に高い)を有することが観察される可能性がある。従って、2’−S−メチルによって置換されたDNA:RNAハイブリッドの、より大きな不安定さは、貧弱なスタッキング相互作用に起因すると一部考えられるかもしれない。
化学定義
本明細書において他に定義されない限り、アルキル基は、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖又は(可能であれば)分枝鎖の脂肪族ヒドロカルビル基を意味する。
本明細書において他に定義されない限り、ヘテロアルキル基は、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの直鎖又は(可能であれば)分枝鎖の脂肪族ヒドロカルビル基を意味し、少なくとも1つ、好ましくは約1〜約3個のヘテロ原子をこの鎖に含み、末端部分を鎖に含む。好ましいヘテロ原子は、N、O、及びSを含む。
本明細書において他に定義されない限り、シクロアルキル基は、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cの脂肪族ヒドロカルビル環を意味する。
本明細書において他に定義されない限り、アルケニル基は、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくはC〜Cのアルケニルを意味し、それは直鎖又は(可能であれば)分枝鎖のヒドロカルビル部分で良く、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む。
本明細書において他に定義されない限り、アルキニル基は、C〜C12、好ましくはC〜C、さらに好ましくC〜Cのアルキニルを意味し、それは直鎖又は(可能であれば)分枝鎖のヒドロカルビル部分であっても良く、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む。
本明細書において他に定義されない限り、ヘテロシクロアルキル基は、少なくとも3つの環員を含む環構造のものを意味し、その少なくとも1つは炭素であり、その1、2、又は3つの環員は炭素以外である。前記炭素原子数は1〜約12までの範囲が好ましく、好ましくは1〜約6であり、環員の総数は3〜約15まで変わり、約3〜約8までが好ましい。環の好ましいヘテロ原子は、N、O、及びSである。好ましいヘテロシクロアルキル基は、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモモルホリノ、ホモチオモルホリノ、ピローロジニル(pyrrolodinyl)、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、テトラヒドロピラゾリルを含む。
本明細書において他に定義されない限り、アリール基は、少なくとも1つのアリール環を含む任意の炭化水素環構造を意味する。好ましいアリール環は、約6〜約20の環炭素を含む。特に好ましいアリール環は、フェニル、ナフチニル、アントラセニル、及びフェナントレニルを含む。
本明細書において他に定義されない限り、ヘテロアリール基は、少なくとも1つの不飽和環を含む環状成分であり、その環は、前記が炭素原子と非炭素原子とから成る。前記環システムは約1〜約4つの環を含む。炭素原子数は、1〜約12までの範囲が好ましく、好ましくは1〜約6であり、環員の総数は、3〜約15まで変わり、約3〜約8までが好ましい。環の好ましいヘテロ原子は、N、O、及びSである。好ましいヘテロアリール基部分は、ピラゾリル、チオフェニル、ピリジル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンジミダゾリル、ベンゾチオフェニル等を含む。
本明細書において他に定義されない限り、ある部分が、例えばヘテロアリールアルキル(ヘテロアリール及びアルキル)、アラルキル(アリール及びアルキル)等のようにある部分が化合物部分として定義される場合、それぞれのサブ部分(sub−moieties)は本明細書において定義されたものである。
本明細書において他に定義されない限り、電子求引基は、シアノ基又はイソシアナト基等の、電荷を結合する炭素原子から引き離す基である。注目すべき他の電子求引性基は、電気陰性度が炭素の電気陰性度より大きいもの、例えば、ハロゲン基、ニトロ基、又は1若しくはそれ以上のシアノ基、イソチオシアナト基、ニトロ基、若しくはハロゲン基でオルト位又はパラ位置換されたフェニル基を含む。
本明細書において他に定義されない限り、ハロゲン及びハロという用語は、それらの通常の意味を有する。好ましいハロ(ハロゲン)置換基は、Cl、Br、及びIである。
前述の選択的置換基は、本明細書において他に定義されない限り、望ましい特性に依存した適切な置換基である。ハロゲン(Cl、Br、I)、アルキル、アルケニル、及アルキニル部分、NO、NH(置換された又は未置換の)、酸成分(例えば−COH、−OSO等)、ヘテロシクロアルキル部分、ヘテロアリール部分、アリール部分等が含まれる。
前述したすべての化学式における波線(〜)は、5’−リン酸塩の酸素又は硫黄への結合を示唆する。リン酸塩保護基は、米国特許第5、760、209号明細書、米国特許第5、614、621号明細書、米国特許第6、051、699号明細書、米国特許第6、020、475号明細書、米国特許第6、326、478号明細書、米国特許第6、169、177号明細書、米国特許第6、121、437号明細書、米国特許第6、465、628号明細書に記載されたものを含み、これらの開示はそれぞれ本明細書に全体として組み込まれるものである。
オリゴマー合成
修飾された及び非修飾のヌクレオシドのオリゴマー化は、DNAの文献上の方法(Protocols for Oligonucleotides and Analogs、Ed. Agrawal(1993),Humana Press)及び/又は必要に応じてRNA合成(Scaringe,Methods(2001),23、206−217,Gait et al.,Applications of Chemically synthesized RNA in RNA:Protein Interactions,Ed.Smith(1998),1−36.Gallo et al.,Tetrahedron(2001),57,5707−5713)に従って成される。さらに本発明のオリゴマー化合物を合成するためのの特別な手順が下記の実施例に図示されている。
本発明に従って使用されるオリゴマー化合物は、固相合成の既知技術により簡便且つ規定どおりに生成され得る。そのような合成装置は、例えば、Applied Biosystems(Foster City、カリフォルニア州)などの複数の製造元から販売されている。当業者に既知である、そのような合成に対する任意の他の方法が、追加的に又は代替的に使用される。ホスホロチオエート及びアルキル化誘導体等のオリゴヌクレオチドを調整する同様の技術の使用方法については既知である。
本発明はまた、少なくとも1つの2’−O−保護ヌクレオシドを取り込みオリゴマー化合物の調整にも有用である。取り込み更に適切な脱保護を行った後、2’−O−保護ヌクレオシドは、取り込み位置でリボヌクレオシドに変換される。最終オリゴマー化合物の2−リボヌクレオシド単位の数及び位置は、任意の位置で1から変わりえるものであるか、或いはこの方法は、完全な2’−OH修飾オリゴマー化合物となるまで調整するために使用され得る。オリゴマー化合物の合成に従った全ての2’−O−保護基が本発明において含まれる。一般に保護されたヌクレオシドは、例えばコハク酸塩のリンカーにより固体担持に結合される。その後このオリゴヌクレオチドは、5’−末端ヒドロキシル基の脱保護化、さらなるヌクレオシド単位のカップリング、キャッピング、及び酸化(代替的に硫化)の繰り返しサイクルにより延長される。より頻繁に使用される合成方法において、完成されたオリゴヌクレオチドは、アンモニア溶液を用いた処理によるリン酸塩保護基及び環外アミノ保護基の除去により、固体担持から切断される。その後さらなる脱保護処理が2’−ヒドロキシ基を保護するために使用されるより特定化された保護基を除去するのに通常必要とされ、それにより完全に脱保護化されたオリゴヌクレオチドが得られる。
多数の2’−O−保護基は、オリゴリボヌクレオチドの合成に使用されてきたが、効果的な基が発見するまでには何年もかかった。効果的な2’−O−保護基の要点は、2’−O位置に選択的に導入され得ること及び合成後望ましくない副生成物形成を伴わず簡単に除去され得ることにある。前記保護基はまた、オリゴヌクレオチド合成に必要な通常の脱保護、カップリング、及びキャッピング処理に非反応性であることを要する。当初、オリゴリボヌクレオチド合成に使用された保護基のいくつかは、テトラヒドロピラン−1−イル及び4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イルを含んでいた。これらの2つの保護基は、5’−O−保護基の全てと競合しない為、修飾された保護基は、例えば1−(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル(Fpmp)等の5’−DMT基と共に使用されていた。Reeseは、多くのピペリジン誘導体(Fpmp類似物)を特定し、それらは、1−[(クロロ−4−メチル)フェニル]−4’−メトキシピペリジン−4−イルを含むオリゴリボヌクレオチドの合成に有益であることを確認した(Reese et al.、Tetrahedron Lett.、1986、(27)、2291)。別の手法は、標準5’−DMT(ジメトキシトリチル)基を例えばレブリニル基及び9−フルオレニルメトキシカルボニル等の非酸性条件下で除去される保護基で置換することであった。そのような保護基によって、オリゴリボヌクレオチド合成における酸性不安定性2’−保護基の使用が可能になる。より広範囲で使用され、当初、オリゴリボヌクレオチドの合成に使用された保護基は、t−ブチルジメチルシリル基であった(Ogilvie et al.,Tetrahedron Lett.,1974,2861;Hakimelahi et al.,Tetrahedron Lett.,1981,(22),2543、及びJones et al.,J.Chem.Soc.Perkin I.,2762)。前記2’−O−保護基は、その除去に特殊な試薬を要するものであり、例えば、t−ブチルジメチルシリル基は、通常、他の切断/脱保護化処理全ての後で、オリゴマー化合物をフッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)で処理することにより除去される。
あるの研究者のグループは、多数の2’−O−保護基について試験した(Pitsch、S.、Chimia、2001、(55)、320−324)。このグループは、フッ化物不安定性及び光解離性保護基が穏やかな条件下で除去されることを見出した。試験された1つの光解離性保護基は、[2−(ニトロベンジル)オキシ]メチル(nbm)保護基であった(Schwartz et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1992、(2),1019)。分析された他の保護基は、構造的に関連したホルムアルデヒドアセタール誘導体の多数の2’−O−保護基を含んでいた。また2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(2’−O−CH−O−Si(iPr)、TOM)を含む2’−O−アルキル化ヌクレオシドホスホルアミダイトを調整するための多数の関連保護基が調整された。TOM基に対して直角に使用されるために調整したある2’−O−保護基は、2’−O−[(R)−1−(2−ニトロフェニル)エチルオキシ)メチル]((R)−mnbm))であった。
フッ化物不安定性5’−O−保護基(酸性不安定性ではない)及び酸性不安定性2’−O−保護基を使用するための別の手法が報告されている(Scaringe、Stephen A.、Methods、2001、(23)206−217)。多数の可能なシリルエーテルが5’−O−保護基のために試験され、多数のアセタール及びオルトエステルが2’−O−保護基のために試験された。保護計画で最良の結果をもたらしたものは、5’−O−シリルエーテル−2’−ACE(5’−O−ビス(トリメチルシロキシ)シクロドデシルオキシシリルエーテル(DOD)−2’−O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル)(ACE)であった。この手法は、RNA/DNA合成に通常使用されない異なる試薬を必要とする修飾ホスホアミダイトの合成方法を使用する。
多くの研究がオリゴリボヌクレオチドの合成に注目してきたが、現在商業的に使用されている主要なRNA合成手法は、5’−O−DMT−2’−O−t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、5’−O−DMT−2’−O−[1(2−フルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−4−イル](FPMP)、2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル(2’−O−CH−O−Si(iPr))(TOM)、5’−O−シリルエーテル−2’ACE(5’−O−ビス(トリメチルシルオキシ)シクロドデシロキシシリルエーテル(DOD)−2’−O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル(ACE)を含む。RNA製品を現在販売している主要な会社の一部のリストは、Pierce Nucleic Acid Technologies、Dharmacon Research Inc.、Ameri Biotechnologies Inc.、及びIntegrated DNA Technologies、Inc.を含む。その中の一社であるPrinceton Separationsは、特にTOM及びTBDMSの親和力によりカップリング回数を減少させると宣伝しているRNA合成活性化剤を製造している。そのような活性化剤は、本発明に従ったものである。
商業的なRNA合成に使用されている主要な基は、
TBDMS =5’−O−DMT−2’−O−t−ブチルジメチルシリル、
TOM =2’−O−[(トリイソプロピルシリル)オキシ]メチル、
DOD/ACE =5’−O−ビス(トリメチルシルオキシ)シクロドデシロキシシリ
ルエーテル−2’−O−ビス(2−アセトキシエトキシ)メチル
FPMP =5’−O−DMT−2’−O−[1(2−フルオロフェニル)−4
−メトキシピペリジン−4−イル]
である。
上述の全RNA合成手法は、本発明に従ったものである。例えばある手法から5’−保護基を用い、また別の手法から2’−O−保護基を用いるなど、上述の複合型手法もまた、本発明に従ったものである。
リボヌクレオチド、及び少なくとも1つの組み込まれたリボヌクレオシドを有するオリゴマー化合物の調整及びこれら二つの両極端の間で定まる可能な立体配置は、本発明により包含される。相当するオリゴマー化合物は、相補的領域を有するオリゴリボヌクレオチドを含むさらなるオリゴマー化合物とハイブリダイズされ、二重鎖(複製)オリゴマー化合物を形成する。そのような二重鎖オリゴヌクレオチド部分は、標的の発現を調節し、翻訳及びアンチセンス機構を通じたRNAプロセシングを制御することが当業者において示されている。さらに、二重鎖部分は、化学修飾を受けやすい可能性がある(Fire et al.、Nature、1998、391、806−811;Timmons and Fire、Nature 1998、395、854;Timmons et al.、Gene、2001、263、103−112;Tabara et al.、Science、1990、282、430−431;Montgomery et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1998、95、15502−15507;Tuschl et al.、Genes Dev.、1999、1、3191−3197;Elbashir et al.、Nature、2001、411、494−498;Elbashir et al.、Genes Dev.、2001、15、188−200)。例えば、そのような二重鎖部分は、標的に対する複製のアンチセンス鎖の古典的ハイブリダイゼーションにより標的を阻害し、それにより標的の酵素性崩壊を誘発することが示されている(Tijsterman et al.、Science、2002、295、649−697)。
本発明のオリゴマー化合物の調整方法はまた、創薬及び標的妥当性確認(validation)の領域で使用され得る。本発明は、タンパク質と病状、表現型、又は疾病と間に存在する関係を解明するための創薬の取り組みにおいて、本明細書において同定されたオリゴマー化合物及び好ましい標的を含む。これらの方法は、標的ペプチドの検出又は調節を含み、試料、組織、細胞、又は器官を本発明のオリゴマー化合物と接触させる工程、処理後ある時点において標的及び/又は関連した表現型の核酸又はタンパク質レベル又は化学指標を測定する工程、及び選択的に測定値を未処理の対照試料又は本発明のさらなるオリゴマー化合物で処理した試料と比較する工程を含む。これらの方法はまた、標的の妥当性を確認する方法に対して未知の遺伝子の機能を決定するため、又は特定の病気、病状、又は表現型を治療又は阻害するために標的としての特定遺伝子生成物の妥当性を決定するために、他の実験と並行して又は組み合わせて行わうことが可能である。
RNAi活性に対するヌクレオシド修飾の効果は、既存の文献(Elbashir et al.、Nature(2001)、411、494−498;Nishikura et al.、Cell(2001)、107、415−416;及びBass et al.、Cell(2000)、101、235−238)に従い評価される。
本発明の標的
アンチセンスオリゴマー化合物を特定の核酸分子に対して"標的化すること"は、本発明の文脈において多段階処理方法であり得る。この方法は、通常標的核酸でその機能が調節される核酸の特定に始まる。この標的核酸は、例えば、細胞遺伝子(又はその遺伝子から転写されるmRNA)であり、その表現型が特定の疾患又は病理性状態、又は感染剤からの核酸分子と結合する。
標的化方法はまた、アンチセンス相互作用する標的核酸内の少なくとも1つの標的領域、断片、又は部位の決定を通常含み、その相互作用では、望ましい効果、例えば発現の調節が得られる。本発明の範囲内において、"領域"という用語は、少なくとも1つの同定可能な構造、機能、特性を有する標的核酸の部位として定義される。標的核酸の領域内に断片がある。"断片"は、標的核酸内の領域の小さな部位又下位部位として定義される。本発明において使用される"部位"は、核酸内の位置として定義される。領域、断片、及び部位という用語はまた、本発明のオリゴマー化合物、例えば3つの分離した断片を持つギャップトオリゴマー化合物を記載するのに使用される。
翻訳開始コドンは、典型的に5’−AUG(転写されたmRNA分子において;対応するDNA分子の5’−AUG)であり、翻訳開始コドンはまた、"AUGコドン""開始コドン""AUG開始コドン"として言及される。少数の遺伝子は、5’−GUG、5’−UUG、又は5’−CUGを有する翻訳開始コドンを持ち、5’−AUA、5’−ACG、及び5’−CUGは生体内で機能することが示されている。このように、"翻訳開始コドン"及び"開始コドン"は、多くのコドン配列を含み、各場合において開始剤のアミノ酸は、典型的にメチオニン(真核生物)又はホルミルメチオニン(原核生物)である。当業者に既知の真核及び原核生物の遺伝子は2つ若しくはそれ以上の代替開始コドンを持つ可能性があり、特定の細胞タイプ又は組織、又は一連の特定条件下における翻訳開始に利用されることは当業者に既知のことである。本発明の文脈において、"開始コドン"及び "翻訳開始コドン"は、生体内で使用され、コドン配列とは無関係に核酸標的をエンコードする遺伝子から転写されたmRNAの翻訳を開始するコドン又は複数のコドンである。遺伝子の翻訳終止コドン(又は"停止コドン")は3つの配列の内の1つ、つまり、5’−UAA、5’−UAG、5’−UGA(対応するDNA配列は、それぞれ5’−TAA、5’−TAG、及び5’−TGAである)を持つ可能性があることも当業者に既知である。
"開始コドン領域"及び"翻訳開始コドン領域"という用語は、mRNA又は翻訳開始コドンから5’又は3’方向のいずれかに連続する約25〜約50のヌクレオチドを含む遺伝子の部位のことである。同様に、"停止コドン領域"及び"翻訳終止コドン領域"という用語は、mRNA又は翻訳終止コドンから5’又は3’方向のいずれかに連続する約25〜約50のヌクレオチドを含む遺伝子の部位のことである。結果的に、"開始コドン領域"(又は"翻訳開始コドン領域")及び"停止コドン領域"(又は"翻訳終止コドン領域")は、本発明のアンチセンスオリゴマー化合物で効果的に標的化された全領域である。
オープン・リーディング・フレーム(ORF)又は"コード領域"は、翻訳開始コドンと翻訳終止コドンとの間の領域に関することであることは当業者に既知であり、また効果的に標的化された領域である。本発明の文脈の範囲内において、好ましい領域は、遺伝子内の領域で遺伝子のオープン・リーディング・フレーム(ORF)の翻訳開始又は翻訳終止コドンを含む。
他の標的領域は、5’非翻訳領域(5’UTR)及び3’非翻訳領域(3’UTR)を含み、前記5’非翻訳領域は、翻訳開始コドンから5’方向のmRNAの部位として称されることは当業者に既知であり、従ってmRNAの5’キャップ部位と翻訳開始コドン(又は遺伝子上の対応するヌクレオチド)との間のヌクレオチドを含むものであり、前記3’非翻訳領域は、翻訳終止コドンから5’方向のmRNAの部位として称されることは当業者に既知であり、従ってmRNAの翻訳終止コドンと3’末端(又は遺伝子上の対応するヌクレオチド)との間のヌクレオチドを含むものである。前記mRNAの5’キャップ部位は、5’−5’トリホスフェート結合を通してmRNAの5’大部分の残基に結合したN7ーメチル化グアノシン残基を含む。前記mRNAの5’キャップ領域は、5’キャップ構造それ自体をこのキャップ部位に隣接する最初の50のヌクレオチドと同様に含むと考えられている。5’キャップ領域を標的化することがまた好まれる。
真核生物のmRNA転写の中には、直接翻訳されるものもあるが、多くは1つ若しくはそれ以上の"イントロン"として知られる転写物から翻訳前に切断される領域を含む。"エクソン"として知られる残りの領域(従って翻訳される)は、スプライスされ連続したmRNA配列を形成する。スプライス部位、すなわち、イントロン−エクソン接合又はエクソン−イントロン接合を標的化することはまた、異常スプライシングが病気の原因である状況又は特定のスプライス生成物の過剰生産が病気の原因である状況において、特に有益である。再配列又は欠損を原因とする異常融合接合はまた、好まれる標的部位である。異なる遺伝子源から2つ(若しくはそれ以上)のmRNAのスプライシング過程を通して生成されたmRNA転写物は、"融合転写物"として知られる。イントロンは、例えばDNA又はmRNA前駆体に対し標的化したアンチセンスオリゴマー化合物を使用することにより効果的に標的化され得ることもまた知られる。
別のRNA転写物がDNAの同一ゲノム領域から生産され得ることも当業者に既知である。この異種の転写物は、通常"変異体"として知られる。より具体的には、"mRNA前駆体変異体"は、同一ゲノムDNAから生産され、同一ゲノムDNAから生産される他の転写物と開始又は停止位置において異なり、イントロン領域及びエクソン領域の両方を含む転写物である。1若しくはそれ以上のエクソン又はイントロン領域、それら一部の切断において、mRNA前駆体変異体は、小型mRNAを生成する。結果として、mRNA変異体は、加工されたmRNA前駆体であり、特異的mRNA前駆体変異体各々は、スプライシングの結果として特異的mRNA変異体を常に生成しなければならない。これらのmRNA変異体はまた、"スプライス変異体代替物"として知られる。mRNA変異体のスプライシングが行われない場合、mRNA前駆体変異体は、mRNA前駆体と同一である。
翻訳を開始又は終止するために他のシグナルを使用して変異体が生成され得ること、及びmRNA前駆体及びmRNAが2以上の開始コドン又は終止コドンを持ち得ることは当業者に既知である。他の開始コドンを使用するmRNA前駆体又はmRNA由来の変異体は、mRNA前駆体又はmRNAの"開始変異体代替物"として知られる。他の終止コドンを使用するそれらの転写物は、mRNA前駆体又はmRNAの"終止変異体代替物"として知られる。他の終止変異体の1つの具体的なタイプは、"ポリA変異体"であり、そこにおいて生成される複数の転写物は、転写機構によって"ポリA終止シグナル"の1つを代替的に選択することによりもたらされ、従って固有のポリA部位において終わる転写物を生成する。本発明の範囲内である本明細書において記載された変異体のタイプはまた、好ましい核酸標的である。
好ましいアンチセンスオリゴマー化合物がハイブリダイズする標的核酸上の位置は、本明細書の下記に"好まれる標的断片"として言及される。本明細書において使用される"好ましい標的断片"という用語は、活性アンチセンスオリゴマー化合物の標的部位の少なくとも8−核酸塩基部位として定義される。理論に縛られることなく、これらの標的断片はハイブリダイゼーションのために標的核酸の接近可能な部位であると現在信じられている。
好ましいアンチセンスオリゴマー化合物の例は、例えば細胞遺伝子又は細胞遺伝子から転写されたmRNAなどの標的核酸の5’末端から少なくとも8つ連続する核酸塩基を含むオリゴマー化合物を含む(残りの核酸塩基は、同一のオリゴヌクレオチドの連続鎖で、特異的に標的核酸にハイブリダイズするアンチセンス化合物の5’末端の上流から直接始まり、このオリゴヌクレオチドが約8〜約80のヌクレオチドを含むまで続く)。同様に好ましいアンチセンスオリゴマー化合物は、オリゴヌクレオチド配列により表され、その配列は、図示した好ましいアンチセンス化合物の中の1つの3’末端から少なくとも8つの連続する核酸塩基を含むものである(残りの核酸塩基は、同一のオリゴヌクレオチドの連続的鎖で、特異的に標的核酸にハイブリダイズするアンチセンス化合物の3’末端の下流から直接始まり、このオリゴヌクレオチドが約8〜約80のヌクレオチドを含むまで続く)。本明細書において図示した好ましいアンチセンス化合物分野の当業者であれば、さらに好まれるアンチセンス化合物を特定できるであろう。
一旦1若しくはそれ以上の標的領域、断片、又は部位が特定されると、アンチセンスオリゴマー化合物は、選択され、この化合物は、標的に対し十分相補的で、すなわち、十分にハイブリダイズする且つ十分な特異性を持ち、望ましい効果を与える。
本発明の1実施形態に従うと、一連の好まれる核酸の組成物は、本発明のアンチセンスオリゴマー化合物を含み、二本鎖を形成し、それらの相補体は、特異的標的又は標的に合わせ設計され得る。鎖の末端は、1つ若しくはそれ以上の天然又は修飾された核酸を加え突出を形成する。二本鎖のセンス鎖は、アンチセンス鎖の相補鎖としてその後設計され、合成され、また末端の一方への修飾又は付加を含む。例えば、1つの実施例において、二本鎖の両方の鎖は、中心核酸塩基に対して相補的で、各々の鎖は片側の端又は両端において突出を持つ。
例えば、CGAGAGGCGGACGGGACCG配列を融資、2つの核酸塩基突出デオキシチミジン(dT)を有するアンチセンスオリゴマー化合物を含む二本鎖は、以下の構造を持つ。
Figure 2012180358
二本鎖のRNA鎖は、本明細書において開示された方法により合成されるか、又は例えばDharmacon Research Inc.(Lafayette、コロラド州)等の種々のRNA合成会社から入手可能である。一旦合成されると、相補鎖がアニーリングされる。一本鎖が一定量に分割され、50μM濃度に希釈される。一旦希釈されると、30μLの各鎖が15μLのアニーリング用緩衝液の5X溶液と混合される。緩衝液の最終濃度は、100mM酢酸カリウム、30mMHEPES−KOH、pH7.4、及び2mM酢酸マグネシウムである。最終容量は、75μLである。この溶液は、90℃で1分間インキュベートされ、その後15秒間遠心分離機にかけられる。チューブは、1時間37℃放置し、この時点でdsRNA二本鎖が実験で使用される。dsRNA化合物の最終濃度は20μMである。この溶液は、(−20℃で)凍結保存され、5回まで凍結融解され得る。
調整された時点において、所望の合成二本鎖の標的発現調節能を評価する。細胞が80%飽和状態に達した場合、それらは、本発明の少なくとも1つのオリゴマー化合物を含む合成された二本鎖と共に処理する。96ウェルのプレート中の細胞成長に関しては、ウェルを200μLのOPTI−MEM−1血清使用量低減培地(Gibco BRL)で洗浄し、その後130μLのOPTI−MEM−1で12μg/mLのLIPOFECTIN(Gibco BRL)を含むもので処理し、所望のdsRNA化合物が最終濃度200nMで得られる。5時間の処理後、培地を新しい培地に交換する。細胞は、処理後16時間後に回収し、その時点でRNAを単離し、標的の減少をRT−PCRにより測定した。
さらなる実施形態において、本明細書において特定される"好まれる標的断片"は、標的発現を調節する更なるオリゴマー化合物のスクリーンにおいて使用される。"モジュレータ"は、好ましい標的断片に相補的な少なくとも8−核酸塩基部位において含まれる標的をエンコードする核酸分子の発現を減少又は増加させるオリゴマー化合物である。スクリーニング方法は、標的をエンコードする核酸分子の好ましい標的断片を1若しくはそれ以上のモジュレータ候補と接触させる工程と、標的をエンコードする核酸分子の発現を増減させる1つ若しくはそれ以上のモジュレータ候補を選択する工程とを含む。一旦モジュレータ候補又はモジュレータが標的をエンコードする核酸分子発現を調節できることが示されると(例えば減少させるか又は増加させるかのどちらか)、前記モジュレータは、その後、標的機能をさらに調査的研究するために使用されるか、若しくは本発明に従って、研究、診断、又は治療基剤として使用される。
本発明の好ましい標的断片はまた、本発明の各相補的アンチセンスオリゴマー化合物と混合することが可能であり、安定したオリゴヌクレオチド(二本鎖)が形成される。
ハイブリダイゼーション
本発明の文中における"ハイブリダイゼーション"は、2つの配列が十分な塩基相補性である場合に生じ、二本鎖領域を形成する。この2つの配列源は、合成的なもの又は天然的なものであっても良く、一本鎖においてその鎖が自己相補的な領域を有する場合に生じる可能性がある。本発明において、対合の好ましいメカニズムは、ワトソン・クリック型、フーグスティーン型、又は逆フーグスティーン型の水素結合であって、相補的なヌクレオシド間又はオリゴマー化合物の鎖のヌクレオチド塩基間(核酸塩基)、又はオリゴマー化合物と標的核酸との間の水素結合が関与する。例えば、アデニン及びチミンは、水素結合の形成を通して対合する相補的核酸塩基である。ハイブリダイゼーションは、様々な条件で起こり得る。
アンチセンスオリゴマー化合物は、この化合物の標的核酸に対する結合が標的核酸の通常の機能に干渉する場合に特にハイブリダイズ可能であり、活性喪失を引き起こし、十分な相補性があり、アンチセンスオリゴマー化合物の非標的核酸配列への非特異的結合で特異的結合が望まれる条件下、すなわち生体内アッセイ又は治療の場合における生理学的な条件下及びアッセイが生体内アッセイでなされる条件下での非特異的結合を回避する。
本発明において、"厳密なハイブリダイゼーション条件"又は"厳密な条件"という語句は、本発明のオリゴマー化合物がその標的配列(しかしの最小数の他の配列)にハイブリダイズする条件のことである。厳密な条件は、配列依存性であり、異なる条件で変わり、本発明の文中における"厳密条件"は、オリゴマー化合物が標的配列にハイブリダイズする条件であり、オリゴマー化合物の性質及び組成によって決定され、アッセイにより調査される。
本明細書において使用される"相補的"は、2つの核酸塩基の正確な対合能力に言及するものであり、この2つの核酸塩基の位置には無関係である。例えば、オリゴマー化合物のある特定位置にある核酸が標的核酸の特定位置にある核酸と水素結合できる場合、標的核酸は、DNA、RNA、又はオリゴヌクレオチド分子であり、つまりオリゴヌクレオチドと標的核酸との間水素結合の位置は、相補的な位置だと考えられる。オリゴマー化合物及びさらなるDNA、RNA、又はオリゴヌクレオチド分子は、各分子における十分な数の相補的位置が互いに水素結合可能な核酸に占められる場合、互いに相補的である。このように、"特異的にハイブリダイズ可能な"及び"相補的"という用語は、十分な程度の正確な対合又は十分な数の核酸塩基に対する相補性があり安定で特異的結合がオリゴヌクレオチドと標的核酸との間に起こることを示唆するために使用される。
アンチセンスオリゴマー化合物配列がその標的核酸配列に対し特異的にハイブリダイズするためには100%相補的である必要はないということは、当業者に理解される。さらに、オリゴヌクレオチドは、1つ若しくはそれ以上の断片に対してハイブリダイズし、介在又は隣接断片は、ハイブリダイゼーション時に関与しない(例えば、ループ構造又はヘアピン構造)。本発明のアンチセンスオリゴマー化合物は標的核酸内の標的領域に対して少なくとも70%の配列相補性を含むことが好ましく、90%の配列相補性がより好ましく、標的とされる標的核酸配列内の標的領域に対する95%の配列相補性がさらに好まれる。例えば、アンチセンスオリゴマー化合物であってそのアンチセンスオリゴマー化合物の20個の核酸塩基中18個が標的領域に対して相補的であるアンチセンスオリゴマー化合物は、従って特異的にハイブリダイズし、90%の相補性を示す。本実施例において、残りの非相補的核酸塩基は、クラスター化されるているか、又は相補的核酸塩基と共に散在化し、お互いに又は相補的核酸塩基と隣接する必要はない。このように、アンチセンスオリゴマー化合物であって、標的核酸に対し完全に相補的な2つの領域が横にある4つの非相補的核酸塩基を有しする全長18個の核酸塩基を有するアンチセンスオリゴマー化合物は、標的核酸に対し全体的に77.8%の相補性があり、このように本発明の範囲内におさまるものである。アンチセンスオリゴマー化合物の標的核酸領域との相補性の百分率は、当業者に既知のBLASTプログラム(基礎的局所配列検索ツール)及びPowerBLASTプログラム(Altschul et al.、J.Mol.Biol.、1990、215、403−410;Zhang and Madden、Genome Res.、1997、7、649−656)を用いて簡易的に決定され得る。
スクリーニング及び標的保持
さらなる実施形態において、"好ましい標的断片"は、選択されたタンパク質の発現を調節するオリゴマー化合物追加のスクリーンにおいて使用される。"モジュレータ"は、標的断片に相補的な少なくとも8−核酸塩基部位において含まれるタンパク質をエンコードする核酸分子の発現を減少又は増加させるオリゴマー化合物である。スクリーニング方法は、タンパク質をエンコードする核酸分子の好まれる標的断片を1つ若しくはそれ以上のモジュレータ候補と接触させる工程と、タンパク質をエンコードする核酸分子の発現を増減させる1つ若しくはそれ以上のモジュレータ候補を選択する工程とを有する。一旦モジュレータ候補又はモジュレータがペプチドをエンコードする核酸分子発現を調節できること示されると(例えば減少させるか又は増加させるかのどちらか)、前記モジュレータは、その後ペプチドの機能のさらなる調査的研究において使用されるか若しくは本発明と共に研究、診断、又は治療基剤として使用される。
本発明の好ましい標的断片はまた、本発明の相補的なアンチセンスオリゴマーのそれぞれと結合し、安定した二本鎖オリゴヌクレオチドが形成される。そのような二本鎖オリゴヌクレオチド基は、アンチセンスメカニズムを通してRNAプロセッシングと共に標的発現を調節し翻訳を規制することが当業者に示されている。さらに、二本鎖部分は、化学修飾を受けやすい可能性がある(Fire et al.、Nature、1998、391、806−811;Timmons and Fire、Nature 1998、395、854;Timmons et al.、Gene、2001、263、103−112;Tabara et al.、Science、1998、282、)430−431;Montgomery et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、199895、15502−15507;Tuschl et al.、Genes Dev.、1999、13、3191−3197;Elbashir et al.、Nature、2001、411、494−498;Elbashir et al.、Genes Dev.2001、15、188−200)。例えば、そのような二本鎖部分は、標的に対する二本鎖アンチセンス鎖の古典的ハイブリダイゼーションにより標的を阻害し、従って標的の酵素性分解を引き起こすことが示されている(Tijsterman et al.、Science、2002、295、694−697)。
本発明のオリゴマー化合物を含む組成物はまた、創薬及び標的保持の分野において使用され得る。本発明は、創薬の試みにおいて本明細書で特定されるオリゴマー化合物及び好ましい標的の使用方法を含み、タンパク質と病状、表現型、又は条件との間に存在する関係を解明するものである。これらの方法は、標的ペプチドの検出又は調節する工程を含み、試料、組織、細胞、又は器官を本発明のオリゴマー化合物と接触させる工程と、処理後の標的及び/又は関連した表現型の核酸又はタンパク質レベル又は化学指標の測定をする工程と、選択的に測定値を未処理の対照試料又は本発明のさらなるオリゴマー化合物で処理された試料と比較する工程とを含む。これらの方法はまた、他の実験と並行して又は組み合わせて行うことが可能であり、未知の遺伝子の機能を決定するか、又は特定の遺伝子生成物の治療又は特定の病気、条件、又は表現型の阻害対象としての有効性を決定するものである。
RNAi活性に対するヌクレオシドの修飾効果は、文献(Elbashir et al.、Nature(2001)、411、494−498;Nishikura et al.、Cell(2001)、107、415−416;及びBass et al.、Cell(2000)、101、235−238)によって評価される。
キット、研究、試薬、診断、及び治療
本発明のオリゴマー化合物の組成物は、診断、治療、及び予防用に並びに研究試薬及びキットとして利用され得る。さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、強力な特異性で遺伝子発現を阻害することが可能であり、特定の機能を解明又は数々の生物学的経路の機能を見分けるために、しばしば当業者において使用されるものである。
キット及び診断における使用に関し、本発明の組成物は、単独、又は他のオリゴマー化合物又は治療剤との組み合わせにより微分解析及び/又は組み合わせ解析のツールとして使用されることが可能であり、ある部位の発現パターン、又は細胞及び組織内で発現される遺伝子の全相補体の解明をするものである。1つの限定されない例として、1つ若しくはそれ以上のアンチセンスオリゴマー化合物で処理した細胞又は組織内での発現パターンは、処理のなされていない対照細胞又は組織と比較され、生成されたパターンは、例えば、調べられる遺伝子の疾病関連性、情報伝達系、細胞局在、発現レベル、サイズ、構造、又は機能に関連するため遺伝子発現の微小差異レベルの分析がなされる。これらの分析は、刺激された又は刺激されない細胞に対して行われ得、発現パターンに影響する他の化合物及び/又はオリゴマー化合物の存在下又は非存在下で行われ得る。
当業者に既知の遺伝子発現分析方法の例は、DNAアレイ又はミクロアレイを含む(Brazma and Vilo、FEBS Lett.、2000、480、17−24;Celis、et al.、FEBS Lett.、2000、480、2−16)、SAGE(serial analysis of gene expression)(Madden、et al.、Drug Discov.Today、2000、5、415−425)、READS(restriction enzyme amplification of digested cDNAs)(Prashar and Weissman、Methods Enzymol.、1999、303、258−72)、TOGA(total gene ezpression analysis)(Sutcliffe、et al.、FEBS Lett.、2000、480、2−16;Jungblut、et al.、Electrophoresis、1999、20、2100−10)、発現配列タグ(EST)配列(Celis、et al.、FEBS Lett.、2000、480、2−16;Larsson、et al.、J.Biothechnol.、2000、80、143−57)、減法RNAフィンガープリント法(SuRF)(Fuchs、et al.、J.Cell Biochem.Suppl.、1998、31、286、91−98;Larson、et l.、Cytometry、2000、41、203−208)、減法クローニング、ディファレンシャル・ディスプレイ(Jurecic and Belmont、Curr.Opin.Microbiol.、2000、3、316−21)、比較ゲノムハイブリダイゼーション(Carulli、et al.、J.Cell Biochem.Suppl.、1998、31、286−96)、FISH(fluorescent in situ hybridization)テクニック(Going and Gusterson、Eur.J.Cancer、1999、35、1895−904)、及び質量分析法(To、Chem.High Throughput Screen、2000、3、235−41)。
本発明の組成物は、組成物中のオリゴマー化合物がタンパク質をエンコードする核酸にハイブリダイズするため、ある意味においては研究及び診断に有益である。例えば、有効なタンパク質阻害剤として本明細書において開示される有効性及び条件下でハイブリダイズすることが示されたオリゴヌクレオチドはまた、遺伝子増幅又は検出それぞれのための条件下で有効なプライマー又はプローブである。これらのプライマー及びプローブは、タンパク質をエンコードする核酸分子の特異的検出方法及び検出のため又はさらなる研究での使用のための核酸分子の増幅又において有益である。本発明の核酸を有するアンチセンスオリゴヌクレオチド、特にプライマー及びプローブのハイブリダイゼーションは、当業者に既知の手段により検出され得る。そのような手段は、酵素のオリゴヌクレオチドへの結合、オリゴヌクレオチドの放射標識、又は任意の他の検出手段を含む。そのような検出手段で試料中の選択されたタンパク質レベルを検出する手段を使用するキットもまた、準備される。
アンチセンス方法の特異性及び選択性はまた、治療的使用のために当業者により利用される。アンチセンスオリゴマー化合物は、ヒトを含む動物の病状の治療における治療成分として使用されている。リボザイムを含むアンチセンスオリゴヌクレオチド薬は、安全に且つ効果的にヒトに投与され、数多くの臨床試験が現在行われている。アンチセンスオリゴマー化合物が有益な治療用モダリティで細胞、組織、及び動物、特にヒトの治療型(レジメ)において利用されるように構成されている有用な治療的モダリティーであるように確立されている。
治療に関し、疾病又は疾患があると疑われる動物、好ましくはヒトは、その疾病又は疾患が選択されたタンパク質の発現を調節することにより治療され得る場合、本発明と共に本発明の組成物を投与することにより治療される。例えば、非限定的な1実施例において、この方法は、治療的有効量のタンパク質阻害剤を治療の必要に応じて動物に投与する処置を含む。本発明のタンパク質阻害剤は、タンパク質の活性を阻害する或いはタンパク質の発現を効果的に阻害する。一実施形態において、動物におけるタンパク質の活性又は発現は、約10%阻害される。動物におけるタンパク質の活性又は発現は、約30%阻害されるのが好ましい。動物におけるタンパク質の活性又は発現は、約50%若しくはそれ以上阻害されるのがさらに好ましい。
例えば、タンパク質の発現減少は、動物の血清、脂肪組織、又は肝臓若しくは任意の体液、組織、又は器官において測定される。分析中の体液、組織、又は器官内に含まれる細胞は、タンパク質をエンコードする核酸分子及び/又はタンパク質それ自体を含む。
本発明の組成物は、適切な薬学的に許容可能な希釈剤又は担体に有効量を加えることにより薬学的組成物において利用され得る。本発明の組成物及び方法の使用は、また予防的に有益である。
製剤
本発明の組成物はまた、混合され、カプセル化され、結合されるか、或いは他の分子、分子構造、又は、例えば、リポソーム、受容体標的化分子、経口性、直腸性、局所性、又は他の製剤などの化合物の混合物と結合され、摂取、分配、及び/又は吸収を助ける。代表的な米国特許でそのような摂取、分配、及び/又は吸収補助製剤の調製を教示しており、それらは、これらに限定されないが、米国特許第5,108,921号、第5,354,844号、第5,416,016号、第5,459,127号、第5,521,291号、第5,543,158号、第5,547,932号、第5,583,020号、第5,591,721号、第4,426,330号、第4,534,899号、第5,013,556号、第5,108,921号、第5,213,804号、第5,227,170号、第5,264,221号、第5,356,633号、第5,395,619号、第5,416,016号、第5,417,978号、第5,462,854号、第5,469,854号、第5,512,295号、第5,527,528号、第5,534,259号、第5,543,152号、第5,556,948号、第5,580,575号、及び第5,595,756号明細書を含み、これらの各々はこの参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物は、任意の薬学的に許容な塩、エステル、そのようなエステルの塩、任意の他の化合物の塩をヒトを含む動物に投与することを含み、生物学的に活性な代謝産物またはその残渣を提供することが(直接又は間接的に)可能である。従って、例えば、この開示はまた、本発明の組成物のプロドラッグ及び薬学的に許容可能な塩、そのようなプロドラッグの薬学的に許容な塩、並びに他の生物学的同等物に関する。"プロドラッグ"という用語は、非活性な形態に調整され、体内又はその細胞内において内因性酵素又は他の化学薬品、及び/又は条件の作用により活性な形態(すなわち薬物)に変換される治療剤を示すものである。特に、本発明のオリゴヌクレオチドのプロドッグバージョンは、Gosselinらによる1993年12月9日出願国際公報第93/24510号明細書、又はImbachらによる国際公報第94/26764号明細書及び米国特許第5、770、713号明細書において開示された方法に従って、SATE[(S−アセチル−2−チオエチル)リン酸塩]誘導体として調整される。
"薬学的に許容な塩"という用語は、本発明のオリゴマー化合物の生理学的及び薬学的に許容な塩に言及するものであり、すなわち、親化合物の所望の生物活性を維持し、望ましくない毒物効果を与えない塩に言及する。オリゴヌクレオチドに関し、薬学的に許容な塩及びその使用方法の好まれる実施例は、さらに米国特許第6,287,860号明細書に記載され、この開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。
本発明はまた、本発明の組成物を含む薬学的組成物及び製剤を含む。本発明の薬学的組成物は、数多くの方法により投与され、局所治療又は全身治療が望まれるのかどうか及び治療部位に依存する。投与は、局所的であっても良く(眼性、及び膣性及び直腸性送達を含む粘膜を含む)、肺性(例えば、粉末又はエアロゾールの吸入又は吹送になされるもの、噴霧器によるのを含む)、気管内、鼻腔内、表皮性、及び経皮性、経口性又は非経口性であっても良い。非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、又は筋肉内注射若しくは注入を含み、或いは例えば髄腔内又は脳室内などの頭蓋内投与を含む。少なくとも1つの2’−O−メトキシエチル修飾を有するオリゴヌクレオチドは、経口投与に特に有益であると考えられる。局所投与用の薬学的組成物及び製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、及び粉末を含む。従来の薬学的担体、水性、粉末及び油性基剤、増粘剤、及び同類のものは、必要であるか、あるいは望ましい。被覆コンドーム、グローブ等もまた有益であっても良い。
本発明の薬学的製剤は、簡便に投与単位形態で表されるものであり、医薬品工業において既知の従来技術に従って調整される。そのような技術は、有効成分を薬学的担体又は賦形剤と結合させる工程を含む。一般的に、前記製剤は、有効成分を液体担体又は粉砕された固体担体若しくはその両方と均質且つ密接に結合させることにより調整され、その後必要であれば、製品の成形を行う。
本発明の組成物はこれらに限定されないが、タブレット、カプセル、ゲルカプセル、液体シロップ、ソフトゲル、坐薬、及び浣腸等の任意の可能な多数投与形態に成型される。本発明の組成物はまた、水性、非水性、又は混合媒体中において懸濁物として成型される。懸濁水溶液は、さらに、その物質は例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストランを含む懸濁液の粘性を増大させる物質を含む。懸濁物はまた、安定剤を含むものであっても良い。
本発明の薬学的組成物は、これらに限定されるものではないが、溶液、エマルジョン、発泡体、及びリポソームを含有する製剤を含む。本発明の薬学的組成物及び製剤は、1つ以上の浸透促進剤、担体、賦形剤又は他の有効成分か非有効成分を含む。エマルジョンは、通常直径0.1μmを超える液滴状で他方の液体に分散した液体の典型的異相系である。エマルジョンは、分散相及び有効医薬品に加え、追加成分を含むこともあり、水相又は油相の一方における溶液若しくはそれ自体で分離した相として存在する。ミクロエマルジョンは、本発明の実施形態として含まれる。エマルジョン及びその使用方法は当業者に既知であり、更に米国特許第6、287、860号明細書に記載されており、この開示は本明細書に完全に組み込まれる。
本発明の製剤は、リポソーム製剤を含む。本発明において使用される"リポソーム"という用語は、両親媒性脂質から成る小胞であり、その脂質は球状二重膜又は複数の二重膜に配列される。リポソームは、単層又は多重層小胞であり、そこにおいて親油性物質又は組成物が送達される水性内部から膜が形成される。カチオン性リポソームは、正電荷を持ったリポソームであり、負電荷を持ったDNA分子と相互作用し安定な錯体を形成すると考えられる。PH感知性又は負電荷を持ったリポソームは、DNAと錯体を形成するよりもDNAをトラップしやすいと考えられる。カチオン性及び非カチオン性リポソーム両者は、細胞にDNAを送達するために使用されている。
リポソームはまた、"立体的に安定化された"リポソームを含み、本明細書において使用されるその用語は、1若しくはそれ以上の特化された脂質を含むリポソームに言及し、その脂質がリポソームに取り込まれる際、そのような特別な脂質がないリポソームと比較して循環存続期間が長くなる。立体的に安定化されたリポソームの例は、リポソームの小胞を形成する脂質部位の部分が1若しくはそれ以上の糖脂質を含むか、或いは1若しくはそれ以上の例えばポリエチレングリコール(PEG)部分などの親水性ポリマーと共に誘導化されるものである。リポソーム及びその使用方法は、更に、米国特許第6,287,860号明細書に記載されており、この開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。
本発明の薬学的製剤及び組成物はまた、界面活性剤を含むものであっても良い。医療品、製剤、及びエマルジョンにおける界面活性剤の用途は、当業者に既知である。界面活性剤及びその使用は、更に米国特許第6,287,860号明細書に記載されており、この開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。
一実施形態において、本発明はさまざまな浸透促進剤を使用しており、核酸、特にオリゴヌクレオチドの効率的な送達に影響を与える。細胞膜全体の非親油性医薬品の拡散を促進することに加え、浸透促進剤も親油性医薬品の透過性を強化する。浸透促進剤は、5つの広範なカテゴリ、すなわち界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート剤、及び非キレート性非界面活性剤のうちの1つに帰属するものとして分類される。浸透促進剤及びそれらの使用は更に米国特許第6,287,860号明細書に記載されており、この開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。
当業者であれば、製剤がその意図された使用方法、すなわち投与経路に従い型通りに設計されることが認識されるであろう。
局所投与の好まれる製剤は、本発明のオリゴヌクレオチドが例えば脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート剤及び界面活性剤などの局所的送達剤との混合物中に含まれるものを含む。好ましい脂質及びリポソームは、中性(例えばジオレオイルフォスフォチジルDOPE、エタノールアミン、ジミリストイルフォスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルフォスファチジルコリン)、アニオン性(例えばジミリストイルフォスファチジルグリセリンDMPG)、及びカチオン性(例えばジオレイルテトラメチルアミノプロピルDOTAP及びジオレオイルフォスフォチジルエタノールアミンDOTMA)のものを含む。
局所又は他の投与に関し、本発明のオリゴヌクレオチドは、リポソーム内でカプセル化されても良く、或いはそれに対し、特にカチオン性リポソームと錯体を形成しても良い。或いは、オリゴヌクレオチドは、脂質、特にカチオン性脂質と錯体を形成する。好ましい脂肪酸及びエステル及び薬学的に許容されるその塩の使用方法は、更に、米国特許第6,287,860号明細書に記載されており、この開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。局所製剤は、1999年5月20日に出願された米国特許第09/315298号明細書に詳述されており、この開示はこの参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
経口投与のための組成物及び製剤は、粉末、顆粒、微粒子、ナノ粒子、懸濁液、又は水溶液又は非水性媒体、カプセル、ゲルカプセル、匂い袋、錠剤、又は小型錠剤を含む。増粘剤、香料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤、又は結合剤が望ましい。好ましい経口製剤において、本発明のオリゴヌクレオチドは、1若しくはそれ以上の浸透促進剤界面活性剤及びキレート剤と共に投与される。好ましい界面活性剤は、脂肪酸及び/又はエステル若しくはその塩、胆汁酸及び/又はそれの塩を含む。好ましい胆汁酸/塩及び脂肪酸及びその使用方法は、更に、米国特許第6,287,860号明細書に記載されており、その開示は本明細書に完全に組み込まれるものである。また、浸透促進剤の組み合わせは、例えば、胆汁酸/塩と組み合わされた脂肪酸/塩が好ましい。特に好ましい組み合わせは、ラウリン酸、カプリン酸及びUDCAのナトリウム塩である。更なる浸透促進剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルを含む。本発明のオリゴヌクレオチドは、スプレー乾燥された粒子を含む顆粒形態で経口的に送達されるか、或いは錯体化して微粒子又はナノ粒子を形成する。オリゴヌクレオチド錯化剤及びその使用は、更に、米国特許第6、287、860号明細書に記載されており、その開示は本明細書に完全に組み込まれる。オリゴヌクレオチドの経口用製剤及びその調整法は、米国特許出願第09/108、673号明細書(1998年7月1日出願)、米国特許出願第09/315298号明細書(1999年5月20日出願)、及び2002年2月8日に出願された米国特許出願第10/071、822号明細書に詳細に記載されており、これらの開示は各々この参照により本明細書に完全に組み込まれるものである。
非経口、鞘内、又は心室内投与のための組成物及び製剤は、滅菌水溶液を含むものであっても良く、緩衝液、希釈剤、及び他の適切な添加物を含んでいても良く、例えばこれらに限定されないが、浸透促進剤、担体化合物、及び他の薬学的に許容な担体若しくは賦形剤もまた含むものである。
本発明のいくつかの実施形態は、薬学的組成物を提供するものであり、1若しくはそれ以上の本発明の組成物、及び非アンチセンス機構によって機能する1若しくはそれ以上の他の化学療法薬を含む。そのような化学療法薬の例は、これらに限定されるものではないが、ダウノルビシン、ダウノマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、エソルビシン(esorubicin)、ブレオマイシン、マフォスファミド(mafosfamide)、イホスファミド、シトシンアラビノシド、ビス−クロロエチルニトロスレア(chloroethylnitrosurea)、ブスルファン、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、プレドニソン、ヒドロキシプロゲステロン、テストステロン、タモキシフェン、ダカルバジン、プロカルバジン、ヘキサメチルメラミン、ペンタメチルメラミン、ミトキサントロ)、アムサクリン、クロラムブシル、メチルシクロヘキシルニトロスレア(methylcyclohexylnitrosurea)、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、シクロホスファミド、6‐メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−アザシチジン、ヒドロキシ尿素、デオキシコホルマイシン、4−ヒドロキシペルオキシシクロホスホラミド、5−フルオロウラシル(5FU)、5‐フルオロデオキシウリジン(5−FUdR)、MTX(MTX)、コルヒチン、タキソール、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド(VP−16)、トリメトレキサート、イリノテカン、トポテカン(topotecan)、ゲミシタビン(gemcitabine)、テニポシド、シスプラチン、及びジエチルスチルベストロール(DES)等の癌化学療法薬を含む。本発明の組成物と共に使用される際、そのような化学療法薬は、個別に(例えば5−FU及びオリゴヌクレオチド)、連続的に(例えば5−FU及びオリゴヌクレオチドに引き続きMTX及びオリゴヌクレオチド)、或いは1若しくはそれ以上のそのような化学療法薬と共に(例えば5−FU、MTX、及びオリゴヌクレオチド又は5−FU、放射線療法、及びオリゴヌクレオチド)使用されても良い。抗炎症薬はまた、これらに限定されないが、非ステロイド性抗炎症薬及びコルチコステロイド、及び抗ウイルス薬を含み、これらに限らないがリビビリン、ビダラビン、アシクロビル、及びガンシクロビルが本発明の組成物と混合され得る。本発明の組成物と他の非アンチセンス薬との組み合わせは、また、本発明の範囲内である。本発明の1若しくはそれ以上の組成物は、他の治療薬との組み合わせて使用されることが可能であり、現在特定のウイルス感染対策であるカクテル療法を具現化するものである。
関連する別の実施例において、治療として効果的な併用療法は、本発明の2若しくはそれ以上の組成物の使用方法を含み、複数の組成物が単一又は複数の核酸標的に対して標的化される。アンチセンスオリゴマー化合物の多くの例が当業者に既知である。2若しくはそれ以上の結合された化合物を一緒に又は連続的に使用され得る。
投薬
治療用組成物の製剤及びその連続的投与(投薬)は、当業者の技術の範囲内であると考えられる。投薬は、治療される疾病状態の深刻さ及び反応性に依存し、治療コースは数日〜数ヶ月又は治癒する或いは疾病状態の改善が達成されるまで続く。最適投薬スケジュールは、患者の体内医薬品蓄積測定値から算出され得る。当業者は、最適投与量、投与方法、及び反復率を容易に決定することが可能である。最適投与量は、各オリゴヌクレオチドの相対的効力に従い変化し、in vitro及びin vivo動物モデルにおいて効果的であると見出されたEC50に基づいて、一般に推定され得る。一般に、投与量は、体重1kgにつき0.01ug〜100gまでであり、毎日、毎週、毎月、又は毎年あたり1回若しくはそれ以上であるか、或いはさらに2〜20年毎に一回投与される。当業者は、及び身体の流体または組織の医薬品の濃縮のための測定された滞留時間及び体液若しくは組織内の医薬品濃度に基づく投薬反復率を容易に推定し得る。以下の成功した治療において、患者は、疾病状態の再発を防ぐために維持療法を受けることが望ましく、オリゴヌクレオチドは維持投与において、体重1kgにつき0.01ug〜100gまでの範囲で、毎日1回〜20年毎に1回投与される。
本発明が好まれる実施例のいくつかと共に特異性に関して記載されているが、以下の実施例は、本発明を図示することのみに有益で、同一性を限定するものではない。
siRNAコンストラクト調製、及びeIF4E並びに存続標的に対する試験
選択したsiRNAコンストラクトを調整し、RT−PCRにより測定される標的RNAを低下させる能力を試験した。各コンストラクトのIC50を決定した。
Figure 2012180358
Figure 2012180358
小文字のfは、前述ヌクレオシドが2’−Fヌクレオシド(Cf=2’−Fシチジン)であることを示す。小文字のmは、前述のヌクレオシドが2’−OCHヌクレオシドであることを示す。小文字のsは、前述のヌクレオシドが4’−チオヌクレオシドであることを示す。全てのヌクレオシド間結合は、P=Oである。
実施例10で示すような標準アッセイを用いて、ヒーラ細胞、MH−S細胞、またはU−87のMg細胞において上記コンストラクトを試験した。IC50のものは、以下に示すように計算した。
Figure 2012180358
ヌクレオシドホスホラミダイトの合成
アミダイト及びその中間体を含む以下の化合物を、米国特許第6、426、220号明細書及び開示された国際公開公報第02/36743号パンフレットに記載されるように調整した;5−メチルdCアミダイト、5−メチル−dCアミダイトに対する5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−5−メチルシチジン中間体、5−メチルdCアミダイトに対する最後から二番目の中間体である5’−O−ジメトキシトリチル−2’−デオキシ−N4−ベンゾイル−5−メチルシチジン、[5’−O−(4、4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−デオキシ−N−ベンゾイル−5−メチルシチジン−3’−O−イル]−2−シアノエチル−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト(5−メチルdCアミダイト)、2’−フルオロデオキシアデノシン、2’−フルオロデオキシグアノシン、2’−フルオロウリジン、2’−フルオロデオキシシチジン、2’−O−(2−メトキシエチル)修飾アミダイト、2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン中間、最後から二番目の中間体である5’−O−DMT−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン、[5’−O−(4、4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルウリジン−3’−O−イル]−2−シアノエチル−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト(MOE Tアミダイト)、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシエチル)−5−メチルシチジン中間、最後から二番目の中間体である5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシエチル)−N−ベンゾイル−5−メチル−C、[5’−O−(4、4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N−ベンゾイル5−メチルシチジン−3’−O−イル]−2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホラミダイト(MOE 5−Me−Cアミダイト)、[5’−O−(4、4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N−ベンゾイルアデノシン−3’−O−イル]−2−シアノエチル−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト(MOE Aアミダイト)、[5’−O−(4、4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−2’−O−(2−メトキシエチル)−N−イソブチリルグアノシン−3’−O−イル]−2−シアノエチル−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト(MOE Gアミダイト)、2’−O−(アミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト、及び2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)ヌクレオシドアミダイト、2’−(ジメチルアミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト)、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−O−2’−アンヒドロ−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチルウリジン、2’−O−([2−フタルイミドキシ)エチル]−5’−t−ブチルジフェニルシリル−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−[(2−ホルムアドキシミノオキシ)エチル]−5−メチルウリジン、5’−O−tert−ブチルジフェニルシリル−2’−O−[N、Nジメチルアミノオキシエチル]−5−メチルウリジン、2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)ジメチル−5−メチルウリジン、5’−O−DMT−2’−O−(ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン、5’−O−DMT−2’−O−(2−N、N−ジメチルアミノオキシエチル)−5−メチルウリジン−3’−[(2−シアノエチル)−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト]、2’−(アミノオキシエトキシ)ヌクレオシドアミダイト、N2−イソブチリル−6−O−ジフェニルカルバモイル−2’−O−(2−エチルアセチル)−5’−O−(4、4’−ジメトキシトリチル)グアノシン−3’−[(2−シアノエチル)−N、N−ジイソプロピルホスホラミダイト]、2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(2’−DMAEOE)ヌクレオシドアミダイト、2’−O−[2(2−N、N−ジメチルアミノエトキシ)エチル]−5−メチルウリジン、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−[2(2−N、N−ジメチルアミノエトキシ)−エチル)]−5−メチルウリジン、及び5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−[2(2−N、N−ジメチルアミノエトキシ)−エチル)]−5−メチルウリジン−3’−O−(シアノエチル−N、N−ジイソプロピル)ホスホラミダイト。
オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオシド合成
本発明に従って使用されるオリゴマー化合物を、既知の固相合成技術を通じて簡便且つ規定通りに作った。そのような合成装置は、例えばApplied Biosystems(Foster City、カリフォルニア州)を含む数箇所の販売元により販売されている。当業者に既知のそのような合成のために、任意の他の手段をさらに又は代替的に使用しても良い。ホスホロチオアート及びアルキル化誘導体などのオリゴヌクレオチドを調整するために類似の技術を使用することは周知である。
オリゴヌクレオチド:非置換の及び置換されたリン酸ジエステル(P=O)オリゴヌクレオチドを、ヨウ素酸化を用いた標準的なホスホラミダイト化学を用いて自動DNA合成装置(Applied Biosystems model394)で合成する。
以下の例外を除き、ホスホロチオアート(P=S)をリン酸ジエステルオリゴヌクレオチドと同様に合成する:亜リン酸エステル結合を酸化するために、アセトニトリル中、3,H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−二酸化物の10%w/v溶液を利用することにより、硫化をする。前記硫化反応工程時間は180秒まで増加し、正常なキャッピング工程より先に行った。CPGカラムから解離、及び55℃(12〜16の時間)において濃縮水酸化アンモニウム中で非ブロック化した後、前記オリゴヌクレオチドを、3倍より多い体積のエタノールを用いて1MのNHOAc溶液から沈殿させて回収した。オリゴヌクレオチドのホスフィン酸塩を、米国特許第5,508,270号明細書において記載されるように調整し、この開示はこの参照により本明細書において組み込まれる。
アルキルホスホン酸塩オリゴヌクレオチドを、米国特許第4,469,863号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
3’−デオキシ−3’−メチレンホスホン酸塩オリゴヌクレオチドを、米国特許第5、610、289号明細書又は第5,625,050号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
ホスホラミダイトオリゴヌクレオチドを、米国特許第5,256,775号明細書又は米国特許第5,366,878号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
アルキルホスホノチオアートオリゴヌクレオチドを、開示されている国際出願第PCT/US94/00902号及び国際出願第PCT/US93/06976号(国際公開公報第94/17093号及び国際公開公報第94/02499号として開示)において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
3’−デオキシ−3’−アミノホスホラミドオリゴヌクレオチドを、米国特許第5,476,925号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
リン酸トリエステルオリゴヌクレオチドを、米国特許第5,023,243号明細書において記載されているように調製し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
ボラノリン酸塩オリゴヌクレオチドを、米国特許第5,130,302号明細書及び第5,177,198号明細書において記載されているように調整し、この開示は両方ともこの参照により本明細書に組み込まれる。
オリゴヌクレオシド:MMIが結合したオリゴヌクレオシドとしても同定されているメチレンメチルイミノが結合したオリゴヌクレオシド、MDHが結合したオリゴヌクレオシドとしても同定されているメチレンジメチルヒドラゾが結合したオリゴヌクレオシド、アミド−3結合したオリゴヌクレオシドとしても同定されているメチレンカルボニルアミノが結合したオリゴヌクレオシド、更にアミド−4結合したオリゴヌクレオシドとしても同定されているメチレンアミノカルボニルが結合したオリゴヌクレオシド、及びMMIとP=O又はP=S結合とを換えたものを有する混合した骨格のオリゴマー化合物を、米国特許第5,378,825号明細書、第5,386,023号明細書、第5,489,677号明細書、第5,602,240号明細書、及び第5,610,289号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ホルムアセタール及びチオホルムアセタールが結合したオリゴヌクレオシドを、米国特許第5,264,562号明細書及び第5,264,564号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
エチレンオキサイドが結合したオリゴヌクレオシドを、米国特許第5,223,618号明細書において記載されているように調整し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
RNA合成
一般に、RNA合成化学は、戦略的中間反応における様々な保護基の選択的導入に基づく。当業者であれば有機合成における保護基の使用については理解するが、有用な保護基類は、シリルエーテルを含む。2’−水酸基上に酸不安定性オルトエステル保護基と組み合わせて5’−水酸基を保護するために、特に大きな(bulky)シリルエーテルを使用する。その後保護基のこのセットを、標準的な固相合成工学を用いて使用する。他のすべての合成工程の後に、最後に前記酸不安定性オルトエステル保護基を除去することが重要である。さらに、合成中の早い段階でシリル保護基を使用すると、望ましくない2’水酸基の脱保護をすることなく、目的とする簡易な除去を確実にする。
以下の方法は、異なる方法で除去され、更に異なる化学的不安定性を有する保護基によって2’−水酸基を保護することと組み合わせて、5’−水酸基を順次保護する‘ものであり、RNAオリゴヌクレオチドを合成した。
RNAオリゴヌクレオチドを段階的方法により合成する。各ヌクレオチドを、固体担体に結合したオリゴヌクレオチドに連続的に(3’−から5’−の方向に)添加する。鎖の3’−末端の第1のヌクレオシドを、固体担体に共有結合的に結合させる。ヌクレオチド前駆体、リボヌクレオシドホスホラミダイト、及び活性化剤を添加し、それらを第1のヌクレオシドの5’−末端の上で第2の塩基とカップリングさせる。固体担体を洗浄し、すべての未反応5’−水酸基を無水酢酸でキャップ化することにより、5’−アセチル部分が得られる。その後この結合を酸化し、より安定で最終的に望まれるP(V)結合にする。ヌクレオチド添加サイクルの終わりに、フッ化物によって5’−シリル基を切断する。このサイクルを、各追随ヌクレオチドに対して繰り返す。
以下の合成は、リン酸塩上のメチル保護基を、DMF中の1Mの二ナトリウム−2−カルバモイル−2−シアノエチレン−1、1−ジチオレート三水和物(SNa)を使用し30分で切断する。前記脱保護溶液を、蒸留水を使用して固体担体に結合したオリゴヌクレオチドから洗浄する。その後この固体担体を55℃で10分間40%メチルアミン水溶液で処理する。これにより、溶液にRNAオリゴヌクレオチドを遊離させ、環外アミンを脱保護化し、2’−基を修飾する。オリゴヌクレオチドは、この段階において、陰イオン交換HPLCによって分析可能である。
2’−オルトエステル基は、除去される最後の保護基である。Dharmacon Research、Inc.(コロラド州Lafayette)によって開発されたエチレングリコールモノアセテートオルトエステル保護基は、有益なオルトエステル保護基の一例であり、以下の重要な特性を有する。前記保護基は、ヌクレオシドホスホラミダイト合成及びオリゴヌクレオチド合成の条件に対し安定である。しかしながら、オリゴヌクレオチド合成の後、オリゴヌクレオチドをメチルアミンにより処理すると、固体担体からオリゴヌクレオチドを切断するが、オルトエステルからアセチル基も除去される。オルトエステル上において結果として得られる2−エチル−水酸基置換基は、アセチル化された前駆体より電子求引性である。その結果、前記修飾されたオルトエステルは、酸触媒性加水分解に対してより不安定になる。具体的には、アセチル基が除去された後の開裂速度は、ほぼ10倍速い。従って、このオルトエステルは、オリゴヌクレオチド合成と競合しても充分な安定性を持ち、さらに引き続き修飾する際、RNAオリゴヌクレオチド最終産物と共存して比較的温和な水溶液条件下で脱保護が行われる。
さらに、RNA合成の方法は当業者に既知である(Scaringe,S.A.Ph.D.Thesis,University of Colorado,1996;Scaringe,S.A.,et al.,J.Am.Chem.Soc.,1998,120,11820−11821;Matteucci,M.D.and Caruthers,M.H.J.Am.Chem.Soc.,1981,103,3185−3191;Beaucage,S.L.and Caruthers,M.H.Tetrahedron Lett.,1981,22,1859−1862;Dahl,B.J.,et al.,Acta Chem.Scand,.1990,44,639−641;Reddy,M.P.,et al.,Tetrahedrom Lett.,1994,25,4311−4314;Wincott,F.et al.,Nucleic Acids Res.,1995,23,2677−2684;Griffin,B.E.,et al.,Tetrahedron,1967,23,2301−2313;Griffin,B.E.,et al.,Tetrahedron,1967,23,2315−2331)。
本発明のRNAアンチセンスオリゴマー化合物(RNAオリゴヌクレオチド)は、本明細書における方法によって合成するか、或いはDharmacon Research、Inc(コロラド州Lafayette)から購入することが可能である。合成された時点において、その後相補的RNAアンチセンスオリゴマー化合物は、当業者に既知の従来技術法によってアニール化することが可能であり、二本鎖(二本鎖)アンチセンオリゴマー化合物が形成される。例えば、二本鎖は、30μlのRNAオリゴヌクレオチド(50uMのRNAオリゴヌクレオチド溶液)の各相補鎖と、15μlの5Xアニーリング緩衝液の(100mMの酢酸カリウム、HEPES−KOH30mMでpH7.4のもの、2mMの酢酸マグネシウム)とを混合した後、90℃で1分間、その後37℃で1時間での加熱により形成することが可能である。結果として得られる二本鎖アンチセンスオリゴマー化合物は、標的核酸の役割を調べるキット、アッセイ、スクリーン、又は他の方法において使用可能である。
キメラオリゴヌクレオチドの合成
本発明のキメラオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、又は混合オリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオチドは、幾つかの異なる種類がある。これらは、結合ヌクレオシドの"ギャップ"断片が結合ヌクレオシドの5’と3’"ウィング"断片との間に位置する第1のタイプと、 "ギャップ"断片がオリゴマー化合物の3’又は5’末端の一方に位置する第二の"オープエンド"タイプとを含む。前記第1のタイプのオリゴヌクレオチドはまた、"ギャップマー"又はギャップ化されたオリゴヌクレオチドとして当業者に周知である。前記第2のタイプのオリゴヌクレオチドはまた、"ヘミマー"又は"ウィングマー"として当業者に周知である。
[2’−O−Me]−−[2’−デオキシ]−−[2’−O−Me]キメラホスホロチオアートオリゴヌクレオチド
2’−O−アルキルホスホロチオアート及び2’−デオキシホスホロチオアートオリゴヌクレオチド断片を有するキメラオリゴヌクレオチドを、上述のApplied Biosystemsの自動化DNA合成装置Model394を使用することにより合成する。オリゴヌクレオチドを、自動化合成装置、及びDNA部のための2’−デオキシ−5’−ジメトキシトリチル−3’−O−ホスホラミダイト並びに5’及び3’ウィングのための5’−ジメトキシトリチル−2’−O−メチル−3’−O−ホスホラミダイトを使用して合成する。標準の合成サイクルを、5’−ジメトキシトリチル−2’−O−メチル−3’−O−ホスホラミダイトのための増加された反応時間を有するカップリング工程を組み込むことにより修飾する。完全に保護されたオリゴヌクレオチドを、固体担体から切断し、12〜16時間55℃で濃縮されたアンモニア(NH4OH)において脱保護化する。脱保護化されたオリゴを、その後適切な方法(沈降、カラムクロマトグラフィ、真空中で減少された体積、分光度分析された収率、且つキャピラリ電気泳動及び質量分析により分析された純度)により回収する。
[2’−O−(2−メトキシエチル)]−−[2’−デオキシ]−−[2’−O−(メトキシエチル)]キメラホスホロチオアートオリゴヌクレオチド
[2’−O−(2−メトキシエチル)]−−[2’−デオキシ]−−[−2’−O−(メトキシエチル)]キメラホスホロチオアートオリゴヌクレオチドを、2’−O−メチルアミダイトから2’−O−(メトキシエチル)アミダイトへの置換を有する2’−O−メチルキメラオリゴヌクレオチドの上述手順につき調整した。
[2’−O−(2−メトキシエチル)ホスホジエステル]−[2’−デオキシホスホロチオアート]−[2’−O−(2−メトキシエチル)リン酸ジエステル]キメラオリゴヌクレオチド
[2’−O−(2−メトキシエチル)リン酸ジエステル]−−[2’−デオキシホスホロチオアート]−−[2’−O−(メトキシエチル)リン酸ジエステル]キメラオリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルアミダイトに対して2’−O−(メトキシエチル)アミダイト置換基を有する2’−O−メチルキメラオリゴヌクレオチドのための上述方法のように調整し、ヨウ素による酸化によりキメラ構造のウィング部分の範囲内にリン酸ジエステルヌクレオチド間結合を生成し、更に3,H−1,2ベンゾジチオール−3−オン1,1ジオキサイド(Beaucage試薬)を使用した硫化により中心ギャップのホスホロチオアートヌクレオチド間結合を生成する。
他のキメラオリゴヌクレオチド、キメラオリゴヌクレオシド、及び混合されたキメラオリゴヌクレオチド/オリゴヌクレオシドを、米国特許第5,623,065号明細書に従って合成し、この開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
選択標的を対象とした二本鎖アンチセンスのオリゴマー化合物の設計及びスクリーニング
本発明に従って、本発明のアンチセンスオリゴマー化合物及びその相補体を含む一連の核酸二本鎖は、標的を標的化するために設計することが可能である。鎖の末端を1若しくはそれ以上の天然又は修飾された核酸塩基の添加によって修飾し、オーバーハングを形成する。その後dsRNAのセンス鎖を、アンチセンス鎖の相補体として設計し、合成するが、その鎖いずれかの末端に対して修飾又は付加を含んでも良い。例えば、一実施形態において、前記dsRNA二重鎖の両鎖は、中心的核酸に対して相補的であり、各鎖は、片方又は両方の末端において突出する。
例えば、配列CGAGAGGCGGACGGGACCGを有するアンチセンス鎖を有し、デオキシチミジン(dT)の2−核酸塩基オーバーハングを有する二本鎖は、以下の構造を有する。
Figure 2012180358
二本鎖のRNA鎖を、本明細書において開示される方法により合成可能であり、或いはDharmacon Research Inc.(コロラド州Lafayette)より購入可能である。合成された時点において、相補鎖をアニーリングする。一本鎖を、等分し、50uMの濃度に希釈する。一旦希釈し、各鎖の30uLを、アニーリング緩衝液の5X溶液の15uLと混合する。前記緩衝液の最終的な濃度は、酢酸カリウム100mM、pH7.4のHEPES−KOH30mM、及び酢酸マグネシウム2mMである。最終的な体積は75uLである。この溶液を、90℃で1分間インキュベートし、その後15秒間遠心分離機にかけた。チューブを1時間37℃で静置し、dsRNA二本鎖を実験で使用する。dsRNA二本鎖の最終濃度は20uMである。この溶液は冷凍保存し(−20℃)、5回まで凍結融解することが可能である。
調整した時点で、二本鎖アンチセンスオリゴマー化合物の標的発現の調節能を評価する。
細胞が80%の密度に達する際、それを、本発明の二本鎖アンチセンスオリゴマー化合物で処理する。96ウェルプレートにおいて増殖する細胞に関し、ウェルを200μLのOPTI−MEM血清使用量低減培地(Gibco BRL)で一度洗浄し、その後12μg/mLのLIPOFECTIN(Gibco BRL)及び望まれる二本鎖アンチセンスオリゴマー化合物で終濃度200nMを含むOPTI−MEM−1(Gibco BRL)130μLで処理する。5時間の処理後、培地を新しい培地と取り替える。、16時間後に細胞を回収し、その際RNAを単離し、標的の減少をRT−PCRで測定した。
類似の手順において、二本鎖オリゴマー化合物は、ヒーラー細胞中(American Type Culture Collection、バージニア州Manassas)で評価する。ヒーラー細胞に対して使用される培養方法は、ATCCから入手可能であり、例えば、http://www.atcc.org.において見出される。96ウェルプレートにおいて細胞を増殖させるために、200μLのOPTI−MEM血清使用量低減培地(Gibco BRL)で一度ウェルを洗浄し、その後12μg/mLのLIPOFECTIN(Gibco BRL)及び所望濃度のdsRNAを含むOPTI−MEM−1(Gibco BRL)130μLで処理する。5時間の処理後、培地を新しい培地と取り替える。dsRNA処理16時間後に細胞を回収し、その際RNAを単離し、標的の減少を実施例ardSourceID:NT00008882において記載されるようにRT−PCRで測定した。
オリゴヌクレオチド単離
制御された細孔ガラス固体担体からの開裂し、濃縮水酸化アンモニウム中で55℃で12〜16時間非ブロック化した後、>3倍体積のエタノールを含む1MのNHOAcからの沈殿によりオリゴヌクレオシド又はオリゴヌクレオチドを回収する。合成されたオリゴヌクレオチドを、エレクトロスプレー質量分析(分子量決定)及びキャピラリゲル電気泳動により分析し、少なくとも70%の完全長物質であると判断した。ホスホロチオアートの相対量及び合成において得られたホスホジエステル結合を、−16amu(+/−32の+/−48)と比較して正確な分子量比により決定した。いくつかの研究のため、ChiangらによるJ.Biol.Chem.1991、266、18162−18171の記載のように、オリゴヌクレオチドをHPLCにより精製した、。HPLCで精製した物質によって得られる結果は、非HPLCで精製した物質から得られる結果と同様であった。
オリゴヌクレオチド合成−96ウェルプレートフォーマット
オリゴヌクレオチドを、同時に96の配列を96ウェルフォーマットに集めることでことが可能な自動化合成機で固相P(III)ホスホラミダイト化学を経て合成した。リン酸ジエステルヌクレオチド間結合を、ヨウ素水溶液での酸化反応により提供した。ホスホロチオアートヌクレオチド間結合を、無水アセトニトリルの3,H−1,2ベンゾジチオール−3−オン1、1ジオキサイド(Beaucage試薬)を使用する硫化により生成した。標準の塩基保護したβ−シアノエチルジイソプロピルホスホラミダイトを、商業的販売元(例えばPE−Applied Biosystems、カリフォルニア州Foster City又はPharmacia、Piscataway、ニュージャージー州Piscataway)から購入した。非標準ヌクレオシドは、標準的方法又は特許製法により合成される。それらを、塩基保護されたβ−シアノエチルジイソプロピルホスホラミダイトとして利用する。
オリゴヌクレオチドを、固体担体から切断し、濃縮NHOHにより12〜16時間高温で(55〜60℃)で脱保護化し、遊離した生成物をその後真空中で乾燥した。その後乾燥した生成物を滅菌溶液に再懸濁し、マスタープレートを得て、それより全ての分析及び検査プレートサンプルをその後自動分注器を使用して希釈する。
96ウェルプレートフォーマットを使用するオリゴヌクレオチド解析
各ウェルのオリゴヌクレオチド濃度を、サンプルの希釈及びUV吸収分光法により決定した。各生成物の完全長の完全性を、96ウェルフォーマット(Beckman P/ACE(商標)MDQ)又は個別に調整したサンプルの一方で商業的CE装置上で(例えば、Beckman P/ACE(商標)5000、ABI270)キャピラリ電気泳動(CE)により評価した。エレクトロスプレー質量分析を利用するオリゴマー化合物の質量分析によって塩基及び骨格組成物を確認した。全アッセイ検査プレートを、単一及び多チャネル自動化分注器を使用しマスタープレートから希釈した。プレート上のオリゴマー化合物の少なくとも85%が少なくとも85%の完全長である場合許容されると判断した。
細胞培養及びオリゴヌクレオチド処理
標的核酸発現におけるオリゴマー化合物の効果は、任意の様々な細胞タイプにおいて試験することができ、測定可能なレベルで存在標的核酸がを提供する。これは、例えば、PCRまたはノーザンブロット解析を使用して型通りに測定することができる。以下の細胞タイプは図示する目的のために提供するが、他の細胞タイプを型通りに使用することができ、前記選択された細胞タイプにおいて発現する標的が提供する。これは、当業者の通常の方法(例えばノーザンブロット解析、RNA分解酵素保護アッセイ、又はRT−PCR)により容易に測定可能である。
T−24細胞:
ヒトの移行細胞膀胱癌の細胞系T−24をthe American Type Culture Collection(ATCC)(バージニア州Manassas)から得た。T−24細胞は、10%のウシ胎仔血清(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)、1mLあたりl00ユニットのペニシリン、及び1mLあたり100マイクログラムのストレプトマイシン(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)を補足した完全McCoy’s5A基本培地中で型通りに培養した。細胞が90%の密度に達した際にトリプシン処理し、希釈により型通りに継代培養した。RT−PCR解析ために96ウェルプレート(Falcon−Primaria#353872)に、細胞を、7000細胞/ウェルの密度で播種した。
ノーザンブロッティング解析又は他の解析のために、細胞を100mmプレート又は他の標準の組織培養プレートに播種し、培地及びオリゴヌクレオチドの適当な容量を使用し同様に処理する。
A549細胞:
ヒトの肺癌の細胞系A549を、the American Type Culture Collection(ATCC)(バージニア州Manassas)から得た。A549細胞を、10%のウシ胎仔血清(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)、1mLあたりl00ユニットのペニシリン、及び1mLあたり100マイクログラムのストレプトマイシンを補足したDMEM基本培地(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)で型通りに培養した。細胞を90%の密度に達した際にトリプシン処理及び希釈により型通りに継代培養した。
NHDF細胞:
ヒトの新生児の皮膚の繊維芽細胞(NHDF)を、the Clonetics Corporation(メリーランド州Walkersville)から得た。NHDFsを、供給元の推奨通りに補足した繊維芽細胞増殖培養液(Clonetics Corporation、メリーランド州Walkersville)において、型通りに維持した。細胞を供給元の推奨通りに最高10代継代まで維持した。
HEK細胞:
ヒトの胎生期ケラチン合成細胞(HEK)を、the Clonetics Corporation(メリーランド州Walkersville)から得た。
HEKsを、供給元の推奨通りに補充される繊維芽細胞増殖培養液(Clonetics Corporation、メリーランド州Walkersville)において、型通りに維持した。細胞は、供給元の推奨通りに最高10代継代まで維持した。
オリゴマー化合物での処理:
細胞を、65〜75%の密度に達した際に、オリゴヌクレオチドで処理した。96ウェルプレートにおいて増殖する細胞に関し、ウェルを、100LのOPTI−MEM血清使用量低減培地(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)で一度洗浄し、その後3.75g/mLのLIPOFECTIN(商標)(Invitrogen Corporation、カリフォルニア州Carlsbad)及び望まれる濃度のオリゴヌクレオチドを含む130LのOPTI−EM−1で処理する。細胞を処理し、データを三組得る。37℃での処理4〜7時間後、培地を、新しい培地と取り替えた。細胞を、オリゴヌクレオチド処理の16〜24時間後回収した。
使用するオリゴヌクレオチドの濃度を、細胞系によって変化させる。特定の細胞系の最適なオリゴヌクレオチド濃度を測定するために、ある濃度範囲において正制御因子のオリゴヌクレオチドで細胞を処理する。ヒトの細胞に関し、正制御因子のオリゴヌクレオチドを、ISIS 13920(TCCGTCATCGCTCCTCAGGG、配列番号:3)でヒトのH−ラス癌遺伝子に対して標的化されるもの又はISIS 18078(GTGCGCGCGAGCCCGAAATC、配列番号:4)でヒトのJun−N−terminal kinase−2(JNK2)に標的化されるものの一方から選択する。両方の制御因子は、ホスホロチオアート骨格を有する2’−O−メトキシエチルギャップマー(ボールド体で示される2’−O−メトキシエチル)である。マウス又はラット細胞に関し、正制御するオリゴヌクレオチドは、ISIS 15770、ATGCATTCTGCCCCCAAGGA、配列番号:5、両方のマウスに対して標的化されるホスホロチオアート骨格を有する2’−O−メトキシエチルギャップマー(ボールド体で示される2’−O−メトキシエチル)、及びラットのc−rafである。c−Hラス癌遺伝子(ISIS 13920)、JNK2(ISIS 18078)、又はc−raf(ISIS 18078)mRNAの80%阻害をもたらす正制御因子のオリゴヌクレオチド濃度を、その後、その細胞系に関する次の実験における新しいオリゴヌクレオチドのスクリーニング濃度として利用する。80%の阻害が達成されない場合、c−Hラス癌遺伝子、JNK2、又はc−rafmRNAの60%阻害をもたらす正の制御オリゴヌクレオチドの最も低い濃度を、その後その細胞系の次の実験においてオリゴヌクレオチドスクリーニング濃縮として利用する。60%の阻害が達成されない場合、その特定の細胞系はオリゴヌクレオチドトランスフェクション実験に不適当であると思われる。本明細書において使用されるアンチセンスオリゴヌクレオチド濃度は、50nM〜300nMまでである。
オリゴヌクレオチドの標的発現阻害の分析
アンチセンスの標的発現調節を、当業者に既知の様々な方法で分析し得る。
例えば、標的のmRNAレベルを、例えば、ノーザンブロット分析、競合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、又はリアルタイムPCR(RT−PCR)によって定量化し得る。定量リアルタイム−PCRは、現在好まれる。RNA分析を、全細胞RNA又はpoly(A)+mRNAに対して行い得る。本発明のRNA分析の好まれる方法は、本明細書における他の実施例において記載される全細胞RNAの使用である。RNA単離方法は、当業者に既知である。ノーザンブロット解析をまた、当業者にルーチンである。定量的リアルタイムPCRは、商業的に入手可能なABI PRISM(商標)7600、7700、又は7900 Sequence Detection SystemをPE−Applied Biosystems、カリフォルニア州Foster Cityから入手し使用してし得、製造元の規定に従って使用し得る。
標的のタンパク質レベルを、当業者に既知の様々な方法、例えば免疫沈降、ウエスタンブロット解析(イムノブロッティング)、酵素結合抗体免疫吸着アッセイ(ELISA)、又は蛍光活性化細胞選別(FAC))で定量化し得る。標的の方向に向けられた抗体を、同定し得、種々の供与源、例えば抗体のMSRSカタログ(Aerie Corporation、ミシガン州Birmingham)から得られる或いは従来のモノクローナル又はポリクローナル抗体生成方法を通して調整することが可能である。
表現型アッセイ及び標的阻害剤の使用のためのインビボ研究の設計
表現型アッセイ
標的阻害剤を本明細書において開示される方法により同定し、オリゴマー化合物を、1つ若しくはそれ以上の表現型アッセイにおいて更に調査し、各アッセイは、特定の疾病状
態又は条件の治療における有効性を示すと考えられ測定できるエンドポイントがある。
表現型アッセイ、キット及びそれらの使用のための試薬は、当業者に既知で本明細書において正常状態及び病気状態における標的の役割及び/又は関連性を調査するために使用される。代表的な表現型アッセイは、数箇所の商業的販売元の任意の1つから購入し得るが、細胞生育性、細胞毒性、増殖、若しくは細胞生存力を決定するもの(Molecular Probes、オレゴン州Eugene;PerkinElmer、Boston、マサチューセッツ州)、酵素アッセイを含むタンパク質に基づくアッセイ(Panvera、LLC、ウィスコンシン州Madison;BD Biosciences、ニュージャージー州Franklin Lakes;Oncogene Research Products、カリフォルニア州San Diego)、細胞調節、情報伝達、燃焼、酸化過程、並びにアポトーシス(Assay Designs Inc.ミシガン州Ann Arbor)、トリグリセライド蓄積(Sigma−Aldrich、ミズーリ州St.Louis)は、血管アッセイ、菅形成アッセイ、サイトカイン並びにホルモンアッセイ、及び代謝アッセイ(Chemicon International Inc.、カリフォルニア州Temecula;Amersham Biosciences、ニュージャージー州Piscataway)を含む。
限定されない一実施例において、上述の方法により測定した最適濃度における制御化合物と同様に、特定の表現型アッセイに適切であると測定された細胞を(すなわち、乳癌の研究のために選出されたMCF−7細胞;肥満症研究のための脂肪細胞)in vitro研究から同定される標的阻害剤で処理する。処理期間の終点において、処理済み及び未処理の細胞を、表現型の結果及び終点を決定するアッセイに固有な1若しくはそれ以上の方法によって、分析する。表現型の終点は、細胞成分、例えばタンパク、脂質、核酸、ホルモン、サッカライド、又は金属レベルの変化と共に細胞形態における時間変化又は処理投与量の変化を含む。pH、細胞周期における期、又は細胞による生物学的指標の摂取若しくは排出を含む細胞状態の測定もまた、目的のエンドポイントである。
処理後の細胞遺伝子型の解析もまた(1つ若しくはそれ以上の細胞の遺伝子の発現測定)、標的阻害剤の有効性又は効力の指標として使用する。ホールマーク遺伝子、又は特異的疾病状態、条件、又は表現型と関連すると思われる遺伝子を、処理済み又は非処理の細胞において測定する。
in vivo研究
本明細書において記載されるin vivo研究の個々の対象は、ヒトを含む温血脊椎動物である。臨床試験は、各個人が不必要にリスクを負わされず、研究における自分たちの役割を十分に知らされることを確実にするために厳密なコントロールに従う。
治療による心理的な効果を説明するために志願者に、偽薬又は標的阻害剤を無作為に与える。さらに、医者が治療を偏らないように、彼らが投与している薬品が標的阻害剤又は偽薬かどうかを知らせないようにする。この無作為化方法を使用する故、各志願者は、新治療薬又は偽薬のどちらかを与えられる同一の可能性を有する。
志願者は、8週間標的阻害剤又は偽薬の一方を受け取り、初め(任意治療前のベースライン測定)、終わり(最終治療の後)、及び研究期間内定期的に測定され示唆された疾病状態又は条件に関連する生物学的パラメータを伴う。そのような測定は、治療前のレベルと比較した標的をコードする核酸分子レベル又は体液、組織、又は器官における標的タンパク質レベルを含む。他の測定は、これに限定されるものではないが、ADME(生体吸収、分配、新陳代謝、及び排出)測定と共に治療中の病気状態若しくは条件、体重、血圧、疾病若しくは毒性の薬理学的指標の血清力価指標を含む。各患者の記録情報は、年齢(歳)、性別、身長(cm)、家系の疾病状態若しくは条件(肯定/否定)、動機づけ評価(いくらか/普通/非常に)、及び示唆される疾病過去の治療法の数並びにタイプを含む。
本研究に参加している志願者は、健康な成人(18〜65歳)であり、ほぼ同人数の男女が研究に参加している。ある特徴を有する志願者を、偽薬及び標的阻害剤治療に等しく振り分ける。一般に、偽薬治療される志願者は、治療にほとんど又は全く反応を示さない、その一方標的阻害剤で治療される志願者は、本研究の結末において彼らの疾病状態又は条件指標において好ましい傾向を示す。
RNA単離
Poly(A)+mRNA単離
Poly(A)+mRNAを、Miuraら(Clin.Chem.、1996、42、1758−1764)に従って単離した。他のpoly(A)+mRNA単離方法は、当業者には決まりきった手順である。簡潔に言えば、96ウェルプレートで増殖する細胞に対し、細胞増殖培養液を細胞から除去し、各ウェルを200Lの冷却PBSで洗浄した。60μLの細胞溶解緩衝液(10mMのトリス−HCl、pH7.6、1mMのEDTA、0.5MのNaCl、0.5%のNP−40、20mMのバナジル−リボヌクレオシド錯体)を各ウェルに加え、プレートを穏やかに攪拌した後、5分間室温でインキュベートした。55μLの溶菌液をオリゴヌクレオチドd(T)で被覆された96ウェルプレート(AGCT Inc.、Irvine、カリフォルニア州)に注入した。プレートを、室温で60分間インキュベートし、200μLの洗浄緩衝液(10mMのトリス−HCl、pH7.6、1mMのEDTA、0.3MのNaCl)で3回洗浄した。最終洗浄後、プレートをペーパータオルで吸い取り過剰な洗浄緩衝液を除去した後、5分間空気乾燥した。70℃まで予熱した60μLの溶出緩衝液(5mMのトリス−HCl、pH7.6)を各ウェルに加え、プレートを90℃で5分間ホットプレートでインキュベートし、その後溶出液を新しい96ウェルプレートに移した。
100mm又は他の標準プレートで増殖する細胞を、全溶液の適当な体積を使用し同様に処理する。
全RNAの単離
全RNAを、Qiagen Inc.(カリフォルニア州Valencia)より購入しRNEASY96(商標)キットを製造元の推奨する手順に従い使用して単離した。簡潔に述べると、96ウェルウェルプレートで増殖する細胞に対し、細胞増殖培養液を細胞から除去し、各ウェルを200μLの冷却PBSで洗浄した。150μLの緩衝液RLTを20秒間激しく攪拌し、各プレートに加えた。その後、前記検体を廃棄物収集トレイを備えたQIAVAC(登録商標)連結管に連結したRNEASY96(商標)ウェルプレートに移し、真空源に装着した。前記真空は1分間適用した。500μLの緩衝液RW1を、RNEASY96(商標)プレートの各ウェルに加え、15分間インキュベートし、再び1分間真空にした。さらに500μLの緩衝液RW1をRNEASY96(商標)プレートの各ウェルに加え、2分間真空にした。その後1mLの緩衝液RPEを、RNEASY96(商標)プレートの各ウェルに加え、、90秒間真空にした。その後緩衝液RPEの洗浄を繰り返し、さらに3分間真空にした。その後、プレート、QIAVAC(商標)連結管から除去し、ペーパータオルで吸い取り乾燥した。その後、プレートを1.2mLの回収チューブを含む回収チューブラック付のQIAVAC(商標)連結管に再び装着した。その後RNAは、140Lのリボヌクレアーゼのない水を各ウェルにピペットで移し、1分間インキュベートし、その後3分間減圧することにより抽出した。
反復ピペッティング及び吸い取り工程を、QIAGEN Bio−Robot9604(Qiagen、Inc.カリフォルニア州Valencia)を使用し自動化することができる。重要なことは、培養プレート上の細胞を溶解させた後に、プレートをロボットデッキに移動し、ピペッティングし、デオキシリボヌクレアーゼ処理、及び溶出工程を行う。
標的mRNAレベルの定量的リアルタイムPCR分析
標的mRNAレベルの定量を、定量的リアルタイムPCRでABI PRISM(商標)7600、7700、又は7900 Sequence Detection System(PE−Applied Biosystems、、カリフォルニア州Foster City)を使用して取扱説明書に従って行った。これは、閉じたチューブでゲルに基づかない、蛍光検出システムであり、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物のハイスループット定量を可能にする。PCRが完了した後増幅生成物が定量化される標準PCRに対して定量的リアルタイムPCRの生成物は、蓄積しながら定量化される。PCR反応におけるオリゴヌクレオチドプローブでPCRのフォアードプライマーとリバースプライマーとの間に特異的アニーニングし、2つの蛍光色素を含むものを含むことにより達成される。リポータ色素(例えば、PE−Applied Biosystems、カリフォルニア州Foster City、Operon Technologies Inc.、カリフォルニア州Alameda、又はIntegrated DNA Technologies Inc.、アイオワ州Coralville、のいずれかから購入可能なFAM又はJOE)がプローブの5’端に結合し、消光剤色素3’端に結合される。プローブ及び色素が正常である際、リポータ色素の発光は、近接する3’消光色素により消される。増幅の間、標的配列に対するプローブのアニーリングは、基質でポリメラーゼの5’−エキソヌクレアーゼ活性により切断され得るものを作り出す。PCR増幅のサイクルの伸長期の間、Taqポリメラーゼによるプローブの切断は、プローブの残りから(従って消光剤成分から)リポータ色素を遊離させ、配列−特異的蛍光シグナルが作られる。各サイクルに関し、さらにリポータ色素分子は、そのそれぞれのプローブから切断され、蛍光強度は、ABI PRISM(商標)配列検出システムに組み込まれるレーザー光学によりモニターされる。各アッセイにおいて、非処理の対照サンプルからのmRNAの段階的希釈液を含む一連の併発反応は、標準曲線を生成し、その曲線はアンチセンスオリゴヌクレオチド処理後阻害の割合を定量するのに使用される。
定量的PCR分析の前に、測定中の標的遺伝子に特異的なプライマ−プローブセットを、GAPDH増幅反応と共に"多重化"される力で評価する。多重化する際に、標的遺伝子及び内部標準遺伝子GAPDHを、単一のサンプルとして共に増幅する。この分析において、非処理の細胞から単離されるmRNAを、段階的に希釈する。各希釈液を、GAPDHのみ、標的遺伝子のみ("単一化")、又は両方(多重化)に特異的プライマ−プローブセットの存在下で増幅する。以下のPCR増幅、GAPDHの標準曲線、及び希釈関数としての標的mRNAシグナルは、単一化及び多重化サンプルの両者から発生する。多重化サンプルから発生するGAPDH及び標的シグナルの傾き並びに相関係数が単一化サンプルから発生するそれらの対応値の10%以内になる場合、その標的に特異的なプライマ−プローブは多重化可能であるとみなされる。他のPCR方法はまた、当業者において既知である。
PCR試薬を、Invitrogen Corporation(カリフォルニア州Carlsbad)から得た。RT−PCR反応を、20μLのPCRカクテル(MgCl無しの2.5xのPCR緩衝液、6.6mMのMgCl、dATP、dCTP、dCTP、並びにdGTP各375nM、フォアードプライマー並びにリバースプライマー各375nM、125nMのプローブ、4ユニットのリボヌクレアーゼ阻害剤、1.25ユニットのPLATINUM(登録商標)Taq、5ユニットMuLV逆転写酵素、及び2.5xのROX色素)を30μLの全RNA溶液(20−200ng)を含む96ウェルプレートに加えることにより行った。RT反応を、30分間48℃のインキュベーションにより実行した。PLATINUM(登録商標)Taqを活性化するための10分間95℃でのインキュベーションに引き続き、2つの工程のPCRプロトコルの40サイクルを実行した:15秒間95℃(変性)に引き続く1.5分間60℃(アニーリング/伸長)。
リアルタイムRT−PCRによって得られた標的遺伝子の定量を、GAPDHの発現レベル若しくは発現量が一定の遺伝子の一方を使用し、或いはRiboGreen(商標)(Molecular Probes、Inc.、オレゴン州Eugene)を使用して全RNAを定量することにより規準化する。GAPDH発現を、標的と多重化とを同時に又は別々に作動させることにより、リアルタイムRT−PCRにより定量化する。全RNA量を、RiboGreen(商標)RNA定量化試薬(Molecular Probes、Inc.、オレゴン州Eugene)を使用し定量化する。
RiboGreen(商標)によるRNA定量化方法は、Jones、L.J.ら(Analytical Biochemistry、1998、265、368−374)において教示される。
このアッセイにおいて、170μLのRiboGreen(商標)が機能する試薬(RiboGreen(商標)試薬で10mMのトリス−HCl:1mMのEDTAを1:350、pH7.5で希釈されたもの)を、30μLの精製された細胞性RNAを含む96ウェルプレートにピペットで移す。プレートを、CytoFluor 4000(PE Applied Biosystems)において485nmで励起し及び530nmで放出し読み込む。
プローブを、公開されている配列情報を使用してヒトの標的配列に対してハイブリダイズするように設計する。
標的mRNAレベルのノーザンブロット解析
アンチセンス処理18時間後、細胞単層を、冷たいPBSで2回洗浄し、1mLのRNAZOL(商標)(TEL−TEST"B"Inc.、テキサス州Friendswood)中で溶解させた。全RNA量を、以下の製造元の推奨規定に従って調整した。全RNA量の20マイクログラムは、MOPS緩衝液システム(AMRESCO、Inc.、オハイオ州Solon)を使用する1.1%のホルムアルデヒドを含む1.2%のアガロースゲルによる電気泳動により分別した。RNAを、Northern/Southern Transfer緩衝液システムを使用する一晩の毛管移動によりゲルからHYBOND(商標)−N+ナイロンメンブラン(Amersham Pharmacia Biotech、ニュージャージー州Piscataway)に移した。RNA移動を、UV視覚化により確認した。メンブランを、STRATALINKER UV Crosslinker(商標)2400(Stratagene、Inc、カリフォルニア州La Jolla)を使用するUV架橋性により固定し、その後QUICKHYB(商標)ハイブリダイゼーション溶液(Stratagene、カリフォルニア州La Jolla)を厳密な条件に関する製造元の推奨規定を使用しプローブした。
ヒトの標的を検出するために、ヒトの標的特異的プライマープローブセットを、PCRにより調整し、ローディングの際の変動を正規化し、移動効率性メンブランが取り除かれ、ヒトのグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)RNA(Clontech、カリフォルニア州Palo Alto)に関しプローブした。
ハイブリダイズされたメンブランを、PHOSPHORIMAGER(商標)とIMAGEQUANT(商標)Software V3.3(Molecular Dynamics、カリフォルニア州Sunnyvale)を用いて視覚化し定量化した。データを、非処理の対照のGAPDHレベルに標準化した。
オリゴマー化合物によるヒトの標的発現阻害
本発明に従い、一連のオリゴマー化合物を、ヒトの標的RNAの異なる領域を標的化するように設計する。オリゴマー化合物を、定量的リアルタイムPCRによりヒトの標的mRNAレベル上でのその効果が分析し、本明細書における他の実施例において記載される。データは、3つの実験からの平均である。これらの好まれる配列に相補的な標的領域は、本明細書において"好まれる標的断片"であり、従って本発明のオリゴマー化合物による標的化に好まれる。配列は、好まれるオリゴマー化合物の逆の相補体を表す。
"好まれる標的断片"が本発明のオリゴマー化合物のハイブリダイゼーションに開かれた或いはアクセス可能な実験により見出されている故、当業者は、単なるルーチン実験のみをし、本発明のさらなる実施形態を理解する或いは確認でき、この実施形態は、これら好まれる標的断片に特異的にハイブリダイズし、その結果標的発現を阻害する他のオリゴマー化合物を含む。
本発明によると、オリゴマー化合物は、アンチセンスオリゴマー化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、外部のガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、替わりのスプライサー、プライマー、プローブ、及び他の短いオリゴマー化合物で標的核酸の部位に少なくともハイブリダイズする化合物を含む。
標的タンパク質レベルのウエスタンブロット解析
ウエスタンブロット分析(免疫ブロット分析)を、標準的な分析法を使用し実行する。細胞を、オリゴヌクレオチド処理の16〜20時間後回収し、PBSで1回洗浄し、Laemmli緩衝液中(100ul/ウェル)で懸濁し、5分間沸騰し、16%のSDS−PAGEゲルにロードする。ゲルを、150Vで1.5時間流し、ウエスタンブロッティングのメンブランへ移す。標的方向に向けられた適切な一次抗体を、一次抗体種に向けられた放射標識された又は蛍光標識された主要な二次抗体と共に使用した。バンドを、PHOSPHORIMAGER(商標)(Molecular Dynamics、カリフォルニア州Sunnyvale)を用いて視覚化する。
代表的な細胞系
MCF−7細胞
ヒトの乳癌細胞系MCF−7を、the American Type Culture Collection(バージニア州Manassas)から得る。これらの細胞は、野性型p53遺伝子を含む。MCF−7細胞を、型通りに10%のウシ胎仔血清(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)で懸濁されたDMEM低グルコース(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)中で培養する。細胞を、90%の密度に達した歳、型通りにトリプシン処理及び希釈により継代培養する。細胞を、本発明のオリゴマー化合物での処理のために7000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Falcon−Primaria#3872)に入れる。
HepB3細胞
ヒトの肝癌細胞系HepB3(Hep3B2.1−7)を、the American Type Culture Collection(ATCC−ATCC Catalog#HB−8064)(バージニア州Manassas)から得る。この細胞系は、もともと8才の黒人男性の肝細胞癌腫に由来した。細胞は、形態において上皮性で及びヌードマウスにおいて腫瘍形成性である。HepB3細胞を、型通りにアールの均衡塩類溶液、2mMのL−グルタミン、1.5g/L重炭酸ナトリウム、0.1mMの可欠アミノ酸、1.0mMのナトリウム・ピルベート(ATCC#20−2003、バージニア州Manassas)を及び熱で非活性化された10%のウシ胎児血清(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)を有する最小必須培地(MEM)で培養する。細胞を、90%の密度に達した歳、型通りにトリプシン処理及び希釈により継代培養する。
T−24細胞
移行性細胞膀胱癌細胞系T−24を、the American Type Culture Collection(バージニア州Manassas)から得る。T−24の細胞を、型通りに10%のウシ胎仔血清(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)1mLにつき100のユニットのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)で補充される完全なMcCoy’s5A基本培地(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)で培養する。細胞を、90%の密度に達した歳、型通りにトリプシン処理及び希釈により継代培養する。細胞を、本発明のオリゴマー化合物での処理のために7000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Falcon−Primaria#3872)に入れる。
A549細胞
ヒトの肺癌細胞系A549を、the American Type Culture Collection(バージニア州Manassas)から得る。A549細胞は、型通りに10%のウシ胎仔血清(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)1mLにつき100のユニットのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)で補充される完全なDMEM基本培地(Gibco/Life Technologies、メリーランド州Gaithersburg)で培養する。細胞を、90%の密度に達した歳、型通りにトリプシン処理及び希釈により継代培養する。細胞を、本発明のオリゴマー化合物での処理のために7000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Falcon−Primaria #3872)に入れる。
主要なマウス肝細胞
主要なマウス肝細胞を、Charles River Labsから購入されるCD−1マウスから調整する。主要なマウス肝細胞を、型通りに10%のウシ胎仔血清(Invitrogen Life Technologies、カリフォルニア州Carlsbad)、250nMデキサメタゾン(Sigma−Aldrich Corporation、ミズーリ州St.Louis)、10nMウシインスリン(Sigma−Aldrich Corporation、ミズーリ州St.Louis)で補充される肝細胞接着培地(Invitrogen Life Technologies、カリフォルニア州Carlsbad)で培養する。細胞を、本発明のオリゴマー化合物での処理のために4000〜6000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート(Falcon−Primaria#353872、BD Biosciences、マサチューセッツ州Bedford)に入れる。
本発明のオリゴマー化合物でのリポソームにより媒介される処理
細胞が望まれる密度に達した際、リポソームにより媒介されるトランスフェクションにより本発明のオリゴマー化合物で処理し得る。96ウェルプレートにおいて増殖された細胞に関し、ウェルを、200μLのOPTI−MEM(商標)−1血清使用量低減培地(Gibco BRL)で1回洗浄し、その後2.5μg/mLのLIPOFECTIN(商標)(Gibco BRL)を含む100μLのOPTI−MEM(商標)−1及び望まれる終濃度での本発明のオリゴマー化合物で処理する。処理の4時間後、培地を新しい培地と取り替える。細胞を、リアルタイムPCRによる標的mRNAの発現解析のために本発明のオリゴマー化合物で処理した16時間後に回収する。
本発明のオリゴマー化合物でのエレクトロポレーションにより媒介される処理
細胞が望まれる密度に達した際、エレクトロポレーションによる本発明のオリゴマー化合物で処理し得る。細胞を、1mmのキュベットにおける望まれる濃度の本発明のオリゴマー化合物の存在下1×10細胞/mLの密度、75Vの電圧及び6msのパルス長でエレクトロポレーションする。電気パルスの送達に引き続き、細胞を16〜24時間で取り替える。細胞を、その後リアルタイムPCRにより標的mRNAの発現解析のために回収する。
アポトーシスアッセイ
カスパーゼ−3の活性を、蛍光分析によるHTSカスパーゼ−3アッセイ(Oncogene Research Products、カリフォルニア州San Diego)でペプチド配列(DEVD)におけるアスパルテート残基後の切断を検出するものにより評価する。DEVD基質を蛍光分子により標識し、切断の際に蛍光の青から緑への変化を示す。処理された細胞における活性カスパーゼ−3を、製造元の規定に従いこのアッセイにより測定する。本発明のオリゴマー化合物での処理に引き続き、50μLのアッセイ緩衝液を各ウェルに加え、20μLのカスパーゼ−3蛍光基質結合物を添加する。データを3組得る。ウェルの蛍光を、蛍光性プレートリーダー(SpectraMAX GeminiXS、Molecular Devices、カリフォルニア州Sunnyvale)を使用し(励起/発光400/505ナノメートル)直ちに検出される。プレートは、カバーされ、さらに3時間37℃でインキュベートされ、その後蛍光が再び蛍光(励起/発光400/505ナノメートル)が測定される。時間ゼロでの値は、3時間で得られた測定値から減じられる。非処理の対照細胞から得られる測定値は、100%活性として表される。
細胞増殖及び生存率測定
細胞生育性及び増殖は、CyQuant GR緑色蛍光色素で細胞性核酸に結合する際強い蛍光増進を呈するCyQuant 細胞増殖アッセイキット(Molecular Probes、オレゴン州Eugene)を使用して測定される。アッセイは、製造元の規定に従いなされる。本発明の1つ若しくはそれ以上のオリゴマー化合物での処理後、ミクロプレートは、ウェルから培地を除去するためにそっと裏返され、200μLのリン酸塩緩衝食塩水で1回洗浄される。プレートは−70℃で凍結し、その後融解される。CyQUANT GR色素/細胞−細胞溶解緩衝液の200μLの体積は、各ウェルに加えられる。ミクロプレートは、5分間室温で、光に当たらない状況で培養される。データは、三組得られる。ウェルの蛍光を、蛍光性プレートリーダー(SpectraMAX GeminiXS、Molecular Devices、カリフォルニア州Sunnyvale)を使用し(励起/発光480/520ナノメートル)直ちに検出する。非処理の対照細胞から得られる測定値を、100%活性として表す。
レプチン欠損マウス:肥満症及び糖尿病(ob/obマウス)のモデル
レプチンは、食欲を制御する脂肪によって生産されるホルモンである。ヒト及びヒト以外の動物両者におけるこのホルモンの欠失は、肥満症に至る。ob/obマウスは、肥満症及び高血糖をもたらすレプチン遺伝子の突然変異を有する。このように、肥満症並びに糖尿病の調査及びこれらの条件を処理するように設計される処理にマウスは有益なモデルである。ob/obマウスは、インシュリンのより高い循環レベルを有し、db/dbマウスより高血糖性ではなく、レプチン受容体における突然変異を隠す。本発明に従い、本発明のオリゴマー化合物を、肥満症及び糖尿病のob/obモデルにおいて試験する。
7週間目の雄C57Bl/6J−Lepr ob/obマウス(Jackson Laboratory、メイン州Bar Harbor)に、10〜15%の脂肪量を有する食餌を与え、4週間週に2回25mg/kgの投与量で皮下に本発明のオリゴマー化合物又は対照化合物を注射する。整理食塩水注射された動物、レプチン野生型腹子(すなわち、やせた腹子)、及び標準の齧歯動物食餌を入れられたob/obマウスは、対照として役立つ。処理期間以後、マウスを、犠牲にし、標的レベルは肝臓、褐色脂肪組織(BAT)、及び白色脂肪組織(WAT)において評価する。RNA単離及び標的mRNA発現レベル定量を、本明細書において記載される他の実施例により行う。
標的mRNAの阻害から生じる生理作用を査定するために、ob/obマウスは、血清脂質、血清のない脂肪酸、血清コレステロール(CHOL)、肝臓トリグリセライド、脂肪組織トリグリセライド、及び肝臓酵素レベルに関し処理期間の終わりに、更に評価する。肝性脂肪症又は肝臓から脂質を除去することを、肝臓トリグリセライド含量を測定することにより査定する。肝性脂肪症を、油性赤O色素で染色される凍結肝臓組織切片の定型的組織学分析により査定し、脂質沈澱物を視覚化するために共通して使用し及び核並びに細胞原形質を視覚化するためにヘマトキシリン及びエオジンそれぞれで対比染色した。
グルコース及びインシュリン新陳代謝の際の標的阻害の効果を、本発明のオリゴマー化合物で処理されるob/obマウスにおいて評価する。プラズマグルコースは、処理の開始時及び処置後2週並びに4週間で測定する。プラズマインシュリンは、同様に処理の初めに測定し処理の2週及び4週後も続く。グルコース及びインシュリン耐性試験でまた、餌を与えられた及び断食されたマウスにおいて投与する。マウスに、インシュリン又はグルコースの一方の腹こう内注射をし、血液中のグルコース及びインシュリンレベルを、グルコース注射前に又は3時間までの15分、20分、又は30分間隔で測定する。本発明のオリゴマー化合物で処理されるob/obマウスの代謝速度を査定するために、マウスの呼吸商及び酸素消費をまた、測定する。
処理を受けたob/obマウスを、脂質代謝、コレステロール生合成、脂肪酸酸化、脂肪酸貯蔵、グルコネオゲネシス、及びグルコース新陳代謝に関係する発現遺伝子に対する標的阻害効果に関して処理期間の終わりに、更に評価する。これらの遺伝子は、これに限定されるものではないが、HMG−コエンザイムAレダクターゼ、アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ1、及びアセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ2、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI、グリコーゲンホスホリラーゼ、グルコース−6−ホスファターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ1、リポタンパク質リパーゼ、ホルモンセンサティブリパーゼを含む。肝臓及び白色並びに茶色脂肪組織のmRNAレベルを、本明細書において、他の実施例において記載するようにリアルタイムPCRにより定量化し、注目する各遺伝子の公開された配列を使用し作られたプライマ−プローブセットを使用する。
レプチン受容体欠損マウス:肥満症及び糖尿病(db/dbマウス)のモデル
レプチンは、食欲を制御する脂肪によって生産されるホルモンである。ヒト及びヒト以外の動物両者におけるこのホルモンの欠失は、肥満症に至る。db/dbマウスは、肥満症及び高血糖をもたらすレプチン遺伝子の突然変異を有する。このように、肥満症並びに糖尿病の調査及びこれらの条件を処理するように設計される処理にマウスは有益なモデルである。db/dbマウスは、インシュリンのより低い循環レベルを有し、ob/obマウスより高血糖性であり、レプチン遺伝子における突然変異を隠し、タイプ2の糖尿病齧歯動物モデルとして使用する。本発明に従い、本発明のオリゴマー化合物を、肥満症及び糖尿病のdb/dbモデルにおいて試験する。
7週間目の雄C57Bl/6J−Lepr db/dbマウス(Jackson Laboratory、メイン州Bar Harbor)に、10〜15%の脂肪量を有する食餌を与え、4週間週に2回25mg/kgの投与量で皮下に本発明のオリゴマー化合物又は対照化合物を注射する。整理食塩水注射された動物、レプチン野生型腹子(すなわち、やせた腹子)、及び標準の齧歯動物食餌を入れられたdb/dbマウスは、対照として役立つ。処理期間以後、マウスを、犠牲にし、標的レベルを肝臓、褐色脂肪組織(BAT)、及び白色脂肪組織(WAT)において評価する。RNA単離及び標的mRNA発現レベル定量を、本明細書において記載される他の実施例により行う。
処理期間以後、マウスを犠牲にし、標的レベルを肝臓、褐色脂肪組織(BAT)、及び白色脂肪組織(WAT)において評価する。RNA単離及び標的mRNA発現レベル定量を、本明細書において記載される他の実施例により行う。
標的mRNAの阻害から生じる生理作用を査定するために、db/dbマウスを、血清脂質、血清のない脂肪酸、血清コレステロール(CHOL)、肝臓トリグリセライド、脂肪組織トリグリセライド及び肝臓酵素レベルに関し処理期間の終わりに、更に評価する。肝性脂肪症又は肝臓から脂質を除去することを、肝臓トリグリセライド含量を測定することにより査定する。肝性脂肪症を、油性赤O色素で染色される凍結肝臓組織切片の定型的組織学分析により査定し、脂質沈澱物を視覚化するために共通して使用し、核並びに細胞原形質を視覚化するためにヘマトキシリン並びにエオジンそれぞれで対比染色した。
グルコース及びインシュリン新陳代謝の際の標的阻害の効果を、本発明のオリゴマー化合物で処理されるdb/dbマウスにおいて評価する。プラズマグルコースを、処理の開始時及び処置後2週並びに4週間で測定する。プラズマインシュリンを、同様に処理の初めに測定し、処理の2週及び4週後も続ける。グルコース及びインシュリン耐性試験でまた、餌を与えられた及び断食されたマウスにおいて投与する。マウスに、インシュリン又はグルコースの一方の腹こう内注射をし、血液中のグルコース及びインシュリンレベルを、グルコース注射前に又は注射後15分、30分、60分、90分、及び120分間隔で測定する。本発明のオリゴマー化合物で処理するdb/dbマウスの代謝速度を査定するために、マウスの呼吸商及び酸素消費をまた、測定する。
処理を受けたdb/dbマウスを、脂質代謝、コレステロール生合成、脂肪酸酸化、脂肪酸貯蔵、グルコネオゲネシス、及びグルコース新陳代謝に関係する発現遺伝子に対する標的阻害効果に関して処理期間の終わりに、更に評価する。これらの遺伝子は、これに限定されるものではないが、HMG−コエンザイムAレダクターゼ、アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ1、及びアセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ2、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI、グリコーゲンホスホリラーゼ、グルコース−6−ホスファターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ1、リポタンパク質リパーゼ、ホルモンセンサティブリパーゼを含む。肝臓及び白色並びに茶色脂肪組織のmRNAレベルを、本明細書において、他の実施例において記載するようにリアルタイムPCRにより定量化し、注目する各遺伝子の公開された配列を使用し作られたプライマ−プローブセットを使用する。
標準の齧歯動物食餌に関するやせたマウス
C57Bl/6マウスを標準の齧歯動物食餌で維持し、対照の(やせた)動物として使用する。本発明の更なる実施形態において、本発明のオリゴマー化合物を、正常なやせた動物において試験する。7週間目の雄C57Bl/6マウスに、4%の脂肪量を有する食餌を与え、4週間週に2回25mg/kgの投与量で皮下に本発明のオリゴマー化合物又は対照化合物を注射する。整理食塩水注射した動物は、対照として役立つ。処理期間以後、マウスを、犠牲にし、標的レベルを、肝臓、褐色脂肪組織(BAT)、及び白色脂肪組織(WAT)において評価する。RNA単離及び標的mRNA発現レベル定量を、本明細書において記載する他の実施例により行う。
処理期間以後、マウスを、犠牲にし、標的レベルを、肝臓、褐色脂肪組織(BAT)、及び白色脂肪組織(WAT)において評価する。RNA単離及び標的mRNA発現レベル定量を、本明細書において記載する他の実施例により行う。
標的mRNAの阻害から生じる生理作用を査定するために、やせたマウスを、血清脂質、血清のない脂肪酸、血清コレステロール(CHOL)、肝臓トリグリセライド、脂肪組織トリグリセライド、及び肝臓酵素レベルに関し処理期間の終わりに、更に評価する。肝性脂肪症又は肝臓から脂質を除去することを、肝臓トリグリセライド含量を測定することにより査定する。肝性脂肪症を、油性赤O色素で染色される凍結肝臓組織切片の定型的組織学分析により査定し、脂質沈澱物を視覚化するために共通して使用し、核並びに細胞原形質を視覚化するためにヘマトキシリン並びにエオジンそれぞれで対比染色された。
グルコース及びインシュリン新陳代謝の際の標的阻害の効果を、本発明のオリゴマー化合物で処理されるやせたマウスにおいても評価する。プラズマグルコースを、処理の開始時及び処置後2週並びに4週間で測定する。プラズマインシュリンを、同様に処理の初めに測定し、処理の2週及び4週後も続ける。グルコース及びインシュリン耐性試験でまた、餌を与えられた及び断食されたマウスにおいて投与する。マウスに、インシュリン又はグルコースの一方の腹こう内注射をし、血液中のグルコース及びインシュリンレベルを、グルコース注射前に又は注射後15分、30分、60分、90分、及び120分間隔で測定する。本発明のオリゴマー化合物で処理するやせたマウスの代謝速度を査定するために、マウスの呼吸商及び酸素消費はまた、測定する。
処理を受けた傾きマウスを、脂質代謝、コレステロール生合成、脂肪酸酸化、脂肪酸貯蔵、グルコネオゲネシス、及びグルコース新陳代謝に関係する発現遺伝子に対する標的阻害効果に関して処理期間の終わりに、更に評価する。これらの遺伝子は、これに限定されるものではないが、HMG−コエンザイムAレダクターゼ、アセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ1、及びアセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ2、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI、グリコーゲンホスホリラーゼ、グルコース−6−ホスファターゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ1、リポタンパク質リパーゼ、ホルモンセンサティブリパーゼを含む。肝臓及び白色並びに茶色脂肪組織のmRNAレベルを、本明細書において、他の実施例において記載するようにリアルタイムPCRにより定量化し、注目する各遺伝子の公開された配列を使用し作られたプライマ−プローブセットを使用する。
本出願において参照された各刊行物は、これに限定されないが、本、参考文献、特許、及び特許出願を含み、本明細書においてそれらの全体が組み込まれることが意図される。

Claims (44)

  1. 第1のオリゴマー化合物と第2のオリゴマー化合物とを有する組成物であって、
    前記第1のオリゴマー化合物の少なくとも一部は、前記第2のオリゴマー化合物の少なくとも一部とハイブリダイズすることができ、
    前記第1のオリゴマー化合物の少なくとも一部は、選択された標的核酸と相補的であり、且つハイブリダイズすることができ、
    前記第1のオリゴマー化合物は、インターヌクレオシド連結基によって連結された複数の連結ヌクレオシドを有し、前記ヌクレオシドは、3つの領域を有するものであり、
    ここで、前記3つの領域の各々は、少なくとも1つの観点において、別個に修飾されたリボフラノシル糖部分を有することによって他の2つの領域の各々と区別されており、若しくは、1つの領域は、β−D−リボフラノシル糖部分を有するものであり、他の2つの領域は、少なくとも1つの観点において、別個に修飾されたリボフラノシル糖部分を有することによって他の2つの領域の各々と区別されており、
    前記第2のオリゴマー化合物は、インターヌクレオシド連結基によって連結された複数の連結ヌクレオシドを有し、
    前記第1及び第2のオリゴマー化合物の各々は、選択的にリン酸基、3’−オーバーハング、若しくは結合基を有するものである、組成物。
  2. 請求項1記載の組成物において、修飾されたリボフラノシル糖部分の前記領域の各々は、均一に修飾されるものである、組成物。
  3. 請求項1記載の組成物において、少なくとも1つの領域は、3’−末端配座配置を有するヌクレオシドを有するものである、組成物。
  4. 請求項3記載の組成物において、前記3つの領域の各々は、3’−末端配座配置を有するヌクレオシドを有するものである、組成物。
  5. 請求項1記載の組成物において、少なくとも1つの領域は、2’−置換リボフラノシル部分を有するものであり、前記2’−置換基は、−F、−O−CHCH−O−CH、−OC−C12アルキル、−O−CH−CH−CH−NH、−O−(CH−O−N(R、−O−CHC(=O)−N(R、−O−(CH−O−(CH−N(R、−O−CH−CH−CH−NHR、−N、−O−CH−CH=CH、−NHCOR、−NH、−NHR、−N(R、−SH、−SR、−N(H)OH、−N(H)OR、−N(R)OH、−N(R)OR、若しくは−O−CH−N(H)−C(=NR)[N(R]であり、
    各々のRは、個別に、H、C〜C12アルキル、保護基又は置換或いは非置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、若しくはC〜C12アルキニルであり、前記置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノ、ハロアルキル、アルケニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、若しくはアリールから選択されるものである、組成物。
  6. 請求項5記載の組成物において、前記2’−置換基の各々は、個別に、−F、−O−CH、−O−CHCH−O−CH、−O−CH−CH=CH、N、NH、NHOH、−O−(CH−O−N(R、−O−CHC(O)−N(R、−O−CH−CH−CH−NH、−O−(CH−O−(CH−N(R、若しくは−O−CH−N(H)−C(=NR)[N(R]であり、
    各々のRは、個別に、H、C〜C12アルキル、保護基又は置換或いは非置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、若しくはC〜C12アルキニルであり、前記置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アジド、シアノ、ハロアルキル、アルケニル、アルコキシ、チオアルコキシ、ハロアルコキシ、若しくはアリールから選択されるものである、組成物。
  7. 請求項6記載の組成物において、前記2’−置換基の各々は、個別に、−F、−O−CHCH−O−CH、−O−CH、−O−CH−CH=CH、若しくは−O−CH−CH−CH−NH(R)であり、RはH若しくはC〜C10アルキルである、組成物。
  8. 請求項7記載の組成物において、前記2’−置換基の各々は、個別に、−F、−O−CH、若しくは−O−CHCH−O−CHである、組成物。
  9. 請求項8記載の組成物において、前記2’−置換基の各々は、個別に、−F若しくは−O−CHである、組成物。
  10. 請求項1記載の組成物において、前記領域の1つは、4’−チオ修飾ヌクレオシドを有するものである、組成物。
  11. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、β−D−リボフラノシル糖部分の1つの領域と、リボフラノシル糖部分の別個に修飾された2つの領域とを有するものである、組成物。
  12. 請求項11記載の組成物において、前記3つの領域は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記内側領域は、β−D−リボフラノシル糖部分を有するものである、組成物。
  13. 請求項12記載の組成物において、5’−外側領域は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分若しくは4’−チオ修飾リボフラノシル部分を有するものであり、前記内側領域は、β−D−リボフラノシル糖部分を有するものであり、また3’−外側領域は、2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、4’−チオ修飾リボフラノシル部分、4’−CH−O−2’−架橋を各々有する修飾リボフラノシル部分、若しくは4’−(CH−O−2’−架橋を各々有するリボフラノシル部分を有するものである、組成物。
  14. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、リボフラノシル糖部分の前記3つの別個に修飾された領域を有するものであり、各々の領域は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分、2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、4’−チオ修飾リボフラノシル部分、4’−CH−O−2’−架橋を各々有する修飾リボフラノシル部分、若しくは4’−(CH−O−2’−架橋を各々有するリボフラノシル部分から選択される、均一に修飾されたリボフラノシル部分を有するものである、組成物。
  15. 請求項14記載の組成物において、前記3つの領域は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記5’−外側領域は、4’−チオ修飾リボフラノシル部分を有するものであり、前記内側領域は、2’−F修飾リボフラノシル糖部分を有するものであり、また前記3’−外側領域は、2’−OCH修飾リボフラノシル糖部分、4’−CH−O−2’−架橋を各々有する修飾リボフラノシル部分、若しくは4’−(CHnn−O−2’−架橋を各々有するリボフラノシル部分を有するものである、組成物。
  16. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記外側領域は、各々1〜6個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、6〜14個のヌクレオシドを有するものである、組成物。
  17. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記外側領域は、各々2〜5個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、8〜13個のヌクレオシドを有するものである、組成物。
  18. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記外側領域は、各々2〜3個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、10〜13個のヌクレオシドを有するものである、組成物。
  19. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記外側領域は、各々1〜3個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、13〜17個のヌクレオシドを有するものであり、前記第1のオリゴマー化合物は、19個のヌクレオシドを有するものである、組成物。
  20. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、2つの外側領域及び1つの内側領域を有するものであり、前記外側領域は、各々2〜5個のヌクレオシドを有するものであり、前記内側領域は、10〜14個のヌクレオシドを有するものであり、前記第1のオリゴマー化合物は、20個のヌクレオシドを有するものである、組成物。
  21. 請求項1記載の組成物において、この組成物は更に、少なくとも1つの5’−リン酸基を有するものである、組成物。
  22. 請求項1記載の組成物において、この組成物は更に、末端3’−OH基を有するものである、組成物。
  23. 請求項1記載の組成物において、この組成物は更に、少なくとも1つの結合基を有するものである、組成物。
  24. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結されるものである、組成物。
  25. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々のヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結されるものである、組成物。
  26. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の1つのヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結されるものであり、また前記第1及び第2のオリゴマー化合物の他のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結されるものである、組成物。
  27. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、ホスホロチオエートインターヌクレオシド連結基によって連結されるものであり、また前記第2のオリゴマー化合物のヌクレオシドは、リン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結されるものである、組成物。
  28. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々のヌクレオシドは、個別に、ホスホロチオエート若しくはリン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって連結されるものである、組成物。
  29. 請求項28記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の少なくとも1つは、個別に、ホスホロチオエート及びリン酸ジエステルインターヌクレオシド連結基によって交互に連結されるものである、組成物。
  30. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の少なくとも1つは更に、3’−末端、5’−末端、若しくは3’−末端及び5’−末端の両方に結合された少なくとも1つの末端キャップ部分を有するものである、組成物。
  31. 請求項30記載の組成物において、前記末端キャップ部分は、反転デオキシ脱塩基部分である、組成物。
  32. 請求項31記載の組成物において、前記第2のオリゴマー化合物は、前記3’−末端及び前記5’−末端の一方若しくは両方に末端キャップ部分を有するものである、組成物。
  33. 請求項32記載の組成物において、前記末端キャップ部分は、反転デオキシ脱塩基部分である、組成物。
  34. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物は、siRNAオリゴヌクレオチドの相補対である、組成物。
  35. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々は、約8〜約80個の核酸塩基を有するものである、組成物。
  36. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々は、約10〜約50個の核酸塩基を有するものである、組成物。
  37. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々は、約12〜約30個の核酸塩基を有するものである、組成物。
  38. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々は、約12〜約24個の核酸塩基を有するものである、組成物。
  39. 請求項1記載の組成物において、前記第1及び前記第2のオリゴマー化合物の各々は、約19〜約23個の核酸塩基を有するものである、組成物。
  40. 請求項1記載の組成物において、前記第1のオリゴマー化合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである、組成物。
  41. 請求項1記載の組成物において、前記第2のオリゴマー化合物は、センスオリゴヌクレオチドである、組成物。
  42. 請求項1の組成物と少なくとも1つのタンパク質とを有する組成物であって、前記タンパク質は、RNA−誘導性サイレンシング複合体(RISC)の少なくとも一部を有するものである、組成物。
  43. 遺伝子発現を阻害する方法であって、1若しくはそれ以上の細胞、組織、若しくは動物に請求項1の組成物を接触させる工程を有する、方法。
  44. 遺伝子発現を阻害する方法であって、1若しくはそれ以上の細胞、組織、若しくは動物に請求項1のオリゴマー化合物を接触させる工程を有する、方法。
JP2012097083A 2012-04-20 2012-04-20 キメラギャップ化オリゴマー組成物 Pending JP2012180358A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097083A JP2012180358A (ja) 2012-04-20 2012-04-20 キメラギャップ化オリゴマー組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012097083A JP2012180358A (ja) 2012-04-20 2012-04-20 キメラギャップ化オリゴマー組成物

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007515019A Division JP2008501335A (ja) 2004-06-03 2004-06-03 キメラギャップ化オリゴマー組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012180358A true JP2012180358A (ja) 2012-09-20

Family

ID=47011848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012097083A Pending JP2012180358A (ja) 2012-04-20 2012-04-20 キメラギャップ化オリゴマー組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012180358A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004044133A2 (en) * 2002-11-05 2004-05-27 Isis Pharmaceuticals, Inc. Modified oligonucleotides for use in rna interference

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004044133A2 (en) * 2002-11-05 2004-05-27 Isis Pharmaceuticals, Inc. Modified oligonucleotides for use in rna interference

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11078485B2 (en) Compositions comprising alternating 2′-modified nucleosides for use in gene modulation
EP1765074B1 (en) POSITIONALLY MODIFIED siRNA CONSTRUCTS
EP1560840B1 (en) Compositions comprising alternating 2'-modified nucleosides for use in gene modulation
US8569474B2 (en) Double stranded constructs comprising one or more short strands hybridized to a longer strand
US20060241072A1 (en) Oligomeric compounds for use in gene modulation
CA2504554A1 (en) 2'-substituted oligomeric compounds and compositions for use in gene modulations
US7790691B2 (en) Double stranded compositions comprising a 3′-endo modified strand for use in gene modulation
AU2004320622B2 (en) Chimeric gapped oligomeric compositions
WO2004044138A2 (en) Chimeric oligomeric compounds and their use in gene modulation
US20050260755A1 (en) Sequential delivery of oligomeric compounds
AU2011203091B2 (en) Chimeric oligomeric compounds and their use in gene modulation
JP2012180358A (ja) キメラギャップ化オリゴマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130917

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140311