JP4578582B2 - 複合スパッタリングカソードを有するスパッタリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスパッタリング技術に関し、特に、複数のターゲットを有するスパッタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング装置は、半導体装置や液晶表示装置等に用いられる薄膜を形成するために使用されており、従来では、図7に示すような大口径ターゲット205を用いたスパッタリング装置202が多用されている。
【0003】
このスパッタリング装置202では、ターゲット205は、真空槽210の天井に固定されたカソード電極204上に配置されており、真空槽210の底壁上には基板ホルダ211が配置されている。
【0004】
基板ホルダ211上に基板212を載置すると、基板212はターゲット205に対向配置され、その状態で真空槽210内を真空排気した後、スパッタリングガスを導入し、カソード電極204に電圧を印加するとターゲット205表面にプラズマが発生する。そのプラズマによってターゲット205表面がスパッタリングされ、ターゲット205の構成材料がスパッタリング粒子220として飛び出し、基板212表面に付着して薄膜が形成される。
【0005】
基板212表面には、高アスペクト比(深さ/直径)の微細孔(微細溝を含む)が形成されており、そのような微細孔内にスパッタリング粒子220を付着させ、薄膜を形成して微細孔内を充填したい場合がある。
【0006】
ところが、上述のようなスパッタリング装置202では、スパッタリング粒子220はターゲット205表面から余弦則に従って飛び出し、様々な方向に飛行するため、基板212表面にはスパッタリング粒子220が様々な方向から入射してしまう。この場合、基板212の微細孔に、スパッタリング粒子220が斜めに入射すると、微細孔の開口部に堆積し、オーバーハングが発生してしまう。オーバーハングが発生すると、微細孔の底面にはスパッタリング粒子が到達できなくなるため、その結果、微細孔内を薄膜で充填できなくなってしまう。
【0007】
そこで出願人は、以前図8に示すスパッタリング装置102を提案した。この図8の上側はスパッタリング装置102の平面図、下側はその模式的なI−I線断面図である。
【0008】
このスパッタリング装置102は真空槽110を有しており、その底壁上には基板ホルダ111が固定され、天井には複数のスパッタリングカソード1031〜1037(ここでは7個)が固定されている。
【0009】
各スパッタリングカソード1031〜1037は、カソード電極1041〜1047と、ターゲット1051〜1057と、円筒形形状の筒体1061〜1067とを有しており、各ターゲット1051〜1057は、基板ホルダ111上に載置される基板112に対し、略平行に対向するようにカソード電極1041〜1047上にそれぞれ固定されている。
【0010】
筒体1061〜1067は、ターゲット1051〜1057に対し、略垂直な状態で、各ターゲット1051〜1057周囲を覆うように配置されており、7個のスパッタリングカソード1031〜1037のうち、中心となるスパッタリングカソード1034の周囲に6個のスパッタリングカソード1031〜1033、1035〜1037が均等に配置されている。
【0011】
真空槽110内を高真空状態にした後、スパッタリングガスを導入し、各カソード電極1041〜1047に電圧を印加すると、各ターゲット1051〜1057表面に個別に高密度プラズマが発生する。
【0012】
各ターゲット1051〜1057は同じ金属材料で構成されており、スパッタリングガスプラズマによって、各ターゲット1051〜1057のスパッタリングが開始されると基板112表面に薄膜が形成される。
【0013】
このとき、各ターゲット1051〜1057から斜め方向に飛び出したスパッタリング粒子は筒体1061〜1067の壁面に付着するので、図9に示すように、基板112へは、垂直に飛び出したスパッタリング粒子120だけが入射する。従って、基板112表面に入射するスパッタリング粒子120は、微細孔の底面まで到達するので、微細孔の開口部にはオーバーハングは発生せず、内部を薄膜で充填することができる。
【0014】
しかしながら上述のようなスパッタリング装置102では、各カソード1031〜1037間に位置する微細孔では、ボトムカバレッジが悪化するという問題がある。その原因は、図10に示すように、基板112表面の微細孔のうち、カソード1031〜1037間に位置し、近接するスパッタリングカソードが右方にある微細孔113では、スパッタリング粒子123が斜め右側から入射するため、微細孔113内に形成される薄膜117は、左側壁が厚く、右側壁が薄くなる。これとは逆に、近接するスパッタリングカソードが左方にある微細孔114では、スパッタリング粒子123は斜め左側から入射するため、微細孔114内に形成される薄膜117は、右側壁が厚く、左側壁が薄くなってしまう。
【0015】
このように、上述のスパッタリング装置102では、各スパッタリングカソード1031〜1037直下に位置する微細孔では、内部は均一に形成された薄膜で充填できるものの、スパッタリングカソード1031〜1037間に位置する微細孔では、内部に形成される薄膜117は非対称となり、均一性が悪化する結果、微細孔内のボトムカバレッジが悪化してしまうという問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたもので、その目的は、大口径基板上の微細孔内を、均一にボトムカバレッジ良く充填できる技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、真空槽と、基板ホルダと、カソードホルダと、前記カソードホルダに保持された複数のスパッタリングカソードとが設けられたスパッタリング装置であって、前記各スパッタリングカソードは、ターゲットとカソード電極とをそれぞれ有し、前記基板ホルダは前記各スパッタリングカソードに対向配置され、前記カソード電極に電圧を印加してスパッタリングガスのプラズマを発生させ、前記ターゲットをスパッタリングすると、前記基板ホルダ上に配置された基板表面に薄膜を形成できるように構成されたスパッタリング装置であって、前記スパッタリングカソード間を遮蔽する筒体の遮蔽物が設けられ、前記各ターゲットは前記筒体の遮蔽物の内部にそれぞれ配置され、前記筒体によって前記基板表面には、斜め方向からスパッタリング粒子が進入しないように構成され、前記基板ホルダの中心と前記基板の中心とを一致させて前記各ターゲットが前記基板に対面するように構成され、前記各スパッタリングカソードと前記筒体の遮蔽物とが一緒に、前記基板ホルダに対し、前記基板ホルダの中心を回転中心として平行に相対回転できるように構成され、前記相対回転が行われたときに、前記基板表面の有効領域が、少なくとも1個のターゲットの直下位置を通過するようにされたことを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスパッタリング装置であって、前記回転中心を中心とし、前記各スパッタリングカソードの中心を通る同心円は、等間隔にされていないことを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタリング装置であって、前記相対回転の回転軸線を中心とし、前記各ターゲットの中心を通る同心円のうち、一のターゲットの中心を通る同心円と隣接する2個の同心円間の距離は、前記一のターゲットの同心円直径方向の大きさよりも短くされていることを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスパッタリング装置であって、前記ターゲットは円盤状に成形されたことを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のスパッタリング装置であって、前記同心円上に配置されるスパッタリングカソードの個数は、内側の同心円上の個数よりも外側の同心円上の個数の方が多くされていることを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のスパッタリング装置であって、前記各スパッタリングカソードに投入される電力は個別に制御できるように構成されたことを特徴とする。
【0023】
上述した構成の本発明のスパッタリング装置では、真空槽と、基板ホルダと、ターゲットとカソード電極とを有する複数のスパッタリングカソードとが設けられており、基板ホルダと各スパッタリングカソードとは、真空槽内で対向配置されている。
【0024】
その基板ホルダ上に基板を配置し、カソード電極に電圧を印加してスパッタリングガスのプラズマを発生させ、ターゲットをスパッタリングすると、基板表面に薄膜を形成できる。
【0025】
このスパッタリング装置では、スパッタリングカソードと基板ホルダとの間に配置され、各スパッタリングカソード間を遮蔽する遮蔽物が、例えば、各スパッタリングカソードを保持するカソードホルダ等に設けられている。従って、基板表面には斜め方向からスパッタリング粒子が進入せず、高アスペクト比の微細孔内を薄膜で充填できるようになっている。
【0026】
そして、基板ホルダと各スパッタリングカソードとを平行に相対回転させながら各スパッタリングカソードに電力を導入し、ターゲットをスパッタリングすると、基板表面に均一にスパッタリング粒子を到達させることができる。
【0027】
一般に、基板は中心から一定範囲内が使用可能な有効領域となっているため、基板とターゲットとの相対回転が行われる際に、基板表面の有効領域が、少なくとも1個のターゲットの直下位置を通過するようにしておくと、有効領域内のどの部分にも、スパッタリング粒子がほぼ垂直に入射する。従って、微細孔(微細な溝を含む)内にスパッタリング粒子が垂直に入射し、底面に偏ることなく堆積させることができる。
【0028】
各スパッタリングカソードから飛び出すスパッタリング粒子のうち、基板に垂直に入射するものは、ターゲットの周辺部分を除く領域から飛び出したものが多い。そのため、各スパッタリングカソードの配置については、基板とターゲットとの相対回転の回転軸線を中心とし、各ターゲットの中心を通る同心円を考えた場合、各ターゲットの大きさが同じであれば、それらの同心円のうち、一のターゲットの中心を通る同心円と隣接する2個の同心円間の距離を、その一のターゲットの同心円直径方向の大きさよりも短くしておくと、各スパッタリングカソードからスパッタリング粒子が垂直に飛び出す領域が基板円周方向で重なり合うようになる。従って、相対回転する基板表面の多くの部分に垂直にスパッタリング粒子が入射するようになる。
【0029】
ターゲットが円盤状に成形され、筒体で構成された遮蔽物内に配置されている場合には、一のターゲットの中心が配置された同心円に隣接する同心円間の距離は、そのターゲットの直径よりも短くすればよい。
【0030】
基板が回転する場合、中心付近の移動速度よりも外側の移動速度の方が速い。従って、配置するスパッタリングカソードの個数を、基板の中心に近い位置よりも、外周の方を多くしておくと、ターゲットと対向する時間が基板面内で均一になり、面内膜厚分布の均一性が良好になる。
【0031】
また、各スパッタリングカソードに投入する電力を個別に制御できるようにしておき、内側の同心円上に配置されたスパッタリングカソードに投入する電力よりも、外側の同心円上に配置されたスパッタリングカソードに投入する電力を大きくしても、面内膜厚分布を均一にすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図2の符号2は、本発明の第一例のスパッタリング装置を示しており、真空槽10を有している。真空槽10の天井には複数のスパッタリングカソード31〜36が固定されており(図2では符号31、33、35を付した3個のスパッタリングカソードを示す)、底壁上には基板ホルダ11が配置されている。真空槽10の天井を除去した状態を、図1に示す(図2は図1のA−A線截断面図に相当する)。
【0033】
各スパッタリングカソード31〜36は、カソード電極41〜46をそれぞれ有しており、各カソード電極41〜46上には、基板ホルダ11に対して平行に、ターゲット51〜56がそれぞれ固定されている。
【0034】
各ターゲット51〜56の周囲には、筒体61〜66が略垂直にそれぞれ配置されており、各ターゲット51〜56は、筒体61〜66の開口部から基板ホルダ11と対向するようにされている。
基板ホルダ11上には、基板ホルダ11よりも小径の直径200mmのホットプレート13が設けられている。
【0035】
基板ホルダ11の裏面には回転軸17の一端が固定されており、回転軸17の他端は真空槽10外に気密に導出され(真空槽10と回転軸17の間の隙間20は磁性流体でシールされている)、他端は図示しないモータに接続されている。図2の符号18は、回転軸17の回転軸線を示しており、その回転軸線17は、ホットプレート13の表面とは垂直になっている。
【0036】
ホットプレート13上に直径200mmの基板12を配置し、モータを起動し、回転軸17、基板ホルダ11、ホットプレート13を、中心軸線18を中心として回転させると、基板12は、各ターゲット51〜56と平行な状態で、図1の符号Oで示す回転中心を中心に一緒に回転する。
【0037】
ターゲット51〜56は直径が約50mmの円盤状に成形されており、筒体61〜66の開口部とホットプレート13とは、所定間隔が開けられているため、各ターゲット51〜56をスパッタリングしたときには、基板12表面では、各ターゲット51〜56の中心81〜86の直下位置を中心とした直径40mm以内の領域が、基板12表面に形成された微細孔内に、薄膜をカバレッジよく充填できる領域となっている。
【0038】
図1の符号91〜96は、回転中心Oを中心とした基板12上の半径20、40、60、80、100、120mmの同心円であり(各同心円91〜96の間隔は20mm)、各スパッタリングカソード31〜36は、ターゲット51〜56の中心81〜86が、同心円91〜96の鉛直上に位置するように配置されている。
【0039】
このようなスパッタリング装置2を用い、基板12表面の微細孔内を薄膜で充填する場合には、先ず、ホットプレート13上に、基板12の中心を回転中心Oに一致させた状態で配置し、次いで、真空槽10内を真空排気し、所定圧力になったところでスパッタリングガスを導入する。このとき、ホットプレート13に通電し、基板12を所定温度に加熱しておく。
【0040】
各スパッタリングカソード31〜36には個別に電源が設けられており、投入電力を調節しながら各スパッタリングカソード31〜36に電圧を印加すると、筒体61〜66内にスパッタリングガスプラズマが発生し、ターゲット51〜56のスパッタリングが開始される。
【0041】
このとき、上述のモータを起動し、基板12を回転させると、基板12表面は、少なくともターゲット51〜56のいずれか1個のターゲットと平行に対向する位置を通過する。
【0042】
更に、各ターゲット51〜56の半径(25mm)は、同心円91〜96の間隔よりも大きく、垂直に飛び出すスパッタリング粒子の量が多い領域の半径(20mm)が同心円91〜96の間隔と等しくされている。
【0043】
従って、基板12表面は、各ターゲット51〜56のうちのいずれか1個のターゲットのスパッタリング粒子が垂直に飛び出す領域と平行に対向する位置を通過する。その領域を通過する際に、スパッタリング粒子は基板12表面に垂直に入射するので、基板12表面に設けられた微細孔の底面にスパッタリング粒子が堆積し、微細孔内が薄膜で均一に充填される。
【0044】
基板12表面への薄膜を形成した後、真空槽10内から基板12を搬出し、断面を観察したところ、アスペクト比5.0の微細孔は、50%以上のボトムカバレッジで充填されていた。
【0045】
なお、図3は、基板ホルダ11下部の詳細図であり、基板ホルダ11は回転軸17に取り付けられ、フェローシール22によって真空槽外に気密に導出されている。回転軸17の下部には、モータ21が取り付けられ、回転可能に構成されている。回転軸17内部には、不図示の基板昇降機構が配置され、基板ホルダ11上に載置された基板が上下移動できるように構成されている。
【0046】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図4の符号52は、本発明の第二例のスパッタリング装置を示しており、上述のスパッタリング装置2と同じ部材には同じ符号を付して説明する。
【0047】
このスパッタリング装置52は、真空槽60を有しており、該真空槽60の底壁上には基板ホルダ11が配置されている。
【0048】
真空槽60の天井側には、カソードホルダ58が配置されており、その裏面には、回転軸27の一端が垂直に取り付けられている。回転軸27の他端は、フェローシール32を介して真空槽60外に気密に導出され、モータ31に取り付けられている。
【0049】
カソードホルダ58の基板ホルダ11側には、上述のスパッタリングカソード31〜36と同じスパッタリングカソードが取り付けられている(図4では符号31、33、35を付した3個のスパッタリングカソードを示す)。各スパッタリングカソード31〜36内に設けられたターゲット51〜56は、基板ホルダ11上に設けられたホットプレート13の表面と平行にされている。
【0050】
各ターゲット51〜56の周囲には、筒体61〜66が略垂直に配置されており、各ターゲット51〜56は、筒体61〜66の開口部から基板ホルダ11上のホットプレート13と対向するようにされている。
【0051】
このスパッタリング装置52の、各ターゲット51〜56は、図2に示したのと同様の位置関係で配置されており、符号28で示した回転軸27の中心軸線は、ホットプレート13表面に対し、垂直になっている。また、スパッタリングカソード31〜36、カソード電極41〜46、ターゲット51〜56、筒体61〜66、ホットプレート13は、図2に示したのと同様の相対的な位置関係で配置されている。
【0052】
他方、この第二例のスパッタリング装置52では、各スパッタリングカソード31〜36が、カソードホルダ58の回転によって回転し、基板ホルダ11、ホットプレート13は静止しているため、ホットプレート13上に配置された基板12も静止している。
【0053】
各スパッタリングカソード31〜36が回転した場合、基板ホルダ11上に載置された基板は、各スパッタリングカソード31〜36直下の直径40mmの領域内を通過する。その領域では、垂直に入射するスパッタリング粒子が多いので、この第二例のスパッタリング装置52でも、第一例のスパッタリング装置2と同様に、高アスペクト比の微細孔内を、薄膜で均一に充填することができる。
【0054】
図5に、上述のスパッタリング装置52のスパッタリングカソードの配置を変更した変形例を示す。この変形例では、カソードホルダ58に対し、10個のスパッタリングカソード3'が配置されている。各スパッタリングカソード3'は、図6(a)に示すカソードホルダ15に取り付けられている。図6(b)に示すように、各スパッタリングカソード3'のターゲット5'の裏側には、マグネトロン磁石7がそれぞれ配置されており、筒体6'内部で効率よくプラズマが発生するように構成されている。
【0055】
上記各スパッタリングカソード3'では、回転中心を中心とし、各スパッタリングカソード3'の中心を通る同心円は、等間隔になっていない。このように、各スパッタリングカソード3'が不均一に配置されていても、基板と各スパッタリングカソード3'とが相対回転することで、カバレッジ性が良く、面内膜厚分布が均一な薄膜を得ることができる。
【0056】
以上説明したように、本発明のスパッタリング装置2、52では、基板12が回転しても、各スパッタリングカソード3 1 〜3 6 が回転してもよい。要するに、基板12と各スパッタリングカソード3 1 〜3 6 とが相対的に回転し、各スパッタリングカソード3 1 〜3 6 の中心が、基板ホルダの相対回転の中心軸線を中心とする同心円上に配置されていればよく、基板12とスパッタリングカソード3 1 〜3 6 とが両方とも回転するスパッタリング装置も含まれる。
【0057】
なお、各スパッタリングカソード3'が不均一に配置されている場合や、各同心円91〜96上に1個ずつ配置されている場合でも、それらのスパッタリングカソード31〜36(又はスパッタリングカソード3')のうち、内側のものの投入電力が比較的小さく、外側のものの投入電力が比較的大きくなるようにすると、基板表面に形成される薄膜の面内膜厚分布を、一層均一にすることができる。
【0058】
他方、投入電力を等しくした場合でも、外側の同心円(例えば同心円96と同心円98)上に配置するスパッタリングカソードの個数を多くすれば、面内膜厚分布を均一にできる。
【0059】
なお、各ターゲット51〜56間を遮蔽するために、筒体61〜66を用いたが、筒体ではなく、板状の遮蔽物を設けてもよい。
それらの遮蔽物の電位はフローティング又は任意の電位に制御することが可能である。また、遮蔽物の位置はカソードホルダに直接固定されていなくてもよい。
【0060】
更に、スパッタリングカソードは、磁気回路を持つマグネトロンカソードか、磁気回路の無いスパッタカソードでもよい。
また、カソード電極に固定するターゲットの種類、材質は同じでなくてもよい。異なった種類のターゲットを用い、基板上で合成することができる。
【0061】
スパッタ電源はDC、RF、HF電圧、及びこれらの電圧を重畳したものも使用可能である。更に、基板にバイアス電圧を印加してもよい。このバイアス電圧の種類は、DC、RF、HF電圧及びそれらを重畳した電圧でもよい。
【0062】
各ターゲット51〜56は円形であったが、本発明はそれに限定されるものではなく、四角形、六角形等の種々の形状が含まれる。要するに、複数のターゲットのうちの一のターゲットの中心が配置された同心円に隣接する同心円間の距離は、前記一のターゲットの直径方向の大きさよりも短くされていれば、相対回転したときに、基板表面は、ターゲットと平行に対向することができる。従って、各ターゲットが異なる大きさ、形状であってもよい。
【0063】
【発明の効果】
大型の基板でも、微細孔内を均一に、対称性よく薄膜を充填できる。また、ボトムカバレージも高い。
薄膜の面内膜厚分布も均一にできる。
スパッタリングターゲットの一個一個のサイズを小さくできるので、製造が容易であり、低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置のスパッタリングカソードの配置状態を説明するための図
【図2】本発明のスパッタリング装置の第一例を説明するための概略構成図
【図3】そのスパッタリング装置の回転軸部分の詳細図
【図4】本発明のスパッタリング装置の第二例を説明するための概略構成図
【図5】本発明のスパッタリングカソードの配置の変形例を示す図
【図6】(a):そのスパッタリングカソードの取付状態を説明するための図
(b):スパッタリングカソードの断面図
【図7】従来技術のスパッタリング装置の例
【図8】従来技術のスパッタリング装置の他の例
【図9】そのスパッタリング装置でのスパッタリング粒子の飛行方向を説明するための図
【図10】ボトムカバレージの非対称性を説明するための図
【符号の説明】
2、52……スパッタリング装置 31〜36、3'……スパッタリングカソード 41〜46……カソード電極 51〜56……ターゲット 61〜66……筒体(遮蔽物) 10、60……真空槽 11……基板ホルダ 12……基板
Claims (6)
- 真空槽と、基板ホルダと、カソードホルダと、前記カソードホルダに保持された複数のスパッタリングカソードとが設けられたスパッタリング装置であって、
前記各スパッタリングカソードは、ターゲットとカソード電極とをそれぞれ有し、
前記基板ホルダは前記各スパッタリングカソードに対向配置され、
前記カソード電極に電圧を印加してスパッタリングガスのプラズマを発生させ、前記ターゲットをスパッタリングすると、前記基板ホルダ上に配置された基板表面に薄膜を形成できるように構成されたスパッタリング装置であって、
前記スパッタリングカソード間を遮蔽する筒体の遮蔽物が設けられ、
前記各ターゲットは前記筒体の遮蔽物の内部にそれぞれ配置され、
前記筒体によって前記基板表面には、斜め方向からスパッタリング粒子が進入しないように構成され、
前記基板ホルダの中心と前記基板の中心とを一致させて前記各ターゲットが前記基板に対面するように構成され、
前記各スパッタリングカソードと前記筒体の遮蔽物とが一緒に、前記基板ホルダに対し、前記基板ホルダの中心を回転中心として平行に相対回転できるように構成され、
前記相対回転が行われたときに、前記基板表面の有効領域が、少なくとも1個のターゲットの直下位置を通過するようにされたことを特徴とするスパッタリング装置。 - 前記回転中心を中心とし、前記各スパッタリングカソードの中心を通る同心円は、等間隔にされていない請求項1記載のスパッタリング装置。
- 前記相対回転の回転軸線を中心とし、前記各ターゲットの中心を通る同心円のうち、一のターゲットの中心を通る同心円と隣接する2個の同心円間の距離は、
前記一のターゲットの同心円直径方向の大きさよりも短くされていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のスパッタリング装置。 - 前記ターゲットは円盤状に成形されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
- 前記同心円上に配置されるスパッタリングカソードの個数は、内側の同心円上の個数よりも外側の同心円上の個数の方が多くされていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
- 前記各スパッタリングカソードに投入される電力は個別に制御できるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のスパッタリング装置。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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KR1019970053816A KR100531991B1 (ko) | 1996-10-21 | 1997-10-20 | 스퍼터링 장치 |
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