JP4577737B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトダイオードを利用した固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図16の上段は、従来技術による固体撮像装置を概略的に示す断面図である。
【0003】
半導体基板の一表面側に形成されたp型半導体ウエル領域51、n型半導体領域54(以下、「電荷蓄積領域54」という。)、および、電荷蓄積領域54表面のp+ 型半導体領域55(以下、埋込層55」という。)は、フォトダイオードを構成する。p型半導体ウエル領域51内には、電荷転送路を形成するためのn型半導体領域53(以下、「電荷転送用チャネル53」という。)およびチャネルストップを形成するためのp型半導体領域52(以下、「チャネルストップ領域52」という。)が形成される。
【0004】
これらの領域を有する半導体基板の表面上には、絶縁膜56を介して、所定パターンの電極57が形成される。電極57は、電荷蓄積領域54と電荷転送用チャネル53との間に介在しているp型半導体ウエル領域51の一領域(以下、この領域を「読出ゲート用チャネル51a」という。)の上方を覆うように形成される。
【0005】
電荷蓄積領域54を覆う埋込層55は、半導体基板表面と絶縁膜56との界面に生じる電子−ホール対生成再結合(GR)中心を取り込み、GR中心で発生する電子−ホール対を再結合させる。これにより、ノイズの発生が防止される。また、埋込層55は、フォトダイオードのpn接合面積を増加させ、光感度を向上させる機能も果たす。
【0006】
この埋込層55は、左端がチャネルストップ領域52に接続され、右端が読出ゲート用チャネル51aに接続される。ただし、埋込層55とチャネルストップ領域52との接続箇所は、図16に示した箇所に限らない。両者は、読出ゲート用チャネル51aの形成箇所を除き、電荷蓄積領域54の平面視上の外周部においても接続している。
【0007】
埋込層55は、チャネルストップ領域52、電荷転送用チャネル53、電荷蓄積領域54等を形成した後、電荷蓄積領域54の表面にイオン注入法によってp型不純物を注入してp+ 型領域を設け、その後、このp型不純物を熱処理により活性化することによって形成される。このときのイオン注入は、イオン注入すべき領域の外縁がチャネルストップ領域52に接するようにして行われる。
【0008】
他に、埋込層55の右端を読出ゲート用チャネル51aから若干離した以外は図16に示した固体撮像装置と同様の構成を有する固体撮像装置が、知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図16の中段は、電極57に0Vを印加した時の半導体基板表面付近の電子に対するポテンシャルP1を示す。
【0010】
本明細書においては、電圧を印加したときに形成される電位の井戸が深い領域程「ポテンシャルが高い」といい、電位の井戸が浅い領域程「ポテンシャルが低い」という。
【0011】
チャネルストップ領域52は接地電位にある。電荷蓄積領域54および電荷転送用チャネル53の各ポテンシャルは、チャネルストップ領域52のポテンシャルより高い。読出ゲート用チャネル51aのポテンシャルは、電荷蓄積領域54および電荷転送用チャネル53のポテンシャルよりも低い。
【0012】
フォトダイオードに上方から光が入射すると、フォトダイオードは入射光を吸収することにより電荷を生成する。すると、電荷蓄積領域54には光量に応じた電荷(電子)Qが蓄積される。フォトダイオードは画素に相当し、蓄積された電荷Qが画素信号に相当する。
【0013】
このとき、読出ゲート用チャネル51aは、フォトダイオードから電荷転送用チャネル53への電荷Qの移動を阻止する。すなわち、読出ゲート用チャネル51aには、ポテンシャルバリアが形成される。
【0014】
図16の下段は、フォトダイオードに蓄積されている電荷を電荷転送用チャネル53に移送するための読み出しパルスを電極57に印加した時の半導体基板表面付近のポテンシャルP2を示す。このときも、チャネルストップ領域52は接地電位にある。
【0015】
電極57に例えば15Vの読み出しパルスを印加すると、その下の半導体領域の電子に対するポテンシャルが高くなる。読出ゲート用チャネル51aのポテンシャルが高くなり、ポテンシャルバリアとしての機能が低下する。電荷蓄積領域54内の電荷Qが電荷転送用チャネル53に流れ込む。ただし、読み出しパルスの電位が15V程度では、読出ゲート用チャネル51aに低いポテンシャルバリアが残ることがある。
【0016】
読出ゲート用チャネル51aにポテンシャルバリアが残ると、電荷Qのうちの一部の電荷Q2のみが電荷転送用チャネル53に移送され、他の一部の電荷Q1が電荷蓄積領域54内に残る。電荷Q1はノイズとして画像に現れる。具体的には、電荷Q1は残像のノイズとなる。また、残像のノイズ以外にも、ノイズが発生する。
【0017】
残像のノイズは、読み出しパルスの電位を高くすることにより、低減させることができる。また、埋込層55の右端を読出ゲート用チャネル51aから若干離すことにより、読み出しパルスの電位を例えば15Vに保ったままでも、読出ゲート用チャネル51aに形成されるポテンシャルバリアを下げることが可能である。
【0018】
しかしながら、埋込層55の右端を読出ゲート用チャネル51aから若干離して形成したとしても、残像のノイズ以外のノイズの発生を抑制することは困難である。
【0019】
本発明の目的は、ノイズの発生を抑制することができる固体撮像装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本件発明者は、埋込層を有するフォトダイオードを利用した固体撮像装置において残像のノイズ以外のノイズが発生する原因について鋭意研究した結果、次の知見を得た。
【0021】
すなわち、従来は、図16に示した電荷転送用チャネル53とその右側の埋込層55との間に大きな電流が流れることはないと考えられていた。
【0022】
しかしながら、実際には、電荷転送用チャネル53とその右側の埋込層55との間に瞬間的に大きな電流が流れることが明らかとなった。この原因は、埋込層55の形成方法にあると考えられる。
【0023】
埋込層55を形成するにあたって、イオン注入すべき領域の外縁がチャネルストップ領域52に接するようにしてイオン注入を行い、その後に活性化のための熱処理を行うと、この熱処理時にp型不純物が熱拡散する。
【0024】
この熱拡散により、p型不純物はイオン注入によって形成されたp+ 型領域の厚さの概ね50〜80%、その外側にまで拡がる。
【0025】
このため、熱拡散したp型不純物はチャネルストップ領域52の表層に達し、ここでのp型不純物の濃度がそれより下層でのp型不純物の濃度より高くなる。
【0026】
前述したように、図16に示した電極57に読み出しパルスを印加したときでも、チャネルストップ領域52の電位は接地電位に維持される。
【0027】
このような状況下で読み出しパルスが瞬間的に電極57に印加されると、電荷転送用チャネル53とその右側のチャネルストップ領域52とのpn接合に逆バイアスが印加される。この逆バイアスは、埋込層55から熱拡散してきたp型不純物によってチャネルストップ領域52の表層でのp型不純物の濃度(キャリア濃度)が高くなっていることから、特に、電荷転送用チャネル53とその右側のチャネルストップ領域52の表層とのpn接合に印加される。
【0028】
この逆バイアスによって、電荷転送用チャネル53とその右側のチャネルストップ領域52の表層とのpn接合がブレークダウンする。電荷転送用チャネル53とその右側の埋込層55との間に瞬間的に大きな電流が流れる。
【0029】
このブレークダウンにより電子−ホール対が発生し、チャネルストップ領域52の右に接続されている埋込層55にホールが流入する。また、電子が電荷転送用チャネル53に流入する。
【0030】
埋込層55に流入したホールは、実質的に、ノイズの発生要因とならない。しかしながら、電荷転送用チャネル53に流入した電子はノイズ信号となる。このノイズ信号が画像上のノイズとなって現れる。
【0031】
したがって、上記のブレークダウンを抑制すれば、ノイズを低減させることができる。そのためには、チャネルストップ領域52の表層での不純物濃度がそれより下層での不純物濃度よりあまりに高くなることを抑制すればよい。
【0032】
埋込層55を形成する際に起こる熱拡散によってチャネルストップ領域52の表層にまで達してくるp型不純物の量を減らせば、チャネルストップ領域52の表層での不純物濃度がそれより下層での不純物濃度よりあまりに高くなることを抑制することができる。
【0033】
例えば、埋込層55を形成する際にイオン注入によって設けられるp+ 型領域をチャネルストップ領域52から離すことにより、熱拡散によってチャネルストップ領域52にまで達するp型不純物の量を低減させることができる。
【0034】
読出パルスが供給される電極57の全体形状は、固体撮像装置の仕様に応じて様々である。チャネルストップ領域52の全体形状についても同様である。
【0035】
したがって、埋込層55の平面視上の大きさおよび形状をどのようにするかは、固体撮像装置の仕様に応じて適宜選択される。
【0036】
本発明の一観点によれば、一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、前記半導体ウエル領域に形成された複数の電荷蓄積領域によって構成される電荷蓄積領域列であって、前記電荷蓄積領域の各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する電荷蓄積領域列と、前記電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、前記電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が、前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有すると共に、対応する電荷蓄積領域と前記電荷転送用チャネルとに隣接する読出ゲート用チャネルと、前記半導体ウエル領域に形成されたチャネルストップ領域であって、前記半導体ウエルと同じ導電型を有し、少なくとも、前記電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときに前記電荷転送用チャネルとは反対の側において該電荷蓄積領域列に沿って延在するチャネルストップ領域と、前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、前記列方向中心線を基準線としたときに前記電荷転送用チャネルとは反対の側に位置する少なくとも一領域において前記高不純物濃度領域が前記チャネルストップ領域から離れている埋込層とを有する固体撮像装置が提供される。
【0037】
本発明の他の観点によれば、一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、前記半導体ウエル領域に複数行、複数列に亘って行列状に形成された多数個の電荷蓄積領域であって、各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する多数個の電荷蓄積領域と、電荷蓄積領域列の各々に1本ずつ、該電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、対応する電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有し、対応する電荷蓄積領域に隣接すると共に、該電荷蓄積領域に対応する電荷転送用チャネルとも隣接する読出ゲート用チャネルと、前記半導体ウエル領域に形成され、該半導体ウエルと同じ導電型かつより高い不純物濃度を有する1または複数のチャネルストップ領域であって、前記電荷蓄積領域列毎に該電荷蓄積領域列に沿って延在する一領域を含み、該一領域が、前記電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネルとはこの電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときの反対の側に延在するチャネルストップ領域と、前記半導体基板上に電気的絶縁膜を介して形成された多数本の読出兼用転送電極および転送専用転送電極であって、前記読出兼用転送電極の各々が、電荷蓄積領域行の各々に1本ずつ形成されて該電荷蓄積領域行に沿って延在すると共に該電荷蓄積領域行中の各電荷蓄積領域に対応する読出ゲート用チャネルの各々を平面視上覆い、前記転送専用転送電極の各々が、前記電荷蓄積領域行の各々に少なくとも1本ずつ形成されて該電荷蓄積領域行に沿って延在し、1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された前記読出兼用転送電極と前記転送専用転送電極とが、該電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域の各々を平面視上取り囲む多数本の読出兼用転送電極および転送専用転送電極と、前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、該高不純物濃度領域がその下の前記電荷蓄積領域に対応している読出兼用転送電極から平面視上離隔して形成されている埋込層とを有する固体撮像装置が提供される。
【0038】
本発明の更に他の観点によれば、一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、前記半導体ウエル領域に複数行、複数列に亘って行列状に形成された多数個の電荷蓄積領域であって、各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する多数個の電荷蓄積領域と、電荷蓄積領域列の各々に1本ずつ、該電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、対応する電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有し、対応する電荷蓄積領域に隣接すると共に、該電荷蓄積領域に対応する電荷転送用チャネルとも隣接する読出ゲート用チャネルと、前記半導体ウエル領域に形成され、該半導体ウエルと同じ導電型かつより高い不純物濃度を有する1または複数のチャネルストップ領域であって、前記電荷蓄積領域列毎に該電荷蓄積領域列に沿って延在する一領域を含み、該一領域が、前記電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネルとはこの電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときの反対の側に延在するチャネルストップ領域と、前記半導体基板上に電気的絶縁膜を介して形成された多数本の読出兼用転送電極であって、前記電荷蓄積領域行の各々に対してその直ぐ上流側を該電荷蓄積領域行に沿って延在する第1の読出兼用転送電極と、前記電荷蓄積領域行の各々に対してその直ぐ下流側を該電荷蓄積領域行に沿って延在する第2の読出兼用転送電極とを含み、1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された前記第1の読出兼用転送電極と前記第2の読出兼用転送電極とが、該電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域の各々を平面視上取り囲む多数本の読出兼用転送電極と、前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、該高不純物濃度領域がその下の前記電荷蓄積領域を平面視上取り囲む第1の読出兼用転送電極および第2の読出兼用転送電極のいずれからも平面視上離隔して形成されている埋込層とを有する固体撮像装置が提供される。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1は、第1の実施例による固体撮像装置30を模式的に示す平面図である。
この固体撮像装置30では、例えばシリコン等の半導体基板1の上に複数のフォトダイオード(光電変換素子)2、垂直電荷転送路(VCCD)3、トランスファゲート(読出ゲート)4、水平電荷転送路(HCCD)6、出力アンプ7、および制御部8が形成され、全体として一つの半導体チップに構成される。
【0040】
複数のフォトダイオード2が、二次元行列状に配置されている。フォトダイオード2の各々は、受光した光を電荷に変換して蓄積する。フォトダイオード2それぞれの受光部の上には、カラーフィルタが配置される。図1では理解を容易にするために、フォトダイオード(画素)の数を便宜上24個で描いているが、これに限定されない。実際の固体撮像装置は、100万個オーダのフォトダイオードを有する。
【0041】
各フォトダイオード2の右には、読出ゲート4を介して垂直電荷転送路3が延在している。1列のフォトダイオード列に1本ずつ、垂直電荷転送路3が配設される。読出ゲート4は、対応するフォトダイオード2内の電荷を垂直電荷転送路3に読み出す際に利用される。
【0042】
垂直電荷転送路3は、電荷結合素子(CCD)により構成され、フォトダイオード2から読み出された電荷を図1の紙面の上から下方向(垂直方向)に転送する。このとき、1行のフォトダイオード行を構成するフォトダイオード2の各々から読み出された電荷は、垂直電荷転送路3の各々によって同じタイミングで水平電荷転送路6へ向けて転送される。
【0043】
水平電荷転送路6は、CCDにより構成され、垂直電荷転送路3から転送された電荷を受け取り、紙面の右から左方向(水平方向)に転送する。
【0044】
出力アンプ7は、水平電荷転送路6から転送された電荷量に対応する電圧を出力する。この電圧値は、画素値に相当する。各フォトダイオード2は、画素に相当する。フォトダイオード2を二次元に配列することにより、二次元画像の信号を得ることができる。
【0045】
制御部8は、フォトダイオード2から垂直電荷転送路3に電荷を読み出すための読出ゲート4の制御、垂直電荷転送路3の制御、水平電荷転送路6の制御、および/又はフォトダイオード2内の電荷をクリアするための制御などを行う。
【0046】
なお、1個のフォトダイオード2の周辺の領域の詳細は、後に図4を参照しながら説明する。
【0047】
図2(A)〜図2(C)および図3は、本実施例による固体撮像装置30の製造方法を説明するための基板断面図であり、図1中のII−II線に沿った断面図である。
【0048】
まず、n型半導体基板の一表面側にp型半導体ウエル領域を高エネルギイオン注入等によって形成して、半導体基板を得る。
【0049】
図2(A)に示すように、この半導体基板1の所定箇所、すなわち、n型半導体基板1aの一表面側に形成されたp型半導体ウエル領域1bの表面またはその上に、電荷転送用チャネル3a、チャネルストップ領域5、絶縁膜(シリコン酸化膜)10、読み出しパルスおよび電荷転送用の駆動パルスが供給される読出兼用転送電極11a、ならびに、電荷転送用の駆動パルスのみが供給される転送専用転送電極(図2(A)においては見えていない。)を形成する。
【0050】
電荷転送用チャネル3aはn型半導体によって構成され、チャネルストップ領域5はp+ 型半導体によって構成される。これらは、イオン注入等により、p型半導体ウエル領域1bの表面に形成する。p+ 型半導体におけるp型不純物の濃度は、p型半導体におけるp型不純物の濃度よりも高い。
【0051】
電荷転送用チャネル3aは、チャネルストップ領域5の水平方向(半導体基板面内方向)の隣に形成される。電荷転送用チャネル3aとチャネルストップ領域5とは、水平方向に周期的に形成される。
【0052】
絶縁膜(シリコン酸化膜)10は、半導体基板1上に、熱酸化又は化学気相堆積(CVD)等により形成される。
【0053】
読出兼用転送電極11aおよび転送専用転送電極は、絶縁膜10上に形成される。先ず転送専用転送電極が形成され、その後、転送専用転送電極の表面を酸化して絶縁膜(シリコン酸化膜)を形成した後、読出兼用転送電極11aが形成される。これらの転送電極を形成するためには、一旦、絶縁膜10上にポリシリコン膜を形成する。その後、このポリシリコン膜をフォトリソグラフィおよびエッチングによりパターニングして、所望の転送電極を得る。転送専用転送電極を形成するためのポリシリコン膜と、読出兼用転送電極11aを形成するためのポリシリコン膜とは、別個のものである。
【0054】
次に、図2(B)に示すように、読出兼用転送電極11aの表面を酸化して絶縁膜(シリコン酸化膜)12を形成した後、フォトリソグラフィにより、所定パターンのフォトレジスト層13を基板上に形成する。絶縁膜(シリコン酸化膜)12を形成するとき、半導体基板1の表面も若干酸化されて絶縁膜10の厚さが増すが、酸化が進行する程度は低い。
【0055】
また、フォトレジスト層13をマスクとして、n型不純物(例えばリン)14をイオン注入する。イオン注入条件は、例えば、ドーズ量が1×1012cm-2、加速エネルギが300〜800keVである。このイオン注入により、p型半導体ウエル領域1bの表面部分に、フォトダイオード用のn型領域PD1 が形成される。その後、フォトレジスト層13を除去する。
【0056】
n型領域PD1 は、近接するチャネルストップ領域5または電荷転送用チャネル3aから所定の間隔を置いて形成される。
【0057】
次に、図2(C)に示すように、フォトリソグラフィにより、所定パターンのフォトレジスト層15を基板上に形成する。このフォトレジスト層15は、多数の窓を有する。フォトレジスト層15の窓の左端は、左の読出兼用転送電極11aの右端から水平右方向に距離d1(例えば0.4μm)離れ、チャネルストップ領域5から水平右方向に距離d3(例えば0.2μm)離れている。フォトレジスト層15の窓の右端は、右の読出兼用転送電極11aの左端から水平左方向に距離d2(例えば0.7μm)離れている。
【0058】
また、フォトレジスト層15をマスクとして、p型不純物(例えばボロン)16をイオン注入する。イオン注入条件は、例えば、ドーズ量が1×1013〜5×1014cm-2、加速エネルギが20〜80keVである。このイオン注入により、n型領域PD1 の表面部分の一部に、フォトダイオード用のp+ 型領域PD2 が形成される。
【0059】
その後、フォトレジスト層15を除去してから熱処理を施して、n型領域PD1 中のn型不純物とp+ 型領域PD2 中のp型不純物とを活性化させる。
【0060】
この熱処理によって、n型領域PD1 は、n型不純物が熱拡散することからその領域が少し拡がり、フォトダイオード用の電荷蓄積領域となる。以下、この電荷蓄積領域を「電荷蓄積領域2a」という。
【0061】
また、p+ 型領域PD2 は、上記の熱処理によってp型不純物が熱拡散することからその領域が少し拡がり、フォトダイオード用の埋込層となる。以下、この埋込層を「埋込層2b」という。
【0062】
埋込層2bのうちでp型不純物の濃度がほぼ一定となっている領域、すなわち、熱処理前のp+ 型領域PD2 が形成されていた領域を「高不純物濃度領域」ということがある。後掲の図3および図4においては、高不純物濃度領域を「埋込層2b」として図示している。
【0063】
高不純物濃度領域の外側には、この高不純物濃度領域に連なって、熱拡散によって生じた領域が形成されている。熱拡散によって生じた領域では、高不純物濃度領域から離れるに従って、徐々にp型不純物の濃度が低くなっている。この領域を、以下、「低不純物濃度領域」ということがある。
【0064】
電荷蓄積領域2aとその右の電荷転送用チャネル3aとの間に介在するp型半導体ウエル領域のうち、絶縁膜10のみを介して読出兼用転送電極11aによって平面視上覆われる箇所は、読出ゲート用チャネルとして利用される。後掲の図3および図4においては、読出ゲート用チャネルを符号4aで示している。
【0065】
図1に示したフォトダイオード2の各々は、電荷蓄積領域2aと、この表面に形成された埋込層とを含んで構成される。したがって、1枚の半導体基板1に、多数の電荷蓄積領域2aが2次元行列状に形成され、これらの電荷蓄積領域2aのそれぞれに埋込層が形成される。図1に示した固体撮像装置30は、計4列の電荷蓄積領域列を有する。
【0066】
1列の電荷蓄積領域列と、この電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネル3a、各読出ゲート用チャネル4a、チャネルストップ領域5および各埋込層2bは、1つのユニットを構成する。固体撮像装置30においてはこのユニットが計4つ、並列に形成されている。
【0067】
図4は、埋込層2bを形成し終えた後の半導体基板を上から見た基板平面図である。図4中のA−A線に沿った断面が、図2(C)に示した構成からフォトレジスト層15を除いた部分の断面にほぼ相当する。
【0068】
図4においてハッチで示す埋込層2bは、図の水平方向に関して電荷蓄積領域2aの内側に形成される。埋込層2bの左端は、その左の読出兼用転送電極11aから距離d1離れている。埋込層2bの右端は、その右の読出兼用転送電極11aから距離d2離れている。したがって、埋込層2bの左側および右側それぞれにおいて、電荷蓄積領域2aの表面が埋込層2bによって覆われずに残る。
【0069】
図4の紙面の上から下方向(垂直方向)に関しては、埋込層2bは電荷蓄積領域2aの外側にまで達して、チャネルストップ領域(図4においては見えていない。)に接する。
【0070】
転送専用転送電極11bは第1ポリシリコン層であり、読出兼用転送電極11aは第2ポリシリコン層である。まず転送専用転送電極11bが基板上に形成され、その上に絶縁膜を介して読出兼用転送電極11aが形成される。読出兼用転送電極11aは、電荷蓄積領域2aの右側方において、絶縁膜を介して転送専用転送電極11bの一部と図の奥行き方向に重なる。読出兼用転送電極11aおよび転送専用転送電極11bが図4の紙面の上から下方向(垂直方向)に繰り返し形成される。
【0071】
読出兼用転送電極11a中の一領域は、読出ゲート用チャネル4aを平面視上覆って、この読出ゲート用チャネル4aと共に読出ゲート4を構成する。読出パルスは、読出兼用転送電極11aに供給される。
【0072】
フォトダイオード2に蓄積された電荷は、読出ゲート4を介して、その右側の電荷転送用チャネル3aに読み出される。
【0073】
電荷転送用チャネル3aは、その上方に形成されている読出兼用転送電極11aの一領域および転送専用転送電極11bの一領域と共に、垂直電荷転送路3を構成する。
【0074】
次に、図3に示すように、埋込層2bの上方に開口部を有する所定パターンの遮光膜(Al膜)20を形成する。次に、基板上に、フォスフォシリケートガラス(PSG)等によって第1の平滑層21を形成し、その上に第2の平滑層22、カラーフィルタ23および第3の平滑層24を形成する。第2の平滑層22および第3の平滑層24は、共に、電気絶縁性を有する透明材料によって形成される。
【0075】
第3の平滑層24の上に、フォトリソグラフィにより、所定パターンのフォトレジスト膜を形成する。次に、加熱することにより、上記のフォトレジスト膜を溶かし、表面張力によって角を丸めて、中央が隆起したマイクロレンズ25を形成する。
【0076】
フォトダイオード2は、その表面に埋込層2bを有する。この埋込層2bは、電荷蓄積領域2aの表面の一部に形成され、その左端がチェネルストップ領域5から離れ、その右端が読出ゲート用チャネル4aから離れている。
【0077】
図5は、図3に示した固体撮像装置30のポテンシャル図である。図5の中段は、読出兼用転送電極11aに0Vを印加した時の半導体基板表面付近の電子に対するポテンシャルP1を示す。図5の下段は、読出兼用転送電極11aに正電位(例えば15V)を印加した時の半導体基板表面付近の電子に対するポテンシャルP2を示す。
【0078】
図5の中段に示すように、読出兼用転送電極11aに0Vを印加した時、電荷蓄積領域2aおよび電荷転送用チャネル3aはポテンシャルが高く、その間の読出ゲート用チャネル4aおよびチャネルストップ領域5はポテンシャルが低い。
【0079】
マイクロレンズ25は、上方から入射する光をカラーフィルタ23を介してその下のフォトダイオード2に集光する。カラーフィルタ23は、所定の波長の光のみを通過させる。フォトダイオード2は、その所定波長の入射光を受けて、これを吸収することにより電荷を生成する。フォトダイオード2の電荷蓄積領域2aには光量に応じた電荷(電子)Qが蓄積される。フォトダイオード2は画素に相当し、蓄積された電荷Qが画素信号に相当する。
【0080】
このとき、読出ゲート用チャネル4aは、フォトダイオード2から電荷転送用チャネル3aへの電荷Qの移動を阻止する。すなわち、読出ゲート用チャネル4aには、ポテンシャルバリアが形成される。
【0081】
図5の下段に示すように、読出兼用転送電極11aに正電位(例えば15V)を印加すると、読出ゲート用チャネル4aのポテンシャルが高くなる。埋込層2bとその右の読出ゲート用チャネル4aとの間に電荷蓄積領域2aが存在するので、読出ゲート用チャネル4aのポテンシャルバリアが消滅する。
【0082】
その結果として、電荷蓄積領域2a内の電荷Qは全て効率的に電荷転送用チャネル3a(垂直電荷転送路3)に移送される(読み出される)。残像のノイズの発生を防止することができる。
【0083】
また、埋込層2bとチャネルストップ領域5とが図4での垂直方向において互いに接していることから、読出兼用転送電極11aに正電位(例えば15V)を印加したときでも、埋込層2bの電位を約0Vに容易に維持することができる。
【0084】
読出兼用転送電極11aに正電位(例えば15V)が印加されるのに伴って、電荷転送用チャネル3aとその右側のチャネルストップ領域5とのpn接合に逆バイアスが印加される。
【0085】
しかしながら、図16に示した固体撮像装置とは異なり、チャネルストップ領域5とその右の埋込層2bとの間には電荷蓄積領域2aが介在する。チャネルストップ領域5における表層での不純物濃度は、それより下層での不純物濃度とほぼ同じである。
【0086】
このため、上記の逆バイアスによってpn接合がブレークダウンすることが防止される。このブレークダウンが防止されることにより、ノイズの発生も抑制される。画質を向上させることができる。
【0087】
次に、第2の実施例による固体撮像装置について、図6、図7および図8を用いて説明する。
【0088】
図6は、本実施例による固体撮像装置30aにおけるフォトダイオード、垂直電荷転送路、水平電荷転送路および出力アンプの配置を概略的に示す部分平面図である。
【0089】
図7は、固体撮像装置30aにおける幾つかのフォトダイオードとその周辺を拡大して概略的に示す平面図である。図7中のB−B線に沿った断面が、図3に示した構成から遮光膜20、第1の平滑層21およびこれらの上方に形成されている各部材を除いた部分の断面にほぼ相当する。
【0090】
図8は、固体撮像装置30aにおけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【0091】
これらの図6〜図8に示した構成要素のうちで図1、図3または図4に示した構成要素と共通するものについては、図1、図3または図4で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0092】
図示の固体撮像装置30aは、下記(1) 〜(4) の点で、第1の実施例による固体撮像装置30と異なる。なお、以下の説明においては、フォトダイオードから水平電荷転送路に転送される電荷の移動を1つの流れとみなして、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定する。
(1) フォトダイオード列それぞれの左側に、このフォトダイオード列を構成するフォトダイオード2の各々に対応する垂直電荷転送路3および読出ゲート4が形成されている。
(2) 最も下流の転送専用転送電極11bの下流側に、各垂直電荷転送路3および水平電荷転送路6を簡便に駆動させるための補助転送電極11c1 、11c2 、11c3 が配設されている。
(3) フォトダイオード行同士の間および最も下流のフォトダイオード行の下流側において、読出兼用転送電極11aが転送専用転送電極11bまたは補助転送電極11c1 の上に絶縁膜を介して形成されている。
(4) 図1に示した制御部8が設けられていない。
【0093】
これら(1) 〜(4) の点を除けば、固体撮像装置30aは第1の実施例による固体撮像装置30と同様の構成を有する。
【0094】
したがって、固体撮像装置30aは、固体撮像装置30と同様に、半導体ウエル領域1b(図3参照)に形成された複数の電荷蓄積領域2aによって構成される電荷蓄積領域列を複数列有する。
【0095】
チャネルストップ領域5は、電荷蓄積領域列毎にこの電荷蓄積領域列に沿って延在する一領域を含む。ある1列の電荷蓄積領域列に沿って延在するチャネルストップ領域5の一領域は、この電荷蓄積領域列の図6〜図8での右側に位置する。すなわち、この電荷蓄積領域列の列方向中心線(図7および図8に一点鎖線CLで示す。)を基準線としたときに、電荷転送用チャネル3aとは反対の側に位置する。
【0096】
別言すれば、ある1列の電荷蓄積領域列に沿って延在するチャネルストップ領域5の一領域は、この電荷蓄積領域列の図6〜図8での右隣の電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネル3aに沿って、かつ、この電荷転送用チャネル3aに隣接して、その左側に延在する。
【0097】
チャネルストップ領域5における上記の一領域の各々は、各電荷転送チャネル3aの上流端側で互いに連結して1つに纏まっていてもよいし、互いに分離されていてもよい。
【0098】
その一方で、ある1列の電荷蓄積領域列に沿って延在するチャネルストップ領域5の一領域は、電荷蓄積領域列方向(図7および図8に矢印Dで示す。)に沿って相隣る2個の電荷蓄積領域2a同士の間において電荷蓄積領域列方向Dと交差する方向に延在し、この電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネル3aにまで達する。
【0099】
読出兼用転送電極11aの各々は、電荷蓄積領域行それぞれの下流側に1本ずつ形成されて、対応する電荷蓄積領域行に沿って延在する。転送専用転送電極11bの各々は、電荷蓄積領域行それぞれの上流側に1本ずつ形成されて、対応する電荷蓄積領域行に沿って延在する。
【0100】
したがって、個々の読出兼用転送電極11aおよび個々の転送専用転送電極11bは、電荷転送用チャネル3aの各々と平面視上交差する。1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された読出兼用転送電極11aと転送専用転送電極11bとは、右端(図示せず。)の電荷蓄積領域列中の各電荷蓄積領域2aを除き、電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域2aの各々を平面視上取り囲む。
【0101】
また、読出兼用転送電極11aの各々は、対応する電荷蓄積領域行中の読出ゲート用チャネル4aの各々を平面視上覆う。読出兼用転送電極11aのうちで読出ゲート用チャネル4aを平面視上覆う部分は、その下の読出ゲート用チャネル4aと共に、読出ゲート4を構成する。
【0102】
補助転送電極11c1 、11c2 、11c3 の各々は、電荷蓄積領域行方向に延在する。これらの補助転送電極11c1 、11c2 、11c3 は、電荷転送用チャネル3aの各々と平面視上交差する。
【0103】
1本の電荷転送用チャネル3aと各転送専用転送電極11b、各読出兼用転送電極11a、補助転送電極11c1 、補助転送電極11c2 または補助転送電極11c3 との平面視上の交差部は、電荷蓄積領域列方向Dに連なって1本の垂直電荷転送路3を構成する。
【0104】
埋込層2bの各々は、電荷蓄積領域列方向Dに沿って相隣る2個の電荷蓄積領域2a同士の間において、チャネルストップ領域5と電気的に接続されている。
【0105】
1列の電荷蓄領域列と、この電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネル3a、読出ゲート用チャネル4a、チャネルストップ領域5および各埋込層2bは、1つのユニットを構成する。固体撮像装置30aにおいては、このユニットと、当該ユニットと同じ構成を有する複数のユニットとが半導体ウエル領域1bに並列に形成されている。
【0106】
なお、図7および図8においては、埋込層2bを構成する高不純物濃度領域2b1 と低不純物濃度領域2b2 とを図示している。図7においては、図面を解りやすくするために、高不純物濃度領域2b1 および低不純物濃度領域2b2 にそれぞれハッチングを付してある。図8においては、図面を解りやすくするために、電荷蓄積領域2a、低不純物濃度領域2b2 およびチャネルストップ領域5にそれぞれハッチングを付してある。
【0107】
また、図6には、垂直電荷転送路3の各々を4相の駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4によって駆動させる際の配線例、および、水平電荷転送路6を2相駆動型CCDによって構成した場合の構成例を付記してある。
【0108】
フォトダイオード2から垂直電荷転送路3に電荷を読み出すための読出パルスは、駆動信号φV2および駆動信号φV4に含まれる。
【0109】
水平電荷転送路6は、電荷転送用チャネル6aと、計4種類の転送電極6b1 、6b2 、6b3 、6b4 とを有する。
【0110】
電荷転送用チャネル6aは、例えば、半導体ウエル領域1b(図3参照)にn型領域とn+ 型領域とを交互に繰り返し形成することによって作製される。n+ 型領域におけるn型不純物の濃度は、n型領域におけるn型不純物の濃度よりも高い。
【0111】
転送電極6b2 および6b4 は、電荷転送用チャネル6a中のn型領域上に、絶縁膜を介して形成される。転送電極6b1 および6b3 は、電荷転送用チャネル6a中のn+ 型領域上に、絶縁膜を介して形成される。
【0112】
1本の垂直電荷転送路3(電荷転送用チャネル3a)あたり転送電極6b1 、6b2 、6b3 、6b4 が1本ずつ形成される。これらの転送電極6b1 、6b2 、6b3 、6b4 は、出力アンプ7側からこの順番で配列される。
【0113】
転送電極6b1 と転送電極6b2 とが共通結線され、駆動信号φH1の供給を受ける。転送電極6b3 と転送電極6b4 とが供給結線され、駆動信号φH2の供給を受ける。
【0114】
半導体ウエル領域1b(図3参照)における不純物濃度は、概ね5×1014/cm3 以上1×1017/cm3 未満の範囲内で適宜選択可能である。好適には、概ね1×1015〜1×1016/cm3 の範囲内で適宜選択される。
【0115】
チャネルストップ領域5における不純物濃度は、概ね1×1016/cm3 以上1×1018/cm3 未満の範囲内で適宜選択可能である。好適には、概ね5×1016〜5×1017/cm3 の範囲内で適宜選択される。
【0116】
電荷蓄積領域2aにおける不純物濃度は、概ね1×1016/cm3 以上1×1017/cm3 未満の範囲内で適宜選択可能である。好適には、概ね1.5×1016〜5×1016/cm3 の範囲内で適宜選択される。
【0117】
高不純物濃度領域2b1 における不純物濃度は、概ね1×1018/cm3 以上1×1020/cm3 未満の範囲内で適宜選択可能である。好適には、概ね2×1018〜5×1019/cm3 の範囲内で適宜選択される。
【0118】
個々のフォトダイオード2における埋込層2bは、このフォトダイオード2に対応する読出ゲート用チャネル4aから離れている。
【0119】
埋込層2bを構成する高不純物濃度領域2b1 は、列方向中心線CLを基準線としたときに、読出ゲート用チャネル4aとは反対の側において、チャネルストップ領域5から離れている。
【0120】
高不純物濃度領域2b1 の図7または図8での左側および右側それぞれに、熱拡散によって生じた低不純物濃度領域2b2 が連なっている。右側の低不純物濃度領域2b2 とその右のチャネルストップ領域5との間には、電荷蓄積領域2aが介在する。
【0121】
読出パルスの電圧が15V程度で、電荷蓄積領域2aおよび高不純物濃度領域2b1 における不純物濃度がそれぞれ上述の範囲内である場合、埋込層2bと読出ゲート用チャネル4aとの間に平面視上介在する電荷蓄積領域2aの幅は、概ね0.3〜1.5μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0122】
同様に、埋込層2bとその右のチャネルストップ領域5との間に平面視上介在する電荷蓄積領域2aの幅は、概ね0.1〜1.0μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0123】
ここで、本明細書で埋込層と読出ゲート用チャネルとの間に平面視上介在する電荷蓄積領域についていう「電荷蓄積領域の幅」とは、読出ゲート用チャネル4aと電荷転送用チャネル3aとが隣接する箇所での電荷転送用チャネル3aの延在方向に平面視上直交する方向について求めた電荷蓄積領域の幅を意味する。
【0124】
また、本明細書で埋込層とチャネルストップ領域との間に平面視上介在する電荷蓄積領域についていう「電荷蓄積領域の幅」とは、この電荷蓄積領域が介在している箇所でのチャネルストップ領域の延在方向に平面視上直交する方向について求めた電荷蓄積領域の幅を意味する。後述する第5の実施例による固体撮像装置におけるように、電荷蓄積領域列に沿ってチャネルストップ領域が蛇行しつつ延在する場合には、該当する「電荷蓄積領域の幅」を求めるうえで基準となる「チャネルストップ領域の延在方向」が複数ある場合もある。このような場合には、電荷蓄積領域が介在している箇所毎に、「電荷蓄積領域の幅」を求める。
【0125】
読出兼用転送電極11aの各々は、前述したように、フォトダイオード行同士の間および最も下流のフォトダイオード行の下流側において、転送専用転送電極11bまたは補助転送電極11c1 の上に絶縁膜を介して形成されている。このため、フォトダイオード行同士の間および最も下流のフォトダイオード行の下流側においては、読出兼用転送電極11aと半導体基板1とが十分に絶縁される。
【0126】
埋込層2bとチャネルストップ領域5とが、前述のように電気的に接続されていることから、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときでも、埋込層2bの電位を約0Vに容易に維持することができる。
【0127】
また、第1の実施例の固体撮像装置30における理由と同様の理由から、残像のノイズの発生を防止することができる。
【0128】
さらに、第1の実施例による固体撮像装置30と同様の理由から、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときに電荷転送用チャネル3aとその図8での左側のチャネルストップ領域5とのpn接合がブレークダウンしてしまうことを防止することができる。ノイズの発生を抑制することが可能になる。
【0129】
次に、第3の実施例による固体撮像装置について、図9および図10を用いて説明する。
【0130】
図9は、本実施例による固体撮像装置35における1個のフォトダイオードとその周辺を概略的に示す断面図である。
【0131】
図10は、固体撮像装置35におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。図10中のC−C線に沿った断面が、図9に示した構成から電気絶縁膜10およびその上方に形成されている各部材を除いた部分の断面にほぼ相当する。
【0132】
図9または図10に示した構成要素のうちで図8に示した構成要素と共通するものについては、図8で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。また、図9に示した各構成要素は全て図3に示されているので、図9に示した構成要素のうちで図8には示されておらず図3に示されているものについては、図3で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0133】
ただし、電荷蓄積領域、埋込層、高不純物濃度領域、低不純物濃度領域およびフォトダイオードについては、図8で用いた参照符号に30を加えた新たな参照符号を付してある。
【0134】
図示した固体撮像装置35は、電荷蓄積領域32aの図9での左端がその左のチャネルストップ領域5に接している点、および、電荷蓄積領域32aの図9での左端と埋込層32bの図9での左端との距離が第2の実施例による固体撮像装置30aにおける該当箇所よりも拡がっている点で、第2の実施例による固体撮像装置30aと異なる。他の点は、固体撮像装置30aと同様である。図10においては、図面を解りやすくするために、チャネルストップ領域5、電荷蓄積領域32aおよび低不純物濃度領域32b2 にハッチングを付してある。
【0135】
図示の固体撮像装置35においても、第2の実施例の固体撮像装置30aと同様に、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときでも埋込層32bの電位を約0Vに容易に維持することができる。
【0136】
また、第2の実施例の固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、残像のノイズの発生を防止することができる。
【0137】
さらに、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときに電荷転送用チャネル3aとその図9での右側のチャネルストップ領域5とのpn接合がブレークダウンしてしまうことを防止することができる。ノイズの発生を抑制することが可能になる。
【0138】
読出パルスの電圧が15V程度で、電荷蓄積領域32aおよび高不純物濃度領域32b1 における不純物濃度がそれぞれ第2の実施例の固体撮像装置30aについての説明の中で述べた範囲内である場合、埋込層32bと読出ゲート用チャネル4aとの間に平面視上介在する電荷蓄積領域32aの幅は、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける該当箇所の幅と同様に、概ね0.3〜1.5μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0139】
同様に、埋込層32bとその図10での右側のチャネルストップ領域5との間に平面視上介在する電荷蓄積領域32aの幅は、概ね0.1〜1.0μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0140】
次に、第4の実施例による固体撮像装置について、図11、図12および図13を用いて説明する。
【0141】
図11は、本実施例による固体撮像装置40におけるフォトダイオード、垂直電荷転送路、水平電荷転送路および出力アンプの配置を概略的に示す部分平面図である。
【0142】
図12は、固体撮像装置40における幾つかのフォトダイオードとその周辺を概略的に示す平面図である。
【0143】
図13は、固体撮像装置40におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【0144】
図11〜図13に示した構成要素のうちで図6または図7に示した構成要素と機能上共通するものについては、図6または図7で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0145】
ただし、電荷蓄積領域、埋込層、高不純物濃度領域、低不純物濃度領域およびフォトダイオードについては、図6または図7で用いた参照符号に40を加えた新たな参照符号を付してある。
【0146】
また、図13においては、図面を解りやすくするために、チャネルストップ領域5および低不純物濃度領域42b2 にハッチングを付してある。
【0147】
本実施例による固体撮像装置40は、下記(1)〜(9) の点で、第2の実施例による固体撮像装置30aと異なる。
(1) 個々のフォトダイオードの平面視上の形状がほぼ六角形であり、個々の電荷蓄積領域42aの平面視上の形状もほぼ六角形である。
(2) フォトダイオード42の各々が画素ずらし配置されている。
(3) 電荷転送用チャネル3aの各々が、対応する電荷蓄積領域列に沿ってその左側を蛇行しつつ、電荷蓄積領域列方向Dに延在する。
(4) 個々の読出ゲート用チャネル4aが、対応する電荷蓄積領域42aにおける平面視上の左斜め下の辺に沿って延在する。
(5) 電荷蓄積領域42aと読出ゲート用チャネル4aとの隣接箇所を除いて、チャネルストップ領域5が電荷蓄積領域42aを平面視上取り囲んでいる。
(6) 埋込層42b中の低不純物濃度領域42b2 が、平面視上、高不純物濃度領域42b1 を取り囲んでいる。
(7) チャネルストップ領域5と低不純物濃度領域42b2 とが、読出ゲート用チャネル4aの形成箇所およびその近傍を除き、互いに接している。
(8) 第2の実施例による固体撮像装置30aでの転送専用転送電極11bに相当する電極を有さず、補助転送電極11c1 、11c2 、11c3 以外で垂直電荷転送路3を構成する転送電極が全て読出兼用転送電極11a1 または読出兼用転送電極11a2 である。
(9) 読出兼用転送電極11a1 、11a2 が、対応する電荷蓄積領域行(フォトダイオード行)に沿って蛇行しつつ延在する。
【0148】
上記(1) 〜(9) の点を除けば、固体撮像装置40は固体撮像装置30aと同様の構成を有する。
【0149】
なお、本明細書で多数個のフォトダイオードについていう「画素ずらし配置」とは、奇数番目に当たるフォトダイオード列を構成する各フォトダイオードに対し、偶数番目に当たるフォトダイオード列を構成するフォトダイオードの各々が、フォトダイオード列内でのフォトダイオード同士のピッチの約1/2、列方向にずれ、奇数番目に当たるフォトダイオード行を構成する各フォトダイオードに対し、偶数番目に当たるフォトダイオード行を構成するフォトダイオードの各々が、フォトダイオード行内での各フォトダイオード同士のピッチの約1/2、行方向にずれ、フォトダイオード列の各々が奇数行または偶数行のフォトダイオードのみを含むようにして複数行、複数列に亘って行列状に配置された多数個のフォトダイオードの配置を意味する。
【0150】
「フォトダイオード列内でのフォトダイオード同士のピッチの約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差等の要因によって1/2からはずれてはいるものの、得られる固体撮像装置の性能およびその画像の画質からみて実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含むものとする。本明細書でいう「フォトダイオード行内でのフォトダイオード同士のピッチの約1/2」についても同様である。
【0151】
多数個のフォトダイオードが画素ずらし配置されているということは、多数個の電荷蓄積領域が同様に配置されていることを意味する。したがって、本明細書においては、多数個の電荷蓄積領域についても「画素ずらし配置」という表現を用いる場合がある。
【0152】
読出兼用転送電極11a1 の各々は、電荷蓄積領域行それぞれの上流側に1本ずつ形成される。読出兼用転送電極11a2 の各々は、電荷蓄積領域行それぞれの下流側に1本ずつ形成される。
【0153】
個々の読出兼用転送電極11a1 、11a2 は、電荷転送用チャネル3aの各々と平面視上交差する。1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された読出兼用転送電極11a1 、11a2 は、右端(図示せず。)の電荷蓄積領域列中の各電荷蓄積領域42aを除き、電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域42aの各々を平面視上取り囲む。
【0154】
また、読出兼用転送電極11a1 の各々は、水平電荷転送6から数えて偶数番目にあたる電荷蓄積領域行中の読出ゲート用チャネル4aの各々を平面視上覆う。読出兼用転送電極11a2 の各々は、水平電荷転送6から数えて奇数番目にあたる電荷蓄積領域行中の読出ゲート用チャネル4aの各々を平面視上覆う。読出兼用転送電極11a1 、11a2 のうちで読出ゲート用チャネル4aを平面視上覆う部分は、その下の読出ゲート用チャネル4aと共に、読出ゲート4を構成する。
【0155】
1本の電荷転送用チャネル3aと各読出兼用転送電極11a1 、各読出兼用転送電極11a2 、補助転送電極11c1 、補助転送電極11c2 または補助転送電極11c3 との平面視上の交差部は、全体として電荷蓄積領域列方向Dに連なって、1本の垂直電荷転送路3を構成する。
【0156】
図示の固体撮像装置40においても、第2の実施例の固体撮像装置30aと同様に、読出兼用転送電極11a1 、11a2 に読出パルス(例えば15V)を印加したときでも埋込層42bの電位を約0Vに容易に維持することができる。読出パルスは駆動信号φV1、φV2、φV3、φV4のいずれにも含まれる。
【0157】
また、第2の実施例の固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、残像のノイズの発生を防止することができる。
【0158】
さらに、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、読出兼用転送電極11a1 、11a2 に読出パルス(例えば15V)を印加したときに電荷転送用チャネル3aとこれに隣接するチャネルストップ領域5とのpn接合がブレークダウンしてしまうことを防止することができる。ノイズの発生を抑制することが可能になる。
【0159】
読出パルスの電圧が15V程度で、電荷蓄積領域42aおよび高不純物濃度領域42b1 における不純物濃度がそれぞれ第2の実施例の固体撮像装置30aについての説明の中で述べた範囲内である場合、埋込層42bと読出ゲート用チャネル4aとの間に平面視上介在する電荷蓄積領域42aの幅は、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける該当箇所の幅と同様に、概ね0.3〜1.5μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0160】
また、チャネルストップ領域5と接する箇所での低不純物濃度領域42b2 の幅は、概ね0.1〜0.4μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0161】
ここで、本明細書でいう「チャネルストップ領域と接する箇所での低不純物濃度領域の幅」とは、低不純物濃度領域が接している箇所でのチャネルストップ領域の延在方向に対して平面視上直交する方向について求めた低不純物濃度領域の幅を意味する。本実施例による固体撮像装置40におけるように、電荷蓄積領域列に沿ってチャネルストップ領域が蛇行しつつ延在する場合には、該当する「低不純物濃度領域の幅」を求めるうえで基準となる「チャネルストップ領域の延在方向」が複数ある場合もある。
【0162】
次に、第5の実施例による固体撮像装置について、図14および図15を用いて説明する。
【0163】
図14は、本実施例による固体撮像装置45における幾つかのフォトダイオードとその周辺を概略的に示す平面図である。
【0164】
図15は、固体撮像装置45におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【0165】
図14または図15に示した構成要素のうちで図11〜図13に示した構成要素と機能上共通するものについては、図11〜図13で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0166】
図14においては、チャネルストップ領域5の極く一部のみが示されている。
図15においては、図面を解りやすくするために、チャネルストップ領域5および低不純物濃度領域42b2 にハッチングを付してある。
【0167】
本実施例による固体撮像装置45は、下記(1)〜(7) の点で、第4の実施例による固体撮像装置40と大きく異なる。
(1) 個々のフォトダイオードの平面視上の形状がほぼ八角形であり、個々の電荷蓄積領域42aの平面視上の形状もほぼ八角形である。
(2) 電荷転送用チャネル3aの各々が、対応する電荷蓄積領域列に沿ってその右側を蛇行しつつ、電荷蓄積領域列方向Dに延在する。
(3) 電荷蓄積領域42aとこれに対応する電荷転送用チャネル3aとの間に半導体ウエル領域1bの一領域が介在し、この一領域のうちで電荷蓄積領域42aにおける平面視上の右斜め下の辺に沿って延在する部分およびその近傍が、読み第ゲート用チャネルとして機能する。半導体ウエル領域1bの上記一領域は、電荷蓄積領域42aの上流側および下流側において、チャネルストップ領域5に平面視上接する。
(4) 列方向中心線CLを基準線としたときに、電荷蓄積領域列の各々に対応するチャネルストップ領域5が、この電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネル3aとは反対の側において電荷蓄積領域列に沿って延在する。ただし、電荷蓄積領域列方向Dに沿って相隣る2個の電荷蓄積領域42a同士の間においては、列方向中心線CLよりも更に図15での右側に張り出して、これらの電荷蓄積領域42aに対応する電荷転送用チャネル3aと接する。
(5) 高不純物濃度領域42b1 が、電荷蓄積領域42aにおける平面視上の左斜め上の辺中の一領域に沿ってチャネルストップ領域5に接し、この箇所を除いて、低不純物濃度領域42b2 が高不純物濃度領域42b1 を平面視上取り囲んでいる。
(6) 読出ゲート用チャネルに隣接する箇所およびその近傍に加えて、フォトダイオード42における平面視上の左斜め下の辺および左の辺それぞれに沿ってその内側に、埋込層42bに覆われないままの電荷蓄積領域42aが存在する。
(7) 1行のフォトダイオード行あたり、1本の読出兼用転送電極11aと1本の転送専用転送電極11bとが配設されている。読出兼用転送電極11aの各々は、対応するフォトダイオード行の下流側をこのフォトダイオード行に沿って蛇行しつつ延在する。転送専用転送電極11bの各々は、対応するフォトダイオード行の上流側をこのフォトダイオード行に沿って蛇行しつつ延在する。
【0168】
上記(1) 〜(7) の点を除けば、固体撮像装置45は固体撮像装置40と同様の構成を有する。
【0169】
個々の読出兼用転送電極11aおよび個々の転送専用転送電極11bは、電荷転送用チャネル3aの各々と平面視上交差する。1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された読出兼用転送電極11aと転送専用転送電極11bとは、右端(図示せず。)の電荷蓄積領域列中の各電荷蓄積領域42aを除き、電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域42aの各々を平面視上取り囲む。
【0170】
また、読出兼用転送電極11aの各々は、対応する電荷蓄積領域行中の読出ゲート用チャネルの各々を平面視上覆う。読出兼用転送電極11aのうちで読出ゲート用チャネルを平面視上覆う部分は、その下の読出ゲート用チャネルと共に、読出ゲート4を構成する。
【0171】
1本の電荷転送用チャネル3aと各転送専用転送電極11b、各読出兼用転送電極11aおよび図示を省略した各補助転送電極11c1 、11c2 、11c3 との平面視上の交差部は、全体として電荷蓄積領域列方向Dに連なって、1本の垂直電荷転送路3を構成する。
【0172】
図示の固体撮像装置45においても、第2の実施例の固体撮像装置30aと同様に、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときでも埋込層42bの電位を約0Vに容易に維持することができる。読出パルスは読出兼用転送電極11aの各々に供給される。
【0173】
また、第2の実施例の固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、残像のノイズの発生を防止することができる。
【0174】
さらに、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける理由と同様の理由から、読出兼用転送電極11aに読出パルス(例えば15V)を印加したときに電荷転送用チャネル3aとこれに隣接するチャネルストップ領域5とのpn接合がブレークダウンしてしまうことを防止することができる。ノイズの発生を抑制することが可能になる。
【0175】
読出パルスの電圧が15V程度で、電荷蓄積領域42aおよび高不純物濃度領域42b1 における不純物濃度がそれぞれ第2の実施例の固体撮像装置30aについての説明の中で述べた範囲内である場合、埋込層42bと読出ゲート用チャネルとの間に平面視上介在する電荷蓄積領域42aの幅は、第2の実施例による固体撮像装置30aにおける該当箇所の幅と同様に、概ね0.3〜1.5μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0176】
同様に、埋込層42bとこれに対応するチャネルストップ領域5との間に平面視上介在する電荷蓄積領域42aの幅は、概ね0.1〜1.0μmの範囲内で適宜選定可能である。
【0177】
以上、実施例による固体撮像装置について説明したが、本発明はこれらの固体撮像装置に限定されるものではない。
【0178】
白黒撮像用の固体撮像装置では、カラーフィルタが省略されるか、または、緑や青等の単色のカラーフィルタが設けられる。
【0179】
フォトダイオード等が形成される半導体基板は、n型半導体基板の一表面側にp型半導体ウエル領域を形成したものの他、n型半導体基板の一表面上にp- 型半導体のエピタキシャル成長層を形成したもの等であってもよい。さらには、電気絶縁性基板の表面に所望の導電型の半導体層を形成し、この半導体層に所望の導電型の不純物領域を形成するか、この半導体層上に所望の導電型の半導体からなるエピタキシャル成長層を形成したもの等であってもよい。
【0180】
本明細書においては、半導体以外の材料からなる基板の一面にフォトダイオード、電荷転送用チャネル等を形成するための半導体層を設けたものも、「半導体基板」に含まれるものとする。
【0181】
実施例による各固体撮像装置は、電子を電荷として転送するタイプのものであるが、ホールを電荷として転送するタイプの固体撮像装置を構成することも可能である。その場合は、各領域の導電型をp型とn型とで逆にすればよい。
【0182】
フォトダイオード(電荷蓄積領域)の平面視上の形状は、矩形(菱形を含む。)、全ての内角が鈍角となっている五角形以上の多角形、内角に鋭角と鈍角とが含まれる五角形以上の多角形、これらの角部に丸みを付けた形状等、適宜選択可能である。
【0183】
垂直電荷転送路を構成する電荷転送用チャネルの平面視上の形状は、個々のフォトダイオードの平面視上の形状、個々のフォトダイオードの配設仕様、目的とする固体撮像装置の性能等に応じて適宜選択可能である。
【0184】
同様の観点から、読出兼用転送電極、転送専用転送電極および補助転送電極の平面視上の形状も、適宜選択可能である。
【0185】
多数個のフォトダイオードあるいは多数個の電荷蓄積領域を画素ずらし配置する場合でも、電荷転送用チャネルを直線状に形成することができる。
【0186】
フォトダイオードを構成する埋込層中の高不純物濃度領域の平面視上の形状は、電荷蓄積領の平面視上の形状、読出兼用転送電極の平面視上の形状、チャネルストップ領域の平面視上の形状等に応じて適宜選定可能である。このとき、残像のノイズの発生を抑制することができ、かつ、電荷転送用チャネルとチャネルストップ領域とのpn接合がブレークダウンすることも抑制することができるように、高不純物濃度領域の平面視上の形状が選定される。
【0187】
ここで問題とするpn接合は、例えばエリア・センサ用の固体撮像装置においては、次のpn接合である。すなわち、ある1列の電荷蓄積領域列を「電荷蓄積領域列A」、この電荷蓄積領域列Aに対応する電荷転送用チャネルを「チャネルA」、電荷蓄積領域列Aの隣の電荷蓄積領域列を「電荷蓄積領域列B」、この電荷蓄積領域列Bに対応し、かつチャネルAに隣接するチャネルストップ領域を「チャネルストップB」としたときの、チャネルAとチャネルストップBとのpn接合であって、その上に絶縁膜を介しただけで読出兼用転送電極が配設されている箇所のpn接合である。
【0188】
電荷蓄積領域それぞれの上に埋込層を形成する際に、例えば熱拡散によってチャネルストップBの表層にまで達してくるp型不純物の量を減らせば、問題としているpn接合のブレークダウンを抑制することができる。あるいは、p型不純物が熱拡散によってチャネルストップBの表層にまで達することを阻止すれば、問題としているpn接合のブレークダウンを抑制することができる。
【0189】
そのためには、電荷蓄積領の平面視上の形状、読出兼用転送電極の平面視上の形状、チャネルストップ領域の平面視上の形状等に応じて、電荷蓄積領域上の所定箇所に高不純物濃度領域を形成する。高不純物濃度領域は、例えば、平面視上の形状が格子状となるように形成することもできる。
【0190】
高不純物濃度領域の周囲に低不純物濃度領域を形成する場合、この低不純物濃度領域は、埋込層を形成する際の熱処理に伴って必然的に起こる熱拡散で形成されたものであってもよいし、イオン注入等の方法によって意図的に形成されたものであってもよい。低不純物濃度領域を意図的に形成する場合、この低不純物濃度領域における不純物濃度は、ほぼ一定であってもよいし、高不純物濃度領域から離れるに従って徐々に、または段階的に低下していてもよい。
【0191】
なお、半導体基板上に複数の電荷蓄積領域列を並列に形成した場合、右端および左端のいずれか一方の電荷蓄積領域列に対しては、上記のチャネルストップBに相当するチャネルストップが存在しない場合もある。チャネルストップBに相当するチャネルストップが存在しない電荷蓄積領域列については、この電荷蓄積領域列を構成する電荷蓄積領域それぞれの上に、上述したブレークダウンの抑制を考慮することなく、埋込層を形成することも可能である。
【0192】
実施例による固体撮像装置の各々は、いずれも、エリア・センサとして利用することができるものであるが、電荷蓄積領域列の数を1〜4程度とすれば、ライン・センサ(リニア・イメージセンサ)として利用することも可能である。その場合、水平電荷転送路を省略して、垂直電荷転送路の下流端に出力アンプを接続することが可能である。この場合の垂直電荷転送路は、2相駆動型のCCDによって構成することもできる。
【0193】
また、ライン・センサとして利用する場合には、遮光膜やマイクロレンズをも省略することが可能である。
【0194】
実施例による固体撮像装置の各々において配設されていた補助転送電極は、省略することも可能である。最も下流のフォトダイオード行と水平電荷転送路との間に、1フレーム分の電荷を蓄積することができるCCD蓄積部を設けることもできる。
【0195】
垂直電荷転送路の駆動は、4相駆動の他、3相駆動、8相駆動等、適宜変更可能である。また、走査方法も、インターレース走査、プログレッシブ走査、1/4間引き走査等、適宜選択可能である。
【0196】
適用する走査方法あるいは駆動方法に伴って、1行の電荷蓄積領域行あたり必要となる転送電極の数が例えば2〜4本と異なってくる。したがって、1行の電荷蓄積領域行行あたり配設すべき転送電極の本数は、電荷蓄積領域行の配置仕様や垂直電荷転送路の駆動方法等に応じて適宜変更可能である。
【0197】
第1の実施例による固体撮像装置と第2の実施例による固体撮像装置との対比から明らかなように、読出兼用転送電極と転送専用転送電極とは、1行の電荷蓄積領域行に対してどちらをも上流側に形成することができる。読出兼用転送電極を電荷蓄積領域行の上流側に形成する場合、最も上流の電荷蓄積領域行に対応する読出兼用転送電極については、必要に応じて、その下にダミー電極を形成することができる。ダミー電極の表面に絶縁膜を形成し、その上に読出兼用転送電極を形成することにより、この読出兼用転送電極と半導体基板1とを十分に絶縁させることができる。その結果として、読出兼用転送電極に読出パルス(例えば15V)を印加したときでも、埋込層の電位を約0Vに容易に維持することができる。同様のことが、第4の実施例による固体撮像装置およびこの固体撮像装置と同様の転送電極構造を有する固体撮像装置についてもいえる。
【0198】
縦型オーバーフロードレイン構造を付設することもできる。これに伴って、電子シャッタ機能を付与することができる。縦型オーバーフロードレイン構造を付設するためには、例えば、p型半導体ウエル領域とその下のn型半導体基板とに逆バイアスを印加できる構造を付加する。縦型オーバーフロードレイン構造に代えて横型オーバーフロードレイン構造を付設してもよい。縦型または横型のオーバーフロードレイン構造を付設することにより、ブルーミングを抑制することが容易になる。
【0199】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能であることは当業者に自明であろう。
【0200】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フォトダイオードを利用した固体撮像装置におけるノイズの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による固体撮像装置を模式的に示す平面図である。
【図2】第1の実施例による固体撮像装置の製造工程を示す基板断面図である。
【図3】図2に示した製造工程に続く製造工程を示す基板断面図である。
【図4】第1の実施例による固体撮像装置を製造する過程で埋込層を形成し終えた後の半導体基板を上から見た基板平面図である。
【図5】第1の実施例による固体撮像装置を概略的に示す断面図およびポテンシャル図である。
【図6】第2の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、垂直電荷転送路、水平電荷転送路および出力アンプの配置を概略的に示す部分平面図である。
【図7】第2の実施例による固体撮像装置における幾つかのフォトダイオードとその周辺を拡大して概略的に示す平面図である。
【図8】第2の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【図9】第3の実施例による固体撮像装置を概略的に示す断面図である。
【図10】第3の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【図11】第4の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、垂直電荷転送路、水平電荷転送路および出力アンプの配置を概略的に示す部分平面図である。
【図12】第4の実施例による固体撮像装置における幾つかのフォトダイオードとその周辺を概略的に示す平面図である。
【図13】第4の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【図14】第5の実施例による固体撮像装置における幾つかのフォトダイオードとその周辺を概略的に示す平面図である。
【図15】第5の実施例による固体撮像装置におけるフォトダイオード、電荷転送用チャネル、読出ゲート用チャネルおよびチャネルストップ領域の配置を概略的に示す平面図である。
【図16】従来技術による固体撮像装置を概略的に示す断面図およびポテンシャル図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、 2、32、42…フォトダイオード、 2a、32a、42a…電荷蓄積領域、 2b、32b、42b…埋込層、 2b1 、32b1 、42b1 …高不純物濃度領域、 2b2 、32b2 、42b2 …低不純物濃度領域、 3…垂直電荷転送路、 4…読出ゲート、 4a…読出ゲート用チャネル、 5…チャネルストップ領域、 6…水平電荷転送路、 7…出力アンプ、 11a、11a1 、11a2 …読出兼用転送電極、 11b…転送専用転送電極、 30、30a、35、40、45…固体撮像装置。
Claims (20)
- 一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、
前記半導体ウエル領域に形成された複数の電荷蓄積領域によって構成される電荷蓄積領域列であって、前記電荷蓄積領域の各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する電荷蓄積領域列と、
前記電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、前記電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、
前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が、前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有すると共に、対応する電荷蓄積領域と前記電荷転送用チャネルとに隣接する読出ゲート用チャネルと、
前記半導体ウエル領域に形成されたチャネルストップ領域であって、前記半導体ウエルと同じ導電型かつより高い不純物濃度を有し、少なくとも、前記電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときに前記電荷転送用チャネルとは反対の側において該電荷蓄積領域列に沿って延在するチャネルストップ領域と、
前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、前記列方向中心線を基準線としたときに前記電荷転送用チャネルとは反対の側に位置する少なくとも一領域において前記高不純物濃度領域が前記チャネルストップ領域から離れている埋込層と
を有する固体撮像装置。 - 前記チャネルストップ領域が、前記電荷蓄積領域列方向に沿って相隣る2個の電荷蓄積領域同士の間において前記電荷蓄積領域列方向と交差する方向に延在し、前記電荷転送用チャネルにまで達する請求項1に記載の固体撮像装置。
- さらに前記埋め込み層の各々が含む前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域がチャネルストップ領域から離れている前記一領域に形成され、前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有する低不純物濃度領域であって、前記高不純物濃度領域での不純物濃度より低い不純物濃度を有し、前記高不純物濃度領域に連なって該高不純物濃度領域よりも前記チャネルストップ領域側に延在する低不純物濃度領域を有する請求項1または請求項2に記載の固体撮像装置。
- 前記低不純物濃度領域での不純物濃度が、前記高不純物濃度領域から離れるに従って低下する請求項3に記載の固体撮像装置。
- 削除
- 前記低不純物濃度領域が前記チャネルストップ領域と接する請求項3〜請求項5のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 高不純物濃度領域がチャネルストップ領域から離れている前記一領域において、前記高不純物濃度領域と前記チャネルストップ領域との間に、平面視上、前記電荷蓄積領域が介在する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記電荷蓄積領域と前記チャネルストップ領域との間に、前記半導体ウエル領域が介在する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記高不純物濃度領域における不純物濃度が1×1018/cm3以上1×1020/cm3未満である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記チャネルストップ領域における不純物濃度が1×1016/cm3以上1×1018/cm3未満である請求項1〜請求項9のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記半導体ウエル領域における不純物濃度が1×1015/cm3以上1×1017/cm3未満である請求項1〜請求項10のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記電荷蓄積領域における不純物濃度が1×10 16 /cm 3 以上1×1017/cm3未満で、かつ、前記半導体ウエル領域における不純物濃度よりも高い請求項1〜請求項11のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 前記電荷蓄積領域列とこれに対応する前記電荷転送用チャネル、前記各読出ゲート用チャネル、前記チャネルストップ領域および前記各埋込層が1つのユニットを構成し、該ユニットと、各々が前記ユニットと同じ構成を有する複数のユニットとが前記半導体ウエル領域に並列に形成されている請求項1〜請求項12のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、
前記半導体ウエル領域に複数行、複数列に亘って行列状に形成された多数個の電荷蓄積領域であって、各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する多数個の電荷蓄積領域と、
電荷蓄積領域列の各々に1本ずつ、該電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、対応する電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、
前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有し、対応する電荷蓄積領域に隣接すると共に、該電荷蓄積領域に対応する電荷転送用チャネルとも隣接する読出ゲート用チャネルと、
前記半導体ウエル領域に形成され、該半導体ウエルと同じ導電型かつより高い不純物濃度を有する1または複数のチャネルストップ領域であって、前記電荷蓄積領域列毎に該電荷蓄積領域列に沿って延在する一領域を含み、該一領域が、前記電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネルとはこの電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときの反対の側に延在するチャネルストップ領域と、
前記半導体基板上に電気的絶縁膜を介して形成された多数本の読出兼用転送電極および転送専用転送電極であって、前記読出兼用転送電極の各々が、電荷蓄積領域行の各々に1本ずつ形成されて該電荷蓄積領域行に沿って延在すると共に該電荷蓄積領域行中の各電荷蓄積領域に対応する読出ゲート用チャネルの各々を平面視上覆い、前記転送専用転送電極の各々が、前記電荷蓄積領域行の各々に少なくとも1本ずつ形成されて該電荷蓄積領域行に沿って延在し、1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された前記読出兼用転送電極と前記転送専用転送電極とが、該電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域の各々を平面視上取り囲む多数本の読出兼用転送電極および転送専用転送電極と、
前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、該高不純物濃度領域がその下の前記電荷蓄積領域に対応している読出兼用転送電極から平面視上離隔して形成されている埋込層と
を有する固体撮像装置。 - さらに、前記高不純物濃度領域と前記読出兼用転送電極との平面視上の間に形成され、前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有する低不純物濃度領域であって、前記高不純物濃度領域での不純物濃度よりも低い不純物濃度を有し、前記高不純物濃度領域に連なる低不純物濃度領域を有する請求項14に記載の固体撮像装置。
- 前記高不純物濃度領域と前記読出兼用転送電極との平面視上の間において、前記高不純物濃度領域と前記チャネルストップ領域との間に、平面視上、前記電荷蓄積領域が介在する請求項14または請求項15に記載の固体撮像装置。
- 前記電荷蓄積領域と前記チャネルストップ領域との間に、前記半導体ウエル領域が介在する請求項14〜請求項16のいずれかに記載の固体撮像装置。
- 一表面側に半導体ウエル領域が形成された半導体基板と、
前記半導体ウエル領域に複数行、複数列に亘って行列状に形成された多数個の電荷蓄積領域であって、各々が前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有する多数個の電荷蓄積領域と、
電荷蓄積領域列の各々に1本ずつ、該電荷蓄積領域列に近接して前記半導体ウエル領域に形成された電荷転送用チャネルであって、前記半導体ウエル領域とは逆の導電型を有し、対応する電荷蓄積領域列に沿って延在する電荷転送用チャネルと、
前記電荷蓄積領域の各々に1個ずつ対応して前記半導体ウエル領域に形成された読出ゲート用チャネルであって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有し、対応する電荷蓄積領域に隣接すると共に、該電荷蓄積領域に対応する電荷転送用チャネルとも隣接する読出ゲート用チャネルと、
前記半導体ウエル領域に形成され、該半導体ウエルと同じ導電型かつより高い不純物濃度を有する1または複数のチャネルストップ領域であって、前記電荷蓄積領域列毎に該電荷蓄積領域列に沿って延在する一領域を含み、該一領域が、前記電荷蓄積領域列に対応する電荷転送用チャネルとはこの電荷蓄積領域列の列方向中心線を基準線としたときの反対の側に延在するチャネルストップ領域と、
前記半導体基板上に電気的絶縁膜を介して形成された多数本の読出兼用転送電極であって、前記電荷蓄積領域行の各々に対してその直ぐ上流側を該電荷蓄積領域行に沿って延在する第1の読出兼用転送電極と、
前記電荷蓄積領域行の各々に対してその直ぐ下流側を該電荷蓄積領域行に沿って延在する第2の読出兼用転送電極とを含み、1行の電荷蓄積領域行に対応して形成された前記第1の読出兼用転送電極と前記第2の読出兼用転送電極とが、該電荷蓄積領域行中の電荷蓄積領域の各々を平面視上取り囲む多数本の読出兼用転送電極と、
前記読出ゲート用チャネルからは離れ、前記チャネルストップ領域とは電気的に接続されつつ前記電荷蓄積領域それぞれの上に1つずつ形成されて該電荷蓄積領域と共に1個のフォトダイオードを構成する埋込層であって、各々が前記半導体ウエル領域と同じ導電型の高不純物濃度領域を含み、該高不純物濃度領域における不純物濃度がほぼ一定で、かつ、前記チャネルストップ領域における不純物濃度よりも高く、該高不純物濃度領域がその下の前記電荷蓄積領域を平面視上取り囲む第1の読出兼用転送電極および第2の読出兼用転送電極のいずれからも平面視上離隔して形成されている埋込層と
を有する固体撮像装置。 - さらに、前記高不純物濃度領域の平面視上の周囲に形成され、前記半導体ウエル領域と同じ導電型を有する低不純物濃度領域であって、前記高不純物濃度領域での不純物濃度よりも低い不純物濃度を有し、前記高不純物濃度領域に連なると共に前記チャネルストップ領域にも連なる低不純物濃度領域を有する請求項18に記載の固体撮像装置。
- 前記低不純物濃度領域での不純物濃度が、前記高不純物濃度領域から離れるに従って低下する請求項19に記載の固体撮像装置。
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