JP4577541B2 - セパレータ付き電極の製造方法および電池の製造方法並びにセパレータと電極との積層装置 - Google Patents
セパレータ付き電極の製造方法および電池の製造方法並びにセパレータと電極との積層装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セパレータ付き電極の製造方法および電池の製造方法並びにセパレータと電極との積層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型コンピューター、小型携帯機器、あるいは自動車のクリーンなエネルギー源として高性能二次電池の開発が盛んである。ここで用いられる二次電池には小型・軽量でありながら大容量・高出力であること、すなわち高エネルギー密度・高出力密度であることが求められている。そして、高エネルギーを貯蔵することから安全性の確保が重要である。また、市場に早期に普及するために、材料コストの低減が求められている。
【0003】
従来の電池に使われているポリオレフィン系の微多孔膜からなるセパレ−タは、製造方法が複雑なため高価で、電池コスト全体の中で占める比率が大きくなっている。また、150℃を越えるような高温では、シャットダウン機能は働かず、収縮・破膜するなどしてショートするおそれがある。
【0004】
したがって、ポリオレフィン系セパレ−タと有機電解液とを組み合わせた電池では安全性を高めるために、PTCや過充電防止機構など、本来の電池機能には関与しない部材、制御部品などが必要となりさらにコストが高くなっている。
【0005】
このため安価に電池の安全性を高める目的で、有機電解液を用いない高分子固体電解質膜あるいは電解液を含浸させた高分子ゲルを用いた電池や多孔質膜を一体的に形成した電極を用いた電池あるいは低コストな耐熱性樹脂からなる不織布を用いた電池の開発が急速に進んでいる。しかしながらこれらの膜は、従来の延伸工程や抽出工程経て作られたポリオレフィンからなるセパレ−タに比べ強度が弱く取り扱いが困難である。
【0006】
このような、強度の低いセパレータを電極と積層させる従来の方法としては、特開平11−233144号公報に基材上にセパレータを形成し、その基材と共にセパレータを取り扱うことでセパレータの破損を防止する方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セパレータは、基材上に形成されたときには残留応力が、また、セパレータ単独で取り扱う場合には張力による延びが発生することから、電極との積層後セパレ−タの残留応力もしくは張力が開放された時にセパレ−タが縮もうとする力が発生し電極にしわが発生するため、電池としての充分な歩留りが得られなかった。
【0008】
したがって、本発明は、電池に使用した場合に、安全性が高く、低コストで高エネルギー密度を有するセパレータ付き電極の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
そして、本発明は、安全性が高く、低コストで高エネルギー密度を有する電池の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0010】
また、本発明は、電池に使用した場合に、安全性が高く、低コストで高エネルギー密度を有するセパレータ付き電極を製造できるセパレータと電極との積層装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する目的で鋭意研究を行った結果、以下の発明を行った。
【0012】
すなわち、上記課題を解決する本発明のセパレータ付き電極の製造方法は、帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造方法であって、前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とする。
【0013】
つまり、セパレータの送出速度を電極の送出速度よりも速くすることで、セパレータが縮む長さを補償でき、セパレータが縮むことによる電極の変形等の不都合を抑制できる。
【0014】
また、上記課題を解決する他のセパレータ付き電極の製造方法は、帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、
前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、
前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造方法であって、
前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、
前記セパレータの送出速度と前記電極の送出速度との比は、前記積層工程において該セパレータの長さが該セパレータに張力を加えないときの自由長となるように決定されることを特徴とする。
【0015】
つまり、セパレータが縮む長さに合わせてセパレータを電極より余分に送出することによって電極上でセパレータが縮むことはなくなりセパレータが縮むことによる電極の変形等の不都合をなくすことができる。
【0016】
また、前記セパレ−タは、剥離フィルム上に一体的に形成されており、前記積層工程以前に該セパレ−タを該剥離フィルムより剥離する剥離工程をもつことが好ましい。
【0017】
セパレータは、前述のように、力学的強度が低い。したがって、セパレータ送出工程においてセパレータに損傷が生じないように、強度的に優れた剥離フィルムに一体化させて取り扱うことで、セパレータの損傷による歩留まりの低下を防止することができる。
【0018】
そして、上記課題を解決する電池の製造方法は、帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造工程を有する電池の製造方法であって、前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とする。
【0019】
つまり、上述のセパレータ付き電極の製造方法により製造されたセパレータ付き電極を用いて電池を製造することによって、より安全性の高い電池をより低コストで提供することができるという効果を有する。
【0020】
また、上記課題を解決する本発明のセパレータと電極との積層装置は、電極を保持し、該電極を送り出す電極送出手段と、前記電極の短絡防止用の前記セパレータを保持し、該セパレータを送り出すセパレータ送出手段と、前記電極送出手段と前記セパレータ送出手段とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを間に狭持することにより重ね合わせる1組の積層ローラをもつ積層手段とをもつセパレータと電極との積層装置であって、前記セパレータ送出手段から前記セパレータが送出される速度は、前記電極送出手段から前記電極が送出される速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とする。
【0021】
つまり、本装置によれば、セパレータの送出速度を電極の送出速度よりも速くすることで、セパレータが縮む長さを補償でき、セパレータが縮むことによる電極の変形等の不都合を抑制できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータ付き電極の製造方法および電池の製造方法並びにセパレータと電極との積層装置について以下に示すリチウム2次電池の実施形態に基づいて説明する。なお、本明細書において「セパレータ」とは、一般的な意味でのセパレータ、すなわち、「電極間の絶縁と電極間のイオン伝導とを担保する部材」の他に、固体電解質や内部に電解液を保持するゾル状の電解質をも含む意味である。また、本明細書におけるにおける「電池」とは、リチウム電池等の1次電池、リチウムイオン二次電池等の2次電池の他、電気二重層キャパシタ、一部の燃料電池のような電極間にセパレータを狭持する構造をもつ発電・蓄電装置をも含む意味である。
【0023】
(セパレータ付き電極の製造方法)
本実施形態のセパレータ付き電極の製造方法は、電極送出工程と、セパレータ送出工程と、積層工程とをもつ。
【0024】
電極送出工程は、帯状の電極を連続的に送り出す工程である。電極を送出する方法としては、特に限定されない。好ましい形態としては後述するセパレータと電極との積層装置の欄で説明する。
【0025】
本実施形態に用いることができる電極は、特に限定されるものではなく、正極・負極のどちらであってもかまわない。本実施形態では、公知のリチウム二次電池用の正極もしくは負極を適用することが可能である。本発明をリチウム二次電池以外の他の電池に適用する場合には、該当する電池の公知の正極もしくは負極が適用できる。
【0026】
具体的には、正極は、リチウムイオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができるリチウム−金属複合酸化物を正極活物質にもつシート状の帯状部材である。リチウム−金属複合酸化物は、電子とリチウムイオンの拡散性能に優れるなど活物質の性能に優れる。そのため、このようなリチウムおよび遷移金属の複合酸化物を正極活物質に用いれば、高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られる。さらに正極は、正極活物質、導電材および結着材を混合して得られた正極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0027】
正極活物質には、リチウム−金属複合酸化物であれば特に限定されるものではなく、公知の活物質を用いることができる。たとえば、Li(1-X)NiO2、Li(1-X)MnO2、Li(1-X)Mn2O4、Li(1-X)CoO2や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等が挙げられる。なお、正極活物質としては、1種類の物質を単独で用いる場合に限定されず、複数の物質を混合して用いてもよい。そして、この正極活物質の例示におけるXは0〜1の数を示す。
【0028】
また、負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができるシート状の帯状部材である。特に、負極活物質、導電材および結着剤を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。負極活物質としては、その活物質の種類で特に限定されるものではなく、公知の負極活物質を用いることができる。中でも、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素材料は、リチウムイオンの吸蔵性能および拡散性能に優れるなど活物質の性能に優れる。そのため、このような炭素材料を負極活物質に用いれば、高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られる。さらには、負極として金属リチウムもしくはリチウム合金を使用することが電池容量の観点からは、より好ましい。
【0029】
上述の正極または負極を形成する方法の例を以下に述べる。正極の形成方法としては、正極活物質としてのLiNiO2等と導電材としてのアセチレンブラック等と結着材としてのポリフッ化ビニリデン等とを混合して、正極合材とする。この正極合材を分散材としてのN−メチル−2−ピロリドン等に分散させ、スラリー状とする。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体に塗布し、乾燥した後にプレス成型して、正極合材層を形成し、正極とする。負極の形成方法としては、負極活物質としてのグラファイト等を結着材としてのポリフッ化ビニリデン等とを混合して、負極合材とする。この負極合材を分散材としてのN−メチル−2−ピロリドン等に分散させ、スラリー状とする。このスラリーを銅製の負極集電体に塗布し乾燥後、プレス成型して負極合材層を形成し、負極とする。
【0030】
セパレータ送出工程は、電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出す工程である。セパレータを送出する方法としては、特に限定されない。好ましい形態としては後述するセパレータと電極との積層装置の欄で説明する。
【0031】
本実施形態に用いることができるセパレータは特に限定されるものではないが、ポリオレフィン等の一般的なセパレータではなく後述するセパレータに用いる方が、より本発明の効果を発揮しやすいので好ましい。
【0032】
本実施形態の製造方法に好ましく適用できるセパレータは、高分子材料を良溶媒に溶解させた後に剥離フィルム等の基材に塗布し、乾燥もしくは貧溶媒に浸せきして高分子材料を析出させて形成した多孔質膜や高分子材料を溶融させて剥離フィルム等に塗布した後に冷却した多孔質膜等である。また、高分子固体電解質膜あるいは電解液を含浸させた高分子ゲルの膜、メルトブロー法等により作成した不織布等である。
【0033】
このとき剥離フィルムは、PET、PPS、PTFEなどの樹脂製フィルムが望ましく、さらには離型フィルムとセパレ−タの剥離性を抑制するためコロナ処理、カーボンコートやSiコートなどの表面処理を行っても良い。
【0034】
剥離フィルム上に形成されたセパレ−タは、剥離フィルムに固定されたまま使用しても良いし、セパレ−タを剥離フィルムから剥がし、セパレ−タだけを巻き取って保持しても良い。剥離フィルムに固定したままセパレータを使用する場合には、後述する積層工程以前にセパレ−タを剥離フィルムより剥離する剥離工程をもつことが好ましい。積層工程よりも後に剥離フィルムからセパレータを剥離すると、剥離フィルム上での残留応力によって電極が変形するおそれが高まるからである。剥離工程を実現する具体的な手段については、後述するセパレータと電極との積層装置の欄で説明する。
【0035】
本実施形態の製造方法の特徴部分は、セパレータ送出工程におけるセパレータの送出速度が、電極送出工程における電極の送出速度よりも高速であることである。
【0036】
セパレータの送出速度と電極の送出速度との比は、電極に対して101−110%の速度とし、特に搬送時の張力で伸びたときにおけるセパレ−タの長さと張力が開放された自由長時におけるセパレ−タの長さの差の50%から100%に相当する長さを電極よりも余分に送れる速度でセパレ−タを送ることが望ましい。
【0037】
例えば、張力をかけた時のセパレ−タの長さを102、張力が開放された時のセパレ−タの長さを100とするとセパレ−タの送り速度としては、電極の送り速度100に対して、101から102に早めるのが望ましい。
【0038】
また、セパレータの送出速度と電極の送出速度との比は、積層工程においてセパレータの長さがセパレータに張力を加えないときの自由長となるように決定することもできる。
【0039】
たとえば、セパレータが張力により3%延びている場合には、電極を送出する速度を100%としたときにセパレータを送出する速度を103%にすることが好ましい。なお、この場合でもセパレータを送出する速度は、100%を越えていれば、ある程度の効果は発揮できる。
【0040】
積層工程は、電極送出工程およびセパレータ送出工程によって送出された電極およびセパレータを積層して一体化する工程である。一体化する方法は特に限定されないが、圧力および/または熱によって圧・融着する方法、何らかのバインダーによって接着する方法を挙げることができる。なお、最終的な電池の性能を向上する目的で、一体化する際にはセパレータの細孔を閉塞しないように条件を定めることが好ましい。本工程を実現する具体的な手段としては、後述するセパレータと電極との積層装置の欄で説明する。
【0041】
(電池の製造方法)
本実施形態のリチウム二次電池は、正極と負極とを重ね合わせてなる電極体を有するリチウム二次電池であって、正極もしくは負極は、前述の製造方法で製造されたセパレータ付き電極を用いたリチウム二次電池である。
【0042】
したがって、電極以外の構成要素については、特に限定されず、公知の構成を用いることができる。
【0043】
(セパレータと電極との積層装置)
本実施形態のセパレータと電極との積層装置は、電極送出手段と、セパレータ送出手段と、積層手段とをもつ。電極送出手段およびセパレータ送出手段の数は、特に限定しない。たとえば、電極の両面にセパレータを積層する場合には電極送出手段が1つに対して対応するセパレータ送出手段が2つ必要である。また、電極送出手段を2つ用いて電極として正極・負極の両方を同時に積層することもできる。
【0044】
本装置に使用できる乃至は使用することが好ましい電極・セパレータは前述の通りである。そして、電極送出手段が前述の電極送出工程を実現する手段であり、セパレータ送出手段が前述のセパレータ送出工程を実現する手段であって、積層手段が前述の積層工程を実現する手段である。したがって、電極とセパレータとの送出速度の関係は前述の通りである。
【0045】
電極送出手段は、電極を保持し、その電極を送り出す手段である。電極の保持は、帯状の電極を巻き取ってロール状にして保持することが好ましい。電極を送出する場合には、ロール状に保持した電極をローラー等で引き出して、所定速度として送出する。電極の速度を制御する方法としては、ローラー等の回転速度を制御することで行うことができる。また、電極を引き出すローラーを後述する積層手段のローラーと兼用することができる。つまり、積層手段に用いられるローラーにより電極を引き出すことで、電極送出手段に代えることができる。
【0046】
セパレータ送出手段は、セパレータを保持し、そのセパレータを送り出す手段である。セパレータについてもロール状に巻回して保持することが好ましい。セパレータを送出する場合には、ロール状に保持したセパレータをローラー等で引き出して、所定速度として送出する。セパレータの速度を制御する方法としては、ローラー等の回転速度を制御することで行うことができる。セパレータを剥離フィルムと共に取り扱うことはセパレータの損傷を防ぐ意味でも好ましいことである。剥離フィルムを使用した場合には、セパレータを剥離フィルムから剥離する手段を設ける必要がある。
【0047】
積層手段は、電極送出手段とセパレータ送出手段とによってそれぞれ送り出された電極とセパレータとを間に狭持することにより重ね合わせる1組の積層ローラをもつ。この積層ローラの間を通過させることで電極とセパレータとを一体化する。圧力によって圧着する場合には、所定圧力を積層ローラに加える。そして、熱によって融着する場合には、積層ローラを所定温度まで加熱する。また、バインダーによって電極とセパレータとを一体化する場合にはバインダー塗布手段を積層ローラの前に設ける。
【0048】
【実施例】
以下に示す実施例に基づいて本発明をさらに説明する。
【0049】
(比較例1)
(1)セパレ−タの形成
ポリエステル(バイロンKS001H、東洋紡績)30重量部と、トリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成製)6重量部と、Nメチルピロリドン70重量部とを混合後、125℃に加熱し溶解した。
【0050】
加熱した混合物をスリットダイにより離型フィルムであるガラスクロス入りテフロンフィルム(厚み=80μm)にコーティングし、水に浸漬し、樹脂を析出した後乾燥することで多孔質膜を得た。
【0051】
その後この多孔質膜を、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)を溶解したエタノール溶液中に浸漬し、乾燥した。N2中150℃で3時間熱処理し、架橋した多孔質膜を得た。
(2)電極へのセパレ−タの一体化
正極の表面に形成したセパレ−タが対向するように、離型フィルム上のセパレ−タを配置し、正極と離型フィルム上に形成されたセパレ−タを2m/minの搬送速度で同時に送り、離型フィルムの上からブロックヒータにより加熱し、正極表面に熱融着した。
【0052】
(比較例2)
(1)セパレ−タの形成
比較例1と同様の方法で多孔質膜を離型フィルムであるガラスクロス入りテフロンフィルム(厚み=80μm)上に形成した。
【0053】
この多孔質膜を、離型フィルムから剥がしセパレ−タだけを巻き取った。
【0054】
このとき、セパレ−タの幅100mmに対し9.8Nの張力を与えたときのセパレ−タの長さが101に対して、張力が無いときのセパレ−タの長さは約100であった。
(2)電極・セパレ−タの積層捲回
厚み85μmの負極、厚み80μmの正極の間に作製したセパレ−タを配置し、正極、セパレ−タおよび負極を同時に1.0m/minの搬送速度で送り、正極、セパレ−タおよび負極を積層し、円周上に捲回した。
【0055】
(実施例で用いたセパレータと電極との積層装置)
本実施例で用いたセパレータと電極との積層装置は、電極送出手段(図略)とセパレータ送出手段(図略)と積層手段としての積層ローラ3および加熱ブロック(図略)とから構成される。電極送出手段は積層ローラ3の巻き取り速度によって電極1の送出速度Aを制御している。セパレータ送出手段によって送出された剥離フィルム付きセパレータ2は積層ローラ3に到達する前に剥離フィルム21を剥離する剥離ローラ4によって剥離フィルム21からセパレータ20が剥離される。剥離フィルム付きセパレータ2の送出速度Bはセパレータ送出手段で制御される。
【0056】
(実施例1)
(1)セパレ−タの形成
ポリエステル(バイロンKS001H、東洋紡績)30重量部と、トリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成製)6重量部と、Nメチルピロリドン70重量部とを混合後、125℃に加熱し溶解した。
【0057】
加熱した混合物をスリットダイにより離型フィルムであるガラスクロス入りテフロンフィルム(厚み=80μm)にコーティングし、水に浸漬し、樹脂を析出した後乾燥することで多孔質膜を得た。
【0058】
その後、この多孔質膜を、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)を溶解したエタノール溶液中に浸漬し、乾燥した。N2中150℃で3時間熱処理し、架橋した多孔質膜を得た。
【0059】
このとき、離型フィルムから剥がす前の長さが101に対して、剥がした後のセパレ−タの長さ(自由長)は約100であった。
(2)電極へのセパレ−タの一体化
厚み80μmの正極面に形成したセパレ−タが対向するように、離型フィルム上のセパレ−タを配置し、正極を2m/min、離型フィルム上に形成されたセパレ−タを2.02m/minの搬送速度で送り、離型フィルムの上からブロックヒータにより加熱し、正極ヘ熱融着した。
【0060】
(実施例2)
(1)セパレ−タの形成
ポリエステル(バイロンKS001H、東洋紡績)30重量部と、トリアリルイソシアヌレート(TAIC、日本化成製)6重量部と、Nメチルピロリドン70重量部とを混合後、125℃に加熱し溶解した。
【0061】
加熱した混合物をスリットダイにより離型フィルムであるガラスクロス入りテフロンフィルム(厚み=80μm)にコーティングし、水に浸漬し、樹脂を析出した後乾燥することで多孔質膜を得た。
【0062】
その後、この多孔質膜を、ジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)を溶解したエタノール溶液中に浸漬し、乾燥した。N2中150℃で3時間熱処理し、架橋した多孔質膜を得た。
【0063】
この多孔質膜を、離型フィルムから剥がしたセパレ−タだけを巻き取った。
【0064】
このとき、セパレータ送出手段においてセパレータを保持する際にセパレータに加わる張力であるセパレ−タの幅100mmに対し9.8Nの張力を与えたときのセパレ−タの長さが101に対して、張力が無いときのセパレ−タの長さ(自由長)は約100であった。
(2)電極・セパレ−タの積層捲回
厚み85μmの負極、厚み80μmの正極の間に(1)で作製したセパレ−タを配置し、正極および負極を1.00m/min、セパレ−タを1.01m/minの搬送速度で送り、セパレ−タにたるみを与えた後正極、セパレ−タおよび負極を積層し円周上に捲回した。
【0065】
(結果)
実施例1の正極が電極にうねり・しわが無くセパレ−タが正極に固着一体化されているのに対し、比較例1では、セパレ−タの収縮応力によりセパレ−タを固着一体化した正極にうねりが生じ、電極が挫屈している部分もあった。このため比較例2の正極を用いて負極との捲回を行うことが困難であった。
【0066】
実施例2の積層電極を捲回に用いた軸心から抜いたあと軸心周辺の電極がたわむことなく、円周上に配置されているのに対し、比較例2の積層電極の軸心周辺の電極が軸中心までたわんで突き出ていた。このため比較例2の積層電極を電池缶に挿入後、集電タブと電池缶底とを溶接する際に中心部へ挿入する溶接チップが、たわんで中心部に突き出た電極をつき破る不具合が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のセパレータと電極との積層装置を示した模式図である。
【符号の説明】
1…電極板
2…剥離フィルム付きセパレータ
3…積層ローラ
4…剥離ローラ
Claims (5)
- 帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、
前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、
前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造方法であって、
前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とするセパレータ付き電極の製造方法。 - 帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、
前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、
前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造方法であって、
前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、
前記セパレータの送出速度と前記電極の送出速度との比は、前記積層工程において該セパレータの長さが該セパレータに張力を加えないときの自由長となるように決定されることを特徴とするセパレータ付き電池用電極の製造方法。 - 前記セパレ−タは、剥離フィルム上に一体的に形成されており、
前記積層工程以前に該セパレ−タを該剥離フィルムより剥離する剥離工程をもつ請求項1または2に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。 - 帯状の電極を連続的に送り出す電極送出工程と、
前記電極の短絡防止用の帯状のセパレータを連続的に送り出すセパレータ送出工程と、
前記電極送出工程と前記セパレータ送出工程とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを重ね合わせる積層工程とをもつセパレータ付き電極の製造工程を有する電池の製造方法であって、
前記セパレータ送出工程の前記セパレータの送出速度は、前記電極送出工程の前記電極の送出速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とする電池の製造方法。 - 電極を保持し、該電極を送り出す電極送出手段と、
前記電極の短絡防止用の前記セパレータを保持し、該セパレータを送り出すセパレータ送出手段と、
前記電極送出手段と前記セパレータ送出手段とによってそれぞれ送り出された前記電極と前記セパレータとを間に狭持することにより重ね合わせる1組の積層ローラをもつ積層手段とをもつセパレータと電極との積層装置であって、
前記セパレータ送出手段から前記セパレータが送出される速度は、前記電極送出手段から前記電極が送出される速度よりも高速であり、前記電極に対して101−110%の速度であることを特徴とするセパレータと電極との積層装置。
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