JP2010010094A - 非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池用電極群の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池用電極群の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容量を損なうことなく、柔軟性に優れた電極を容易かつ確実に得ることが可能な非水電解質二次電池用電極の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の非水電解質二次電池用電極の製造方法は、電極集電体上に電極合剤層を形成して電極積層体を得た後、電極積層体を圧延する工程(1)と、工程(1)の後、電極集電体に電流を流して、電極集電体を加熱する工程(2)と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質二次電池に用いられる電極および電極群の製造方法に関する。
従来から、自動車搭載用電源又は大型工具の電源として、急速充電及び大電流放電が可能な小型・軽量の非水電解質二次電池が用いられている。この非水電解質二次電池は、正極集電体上に正極合剤層が形成された帯状の正極と、負極集電体上に形成された負極合剤層からなる帯状の負極とを、セパレータを介して積層した積層体を捲回した電極群を備える。セパレータは非水電解質を保持する。非水電解質には、例えば、LiClO4又はLiPF6等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒が用いられている。正極活物質には、例えば、コバルト酸リチウムのようなリチウム含有複合酸化物が用いられる。負極活物質には、リチウム金属、リチウム合金、又はリチウムイオンをホスト物質(ここでいう「ホスト物質」とは、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な物質をいう。)である炭素材料に吸蔵させたリチウムインターカレーション化合物が用いられている。電極群は、ステンレス鋼製、ニッケルメッキを施した鉄製、又はアルミニウム製等の金属からなる電池ケースに収納され、電池ケースの開口部は電池蓋で封口されている。
ところで、非水電解質二次電池に対して高容量化への要望が高まっている。電池を高容量化する方法として、活物質充填量を増やして、電極(積層体)の厚みを増大させ、電極群を形成する際に用いられる捲回軸の径を小さくすることが検討されている。
しかしながら、積層体の厚みが増大すると、電極群作製時に、電極にかかる引張応力が大きくなり、特に、電極の形状を維持する電極集電体にかかる引張応力が増大する。このため、上記高容量化の方法では、積層体捲回時に電極が破断する可能性がある。
特開平7−335249号公報 特開平11−283615号公報 特開2007−273259号公報
非水電解質二次電池では、内部短絡時に、電池内に過大な電流が流れ、電池温度が急激に上昇し、熱暴走する可能性がある。特に、大型・高出力の非水電解質二次電池では、熱暴走する可能性が高い。このため、非水電解質二次電池の安全性向上への要求が高まっている。
非水電解質二次電池が内部短絡する原因としては、例えば、電池の圧壊により電極群が変形すること、又は電極群内に異物が混入することが挙げられる。特に、満充電時の電池の圧壊により生じる内部短絡は、瞬時に大きなエネルギーを放出するため、熱暴走する可能性が高い。
非水電解質二次電池が圧壊により変形すると、電極群を構成する正極、負極、及びセパレータにかかる引張応力が増大し、正極、負極、及びセパレータは、電池ケースの変形と共に伸びる。そして、所定の深さまで電池が圧壊されると、正極及び負極の少なくも一方の電極が破断し、その電極の破断部がセパレータを突き破り、正極が負極と接触し、内部短絡を生じる。したがって、電池圧壊時の内部短絡を抑制するには、電極、特に電極の形状を維持する集電体の引張伸び率(柔軟性)を改善することが重要であると考えられる。
上記方法としては、集電体の柔軟性を改善する方法としては、集電体の温度が集電体の軟化点以上になるように、電極を外部より熱源を用いて伝熱加熱することが考えられる。
しかし、結着剤の融点が正極集電体の軟化点よりも低い場合、例えば、正極集電体にアルミニウム箔(軟化点:約190℃)を用い、結着剤に、融点が正極集電体の軟化点よりも低いポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFをする。)(熱変形温度:177℃)を用いる場合、集電体を軟化させるために、結着剤の融点より高い温度で電極(集電体)が加熱される。このため、活物質粒子間に存在する結着剤が溶融し、活物質表面が結着剤で過度に密に覆われる。これにより、活物質表面での反応(電極反応)が抑制され、反応抵抗が増大し、電池の容量および出力が低下する。また、結着剤が硬化して、電極の柔軟性が失われる場合がある(例えば、特許文献3)。
結着剤の硬化による電極の柔軟性低下を抑制する方法として、例えば、特許文献2では、電極の柔軟性を保ち、合剤層の集電体からの脱落、又は合剤層の集電体への接着性低下を抑制するために、電極作製時において、集電体上に、活物質と、300℃以下において融点を持たない結着剤とを含む活物質層を形成した後、電極を300℃以下で熱処理することが提案されている。しかし、特許文献2においても、電極全体(合剤層および集電体の全体)が加熱されるため、熱源に近い合剤層の温度が集電体の温度よりも高くなりやすく、電極の構成部材毎に温度を制御することが難しい。すなわち、合剤層が融点以上に加熱されないよう、集電体を軟化点以上に加熱することは難しい。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するために、容量を損なうことなく、柔軟性に優れた電極を容易かつ確実に得ることが可能な非水電解質二次電池用電極および電極群の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池用電極の製造方法は、電極集電体上に電極合剤層を形成して電極積層体を得た後、前記電極積層体を圧延する工程(1)と、前記工程(1)の後、前記電極集電体に電流を流して、前記電極集電体を加熱する工程(2)と、を含むことを特徴とする。
前記工程(2)において、前記電極集電体の温度は前記電極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記電極合剤層は、電極活物質、導電材、および結着剤を含み、前記工程(2)において、前記電極合剤層の温度は前記結着剤の融点より低いのが好ましい。
前記電極集電体はアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であるのが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用電極群の製造方法は、正極集電体および前記正極集電体上に形成された正極合剤層を有する帯状の正極と、負極集電体および前記負極集電体上に形成された負極合剤層を有する帯状の負極とを、両極間にセパレータを配置して捲回または積層して電極群を得る工程(A)と、
前記工程(A)の後、前記電極群における前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方に電流を流して、前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方を加熱する工程(B)と、
を含むことを特徴とする。
前記工程(B)において、前記正極集電体の温度は前記正極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であるのが好ましい。
前記正極合剤層は、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含み、前記工程(B)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低いのが好ましい。
さらに、前記工程(A)の前に、前記正極における前記正極集電体に電流を流して、前記正極集電体を加熱する工程(C)を含むのが好ましい。
前記工程(C)において、前記正極集電体の温度は前記正極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記正極合剤層は、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含み、前記工程(C)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低いのが好ましい。
前記工程(B)において、前記負極集電体の温度は前記負極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記負極合剤層は、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含み、前記工程(B)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低いのが好ましい。
さらに、前記工程(A)の前に、前記負極における前記負極集電体に電流を流して、前記負極集電体を加熱する工程(D)を含むのが好ましい。
前記工程(D)において、前記負極集電体の温度は前記負極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記負極合剤層は、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含み、前記工程(D)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低いのが好ましい。
本発明によれば、電極積層体において電極集電体が選択的に加熱され、電極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。
電極積層体圧延後に、電極集電体を軟化させることにより、電極の柔軟性が改善され、積層体捲回時の電極の破断が抑制される。電池圧壊時の電極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
充放電サイクル時において、電極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
また、本発明によれば、電極群において電極集電体が選択的に加熱されるため、電極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。
電極群構成後に、電極集電体を軟化させることにより、電極の柔軟性が改善され、積層体捲回による電極の曲げ応力の集中が低減される。電池圧壊時の電極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
充放電サイクル時において、電極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
本発明は、非水電解質二次電池用電極の製造方法に関し、電極集電体上に電極合剤層を形成して電極積層体を得た後、前記電極積層体を圧延する工程(1)と、前記工程(1)の後、前記電極集電体に電流を流して、前記電極集電体を加熱する工程(2)と、を含む点に特徴を有する。
上記のように、本発明は、電極集電体を抵抗加熱する点に特徴を有する。抵抗加熱とは、被加熱物に直接電流を流すことにより発生するジュール熱を利用して被加熱物を加熱することをいう。電極集電体には金属箔が用いられ、電極集電体の抵抗加熱時には、電極集電体は電極合剤層よりも抵抗が小さいため、電極集電体に電流が集中して流れる。したがって、電極積層体において電極集電体が選択的に加熱され、電極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。電流は、直流電流でもよく、交流電流でもよい。
電極集電体の温度は前記電極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。これにより、電極集電体が軟化して電極の引張伸び率が増大する。電極積層体を圧延した後に、電極集電体を軟化させるため、電極積層体圧延時の電極集電体の加工硬化により電極集電体の軟化効果が損なわれることがない。電極の引張伸び率(柔軟性)は、電極の形状を維持する電極集電体の軟化に大きく依存する。
このため、積層体捲回時に電極(集電体)に引張応力が集中して電極(集電体)が破断するのを抑制できる。電池圧壊時の電極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
充放電サイクル時において、電極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。電極の引張伸び率が増大するため、活物質充填量を増大させ、電極(積層体)の厚みを増大させることによる高容量が可能である。
抵抗加熱以外の熱処理方法としては、電極外部から熱風を送ることにより電極全体を加熱する方法、熱ロール等を用いて熱伝導により電極全体を加熱する方法が挙げられる。しかし、これらの方法では、電極外部から合剤層を介して集電体に熱を加えるため、合剤層の温度を集電体の軟化点以上に加熱する必要があり、合剤層が熱的影響を受けて電極特性(電池特性)が低下する。
これに対して、本発明では、上記のように、電極集電体の抵抗加熱により電極積層体における電極集電体のみを制御よく加熱することができるため、電極合剤層への熱的影響がほとんどない。
また、抵抗加熱時の電極集電体の温度は、電極集電体の形状を保つように、電極集電体の融点より低いことが好ましい。より好ましくは、抵抗加熱時の電極集電体の温度は、加熱により電極集電体の強度が低下しない、電極集電体の融点よりさらに低い温度(例えば、電極集電体がアルミニウム箔である場合、約660℃以下)である。
電極合剤層は、少なくとも電極活物質を含んでいればよく、必要に応じて、導電材および結着剤を添加すればよい。
前記電極合剤層は、電極活物質、導電材、および結着剤を含み、前記工程(2)において、電極合剤層の温度は結着剤の融点より低いのが好ましい。上記抵抗加熱により、正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。正極結着剤の融点が、正極集電体の軟化点よりも低い場合でも、正極合剤層の温度を正極結着剤の融点以上に上昇させることなく、正極集電体の温度を軟化点以上に上昇させることができる。
電極集電体はアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔であるのが好ましい。より低温で集電体を軟化させることができるため、熱処理工程における電力コストを低減できる。また、集電体の引張伸び率が増大する。アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚みは、例えば、5〜30μmである。
また、本発明は、非水電解質二次電池用電極群の製造方法に関し、正極集電体および前記正極集電体上に形成された正極合剤層を有する帯状の正極と、負極集電体および前記負極集電体上に形成された負極合剤層を有する帯状の負極とを、両極間にセパレータを配置して捲回または積層して電極群を得る工程(A)と、
前記工程(A)の後、前記電極群における前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方に電流を流して、前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方を加熱する工程(B)と、
を含む点に特徴を有する。
電極群において電極集電体が選択的に加熱されるため、電極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。
工程(B)において、正極集電体の温度は正極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。電極群構成後に、電極集電体を軟化させることにより、電極の柔軟性が改善され、積層体捲回による電極の曲げ応力の集中が低減される。電池圧壊時の電極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
充放電サイクル時において、電極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
電極積層体圧延後(電極群構成前)に電極集電体を熱処理する場合よりも、さらに安全性および充放電サイクル特性が向上する。
前記正極合剤層は、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含み、前記工程(B)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低いのが好ましい。
正極合剤層の温度を負極結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。
さらに、前記工程(A)の前に、前記正極における正極集電体に電流を流して、前記正極集電体を加熱する工程(C)を含むのが好ましい。積層体捲回時に正極(集電体)に引張応力が集中して正極(集電体)が破断するのを抑制できる。
前記工程(C)において、前記正極集電体の温度は前記正極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記正極合剤層が正極結着剤を含む場合、前記工程(C)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低いのが好ましい。
前記負極合剤層は、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含み、前記工程(B)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低いのが好ましい。
負極合剤層の温度を負極結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。
さらに、前記工程(A)の前に、前記負極における負極集電体に電流を流して、前記負極集電体を加熱する工程(D)を含むのが好ましい。積層体捲回時に負極(集電体)に引張応力が集中して負極(集電体)が破断するのを抑制できる。
前記工程(D)において、前記負極集電体の温度は前記負極集電体の軟化点以上であるのが好ましい。
前記負極合剤層が負極結着剤を含む場合、前記工程(C)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低いのが好ましい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
(実施形態1)
本実施形態の電極の製造方法を、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を示す概略正面図である。
(a)正極積層体の作製および圧延工程(1)
正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含む正極合剤を、正極集電体の両面に塗布した後、乾燥させる。このようにして、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された帯状の正極積層体を作製する。正極積層体をローラ等にて圧延する。
(b)正極集電体の熱処理工程(2)
圧延後の正極積層体の両面に、正極リードを溶接するための集電体露出部を長手方向に一定の間隔で形成する。このようにして、図1に示す、正極集電体1の両面に正極合剤層2が形成され、集電体露出部1’を一定の間隔で設けた正極積層体を得る。
上記では、圧延後の正極積層体から所定箇所の正極合剤層を除去して、集電体露出部を形成したが、圧延前に正極合剤をパターン塗布して、正極集電体の所定箇所に正極合剤を塗布し、正極合剤層形成時に、集電体露出部を形成してもよい。使用する正極合剤量および製造コストの観点から、正極合剤をパターン塗布する方法が好ましい。
一対の端子3a、3bを備える電源装置4を準備し、図1に示すように、一定の間隔で設けた複数の集電体露出部1'のうち隣接する2箇所の集電体露出部に、端子3a、3bを接続する。電源装置4より所定電流を正極集電体1に所定時間流す。
このとき、電流の値および電流を流す時間は、正極集電体1が軟化点以上に加熱されるように、適宜設定すればよい。この電流は、端子3aと端子3bとの間において、正極合剤層2よりも低抵抗の正極集電体1に集中して流れるため、正極集電体1のみを制御よく加熱できる。また、正極集電体1の長手方向に電流が流れるため、正極に用いる正極集電体1全体を効率よく熱処理できる。
これにより、正極積層体において正極集電体1だけを制御よく軟化点以上に加熱することができる。このとき、この熱処理工程を、必要な正極の数に応じて、隣接する2つの集電体露出部1’毎に必要な回数だけ繰り返し実施すればよい。状況に応じて、熱処理する正極集電体の長さを容易に調整できる。
正極集電体の熱処理後、集電体露出部が略中央に位置するように正極積層体を切断する。このようにして、図2に示す、略中央に集電体露出部1'を有する帯状の正極を作製する。なお、本実施形態では、正極の略中央に集電体露出部1’が設けられているが、正極における集電体露出部1'の設置位置はこれに限定されず、正極の形状や電池構成等に応じて適宜決めればよい。
電池組立時における正極リードの溶接部である集電体露出部を、集電体熱処理時における電源装置の端子との接続部に用いるため、端子との接続のための集電体露出部を別途設ける必要がない。したがって、効率よく集電体を熱処理することができ、生産性が向上する。
本実施形態では、隣接する2箇所の集電体露出部にそれぞれ端子3a、3bを接続したが、端子3a、3bの接続の仕方はこれに限定されない。さらに間隔を開けて端子3a、3bを接続してもよい。例えば、必要な正極の数に応じて、必要な長さの正極集電体の両端に位置する集電体露出部1'に端子3a、3bを接続してもよい。正極積層体を正極の大きさに切断する前に、正極集電体を熱処理するため、複数の正極を同時に熱処理することができ、生産性が向上する。
正極積層体圧延後に、正極集電体を軟化させることにより、正極の柔軟性が改善され、積層体捲回時の正極の破断が抑制される。電池圧壊時の正極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
正極積層体において正極集電体が選択的に加熱され、正極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。充放電サイクル時において、正極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
正極積層体の圧延後に、正極積層体の集電体を熱処理することにより、正極積層体捲回時に正極の軟化による正極破断抑制効果が発揮される。正極積層体の圧延前に熱処理すると、正極積層体の引張伸び率は一旦増大するが、正極積層体の圧延時に、正極集電体が加工硬化を起こし、正極積層体の引張伸び率が減少する。このため、正極積層体捲回時に、正極の軟化効果が発揮されない。
以下、上記正極を用いた電池の一実施形態を図2および図3を参照しながら説明する。金属製の電池ケース7内に、正極12と、負極13とを、セパレータ14を介して、捲回軸(巻芯)に正極を内側にして捲回した電極群15が収納されている。正極12の集電体露出部1’には例えばアルミニウム製の正極リード6aが溶接されている。負極13の外周側(巻き終わり側)に設けられた集電体露出部には例えばニッケル製の負極リード11が溶接されている。セパレータには、例えば多孔質ポリエチレンフィルムが用いられる。
電極群15の上部および下部には、それぞれ上部絶縁板10aおよび下部絶縁板10bが配置されている。負極リード11の端部は電池ケース7の内底面に溶接され、正極リード6aの端部は内圧作動型の安全弁を含む封口板8に溶接されている。封口板8の凸部(正極端子)には、排気口8aが設けられている。過充電等により電池内でガスが多く発生し、電池内圧が大幅に上昇した際、電池内のガスは排気口8aを通じて外部へ放出される。電池ケース内の電極群は非水電解液を含む。電池ケース7の開口端部を、ガスケット9を介して封口板8の周縁部にかしめることにより、電池ケース7の開口部は封口されている。
正極集電体熱処理時の正極集電体の軟化により、正極の引張応力に対する伸びが増大し、電極積層体捲回時において正極の破断が抑制され、電池の信頼性が向上する。また、この正極を用いた電池では、電池圧壊時等の安全性およびサイクル特性が向上する。
以下、正極について説明する。正極は、正極集電体および正極集電体上に形成された正極合剤層を有する。正極集電体には、多孔性構造または無孔性構造の帯状の導電性基板が用いられる。正極集電体の厚みは、例えば5〜30μmである。より低温で集電体の軟化効果が得られ、かつ集電体の引張伸び率が増大するため、正極集電体は純度の高いアルミニウム箔(例えば、1085系又は1N30系のアルミニウム箔)、または鉄等を含有するアルミニウム合金箔が好ましい。アルミニウム箔の軟化温度は、約190℃である。
正極合剤層は、例えば、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含む。正極活物質としては、例えば、一般式:Lixy1-y2(式中、MおよびNは、Co、Ni、Mn、Cr、Fe、Mg、Al、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種であり、M≠Nであり、xおよびyは、0.98≦x≦1.10および0≦y≦1を満たす。)で表されるリチウム含有複合酸化物が用いられる。
また、正極活物質としては、例えば、一般式:LiMPO4(式中、Mは、V、Fe、Ni、およびMnからなる群より選択される少なくとも1種である。)で表されるオリビン型リン酸リチウム、または一般式:Li2MPO4F(式中、Mは、V、Fe、Ni、およびMnからなる群より選択される少なくとも1種である。)で表されるフルオロリン酸リチウムが用いられる。さらに、金属酸化物、リチウム複合酸化物、導電材などで表面処理してもよく、表面を疎水化処理してもよい。
正極導電材としては、天然黒鉛もしくは人造黒鉛のようなグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、もしくはサーマルブラックのようなカーボンブラック類、炭素繊維もしくは金属繊維のような導電性繊維類、フッ化カーボン、金属(例えば、アルミニウム)粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムの導電性ウィスカー類、酸化チタンのような導電性金属酸化物、またはフェニレン誘導体のような有機導電性材料が挙げられる。
正極合剤層中の導電材含有量は、好ましくは、正極活物質100重量部あたり0〜50重量部であり、より好ましくは、正極活物質100重量部あたり0〜30重量部である。正極合剤層中のカーボンまたはグラファイト含有量は、正極活物質100重量部あたり0〜10重量部が好ましい。
正極合剤層中の導電材含有量は少ないのが好ましい。電極合剤層の抵抗を高くすることにより、集電体に電流を集中させることができ、集電体の軟化効率が向上し、合剤層への熱的影響をより小さくできる。また、正極の容量密度をより向上することができる。
正極結着剤としては、PVDF、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、またはカルボキシメチルセルロースなどが用いられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンからなる群より選択された2種以上からなる共重合体を用いてもよい。これらを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。正極合剤層は結着剤を含まなくてもよい。高分子ポリマーを主成分とする結着剤を含まない場合、活物質および導電材の分解温度以下で熱処理することができる。
以下、負極について説明する。負極は、負極集電体および前記負極集電体上に形成された負極合剤層を有する。負極集電体には、ステンレス鋼、ニッケル、銅、もしくはチタンのような金属の箔、または炭素もしくは導電性樹脂の薄膜が用いられる。さらに、カーボン、ニッケル、またはチタンなどで表面処理してもよい。負極集電体の厚みは、例えば、5〜100μmである。
負極合剤層は、例えば、少なくともリチウムイオンの吸蔵放出が可能な負極活物質、および負極結着剤を含む。また、負極合剤層は、必要に応じて負極導電材を含んでもよい。負極結着剤としては、正極結着剤と同様のものを用いてもよい。負極導電材としては、正極導電材と同じものを用いてもよい。
負極活物質としては、グラファイトまたは非晶質カーボンのような炭素材料が用いられる。また、負極活物質としては、ケイ素(Si)材料またはスズ(Sn)材料のように正極活物質よりも卑な電位でリチウムイオンを大量に吸蔵放出可能な材料が用いられる。また、ケイ素材料またはスズ材料としては、例えば、ケイ素もしくはスズの単体、ケイ素もしくはスズを含む合金、化合物、固溶体、または複合材料が挙げられる。特に、容量密度が大きく安価である点で、ケイ素材料が好ましい。
ケイ素材料としては、例えば、SiOx(0.05<x<1.95)、Siと、B、Mg、Ni、Ti、Mo、Co、Ca、Cr、Cu、Fe、Mn、Nb、Ta、V、W、Zn、C、N、Snからなる群より選択される少なくとも1種の元素Mとの合金、SiOx(0.05<x<1.95)の一部を上記Mで置換した化合物、またはSi中に上記Mが固溶した材料が挙げられる。放電容量密度が大きく、かつ充電時の膨張率がSi単体より小さいため、これらの中でも、SiOx(0.3≦x≦1.3)が好ましい。スズ材料としては、例えば、Ni2Sn4、Mg2Sn、SnOx(0<x<2)、SnO2、SnSiO3、またはLiSnOが挙げられる。SiまたはSnを含む化合物としては、例えば、Si、酸素、および窒素を含む化合物、Siおよび酸素を含む化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。上記材料を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
セパレータ14には、大きなイオン透過度を有し、かつ所定の機械的強度および絶縁性を有する、微多孔薄膜、織布、または不織布が用いられる。セパレータ14には、リチウムイオン二次電池の安全性向上の観点から、耐久性に優れ、かつシャットダウン機能を有する、ポリプロピレンおよびポリエチレンのようなポリオレフィン微多孔膜を用いるのが好ましい。セパレータ14の厚みは、一般的に10μm以上300μm以下、好ましくは10μm以上40μm以下である。
また、微多孔薄膜には、1種の膜を単独で用いてもよく、複数種の膜を組み合わせた多層膜または複合膜を用いてもよい。セパレータ14の空孔率は、好ましくは30%以上70%以下、より好ましくは35%以上60%以下である。空孔率は、セパレータの全体積(見掛けの体積)に対する細孔体積の比率を示す。また、帯状の電極の片面にセパレータとして多孔質絶縁層を形成し、多孔質絶縁層を電極と一体化してもよい。多孔質絶縁層の材料としては、酸化アルミニウム、アルミナ、酸化ケイ素のような固体酸化物からなるセラミックス材料、または繊維状のポリイミドもしくは芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂のような耐熱性樹脂が用いられる。
(実施形態2)
本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を示す概略正面図である。なお、電極積層体を作製し、圧延する工程(1)は、実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
工程(1)で得られた正極積層体を帯状に切断し、長手方向の両端部に、正極合剤層が形成されずに集電体が露出した集電体露出部を設ける。このようにして、図4に示すように、正極集電体1の両面に正極合剤層2が形成され、長手方向の両端部に集電体露出部1a、1bを有する帯状の正極積層体が得られる。
一対の端子3a、3bが接続された電源装置4を準備する。図4に示すように、正極集電体露出部1a、1bにそれぞれ端子3a、3bを接続する。電源装置4より正極集電体1に所定電流を所定時間流し、正極集電体1を軟化点以上に抵抗加熱する。これにより、正極積層体における正極集電体1のみが制御よく熱処理される。
このとき、電流の値および電流を流す時間は、正極集電体1が正極集電体1の軟化点以上に加熱されるように、適宜設定すればよい。この電流は、集電体露出部1aと集電体露出部1bとの間において、正極合剤層2よりも低抵抗の正極集電体1に集中して流れるため、正極集電体1のみを制御よく加熱できる。また、正極集電体1の長手方向(集電体露出部1aと集電体露出部1bとの間)に電流が流れるため、正極に使用する正極集電体1全体を効率よくに熱処理できる。
正極積層体圧延後に、正極集電体を軟化させることにより、正極の柔軟性が改善され、積層体捲回時の正極の破断が抑制される。電池圧壊時の正極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
正極積層体において正極集電体が選択的に加熱され、正極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。充放電サイクル時において、正極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
集電体露出部1a、1bを正極リード溶接部として用いるのが好ましい。正極リードを溶接するための集電体露出部を別途設ける必要がなく、生産性が向上する。例えば、集電体露出部1a、1bにそれぞれ正極リードを接続してもよい。この正極を用いた電池としては、例えば、2つの正極リードを封口板8に接続した以外、図3と同じ構成の電池が挙げられる。
(実施形態3)
本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を、図5および6を参照しながら説明する。図5は、本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を示す概略斜視図である。また、図6は、本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を示す概略正面図である。なお、正極積層体を作製し、圧延する工程(1)は、実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
上記工程(1)で得られた正極積層体5を帯状に切断する。この正極積層体の長手方向の両端部(後述の巻き始め部分および巻き終わり部分)にそれぞれ集電体露出部2aを設ける。正極積層体5を巻き取り可能な円筒状の端子3c、および正極積層体の端縁部を挟持可能な形状の端子3dが接続された電源装置4を準備する。図5および6に示すように、正極積層体5を円筒状の端子3cに巻き取る。このとき、巻き始め部分の集電体露出部は端子3cと接触する。巻き終わり部の集電体露出部2aに端子3dを取り付ける。正極集電体1に所定電流を所定時間流して正極集電体1を熱処理する。
このとき、電流の値および電流を流す時間は、正極集電体1が正極集電体1の軟化点以上に加熱されるように、適宜設定すればよい。この電流は、正極合剤層2よりも低抵抗の正極集電体1に集中して流れるため、正極集電体1のみを制御よく加熱できる。また、正極集電体1の長手方向に電流が流れるため、正極に用いる正極集電体1全体を効率よく熱処理できる。
正極積層体圧延後に、正極集電体を軟化させることにより、正極の柔軟性が改善され、積層体捲回時の正極の破断が抑制される。電池圧壊時の正極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
正極積層体において正極集電体が選択的に加熱され、正極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。充放電サイクル時において、正極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
熱処理後、正極積層体の所定箇所に正極リードを溶接するための集電体露出部を設けた後、所定の間隔で正極積層体を切断し、これを正極する。例えば、熱処理後、正極積層体の長手方向に沿って一定の間隔で集電体露出部を設け、この集電体露出部が略中央に位置するように、正極積層体を帯状に切断し、これを正極にする。この場合、正極積層体を正極の大きさに切断する前に正極集電体を熱処理するため、複数の正極を同時に熱処理することができ、生産性が向上する。
また、正極積層体の大きさによっては、正極積層体を切断加工せずに、そのまま正極として用いてもよい。そして、実施形態2の場合と同様に、上記の正極積層体の長手方向の両端に設けられた集電体露出部にそれぞれ正極リードを接続すればよい。
(実施形態4)
本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を、図7を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の電極の製造方法(熱処理工程)を示す概略斜視図である。なお、本実施形態では、電極積層体を作製し、圧延する工程(1)は、実施形態1と同じであるため、その説明を省略する。
実施形態1の工程(1)により得られた正極積層体を帯状に切断する。図7に示すように、正極積層体の長手方向の両端縁部に沿って集電体露出部7a、7bを設ける。正極積層体を熱処理工程に供給するためのローラ16と、熱処理した正極積層体を巻き取るためのローラ17と、回転可能な一対の端子3e、3fが接続された電源装置4とを準備する。この正極積層体をローラ16に巻き取る。ローラ16を10cm/分の速度で動かしながら、正極をローラ17へ供給し、ローラ17に巻き取る。ローラ16からローラ17までの間における正極積層体の集電体露出部7a、7b上にそれぞれ回転可能な端子3e、3fを配置し、電源装置4より所定電流を所定時間流して、正極集電体1を熱処理する。集電体露出部4a、4bの移動に伴い端子3e、3fが回転することにより、正極集電体全体が容易に熱処理される。
このとき、電流の値および電流を流す時間は、正極集電体1が正極集電体1の軟化点以上に加熱されるように、適宜設定すればよい。この電流は、集電体露出部1aと集電体露出部1bとの間において、正極合剤層2よりも低抵抗の正極集電体1に集中して流れるため、正極集電体1のみを制御よく加熱できる。また、正極の長手方向となる正極積層体の幅方向(集電体露出部7aと集電体露出部7bとの間)に電流が流れるため、正極に用いる正極集電体1全体が効率よく熱処理される。
正極積層体圧延後に、正極集電体を軟化させることにより、正極の柔軟性が改善され、積層体捲回時の正極の破断が抑制される。電池圧壊時の正極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
正極積層体において正極集電体が選択的に加熱され、正極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。充放電サイクル時において、正極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
熱処理した後、正極積層体を一定の間隔で幅方向に切断し、帯状の正極を作製する。この正極の長手方向の両端(電極群の巻き始め側の端部および巻き終わり側の端部)にそれぞれ集電体露出部が設けられるため、電池作製時には、これらの集電体露出部にそれぞれ正極リードを取り付ければよい。また、後述する、長手方向に沿って延びる端縁部に集電体露出部が設けられた図11に示す正極の熱処理にも適用できる。
本実施形態では、正極積層体を正極の大きさに切断する前に熱処理するため、複数の正極を同時に熱処理することができ、生産性が向上する。
(実施形態5)
本発明の電極群の製造方法の一実施形態を、図8および9を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の製造方法により作製された電極群を備えた円筒形非水電解質二次電池の概略縦断面図である。図9は、本実施形態の電極群の製造方法に用いられる正極の正面図である。
(a)電極群作製工程(A)
正極集電体上に形成された正極合剤層を有する帯状の正極と、負極集電体上に形成された負極合剤層を有する帯状の負極とを、セパレータを介して捲回し、電極群を得る。
以下、正極の作製方法の一例を示す。正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含む正極合剤を、正極集電体の両面に塗布した後、乾燥させて、正極集電体の両面に正極合剤層が形成された正極積層体を作製する。正極積層体をローラ等にて所定の厚みに圧延する。圧延後の正極積層体を帯状に切断し、長手方向の両端部(巻き始め側および巻き終わり側)に、正極合剤層が形成されずに集電体が露出した集電体露出部を設ける。
このようにして、図9に示す、正極集電体1の両面に正極合剤層2が形成され、長手方向の両端部(巻き始め側および巻き終わり側)に集電体露出部1a、1bを有する帯状の正極22を得る。集電体露出部1a、1bにそれぞれ正極リード6b、6cを溶接する。なお、図9中の集電体露出部1aおよび正極リード6bは、後述する電極群の内周側(巻き始め側)に位置し、集電体露出部1bおよび正極リード6cは、電極群の外周側(巻き終わり側)に位置する。
以下、負極の作製方法の一例を示す。負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含む負極合剤を、負極集電体の両面に塗布した後、乾燥させる。このようにして、負極集電体の両面に、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含む負極合剤層が形成された負極積層体を作製する。負極積層体をローラ等にて圧延する。
圧延後の負極積層体を帯状に切断し、長手方向の一方の端部(後述する電極群の外周側、すなわち巻き終わり側)に、負極合剤層が形成されずに集電体が露出した集電体露出部を設け、集電体露出部に負極リードを溶接する。このようにして、図8に示す、負極集電体の両面に負極合剤層が形成され、電極群の外周側(巻き終わり側)に負極リード11が接続された集電体露出部を有する帯状の負極13を得る。
正極22と、負極13とを、正極22および負極13との間にセパレータ14を配置して、捲回し、電極群25を得る。
(b)正極集電体熱処理工程(B)
電極群作製工程(A)の後、実施形態2と同じ、図4に示す一対の端子3a、3bが接続された電源装置4を準備する。電極群25の内周側に位置する正極集電体露出部1aに取り付けられた正極リード6bと、電極群25の外周側に位置する正極集電体露出部1bに取り付けられた正極リード6cとに、それぞれ端子3a、3bを取り付ける。電源装置4より集電体全体(正極リード6b(集電体露出部1a)と、正極リード6c(集電体露出部1b)との間)に所定電流を所定時間流して、正極集電体1を熱処理する。このようにして、電極群25の構成後、電極群15より露出した正極リード6bおよび正極リード6cの端部にそれぞれ端子3a、3bを取り付けて、正極集電体1を熱処理する。
また、正極と、負極とを、両極間にセパレータを配置して、正極集電体1bの手前までの部分を捲回した状態とする。この状態で、正極リード6bの端部と、正極集電体1bとに、それぞれ端子3a、3bを取り付けて、正極集電体1を熱処理する。その後、残りの部分を捲回して、電極群25を構成してもよい。
このとき、電流の値および電流を流す時間は、正極集電体1が正極集電体1の軟化点以上に加熱されるように、適宜設定すればよい。この電流は、集電体露出部1aと集電体露出部1bとの間において、正極合剤層2よりも低抵抗の正極集電体1に集中して流れるため、正極集電体1のみを制御よく加熱できる。また、正極集電体1の長手方向(集電体露出部1aと集電体露出部1bとの間)に電流が流れるため、正極に用いる正極集電体1全体を効率よく熱処理できる。
電極群構成後に、正極集電体を軟化させることにより、正極の柔軟性が改善され、積層体捲回による正極の曲げ応力の集中が低減される。電池圧壊時の正極の破断およびそれによる内部短絡の発生が抑制され、電池の安全性および信頼性が向上する。
電極群において正極集電体が選択的に加熱されるため、正極合剤層への熱的影響が大幅に低減されるため、良好な電極特性(電池特性)が得られる。正極合剤層の温度を結着剤の融点以下に容易に制御可能であり、結着剤の溶融による電池容量の低下が抑制される。
充放電サイクル時において、正極合剤層の膨張収縮による歪みが低減され、電池の充放電サイクル特性が向上する。
また、図9の正極以外に、図10に示す正極32を用いてもよい。図10の正極32は、図9の正極22の外周側の集電体露出部に正極リードを設けない構造である。この場合、内周側の正極リード6dと、外周側の集電体露出部6eとにそれぞれ端子を取り付けて、正極集電体を熱処理すればよい。具体的には、正極と、負極とを、セパレータを介して、正極を内側にして、正極集電体6eの手前までの部分を捲回した状態とする。この状態で、正極リード6dの端部と、正極集電体6eとに、それぞれ端子3a、3bを取り付けて、正極集電体1を熱処理する。その後、残りの部分を捲回して、電極群を構成してもよい。
さらに、図11に示す正極42を用いてもよい。この正極42は、長手方向に沿って延びる端縁部に集電体露出部11aが設けられ、負極よりも集電体露出部の分だけ幅方向の寸法が大きい。集電体露出部が負極と対向しないように、正極と負極とをセパレータを介して積層して電極群を構成すればよい。そして、電池組立時には、電極群の端面に露出する集電体露出部に端子板を溶接すればよい。
上記各実施形態では、正極集電体を熱処理する場合を示すが、上記実施形態と同様の方法により負極集電体を熱処理してもよく、正極の場合と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、負極合剤層に導電材を添加するが、負極集電体を効率よく抵抗加熱する観点から、負極合剤層中の導電材含有量は少ないほど好ましく、より好ましくは、導電材無添加である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
《実施例1》
本発明の製造方法により正極を作製し、この正極を用いて、図3に示す円筒形リチウム二次電池を作製した。
(1)正極積層体の作製
以下の手順で、図2に示す正極を作製した。正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.52の100重量部に、導電材としてのアセチレンブラック4重量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン4重量部、および適量のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す。)を加えた後、混練して正極合剤ペーストを調製した。このペーストを厚み15μmのアルミニウム箔(昭和アルミ(株)製、8021)からなる正極集電体1の両面に塗布した後、110℃で乾燥して、正極集電体の両面に正極合剤層2が形成された正極積層体を得た。この正極積層体を厚み170μmに圧延した後、幅54mmに切断した。このようにして、帯状の正極積層体を作製した。
(2)正極集電体の熱処理
実施形態1と同様の方法により、以下の手順で正極集電体を熱処理した。まず、図1に示すように、正極積層体の両面に、複数の集電体露出部1’を一定の間隔(510mmの間隔)で設けた。集電体露出部1’は、幅方向に沿って10mm幅で設けた。この集電体露出部1’は、後述する集電体熱処理時における端子接続部および電池組立時における正極リード6aの溶接部を兼ねた。電源装置4に、銅製の端子3a、3bが接続された直流電源装置(菊水電子工業(株)製)を用いた。複数の集電体露出部1’のうち隣接する2箇所の集電体露出部1’に、銅製の端子3a、3bを接続した。電源装置4より直流電流50Aを30秒間流し、正極集電体1を抵抗加熱した。このようにして、端子3aと端子3bとの間の正極集電体1を熱処理した。この工程を、隣接する2つの集電体露出部1’毎に繰り返し実施し、正極集電体1全体を熱処理した。
熱処理時の正極集電体の温度を以下の方法により求めた。正極集電体のアルミニウムの抵抗率の温度係数は4.29×10-3-1であることから、上記正極集電体の熱処理時において、通電開始時から通電終了直前までの端子3a、3b間の電圧変化を測定し、下記の式(1)を用いて通電終了直前の集電体温度を算出した。
T2=(V2/V1−1)×4.29×10-3+T1 (1)
V2:通電終了直前の端子3a、3b間の電圧
V1:通電開始時の端子3a、3b間の電圧
T1:通電開始時の正極集電体温度
T2:通電終了直前の正極集電体温度
その結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い232℃であることが確かめられた。
正極集電体1を熱処理した後、集電体露出部1’が中央に位置するように、図2に示すような形状(幅54mm、長さ510mm)に切断して、帯状の正極12を作製した。
(3)負極の作製
鱗片状人造黒鉛を粉砕及び分級し、負極活物質として平均粒子径約20μmの人造黒鉛粉末を得た。負極活物質100重量部に、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム3重量部と、カルボキシメチルセルロースを1重量%含む水溶液100重量部とを加えて混合し、負極合剤を得た。この負極合剤を、厚み8μmの銅箔(軟化点:約190℃)からなる負極集電体の両面に塗布した後、乾燥させて、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を得た。負極を圧延して負極の厚みを0.170mmとした。190℃の窒素雰囲気下にて負極に熱風を8時間送り、負極を熱処理した。この負極を裁断して、帯状の負極13(厚み0.170mm、幅56mm、長さ550mm)を得た。このとき、負極の長手方向の一方の端部に負極集電体露出部を設けた。この負極を負極(1)とした。なお、負極結着剤に融点を持たない非結晶性のゴム系材料を用いる場合、容量低下への影響が小さいため、負極を熱風加熱することにより、負極集電体を軟化させた。この熱風加熱は、負極合剤層中に残留する水の除去と負極集電体の軟化とを兼ねる。
(4)電極群の作製
正極12と、負極13とを、正極12と負極13との間にセパレータ14を配置して、直径4.5mmの捲回軸(巻芯)を用いて捲回し、電極群15を作製した。このとき、最外周側の端部に負極集電体露出部が位置するように負極を捲回した。セパレータ14には、厚み20μmのポリエチレン製の多孔質フィルム(旭化成(株)製)を用いた。セパレータ14の空隙率を、水銀ポロシメータ(ユアサアイオニクス(株)製)を用いて測定した。その結果、セパレータ14の空隙率は45%であった。正極12、負極13およびセパレータ14には、それぞれ600gfの張力が加わるように捲回した。この電極群15を電極群(1)とした。
(5)非水電解液の調製
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比1:3で混合した非水溶媒に、1.4mol/m3の濃度でLiPF6を溶解させて、非水電解液を得た。さらに、電池の充放電効率を高めるため、非水電解液に添加剤としてビニレンカーボネートを5重量%添加した。
(6)電池の組立て
電極群15における、正極12の正極集電体露出部1’にアルミニウム製の正極リード6aを取り付け、負極13の負極集電体露出部にニッケル製の負極リード11を取り付けた。電極群15の上部および下部に、それぞれ上部絶縁板10aおよび下部絶縁板10bを配置した。負極リード11の端部を電池ケース7の内底面に溶接し、正極リード6aの端部を内圧作動型の安全弁を含む封口板8に溶接した後、電極群15を電池ケース7内に収納した。減圧状態で電池ケース7内に、上記で得られた非水電解液を注液した。電池ケース7の開口端部を、ガスケット9を介して封口板8の周縁部にかしめることにより、電池ケース7の開口部を封口した。このようにして、設計容量2300mAhの円筒形リチウム二次電池(1)(高さ65mm、直径18mm)を作製した。
《実施例2》
直流電源装置の代わりに交流電源装置(菊水電子工業(株)製)を用い、正極集電体に交流電流(15VA)を30秒間流した以外、実施例1と同様の方法により正極(2)を作製した。実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い224℃であることが確かめられた。
正極(1)の代わりに正極(2)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(2)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(2)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(2)を作製した。
《実施例3》
実施形態3と同様の方法により以下のように正極集電体を熱処理した。まず、実施例1と同じ帯状の正極積層体を準備し、この正極積層体の両端部分(後述の巻き始め部分および巻き終わり部分)に集電体露出部2aを設けた。その後、図5および6に示すように、正極積層体を円筒状の端子3cに巻き取った。このとき、巻き始め部分の集電体露出部は端子3cに接触した。巻き終わり部の集電体露出部2aに端子3dを取り付けた。そして、電源装置4より正極集電体に直流電流50Aを30秒間流して集電体を熱処理した。端子3c、3d間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い229℃であることが確かめられた。
上記以外、実施例1と同様の方法により正極(3)を作製した。正極(1)の代わりに正極(3)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(3)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(3)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(3)を作製した。
《実施例4》
実施形態4と同様の方法により以下のように正極集電体を熱処理した。まず、実施例1と同様の方法により正極積層体を作製した。この正極積層体を幅520mmに切断し、帯状の正極積層体を作製した。図7に示すように、正極積層体の長手方向の両端縁部に沿って集電体露出部7a、7b(幅10mm)を設けた。このとき、正極合剤層の幅は500mmであった。この正極積層体をローラ16に巻き取った。
ローラ16を10cm/分の速度で動かしながら、正極積層体をローラ17に供給しローラ17に巻き取った。このとき、長手方向に沿って設けられた集電体露出部7a、7b上に回転可能な端子3e、3fを配置した。直流電源装置4より直流電流70Aを流して、正極集電体1を熱処理した。集電体露出部7a、7bの移動に伴い端子3e、3fを回転させて、正極集電体1の全体を熱処理した。端子3e、3f間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い230℃であることが確かめられた。
熱処理した後、幅54mm、長さ520mm(正極合剤層の長さ500mm)の帯状に切断し、正極を作製した。この正極を正極(4)とした。図9に示すように、正極(4)の長手方向の両端部の集電体露出部1a、1bにそれぞれ正極リード6b、6cを取り付けた。
正極(1)の代わりに正極(4)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(4)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(4)を用い、正極リード6b、6cの端部を封口板に溶接した以外、実施例1と同様の方法により電池(4)を作製した。
《実施例5》
実施例1と同様の方法により正極積層体を作製した。この正極積層体を、幅54mm、長さ520mmの帯状に切断し、正極積層体の長手方向の両端に集電体露出部1a、1b(幅10mm)を設けて、図9に示す正極22(正極合剤層の長さ500mm)を作製した。図4に示すように、端子3a、3bをそれぞれ集電体露出部1a、1bに接続し、直流電源装置4から正極集電体に直流電流50Aを30秒間流し、正極集電体を熱処理した。端子3a、3b間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い231℃であることが確かめられた。この正極を正極(5)とした。図9に示すように、正極(5)の長手方向の両端部の集電体露出部1a、1bにそれぞれ正極リード6b、6cを取り付けた。
正極(1)の代わりに正極(5)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(5)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(5)を用い、正極リード6b、6cの端部を封口板8に溶接した以外、実施例1と同様の方法により図8に示す電池(5)を作製した。
《実施例6》
実施例5の正極(5)と同じ図9に示す正極22を準備した。図9に示すように、正極の長手方向の両端部の集電体露出部1a、1bにそれぞれ正極リード6b、6cを溶接した。
上記で得られた正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極リード6b、6cに、それぞれ端子3a、3bを接続した。直流電源装置4により集電体に直流電流50Aを30秒間流し、正極集電体を熱処理した。端子3a、3b間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い233℃であることが確かめられた。この電極群を電極群(6)とした。
電極群(1)の代わりに電極群(6)を用いた以外、実施例1と同様の方法により図8に示す電池(6)を作製した。
《実施例7》
実施例1と同様の方法により正極積層体を作製した。この正極積層体を、幅54mmおよび長さ540mmの帯状に切断し、図10に示す正極32(正極合剤層の長さ500mm)を作製した。正極32の内周側端部および外周側端部にそれぞれ集電体露出部1a(幅10mm)および集電体露出部6d(幅30mm)を設け、集電体露出部1aに正極リード6bを溶接した。正極リード6bおよび集電体露出部6dに、それぞれ端子3a、3bを接続した。直流電源装置4により集電体に直流電流50Aを30秒間流し、正極集電体を熱処理した。端子3a、3b間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い232℃であることが確かめられた。この正極を正極(7)とした。
正極(1)の代わりに正極(7)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極32の集電体露出部1aに溶接した正極リード6bおよび集電体露出部6dに、それぞれ端子3a、3bを接続し、直流電流50Aを30秒間流して正極集電体を熱処理した。端子3a、3b間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い235℃であることが確かめられた。この電極群15を電極群(7)とした。
電極群(1)の代わりに電極群(7)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(7)を作製した。
《実施例8》
実施例5の熱処理前の正極22を準備し、実施例6と同様の方法により、図8に示す電極群25を作製した。その後、実施例6と同様の方法により、正極22の集電体露出部に溶接した正極リード6b、6cに、それぞれ端子3a、3bを接続し、直流50Aを30秒間流して正極集電体を熱処理した。端子3a、3b間の電圧を測定し、実施例1と同様の方法により熱処理時の正極集電体の温度を調べた結果、熱処理時の正極集電体の温度は、正極集電体の軟化点(約190℃)よりも高い231℃であることが確かめられた。この電極群を電極群(8)とした。
電極群(1)の代わりに電極群(8)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(8)を作製した。
《実施例9》
実施例4で作製した熱処理後の電極を切断し、図11に示す、幅56mmおよび長さ500mmの帯状の正極42を準備した。正極42の長手方向に延びる端縁部の一方に沿って幅2mmの集電体露出部11aを設けた。この正極を、正極(9)とした。
正極(1)の代わりに正極(9)を用いた以外、実施例1と同様の方法により、電極群(9)を作製した。電極群構成時、集電体露出部11aが負極と対向しないように、正極と負極とを積層した。
電極群(1)の代わりに電極群(9)を用い、電極群(9)の端面に露出した集電体露出部11aに正極リードを設けた集電板を溶接し、さらに正極リードを封口板8に溶接した以外、実施例1と同様の方法により電池(9)を作製した。
《比較例1》
圧延工程後に正極集電体に電流を流さず、正極集電体を熱処理しない以外、実施例1と同様の方法により正極(10)を作製した。正極(1)の代わりに正極(10)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(10)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(10)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(10)を作製した。
《比較例2》
正極を圧延する前に、実施例1と同様の方法により正極集電体を熱処理した以外、比較例1と同様の方法により正極(11)を作製した。正極(1)の代わりに正極(11)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(11)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(11)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(11)を作製した。
《比較例3》
230℃に設定した熱風循環式恒温槽(エスペック(株)製)内にて、比較例1と同じ正極を5分間熱処理した。この正極を正極(12)とした。正極(1)の代わりに正極(12)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(12)を作製した。電極群(1)の代わりに電極群(12)を用いて、実施例1と同様の方法により電池(12)を作製した。
各実施例および比較例の正極および電池について、以下の評価を実施した。
[評価]
(1)熱処理時における正極合剤層の表面温度の測定
正極積層体を圧延した後、正極集電体を熱処理した実施例1〜5および9、ならびに比較例1〜3では、熱処理時の正極合剤層の表面温度を非接触温度計(レック(株)製)にて測定した。また、電極群構成後に正極集電体を熱処理した実施例6〜8では、電極群の外周部に位置する正極合剤層の表面温度を測定した。
(2)正極破断評価
3φの巻芯を用い、1.2kgfのテンションを維持した状態で、正極と負極とを、セパレータを介して捲回し、電極群を作製した。各実施例および比較例に対し、電極群を50個ずつ準備した。正極には、正極(1)〜(7)および(9)を用いた。そして、実施例1〜7および9において、50個の電極群のうち正極が破断した数(正極が破断した数/50セル)を確認した。
(3)正極の引張伸び率の測定
各電池を1.4Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで充電した後、4.25Vの定電圧で充電電流が50mAに減少するまで充電した。充電後の各電池を分解し、正極を取り出し、正極を幅15mmおよび長さ20mmの大きさに裁断し、測定用正極片を作製した。測定用正極片を長さ方向に沿って20mm/minの速度で引っ張り、破断される直前の測定用正極片の長さAを測定した。この長さと、引っ張る前の測定用正極片の長さB(すなわち、20mm)とから、以下に示す式より、正極の引張伸び率を算出した。
引張伸び率(%)=(正極長さA−正極長さB)/正極長さB×100
(4)電池容量の測定
各電池を、25℃の環境下にて、1.4Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電した後、4.2Vの定電圧で電流が50mAに減少するまで充電した。充電後の各電池を460mAの定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで放電した。このときの、放電容量を測定した。
(5)サイクル特性試験
各電池を、25℃環境下にて、1.4Aの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電した後、4.2Vの定電圧で電流が50mAに減少するまで充電した。充電後の各電池を、2300mAの定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで放電した。この充放電を300回繰り返し、以下の式により、1回目の放電容量に対する300回目の放電容量の割合(容量維持率)を算出した。
容量維持率(%)=300回目の放電容量/1回目の放電容量×100
(6)圧壊試験
各電池を、1.4Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで充電した後、4.25Vの定電圧で電流が50mAに減少するまで充電した。電池温度が25℃になるまで、電池を25℃環境下に放置した。その後、6φの丸棒を0.1mm/secの速度で電池表面より電池の深さ方向に移動させ、各電池を圧壊した。そして、電池内で短絡が生じた時点での電池の深さ方向の変形量を、変位量測定センサーを用いて測定した。
上記評価結果を表1および2に示す。
電極破断試験から、本発明の実施例1〜7および9の正極(1)〜(7)および(9)では、正極積層体の圧延工程後の正極集電体の熱処理により正極集電体が軟化し、積層体捲回時の正極破断が抑制されることがわかった。
熱処理しない比較例1の正極(10)の引張伸び率は2%以下と小さいのに対し、実施例1〜7および9の正極(1)〜(7)および(9)の引張伸び率はすべて3.5%以上であり、熱処理により引張伸び率が増大し、電極積層体の捲回性が改善されることがわかった。
実施例1〜9の電池(1)〜(9)では、比較例1の電池(1)と比べて、容量維持率が大きく、サイクル特性に優れると同時に、圧壊試験時の短絡発生までの変形量が増大し、安全性に優れていることがわかった。
表1に示すように、実施例1〜9における抵抗加熱時の正極集電体の温度は、いずれも正極集電体の軟化温度(約190℃)よりも高く、正極集電体の加熱により正極集電体の強度が低下しない温度(約660℃以下)であった。
また、比較例の電池(11)のように、圧延工程前の正極にて、正極集電体を抵抗加熱して、集電体を軟化させても、圧延工程にて正極集電体(アルミニウム箔)が加工硬化し、柔軟性が損なわれ、捲回性が悪くなることがわかった。このことから、正極集電体の熱処理は圧延工程後に実施する必要があることがわかった。
実施例1〜5の正極(1)〜(5)では、熱処理工程において正極集電体に電流を流すことにより正極集電体自らが抵抗発熱するため、正極集電体に熱を集中させることができた。このため、正極集電体を過度に加熱する必要がなく、正極合剤層の温度は最高155℃であり、PVdFの融点177℃以下に抑えることができた。
実施例1〜5の電池(1)〜(5)では、設計容量とほぼ同等の容量が得られ、正極集電体を熱処理して軟化させても、電池特性(正極合剤層等)への熱的影響はないことが確かめられた。
一方、正極外部より正極合剤層を介して正極集電体を加熱した比較例の電池(12)では、正極集電体は十分に軟化し、捲回時の正極の破断が抑制された。しかし、正極を、正極集電体(アルミニウム箔)の軟化点(約190℃)以上の230℃に加熱したため、正極合剤層が結着剤(PVdF)の融点(177℃)以上に加熱され、結着剤(PVdF)が溶融し、正極活物質表面の反応性が低下した。その結果、比較例3の電池(12)では、本発明の実施例1〜9の電池(1)〜(9)の電池と比べて、容量が約3%低下した。
これに対して、本発明の電極(電極群)作製方法により、電池容量を損なうことなく、電極積層体の捲回性が向上し、電池の生産性が向上した。
電極の熱処理を電極積層体構成前および電極群構成後に実施した実施例6の電池(6)では、電極の熱処理を電極積層体構成前のみ実施した実施例5の電池(5)と比べて、電極群構成時の正極にかかる曲げ応力が低減され、正極の引張伸び率が増大した。また、実施例6の電池(6)では、実施例5の電池(5)と比べて、容量維持率が高く、優れたサイクル特性が得られると同時に、圧壊試験時の短絡発生までの変形量が増大し、優れた安全性が得られた。
《実施例10》
鱗片状人造黒鉛を粉砕及び分級し、負極活物質として平均粒子径約20μmの人造黒鉛粉末を得た。負極活物質100重量部に、結着剤としての結晶性ポリオレフィン系材料(三井化学(株)製、ケミパール、S―650)3重量部と、カルボキシメチルセルロースを1重量%含む水溶液100重量部とを加えて混合し、負極合剤を得た。この負極合剤を、厚み8μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布した後、乾燥させて、負極集電体の両面に負極合剤層が形成された負極を得た。負極を圧延して負極の厚みを0.170mmとした。
実施形態1と同様の方法により、以下の手順で負極集電体を熱処理した。まず、負極積層体の両面に、複数の集電体露出部を一定の間隔で設けた。電源装置に、銅製端子3a、3bが接続された直流電源装置4(菊水電子工業(株)製)を用いた。複数の集電体露出部のうち隣接する2箇所の集電体露出部に、一対の銅製端子3a、3bを接続した。電源装置4より直流電流50Aを30秒間流し、負極集電体を抵抗加熱した。この負極を裁断して、帯状の負極13(厚み0.170mm、幅56mm、長さ550mm)を得た。このとき、負極の長手方向の一方の端部に負極集電体露出部が位置するように、負極を裁断した。
この負極を負極(2)とした。負極(1)の代わりに負極(2)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群(13)を作製した。
負極集電体の銅の抵抗率の温度係数は3.90×10-3-1であることから、上記負極集電体の熱処理時において、通電開始時から通電終了直前までの端子3a、3b間の電圧変化を測定し、下記の式(2)を用いて通電終了直前の集電体温度を算出した。
T2=(V2/V1−1)×3.90×10-3+T1 (2)
V2:通電終了直前の端子3a、3b間の電圧
V1:通電開始時の端子3a、3b間の電圧
T1:通電開始時の負極集電体温度
T2:通電終了直前の負極集電体温度
その結果、熱処理時の負極集電体の温度は、軟化点(約190℃)よりも高い256℃であることが確かめられた。
電極群(1)の代わりに電極群(13)を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池(13)を作製した。
《比較例4》
負極集電体を抵抗加熱する代わりに、負極を105℃の窒素雰囲気下にて負極に熱風を8時間送り、熱処理した以外、実施例10と同様の方法により負極(3)を作製した。負極(2)の代わりに負極(3)を用いた以外、実施例10と同様の方法により電極群(14)を作製した。電極群(13)の代わりに電極群(14)を用いた以外、実施例10と同様の方法により電池(14)を作製した。
《比較例5》
負極集電体を抵抗加熱する代わりに、負極を140℃の窒素雰囲気下にて負極に熱風を8時間送り、熱処理した以外、実施例10と同様の方法により負極(4)を作製した。負極(2)の代わりに負極(4)を用いた以外、実施例10と同様の方法により電極群(15)を作製した。電極群(13)の代わりに電極群(15)を用いた以外、実施例10と同様の方法により電池(15)を作製した。
各実施例および比較例の負極および電池について、以下の評価を実施した。
[評価]
電池容量および容量維持率を、上記と同様の方法により求めた。
また、以下の方法により負極の引張伸び率を測定した。各電池を1.4Aの定電流で電池電圧が4.25Vに達するまで充電した後、4.25Vの定電圧で充電電流が50mAに減少するまで充電した。充電後の各電池を分解し、負極を取り出し、負極を幅15mmおよび長さ20mmの大きさに裁断し、測定用負極片を作製した。測定用負極片を長さ方向に沿って20mm/minの速度で引っ張り、破断される直前の測定用負極片の長さAを測定した。この長さと、引っ張る前の測定用負極片の長さB(すなわち、20mm)とから、以下に示す式より、負極の引張伸び率を算出した。
引張伸び率(%)=(負極長さA−負極長さB)/負極長さB×100
上記評価結果を表3に示す。
実施例10、ならびに比較例4および5では、負極の結着剤として融点(約110℃)を有する結晶性高分子ポリオリフィン系材料を用いた。熱風方式を採用した比較例5の電池では、抵抗加熱方式を採用した実施例10の電池と比較して、約60mAhの容量低下が確認された。これは熱風方式の比較例5の電池では、負極合剤層の温度が結着剤の融点(約110℃)以上に上昇して結着剤が溶融し、負極活物質表面の反応性が低下したためであると考えられる。また、比較例4では、熱風の温度が105℃であるため、比較例5の電池のような容量低下は確認されなかった。また、比較例4および5の負極集電体の温度は、最高でも熱風の設定温度までしか上昇しないため、負極集電体の軟化温度(190℃)に達せず、負極集電体は軟化しなかった。このため、負極集電体の引張伸び率は3%以下であった。
したがって、比較例4および5の電池は、圧壊試験時の短絡発生までの変形量が小さく、安全性が低いと考えられる。
なお、上記実施例では、円筒形電池を作製したが、本発明の製造方法で得られる電池はこれらに限定されない。例えば、電池形状は角筒形でもよい。
また、電極群は、正極と負極とを、セパレータを介して捲回した構成に限定されない。正極と負極とをセパレータを介して積層した構成でもよい。
本発明の製造方法により得られる電極を用いた非水電解質二次電池は、サイクル特性および安全性に優れ、民生用電源、自動車搭載用電源、または大型工具用電源に好適に用いられる。
本発明の実施形態1に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法における熱処理工程を示す図である。 本発明の実施形態1に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法により得られる正極の正面図である。 図2の正極を用いた非水電解質二次電池の概略縦断面図である。 本発明の実施形態2に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法における熱処理工程を示す図である。 本発明の実施形態3に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法における熱処理工程を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態3に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法における熱処理工程を示す概略正面図である。 本発明の実施形態4に係る非水電解質二次電池用電極の製造方法における熱処理工程を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態5に係る非水電解質二次電池用電極群の製造方法により得られる電極群を用いた電池の概略縦断面図である。 本発明の実施形態5に係る非水電解質二次電池用電極群の製造方法に用いられる正極の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る非水電解質二次電池用電極群の製造方法に用いられる正極の正面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る非水電解質二次電池用電極群の製造方法に用いられる正極の正面図である。
符号の説明
1 正極集電体
1’、1a、1b、2a、6e、7a、7b、11a 集電体露出部
2 正極合剤層
3a、3b、3c、3d、3e、3f 端子
4 電源装置
6a、6b、6c、6d 正極リード
7 電池ケース
8 封口板
9 ガスケット
10a、10b 絶縁板
11 負極リード
12、22、32、42 正極
13 負極
14 セパレータ
15、25 電極群
16、17 ローラ

Claims (16)

  1. 電極集電体上に電極合剤層を形成して電極積層体を得た後、前記電極積層体を圧延する工程(1)と、
    前記工程(1)の後、前記電極集電体に電流を流して、前記電極集電体を加熱する工程(2)と、
    を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記工程(2)において、前記電極集電体の温度は前記電極集電体の軟化点以上である請求項1記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記電極合剤層は、電極活物質、導電材、および結着剤を含み、
    前記工程(2)において、前記電極合剤層の温度は前記結着剤の融点より低い請求項1記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記電極集電体はアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔である請求項1記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  5. 正極集電体および前記正極集電体上に形成された正極合剤層を有する帯状の正極と、負極集電体および前記負極集電体上に形成された負極合剤層を有する帯状の負極とを、両極間にセパレータを配置して捲回または積層して電極群を得る工程(A)と、
    前記工程(A)の後、前記電極群における前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方に電流を流して、前記正極集電体および前記負極集電体のうち少なくとも一方を加熱する工程(B)と、
    を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  6. 前記工程(B)において、前記正極集電体の温度は前記正極集電体の軟化点以上である請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  7. 前記正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔である請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  8. 前記正極合剤層は、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含み、
    前記工程(B)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低い請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  9. さらに、前記工程(A)の前に、前記正極における前記正極集電体に電流を流して、前記正極集電体を加熱する工程(C)を含む請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  10. 前記工程(C)において、前記正極集電体の温度は前記正極集電体の軟化点以上である請求項9記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  11. 前記正極合剤層は、正極活物質、正極導電材、および正極結着剤を含み、
    前記工程(C)において、前記正極合剤層の温度は前記正極結着剤の融点より低い請求項9記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  12. 前記工程(B)において、前記負極集電体の温度は前記負極集電体の軟化点以上である請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  13. 前記負極合剤層は、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含み、
    前記工程(B)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低い請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  14. さらに、前記工程(A)の前に、前記負極における前記負極集電体に電流を流して、前記負極集電体を加熱する工程(D)を含む請求項5記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  15. 前記工程(D)において、前記負極集電体の温度は前記負極集電体の軟化点以上である請求項14記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
  16. 前記負極合剤層は、負極活物質、負極導電材、および負極結着剤を含み、
    前記工程(D)において、前記負極合剤層の温度は前記負極結着剤の融点より低い請求項14記載の非水電解質二次電池用電極群の製造方法。
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