JP4576257B2 - 石油留分の製造方法 - Google Patents

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本発明は、石油留分の製造方法に関するものであり、より詳細には軽油留分を主成分として含有する原料油を水素化脱硫する石油留分の製造方法に関するものである。
近年、大気汚染などを含む環境問題に対する意識が高まりつつある。例えば、軽油を燃料として用いるディーゼル車からの排気ガスには、硫黄酸化物(SOx)及び窒素酸化物(NOx)といった化学物質の他に、パティキュレートと呼ばれる微細粒子が含まれており、これらの人体への影響が懸念されている。かかる観点から、ディーゼル車からの排気ガスを清浄化する要求がますます厳しくなっている。そこで、上記排気ガスからパティキュレートを除去するために、自動車エンジンの後段にDPFなどのパティキュレートフィルター、若しくはパティキュレートの燃焼除去機能を有する装置の装着が提案されており、これらの装置のディーゼル車への適用が検討されている。また、排気ガス中のNOx除去方法としては、NOx還元除去触媒を用いる方法などが開発されつつある。
しかしながら、軽油中の硫黄分の燃焼により発生するSOxなどの影響により、上述のパティキュレートを除去する装置はその性能を十分に発揮できなくなり、上述の触媒はそのNOx還元除去活性が低下してしまう。特に、ディーゼルエンジンを備えた長距離輸送用トラックは、通常のガソリン車と比較して走行距離が長く、上述の装置性能の低下及び触媒活性の低下が顕著となる。そこで、かかる装置性能の低下及び触媒活性の低下を十分に抑制するために、ディーゼル車排気ガス中のSOxを十分に除去する必要がある。
ディーゼル車排気ガス中のSOxを除去する手段については種々提案されているが、それらのなかで、SOxの発生源となる軽油中の硫黄分(硫黄化合物)を低減させる方法が最も有効な手段の一つとして考えられている。原油の蒸留又は重油分解反応直後の軽油(未精製の軽油)留分には通常1〜3質量%の硫黄分が含有されており、この硫黄分を低減する方法の一つとして、水素化脱硫触媒を用いる方法が挙げられる。
未精製の軽油留分中に含有される硫黄分(硫黄化合物)の大部分は、チオフェン、ベンゾチオフェン及びジベンゾチオフェン並びにこれらの誘導体であることが知られている。これらのうち、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンに代表される複数のメチル基を置換基として有するジベンゾチオフェン化合物は、その他の硫黄化合物と比較して、特に水素化脱硫の反応性に乏しい。そのため、その他の硫黄化合物と比較して、未精製の軽油留分中の硫黄化合物をより低減させる必要が生じた際に、該軽油留分中にジベンゾチオフェン化合物が多く含有されていると、硫黄化合物を所望のとおりに低減させることが困難となる可能性がある。したがって、かかる硫黄化合物をより多く除去するためには、触媒及び触媒システムに従来以上の工夫が必要であると考えられる。
軽油留分の水素化脱硫に用いられる触媒として、一般的には、アルミナなどの多孔質担体上に6族金属及び8族金属を組み合わせた活性金属を担持した触媒が使用される。代表的な活性金属の組み合わせとしては、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン若しくはニッケル−タングステンが挙げられる。軽油留分の水素化脱硫に用いる活性金属については、これまでに、触媒の反応特性及び脱硫の程度を考慮しつつ種々の検討及び提案がなされてきた。それらのなかには、金属を単独で用いるのみでなく、複数種の金属を組み合わせて用いる方法についての提案もなされている。
例えば特許文献1には、軽油留分をマイルドな条件下に深度脱硫する方法の提供を意図して、軽油留分をニッケルとモリブデンを担持した触媒の存在下に水素化脱硫し、次いでコバルトとモリブデンを担持した触媒の存在下に水素化脱硫するか、あるいは先にコバルトとモリブデンを担持した触媒の存在下に水素化脱硫し、次いでニッケルとモリブデンを担持した触媒の存在下に水素化脱硫する軽油の深度脱硫方法が開示されている。
特開平4−183786号公報
しかしながら、本発明者らは、上記特許文献1に開示されたものを始めとする従来の軽油留分の水素化脱硫方法について詳細に検討を行ったところ、このような従来の軽油留分の水素化脱硫方法は、用いられる触媒がどのような反応雰囲気下で、優れた水素化脱硫活性を示すかについて一切言及されていないことが判明した。特に特許文献1には、軽油留分中の硫黄分を10質量ppm以下まで低減するような水素化脱硫に関して記載されていないことが明らかになった。また、特許文献1に開示されている実施例は回分式反応装置を用いた結果であり、実際の軽油脱硫装置に採用されている流通式反応装置に適用できるものであるか不明である。
また、今後、軽油中の硫黄化合物含有量を低減させる規制が一層厳しくなると予想される。例えば、軽油留分中の硫黄分を10質量ppm以下とする必要が生じた場合、そのような低硫黄軽油を製造するためには、水素圧力をより高くする等の運転条件及び/又は反応塔容積をより大きくする等の設備条件などの調整が不可欠となると考えられる。しかしながら、現状の設備では上述の運転条件及び設備条件を満足することが困難となるため、設備を改造したり、新たに設備を設ける必要が生じると推定される。さらには、たとえ現状の設備で軽油中の硫黄分を10質量ppm以下とすることが可能であっても、運転コストが大幅に上昇したり、スループット(処理量)が大幅に減少したりするものと考えられる。
このため、現状の軽油脱硫装置からの設備の改造等を最小限にとどめ、しかも現状の運転条件になるべく近い条件で、軽油留分中の硫黄分を更に低減させるためには、適切な触媒システムの構築が必要になると本発明者らは考えている。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、従来の軽油脱硫装置の設備及び運転条件を維持し、しかも軽油留分中の硫黄分含有量を従来よりも十分に低減できる石油留分の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、未精製の軽油留分中に含有される窒素化合物が、特定の活性金属の水素化脱硫活性に影響を与え、しかも別の特定の活性金属がその窒素化合物を除去するのに有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の石油留分の製造方法は、アルミナを主成分とする担体と、その担体上に担持された、ニッケル−コバルト−モリブデンからなる群より選ばれる1種以上の活性金属と、を備えた第1触媒の存在下、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第1反応条件を調整して、軽油留分を主成分として含有する原料油を水素化処理することにより、原料油中の窒素含有量に対して60%以下の窒素を含有する第1生成油を得る第1工程と、アルミナを主成分とする担体と、その担体上に担持された活性金属であるコバルト−モリブデンと、を備えた第2触媒の存在下、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第2反応条件を調整して、第1生成油を水素化処理することにより第2生成油を得る第2工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の石油留分の製造方法が、上述の目的を達成する要因は詳細には明らかにされていないが、本発明者らはその要因を以下のように考えている。ただし、要因はこれらに限定されない。
石油留分である軽油留分を主成分として含有する原料油(以下、「軽油原料油」という。)中に含まれる硫黄化合物のうち、除去(脱硫)が困難である難脱硫成分としては、アルキル置換基を有するジベンゾチオフェン化合物(以下、「アルキル置換ジベンゾチオフェン化合物」という。)が挙げられる。このアルキル置換ジベンゾチオフェン化合物からの脱硫経路には、(1)直接硫黄原子を引き抜く経路(以後、経路(1))と、(2)ジベンゾチオフェンの部位に存在する芳香環を水素化した後に脱硫する(以後、経路(2))と、の二つの主な反応経路が存在すると考えられている。
これら難脱硫性の硫黄化合物以外の、比較的容易に脱硫反応が進行する成分を脱硫(経路(1))処理すると、得られる軽油中の硫黄分を0.05質量%以下程度にすることは可能である。しかしながら、軽油中の硫黄分を、例えば10質量ppm以下まで低減する場合、容易に脱硫可能な硫黄化合物からの脱硫のみでは目標とする硫黄分の含有量を達成できず、上述の難脱硫成分からの脱硫が必要となると推測される。
難脱硫成分であるアルキル置換ジベンゾチオフェン化合物からの脱硫処理を行う場合、その芳香環を水素化して立体障害を取り除いた上で脱硫反応を進行させる方法(経路(2))が有効な方法の一つである。本発明者らは、この経路(2)の脱硫反応を効率よくかつ確実に進行させるためには、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステン及びニッケル−コバルト−モリブデンからなる群より選ばれる1種以上の活性金属を備える触媒(以下、「ニッケル−モリブデン触媒等」という。)を用いるとよいと考えている。これらのニッケル−モリブデン触媒等は水素化活性が高いために、経路(2)による水素化脱硫反応や、同じく水素化を経由して反応が進行する水素化脱窒素反応に有効であると推定される。
しかしながら、ニッケル−モリブデン触媒等は、水素化脱硫反応の進行に伴って生成する硫化水素により比較的容易に被毒し、その結果、水素化脱硫反応及び水素化脱窒素反応について、その触媒活性が経時的に低下する性質を有すると考えられる。
一方、コバルト−モリブデンを活性金属として備えた触媒(以下、「コバルト−モリブデン触媒」という。)上では、主に上記経路(1)の脱硫反応がより選択的に進行すると推測される。このコバルト−モリブデン触媒は有機窒素化合物による被毒の影響を受けやすいと考えられる。しかしながら、コバルト−モリブデン触媒は硫化水素に対する耐性が高く、ニッケル−モリブデン触媒等と比較して、水素消費量を抑制できる特長がある。
本発明者らは、様々な条件下にて軽油の水素化脱硫活性について鋭意研究した結果、反応塔内の軽油原料油の入口側にニッケル−モリブデン触媒等を充填し、その後段にコバルト−モリブデン触媒を充填することにより、それぞれの触媒を単独で使用した場合、あるいは充填する順番を逆にした場合と比較して、同様の反応条件において、生成油(第2生成油)中の硫黄分の濃度を十分に低減可能(例えば、10質量ppm以下)となることを見出した。その機構は以下のとおりと考えられる。
すなわち、上記触媒を上述のように充填し、まず、第1反応工程において、第1触媒であるニッケル−モリブデン触媒等に軽油原料油を接触させることにより、その軽油原料油の水素化脱硫反応(経路(2))及び水素化脱窒素反応をより選択的に進行させる。この際、第1生成油中の窒素含有量を原料油の中の窒素含有量に対して60%以下となるように反応条件を調整することにより、第1生成油中に含有される有機窒素化合物を十分に低減させることができるので、その後段に充填したコバルト−モリブデン触媒への該有機窒素化合物による被毒の影響を軽減することができると推測される。また、ニッケル−モリブデン触媒等は、水素化脱硫により生成する硫化水素が比較的少ない反応塔の原料油入口側に充填されているため、被毒による反応活性の低下を十分に抑制することができる。なお、活性金属がニッケル−コバルト−モリブデンであると、生成油中の硫黄分と水素消費量とをバランスよく低減することができ、所望の品質を備える軽油が得られると共に、その軽油の製造工程におけるエネルギー消費を一層抑制することが可能となる。また、水素消費量を低減することにより、水素製造装置における水素の生産量を低減できるので、その装置において水素の生成に伴い副次的に発生する二酸化炭素量も低減可能となる。
次いで、第2反応工程において、第2触媒であるコバルト−モリブデン触媒に第1生成油を接触させることにより、第1生成油の脱硫反応のうち経路(1)の反応が選択的に進行すると推定される。この際、反応塔の出口側に充填されたコバルト−モリブデン触媒は硫化水素に対する耐性が高いため、硫化水素と接触してもコバルト−モリブデン触媒の反応活性は十分に高く維持されると推測される。
すなわち、反応塔入口側では、水素化脱硫反応が比較的初期段階にあるので、硫化水素濃度が比較的低く、有機窒素化合物濃度が比較的高くなっている。一方、反応塔の出口に向かうにつれて、生成油中の硫化水素濃度が高くなると共に有機窒素化合物濃度は低くなると考えられる。
また、本発明者らは、有機窒素化合物によるコバルト−モリブデン触媒への被毒の影響は、上述の経路(1)の脱硫反応に対する方が、経路(2)の脱硫反応に対するよりも大きく、しかも、その影響はニッケル−モリブデン触媒よりも甚大であることを見出した。このことからも、ニッケル−モリブデン触媒等を反応塔の入口側に充填し、コバルト−モリブデン触媒をその後段に充填すると、コバルト−モリブデン触媒における経路(1)の脱硫反応に与える窒素被毒の影響を軽減することとなり、経路(1)の脱硫反応の活性低下を十分に抑制するだけでなく、それぞれの触媒を単独で使用する場合よりも高い脱硫活性が得られると考えられる。さらに水素を消費しない経路(1)の脱硫反応の活性低下を抑制することにより、水素消費量の増加を抑制できると推定される。
したがって、本発明の石油留分の製造方法により得られた第2生成油である軽油留分は、その硫黄分(硫黄化合物)含有量を10質量ppm以下とすることが可能である。
また、第1生成油中の窒素含有量(窒素含有割合)が100質量ppm以下となるように、第1反応条件を調整することにより、一層効果的かつ確実に軽油原料油中の硫黄分を低減させることができるので好ましい。
本発明の石油留分の製造方法においては、反応塔入口側、すなわちニッケル−モリブデン触媒等の上で発生する硫化水素は上述したように低減されているので、第2工程より前に、第1工程を経て得られる気液を分離しなくても、第2工程における脱硫反応の活性は十分に抑制される傾向にある。こうすることにより、気液を分離する際に発生するエネルギー損失を抑制でき、運転コストの低減に繋がる傾向にある。
また、第1触媒であるニッケル−モリブデン触媒等が充填される第1空間容積と、第2触媒であるコバルト−モリブデン触媒が充填される第2空間容積との比が、5:95〜60:40であると好ましい。こうすることにより、LHSVを適正範囲内に調整することが容易となるので、脱硫反応を一層有効に進行させることができる。
また、第1触媒に備えられた担体が多孔質の担体であり、第2触媒に備えられた担体が60質量%以上のアルミナを含む多孔質の担体であると好ましい。これにより、触媒活性の低下を一段と抑制できる傾向にある。
本発明の石油留分の製造方法において、第1反応条件及び第2反応条件がそれぞれ、反応圧力2〜10MPa、LHSV0.1〜2.0h−1、反応温度300〜410℃及び水素/油比100〜500NL/Lの範囲内で調整されると好ましい。この数値範囲内で核反応条件を調整することにより、原料油の組成が変化した場合であっても、より容易に所望の硫黄分を含有する軽油を得ることができる。
本発明によれば、従来の軽油脱硫装置の設備及び運転条件を維持し、しかも軽油留分中の硫黄分含有量を従来よりも十分に低減できる石油留分の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の石油留分の製造方法は、アルミナを主成分とする担体と、その担体上に担持された、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステン及びニッケル−コバルト−モリブデンからなる群より選ばれる1種以上の活性金属とを備えた第1触媒の存在下、反応圧力、LHSV(液空間速度)、反応温度及び水素/油比を含む第1反応条件を調整して、軽油留分を主成分として含有する原料油を水素化処理することにより、その原料油中の窒素含有量に対して60%以下の窒素を含有する第1生成油を得る第1工程と、アルミナを主成分とする担体と、その担体上に担持された活性金属であるコバルト−モリブデンとを備えた第2触媒の存在下、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第2反応条件を調整して、第1生成油を水素化処理することにより第2生成油を得る第2工程とを含むものである。
ここで「LHSV(liquid hourly spacevelocity;液空間速度)」とは、触媒が充填されている触媒層の容量当たりの、標準状態(25℃、101.325kPa)における原料油の体積流量のことをいい、単位「h−1」は時間(hour)の逆数を示す。また、水素/油比に通常用いられる単位である「NL/L」中、水素容量の単位である「NL」は、正規状態(0℃、101325Pa)における水素容量(L)を示す。さらに、反応温度は、触媒層の平均温度を示す。
(原料油)
本実施形態において用いる原料油は軽油留分を主成分として含有するものである。ここで「軽油留分」とは、石油精製における常圧蒸留装置から得られる220〜380℃の沸点範囲を有する直留軽油留分、並びに、流動接触分解装置、残油直接脱硫装置、減圧軽油脱硫装置、熱分解装置及び減圧軽油水素化分解装置から得られる上述と同様の沸点範囲を有する分解軽油留分からなる群より選ばれる1種以上の軽油留分をいう。原料油に含まれる軽油留分以外の石油留分としては、灯油留分などが挙げられる。なお、軽油留分以外の灯油留分などの混合割合は、触媒被毒を防止する観点から、原料油全量に対して80質量%以下であると好ましい。
(第1工程)
本実施形態の石油留分の製造方法に係る第1工程において、上述した原料油(軽油原料油)は、アルミナを主成分とする担体と、その担体上に担持された、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステン及びニッケル−コバルト−モリブデンからなる群より選ばれる1種以上の活性金属とを備えた第1触媒が充填されている反応塔に供給される。
第1触媒の担体に含有されるアルミナ(酸化アルミニウム)は、γ−アルミナであると好ましい。γ−アルミナは、アルミニウム塩とアルミン酸塩を中和又は加水分解する方法、あるいはアルミニウムアマルガム、アルミニウムアルコレートを加水分解する方法などの公知の方法を用いて、アルミナ中間体を経由して製造される。また、上述の方法以外にも、市販のアルミナ中間体やベーマイトパウダーを使用してもよい。
上述の担体中のアルミナの含有割合は、60質量%以上であると好ましい。担体中のアルミナの含有割合が60質量%未満であると、担体の有する酸性質が極端に増加するなど所望のものとは異なり、コーク生成により触媒活性が低下する傾向にある。また、第1触媒の水素化脱窒素性能を更に向上させる観点から、第1触媒に用いられる担体は適度な酸性質であると好ましい。かかる酸性質の担体を得るには、担体中のアルミナの含有割合を90質量%以上とし、それ以外の元素(成分)としてSi、Ti、Zr、Mg、Ca及びBから選ばれる少なくとも1種類を、担体の全量に対して、酸化物換算で1〜10質量%の範囲で含有していることが好ましい。これらの元素は、酸化物換算で1.2〜9質量%の範囲で含有されるとより好ましく、1.5〜8質量%含有されると更に好ましい。上述の元素の中では、Si、Ti又はZrがより好ましく、Si又はTiが特に好ましい。また、これらの元素は2種以上を組み合わせてもよく、その場合は、Si及びTiを組み合わせることが好ましい。
上記元素による効果発現の機構は解明されていないが、上記元素がアルミナと複合的な酸化物状態を形成し、そのモル比で担持した活性金属と相乗的に炭素−硫黄結合の開裂を促進しているものと考えられる。本発明者らは、このことに起因して脱硫活性の向上が見られると、現在のところ推定している。
上述の元素が酸化物換算で1質量%より少ないと、脱硫活性が低下する傾向にあり、10質量%を超えると担体の酸性質が過度に強くなるため、原料油の分解等の望ましくない副反応が起こる傾向にある。また、アルミナの含有量が上記範囲内にある場合は、より少ない第1触媒量で、第1生成油中の窒素含有量を軽油原料油中の窒素含有量に対して60%以下とすることができる。第1触媒の量をより少なくすることにより、第2触媒であるコバルト−モリブデンを活性金属とする触媒(コバルト−モリブデン触媒)を、反応塔内に一層多く充填できるため、水素消費量を過度に増やすことなく反応塔全体としての脱硫能を一段と向上させることができる。
第1触媒の平均細孔径は3〜10nmであると好ましく、5〜9nmであるとより好ましい。平均細孔径が3nmより小さいと反応すべき分子の細孔内拡散が十分でなくなる傾向にあり、平均細孔径が10nmを越えると、第1触媒の表面積が減少し、触媒活性の低下に繋がる傾向にある。また第1触媒の細孔容積は0.3mL/g以上であると好ましい。細孔容積が0.3mL/gより小さいと、第1触媒に活性金属を含浸させ難くなり、所望の第1触媒を得ることが困難になる傾向にある。さらに、第1触媒の比表面積は200m/g以上であると好ましい。第1触媒の比表面積が200m/gを下回ると、活性金属の担持面積が低下し、触媒活性の低下に繋がる傾向にある。これら触媒の細孔容積及び比表面積は、窒素吸着によるBET法と呼ばれる方法により測定、算出可能である。
第1触媒に活性金属であるニッケル−モリブデン等を担持する方法としては、通常の脱硫触媒の製造に用いられる方法を採用できる。コバルト源としては硝酸コバルト、塩化コバルト若しくは酢酸コバルトなどの有機若しくは無機コバルト塩を用いることができる。ニッケル源としては硝酸ニッケル、塩化ニッケル若しくは酢酸ニッケルなどの有機若しくは無機コバルト塩を用いることができる。モリブデン源としては、モリブデン酸アンモニウム若しくは酸化モリブデンなど、タングステン源としてはタングステン酸アンモニウムなどを用いることができる。また、それぞれの金属について、ここに列記した以外の有機塩あるいは無機塩を用いてもよい。さらに、活性金属を含む含浸液に有機化合物を共存させてもよい。また、これらの活性金属に加えて、第1触媒にリンが担持されてもよい。
一方、上述のSi、Ti、Zr、Mg、Ca及びBから選ばれる元素の酸化物といったアルミナ以外の任意の担体構成成分についての担体調製方法についても、通常の担体調製方法であればよく、特に限定されない。例えば、アルミナを調合するいずれかの段階において、これらの元素の酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩又はその他の塩化合物を、固体又は溶液の状態で添加する方法などが挙げられる。あるいは、アルミナのみを初めに焼成した後、上述の塩化合物を溶液の状態で含浸担持してもよいが、アルミナを焼成する前のいずれかの段階で上述の塩化合物を添加することが好ましい。
本実施形態の第1触媒における活性金属の担持量は特に限定されず、通常の脱硫触媒におけるものと同程度の担持量を採用することができる。ただし活性金属の担持量が極端に少ない場合、触媒活性が十分ではなくなる傾向にあり、極端に多い場合は、該触媒の製造時若しくは使用時において活性金属の凝集が起こり、所望通りの触媒活性を得難くなる傾向にある。したがって、通常、第1触媒がニッケル−モリブデン触媒又はニッケル−タングステン触媒である場合、第1触媒の全体量に対して、ニッケルの担持量は2〜8質量%であると好ましく、第1触媒がニッケル−コバルト−モリブデン触媒である場合、第1触媒の全体量に対して、ニッケルの担持量は0.1〜8質量%、コバルトの担持量は2〜8質量%であると好ましい。
本実施形態における第1触媒は、実際の軽油の水素化脱硫に用いる前に、一般的な水素化脱硫触媒と同様の方法により予備硫化されてもよい。この予備硫化は、例えば、直留軽油を単独で、若しくは直留軽油に硫化剤を添加したものを用いて、水素加圧条件下、200℃以上の加熱処理を所定の手順に従って行うことができる。予備硫化処理を経た第1触媒は、その触媒上の活性金属が硫化された状態となり、所望の触媒活性(脱硫活性)を発揮することが可能となる。上記硫化剤としては、ジメチルジサルファイド、ポリサルファイドなどの硫黄化合物が用いられる。予め硫化処理を施された触媒や、含硫黄、含酸素若しくは含窒素有機溶剤による活性化処理を施された触媒を使用することもできる。
第1工程においては、軽油原料油を上述した第1触媒上で水素化処理することにより第1生成油を得る。その際、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第1反応条件を、第1生成油中の窒素含有量が、軽油原料油中の窒素含有量に対して60%以下となるように調整する(以下、軽油原料油中の窒素含有量に対する第1生成油中の窒素含有量の割合を「窒素残留率」という。)。
窒素残留率が60%以下となることにより、第2触媒への窒素化合物による被毒も十分に軽減できるので、結果として得られる第2生成油中の硫黄分を十分に低減することが可能となる。そのような観点から、第1生成油中の窒素含有量は、100質量ppm以下であると好ましく、50質量ppm以下であるとより好ましく、40質量ppm以下であると更に好ましく、30質量ppm以下であると特に好ましい。
窒素残留率が60%以下となるように第1反応条件を調整するには、まず、反応塔への第1触媒の充填量(充填空間容積)を、例えば、以下の手順により算出、決定した後、その量の第1触媒を実機の反応塔に充填する。ここでは、ニッケル−モリブデンを活性金属として担持した触媒(ニッケル−モリブデン触媒)について説明するが、他の活性金属を担持して第1触媒を得た場合でも同様に算出することができる。
例えば、硫黄分1.3質量%、窒素分(窒素化合物)200質量ppmの直留軽油の水素化脱窒素反応を、所定量のニッケル−モリブデン触媒の存在下、水素分圧4.9MPa、水素/油比200NL/L、LHSV(液空間速度)1.0〜2.0h−1、反応温度340〜370℃の第1反応条件で行う。ここで、この水素化脱窒素反応は、下記式(2);
k=A×exp(−E/RT) …(2)
で表されるアレニウス式に従うことができるものとする。なお、式(2)中、kは速度定数、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、及びTは反応温度を示す。
より詳細には、上述の数値範囲内で第1反応条件を種々変化させつつ、上記軽油原料油の水素化処理を行う。そして、得られる第1生成油中の窒素含有量を測定し、水素化脱窒素反応における速度定数及び活性化エネルギーを算出する。算出された速度定数及び活性化エネルギーをアレニウス式に代入し、窒素残留率が60%以下となるように液速度を求めることにより、この液速度に対応するようなニッケル−モリブデン触媒の充填空間容積を算出することができる。
石油留分の製造方法において、窒素残留率が60%以下となるように第1反応条件を調整する方法としては、軽油原料油及び第1生成油を採取し、それぞれの窒素含有量及び第1生成油中の窒素含有量を測定し、その測定結果に基づいて窒素残留率を算出し、第1反応条件を調製する方法などがある。この際、上述のようにして算出された水素化脱窒素反応の反応次数及び活性化エネルギー及びアレニウス式を用いることもでき、それにより、第1触媒の劣化程度などを把握することも可能となる。なお、窒素含有量又は窒素分は、例えば、JIS−K−2541に規定されている硫黄分試験法、JIS−K−2609に規定されている窒素分試験法などに基づいて測定することができる。
第1工程における第1反応条件は、反応温度300〜410℃、水素分圧2〜10MPa、LHSV0.1〜2h−1、水素/油比100〜500NL/Lであると好ましく、反応温度300℃〜390℃、水素分圧3〜8MPa、LHSV0.3〜1.8h−1、水素/油比150〜300NL/Lであるとより好ましい。第1反応条件は、かかる数値範囲内で、個別の装置や原料油に応じて調整、設定することができる。水素化脱硫反応をより進行させるためには、水素分圧をより高くし、LHSVをより低くすればよいが、かかる第1反応条件の調整により運転コストが上昇する傾向にあるので、これらのことを考慮して、第1反応条件を調整、設定するとよい。
また、第1触媒としてニッケル−モリブデン触媒等を用いる場合、第1触媒と軽油原料油(第1生成油)との接触時間が長くなると、水素化脱窒素反応は進行するものの、ニッケル−モリブデン触媒等自体が硫化水素による被毒の影響を比較的強く受けるため、触媒寿命が短くなる傾向にある。しかも、水素消費量が増加するため、運転コストが上昇する傾向にある。そのため、触媒寿命及び運転コストをも考慮して、第1反応条件を調整、設定するとよい。
(第2工程)
本実施形態の第2工程において、上述の第1工程により得られた第1生成油は、アルミナを主成分とする担体と、担体上に担持された活性金属であるコバルト−モリブデンとを備えた第2触媒が充填されている反応塔に供給される。
第2触媒の平均細孔径、細孔容積及び比表面積は、上記第1触媒と同様の観点から、第1触媒と同様の数値範囲内にあると好ましい。また、第2触媒に用いる担体、活性金属の担持方法及びその担持量についても、上述の第1触媒と同様であると好ましく、予備硫化した後に、本実施形態の石油留分の製造方法に用いてもよい。さらに、第2工程における第2反応条件は、上述の第1反応条件と同様の観点から、第1反応条件と同様の数値範囲内であると好ましい。
本実施形態の第2工程を経て得られた第2生成油中には、第1工程及び第2工程により副生した軽油より軽質である石油留分などが含まれるので、これらを精留塔などにより分留、除去し、軽油留分が回収される。
本実施形態の石油留分の製造方法において、上述した第1工程における水素化処理及び第2工程における水素化処理は、別の反応塔内で行われてもよく、一つの反応塔内で行われてもよい。また、運転管理の容易さの観点及び触媒劣化の防止の観点から、反応塔内に複数の触媒床(触媒層)を設け、各触媒床の間に水素ガスを導入するクエンチゾーンを設けると好ましい。これにより、反応熱の除去及び消費された水素の補充が可能となる。
本実施形態で用いられる脱硫装置の反応塔は、トリクルフロー形式であってもよく、アップフロー形式であってもよいが、一般的にはトリクルフロー形式が採用される。
本実施形態に用いられる脱硫装置には、第1生成油とガス成分とを分離する高圧又は低圧の気液分離装置を反応塔の後段に設置される。本実施形態においては、第2触媒に供給される第1生成油及びガス成分中の硫化水素含有量が比較的少ないため、第1触媒が充填される反応塔(触媒床)と第2触媒が充填される反応塔(触媒床)との間に、上述の気液分離装置を設けなくても、第2触媒の劣化等の不具合が抑制される傾向にある。
本実施形態で用いられる第一触媒及び第二触媒の反応塔への充填量(充填空間容積)は特に限定されるものではないが、第1触媒が充填される第1空間容積と、第2触媒が充填される第2空間容積との比が、5:95〜60:40であると好ましい。これにより、第1工程及び第2工程を合わせた触媒の単位容量当たりの液空間速度が0.1h−1〜3h−1となり、脱硫反応を一層有効に進行させることが可能となる傾向にある。第1空間容積が上記比よりも低いと、第2触媒が窒素で被毒されてしまう傾向にあり、上記比よりも高いと、第1触媒自体が硫化水素に被毒されてしまう傾向にある。そのような観点から、第1空間容積と第2空間容積との比が、10:90〜40:60であるとより好ましく、10:90〜30:70であると更に好ましい。ここで、「充填空間容積」、又は「空間容積」とは、反応塔内の触媒が充填される領域に相当する容積のことをいい、反応塔内径、反応塔内に充填された触媒の高さなどから算出される。
また、第1触媒単独の脱硫活性をk、第2触媒単独の脱硫活性をkとした場合、下記式(1);
0.875<(k/k)<1.15 …(1)
の条件が満足されるように、第1反応条件及び/又は第2反応条件が調整されると好ましい。k及びkの脱硫活性は、具体的には脱硫反応速度を示し、脱硫反応の反応速度式(アレニウス式)を用いて、通常の手法用いて反応条件から算出することができる。(k/k)が0.875以下である場合は、所望の脱硫活性が得られない傾向にあり、(k/k)が1.15以上である場合も、所望の脱硫活性が得られない傾向にある。
上述した本実施形態の石油留分の製造方法において、第1反応条件及び第2反応条件の調整により、第2生成油に含有される硫黄分を50質量ppm以下とすることができ、10質量ppm以下とすることもできる。なお第2生成油等の中の硫黄分(硫黄化合物)の含有量は、例えば、JIS−K−2541「硫黄分試験法」又はASTM−D5453に記載の方法に準拠して測定することができる。
以上、本発明に係る石油留分の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明に係る石油留分の製造方法の別の実施形態において、第1触媒と第2触媒とが別の反応塔内に充填されている場合、上述した気液分離設備をそれらの反応塔の間に設けてもよい。これにより、第2触媒に供給される硫化水素を一層少なくすることができるので、触媒寿命が延びる傾向にある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1)
内径25mmの反応管1に第1触媒として触媒A(ニッケル−モリブデン触媒)を25mL、反応管2に第2触媒として触媒B(コバルト−モリブデン触媒)を75mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、ジメチルジサルファイドを硫黄分として3質量%含有する直留軽油を用いて、触媒層平均温度320℃、水素分圧5MPa、LHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの条件下で、触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、中東系の直留軽油GO1(10%留出点285℃、90%留出点350℃、硫黄分1.31質量%、窒素分150質量ppm)を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒(反応管1、2)を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は510質量ppm、窒素分は31質量ppm(すなわち窒素残留率20.7%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は8.1質量ppmであり、このときの化学水素消費量は336scf/bblであった。ここで、「化学水素消費量」とは、触媒上での水素化脱硫反応若しくは水素化脱窒素反応などの反応により消費された水素量のことをいい、水分中に溶解した水素などは除かれる。この「化学水素消費量」は、通常、反応管(触媒層)に供給される水素量と反応管から出てくる水素量との差分から算出される。上記触媒A、B及び後述する触媒Cの物性を表1に示す。
Figure 0004576257

なお、上述のリンを含む担持金属の含有割合は、いずれも金属酸化物(CoO、NiO、MoO、P)換算で表したものであり、残部が担体のγ−アルミナとなる。また表1中、「無機酸化物」とは、酸化ケイ素(SiO;シリカ)、酸化チタン(TiO;チタニア)、酸化マグネシウム(MgO;マグネシア)、酸化ジルコニウム(ZrO;ジルコニア)、五酸化二リン(P)、酸化カルシウム(CaO;カルシア)及び三酸化二ホウ素(B)より選ばれる少なくとも1種の酸化物を示す。
参考例2)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒Aを12.5mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを87.5mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は1884質量ppm、窒素分は59質量ppm(すなわち窒素残留率39.3%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は9.4質量ppmであり、このときの化学水素消費量は315scf/bblであった。
参考例3)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒Aを75mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを25mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は29.7質量ppm、窒素分は7.1質量ppm(すなわち窒素残留率4.7%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は10.0質量ppmであり、このときの化学水素消費量は378scf/bblであった。
(実施例4)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒C(ニッケル−コバルト−モリブデン触媒)を25mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを75mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は530.0質量ppm、窒素分は40.0質量ppm(すなわち窒素残留率26.7%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は8.6質量ppmであり、このときの化学水素消費量は306scf/bblであった。
参考例5)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒Aを25mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを75mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、中東系の直留軽油GO2(10%留出点301℃、90%留出点355℃、硫黄分1.35質量%、窒素分210質量ppm)を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒(反応管1、2)を併せたLHSV0.7h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は510質量ppm、窒素分は63質量ppm(すなわち窒素残留率30.0%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は9.3質量ppmであり、このときの化学水素消費量は368scf/bblであった。
(実施例6)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒Cを25mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを75mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO2を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒(反応管1、2)を併せたLHSV0.7h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は530質量ppm、窒素分は75質量ppm(すなわち窒素残留率35.7%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は9.5質量ppmであり、このときの化学水素消費量は339scf/bblであった。
(比較例1)
内径25mmの反応管1、2にそれぞれ上述の触媒Aを50mLずつ積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、反応管1、2を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は80.1質量ppm、窒素分は4.5質量ppm(すなわち窒素残留率3.0%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は11.9質量ppmであり、このときの化学水素消費量は403scf/bblであった。
(比較例2)
内径25mmの反応管1、2にそれぞれ上述の触媒Bを50mLずつ積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、反応管1、2を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は94.0質量ppm、窒素分は15.0質量ppm(すなわち窒素残留率10.0%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は13.8質量ppmであり、このときの化学水素消費量は328scf/bblであった。
(比較例3)
内径25mmの反応管1に上述の触媒Bを、反応官2に上述の触媒Aをそれぞれ50mLずつ積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO1を水素分圧5MPa、反応管1、2を併せたLHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は94.0質量ppm、窒素分は15.0質量ppm(すなわち窒素残留率10.0%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は10.6質量ppmであり、このときの化学水素消費量は360scf/bblであった。
(比較例4)
内径25mmの反応管1に第1触媒として上述の触媒Bを25mL、反応管2に第2触媒として上述の触媒Bを75mL積層して充填した。これらの反応管1、2を直列に連結し、参考例1と同様にして触媒の予備硫化を12時間行った。予備硫化が終了した後、上述の中東系の直留軽油GO2を水素分圧5MPa、第1触媒及び第2触媒(反応管1、2)を併せたLHSV0.7h−1、水素/油比200NL/Lの反応条件の下、反応管1、2内に供給して水素化処理を行った。なお、反応管1、2の触媒層の平均温度が360℃となるように、反応管ヒーターを調整した。次いで、直流軽油の供給開始後14日目において、反応管1出口の第1生成油の性状を分析、測定したところ、硫黄分は94質量ppm、窒素分は94質量ppm(すなわち窒素残留率44.8%)であった。反応管2出口の第2生成油中の硫黄分は13.8質量ppmであり、このときの化学水素消費量は341scf/bblであった。
以上の結果を表2にまとめる。
Figure 0004576257

Claims (6)

  1. アルミナを主成分とする担体と、前記担体上に担持された、ニッケル−コバルト−モリブデンと、を備えた第1触媒の存在下、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第1反応条件を調整して、軽油留分を主成分として含有する原料油を水素化処理することにより、前記原料油中の窒素含有量に対して60%以下の窒素を含有する第1生成油を得る第1工程と、
    アルミナを主成分とする担体と、前記担体上に担持された活性金属であるコバルト−モリブデンと、を備えた第2触媒の存在下、反応圧力、LHSV、反応温度及び水素/油比を含む第2反応条件を調整して、前記第1生成油を水素化処理することにより第2生成油を得る第2工程と、
    を含むことを特徴とする石油留分の製造方法。
  2. 前記第1生成油中の窒素含有量が100質量ppm以下となるように、前記第1反応条件を調整することを特徴とする請求項に記載の石油留分の製造方法。
  3. 前記第2工程より前に、前記第1工程を経て得られる気液を分離しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の石油留分の製造方法。
  4. 前記第1触媒が充填される第1空間容積と、前記第2触媒が充填される第2空間容積と、の比が、5:95〜60:40であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の石油留分の製造方法。
  5. 前記第1触媒に備えられた前記担体が多孔質の担体であり、前記第2触媒に備えられた前記担体が60質量%以上のアルミナを含む多孔質の担体であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の石油留分の製造方法。
  6. 前記第1反応条件及び前記第2反応条件がそれぞれ、反応圧力2〜10MPa、LHSV0.1〜2.0h−1、反応温度300〜410℃及び水素/油比100〜500NL/Lの範囲内で調整されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の石油留分の製造方法。
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