JP4576095B2 - 両面粘着シート及び研磨布積層体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、両面粘着シート及び研磨布積層体に関し、詳しくは研磨布を研磨装置に貼着するために使用される両面粘着シート及び研磨布積層体に関し、更に詳しくは半導体装置の層間絶縁膜の平坦化や金属配線の形成工程〔主として化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing);以下CMPと称す〕に適応される研磨布の固定かつ緩衝材として使用される両面粘着シート及び研磨布と両面粘着シートとの積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの回路パターンを半導体ウェーハ上に反映させるため、フォトレジスト樹脂を半導体ウェーハに塗布し、フォトマスクを用いて該レジスト樹脂を焼き付け、エッチング処理工程を経て回路パターンを形成させる方法が主流となってきているが、デバイスの高速化、低容積化を図るための集積化技術が進歩し、これにつれて回路配線パターンも0.13μm以下の微細なパターンを安定して描画できることが望まれてきている。
【0003】
ところが、半導体ウェーハ全面には「うねり」と称される緩やかな厚さのバラツキ、すなわち標高差が存在し、標高差が2〜4μm以上になる場合もある。このうねりは少なく、小さいことが望ましいが、工業レベルでは生産性とコストとの兼ね合いで、うねりの解消は満足できるものではないことが現状である。また、回路パターンの都合上、局所的に1μm以下程度であるが厚さが異なる段差を生じる可能性がある。これらのうねりや段差部分が存在するとフォトマスクによる回路パターン形成時に焦点ボケやにじみを生じて、回路パターンが正確に反映されず、半導体デバイス回路の断線や短絡等の原因となり、信頼性を著しく劣らせてしまう。
【0004】
この問題の解決策としてCMPが提案されている。CMP技術では、膜厚分布を一定に保ち、膜表面の微小な凹凸を除去するために、二層構成の研磨布が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この二層構成の研磨布において、下層は半導体ウェーハ自体のそりやうねりによる研磨代の不均一性を解消するためにゴム弾性体とし、表層は半導体デバイス工程で生じた表面の比較的微細な凹凸を除去して平坦化するために硬質クロスが使用されている。
【0005】
前記の非特許文献1などに提案されているような二層構造の研磨パッドに使用されている下層のゴム弾性体には、一般的に、ポリウレタン含浸不織布が使用されている。しかしながら、当該材料は、不織布に樹脂を含浸させているため、局所的に厚さや硬さのばらつきが生じやすく、更に、研磨に用いられるスラリー水分を吸収・膨潤し、部分的若しくは全体的に圧縮弾性挙動が変化する傾向もみられる(以下、これらの現象をまとめて「膨潤変形」ともいう)。研磨中に膨潤変形が進行すると、均一研磨や精密研磨の要求に応えることができない。このため、研磨前に予め研磨スラリーに二層構成の研磨パッドを長時間浸漬し、ポリウレタン含浸不織布にスラリー水分を吸収させて、研磨途中に膨潤変形等の変化が生じないようにしておく等のわずらわしさがあった。
【0006】
この膨潤変形の解決策として、表層硬質材料と下層ポリウレタン含浸不織布との間に防水性材料層を施すことが提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、研磨布積層体の側面からのスラリー浸入は防ぐことができず、不完全なものであった。
【0007】
また、半導体ウェーハをはじめとして、ハードディスクや液晶用ガラス等の被研磨物を研磨する際には、研磨布積層体を研磨装置に貼着させて研磨を行うが、研磨終了後に研磨布積層体を研磨装置から剥離して除去する操作が必要であり、その除去操作の労力は多大なものである。
【0008】
そこで、研磨装置から研磨布積層体を取り除く操作を軽減するための手段として、研磨布積層体を研磨装置に貼着させる粘着剤に再剥離型粘着剤を使用し、その再剥離型粘着剤として天然ゴムやアクリル酸エステルポリマー等を適用することが提案されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、前記特許文献2には、再剥離型粘着剤の具体的内容に関する詳細な記述がなく、スラリーのpHや温度によっては粘着剤残りを生じることが有り、不完全なものである。
【0009】
また、従来の研磨スラリーは塩基性が主流であり、特に支障も認められていなかったが、近年の研磨対象は多様となり、例えばタングステンのCMPでは過酸化水素水に微量の硝酸鉄が添加されているスラリーも提案されている。従って、塩基性条件における物性のみでは不充分であり、酸性条件における優れた物性も要求されている。例えば、塩基性溶液に対して優れた結果を示すとしている研磨布固定用両面接着テープが提案されているが(特許文献3)、この両面接着テープは、酸性溶液条件では、加水分解反応によると思われる粘着力の低下が確認され、完全なものとはいえない。
【0010】
【非特許文献1】
渡邊純二他、表面基準ポリシングにおけるパッド構成、精密工学会春季学術講演会論文集183(1997)
【特許文献1】
特開平11−156701号公報
【特許文献2】
特開平6−172721号公報
【特許文献3】
特開2002−47462号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、うねりを持った半導体ウェーハや回路形成過程で局所の段差が生じたウェーハでも、そのうねりや段差に沿ってウェーハ全面を均一に高低差を緩和するように研磨できる両面粘着シートの提供を目的とする。更に、両面粘着シート交換作業労力を低減させ、研磨定盤からの剥離の際に粘着剤残りがなく、再剥離性を付与することが本発明の目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、厚さのバラツキが小さく、25%圧縮硬さが0.1〜1.0MPaである軟質ウレタン発泡体シートの両面に粘着剤を積層し、これを研磨布研磨面の反対側に配置することで、うねりを持った半導体ウェーハでも、そのうねりに沿ってウェーハ表面の凹凸を均一に研磨でき、かつ、粘着力や酸塩基耐性制御が容易なマイケル付加型ウレタン粘着剤を研磨装置に固定するための粘着剤に使用することで研磨布積層体交換時の労力を低減し得ることを見出し、本発明に至った。
【0013】
従って、本発明は、
発泡体シートと、その両面側に担持された粘着剤層を有する研磨布積層体用両面粘着シートであって、
前記両面粘着シートの1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が100μm以下(すなわち、0μm以上100μm以下)であり、且つ25%圧縮硬さが0.1MPa以上1.0MPa以下であり、
前記粘着剤層のうちの少なくとも一方の粘着剤層が、下記の第1成分(E)及び第2成分(F)又は(F’)を含有する粘着剤から形成されることを特徴とする研磨布積層体用両面粘着シートに関するものであり、
前記第1成分は、
ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を、
ポリアミン(b1)と不飽和二重結合を有する化合物(b2)とをマイケル付加反応させて得られる化合物(B)と反応させてイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)を調製し、続いて、このイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)と、イソシアネート基と反応し得る活性水素を有する化合物(D)とを、イソシアネート基に対し活性水素過剰の条件下にて反応させて調製される、活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)であり、
前記第2成分は、
イソシアネート基を有する化合物(F)又はブロック化されたイソシアネート基を有する化合物(F’)である。
【0014】
本発明の好ましい態様においては、軟質ウレタン発泡体シートの金属イオン含有率、又は2つの粘着剤層の合計の金属イオン含有率のいずれか一方が5000ppm以下であるか、あるいは
軟質ウレタン発泡体シートの金属イオン含有率、及び2つの粘着剤層の合計の金属イオン含有率のいずれもが5000ppm以下である。
また、本発明の別の好ましい態様においては、破断強度が40MPa以上500MPa以下の補強シートが、軟質ウレタン発泡体シートと一方の粘着剤層との間に設けられている。
更に、本発明の別の好ましい態様においては、補強シートの金属イオン含有率が、5000ppm以下である。
更にまた、本発明の別の好ましい態様においては、発泡体シートに関して、補強シートとは反対側に位置する粘着剤層が、研磨布との貼着用である。
更にまた、本発明の別の好ましい態様においては、ポリエステルポリオールの重量平均分子量が、1000〜5000である。
【0015】
本発明は、前記の研磨布積層体用両面粘着シートと研磨布とが積層されてなることを特徴とする研磨布積層体にも関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細についていくつかの好ましい実施の形態を挙げて説明する。
但し、本発明が以下の実施の形態に限定されないことはいうまでもない。
本発明の両面粘着シートは、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が0以上100μm以内、25%圧縮硬さが0.1〜1.0MPaである発泡体シートの両面側に粘着剤層が設けられてなる両面粘着シートである。ここで、両面粘着シートとは、両面粘着テープ、両面粘着フィルムとも呼ばれるものである。
また、破断強度が40MPa以上500MPa以下の補強シートを、発泡体シートと一方の粘着剤層との間に設ける構成としてもよい。
【0017】
用いられる発泡体シートは、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が0以上100μm以内である。発泡体シートの1m2内の最大厚みと最小厚みとの差は、0が最も望ましいが現実的には許容範囲があり、100μmよりも大きいと、被研磨体を一定の均一な厚みに研磨することが難しくなりやすい。つまり、圧力を掛けて研磨する際に厚みの厚い部分と薄い部分で圧力差が生じるからである。このため、研磨精度を必要とする場合は、発泡体シートの1m2内の最大厚みと最小厚みとの差は、0μm以上100μm以内であるものが好ましく、80μm以内であるものがより好ましく、60μm以内であるものが更に好ましい。
【0018】
また、発泡体シートの1m2内の平均厚さは、研磨時の両面粘着シートに対する水平方向の剪断力によって引き起こされる、研磨特性を劣化させるずり変形に抗するため150μm〜2.4mm以内であることが好ましい。
発泡体シートの厚さの測定は、プローブ直径10mm、印加荷重5kPaにおいて、1μm桁表示が可能なデジタル計測器により行われ得る。
【0019】
また、発泡体シートは、25%圧縮硬さが0.1〜1.0MPaであることが好ましく、0.2〜0.5MPaであることがより好ましい。
本発明でいう「発泡体シートの25%圧縮硬さ」とは、発泡体シートをJIS K 6400 試験の一般条件に記載される環境、すなわち温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境に24時間以上静置した後、該発泡体シートを30mm×30mmに打ち抜き、約10mmの厚さとなるように複数のサンプルシートを重ね合わせ、前記と同じ温度及び湿度環境下にて前記重ね合わせたサンプルシート全面を50mm/分の速度で平行に圧縮し、元の厚みから25%圧縮させた際の応力をいう。
【0020】
発泡体シートの25%圧縮硬さが、0.1MPa未満だと両面粘着シートが柔軟に成り剪断変形を起こしやすいので、被研磨体全面の表面膜厚を均一に研磨することが難しくなる傾向にある。一方、発泡体シートの25%圧縮硬さが、1.0MPaを越えると両面粘着シートが硬くなる傾向にあるので、被研磨体表面の微細な段差及び「うねり」に追随しないで標高の高い部分を優先的に研磨するので、被研磨体全面の表面膜厚を均一に研磨することが難しくなる傾向にある。
【0021】
また、研磨工程中に両面粘着シートから金属イオンが溶出すると、被研磨体の研磨表面を汚染して、金属や半導体の固有の電気特性を変化させたり、配線回路形成を阻害したりするので、本発明の両面粘着シートから金属イオンが溶出しないか、又は本発明の両面粘着シートが、実質的に金属イオンを含有しないことが好ましい。
つまり、両面粘着シートを構成する発泡体シートや後述する2つの粘着剤層から金属イオンが溶出しないか、又は発泡体シートや2つの粘着剤層が、実質的に金属イオンを含有しないことが好ましい。
【0022】
本発明でいう「金属イオン」とは、代表的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、タングステンの13種の金属のイオンである。上記金属イオンの総量は、試料(両面粘着シートや発泡体シート)を硝酸と硫酸による酸分解法によって分解した後、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置にて検出できる。両面粘着シートに含まれる上記金属イオンの総量は、15000ppm以下であることが好ましく、3000ppm以下であることがより好ましく、1500ppm以下であることが更に好ましい。また、発泡体シートに含まれる上記金属イオンの総量は5000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることが更に好ましい。
【0023】
本発明において使用される発泡体シートとしては、ポリウレタン、ポリエチレン、又はシリコーンゴム等を挙げることができ、これらは種々の方法で得ることができる。これらの中でも目的とする硬さ、及び厚み精度が得やすいので、ポリウレタンが好ましく、特には軟質ポリウレタンが好ましい。
【0024】
本発明において使用される軟質ウレタン発泡体シート、すなわちポリウレタン発泡体シートについて説明する。ポリウレタンは、イソシアネート類と水酸基を有する化合物とを反応させて製造するが、この際適当な条件で水を添加すると炭酸ガスが発生する。この炭酸ガスをよく攪拌して細かく材料中に分散させ、材料が硬化するまで材料から散逸しないようにしておくと、ポリウレタンの発泡材料を得ることができる(プラスチック成形加工便覧、第4版、全日本プラスチック成形工業連合会編)。
【0025】
ポリウレタン発泡体シートについて説明する。一般にポリウレタンの原料中に水酸化アルミニウム等の金属化合物を触媒量添加することによって、これが発泡時に発泡セルの核となり、発泡体セルを微細にかつ安定化することができる。しかし、上記した理由により、本発明に用いられる発泡体シートとしては、発泡体セルの均一性が多少損なわれるとしても金属化合物が添加されていないものを選ぶことが好ましい。
但し、被研磨物内に含有される金属や研磨のために用いるスラリー、活性剤、若しくは酸、塩基を含有する水溶液、又は、潤滑油等に含まれる金属は、本発明の両面粘着シートや軟質ウレタン発泡体シートが含有していても差し支えない場合がある。
【0026】
ポリウレタン発泡体は、従来公知の一般的な方法でシート状に成形することができる。例えば、特開昭51−67396号公報、特開昭53−6365号公報には、押し出しダイから工程フィルム上に、反応することによってポリウレタンを形成し得る未発泡の組成物を展開し、発泡させつつオーブン内を通過させて硬化させる方法が提案されている。
工程フィルムに剥離処理を施した場合には、シート形成後に工程フィルムを剥離してウレタンのみの発泡体シートを得ることができる。また、工程フィルムに剥離処理を施さない場合には、ポリウレタンの発泡、硬化の過程で、ポリウレタンと工程フィルムとが強固に結合するので、この工程フィルムを後述する補強シートとして利用することができ、発泡体シートと補強シートとの間には格別接着剤層若しくは粘着剤層を設けなくても両シートを積層することができる。
また、剥離処理してなる工程フィルムを使用する場合、1枚の工程フィルムの剥離処理面に、上記組成物を展開して発泡、硬化させたり、2枚の工程フィルムの剥離処理面間に上記組成物を挟み込んでから発泡、硬化させたりする方法があるが、後者の方が好ましい。即ち2枚の工程フィルムを用いてポリウレタン発泡体シートを形成し、両工程フィルムを剥がすと、シート両面に滑らかなスキン層を有する発泡体シートが形成される。このスキン層は、接着剤層若しくは粘着剤層を積層した場合、層間の密着性向上に効果を奏し、更に厚み精度が制御し易いため、2枚の工程フィルムを用いることが好ましい。
【0027】
ウレタン発泡体シートの成形に使用する工程フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の平滑性と100℃程度の熱を数分間かけても溶融切断しないような耐熱性とを有するフィルムが用いられる。
【0028】
上記した発泡体シートの破断強度は一般に比較的小さいので(例えば、5MPa以下)、破断強度が40MPa以上の補強シートを、発泡体シートと一方の粘着剤層との間に設けることによって、両面粘着シートの強度を大きくすることができる。両面粘着シートの破断強度を大きくできると、例えば研磨後、研磨布ごと両面粘着シートを研磨装置から剥がしたり、又は研磨後、両面粘着シートから研磨布を剥がす際に、両面粘着シートを破損することなく剥がし易くなる。
【0029】
補強シートは、種々のプラスチックシートであることが好ましく、厚さ精度や耐熱性、耐薬品性、汎用性の観点から、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
厚さは12〜250μmであることが好ましく、更に25〜100μmであることがより好ましい。
【0030】
また、補強シートの金属イオン含有率は、発泡体シート等の場合と同様の理由で、5000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることが更に好ましい。
【0031】
尚、補強シートを有する場合、後述する図3〜図8に示す態様のように、両面粘着シートの積層断面構成は非対称となるが、少なくとも一方の面で測定した場合の25%圧縮硬さが0.1〜1.3MPaの範囲にあればよく、補強シートから遠い方の粘着剤層面の25%圧縮硬さが上記範囲にあることがより好ましい。
【0032】
次に本発明において用いる粘着剤層について説明する。
本発明の両面粘着シートは、特には、研磨布と研磨装置との間に位置し、両者を貼着するために用いられるものであり、補強シートを含む場合には、図3〜図8に示すように、積層断面構成が非対称となるので、
(A)補強シートから遠い方の粘着剤層に研磨布を貼着し、補強シートに近い方の粘着剤層を研磨装置に貼着する、
(B)補強シートから遠い方の粘着剤層を研磨装置に貼着し、補強シートに近い方の粘着剤層に研磨布を貼着する、等の形態が考えられるが、(A)の形態が好ましい。
(A)、(B)いずれの形態で使用するかによって、研磨布を貼着する側の粘着剤層、及び研磨装置に貼着する側の粘着剤層は適宜選択することができる。
例えば、(A)の形態で使用する場合には、補強シートを配置した側の面から遠い方の粘着剤層は、研磨布及び発泡体シートに貼着し得ることが必要であり、一方、補強シートを配置した側の面に近い方の粘着剤層は、補強シート及び研磨装置に貼着し得ることが必要である。これらの貼着特性は、発泡体シートの素材や表面状態、補強シートの素材や表面状態等を考慮して選択すればよい。
【0033】
研磨布表面がスエード調の場合や、研磨布表面に不陸部が多く十分な接着面積を確保し難い場合には、両面粘着シートに研磨布を強固に接着させ難くなる。両面粘着シートに研磨布を強固に接着させる必要があるので、上記のような研磨布を用いる場合には、研磨布を貼着する側の粘着剤層の厚みを20〜150μmとして粘着力を向上させた両面粘着シートを用いることが好ましい。
また、研磨装置に貼着する側の粘着剤層は、剥がす際に粘着剤が残り難くなるようにするためには薄膜である方が有利であるので、厚みを5〜50μmとして再剥離性能を向上させることが好ましい。
【0034】
また、粘着剤層は、貼着時及び研磨に使用する時の温度範囲において、ゴム状領域にあることが重要であり、JIS Z0237に規定する粘着テープ・粘着シート試験方法による180度引き剥がしの粘着力が50mN/25mm以上、室温における落下までの保持時間が60分以上であることが好ましい。更に研磨後に、研磨布を両面粘着シートから、又は研磨布ごと両面粘着シートを研磨装置から剥がす場合には、剥離し易いことが好ましい。即ち、研磨の最中は強固に研磨布や研磨装置に付着し、その後は容易に剥離し得ることが好ましい。
【0035】
更に発泡体シートや補強シートの場合と同様に、各粘着剤層の場合も、金属イオンが溶出しないか、又は実質的に金属イオンを含有しないこと、具体的には含有率が多くとも5000ppmであることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、500ppm以下であることが更に好ましい。
【0036】
本発明においては、このような粘着剤層の少なくとも一方の形成に特定のマイケル付加型ウレタン系粘着剤が用いられ、もう一方の粘着剤層には、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、又はゴム系粘着剤等を用いることができる。マイケル付加型ウレタン系粘着剤は、金属イオンが混入し難く、粘着性能のバランスを確保し易いという点で好ましく、更に、アクリル系粘着剤も同様の利点を有するので好ましい。
【0037】
本発明において、少なくとも一方の粘着剤層の形成に用いられる粘着剤は、マイケル付加型ウレタン系粘着剤であり、このマイケル付加型ウレタン系粘着剤は、次の第1成分(E)及び第2成分(F)又は(F’)を含有する化合物である。
【0038】
第1成分(E)、すなわち、活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)は、イソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)と、イソシアネート基と反応し得る活性水素を有する化合物(D)とを、イソシアネート基に対し活性水素過剰の条件下にて反応させて調製される。また、前記のイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)とマイケル付加反応生成化合物(B)とを反応させて調製される。更に、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)は、ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて調製され、前記のマイケル付加反応生成化合物(B)は、ポリアミン(b1)と不飽和二重結合を有する化合物(b2)とをマイケル付加反応させて調製される。第2成分は、イソシアネート基を有する化合物(F)又はブロック化されたイソシアネート基を有する化合物(F’)である。
【0039】
以下、各成分について説明する。
本発明においては、ポリエステルポリオール(a1)として、脂肪族ポリエステルポリオール(a1−1)を用いるか、あるいは、脂肪族ポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応生成物であるポリウレタン結合含有ポリエステルポリオール(a1−2)を用いることが好ましい。
【0040】
前記の脂肪族ポリエステルポリオール(a1−1)としては、公知の脂肪族ポリエステルポリオールを用いることができる。前記の脂肪族ポリエステルポリオール(a1−1)を調製するための酸成分としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバチン酸、又はドデカン二酸等を挙げることができ、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1−メチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチル−1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,9−ノンジオール、3−メチル−1,9−ノナンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、あるいはポリオール成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトール等を挙げることができる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、又はポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる脂肪族ポリエステルポリオール等もポリエステルポリオール(a1)として用いることができる。
【0041】
脂肪族ポリエステルポリオール(a1−1)の分子量は低分子量から高分子量まで使用可能であるが、重量平均分子量は1,000〜5,000であることが好ましく、1,000〜3,500であることが更に好ましい。その使用量はウレタンプレポリマー(A)を構成するポリオール中の50〜100モル%が好ましい。
【0042】
本発明で用いることのできるウレタン結合含有ポリエステルポリオール(a1−2)は、上記したように脂肪族ポリエステルポリオールとジイソシアネートとを脂肪族ポリエステルポリオール過剰の条件下に反応させて得ることができる。ウレタン結合含有ポリエステルポリオール(a1−2)は、両末端部分が脂肪族ポリエステルポリオールからなり、両末端は水酸基である。
ウレタン結合含有ポリエステルポリオール(a1−2)の分子量は、低分子量から高分子量まで使用可能であるが、重量平均分子量は1,000〜5,000であることが好ましく、1,000〜4,000であることがより好ましい。
前記のウレタン結合含有ポリエステルポリオール(a1−2)の調製に使用される脂肪族ポリエステルポリオールとしては、先に脂肪族ポリエステルポリオール(a1−1)として例示した化合物を同様に例示することができる。
また、ここで使用されるジイソシアネートとしては、後にポリイソシアネート(a2)として例示される化合物のうち、2官能の化合物を例示することができる。
【0043】
本発明で用いることのできるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)の調製に用いられるポリイソシアネート(a2)としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、又は脂環族ポリイソシアネート等を挙げることができる。
【0044】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、又は4,4’,4''−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0045】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、又はリシントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0046】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、又は1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0047】
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また、前記に例示した各ポリイソシアネート(a2)に加えて、前記のポリイソシアネート(a2)のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、又はイソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。前述の多価アルコールポリエーテル付加物とジイソシアネートの反応物もポリイソシアネート(a2)として使用することができる。
【0048】
本発明で用いることのできるポリイソシアネート(a2)としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、又はリシンジイソシアネート等が好ましい。
【0049】
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を得る反応では、必要に応じて一部エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトール等のグリコール類、あるいはエチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、又はキシリレンジアミン等の多価アミン類も併用することができる。
【0050】
本発明において、ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させる際の触媒(g)としては公知の触媒、例えば、3級アミン系化合物等を挙げることができる。3級アミン系化合物としてはトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、又はジアザビシクロウンデセン(DBU)等を挙げることができる。
【0051】
本発明のウレタンプレポリマー(A)の合成等で使用される溶剤としては、公知のものを使用できる。例えば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、又はアセトン等を挙げることができる。ポリウレタンウレア樹脂の溶解性、溶剤の沸点等の点から特に酢酸エチル、又はトルエンが好ましい。
【0052】
ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)を反応させてウレタンプレポリマー(A)を調製するウレタン化反応は、種々の方法が可能である。例えば、
1)全量仕込みで反応する場合と、
2)ポリエステルポリオール(a1)及び触媒(g)をフラスコに仕込み、ポリイソシアネート(a2)を滴下する方法
に大別されるが、反応を精密に制御する場合は2)が好ましい。
ウレタンプレポリマー(A)を得る反応の温度は120℃以下が好ましい。更に好ましくは70〜110℃である。120℃を越えると、アロハネート反応が進行し所定の分子量と構造を有するウレタンプレポリマー(A)が得られなくなる。また、反応速度の制御が困難になる。ウレタン化反応は、触媒(g)の存在下、70〜110℃で2〜20時間行うのが好ましい。
【0053】
ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)の配合比は、生成物の末端にイソシアネート基が残るように、ポリエステルポリオール(a1)の水酸基モル当量1に対してポリイソシアネート(a2)のイソシアノ基モル当量が1より大きくなることが必要である。適切な配合比は、化合物の反応性、3価以上の化合物の存在比などで大きく左右される。
【0054】
本発明で用いることのできる前記のマイケル付加反応生成化合物(B)は、前記の通り、ポリアミン(b1)と少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(b2)とをマイケル付加反応させることによって調製される。ポリアミン(b1)及び少なくとも1つの不飽和二重結合を有する化合物(b2)としては、それぞれ公知の化合物を用いることができる。前記のマイケル付加反応生成化合物(B)を用いると、ポリアミン(b1)を単独で用いる場合と比較して、前記のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)との鎖延長が穏やかな反応になり、制御が格段に容易になって好ましい。
【0055】
本発明で用いることのできる公知のポリアミン(b1)としては、例えば、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、リシン、フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、又はジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等のジアミンを挙げることができる。イソホロンジアミン、又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンは、反応の制御が容易で衛生性に優れていることから好ましい。
【0056】
本発明で用いることのできる少なくとも不飽和二重結合を有する化合物(b2)としては、アミンとマイケル付加可能な不飽和二重結合を2つ以上有する物質であれば特に制限されるものではない。その具体的な例としては、(メタ)アクリレートモノマーや、ビニル基又はエチニル基を有する化合物等を挙げることができる。本発明で用いることのできる(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。これらは単独若しくは2種類以上を併用して使用することもできる。
【0057】
アクリレートモノマーとメタクリレートモノマーを比較すると、アクリレートモノマーの方がマイケル付加反応の効率が高いので好ましい。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いるとマイケル付加反応を促進するので好ましい。ブチル(メタ)アクリレート、又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いると、研磨作業と剥離作業の観点から粘着力を制御し易い点で好ましい。ポリアミド(b1)と(メタ)アクリレートとのマイケル付加反応後の生成物は、ポリアミド(b1)の第1アミノ基の活性水素の平均1個が(メタ)アクリレートと反応したものである。
【0058】
ポリアミン(b1)と(メタ)アクリレートモノマーのマイケル付加反応は、ポリアミン(b1)のアミノ基の活性水素1モルと(メタ)アクリレートモノマーの二重結合基1モルが反応し、常温、無触媒でも反応は進むが、窒素雰囲気下で加熱しながら60〜100℃で反応させると適度な反応速度になり好ましい。ポリアミン(b1)と(メタ)アクリレートとの反応は、ポリアミン(b1)のアミノ基の数と(メタ)アクリレートの二重結合基の総数とが実質的に等量となる量で反応させることが好ましい。
【0059】
本発明で用いることのできる少なくとも不飽和二重結合を有する化合物(b2)としてのビニル基又はエチニル基を有する化合物としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、又はステアリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル化合物、ブチルビニルエーテル、又はエチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル化合物、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、又は1−ヘキサデセン等のα−オレフィン化合物、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、又はシアン化アリル等のアリル化合物、スチレン、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトンなどのビニル化合物、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、ジアルキルエーテル、ジビニルベンゼン、ジアリルテレフタレート、又はジアリルフタレート等のエチニル化合物等を挙げることができる。これらは単独若しくは2種類以上を併用して使用することもできる。
【0060】
ポリアミン(b1)と、ビニル基又はエチニル基を有する化合物とのマイケル付加反応は、前記ポリアミン(b1)のアミノ基の活性水素1モルとビニル基又はエチニル基1モルとが反応する。ポリアミン(b1)は、電子吸引性の基を持つ化合物のビニル基又はエチニル基に容易にマイケル付加をするため、シアン化ビニルがビニル基又はエチニル基を有する化合物として好ましい。ポリアミン(b1)のアミノ基の数と、ポリアミン(b1)に反応させるビニル基含有化合物又はエチニル基含有化合物に含まれるビニル基又はエチニル基の総数とが、実質的に等量となる量で反応させることが好ましい。更に、ポリアミン(b1)と、第1のビニル基含有化合物又はエチニル基含有化合物と、第2のビニル基含有化合物又はエチニル基含有化合物とを、実質的に等モルで反応させることがより好ましい。
【0061】
上記のようにして、それぞれ得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)中のイソシアネート基と、マイケル付加反応生成物(B)中のアミノ基とを、イソシアネート基過剰の条件下に反応させて、イソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)を得ることができる。
【0062】
ウレタンプレポリマー(A)と、マイケル付加反応生成化合物(B)とからイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)を得る鎖延長反応は、
(1)ウレタンプレポリマー(A)溶液をフラスコに仕込み、マイケル付加反応生成化合物(B)を滴下する方法、
(2)マイケル付加反応生成化合物(B)溶液をフラスコに仕込み、ウレタンプレポリマー(A)溶液を滴下する方法
に大別される。安定した反応になる方で合成を行うが、反応に問題がなければ、操作が容易な(1)の方法が好ましい。
前記のウレタンプレポリマー(A)とマイケル付加反応生成物(B)とによる反応の温度は、100℃以下が好ましい。100℃を越えると、所定の分子量と構造を有するイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)が得られなくなる。更に好ましくは70℃以下である。70℃でも反応速度は大きく、制御できない場合は、50℃以下が更に好ましい。
【0063】
ウレタン樹脂(C)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)による標準ポリスチレン換算分子量で1万以上が好ましい。更に好ましくは、3万以上である。重量平均分子量1万未満になると、粘着特性、特に保持力の低下が著しく、好ましくない。
【0064】
本発明で用いることのできる活性水素含有化合物(D)としては、水酸基を有するモノアミン化合物、又はアルコールが好ましく、モノアミン化合物としては、例えば、2−アミノ−2−メチル−プロパノール、2−アミノプロパノール、又は3−アミノプロパノール等を挙げることができる、アルコールとしては、公知のアルコールを用いることができる。好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等を挙げることができる。
【0065】
前記の活性水素含有化合物(D)と、イソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)とをイソシアネート基に対して活性水素過剰の条件下に反応させることによって、本発明における第1の成分、すなわち、活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)を得ることができる。
なお、活性水素を有する化合物(D)が、2−アミノ−2−メチル−プロパノールの場合、アミノ基と水酸基両方が、ポリウレタンポリウレア(C)の末端イソシアネート基と反応可能であるが、アミノ基の反応性の方が高く、優先的にイソシアネート基と反応する。
【0066】
前記のイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)に、活性水素含有化合物(D)を加える場合は、前記のウレタンプレポリマー(A)とマイケル付加反応生成物(B)との反応終了後、70℃以下で加熱する。70℃を越えると、ウレタンプレポリマー(A)部が分解され、結果として活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)が得られなくなる。反応の終点は、イソシアネート%測定、IR測定によるイソシアネートピークの消失により判断する。
【0067】
前記の活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによる標準ポリスチレン換算分子量で1万以上が好ましい。更に好ましくは、3万以上である。重量平均分子量1万未満になると、粘着特性、特に保持力の低下が著しく、好ましくない。
【0068】
次に本発明に用いる粘着剤の内の第2成分について説明する。第2の成分、すなわち、イソシアネート基含有化合物(F)又はブロック化イソシアネート基含有化合物(F’)としては、多官能イソシアネート化合物を挙げることができる。多官能イソシアネート化合物としては、前述のポリイソシアネート(a2)で説明したポリイソシアネート化合物及びそれらのトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、又はイソシアヌレート環を有する3量化体等を用いることができる。ブロック化イソシアネート基含有化合物(F’)のブロック化剤も公知のブロック化剤を用いることができ、例えば、アルコール系、ラクタム系、オキシム系、及び/又はβ−ジケトン系のブロック化剤を用いることができる。
【0069】
本発明で用いるウレタン樹脂粘着剤は、前記の第1の成分、すなわち、活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)と、第2の成分、すなわち、イソシアネート基を有する化合物(F)又は(F’)とを含有するものであり、両者の重量比〔(E)/(F)又は(F’)〕は、100/0.3〜100/10が好ましく、100/1〜100/7がより好ましい。ここで、第2の成分として、イソシアネート基を有する化合物(F)を用いる場合には、前記ウレタン樹脂粘着剤を2液系粘着剤として利用し、ブロック化されたイソシアネート基を有する化合物(F’)を用いる場合には、前記ウレタン樹脂粘着剤を1液系粘着剤として利用することができる。
【0070】
本発明に用いるウレタン樹脂粘着剤には、必要に応じて他の樹脂、例えばアクリル樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂を併用することもできる。また、用途に応じて、粘着付与剤等の添加剤を配合してもよい。
【0071】
本発明に用いる酸化防止剤としては、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤が挙げられ、ラジカル連鎖禁止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が挙げられ、更に、フェノール系酸化防止剤としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系酸化防止剤、が挙げられる。過酸化物分解剤としては、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
【0072】
モノフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリン−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、等が挙げられる。
【0073】
ビスフェノール系酸化防止剤としては、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、等が挙げられる。
【0074】
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H、3H、5H)トリオン、トコフェノール、等を挙げられる。IRGANOX L 135(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)、は樹脂との相溶性から特に好ましい。
【0075】
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート、等が挙げられる。
【0076】
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、等が挙げられる。
【0077】
本発明の粘着剤層(2)(2’)の少なくとも一方の形成には、前記第1成分(E)及び第2成分(F)又は(F’)を含有する粘着剤が用いられ、もう一方の粘着剤層の形成に供し得る粘着剤の成分となるアクリル系樹脂は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するモノマーを単独で又は複数共重合してなるものである。アクリル系樹脂は、組成及び分子量を適宜設計変更して、ガラス転移温度(以下、Tgという)や凝集力等の粘着特性を幅広く簡便に変化させることが可能であると共に、透明性、耐候性、耐熱性、耐溶剤性等に優れている点で、各粘着剤層(2)(2’)の形成に好適である。具体的には、各々のホモポリマーのTgが−20℃以下となるブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートなどのモノマー成分を主体に、水酸基、三級アミノ基、カルボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を有するモノマー成分、及びTgが0℃以上のホモポリマーを形成し得るモノマー成分(凝集力の付与に寄与する)を共重合させた樹脂を挙げることができ、一般に粘着剤用アクリル樹脂として用いられているものである。
【0078】
アクリル系樹脂は、通常のラジカル重合で合成される。合成方法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合などの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコントロールが容易であることや直接次の操作に移れることから溶液重合が好ましい。この場合、重合時の溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど、重合によって生成するアクリル系樹脂を溶解し得るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば何でもよく、特に制限はない。
【0079】
このようなアクリル系樹脂に、必要に応じてイソシアネート及びエポキシ化合物などの硬化剤を用いて部分的に架橋して、凝集力を向上させて使用することも可能である。粘着剤は、上記アクリル系樹脂の他に必要に応じて、ロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂、石油樹脂等の粘着付与剤、充填剤等種々の金属イオンを含有しない材料を添加することができる。このようなアクリル樹脂を含む粘着剤としては、東洋インキ製造(株)製のオリバインBPS3156D、BPS3180−3A、BPS3713、BPS4891、BPW5320、BPW5689J等を挙げることができる。
【0080】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明してきたが、本発明の両面粘着シートは、所望により、発泡体シートと補強シートとの間に接着剤層を設ける構成としていてもよい。
本発明において用い得る補強シート結合用接着剤層は、発泡体シートと補強シートとの間に位置し、両層を相互に固定するための層であり、その厚みは5〜150μmであることが好ましい。
ところで、粘着剤は感圧性接着剤とも呼ばれ、広義の概念では接着剤に含まれるものであるが、本発明でいう「補強シート結合用接着剤」は、感圧性接着剤に限定されず、その他の接着剤、例えば、感熱性接着剤などを包含する任意の接着剤の意味である。前記の補強シート結合用接着剤としては、前記の粘着剤層用と同様のものを使用することができ、また接着剤としては水系、溶剤系を問わず、溶媒乾燥による一般タイプからドライラミタイプまで、300mm/分による180度引き剥がし強度が50mN/25mm以上のものを使用することができる。
【0081】
両面粘着シートを研磨布及び研磨装置に貼着するためには、上記したように粘着剤層を用い得るのに対し、発泡体シートと補強シートとを相互に固定するための補強シート用接着剤層しては、感圧性接着剤の他、感熱性接着剤などの任意の接着剤層も用いることができる。発泡体シートと補強シートとは、一旦相互に固定してしまえば剥離するという特別な要求はないので、補強シート用接着剤層を介して固定することがきるのに対し、研磨装置側、及び研磨布側に位置する層には貼着後剥離するという要求もあるので、接着剤ではなく粘着剤で形成することが重要である。
【0082】
更に発泡体シートの場合と同様に、補強シート結合用接着剤層も、金属イオンを溶出しないことが好ましく、実質的に金属イオンを含有しないことが好ましい。
【0083】
また、本発明の両面粘着シートは、その粘着剤層面に剥離シートを積層した状態で供することができる。用いられ得る剥離シートには、両面を剥離処理した剥離シートと片面剥離した剥離シートとがある。いずれの剥離シートも粘着剤層を被覆した後、粘着剤層と接する界面において容易に剥離シートを剥離し得ることが必要であり、かつ剥離シート上に粘着剤の残留がないことが要求される。ここでいう容易に剥離することが可能なレベルとは、一般的に180度引き剥がし粘着力が1N/25mm未満のものをいう。
【0084】
剥離シートとして具体的には、ポリエチレンテレフタレートや配向したポリプロピレン等の各種プラスチックフィルム、又は紙の上にシリコーン系あるいは非シリコーン系の剥離剤を塗工したものを用いることができる。粘着剤層の厚み精度を確保するために、プラスチックフイルムをベースとした剥離シートを用いることが望ましい。
【0085】
本発明の両面粘着シートの種々の態様を添付図面に沿って説明する。
図1(模式的断面図)及び図2(模式的断面図)に示す本発明の両面粘着シート(10)は、いずれも、発泡体シート(1)の両表面に粘着剤層(2),(2’)を有する態様であり、図1では、一方の粘着剤層(2)は露出しており、もう一方の粘着剤層(2’)上に両面剥離シート(4)を設けた状態を示す。
【0086】
更に、図3(模式的断面図)、図4(模式的断面図)、及び図5(模式的断面図)に示す本発明の両面粘着シート(10)は、前記の図1及び図2に示す態様に加え、いずれも、発泡体シート(1)と粘着剤層(2’)との間に補強シート(3)を有する態様であり、図3では、一方の粘着剤層(2)は露出しており、もう一方の粘着剤層(2’)上に両面剥離シート(4)を設けた状態を示す。また、図4では、逆に、一方の粘着剤層(2)上に両面剥離シート(4)を設け、もう一方の粘着剤層(2’)は露出した状態を示す。更に、図5では、両方の粘着剤層(2),(2’)上に、片面剥離シート(5),(5’)を設けた状態を示す。
【0087】
図6(模式的断面図)、図7(模式的断面図)、及び図8(模式的断面図)に示す本発明の両面粘着シート(10)は、いずれも、発泡体シート(1)と、粘着剤層(2’)との間に補強シート(3)とを有し、更に、発泡体シート(1)と補強シート(3)との間に補強シート用接着剤層(6)を有する態様である。また、図6では、一方の粘着剤層(2)は露出しており、もう一方の粘着剤層(2’)上に両面剥離シート(4)を設けた状態を示す。また、図7では、逆に、一方の粘着剤層(2)上に両面剥離シート(4)を設け、もう一方の粘着剤層(2’)は露出した状態を示す。更に、図8では、両方の粘着剤層(2),(2’)上に、片面剥離シート(5),(5’)を設けた状態を示す。
【0088】
図1〜図8に示すように、前記剥離シートは、両面粘着シートと剥離シートの機能が損なわなければどのように配置しても構わない。従って、例えば、図1及び図2に示されるように、発泡体シート(1)及び粘着剤層(2),(2’)からなる両面粘着シートに剥離シートを設ける場合、両面剥離シート(4)もしくは片面剥離シート(5),(5’)を両面粘着シート(10)の片面もしくは両面に配置する構成としてもよい。また、図3〜図5に示されるように、発泡体シート(1)、粘着剤層(2),(2’)、及び補強シート(3)からなる両面粘着シート(10)に剥離シートを設ける場合も、両面剥離シート(4)もしくは片面剥離シート(5),(5’)を両面粘着シートの片面もしくは両面に配置する構成としてもよい。更に、図6〜図8に示されるように、発泡体シート(1)、粘着剤層(2),(2’)、補強シート(3)、及び補強シート用接着剤層(6)からなる両面粘着シート(10)に剥離シートを設ける場合、両面剥離シート(4)もしくは片面剥離シート(5),(5’)を両面粘着シートの片面もしくは両面に配置する構成としてもよい。
【0089】
本発明の両面粘着シートのうち、図1及び図2に示すように、発泡体シート(1)の両面側に粘着剤層(2),(2’)が設けられてなる両面粘着シート(10)であって、補強シート(3)を有しない両面粘着シート(10)は、例えば以下に示す方法(イ)〜方法(ハ)によって得ることができる。
方法(イ)
発泡体シート(1)の一方の面に粘着剤層(2’)を形成し、該粘着剤層(2’)の他方の面に両面剥離シート(4)を積層する。次いで、前記粘着剤層(2’)が接していない方の発泡体シート(1)の面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の他方の面と両面剥離シート(4)の他方の面(粘着剤層(2’)が接していない方の面)とが接するようにロール状に巻き取る。
【0090】
方法(ロ)
発泡体シート(1)の両面にそれぞれ粘着剤層(2)、(2’)を同時に形成し、一方の粘着剤層(2’)側に両面剥離シート(4)を積層しつつ、該粘着剤層(2’)が接していない方の両面剥離シート(4)と他の粘着剤層(2)とが接するように巻き取る。
【0091】
方法(ハ)
片面剥離シート(5)の剥離処理面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の他方の面に発泡体シート(1)を積層し、発泡体シート(1)の他方の面に粘着剤層(2’)を形成し、該粘着剤層(2’)の他方の面に片面剥離シート(5’)の剥離処理面を積層する。
【0092】
前記の図6〜図8に示したように、補強シート(3)を有する両面粘着シート(10)は、例えば以下に示す方法(ニ)〜方法(ヘ)によって得ることができる。
方法(ニ)
補強シート(3)の一方の面に粘着剤層(2’)を形成し、該粘着剤層(2’)の他方の面に両面剥離シート(4)を積層する。次いで、前記粘着剤層(2’)が接していない方の補強シート(3)の面に補強シート用接着剤層を形成し、該補強シート用接着剤層の他方の面に発泡体シート(1)を積層する。次いで、該発泡体シート(1)の他方の面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の他方の面と両面剥離シート(4)の他方の面(粘着剤層(2’)が接していない方の面)とが接するようにロール状に巻き取る。
方法(ホ)
補強シート(3)の一方の面に粘着剤層(2’)を形成し、該粘着剤層(2’)の他方の面に片面剥離シート(5’)の剥離処理面を積層する。次いで、前記粘着剤層(2’)が接していない方の補強シート(3)の面に補強シート用接着剤層を形成し、該補強シート用接着剤層の他方の面に発泡体シート(1)を積層する。次いで、該発泡体シート(1)の他方の面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の他方の面に片面剥離シート(5)の剥離処理面を積層する。
方法(ヘ)
片面剥離シート(5)の剥離処理面に粘着剤層(2)を形成し、該粘着剤層(2)の他方の面に発泡体シート(1)を積層し、発泡体シート(1)の他方の面に補強シート用接着剤層を積層し、次いで該補強シート用接着剤層の他方の面に補強シート(3)を積層し、該補強シート(3)の他方の面に粘着剤層(2’)を形成し、該粘着剤層(2’)の他方の面に片面剥
離シート(5’)の剥離処理面を積層する。
【0093】
剥離シート(4),(5),(5’)、発泡体シート(1)若しくは補強シート(3)上に各粘着剤を塗工する方法としては、例えばコンマコーター、ダイコーター、リップコーター、キスコーター、グラビアコーター等を使用して行う。コンマコーターを用いる場合、粘着剤の粘度は0.1〜100Pa・s程度が良好である。
【0094】
以上、両面粘着シートについて説明してきたが、本発明は、前記の両面粘着シートに研磨布が積層された研磨布積層体も提供する。研磨布としては、特に限定されることなく従来公知の研磨布を用いることができる。好ましくは前記研磨布としては、合成皮革スエード又はベロア、硬質ウレタン発泡体等を用いることができる。
この場合、前記研磨布は両面粘着シートに予め設けるように構成しても使用時に両面粘着シートに設ける構成としても構わない。
【0095】
また本発明の両面粘着シートは、両面粘着シート全体としても、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が0以上100μm以内、25%圧縮硬さが0.1MPa以上1.3MPa以下であることが好ましい。
【0096】
両面粘着シート全体としての1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が100μmよりも大きいと、被研磨体を一定の均一な厚みに研磨することが困難となる。つまり、圧力を掛けて研磨する際に厚みの厚い部分と薄い部分で圧力差が生じるからである。このため、研磨精度を必要とする場合は、両面粘着シートの1m2内の最大厚みと最小厚みとの差は、80μm以内であることが好ましく、60μm以内であることがより好ましい。
また、両面粘着シート全体としての1m2内の平均厚さは、研磨する際に圧力を掛けたときに所望する25%圧縮硬さを得ることと、両面粘着シートに対する水平方向の剪断力によって引き起こされるずり変形に抗するため400μm〜2.5mmであることが好ましい。尚、上記ずり変形は研磨特性を劣化させる。
両面粘着シートの厚さの測定は、プローブ直径10mm、印加荷重5kPaにおいて、1μm桁表示が可能なデジタル計測器により行われ得る。
【0097】
両面粘着シート全体としての25%圧縮硬さは、0.1〜1.3MPaであることが重要であり、0.15〜0.7MPaであることが好ましい。両面粘着シート全体としての25%圧縮硬さが発泡体シートの25%圧縮硬さよりも硬くなるのは、次の理由による。両面粘着シートを構成する層は発泡体層と各々厚さを有する粘着剤層、補強シート層からなり、両面粘着シートを25%圧縮させると、発泡体の圧縮変形が他の層より早いため発泡体が25%以上圧縮されるためである。
【0098】
ここでいう「両面粘着シートの25%圧縮硬さ」は、「発泡体シートの25%圧縮硬さ」と同様、両面粘着シートをJIS K 6400に記載される試験の一般的条件、即ち温度23℃、相対湿度50%の環境に24時間以上静置した後、該両面粘着シートを30mm×30mmに打ち抜き、約10mmの厚さとなるようにシートを重ね合わせ、同温湿度環境下にて前記重ね合わせたシート全面を50mm/分の速度で平行に圧縮し、元の厚みから25%圧縮させた際の応力をいう。
【0099】
両面粘着シート全体としての25%圧縮硬さが、0.1MPa未満だと両面粘着シートが柔軟に成り剪断変形を起こしやすいので、被研磨体全面の表面膜厚を均一に研磨することが難しくなる傾向にある。一方、1.3MPaを越えると両面粘着シートが硬くなる傾向にあるので、被研磨体表面の「凹凸」及び「うねり」に追随しないで標高の高い部分を優先的に研磨するので、被研磨体全面の表面膜厚を均一に研磨することが難しくなる傾向にある。
【0100】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。まず、使用する樹脂の合成例を示す。
【0101】
【合成例1】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン300g、及びトルエン300gを仕込み、2−ヒドロキシエチルアクリレート184g、及び2−エチルヘキシルアクリレート324gを室温で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間反応させた後、トルエン508gを加えて得られた生成物を化合物(1)とした。
【0102】
【合成例2】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン300g、及びトルエン300gを仕込み、2−ヒドロキシエチルアクリレート184g、及びエチルアクリレート176gを室温で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間反応させた後、トルエン360gを加えて得られた生成物を化合物(2)とした。
【0103】
【合成例3】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコに2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン300g、及びトルエン300gを仕込み、2−ヒドロキシエチルアクリレート198g、及びエチルアクリレート190gを室温で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間反応させた後、トルエン388gを加えて得られた生成物を化合物(3)とした。
【0104】
【合成例4】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにイソホロンジアミン300g、及びトルエン300gを仕込み、4−ヒドロキシブチルアクリレート254g、及びn−ブチルアクリレート226gを室温で滴下した。滴下終了後、80℃で1時間反応させた後、トルエン480gを加えて得られた生成物を化合物(4)とした。
【0105】
【合成例5】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにクラレポリオールP−2010(2官能ポリエステルポリオール、OH価56、株式会社クラレ製)257g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン株式会社製)43g、トルエン75g、及び触媒としてトリエチルアミン0.03gを仕込み、100℃まで徐々に昇温して、2時間反応を行った。滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル150gを加えた後、化合物(1)44gを1時間で滴下し、更に1時間熟成した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)2.1gを加えて反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50%、粘度4,000cps、数平均分子量MN20,000、重量平均分子量MW80,000であった。
【0106】
【合成例6】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにクラレポリオールP−2010(2官能ポリエステルポリオール、OH価56、株式会社クラレ製)257g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン株式会社製)43g、トルエン75g、及び触媒としてトリエチルアミン0.03gを仕込み、100℃まで徐々に昇温して、2時間反応を行った。滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル150gを加えた後、化合物(4)43gを1時間で滴下し、更に1時間熟成した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)2.1gを加えて反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50%、粘度4,000cps、数平均分子量MN22,000、重量平均分子量MW90,000であった。
【0107】
【合成例7】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにクラレポリオールP−2010(2官能ポリエステルポリオール、OH価56、株式会社クラレ製)258g、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート41g、トルエン75g、及び触媒としてトリエチルアミン0.03gを仕込み、100℃まで徐々に昇温して、2時間反応を行う。滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル150gを加えた後、化合物(3)37gを1時間で滴下し、更に1時間熟成した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)2.2gを加えて反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50%、粘度14,000cps、数平均分子量MN23,000、重量平均分子量MW80,000であった。
【0108】
【合成例8】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにプラクセル 220(ポリカプロラクトンジオール、ダイセル化学工業株式会社製)256g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン株式会社製)43g、トルエン75g、及び触媒としてトリエチルアミン0.03gを仕込み、100℃まで徐々に昇温して、2時間反応を行った。滴定でイソシアネート基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル150gを加えた後、化合物(2)37gを1時間で滴下し、更に1時間熟成した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)2.2gを加えて反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50%、粘度7,200cps、数平均分子量MN22,000、重量平均分子量MW90,000であった。
【0109】
【合成例9】
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにポリエーテルポリオールPP−2000(2官能ポリエーテルポリオール、OH価56、三洋化成工業株式会社製)257g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)43g、トルエン75g、及び触媒としてトリエチルアミン0.03gを仕込み、100℃まで徐々に昇温し2時間反応を行った。滴定でイソシアナト基残量を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル227g、アセチルアセトン0.9gを加えた後、化合物(2)53gを1時間で滴下し、更に1時間熟成した後、2−アミノ−2−メチル−プロパノール(長瀬産業株式会社製)2.0gを加えて反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50重量%、粘度3800mPa・s、数平均分子量MN27,000、重量平均分子量MW110,000であった。
【0110】
【合成例10】
撹拌後、還流冷却管、窒素導入管、温度計、及び滴下ロートを備えた4口フラスコにクラレポリオールP−2010(2官能ポリエステルポリオール、OH価56、株式会社クラレ製)271g、イソホロンジイソシアネート(ヒュルスジャパン株式会社製)29g、及びトルエン75gを仕込み、100℃まで徐々に昇温して2時間反応を行った。滴定でイソシアネート基消失を確認した後、40℃まで冷却し、酢酸エチル225gを加えた後、更に1時間熟成し反応を終了させた。この反応溶液、すなわち、ウレタン樹脂溶液は、無色透明で固形分50%、粘度17,000cps、数平均分子量MN46,000、重量平均分子量MW110,000であった。
【0111】
【実施例1】
本実施例では、図6に示すように、剥離シート(4)/粘着剤層(2’)/補強シート(3)/補強シート用接着剤層(6)/発泡体シート(1)/粘着剤層(2)からなる態様の両面剥離シート(4)に担持された両面粘着シート(10)を調製した。
すなわち、最初に、合成例5で合成したウレタン樹脂溶液100gに対して硬化剤(F)2gを配合し、更に酸化防止剤(H)0.5gを配合した。硬化剤(F)としては、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体75%酢酸エチル溶液を用いた。酸化防止剤(H)としては、IRGANOX L 135(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社)を用いて攪拌混合した粘着剤組成物塗液(金属イオン含有率21ppm)を、コンマコーターで乾燥膜厚30μmとなるように補強シート(3)となる75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(金属イオン含有率12ppm)全面に塗布し、粘着剤層(2’)を形成しつつ、巻き取り時に両面剥離処理してなるポリエチレンテレフタレート剥離シート(4)を該粘着剤層(2’)に0.3MPaの圧力でラミネートして、剥離シート(4)/粘着剤層(2’)/補強シート層(3)からなる粘着シート(C)を得た。
【0112】
次に、粘着シート(C)の補強シート(3)側に粘着性アクリル樹脂を含む粘着剤(東洋インキ製造(株)製、金属イオン含有率11ppm)100部とイソシアネート誘導体系硬化剤(東洋インキ製造(株)製)3部とを攪拌混合した粘着剤組成物塗液を前記と同様の方法で同様の乾燥膜厚となるように全面塗布し、補強シート用接着剤層を形成しつつ、巻き取り時に該補強シート用接着剤層に1m2内の平均厚さが1502μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が30μm、25%圧縮硬さが0.42MPa、金属イオン含有率が12ppmの軟質ポリウレタン発泡体シート(1−1)を0.3MPaの圧力でラミネートして、剥離シート(4)/粘着剤層(2’)/補強シート層(3)/補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−1)からなる粘着シート(B)を得た。
【0113】
最後に、ポリエチレンテレフタレート剥離シートを工程フィルムとして前記と同様のアクリル樹脂粘着剤組成物塗液を同様の方法で同様の乾燥膜厚となるように全面塗布し、粘着剤層(2)を形成しつつ、巻き取り時に該粘着剤層(2)に前記粘着シート(B)の発泡体シート(1−1)側を0.3MPaの圧力でラミネートした後、工程フィルムをはがし取り、図6に示すような、剥離シート(4)に担持された、粘着剤層(2’)/補強シート(3)/補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−1)/粘着剤層(2)からなる、1m2内の平均厚さが1667μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が32μm、25%圧縮硬さが0.44MPaの粘着シート(A−1)を得た。
【0114】
【実施例2】
実施例1で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例6で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率18ppm)を使用したこと、及び、発泡体シート(1−1)の代わりに、1m2内の平均厚さが1568μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が74μm、25%圧縮硬さが0.35MPa、金属イオン含有率14ppmの軟質ポリウレタン発泡体シート(1−2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/補強シート(3)/アクリル樹脂補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−2)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図6に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1733μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が75μm、25%圧縮硬さが0.37MPaとなる粘着シート(A−2)を得た。
【0115】
【実施例3】
実施例2で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例7で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率23ppm)を使用したこと以外は実施例2と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/補強シート(3)/アクリル樹脂補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−2)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図6に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1734μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が76μm、25%圧縮硬さが0.37MPaとなる粘着シート(A−3)を得た。
【0116】
【比較例1】
実施例1で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例9で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率22ppm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/補強シート(3)/アクリル樹脂補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−1)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図6に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1668μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が33μm、25%圧縮硬さが0.44MPaの粘着シート(A−4)を得た。
【0117】
【比較例2】
実施例1で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例7で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率23ppm)を使用したこと、及び、発泡体シート(1−1)の代わりに、1m2内の平均厚さが1568μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が250μm、25%圧縮硬さが1.31MPa、金属イオン含有率14ppmの軟質ポリウレタン発泡体シート(1−3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/補強シート(3)/アクリル樹脂補強シート用接着剤層/発泡体シート(1−2)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図6に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1733μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が251μm、25%圧縮硬さが1.43MPaとなる粘着シート(A−5)を得た。
【0118】
【実施例4】
本実施例では、図1に示すように、剥離シート(4)/粘着剤層(2’)/発泡体シート(1)/粘着剤層(2)からなる態様の両面剥離シート(4)に担持された両面粘着シート(10)を調製した。
すなわち、最初に、合成例5で合成したウレタン樹脂溶液100gに対して硬化剤(F)2gを配合し、更に酸化防止剤(H)0.5gを配合した。硬化剤(F)は、ヘキサメチレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体75%酢酸エチル溶液を用いた。酸化防止剤(H)は、IRGANOX L 135(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社)を用いて攪拌混合した粘着剤組成物塗液(金属イオン含有率21ppm)を、コンマコーターで乾燥膜厚30μmとなるように、両面剥離処理してなるポリエチレンテレフタレート剥離シート(4)全面に塗布し、粘着剤層(2’)を形成しつつ、巻き取り時に該粘着剤層(2’)に1m2内の平均厚さが1502μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が30μm、25%圧縮硬さが0.42MPa、及び金属イオン含有率12ppmの軟質ポリウレタン発泡体シート(1−1)を0.3MPaの圧力でラミネートして、剥離シート(4)/粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−1)からなる粘着シート(D)を得た。
【0119】
次に、ポリエチレンテレフタレート剥離シートを工程フィルムとして、粘着性アクリル樹脂を含む粘着剤(東洋インキ製造(株)製、金属イオン含有率11ppm)100部とイソシアネート誘導体系硬化剤(東洋インキ製造(株)製)3部とを攪拌混合した粘着剤組成物塗液を、前記と同様の乾燥膜厚となるように全面塗布し、粘着剤層(2)を形成しつつ、巻き取り時に該粘着剤層(2)に前記粘着シート(D)の発泡体シート(1−1)側を0.3MPaの圧力でラミネートした後、工程フィルムをはがし取り、図1に示すような、剥離シート(4)に担持された、粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−1)/粘着剤層(2)からなる、1m2内の平均厚さが1564μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が32μm、25%圧縮硬さが0.43MPaの粘着シート(E−1)を得た。
【0120】
【実施例5】
実施例4で用いた軟質発泡体シート(1−1)の代わりに、1m2内の平均厚さが1568μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が74μm、25%圧縮硬さが0.35MPa、金属イオン含有率14ppmの軟質ウレタン樹脂発泡体シート(1−2)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−2)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1629μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が75μm、25%圧縮硬さ0.36MPaとなる粘着シート(E−2)を得た。
【0121】
【実施例6】
実施例5で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例8で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率21ppm)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−2)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1629μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が75μm、25%圧縮硬さが0.36MPaとなる粘着シート(E−3)を得た。
【0122】
【比較例3】
実施例4で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例9で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率22ppm)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−1)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1563μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が31μm、25%圧縮硬さが0.43MPaの粘着シート(E−4)を得た。
【0123】
【比較例4】
実施例6で用いた発泡体シート(1−2)の代わりに、1m2内の平均厚さが1568μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が250μm、25%圧縮硬さが1.31MPa、金属イオン含有率14ppmの軟質ウレタン樹脂発泡体シート(1−3)を用いたこと以外は実施例6と同様にして、剥離シート(3)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−3)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1627μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が251μm、25%圧縮硬さが1.36MPaの粘着シート(E−5)を得た。
【0124】
【比較例5】
実施例4で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに武田薬品工業(株)製のポリオールポリウレタン(商品名:タケラックU−W1)100部に対して、武田薬品工業(株)製の多官能イソシアネート化合物(商品名:タケネートD−160N)を1.2部を配合して撹拌混合した粘着剤組成物塗液としたこと以外は実施例4と同様にして剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−1)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1563μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が31μm、25%圧縮硬さが0.43MPaの粘着シート(E−6)を得た。
【0125】
【比較例6】
実施例4で用いたウレタン樹脂溶液の代わりに合成例10で合成したウレタン樹脂溶液(金属イオン含有率10ppm)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、剥離シート(4)に担持された、ウレタン樹脂粘着剤層(2’)/発泡体シート(1−1)/アクリル樹脂粘着剤層(2)からなる、図1に示す構成と同様な構成であって、1m2内の平均厚さが1564μm、1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が32μm、25%圧縮硬さが0.43MPaの粘着シート(E−7)を得た。
【0126】
【物性評価】
(A)研磨試験
(1)研磨操作
実施例及び比較例で得られた粘着シート(50mm×300mm)の粘着剤層(2)側にJIS R6253に規定する1000番の耐水研摩紙を貼りあわせ、もう一方の粘着剤層(2’)側の剥離シート(4)を剥がしてから、粘着剤層(2’)を研磨装置(テスター産業社製)の定盤側に貼着した。
他方、前記研磨装置に、下記被研磨試料が前記耐水研摩紙と並行な位置に対向するように被研磨試料を装着し、前記耐水研磨紙と下記被研磨試料とを接触せしめ、荷重0.02MPaの圧力が掛かるようにし、純水を20mL/分の流量で供給しながら、20m/分の速度で、10分間研磨作業を行った。
【0127】
(2)被研磨試料
直径30.0mmの円形で平均厚さ0.130mm、一方の面の60度反射光沢度が14.7のポリカーボネートのシート(a)を、厚さ0.030mmの粘着剤層を介して、直径30.0mmの円柱状圧子に貼付し被研磨試料とした。
厚さ測定は、プローブ直径10mm、印加荷重50g/cm2において、1μm桁表示が可能なデジタル計測器により実施した。
【0128】
(3)評価方法
被研磨試料のポリカーボネートシート(a)の厚さを13箇所、研磨の前後でそれぞれ測定し、ばらつき度合いの少ないものを「○」、ばらつき度合いの大きいものを「×」、○と×の中間を「△」のように3段階で評価した。結果を表1に示す。
【0129】
(B)剥離強度試験
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた粘着シートのアクリル樹脂粘着剤層(2)側にポリエチレンテレフタレートフイルム(25μm厚)を貼合せ、長さ200mm、幅25mmとなるように試料を作成し、JIS Z0237に規定される方法にて剥離強度を測定した。測定条件は、90度剥離、引っ張り速度300mm/分、被着体SUS304、圧着から剥離までの時間20分とした。
【0130】
(C)塩基性経時剥離強度試験
前項(B)の剥離強度試験と同様に試料を作成して被着体に圧着し、2時間標準状態に静置した。その後、水酸化ナトリウムのpH11に調整した60℃の水溶液中に72時間浸漬した後、90度剥離、引っ張り速度300mm/分にて剥離強度を測定した。前項(B)の剥離強度試験と比較して、80%以下の強度を示した場合に、評価は不合格とした。
【0131】
(D)酸性経時剥離強度試験
前項(B)の剥離強度試験と同様に試料を作成して被着体に圧着し、2時間標準状態に静置した。その後、0.1Nに調製した硫酸水溶液(温度=60℃)中に72時間浸漬した後、90度剥離、引っ張り速度300mm/分にて剥離強度を測定した。前項(B)の剥離強度試験と比較して、80%以下の強度を示した場合、評価は不合格とした。
【0132】
(E)再剥離性試験評価方法
経時剥離強度試験後の被着体に粘着剤等の残留物が観測されなければ○、観測されれば×とした。
【0133】
(F)結果
【表1】
【0134】
軟質ウレタン発泡体シートの1m2内の最大最小厚みの差が100μmより大きいと、ポリカーボネートシートに均一に圧力が伝わらず、また、25%圧縮硬さが1.0MPaを超えると両面粘着シートに柔軟性がなくなり均一な研磨が進行しない。更に、ウレタン樹脂粘着剤のポリオール成分にポリエステルポリオールを選択しないと、研磨作業を想定した経時剥離強度が極端に低下し、研磨作業中に両面粘着シートが剥がれる等重大な欠陥を示す可能性がある。
【0135】
【発明の効果】
本発明の両面粘着シートを用いて研磨布を研磨装置に貼着し、被研磨体を研磨すると、ウェーハ全面の高低差に追随して同一厚さを研磨除去することができる。更に、安定した研磨作業も達成でき、かつ、粘着剤等の残渣もなく除去可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡体シートと、その両表面の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その一方の粘着剤層において両面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図2】発泡体シートと、その両表面の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その両方の粘着剤層において片面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図3】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その補強シート側粘着剤層において両面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図4】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その補強シート側粘着剤層とは反対側の粘着剤層において両面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図5】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その両方の粘着剤層において片面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図6】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シート用接着剤層と、その補強シート用接着剤層上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その補強シート側粘着剤層において両面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図7】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シート用接着剤層と、その補強シート用接着剤層上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その補強シート側粘着剤層とは反対側の粘着剤層において両面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【図8】発泡体シートと、その片側表面上の粘着剤層と、もう一方の表面上の補強シート用接着剤層と、その補強シート用接着剤層上の補強シートと、その補強シート上の粘着剤層とからなる本発明の両面粘着シートに、その両方の粘着剤層において片面剥離シートを設けた状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・発泡体シート;2,2’・・・粘着剤層;3・・・補強シート;
4・・・両面剥離シート;5,5’・・・片面剥離シート;
6・・・補強シート用接着剤層;10・・・両面粘着シート。
Claims (7)
- 発泡体シートと、その両面側に担持された粘着剤層を有する研磨布積層体用両面粘着シートであって、
前記両面粘着シートの1m2内の最大厚みと最小厚みとの差が100μm以下であり、且つ25%圧縮硬さが0.1MPa以上1.3MPa以下であり、
前記粘着剤層のうちの少なくとも一方の粘着剤層が、下記の第1成分(E)及び第2成分(F)又は(F’)を含有する粘着剤から形成されることを特徴とする研磨布積層体用両面粘着シート。
第1成分:
ポリエステルポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)を、ポリアミン(b1)と不飽和二重結合を有する化合物(b2)とをマイケル付加反応させて得られる化合物(B)と反応させてイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)を調製し、続いて、このイソシアネート基含有ポリウレタンポリウレア(C)と、イソシアネート基と反応し得る活性水素を有する化合物(D)とを、イソシアネート基に対し活性水素過剰の条件下にて反応させて調製される、活性水素を有するポリウレタンポリウレア(E)、
第2成分:
イソシアネート基を有する化合物(F)又はブロック化されたイソシアネート基を有する化合物(F’)。 - 前記発泡体シートが軟質ウレタン発泡体シートであり、その軟質ウレタン発泡体シートの金属イオン含有率、又は2つの粘着剤層の合計の金属イオン含有率のいずれか一方が5000ppm以下であるか、あるいは
前記軟質ウレタン発泡体シートの金属イオン含有率、及び2つの粘着剤層の合計の金属イオン含有率のいずれもが5000ppm以下である、請求項1に記載の研磨布積層体用両面粘着シート。 - 破断強度が40MPa以上500MPa以下の補強シートが、発泡体シートと一方の粘着剤層との間に設けられている、請求項1又は2に記載の研磨布積層体用両面粘着シート。
- 補強シートの金属イオン含有率が、5000ppm以下である、請求項3に記載の研磨布積層体用両面粘着シート。
- 発泡体シートに関して、補強シートとは反対側に位置する粘着剤層が、研磨布との貼着用である、請求項3又は4に記載の研磨布積層体用両面粘着シート。
- ポリエステルポリオール(a1)の重量平均分子量が、1000〜5000である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨布積層体用両面粘着シート。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨布積層体用両面粘着シートと研磨布とが積層されてなることを特徴とする研磨布積層体。
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