JP5697889B2 - 平滑加工用シート - Google Patents

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Description

本発明は、平滑加工用シートに関し、さらに詳しくは精密機器に用いられる基盤やレンズ、液晶ガラス等の加工に最適な平滑加工用シートに関する。
近年コンピューターなどの情報処理技術の発達に伴い、磁気記録媒体やシリコンウエハーに対する高精度の表面仕上げが要求されている。例えば磁気記録媒体のハードディスク等を製造する場合、被研磨物となるアルミニウム、ガラス等の表面を研磨し平滑化する加工が行われている。
そしてこの平滑加工には、高分子弾性体の多孔シートが広く用いられている。高分子からできた弾性体を、さらに多孔化することによってより柔軟になり、被研磨物に傷を与えることを有効に防止しうるからである。そしてこの平滑加工時に用いられる平滑加工用シートにおいては、より高い均質性と平滑性が要求されてきている。高くなった被研磨物の仕上がりに対する要求特性を、十分に満たせるように加工しうる素材が求められているのである。
このような平滑加工に用いられる多孔シートとしては、例えばポリウレタンの発泡体を作成し、それをフィルム、不織布、織布などからなる支持体の表面に張り合わせる製造方法が用いられている(特許文献1や、特許文献2など)。しかしポリウレタンの発泡体として、圧縮特性に優れる湿式凝固ポリウレタンを用いた場合には、平滑性に劣るという問題があった。そこで例えば、あらかじめ表面または裏面を研磨して平滑にしてから張り合わせなければならないという問題があった。また、張り合わせるためにその接着部分の物性が低下し、はがれが発生し、耐久性に劣るという問題があった。
特開2006−175576号公報 特開2006−62059号公報
本発明の目的は、精密機器に用いられる基盤やレンズ、液晶ガラス等における平滑加工に用いるための、均質性や平滑性に優れながら、耐久性に優れる平滑加工用シートを提供することにある。
本発明の平滑加工用シートは、フィルム上に、架橋剤を含有する高分子弾性体(A)からなる接着層と、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層が順に接して存在し、高分子弾性体(A)がポリエステルポリオール系の接着剤であり、高分子弾性体(A)のガラス転移温度Tgが40℃以上、80℃以下であり、高分子弾性体(B)からなる表面層の厚さが200〜1000μmの範囲であることを特徴とする。
さらには、架橋剤がイソシアネート系架橋剤であることや、最表面に多孔の開口部が存在することが好ましい。
本発明によれば、精密機器に用いられる基盤やレンズ、液晶ガラス等における研磨加工に用いるための、均質性や平滑性に優れながら、耐久性に優れる平滑加工用シートが提供される。
本発明の平滑加工用シートは、フィルム上に、架橋剤を含有する高分子弾性体(A)からなる接着層と、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層とが、順に存在することを必須とする。
本発明の平滑加工用シートにおいて用いられる接着層や湿式凝固層の支持体となるフィルムとしては、均質な厚みと硬度を持った合成樹脂からなるフィルムであることが好ましい。具体的には例えば合成樹脂フィルムとしては、主に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)や、ポリカーボネート(PC)などの素材が挙げられるが、なかでもポリエチレンテレフタレート(PET)がその均質性と取り扱いやすさから良好な素材であり好ましい。
また、フィルムの厚さとしては、10〜300μmの範囲であることが好ましく、50μm以上、特には100μm〜250μmの範囲がより好ましい。フィルムの厚みが薄いと十分な剛性をフィルムが有さず、接着層の成形や湿式凝固を行った多孔性シートが、成膜加工時に折れたり、張力等によりシワになったり、接着層の均一なコーティング加工が困難になる傾向にある。また逆にフィルムが厚い場合には、取り扱い性や加工性は向上するものの、できあがった多孔シートの剛性が高くなりすぎる傾向にある。フィルムが厚すぎる場合には、例えばロール状に巻き取るなどの加工時において巻き付けが困難になったり、または得られる多孔シートに巻き癖が付き、被研磨物の表面加工等に用いた後に、そりが発生したりするなどの欠点が生じる傾向にある。
そして本発明の平滑加工用シートには、このようなフィルム上に架橋剤と高分子弾性体(A)とを含有する接着層を有する。接着層にて用いられる高分子弾性体(A)としては通常の接着剤に用いられる高分子弾性体を用いることができ、エステル樹脂系の接着剤であることが好ましく、特にはポリエステルポリオール系の接着剤であることが好ましい。また接着層を構成する高分子弾性体(A)のガラス転移温度Tgが40℃以上であることが好ましい。上限としては80℃以下、特にはTgが60℃以下の範囲であることが好ましい。このような温度範囲にすることにより、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層とフィルムの間のより高い接着性を実現することが可能となる。
そして、本発明の接着層としては、架橋剤を含有することが必要である。末端に高い反応性基を有する架橋剤によって、高い接着性を発揮し、平滑加工用シートの耐久性を向上させうるのである。例えば本発明の平滑加工用シートを研磨加工に用いた場合、研磨液(スラリー)には水、酸、アルカリ溶液等が含まれるが、架橋剤を含むことにより、接着層の加水分解、酸アルカリによる分解等を有効に防止することが可能となった。加工中の支持体層と高分子弾性重合体からなる多孔質層との間での剥がれや、面平滑性の悪化を防止できるばかりでなく、研磨加工時に掛かる剪断方向の力に対しての耐久性をも向上させることが可能となったのである。
さらはこの架橋剤がイソシアネート系架橋剤であることが好ましい。特に多孔層を構成する高分子弾性体をポリウレタン樹脂とした場合、イソシアネート系の架橋剤は高い接着性を発揮しうる。さらに架橋剤中の反応性の高い置換基部分が反応封鎖基でブロックされたブロック型架橋剤であることも好ましい。ブロックされた反応封鎖基の解離温度としては80〜180℃の範囲であれば良く、さらには110℃から150℃の範囲であることが好ましい。
本発明にて好ましく用いられるこのようなブロック型イソシアネート架橋剤としては、ポリイソシアネートに活性水素を有するブロック剤を付加させることによって得られ、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、ポリオール基等の官能基と反応し硬化するものである。このようなブロックイソシアネートの例としては、例えばポリイソシアネート類としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロサキサンジイソシアネートなどの脂肪族環式イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチルなどの脂環族イソシアネート、これらのヌレート体などの多量体及び混合物を用いることができる。また、上記ブロック剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールなどの脂肪族、芳香族または複素環式アルコール、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサンオトキシムなどのオキシム類、その他にカプロラクタムなどを挙げることができる。
本発明の平滑加工用シートでは、フィルム上にこのような架橋剤を含有する高分子弾性体(A)からなる接着層を有する。接着層の厚さとしては、5〜100μmであることが好ましく、特には5〜35μmの厚さであることがより好ましい。この接着層の厚さは、処理液の塗布量や、固型分濃度を変更することにより調整しうる。接着層の厚みが小さすぎる場合には、接着層や表面層のコーティング加工における装置の些細な歪み等により、接着不良等を引き起こす傾向にある。一方逆に接着層の厚さが大きすぎる場合には、得られる平滑加工用シートの柔軟性に悪影響を及ぼす傾向にある。接着層が厚くなりすぎてしまい。接着層の影響が素材の硬さに影響を及ぼすようになるのである。例えば、平滑加工用シートの剛性が高くなりすぎると、平滑加工用シートをロール状に巻き取る際に、巻き付けが困難になるばかりではなく、巻き癖が付くために、平滑加工用シートに、そりが発生するなどの問題点が出てくる傾向にある。
本発明の平滑加工用シートでは、このような接着層の表面に、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層が存在することを必須とする。
ここで用いられる高分子弾性体(B)としては、ポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマー等が挙げられるが、なかでもポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー等のポリウレタン系のエラストマーであることが好ましい。さらに例えばポリウレタン系エラストマーの場合には、平均分子量500〜4000のポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリエステル・エーテルグリコール、ポリカプロラクトングリコール、ポリカーボネートグリコール等から選ばれた、一種または二種以上のポリマーグリコールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレジンイソシアネート、トリレジンイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等の有機ジイソシアネートと、低分子グリコール、ジアミン、ヒドラジン、又は有機酸ヒドラジッド、アミノ酸ヒドラジッド等のヒドラジン誘導体等から選ばれた鎖伸長剤を反応させて得られるものであることが好ましい。
また、本発明の平滑加工用シートにて用いられる高分子弾性体(B)の物性としては、その100%モジュラスは2〜30MPaであることが好ましい。さらには2〜10MPaの範囲であることが好ましい。この100%モジュラスと多孔層における多孔の分布により、研磨加工に適した多孔シートとなるのである。本発明の平滑加工用シートは、多孔の高分子弾性体からなる表面層が、その厚み方向に適度のクッション性を持たせることにより、被研磨物への表面密着性とフィット性をよくし、研磨用のシートとしての性能の安定化を実現する。100%モジュラスが小さすぎる場合、その高分子弾性重合体中の結晶成分が極端に少なくなり成膜時に安定した多孔フィルムを成型しにくいため、使用しにくい傾向にある。逆に100%モジュラスが大きすぎる場合、高分子中の結晶成分が多く、弾性挙動が少なくなり、研磨加工時の圧力の分散が不均一となる傾向にある。例えば直接的に研磨加工に用いた場合には、被研磨体表面におけるマイクロスクラッチなどの欠点が多くなる傾向にある。このように100%モジュラスを調整することにより、本発明で得られる多孔シートの圧縮時の変形率(圧縮率)や圧縮後の回復性を示す圧縮弾性率などを適正化することが可能となる。この多孔シートの圧縮率や圧縮弾性率は、多孔シートを使用する被研磨物によって変更することが必要であり、適正化により被研磨物の種類毎に異なる要求特性(被研磨物の研磨後の表面粗さ、うねり、端部形状や研磨レート、パッド寿命など)にあわせる多孔シートにすることができる。
本発明では、表面層は多孔構造をとるが、多孔状態としては、おむすび型の大きな孔と微多孔からなる断面多孔を調整し成形されたものであることが特に好ましい。このような形状とすることにより、研磨加工に適した弾性率を得ることができる。小変形時には大きな多孔が変形し、大変形時には微多孔や、弾性体事態が持つ弾性変形により、各種応力に対し連続的に被研磨物に掛かる荷重をコントロールしうるのである。高分子弾性重合体からなる多孔フィルムはその厚み方向に適度のクッション性を持たせることにより被研磨物への表面密着性とフィット性をよくし、研磨パッドや、あるいは被研磨物を保持するための吸着パッドとして用いることにより、被研磨物の研磨精度を高めることができるようになった。
本発明の平滑加工用シートは、このようにフィルム上の接着層のさらに上と、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層が存在するのであるが、表面層の多孔状態としては、涙型の大きな孔と微多孔からなる断面多孔を有することが特に好ましい。厚さとしては200〜1000μmの範囲であることが、より好ましくは300〜900μmの厚さであることが好ましい。このような形状とすることにより、平滑化加工に適した弾性率を得ることができる。小変形時には大きな多孔が変形し、大変形時には微多孔や、弾性体事態が持つ弾性変形により、各種応力に対し連続的に被研磨物に掛かる荷重をコントロールしうるのである。高分子弾性重合体からなる湿式成膜フィルムはその厚み方向に適度のクッション性を持たせることにより被研磨物への表面密着性とフィット性をよくし、吸着パッドや研磨パッドとして用いることにより、被研磨物の研磨精度を高めることができるようになるのである。また、この多孔層の多孔構造が均一でその多孔層の両側にスキン層を有するものであることが好ましい。特に多孔層と接着層の間に存在するスキン層は、圧縮による疲労性を向上させるために有効である。
また表面層の多孔層の見かけ密度としては、0.10〜0.40g/cmの範囲であることが好ましく、0.15〜0.35g/cmであることがより好ましい。見かけ密度が小さすぎる場合には、平滑化加工時の圧力による平滑加工用シートの変形が大きくなり、被研磨物表面の大きな周期の加工斑が大きくなる傾向にある。応力分散が大きくなるために加工時の圧力が安定しにくいためである。また逆に密度が大きすぎる場合には、多孔層が圧縮された時の変形率が小さくなり、被研磨物表面の小さな周期の加工斑が大きくなる傾向にある。研磨加工時に平滑加工用シートの反発性が高くなるが、どうしても部分的な応力集中が発生し、その部分だけ研磨が進むためである。
本発明の平滑加工用シート表面の算術平均表面粗さRaとしては、平滑加工後の被研磨物の十分な表面平滑性を満たすために、0.01〜2.0μmの範囲であることが好ましい。さらには、0.01〜1.0μmの範囲が好ましい。Raが高すぎる場合、特に研磨パッドとして用いた場合、多孔層表面を研磨により平滑化する調整を行ったとしても、研磨前に存在する表面凹凸の影響を免れることが困難である。研磨加工時に被研磨物と密接しない部分が生じやすく、研磨不良となる傾向にある。また、平滑加工用シートを吸着パッドとして用いた場合、ガラス等の被研磨物を吸着させる時に、空気等が凹部分に入り密着性が悪くなり、部分的な吸着不良となるばかりか、研磨斑等を生じやすい傾向にある。
なお、ここで「算術平均表面粗さRa」としては、JIS B061−1994に基づき、測定した粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さL(エル)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
Ra=1/L∫|F(x)|dx
(積分範囲0→L(エル))
このような本発明の平滑加工用シートは、例えばその製造方法として、フィルム上に、架橋剤と高分子弾性体(A)を含有する接着処理液を塗布、乾燥して架橋剤を含有する高分子弾性体(A)からなる接着層とし、その表面に多孔の高分子弾性体(B)を、例えば水を主成分とする凝固浴中にて湿式凝固することにより得ることができる。
ここで接着層を形成するためには、フィルム上に架橋剤と高分子弾性体(A)を含有する接着処理液を塗布、乾燥させるが、その接着処理液の塗布後の乾燥条件としては、乾燥温度が100℃以下であることが好ましい。特には60〜80℃であることが好ましく、さらには接着層の形成後なるべく早いタイミングで多孔層を成膜することが好ましい。このような低い温度にて乾燥させることにより、接着処理液を完全に乾燥することなく、その上に引き続き塗布する多孔層との接着性をより高めることが可能となる。高すぎる温度で乾燥した場合には、架橋剤が失活し接着性が低下する傾向にある。逆に乾燥温度が低すぎる場合には、接着層が粘着性を有し、巻き取り等の次の工程において不良の原因となる傾向にある。
そして生産性を上げるためには、接着層を付与、乾燥した後に、一旦フィルムと接着層からなるシートを巻き取ることが好ましい。ただしこの場合には、高温雰囲気下や、高湿度雰囲気下に長時間放置しないことが必要であり、室温である5〜25℃の範囲で保管することが好ましい。接着性を維持するためである。一方巻き取るためには、接着層はタック性を有さないことが好ましい。タック性(粘着性)を有した場合には、巻き取り後の工程を行う際に接着層の剥がれが発生し、得られたシートの接着性が低下する場合があるからである。
本発明の平滑加工用シートは、例えばこのような接着層の表面に、引き続き高分子弾性体(B)と有機溶剤からなる溶液を塗布し、水を主成分とする凝固浴中にて湿式凝固して多孔層を形成することにより得ることができる。
この接着層の表面に高分子弾性体(B)と有機溶剤からなる溶液を塗布する塗布方法としては、ロールコート方式やナイフコート方式を採用することが好ましい。より具体的には、フィルム上に成膜された接着層の上に、所定のクリアランスを設けたロールやナイフにより、適量のコーティング液を塗布し、コーティング処理を行う方法が好ましい。
また、多孔層を形成するために用いられる高分子弾性体(B)としては、ポリウレタンエラストマー、ポリウレアエラストマー、ポリウレタン・ポリウレアエラストマー、ポリアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンエラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマー等が挙げられる。さらに使用する高分子弾性体(B)としては、樹脂単体でも良いが、2種以上の樹脂をブレンドして使用することも好ましい。ブレンドによる使用を行うことにより、多孔層の弾性や塑性を調整し、最適な圧縮変形状態に制御することが可能になる。例えば多孔層の変形挙動制御のためには、ポリウレタン樹脂の構成セグメント比率(ハード成分・ミッド成分・ソフト成分)のバランスを変化させることが有効であり、このような構成セグメント比を各種樹脂のブレンド比率によって調整することも可能である。また、高分子弾性体(B)の物性としては、その100%モジュラスは2〜30MPaであることが好ましい。さらには2〜10MPaの範囲であることが好ましい。
この高分子弾性体(B)の溶液中には、多孔構造を調整する各種添加剤を添加することも好ましい。高分子弾性体(B)は、水を主成分とする凝固浴中にて湿式凝固して多孔層を形成するが、各種添加剤により、湿式凝固時の多孔状態を調整することが可能となる。
高分子弾性体(B)がポリウレタン樹脂の場合には、有機溶剤としてはジメチルホルムアミド(DMF)を用いることが、湿式多孔を得るためには好ましい。この場合、DMFに溶解させた高分子弾性体溶液に、湿式凝固助剤としてのセルロース系添加剤や、着色剤としてのトーナー等を併用することが好ましい。また、湿式多孔構造の形成助剤として、シリコーン系の親水剤や疎水剤を添加した溶液を用いることも好ましい。
より具体的には、例えば高分子弾性体(B)がDMFに溶解したポリウレタン樹脂の場合、処理溶液中のDMFを凝固浴において、水と置換し湿式凝固成膜を行うことができる。このとき凝固浴としては、0〜20%の範囲好ましくは、0〜10%の範囲のDMFを含有する水溶液を用いることが通常である。この凝固浴に溶液を塗布したシートを浸漬させることにより、涙型あるいは円筒型の大きな孔と微多孔からなる断面多孔を持つ多孔層が形成される。水中における有機溶剤の濃度が高すぎると、凝固速度が遅くなり、表面の平滑性が低下する傾向にある。多孔層内部が未凝固の間に製造工程におけるロール等に接するために、ロールとの接圧により多孔層の表面皮膜がずれた状態で凝固し、表面凹凸が大きくなる傾向にあるのである。
この製造方法では、湿式凝固し多孔層を形成した後に、さらに水あるいは温水中に浸漬することにより、多孔内に残留するDMFなどの有機溶剤を、多孔層から除去することが好ましい。さらに得られたシートは、乾燥処理を行い平滑加工用シートとなる。
この平滑加工用シートの乾燥処理における乾燥温度としては、90〜120℃が好ましく、100〜120℃がより好ましい。湿式凝固により多孔層を形成する際には、高分子弾性体溶液中のジメチルホルムアミド等の有機溶剤が水と置換されるが、低い温度で乾燥すると、多孔層内に残存する水分の蒸発が十分に起こりにくくなり、乾燥時間が非常に長くなり、生産効率が低下する問題が発生する傾向にある。逆に高い温度で一気に乾燥処理を行うと、多孔層内に残存するジメチルホルムアミド等の有機溶剤が突沸、蒸発し、品質が低下する傾向にある。形成された多孔層の表面や内部を有機溶剤が再溶解し、多孔を閉孔したり、表面平滑性を悪化させたりする場合があるのである。乾燥温度としては、特には100℃〜120℃の範囲であることが好ましい。架橋剤中などには、若干の有機溶剤(例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)が含まれるが、これらの有機溶剤の気化を促進し、平滑加工用シート内の残溶媒量を減らすことができるからである。また、この乾燥により未反応であった架橋剤中の置換基部分が高分子弾性体中のウレタン基等と反応し、多孔層と接着層、接着層とフィルムとの接着強度を強固にすることとなる。
このような上記の製造方法により、本発明の優れた平滑加工用シートを製造することが可能となる。
本発明の平滑化効用シートは、接着層中に存在する架橋剤と、表面層中の多孔の高分子弾性体(B)とが、架橋反応していることがその物性を高めているのであると考えられる。これは、上記の製造方法において、例えば接着処理液が有機溶剤溶液であって水を含まない場合、多孔層を構成する高分子弾性体(B)と架橋反応が起こるが、その後の湿式凝固の際に水を主成分とする凝固浴中で余分な架橋剤が失活し、その後の乾燥等によっても必要以上に硬度が硬くなることなく、平滑加工用シートの物性を適度に柔軟に保つのであると考えられる。さらに架橋剤は接着層の高分子弾性体(A)等と架橋反応を起こし、接着力を向上させるのである。
このような本発明の平滑加工用シートでは、その研磨加工の精度向上の要因として、平滑加工用シートの平滑さが重要となる。最表面はフラットであることが好ましく、例えば表面に多孔層を成形させた後、さらに加熱プレスによりに表面の平滑性を向上させたものであることも好ましい。
表面を加熱プレスする方法としては、一枚の多孔シート毎にフラットな平板にて均一に熱と圧力をかけてプレスする方法や、表面がフラットな金属ロールに多孔シートの表面を押しつけて加熱プレスを行う方法などを挙げることができる。さらにはシート状態で金属ロールを用いて加熱プレス加工する方法が、生産性も良く好ましい。金属ロールを用いる場合、平滑な2本の金属ロール間でプレスする方法以外に、片方のみ平滑な金属ロールでプレスする方法などを採用することもできる。
また、より好ましい加熱プレスの方法としては、平滑なフィルムを多孔層に接するように設置し、そのフィルムの多孔層の反対側から加熱するフィルムプレス方法であることが好ましい。
このフィルムプレスのより具体的な方法としては、例えば多孔シートの基体となるフィルム上に接着層と多孔層を形成させた後、その多孔層の表面に、平滑な合成樹脂フィルム表面を密着させながら、金属板状物や金属ロールを介して熱を付与し、加圧する方法を挙げることができる。このフィルムプレス加工により、合成樹脂フィルム表面の持つ表面粗さの低い形状を多孔層の表面に転写することができ、例えば多孔シートの表面の算術平均表面粗さRaを極めて低いレベルとすることが可能となる。
またこのとき加工プロセスとしては、連続的(連続加工処理)あるいは非連続(バッチ加工処理)プロセスを採用することができ、生産性の面からは連続加工処理であることが好ましい。
また平滑性を向上させるためにはフィルムプレスに用いる合成樹脂フィルムの算術平均表面粗さRaとしては、0.01〜0.50μmであることが好ましい。
このフィルムプレス工程に用いることができる合成樹脂フィルムの種類は、プロセスでの処理時間や加熱ロール温度、プロセスのおける合成樹脂フィルムに掛かる張力等により選択することが可能である。このような合成樹脂フィルムの素材としては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)などの素材が挙げられる。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)がその均質性と取り扱いやすさ及び耐熱性の点から、特に好ましい。
合成樹脂フィルムの好ましい厚みとしては、0.10mm〜0.50mmの範囲であることが好ましく、0.15mm〜0.30mmの範囲がより好ましい。薄い場合には加圧時の合成樹脂フィルムの変形が大きく、皺などがフィルム表面に入り易いという問題がある。このような場合、平滑加工用シートの多孔層にしわ等が転写され、欠点となる傾向にある。厚すぎる場合には、加熱する金属ロールや金属板からの熱伝達率が低下する問題がある。平滑な合成樹脂フィルム表面の平滑加工用シートへの転写が不十分となる傾向にあるのである。
合成樹脂フィルムの裏面に密着させながら加熱する物としては、熱伝導性が良好で、熱膨張しにくい金属製が好ましい。形状としては、ロール状や板状などが採用できるが、表面粗さをより向上するためには、その表面形状が鏡面であることが好ましい。また、熱処理を行う場合、同時に圧力を付与することが好ましく、そのためには基材の多孔質層が存在しない側、すなわちフィルムプレスに用いるフィルムの反対側を、支持物に接触させ保持することが好ましい。このような支持物を用いることにより、平面状態を保ったまま加熱し、加圧することが容易となる。プレス用のフィルム表面が、吸着パッド用素材に密着する時間を長くすることができる。支持物としては金属ロールや金属板でも良いが、フェルト状物や織編物、メッシュ状物等のシート状物を用いることが好ましい。
加熱温度としては、60〜200℃が好ましく、特には100〜180℃がより好ましい。低い温度であると、熱接触時間を長くとったとして平滑な合成樹脂フィルム表面の転写が十分でなく、目的の平滑性が得られない傾向にある。また、高い温度の場合、多孔シート表面の軟化が進み過ぎて、合成樹脂フィルムへ融着したり、プロセス通過後に剥離できない等の不具合を生じる傾向にある。
加熱プレス時の加圧圧力としては、1〜10kg/cmの範囲が好ましく、4〜8kg/cmであることがより好ましい。圧力が低いと十分な合成樹脂フィルム表面の転写ができず、目的の表面粗さが得られない傾向にある。逆に高すぎると、加工後に合成樹脂フィルムからの剥離が困難となる傾向にある。工程通過性や、多孔層の表面が剥がれ落ちるなどの問題を生じる傾向にある。
また加熱プレスの際には、合成樹脂フィルム表面を多孔層の表面に密着するように接することが必要であるが、一定時間熱を付与した後、一定時間冷却することにより、熱固定を促進させることが好ましい。冷却時間としては5分以上であることが好ましい。加熱温度、冷却温度は、取り扱う高分子弾性体(B)の分子量や高分子の種類、架橋度などを参考に、ガラス転移点温度や流動開始温度等の高分子弾性体の特性に応じて決定することができる。
加熱プレスすることにより、本発明の平滑化効用シートの仕上がり面を調整することができる。また、プレスにおける圧縮率は、プレス前の厚みに対し、30〜95%の範囲が好ましい。加熱温度が低すぎる場合には、表面の平滑性の向上効果が十分に得られず、一方高すぎる場合には、多孔層の多孔構造がつぶれてしまい、性能が低下する傾向にある。また、圧縮しすぎた場合も同様に多孔構造がつぶれてしまい、圧縮が少ない場合には、表面の平滑性向上効果があまり得られない。
本発明の平滑加工用シートは平滑化加工等の加工目的に用いる物であるが、平滑化加工としては、精密機器に用いられる基盤やレンズ、液晶ガラス等における平滑化加工として、被研磨物の両面に研磨加工を同時に行う方法と、被研磨物を保持しながら片面のみに研磨加工を実施する方法がある。本発明で得られた平滑化効用シートは、これらの精密機器用の平滑化加工においては、研磨パッドとして用いることや、被研磨物を保持する吸着パッドに用いることが可能である。
本発明の平滑加工用シートを研磨パッドとして用いる場合には、その最表面をさらに研磨処理することが好ましい。そのようにして表面に多孔を露出させることにより、研磨液(スラリー)を安定して被研磨物に作用させることが可能となる。また、研磨精度の要因として表面における平滑さが重要となるため、多孔層を成形させた後、上記の加熱プレスによりに表面の平滑性を向上させた後に、その表面を開孔するという手段を用いることもできる。
このような研磨を目的とする研磨用シート(研磨パッド)の作成方法をさらに具体的に述べると、多孔層の表面を開孔するためには、平滑加工用シートの多孔層の深さが所定の長さになるように、砥粒付きサンドペーパーを用いて平滑加工用シートの研磨加工処理を行う方法である。砥粒付きサンドペーパーの番手としては、研磨量に応じて#120〜#1000から適宜選択して使用することができる。研磨パッドの場合、多孔層表面の孔径(開口径)は、20〜130μmの範囲であることが好ましく、30〜100μmがより好ましい。孔径が小さい場合、研磨加工時に用いるスラリー(研磨液)の多孔層内での循環不良や、研磨加工時の削り粉が開口部入り口あるいは、多孔内部に詰まる傾向にある。この場合、スラリーの循環が妨げられ、研磨加工に時間を要する上、所望の研磨表面が得られない傾向にある。また、孔径が大きい場合、研磨パッド表面の被研磨物と接触する面積が減ることとなり、スラリーの循環量こそ増えるものの、研磨レートが低下する等、研磨加工の非効率化をもたらす傾向にある。多孔層表面と被研磨物の間に存在し得るスラリーが減少することにより、物理化学的な研削仕事量の低下を招いてしまうためである。
一方、本発明の平滑加工用シートを吸着パッドとして用いる場合には、湿式多孔表面には微小な孔が開いているので、表面を研磨することなくそのまま本発明の平滑加工用シートを用いることができる。さらには先に述べた加熱プレスなどの平滑化加工を行うことが好ましい。吸着パッドは、吸着、保持を目的とするため、平滑性により加工物との密着性が向上することが有効なのである。ことに吸着パッドが用いられる片面研磨加工については、高い均質性と平滑性が要求されてきている。近年、液晶用ガラスを用いた製品の需要が高騰している上、液晶用ガラスの大きさも大型化、それに伴う研磨機の大型化が進んでいるためである。本発明の平滑加工用シートはその要求に高いレベルでこたえることができる。
本発明の平滑加工用シートは、フィルムの接着層や表面層が存在しない側に両面テープを接着し、研磨加工機の定盤に両面テープを用いて接着することにより、平滑加工用シートとして用いることができ、さらに具体的には研磨パッドや吸着パッドとしても用いることができるのである。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお濃度は特に記載のない限り重量%で、算術平均表面粗さRaは下記の方法にて測定した。
(1)算術平均表面粗さRa
表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ製、品番SJ−301)にてJIS B0601:1994に基づき、カットオフ値(λc:粗さ曲線断面曲線から波長の長い成分(うねり成分や形状精度成分)を除去する長さ)2.5mm、評価長さ12.5mm、使用測定検出器先端のR:10μm(SR10検出器)の設定にて測定した。
Ra=1/L∫|F(x)|dx
(積分範囲0→L(エル))
[実施例1]
接着処理液に用いる高分子弾性体(A)としてポリエステルポリオール系接着剤(大日精化株式会社製、E−256)と、架橋剤に用いるイソシアネート系架橋剤とを、重量比100:10となるように混合し、固形分濃度を25%となるよう溶剤で調整した溶液を準備した。
厚み188μmのポリエステル(PET)フィルムの上に、ポリエステルポリオール系接着剤からなる上記接着処理液を、クリアランス100μmの条件にてコーティングし、80℃の乾燥機で2分乾燥させ、ポリエステルフィルムの上に25μmの接着層を形成したベース基材を得た。接着層の厚みは、一般の厚さ計で測定した。その後、サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で再測定したところ、膜厚は24μmであった。
上記で得られた接着層上に、100%モジュラスが7MPaであるポリエーテルエステル系ポリウレタンの20%濃度のジメチルホルムアミド(以下DMFとする)溶液にシリコーン系の凝固調節剤を添加した高分子弾性重合体溶液を800g/mとなるようにコーティングした後、7%DMF水溶液の凝固バス中で凝固し、十分に水洗を行い、多孔質層内に残存しているDMFを除去した後、乾燥温度110℃で15分乾燥し、厚みが550μmの多孔質層を持つシートを得た。サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は25μmであった。さらに、多孔層(表面層)の算術平均表面粗さRaを表面粗さ計測器(ミツトヨ(株)製)にてJIS B0601:1994に基づいて測定したところ、Raは、1.72μmであった。
その表面を#150のサンドペーパーで表面研磨処理し、多孔質層の表面に微多孔を除いた孔径が30〜70μmの範囲で分布する開口を形成した。算術平均表面粗さRaは、4.53μmであった。得られた平滑加工用シートのポリエステルフィルムの接着層や表面層のコーティングされていない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(研磨パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(研磨パッド)を用いて、ガラスの研磨加工を行ったところ、ガラス表面の平滑性(うねりや端部ダレ具合)、研磨レート(一定時間における研削率)も良好で、研磨使用時の多孔層の剥がれも全く起こらなかった。
[実施例2]
実施例1の高分子重合体溶液の塗布量を800g/mから950g/mとなるようにコーティングするよう変更した以外は、実施例1と同様に行い、多孔質層を持つシートを得た。(なお、このものは研磨による開孔処理を行っていない。)サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は24μm、多孔層は、800μmであった。算術平均表面粗さRaは、1.27μmと表面平滑性に優れるものであった。
得られたシートのポリエステルフィルムのコーティングされていない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(吸着パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(吸着パッド)を用いて、ガラスを吸着、保持させ、研磨加工を行ったところ、研磨加工中にガラスが研磨機から飛び出したりすることなく安定的に研磨加工が行え、研磨後のガラス表面の平滑性(うねりや端部ダレ具合)も良好で、研磨使用時の多孔層の剥がれも全く起こらなかった。
[実施例3]
実施例1と同様に行い、多孔質層を持つシートを得た。(なお、このものは研磨による開孔処理を行っていない。)次に、得られたシートの多孔層側表面を、算術平均表面粗さRa0.07μmの厚さ0.25mmのポリエステルフィルムの表面に密着させた状態で、ポリエステルフィルムの裏面側から金属ロールを介して150℃に加熱し、加圧圧力5kg/cmにて連続的に6分間、加熱フィルムプレス処理を行った。
サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は24μm、多孔層は、500μmであった。算術平均表面粗さRaは、1.40μmであった。
さらに、その表面を実施例1と同様に研磨加工して、多孔層表面に微多孔を除いた孔径が30〜70μmの範囲で分布する開口を形成し、平滑加工用シート(研磨パッド)を作製した。算術平均表面粗さRaは、3.78μmで、実施例1より優れたものであった。
得られた平滑加工用シート(研磨パッド)のポリエステルフィルムの接着層や表面層を有さない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(研磨パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(研磨パッド)を用いて、ガラスの研磨加工を行ったところ、ガラス表面の平滑性(うねりや端部ダレ具合)が実施例1よりさらに向上し、研磨レート(一定時間における研削率)も良好で、研磨使用時の多孔層の剥がれも全く起こらない優れたものであった。
[実施例4]
実施例1の高分子重合体溶液の塗布量を800g/mから950g/mとなるようにコーティングするよう変更した以外は、実施例1と同様に行い、多孔層を有するシートを得た。(なお、このものは研磨による開孔処理を行っていない。)次に、得られたシートの多孔層側表面を、算術平均表面粗さRa0.07μmの厚さ0.25mmのポリエステルフィルムの表面に密着させた状態で、ポリエステルフィルムの裏面側から金属ロールを介して150℃に加熱し、加圧圧力5kg/cmにて連続的に6分間、加熱フィルムプレス処理を行った。
サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は25μm、多孔層は、820μmであった。算術平均表面粗さRaは、0.98μmであった。
得られた平滑加工用シート(吸着パッド)のポリエステルフィルムの接着層や表面層を有さない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(吸着パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(吸着パッド)を用いて、ガラスを吸着、保持させ、研磨加工を行ったところ、研磨加工中にガラスが研磨機から飛び出したりすることなく安定的に研磨加工が行え、研磨後のガラス表面の平滑性(うねりや端部ダレ具合)も実施例2に比べて、更に良好で、研磨使用時の多孔層の剥がれも全く起こらなかった。
[実施例5]
実施例1の多孔層の形成に用いたポリウレタンの100%モジュラスを7MPaから23MPaとする以外は、実施例1と同様に行い、多孔層を有するシートを得た。(なお、このものは研磨による開孔処理を行っていない。)
サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は24μm、多孔層は、700μmであった。算術平均表面粗さRaは、0.86μmであり、実施例2より優れるものであった。
得られた平滑加工用シート(吸着パッド)のポリエステルフィルムの接着層や表面層を有さない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(吸着パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(吸着パッド)を用いて、ガラスを吸着、保持させ、研磨加工を行ったところ、パッド自体の表面平滑性は実施例2より優れているものであった。しかし、多孔層の弾性不足によるガラスの吸着力不足傾向が見られた。
[実施例6]
実施例1の多孔質層の形成に用いたポリウレタンの100%モジュラスを7MPaから23MPaとする以外は、実施例1と同様に行い、多孔層を有するシートを得た。(なお、このものは研磨による開孔処理を行っていない。)
サンプリングしたサンプルの断面層を電子顕微鏡で測定したところ、膜厚は、接着層は23μm、多孔層は、480μmであった。算術平均表面粗さRaは、0.90μmであった。
さらに、その表面を実施例1と同様に研磨加工して、表面に開口を形成し、平滑加工用シート(研磨パッド)を作製した。算術平均表面粗さRaは、3.23μmで実施例1より優れたものであった。
得られた平滑加工用シート(研磨パッド)のポリエステルフィルムの接着層や表面層を有さない面に、研磨機定盤に固定化しておくことを目的とした両面テープを貼り合わせ、平滑加工用シート(研磨パッド)を作製した。作製した平滑加工用シート(研磨パッド)を用いて、ガラスの研磨加工を行ったところ、パッド自体の表面平滑性は実施例1より優れたものであった。しかも多孔層に用いているポリウレタンの100%モジュラスが高く、低弾性のため、研磨レート、端部ダレは非常に少ないものであった。しかし、低弾性のため、ガラスへのスクラッチ(加工傷)が多い傾向にあった。
[比較例1]
実施例1の接着処理液から架橋剤であるイソシアネート系架橋剤を抜いた以外は、実施例1と同様に行い、多孔シートを得た。しかし、得られた多孔シートの多孔層は、部分的にポリエステルフィルム上から剥がれて、浮いた状態になっており、表面平滑性が非常に悪く、研磨パッドや吸着パッド等の加工用シートに適さないものであった。
本発明は、精密機器に用いられる基盤やレンズ、液晶ガラス等における研磨加工時に被研磨物の被研磨面の平坦性を安定的に向上させ、かつ加工中に支持体層と高分子弾性重合体からなる層との間で剥がれない性能を実現し、加工途中のトラブルの少ない長期間の使用が可能となる平滑加工用シートである。

Claims (5)

  1. フィルム上に、架橋剤を含有する高分子弾性体(A)からなる接着層と、多孔の高分子弾性体(B)からなる表面層が順に接して存在し、高分子弾性体(A)がポリエステルポリオール系の接着剤であり、高分子弾性体(A)のガラス転移温度Tgが40℃以上、80℃以下であり、高分子弾性体(B)からなる表面層の厚さが200〜1000μmの範囲であることを特徴とする平滑加工用シート。
  2. 架橋剤が、ブロック型イソシアネート系架橋剤である請求項1記載の平滑加工用シート。
  3. 高分子弾性体(B)の100%モジュラスが2〜30MPaである請求項1または2記載の平滑加工用シート。
  4. 多孔の表面層の見かけ密度が0.10〜0.40g/cm の範囲である請求項1〜3のいずれか1項記載の平滑加工用シート。
  5. 最表面に多孔の開口部が存在する請求項1〜4のいずれか1項記載の平滑加工用シート。
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