JP2008036784A - 研磨方法および研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被研磨テープを替えることなく、ウェハ端面の表面粗さが抑制される研磨方法および研磨装置を提供する。
【解決手段】フィルム基材41の表面に設けられた接着層42に砥粒43が固定された研磨テープ40を用い、ウェハWの端面側に研磨液を供給した状態で、ウェハWの端面を研磨する研磨方法において、接着層42のガラス転移温度(Tg)よりも低い処理温度で、ウェハWの端面を研磨する第1研磨工程と、接着層42のTg以上の処理温度で、ウェハの端面Wを研磨する第2研磨工程とを有することを特徴とする研磨方法およびこの研磨方法に用いる研磨装置である。
【選択図】図4

Description

本発明は、研磨方法および研磨装置に関し、さらに詳しくは、表面側に砥粒が固定された研磨テープを用いた研磨方法および研磨装置に関する。
半導体デバイスの製造においては、ウェハ表面にデバイスを作る過程で、成膜、エッチング、平坦化などの加工が繰り返し行われていく。従来までは、それぞれの工程の加工状況が、ウェハ面内で均一であれば良かったが、ウェハの直径が大口径化するに従い、面内の均一性を保つことが難しくなり、特にウェハ端面では、ウェハ面内の均一性を維持しながら、端面の加工を制御することが難しくなっている。
また、配線に銅(Cu)などのトランジスタ特性に影響がある材料が使われるようになり、例えばシリコン(Si)ウェハを用いた半導体デバイスの製造ではCu配線の加工工程でウェハ裏面や端面を保護しつつ加工を行う必要があるため、ますます加工工程が複雑になっている。そして、加工工程が複雑化することで、ウェハの表面と裏面の間にあるウェハ端面は、パーティクルの制御などが非常にし難い状態にある。したがって、近年では半導体デバイスを形成する過程で、ウェハ端面を研磨することで端面からの異常物の発生を抑制している(例えば、特許文献1参照)。
ウェハ端面を研磨する方法としては、スピン回転しているウェハ上に砥粒を含む研磨用スラリーを吐出させて、研磨布をウェハ端面に押し当てて研磨を行う方法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、砥粒が研磨布に固定されていない状態で研磨が行われるため、ウェハ端面に研磨痕が付き難いという利点がある。しかし、研磨後に、砥粒を除去するための、強力な洗浄作用を有する洗浄液を用いた洗浄処理が必要になり、ウェハ上に半導体デバイスが搭載された状態で行うことは難しく、適用できる工程が制限されてしまう。
そこで、表面側に砥粒が固定された研磨テープ(研磨フィルム)を用いた研磨方法が報告されている(例えば、特許文献3参照)。この研磨方法では、ウェハ上に砥粒を含む研磨用スラリーを供給しないことから、研磨後にあまり強力な洗浄処理を必要としない、という利点があり、半導体デバイスの製法に適用し易い。
特開2001−345294号公報 特開2003−209075号公報 特開2003−163188号公報
しかし、上述した研磨方法では、特に砥粒として硬質なダイヤモンドを用いた場合、ウェハ端面に砥粒の研磨痕が付き易く、ウェハ端面の表面粗さが悪くなってしまう。ウェハ端面の表面粗さが悪くなるとクラックが発生し易くなるだけでなく、パーティクルが付着し易くなり、半導体デバイスの汚染につながり易い。このため、初めに砥粒のサイズが大きい研磨テープを用いて、研磨レートの高い状態でウェハの端面を研磨する工程を行い、その後、砥粒のサイズが小さい研磨テープに変えた仕上げの研磨により、ウェハ端面の平坦化を行う必要があり、工程が煩雑である、という問題があった。
そこで、本発明は、研磨テープを替えることなく、ウェハ端面の表面粗さを抑制することが可能な研磨方法および研磨装置を提供することを目的としている。
上述したような目的を達成するために、本発明の研磨方法は、フィルム基材の表面に設けられた接着層に砥粒が固定された研磨テープを用い、ウェハの端面側に研磨液が供給された状態で、研磨テープの砥粒側をウェハの端面に押し付けて、ウェハの端面を研磨する研磨方法において、処理温度の異なる複数の研磨工程を有することを特徴としている。
このような研磨方法によれば、処理温度の異なる複数の研磨工程を有するため、各研磨工程の処理温度を、研磨テープの接着層のガラス転移温度(Tg)以上の温度またはTgよりも低い温度に制御することで、砥粒の接着層への固定状態を変化させることが可能となる。例えば、接着層のTgよりも低い温度で研磨を行う場合には、砥粒が接着層に強固に固定されるため、研磨レートが高い状態で、ウェハの端面が粗削りされる。一方、接着層のTg以上の温度で研磨を行う場合には砥粒と接着層との固定状態が弱くなるため、砥粒が接着層から外れ易くなる。このため、研磨レートが低くなるとともに、ウェハ端面の研磨痕の残存が抑制される。これにより、研磨テープを替えることなく、研磨レートを制御し、ウェハ端面の表面粗さを抑制することが可能となる。
また、本発明の研磨装置は、フィルム基材の表面に設けられた接着層に砥粒が固定された研磨テープを用い、ウェハの端面側に研磨液が供給された状態で、研磨テープの砥粒側をウェハの端面に押し付けて、ウェハの端面を研磨する研磨装置において、ウェハを回転可能に保持するウェハ保持部と、ウェハ保持部に保持された状態のウェハの表面に研磨液を供給するノズルを有する研磨液供給部と、ウェハ保持部に保持された状態のウェハの端面側に砥粒を向けて、張設された状態で研磨テープを保持するテープ保持部と、テープ保持部により張設された状態の研磨テープを、フィルム基材側からウェハ保持部に保持された状態のウェハの端面側に押し付けるパッドを有するテープ押圧部とを備えている。そして、研磨液供給部またはテープ押圧部には、温度制御手段が設けられていることを特徴としている。
このような研磨装置によれば、研磨液供給部またはテープ押圧部に、温度制御手段が設けられていることから、処理温度の異なる複数の研磨工程を有する本発明の研磨方法を行うことが可能である。これにより、上述したように、研磨テープを替えることなく、研磨レートを制御し、ウェハ端面の研磨痕を抑制することが可能となる。
以上、説明したように、本発明の研磨方法および研磨装置によれば、研磨テープを替えることなく、研磨レートを制御し、ウェハ端面の表面粗さを抑制することができるため、効率よく研磨工程を行うことができるとともに、ウェハ端面のクラックの発生や、ウェハ端面へのパーティクルの付着を防止することができる。
以下、本発明に係る研磨方法および研磨装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
<研磨装置>
まず、本実施形態の研磨装置について説明する。図1は、研磨装置1の概略構成を示す斜視図である。ここで説明する研磨装置1は、ウェハWを回転可能に保持するウェハ保持部10と、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの表面に研磨液Lを供給する研磨液供給部20と、ウェハ保持部10に保持され、回転した状態のウェハWの端面を研磨する研磨ヘッド30とを備えている。
上記ウェハ保持部10は、外部のモーター(図示省略)に連結された回転軸11と、この回転軸11の上端部に固定された保持台12とを備えている。保持台12は、例えば外部の真空ポンプ(図示省略)に連通する複数の孔(図示省略)を有しており、真空ポンプの駆動により、ウェハWが保持台12に吸着される真空チャック方式で、ウェハ保持部10に保持されるように構成されている。ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWは、上記外部のモーターを駆動して、回転軸11を回転させることにより、例えば矢印R1の方向に回転される。
また、研磨液供給部20は、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの表面に、例えば純水からなる研磨液Lを供給するノズル21を備えている。ここでの図示は省略するが、ノズル21は、フローメーターが設けられた配管を介して研磨液Lの貯留タンクに接続されており、研磨液Lを、回転されたウェハWの表面の略中心に供給するように、配置されている。供給された研磨液Lは、遠心力により、ウェハWの端面側に供給される。なお、ここでは、回転されたウェハWの表面の略中心に研磨液Lを供給するように、ノズル21が配置された例について説明するが、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの端面側に、直接研磨液Lを供給するように、ノズル21が配置されていてもよい。
また、研磨ヘッド30は、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの端面側に、砥粒が設けられた表面側を向けて、張設した状態で研磨テープ40を保持するテープ保持部31と、テープ保持部31により張設された状態の研磨テープ40を、この研磨テープ40の裏面側から、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの端面側に押し付けるパッドを有するテープ押圧部32を備えている。
上記テープ保持部31は、ウェハ保持部10に隣接する位置に対向配置された支持板(図示省略)の間に、それぞれ水平方向に平行に配置された4つの第1〜第4のローラー33a、33b、33c、33dを備えている。また、ここでの図示は省略したが、上記支持板間には、テープ送出部とテープ巻取部がローラー33a〜33dと平行に配置されており、テープ送出部には、研磨テープ40のロールが取り付けられるように、構成されている。そして、テープ巻取部に連結したモーターを駆動することで、テープ送出部(図示省略)から引き出された研磨テープ40が、矢印A方向に移動し、第1のローラー33a、第2のローラー33b、第3のローラー33cおよび第4のローラー33dを順次介して、テープ巻取部(図示省略)で巻き取られるように構成されている。
そして、上記第2のローラー33bと第3のローラー33cにより、研磨テープ40は砥粒が設けられた表面側をウェハ保持部10に保持された状態のウェハWに向けて、張設した状態で保持される。ここで、第2のローラー33bと第3のローラー33cにより張設された研磨テープ40の略中央部にウェハWの端面が配置される。
また、テープ押圧部32は、パッド34と、パッド34が固定されたシャフト35と駆動によりシャフト35を進退移動させるピストンシリンダ36とを備えている。そして、ピストンシリンダ36の駆動により、シャフト35を前進させることで、パッド34を介して、研磨テープ40の裏面側から、研磨テープ40をウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの端面側に押し付ける。なお、ウェハW端面への研磨テープ40の押し付け圧力は、シャフト35の進退移動の量を調節することで行われる。
そして、本発明の特徴的な構成として、図2に示すように、テープ押圧部32には、温度制御手段50が設けられている。この温度制御手段50が設けられることで、テープ押圧部32により、ウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの端面に押し付けられる研磨テープ40の温度が制御されるため、研磨工程の処理温度が制御される。
具体的には、温度制御手段50は、例えば5℃から常温に冷却された純水(冷水)が貯留された冷水貯留タンク51と90℃〜100℃に加温された純水(温水)が貯留された温水貯留タンク52とを備えている。冷水貯留タンク51には、冷水貯留タンク51から冷水を流出する配管51aと、冷水貯留タンク51に冷水を流入する配管51bとが接続されており、これらは切り換えバルブ53、54にそれぞれ接続されている。一方、温水貯留タンク52には、温水貯留タンク52から温水を流出する配管52aと、温水貯留タンク52に温水を流入する配管52bとが接続されており、これらも切り換えバルブ53、54にそれぞれ接続されている。
そして、上記切り換えバルブ53、54の間は、配管55で接続されており、切り換えバルブ53、54を調整することで、配管55は冷水ラインまたは温水ラインに切り換えられる。具体的には、上記切り換えバルブ53、54を、冷水ラインに切り換えた場合には、冷水貯留タンク51からの冷水が配管51a、配管55、配管51bを介して冷水貯留タンク51まで循環する。一方、上記切り換えバルブ53、54を、温水ラインに切り換えた場合には、温水貯留タンク52からの温水が配管52a、配管55、配管52bを介して温水貯留タンク52まで循環する。
ここで、上記配管55は、例えばウェハ保持部10に保持された状態のウェハWの接線方向に、テープ押圧部32のパッド34(前記図1参照)を貫通する状態で配置されている。これにより、配管55を5℃〜常温の冷水が通過する冷水ラインにするか、90℃〜100℃の温水が通過する温水ラインにするかで、テープ押圧部32によりウェハWの端面に押し付けられる研磨テープ40の温度も、配管55を通過する液体の温度に制御される。ここでは、図3の要部拡大図に示すように、配管55がパッド34内で例えば4本に分岐されてパッド34の表面に平行に配置されることとする。このように、パッド34内で配管55が複数に分岐されることにより、より効率よく研磨テープ40の温度制御を行うことが可能となる。上記配管55は、パッド34を介して研磨テープ40の温度を制御することから、熱伝導性の高い金属材料で構成されることが好ましく、ここでは、例えばステンレス(SUS)配管で構成されることとするが、配管55の材質は、中を通過させる液体により、適宜規定されることとする。
ここで、研磨テープ40は、例えばPET(poly(ethylene terephthalate))からなるフィルム基材41の表面に例えばポリエステル系樹脂からなる接着層42が設けられており、この接着層42に例えばダイヤモンドからなる砥粒43が固定されている。ここで、ポリエステル系樹脂からなる接着層42のTgは90℃であることから、上記温度制御手段50の配管55を冷水ラインにした場合には、接着層42のTgより低い温度で研磨が行われる。また、上記温度制御手段50の配管55を温水ラインにした場合には、接着層42のTg以上の温度で研磨が行われる。これにより、各研磨工程における、砥粒43と接着層42との固定状態が変化する。
ここで、上記接着層42は、配管55を通過させることが可能な液体の温度範囲内にTgを有する材質で構成されることが好ましい。さらに、接着層42のTgが100℃以下である場合には、上述したように、配管55を通過させる液体として純水を用いることができる。なお、ここでは、接着層42がポリエステル系樹脂で構成される例について説明したが、本発明はこれに限定されず、ポリウレタン系樹脂等の他の樹脂材料で構成されてもよく、これらを発泡させたものを用いてもよい。また、砥粒43についてもダイヤモンドに限定されることなく、炭化シリコン(SiC)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化クロム(Cr23)、酸化鉄(Fe23)、酸化セリウム(Ce23)、シリカ等を用いることができる。
さらに、配管55を通過させる液体は、純水に限定されるものではなく、上記接着層42のTgに応じて、適宜変更する。本実施形態の研磨装置1によれば、配管55を通過させる液体はウェハWと接触しないため、ウェハWへの影響を考えずに、温度制御のみで、配管55に通過させる液体を選択できるため好ましい。
なお、ここでは、温度制御手段50として、冷水貯留タンク51と温水貯留タンク52とを備え、切り替えバルブ53、54により、配管55を温水ラインと冷水ラインとを切り換えることで、研磨テープ40の温度を制御する例について説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、温度制御可能な1つの貯留タンクを備え、貯留タンクを冷却または加温することで、配管55を通過する液体の温度制御を行ってもよい。ただし、上述したように、冷水貯留タンク51と温水貯留タンク52とを備えた方が、配管55を通過する液体の温度切り換えを迅速に行うことができるため、好ましい。
<研磨方法>
次に、以上のように構成された研磨装置による処理動作例、すなわち本発明の第1実施形態における研磨方法について、説明する。なお、上記研磨装置1の各構成については、図1〜図3で示した各構成の符号を用いて説明する。
まず、ウェハ保持部10に真空チャック方式でウェハWを保持し、回転軸11を回転させることで、保持台12とともにウェハWを回転させる。
次に、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの表面の略中心に、研磨液供給部20のノズル21から、例えば純水からなる研磨液Lを供給する。この際、ウェハWは回転されていることから、研磨液LはウェハWの端面側に供給される。
一方、テープ保持部31のテープ巻取部に接続されたモーターを駆動させることで、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの端面側に、表面側に設けられた砥粒43を向けて、第2のローラー33bと第3のローラー33cの間に研磨テープ40を張設する。続いて、テープ押圧部32のピストンシリンダ36を駆動し、シャフト35に固定されたパッド34を前進させて、研磨テープ40の砥粒43側をウェハWの端面に押し付ける。
そして、テープ押圧部32に設けられた温度制御手段50を用いて、研磨テープ40の温度を制御することで、処理温度を制御する。ここでは、第1研磨工程として、研磨テープ40の接着層42のTg(90℃)よりも低い温度でウェハWの端面を研磨し、その後、第2研磨工程として、接着層42のTg以上の温度でウェハWの端面を研磨する。
具体的には、第1研磨工程として、切り替えバルブ53、54を調整し、パッド34を貫通する配管55を5℃から常温の冷水が通過する冷水ラインにする。これにより、図4(a)に示すように、研磨テープ40が接着層42のTgより低い温度に冷却されるため、砥粒43が接着層42に強固に固定された状態となり、研磨レートが高い状態で、ウェハWの端面が粗削りされる。これにより、研磨は効率よく進むが、この状態では、領域Xの拡大図に示すように、砥粒43の研磨痕Dが残存している。
次いで、第2研磨工程として、切り替えバルブ53、54を調整し、パッド34を貫通する配管55を90℃から100℃の温水が通過する温水ラインにする。これにより、図4(b)に示すように、研磨テープ40が接着層42のTg以上に加温されるため、砥粒43と接着層42との固定状態が弱くなる。このため、砥粒43が接着層42から外れ易くなり、研磨レートが低くなるとともに、小さいサイズの砥粒43を用いた場合と同様に砥粒の研磨痕の残存が抑制されて、ウェハW端面の表面粗さが低減する。
以上説明したように、本実施形態の研磨装置およびこれを用いた研磨方法によれば、第1研磨工程では、研磨テープ40の接着層42のTgよりも低い温度で研磨を行うことで、研磨レートを高くすることができる。次いで、第2研磨工程では、研磨テープ40の接着層42のTg以上の温度で研磨を行うことで、研磨レートが低くなるとともに、ウェハW端面に砥粒43の研磨痕Dが付き難くなり、ウェハW端面の表面粗さが抑制される。したがって、研磨テープ40を替えることなく、研磨レートを制御し、ウェハW端面の表面粗さを抑制することができるため、効率よく研磨工程を行うことができるとともに、ウェハW端面のクラックの発生や、ウェハW端面へのパーティクルの付着を防止することができる。
なお、本実施形態においては、冷水の温度範囲を例えば5℃から常温としたが、上述したように、接着層42のTgより低い温度であればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。ただし、ここでは、上述した第1実施形態の場合との相違点を説明し、同様の内容についてはその説明を省略する。図5は、本発明の第2実施形態における研磨装置2の要部構成例を示す図である。
この図に示す研磨装置2は、第1実施形態で説明した、テープ押圧部32に温度制御手段50(前記図2参照)が設けられておらず、研磨液供給部20に温度制御手段が設けられている。研磨液供給部20は、ウェハWの表面に異なる温度の研磨液を供給するノズル21a,21bを備えている。ここでは、研磨液に純水を用いた例について説明する。ノズル21aは、フローメーター22aが設けられた配管23aを介して、例えば5℃から常温に冷却された純水(冷水)からなる研磨液Laが貯留された冷水貯留タンク24aに接続されている。また、ノズル21aは、ウェハWの表面の略中心に冷水を供給するように配置されている。
一方、ノズル21bは、フローメーター22bが設けられた配管23bを介して、例えば90℃〜100℃に加温された純水(温水)からなる研磨液Lbが貯留された温水貯留タンク24bに接続されている。このノズル21bも、ノズル21aと同様に、ウェハWの表面の略中心に温水を供給するように配置されている。
次に、以上のように構成された研磨装置2による処理動作例、すなわち、本発明の第2実施形態における研磨方法について、再び図4を用いて説明する。なお、研磨装置2の構成については図1および図5を用いて説明する。
まず、ウェハ保持部10に真空チャック方式でウェハWを保持し、回転させる。
次に、第1研磨工程として、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの表面の略中心に、研磨液供給部20のノズル21aから、冷水からなる研磨液Laを供給する。この際、ウェハWは回転していることから、研磨液LaはウェハWの端面側に、研磨テープ40の接着層42のTgより低い研磨液Laが供給された状態となり、研磨テープ40の温度も供給された研磨液Laの温度(5℃〜常温)に変化する。
一方、テープ保持部31では、テープ巻取部に接続されたモーターを駆動させることで、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの端面側に、表面側に設けられた砥粒43を向けて、第2のローラー33bと第3のローラー33cの間に研磨テープ40を張設する。続いて、テープ押圧部32のピストンシリンダ36を駆動し、シャフト35に固定されたパッド34を前進させて、研磨テープ40の砥粒43側をウェハWの端面に押し付ける。この際、上述したように、研磨テープ40は接着層42のTgより低い温度に制御されることから、図4(a)に示すように、砥粒43が接着層42に強固に固定された状態となり、研磨レートが高い状態で、ウェハWの端面が粗削りされる。これにより、研磨は効率よく進むが、この状態では、領域Xの拡大図に示すように、砥粒43の研磨痕Dが残存している。
続いて、第2研磨工程として、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの表面の略中心に、ノズル21bから、温水からなる研磨液Lbを供給する。この際、ウェハWは回転していることから、研磨液LbはウェハWの端面側に供給され、研磨テープ40の接着層42のTg以上の研磨液Lbが供給された状態となり、研磨テープ40の温度も供給された研磨液Lbの温度に変化する。
これにより、図4(b)に示すように、研磨テープ40が接着層42のTg以上に加温されるため、砥粒42と接着層43との固定状態が弱くなる。このため、砥粒43が接着層42から外れ易くなり、研磨レートが低くなるとともに、小さいサイズの砥粒43を用いた場合と同様に砥粒の研磨痕の残存が抑制されて、ウェハW端面の表面粗さが低減する。
以上説明したように、本実施形態の研磨装置および研磨方法であっても、第1研磨工程では、研磨テープ40の接着層42のTgよりも低い温度で研磨を行い、第2研磨工程では、研磨テープ40の接着層42のTg以上の温度で研磨を行うことから、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、ここでは、温度制御手段として、冷水貯留タンク24aと温水貯留タンク24bに接続された2つのノズル21a、21bを備えた例について説明したが、本発明は、これに限定されず、1つのノズルから異なる温度の研磨液が供給されるように、調整してもよい。この場合には、温度制御可能な1つの貯留タンクを備え、貯留タンクを冷却または加温することで、ノズルから供給する液体の温度を制御する。
ここで、研磨液の温度を変えた場合の研磨レートと、ウェハW端面の表面粗さを測定した結果を図6に示す。研磨条件としては、研磨圧を6N〜15N、ウェハWの回転数を100rpm〜500rpm、供給する研磨液の流量を1L/minに設定して行った。グラフ中ポイント脇の数字は、砥粒43のサイズ(直径)を示している。このグラフに示すように、砥粒43のサイズが大きくなる程、研磨レートは高くなることが確認された。また、処理温度を接着層42のTg以上の90℃とすることで、研磨レートは低くなるものの、表面粗さが顕著に抑制されることが確認された。
(変形例1)
なお、上記第2実施形態においては、ノズル21aおよびノズル21bが、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの表面の略中心に、研磨液を供給するように配置された例について説明したが、ノズル21a、21bの配置位置は特に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、ノズル21aは、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの表面の略中心に、研磨液を供給するように配置されており、ノズル21b’はウェハ保持部10に保持されたウェハWの端面側に直接、温水からなる研磨液Lbを供給するように構成されていてもよい。これにより、ウェハWの略中心に供給する場合よりも、加温状態が維持された温水を供給することが可能であるため、好ましい。また、ノズル21a、21bともに、ウェハ保持部10に保持されたウェハWの端面側に、直接研磨液を供給するように配置されていてもよい。
なお、上述した第1実施形態、第2実施形態においては、研磨液L、La、Lbとして、純水を用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されず、薬液を用いてもよい。ただし、薬液を用いる場合に、薬液が加温により劣化する場合には、第1実施形態で、図2、図3を用いて説明したように、テープ押圧部32に温度制御手段を設けた構成にすることが好ましい。
また、上述した第1実施形態においては、テープ押圧部32に温度制御手段50が設けられ、第2実施形態においては、研磨液供給部20に温度制御手段が設けられた例について説明したが、温度制御手段をテープ押圧部32と研磨液供給部20の両方に備えた研磨装置であってもよい。また、第1実施形態においては、テープ押圧部32のパッド34の温度を制御することで、研磨テープ40の温度を制御し、第2実施形態においては、研磨液La、Lbの温度を制御することで、研磨テープ40の温度を制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば処理雰囲気の温度を赤外線ランプを用いたランプ加熱による方法で制御してもよい。さらに、第1実施形態、第2実施形態においては、第1研磨工程と第2研磨工程とを1回のみ行う例について説明したが、これらを繰り返して行ってもよい。
本発明の研磨装置に係る第1実施形態を説明するための斜視図である。 本発明の研磨装置に係る第1実施形態を説明するための概略構成を示す斜視図である。 本発明の研磨装置に係る第1実施形態を説明するための要部拡大断面図である。 本発明の研磨方法に係る第1実施形態を説明するための工程断面図である。 処理温度による研磨レートと表面粗さとの関係を示すグラフである。 本発明の研磨装置に係る第2実施形態を説明するための概略構成を示す斜視図である。 本発明の研磨装置に係る第2実施形態の変形例を説明するための概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
1、2…研磨装置、10…ウェハ保持部、20…研磨液供給部、21,21a,21b,21b’…ノズル、31…テープ保持部、32…テープ押圧部、34…パッド、40…研磨テープ、42…接着層、43…砥粒、W…ウェハ、L,La,Lb…研磨液

Claims (8)

  1. フィルム基材の表面に設けられた接着層に砥粒が固定された研磨テープを用い、ウェハの端面側に研磨液が供給された状態で、前記研磨テープの砥粒側をウェハの端面に押し付けて、ウェハの端面を研磨する研磨方法において、
    処理温度の異なる複数の研磨工程を有する
    ことを特徴とする研磨方法。
  2. 請求項1記載の研磨方法において、
    前記研磨テープの温度を制御することで、前記処理温度を制御する
    ことを特徴とする研磨方法。
  3. 請求項1記載の研磨方法において、
    前記研磨テープを前記ウェハの端面に押し付けるテープ押圧部の温度または前記研磨液の温度により、前記処理温度を制御する
    ことを特徴とする研磨方法。
  4. 請求項1記載の研磨方法において、
    前記複数の研磨工程は、
    前記接着層のガラス転移温度よりも低い前記処理温度で、前記ウェハの端面を研磨する第1研磨工程と、
    前記接着層のガラス転移温度以上の前記処理温度で、前記ウェハの端面を研磨する第2研磨工程とを有する
    ことを特徴とする研磨方法。
  5. 請求項1記載の研磨方法において、
    前記接着層のガラス転移温度が液体の温度範囲にある
    ことを特徴とする研磨方法。
  6. フィルム基材の表面に設けられた接着層に砥粒が固定された研磨テープを用い、ウェハの端面側に研磨液が供給された状態で、前記研磨テープの砥粒側をウェハの端面に押し付けて、ウェハの端面を研磨する研磨装置において、
    ウェハを回転可能に保持するウェハ保持部と、
    前記ウェハ保持部に保持された状態のウェハの表面に前記研磨液を供給するノズルを有する研磨液供給部と、
    前記ウェハ保持部に保持された状態のウェハの端面側に前記砥粒を向けて、張設された状態で前記研磨テープを保持するテープ保持部と、
    前記テープ保持部により張設された状態の前記研磨テープを、前記フィルム基材側から前記ウェハ保持部に保持された状態のウェハの端面に押し付けるパッドを有するテープ押圧部とを備え、
    前記研磨液供給部または前記テープ押圧部には、温度制御手段が設けられている
    ことを特徴とする研磨装置。
  7. 請求項6記載の研磨装置において、
    前記パッドには、温度制御された液体を通過させる配管が設けられている
    ことを特徴とする研磨装置。
  8. 請求項6記載の研磨装置において、
    前記研磨液供給部には、異なる温度の前記研磨液を前記ウェハの表面に供給する複数のノズルが設けられている
    ことを特徴とする研磨装置。
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