JP4575009B2 - 被覆切削工具 - Google Patents

被覆切削工具 Download PDF

Info

Publication number
JP4575009B2
JP4575009B2 JP2004090028A JP2004090028A JP4575009B2 JP 4575009 B2 JP4575009 B2 JP 4575009B2 JP 2004090028 A JP2004090028 A JP 2004090028A JP 2004090028 A JP2004090028 A JP 2004090028A JP 4575009 B2 JP4575009 B2 JP 4575009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating film
cutting tool
coated cutting
less
tool according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004090028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005271155A (ja
Inventor
晋也 今村
直也 大森
秀樹 森口
治世 福井
誠 瀬戸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Original Assignee
Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Hardmetal Corp filed Critical Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority to JP2004090028A priority Critical patent/JP4575009B2/ja
Publication of JP2005271155A publication Critical patent/JP2005271155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4575009B2 publication Critical patent/JP4575009B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Drilling Tools (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

本発明は被覆切削工具に関し、耐摩耗性と潤滑性に優れる被覆切削工具に関するものである。
近年の切削加工では高速・高精度・高能率加工への追求に加え、環境対策としてのゼロエミッション加工としてドライ加工も志向されている。これまでこのような課題に対して、表面被覆切削工具が数多く提案され実用化されてきた。たとえば、下記特許文献1に示されるように、耐摩耗性および表面保護機能改善のため、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼等の切削工具や耐摩耗工具等の硬質基材の表面には硬質被覆層として(AlTi1−x−ySi)(C1−z)、ただし0.05≦x≦0.75、0.01≦y≦0.1、0.6≦z≦1のようなAlTiSi系の被覆膜が被覆されている。
また、下記特許文献2によればSiを適量含有したTiを主成分とする窒化物、炭窒化物、酸窒化物および酸炭窒化物と、TiおよびAlを主成分とする窒化物、炭窒化物、酸窒化物および酸炭窒化物とを、TiSi系化合物等の微細組織構造がTiを主成分とする窒化物、炭窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物中にSiおよびSiが独立相として存在するようにそれぞれ一層以上交互に被覆する乾式の高速切削加工において切削工具の性能が極めて良好となることが開示されている。
下記特許文献2によれば、従来のTiAlN膜では切削加工において起こる表面酸化で形成されるアルミナ層は酸素の内向拡散に対し酸化保護膜として機能するものの、動的な切削加工においては最表面のアルミナ層はその直下のポーラスなTi酸化物層より容易に剥離してしまい酸化の進行に対して十分でないが、該文献2のTiSi系被膜は膜自体の耐酸化性が極めて高いだけではなく、最表面にSiを含む非常に緻密なTiとSiの複合酸化物が形成されるので、従来問題となっていたポーラスなTi酸化物層が形成されないので性能が向上すると開示されている。
ところで、一般的な切削工具の典型的刃先の断面模式図を図4に示す。図4(a)は、切削工具の断面図であって、刃先はすくい面と逃げ面によって構成され、多くの場合、その角度は鋭角または直角である。このような工具刃先に被膜を形成すると膜厚は図4(a)に示されるようにすくい面膜厚a、逃げ面膜厚bに比べ、刃先先端部cが最も厚くなる。
次に刃先での理想的な摩耗進行を図4(b)〜(d)で説明する。工具としての理想的な摩耗はまず図4(b)のように被膜が除々に摩耗し、やがて(c)のように基材に達したのち、ついには(d)のように膜と基材が共に露出して摩耗することである。しかし、発明者らが詳細に工具摩耗部を調査した結果、刃先先端の摩耗は上述のようには進行せず、切削初期に図4(e)のように刃先先端部分が既に基材まで無くなっており(基材が完全に露出)、その形態から欠損していることがわかった。また、その部分の基材はすでに酸化しており、上記参考文献のようにいくら膜の耐酸化性や耐摩耗性が良くとも切削初期に母材が露出してしまっては工具寿命を著しく向上させることは難しいと考えられる。
特許第2793773号公報 特許第3347687号公報
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、高速やドライ加工といった過酷な条件での切削工具において、被膜の耐酸化性を向上させ、切削初期に起こる刃先の欠損(チッピング)や膜剥離、すなわち母材の露出が抑制された被覆切削工具を提供することを目的とする。
本発明は、基材と、該基材の表面上に形成された被覆膜とを備える被覆切削工具であって、該被覆膜は、Alと、CrまたはVのいずれか一方または両方の元素と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種以上の元素とによって構成される化合物からなり、前記被覆膜の表面に存在する、直径5μm以上のマクロパーティクルは、10個/mm以下であることを特徴とする被覆切削工具を提供する。
好ましくは、前記被覆膜は、(Al1−a−bCr)(ただし、0≦a≦0.4、0≦b≦0.4、0≠a+b≦0.4)と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種類以上の元素とによって構成される化合物からなる。
好ましくは、前記被覆膜は、(Al1−a−bCr)(ただし、0≦a≦0.4、0<b≦0.4、0≠a+b≦0.4)と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種類以上の元素とによって構成される化合物からなる。
好ましくは、前記被覆膜中のホウ素は、原子%で10%未満含まれている。
好ましくは、前記被覆膜は、その膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さをhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxが0.2以上0.7以下である。
好ましくは、前記被覆膜は、その膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、20GPa以上50GPa以下であることを特徴とする。
好ましくは、前記被覆膜の結晶構造は、立方晶である。
好ましくは、前記被覆膜の膜厚は、0.5μm以上10μm以下である。
好ましくは、前記基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化硅素焼結体、または酸化アルミニウムと炭化チタンからなる基材のいずれかである。
好ましくは、前記被覆膜は、物理的蒸着法により形成される。
前記物理的蒸着法は、アーク式イオンプレーティング法またはマグネトロンスパッタリング法であることが好ましい。
本発明の被覆切削工具によれば、切削の際に膜が摩耗し、母材の露出を抑えることができ、工具の長寿命化を図ることができる。
本発明の被覆切削工具は、基材と、該基材の表面上に形成された被覆膜とを備える被覆切削工具である。ここで、被覆膜は、基材の表面を覆うように形成されていることが好ましいが、必ずしも上記基材を全面にわたって被覆している必要はなく、上記基材の表面に被覆膜が形成されていない部分が含まれていてもよい。このように被覆膜を、基材を覆うように形成することで、被覆膜により基材を保護し、さらに、切削の際に被覆膜の切削特性を良好に発揮するためである。
発明者らは被膜の耐欠損(チッピング)性を向上させることを目的として各種皮膜を検討した結果、弾性回復率の高い被覆膜が工具表面に形成されていると、切削性能が向上するという知見を得て本発明に至った。弾性回復率の高い被覆膜が工具表面に形成されていると、図4(f)のように欠損することなく膜が摩耗し、母材の露出を抑えられ、長寿命化を図ることができたものである。
また、弾性回復率の高い被覆膜の表面粗さが良好であると被削材の溶着を抑えることができ、溶着からの膜剥離、母材露出を防ぐことが可能となり、長寿命を図ることができる。
本発明の被覆切削工具において、被覆膜は、Alと、CrまたはVのいずれか一方または両方の元素と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種以上の元素とによって構成される化合物からなることに特徴を有する。ここで、金属成分としてTiを含まず、Alを主成分とすることが特徴である。Alを含有することで被覆膜の耐酸化特性が向上するとともに、熱伝導率が高くなり、切削加工時の発熱を工具表面から逃がすことができるので好ましい。また、表面での良好な潤滑性能により、耐溶着性能が向上するので、切削抵抗も減少し、切りくず排出性も向上できる。
ここで好ましくは、この被覆膜は、(Al1−a−bCr)(ただし、0≦a≦0.4、0≦b≦0.4、0≠a+b≦0.4)と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種類以上の元素とによって構成される化合物からなる。aおよびbを、0≦a≦0.4、0≦b≦0.4(ただし0≠a+b≦0.4)と規定した。このようにCrおよびVの含有比率をそれぞれ表すaおよびbを、0≦a≦0.4、0≦b≦0.4(ただし0≠a+b≦0.4)としている理由は、aおよびbが0.4を超えると被覆膜の硬度が低下し、耐摩耗性に問題が出るためである。
さらに好ましくは0≦a≦0.4,0<b≦0.4であり、より好ましくは、0≦a≦0.35、0<b≦0.35(ただし、0≠a+b≦0.4である)。被覆膜中にVがあると切削時の高温環境で被覆膜表面が酸化されるが、その際Vの酸化物は低融点であるので切削時の潤滑剤として作用し被削材の凝着を抑える効果が期待できることから、Vを含有していることが好ましい。一方、Crは、Alの場合と同様に、耐酸化特性が向上するという作用を示すために含有されるものであるが、上記Vと異なりこれを含有せずに化合物を構成することもできる。
本発明の被覆切削工具における被覆膜において、CrおよびVを添加することにより、常温常圧で準安定相である立方晶のAl化合物(すなわち被覆膜)が形成できる点も好適な特徴である。たとえば、窒化物であるAlNを例にとると、通常は六方晶であるが準安定相である立方晶となった場合の推定格子定数は4.12Åに対して、常温常圧で立方晶が安定相であるCrNおよびVNの格子定数は4.14Åであり、非常に立方晶のAlNと近いため、その引き込み効果によりAlNは立方晶であることが好ましく、このため被覆膜を形成する化合物にはCrおよびVを含有することが好ましい。
本発明の被覆切削工具において、被覆膜中にSiを原子%で20%以下の範囲内で含有してもよく、これにより被覆膜の硬度をさらに向上させることができる。被覆膜中にSiが存在すると、被覆膜中の組織が柱状から針状へ微細化し、被覆膜の硬度が向上するためである。
一方、Siが20%を超えて含有されると、被覆膜が脆くなり逆に摩耗は促進されることなる。また、被覆膜の形成に用いる合金ターゲットを熱間静水圧加圧処理で作製する場合、Si量を20%を超えて含有させると、ターゲットが焼成中に割れてしまいコーティングに使用可能な材料強度が得られないことになる。
したがって、被覆膜中(上記化合物中)のSiの含有量は、原子%で20%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは、5%以上15%以下であることが好ましい。
また、該被覆膜(上記化合物)は、Bを原子%で10%未満含むものとすることができる。詳細なメカニズムは不明ながら、Bが被覆膜中に含まれるとさらに高硬度な被覆膜が得られるため好ましい。また、切削中の表面酸化によって形成されるBの酸化物が特にAlの酸化物を緻密化することからも好ましい。さらに、Bの酸化物は低融点であるので切削時の潤滑剤として作用し、たとえば、被削材としてチタン合金に用いる場合には、凝着を抑える効果を示すことができる。
一方、Bが10%を超えて含有されるとターゲット焼成中に割れてしまうため好ましくない。したがって、被覆膜中(上記化合物中)のBの含有量は、原子%で10%未満とすることが好ましく、さらに好ましくは、0.1%以上5%以下であることが好ましい。
本発明の被覆切削工具において、被覆膜の表面に存在する、直径5μm以上のマクロパーティクルは、10個/mm以下であることも特徴とする。被覆膜表面に存在するマクロパーティクルは切削抵抗を増加させるため、被削材が被覆膜表面に溶着し、その溶着物が脱落する際に被覆膜も同時に剥離させる。よって被覆膜の表面に存在するマクロパーティクルで直径5μm以上のものが10個/mm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、7個/mm以下である。
ここで上記マクロパーティクルについて説明する。基材表面上にアークイオンプレーティング法により形成した被覆膜の表面には、マクロパーティクルと呼ばれる硬質粒子が存在する。被覆膜表面のマクロパーティクルは、当該被覆膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)観察によって評価することができる。この評価として、たとえば、少なくとも1000倍以上の倍率で、試料表面の写真撮影を無作為に数回行い、それぞれの撮影した写真上で無作為に10回以上抽出した1mmあたりのマクロパーティクルの数を数え、これらを平均することにより求めることができる。図2に本発明の被覆切削工具における被覆膜のSEM写真の一例を示す。
図2において、写真中の丸い粒子がマクロパーティクルである。このようなマクロパーティクルが生成する理由について、図3を用いて説明する。図3は、マクロパーティクルが生成した切削工具の被覆膜の断面図である。図3において、被覆膜を形成するために、被覆切削工具の基材の刃先2に被覆膜3を被覆するが、その被覆の過程でターゲットから溶融粒子4が飛散してきて被覆面に付着する。被覆膜の表面を電子顕微鏡で見るといろいろな外径の丸い粒子1が観察できる。溶融粒子4は膜の成長過程で飛散してくるので、図3に示すように被覆膜のいろいろな厚さの所に存在しているものと推定される。しかしこのような丸い粒子1であるマクロパーティクルは本発明においては望ましいものではない。したがって、上述の範囲で含まれるものである。
上記被覆膜は、その被覆膜の膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、最大押し込み深さをhmax、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxが0.2以上0.7以下の数値を示すものとすることが好ましい。
ここで、ナノインデンテーション法とは、たとえば文献「トライボロジスト、第47巻、第3号、(2002)p177〜183」に詳しく説明されているように、硬さ試験の一種であるが、従来のヌープ硬度測定(マイクロヌープ法)やビッカース硬度測定(マイクロビッカース法)といった押し込み後の圧痕形状から硬度を求める手法とは異なり、圧子の押し込み時の荷重と深さの関係から硬さやヤング率を求める方法である。これらの従来の試験方法とナノインデンテーション法との比較を以下の表1に示す。
Figure 0004575009
表1より明らかな通り、従来の硬度試験方法であるマイクロヌープ法やマイクロビッカース法では、押し込み荷重(F)が50mN〜10Nと大きかったことから、押し込み深さ(h)が100nm以上となるため被覆膜のみの物性評価とはならず下地基材の影響を受けるものであった。なお、本明細書中においていう押し込み深さ(h)とは、表1に示されているように、荷重をかけて圧子を押し込んだ場合の圧子の先端部分から被覆膜の表面(圧子により荷重がかけられていない表面部分)までの高さ(距離)をいう。
上記の文献でも指摘されているように、被覆膜のみの硬度評価を行なうためには、被覆膜の膜厚の約1/10以下の押し込み深さ(h)での測定が必要となるので、たとえば、1μmの被覆膜を対象とした場合、押し込み深さは100nm以下としなければならない。したがって、本発明の硬さ試験においては、上記被覆膜の膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法を採用している。
これに対して、従来法のように圧痕の大きさを光学顕微鏡で測定者が観察する方法では圧痕形状を判別する測定精度の点でも困難を伴うものであった。この点、ナノインデンテーション法では機械的に深さを求めるものであるため有利である。
また、上記条件下で実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験における、圧子を被覆膜表面に押し込んだ場合の荷重と押し込み深さとの関係を概念的に図1に示す。この試験では、圧子駆動部に変位計を設置し、圧子の押し込み深さ(h)を連続的に測定しながら、荷重を最大押し込み荷重(Pmax)まで除々に増加させ、最大押し込み荷重(Pmax)となった場合の押し込み深さ(h)を最大押し込み深さhmaxとして測定する。その後、荷重ゼロ(荷重をかけない状態)まで除荷させた場合の押し込み深さ(h)を荷重除荷後の押し込み深さhfとして測定する。
従来法であるマイクロヌープ法やマイクロビッカース法では、図1のhf、つまり荷重除荷後の圧痕形状を測定していた。しかし、この方法では上記の通り測定精度に問題がある。これに対して、ナノインデンテーション法では、最大押し込み深さhmaxと荷重除荷後の押し込み深さhfとを測定すると、(hmax−hf)から被覆膜の弾性回復量がわかる。この値が大きいければ、弾性変形しやすく、小さければ弾性変形しにくい。
本発明では、この弾性回復量を表す指標としての弾性回復率、すなわち(hmax−hf)/hmaxに注目した。チタン合金の切削において工具寿命延長を図るには刃先、特に膜のチッピング性や欠損性を向上させることが重要である。この点、上記の弾性回復量(hmax−hf)の大きい材料を見いだすことができれば、切削時に刃先にかかる負荷に対して被覆膜材料の変形が追随するため、特に切削初期に発生するチッピングや欠損を抑制することが可能となる。
具体的な測定方法としては、膜厚の1/10以下の押し込み深さ(h)になるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、最大押し込み深さをhmax、荷重除荷後の押し込み深さ(圧痕深さ)をhfとした場合、これらを測定することにより(hmax−hf)/hmaxを求める。
そして、本発明の被覆膜としては、(hmax−hf)/hmaxが0.2以上0.7以下の数値を示すものが好ましい。これは、(hmax−hf)/hmaxが0.2未満であると、切削時の衝撃で刃先のチッピングが発生し易くなる傾向を示し、また(hmax−hf)/hmaxが0.7を超える場合には膜の硬度が低下するためである。
一方、上記被覆膜は、その被覆膜の膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、20GPa以上50GPa以下の硬さを示すものであることが好ましい。これは、20GPa未満では硬度が低く耐摩耗性に問題があり、この点からすれば硬度は高い方が好ましいが、50GPaを超えると被覆膜に蓄積する残留圧縮応力が高くなり、切削前において刃先稜線部で被覆膜の剥離が発生することがあるからである。
上記被覆膜の膜厚は、0.5μm以上15μm以下であることが好ましい。膜厚が0.5μm未満では耐摩耗性の向上が見られず、逆に15μmを越えると被覆膜中の残留応力が大きくなり基材との密着強度が低下するので好ましくない。膜厚の測定法としては、表面被覆切削工具を切断し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察して求めることができる。
本発明の上記被覆膜を基材表面に被覆するためには、結晶性の高い化合物を形成することができる成膜プロセスで作製されることが好ましい。そこで、種々の成膜方法を検討した結果、物理的蒸着法を用いることが好ましい。
物理的蒸着法としては、種々のものが知られているが中でもアーク式イオンプレーティング法またはマグネトロンスパッタリング法を採用することが特に好ましい。
マグネトロンスパッタリング法には、バランスドマグネトロンスパッタリング法、アンバランスドマグネトロンスパッタリング法等がある。また、アーク式イオンプレーティング法にも種々のものがあるが、特に、原料元素のイオン率が高いカソードアークイオンプレーティング法を採用することが特に好ましい。
このカソードアークイオンプレーティング法を用いると、被覆膜を形成する前に基材表面に対して金属のイオンボンバードメント処理が可能となるため、被覆膜の密着性が飛躍的に向上する。このため、密着性という意味からもカソードアークイオンプレーティング法は好ましいプロセスである。
(実施例1〜17および比較例1〜4)
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の組成はXPS(X線光電子分光分析装置)によって確認し、硬度および弾性回復率((hmax−hf)/hmax)はナノインデンター(MTS社製Nano Indenter XP)により確認した。被覆膜表面のマクロパーティクルは、SEMにより2000倍で写真撮影したものを用い、上述の方法により測定した。被覆膜の形成は、カソードアークイオンプレーティング法で行っているが、これ以外のたとえばバランスドまたはアンバランスドスパッタリング法によっても成膜することは可能である。
(1)被覆切削工具の作製
基材としてグレードがJIS P30超硬合金であって、切削チップとしての形状がJIS規格のSPGN120308のものを用意し、カソードアークイオンプレーティング装置に装着した。
まず、真空ポンプによりチャンバー内を減圧するとともに装置内に設置されたヒーターにより基材を温度650℃に加熱し、チャンバー内の圧力が1.0×10−4Paとなるまで真空引きを行った。
次に、アルゴンガスを導入してチャンバー内の圧力を3.0Paに保持し、基板バイアス電源の電圧を徐々に上げながら−1000Vとし、基材の表面のクリーニングを15分間行った。その後アルゴンガスを排気した。
次いで、被覆膜を基材上に形成するための化合物の金属成分として、以下の表2に記載した化合物組成となるように金属蒸発源である合金製ターゲットを設置し、さらに、反応ガスとして窒素、メタンまたは酸素のうち本発明の被膜が得られるガスを導入させながら、基材(基板)温度650℃、反応ガス圧5.0Pa、基板バイアス電圧を−100Vに維持したまま、カソード電極に50Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源から金属イオンを発生させ被覆膜を基板上形成した。
Figure 0004575009
そして、上記表2に記載した所定の被覆膜厚となったところで蒸発源に供給する電流をストップさせた。本実施例においては、被覆膜表面に存在するマクロパーティクルの量を制御するために、被覆中の反応ガス圧を5.0Paと高め、ターゲット近傍からのガスを吹き付けにより十分に蒸発源から発生する金属イオン反応させ、マクロパーティクルの発生を低下させた。また、アーク電流をアーク放電が安定する下限ぎりぎりの50Aと設定することでマクロパーティクルの発生を低下させた。
通常はこのまま除冷するが、本実施例では被覆終了と同時にHeガスを導入し、チャンバー内に充満させることにより基材の急冷をおこなった。このようにして、表2に示す実施例1〜17の被覆切削工具を得た。
なお、詳細なメカニズムは解明されていないものの、上記のような急冷処理により被膜中の結晶粒が微細化され、柱状組織から針状組織になったことにより、弾性回復量が大きくなったものと推定される。また、表2に記載した従来品に該当する比較例1〜4の被覆切削工具を、上述の被覆膜表面に存在するマクロパーティクルの量の制御を行なわかった以外はすべて同様にして作製した。
これらの被覆切削工具に関する、膜厚、5μm以上のマクロパーティクルの個数(個/mm)を表2に記載し、硬度、hmax、弾性回復率((hmax−hf)/hmax)および被覆膜の結晶構造(結晶系)については表3に記載した。
Figure 0004575009
(2)被覆切削工具寿命評価
上述の工程で製造した実施例1〜17および比較例1〜4の被覆切削工具のそれぞれについて、実際に以下に示す条件による乾式の連続旋削試験および断続旋削試験を行い、刃先の逃げ面摩耗幅を測定した。切削の際の条件は、連続切削に関しては、被削材としてSCM435用い、切削速度350m/min、送り量0.3mm/rev、切り込み2.0mm、切削時間40minとした。断続切削に関しては、被削材をSCM435とし、切削速度320m/min、送り量0.3mm/rev、切り込み1.5mm、切削時間55分とした。
このような条件により測定した切削寿命評価結果を上記表3に示す。表3から明らかなように、連続切削試験においても断続切削試験においても実施例1〜17にかかる本発明の被覆切削工具は、比較例1〜4の被覆切削工具と比べて、刃先の逃げ面摩耗幅が極めて少なく、本発明の被覆切削工具の寿命が大きく向上したことを確認した。
(実施例18〜20および比較例5,6)
基材としてJIS K10超硬合金からなる外径8mmのドリルを用いた以外はすべて上記実施例1と同様に被覆切削工具を作成した。このとき、実施例1、10および12と同一の被覆膜を用い、それぞれ実施例18〜20の被覆切削工具とし、比較例1および3と同一の被覆膜を用いたものをそれぞれ比較例5および6の被覆切削工具とした。
次に、実施例18〜20および比較例5,6の被覆切削工具を用いてSCM440(HRC30)の穴開け加工を行いその寿命評価を行なった。切削条件は、切削速度90m/min、送り量0.2mm/rev、切削油剤は用いず(エアーブローを使用)、深さ24mmの止まり穴加工を行った。なお、寿命の判定は被加工材の寸法精度が規定の範囲をはずれた時点とした。その寿命評価結果を表4に示す。その結果、実施例18〜20にかかる切削被覆工具の寿命が比較例5,6の被覆切削工具に比して大きく向上していることが確認された。
Figure 0004575009
(実施例21〜23および比較例7,8)
基材としてJIS K10超硬合金からなる外径8mmの6枚刃エンドミルを用いた以外はすべて上記実施例1と同様の手順により被覆切削工具を作製した。被覆膜として、実施例1、10および12の被覆膜を用いたものをそれぞれ実施例21〜23とし、比較例1および3の被覆膜を用いたものを比較例7および8とした。
次に実施例21〜23および比較例7,8の被覆切削工具を用いてSKD11(HRC60)のエンドミル側面削り加工を行いその寿命評価を行なった。切削条件は、切削速度200m/min、送り0.03mm/刃、切り込み量Ad=12mm、Rd=0.2mm、切削油剤は用いず(エアーブローを使用)側面切削を行った。なお、寿命の判定は被加工材の寸法精度が規定の範囲をはずれた時点とした。その寿命評価結果を表5に示す。その結果、実施例21〜23にかかる被覆切削工具は、比較例7,8の工具に比しての寿命が大きく向上していることが確認された。
Figure 0004575009
(実施例24〜26および比較例9,10)
まず、超硬合金製ポットおよびボールを用いて質量で40%のTiNと10%のAlからなる結合材粉末と50%の平均粒径2.5μmのcBN粉末を混ぜ合わせ、超硬製容器に充填し、圧力5GPa、温度1400℃で60分焼結した。このcBN焼結体を加工し、ISO規格SNGA120408の形状のcBN基材を得た。
次いで、基材として上記のように作製したcBN基材を用いた以外は実施例1と全く同じ方法により被覆切削工具を作製した。このとき、被覆膜として、実施例1、10および12のものを用いたものをそれぞれ実施例24〜26の被覆切削工具とし、比較例1および2の被覆膜を用いたものを比較例9および10の被覆切削工具とした。
実施例24〜26および比較例9,10の被覆切削工具を用い、焼入鋼の1種であるSUJ2の丸棒(HRC62)の外径切削を行った。切削速度120m/min、切り込み0.2mm、送り0.1mm/rev、乾式で40分間の条件で切削を行い、逃げ面摩耗量を調べた。その結果を表6に示す。表6からわかるように、実施例24〜26の被覆切削工具は、比較例9,10の工具に比して寿命が大きく向上していることが確認された。
Figure 0004575009
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
ナノインデンテーション法による硬さ試験における、圧子を被覆膜表面に押し込んだ場合の荷重と押し込み深さとの関係を概念的に示した図である。 被覆切削工具における被覆膜のSEM写真の一例を示す図である。 マクロパーティクルが生成した切削工具の被覆膜の断面図である。 一般的な切削工具の典型的刃先の断面模式図である。
符号の説明
1 丸い粒子、2 基材の刃先、3 被覆膜、4 溶融粒子。

Claims (10)

  1. 基材と、該基材の表面上に形成された被覆膜とを備える被覆切削工具であって、
    該被覆膜は、その被覆終了と同時に前記基材を急冷して形成されるものであり、かつAlと、CrまたはVのいずれか一方または両方の元素と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種以上の元素とによって構成される化合物からなり、
    前記被覆膜の表面に存在する、直径5μm以上のマクロパーティクルは、10個/mm以下であり、
    前記被覆膜は、その膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、最大押し込み深さをhmaxとし、荷重除荷後の押し込み深さをhfとした場合、(hmax−hf)/hmaxが0.2以上0.7以下であることを特徴とする、被覆切削工具。
  2. 前記被覆膜は、(Al1−a−bCr)(ただし、0≦a≦0.4、0≦b≦0.4、0≠a+b≦0.4)と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種類以上の元素とによって構成される化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の被覆切削工具。
  3. 前記被覆膜は、(Al1−a−bCr)(ただし、0≦a≦0.4、0<b≦0.4、0≠a+b≦0.4)と、窒素、炭素、酸素またはホウ素のいずれか1種類以上の元素とによって構成される化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の被覆切削工具。
  4. 前記被覆膜中のホウ素は、原子%で10%未満含まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆切削工具。
  5. 前記被覆膜は、その膜厚の1/10以下の押し込み深さになるように制御された押し込み荷重を負荷して実行されるナノインデンテーション法による硬さ試験において、20GPa以上50GPa以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆切削工具。
  6. 前記被覆膜の結晶構造は、立方晶であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の被覆切削工具。
  7. 前記被覆膜の膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆切削工具。
  8. 前記基材は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化硅素焼結体、または酸化アルミニウムと炭化チタンからなる基材のいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の被覆切削工具。
  9. 前記被覆膜は、物理的蒸着法により形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の被覆切削工具。
  10. 前記物理的蒸着法は、アーク式イオンプレーティング法またはマグネトロンスパッタリング法であることを特徴とする、請求項9に記載の被覆切削工具。
JP2004090028A 2004-03-25 2004-03-25 被覆切削工具 Expired - Fee Related JP4575009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090028A JP4575009B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 被覆切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004090028A JP4575009B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 被覆切削工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005271155A JP2005271155A (ja) 2005-10-06
JP4575009B2 true JP4575009B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=35171338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004090028A Expired - Fee Related JP4575009B2 (ja) 2004-03-25 2004-03-25 被覆切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4575009B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008075178A (ja) * 2006-08-24 2008-04-03 Hitachi Tool Engineering Ltd 厚膜被覆部材及び厚膜被覆部材の製造方法
WO2009047867A1 (ja) * 2007-10-12 2009-04-16 Hitachi Tool Engineering, Ltd. 硬質皮膜被覆部材、及びその製造方法
JP5174292B1 (ja) * 2011-07-25 2013-04-03 京セラ株式会社 切削工具
JP6830410B2 (ja) * 2017-06-12 2021-02-17 日本特殊陶業株式会社 表面被覆切削工具
JP6549768B1 (ja) * 2018-07-30 2019-07-24 株式会社サイオクス GaN結晶

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2851320B2 (ja) * 1988-09-26 1999-01-27 株式会社神戸製鋼所 真空アーク蒸着装置及び方法
JP3758248B2 (ja) * 1996-08-26 2006-03-22 日新電機株式会社 化合物薄膜の形成方法
JP2000087217A (ja) * 1998-09-08 2000-03-28 Kobe Steel Ltd 耐摩耗性に優れたTiN被覆摺動部材
JP4311803B2 (ja) * 1999-03-23 2009-08-12 住友電気工業株式会社 表面被覆成形型およびその製造方法
JP3598074B2 (ja) * 2001-05-11 2004-12-08 日立ツール株式会社 硬質皮膜被覆工具
JP4062583B2 (ja) * 2001-07-23 2008-03-19 株式会社神戸製鋼所 切削工具用硬質皮膜およびその製造方法並びに硬質皮膜形成用ターゲット

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005271155A (ja) 2005-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7901796B2 (en) Coated cutting tool and manufacturing method thereof
JP5297388B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP4704335B2 (ja) 表面被覆切削工具
EP1842610A1 (en) Surface-coated cutting tool and process for producing the same
JP2005271190A (ja) 表面被覆切削工具
JP4018480B2 (ja) 被覆硬質工具
JP5261018B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP4072155B2 (ja) 表面被覆切削工具およびその製造方法
JP4405835B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP2009095907A (ja) 刃先交換型切削チップ
JP4268558B2 (ja) 被覆切削工具
JP2005344148A (ja) 耐摩耗性被膜およびこれを用いた表面被覆切削工具
KR20110102948A (ko) 표면 피복 절삭 공구
JP4340579B2 (ja) 表面被覆切削工具
JPWO2020075356A1 (ja) 切削工具及びその製造方法
JP2005271133A (ja) 被覆切削工具
JP2005262389A (ja) チタン合金加工用表面被覆切削工具
JP4575009B2 (ja) 被覆切削工具
JP3950385B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP2005271106A (ja) 被覆切削工具
JP4080481B2 (ja) 表面被覆切削工具およびその製造方法
JP2006082210A (ja) 表面被覆切削工具
JP4456905B2 (ja) 表面被覆切削工具
JP4535250B2 (ja) 高硬度鋼の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
JPWO2020075355A1 (ja) 切削工具及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20070123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090407

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4575009

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees