JP4574029B2 - バージン栓付きの容器 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、酸素非透過性の高いアルミ製のシートとこれに合わさる合成樹脂製のシートの少なくとも2層からなるバージン栓付きの容器に関し、該バージン栓の確実な開封を実現しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
薬剤や化粧料あるいは調味料等を収納するチューブ形式の容器は、開封前における内容物の品質保持を図る観点から、容器の本体部分を、酸素非透過性の高いアルミの如きシートと合成樹脂製のシートとを重ね合わせて成形した積層部材にて形成されている。
【0003】
この種のチューブ容器は、内容物を注出する口部についても、容器本体と同様の積層構造になるアルミパッド(密封栓)が配置されていて、容器から内容物を注出するに当たっては、キャップに予め備えつけられた切断部材を密封栓の天面部に押し付け、それを突き破る(押し切り)ことによって開封している。
【0004】
ところで、密封栓として、例えば、アルミ製のシートとポリエチレンの如き合成樹脂を交互に配置した多層構造としたものにおいては、切断部材にて該密封栓を押し切りしても最下層に位置する合成樹脂の層がアルミの層から剥離して伸延し、容器の口部が開封でいな場合があり、これは、品質のより一層の安定化を保持すべくアルミの層と合成樹脂の層を増していくほどその傾向が顕著になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような積層構造を持つバージン栓付きの容器において、容器の口部に配置された密封栓につき、それを押し切りに際して確実に口部を開封できる新規な容器を提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミ製のシートと合成樹脂製のシートとを重ね合わせ、最下層を合成樹脂製のシートとする少なくとも2層からなる密封栓を備え、該密封栓を切断部材によって押し切ることにより開封するバージン栓付きの容器であって、
前記密封栓に、切断部材による押し切りに際して該切断部材の先端部を当てる薄肉部分を設け、
該薄肉部分が、切断部材の先端が接触する部位を厚さ方向にずらすことによって形成された段差からなることを特徴とするバージン栓付きの容器である。
【0007】
【発明の実施の形態】
密封栓に薄肉部を設けておき、この薄肉部分に切断部材の先端部が当たるようにしておく。
【0008】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明に従うバージン栓付きの容器を、チューブ容器を例とした場合の構成を示したものである。図において1は内容物を充てんする容器本体である。
この容器本体1はアルミのシートと合成樹脂製のシートとを重ね合わせた少なくとも2層の積層構造にして内容物の酸化防止等を図り、内容物の品質を安定的に保持することができるようになっている。
【0009】
また、2はアルミパッドとしての密封栓である。この密封栓2は図2に示すような薄肉部分tを有しており、アルミ製の層2aとこれを上下に挟むポリエチレンの如き合成樹脂製の層2bからなっていて、図3に示したチューブ容器の中間部材の底部から挿入され、容器の口部1bの内側において高周波接着によって固定保持される。
【0010】
また、図1において3は容器本体1の肩部に配置されるリング状のスペーサ、4は容器本体1の口部1aに装着されるキャップである。
【0011】
キャップ4は、密封栓2の押し切りを司る切断部材4aを一体的に備え容器本体1の口部1aにねじ止めされる下キャップ4bとこの下キャップ4bに合わさり内容物の注出口を開閉するための上キャップ4cからなる。
【0012】
かかる構成になるチューブ容器において内容物を排出するには、まず、キャップ4を容器本体1から一たん取り外しスペーサ3を抜き取り、再度、キャップ4を取り付ける。
【0013】
キャップ4の取り付けに際してその下端は、スペーサ3がない分、容器本体1の肩部に向かって下降し、このとき、切断部材4aが密閉栓2aを押し切ることによって開封される。
【0014】
切断部材4aによる押し切り状態を図4に、また、密封栓2の開封後におけるキャップ4と容器本体1との位置関係を図5にそれぞれ示す。
【0015】
この種の容器に使用される密封栓は、単なる積層構造とした場合には、切断部材による押し切りに際してそれから最も離れた樹脂の層がアルミの層から剥離して図6に示すように伸延することもあって容器の口部を開封することができないのは前述したとおりであり、また、切断部材の先端が接触する部位につき、図7に示すようなV型のノッチを設けるような工夫もなされているけれども、この場合も、100%開封することができないことも想定されるが、本発明においては、上掲図2に示した如く、薄肉部分tを設けるようにしたので、確実な開封が可能になる。
【0016】
本発明の容器は、アルミの層と樹脂の層を交互に積層した密封栓を有し、これを切断部材を用いて押し切りするタイプの容器に係わるものであって、上述したチューブ容器にのみ限定されるものではなく、ブロー成形によるものやインジェクション成形によるもの等が適用可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、バージン栓付きの容器において、一回の動作で確実に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う容器の全体構成を示した図である。
【図2】密封栓の要部を拡大して示した図である。
【図3】密封栓の配置要領の説明図である。
【図4】切断部材による密封栓の押し切り状態を示した図である。
【図5】開封後のキャップと容器本体の位置関係を示した図である。
【図6】従来形式の密封栓の押し切り状態を示した図である。
【図7】従来の密封栓の要部の断面を示した図である。
【符号の説明】
1 容器本体
1a 口部
2 密封栓
2a アルミ製の層
2b 合成樹脂の層
3 スペーサ
4 キャップ
4a 切断部材
4b 下キャップ
4c 上キャップ

Claims (1)

  1. アルミ製のシートと合成樹脂製のシートとを重ね合わせ、最下層を合成樹脂製のシートとする少なくとも2層からなる密封栓を備え、該密封栓を切断部材によって押し切ることにより開封するバージン栓付きの容器であって、
    前記密封栓に、切断部材による押し切りに際して該切断部材の先端部を当てる薄肉部分を設け、
    該薄肉部分が、切断部材の先端が接触する部位を厚さ方向にずらし段差を設けることによって形成されたものであることを特徴とするバージン栓付きの容器。
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