JP4573389B2 - 収納袋の吊り下げ支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納物を投入して蓋をし、運搬する可撓性を有する収納袋の吊り下げ支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から使用済みの衣料、布を原料としてこれらから再生布が製造されている。この再生布業界では、裁断した原料を運搬するために図12に示すようないわゆるドンゴロスと呼称される主としてジュート製の収納袋51を使用している。収納袋51は原料もめん綿等を輸入する際に使用される収納袋を再利用したものである。収納袋51は底部52と筒部53及び蓋片54から構成されている。収納袋51は図示しないハンガーに引っ掛けて支持させ、上方から裁断した原料を投入し、いっぱいになると図示しないラムにて圧縮し、ハンガーから降ろし蓋片54で開口を覆い釘フック55にて蓋片54を固定するようにしている。そして、その収納袋51は図13に示す手鈎56の鈎部57を筒部53に打ち込んで人力で引っ張ったり押したりして移動させられ、更に搬機にて搬出される。このようにして原料を詰め込まれて搬送先に送られた収納袋51は原料を取り出した後回収されて再び使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、収納袋51は釘フック55や手56鈎を打ち込んでかなり乱暴に扱うため何度も使い回しをしているうちに補修もきかないほど破れてきてしまう。また、釘フック55や手鈎56の扱いには注意が必要になるとともに、熟練が必要である。特に釘フック55の着脱は慣れてきても時間がかかる作業であり、効率化が望まれてきた。更に、近年原料もめん綿等の輸入が極端に減少してきており、新たな収納袋51の供給が需要に追いつかないといった現状もあって収納袋51に代わる新たな収納袋が望まれていた。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものである。その目的は、釘フックを使用しなくとも収納物を収納でき、収納物の収納及び取り出しが簡単にでき、従来に比べ繰り返して使用できる回数が格段に多い収納袋を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明では、底部と、同底部の全周から筒状に立ち上がり上方に開放された開口を有する筒部と、同筒部の上縁付近に形成され前記開口を上方から覆う蓋片とを備えた収納袋を支持体に対して吊り下げ支持する際の吊り下げ支持構造であって、前記支持体は前記収納袋の周囲を四方から包囲する背板、第1及び第2の側板並びに扉板を備えるとともに、そのうちの前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上部位置には外方の配置位置から回動して前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端にそれぞれ載置される押さえ板が取着され、前記筒部は四面の壁面にて形成され、前記各壁面の上縁付近にそれぞれ蓋片が形成され、前記筒部の前記複数の蓋片の内、1枚を前記開口の大部分を覆う主蓋片とするとともに、他の3枚をそれよりも短い副蓋片とし、掛止孔を形成した前記主蓋片を前記背板に面して配置するとともに、前記副蓋片を前記第1及び第2の側板並びに前記扉板にそれぞれ面して配置し、前記主蓋片の前記掛止孔を前記背板に形成された係合突起に係合させて前記収納袋を吊り下げ支持するとともに、前記副蓋片を前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端から前記押さえ板との隙間を通して外方に垂れ下がるように配置し、内方に回動させた前記押さえ板と前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端との間で挟持することで、荷重がかかった際に前記副蓋片の先端位置に形成した肉厚の係合部材が前記押さえ板と前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端に当接し、前記副蓋片が内方へ戻らないようにしたことをその要旨とする。
請求項2の発明では請求項1に記載された発明に加え、前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端には凹部が形成され、前記押さえ板には前記係合突起が形成され、前記副蓋片には前記凹部と照合される前記掛止孔が形成され、前記押さえ板が前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端にそれぞれ載置された状態で前記係合突起が前記掛止孔を挿通して前記凹部内に挿入されるようにしたことをその要旨とする。
【0005】
請求項3の発明では請求項1又は2に記載された発明に加え前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端には外方に張り出した庇部が形成されてるようにしたことをその要旨とする。
【0006】
請求項4に記載された発明では請求項1〜3のいずれかに記載された発明に加え、前記各蓋片の重複部分には面ファスナーを配置したことをその要旨とする。
【0007】
【発明の効果】
請求項13に記載された発明では、支持体側に突設形成された係合突起に掛止孔を掛止させるだけで筒部を立設状態に保持させることができ、作業の効率化が図られる。
また、請求項4に記載された発明では上記発明の効果に加え、前記各蓋片の重複部分に面ファスナーを配置したため、開口に各蓋を仮止めでき、特に圧縮した際に収納物が開口の隙間から漏れ出ることが防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図1〜図10に基づいて説明する。尚、本実施の形態において正面(前方)とは図5及び図6における左方向をいい、奧(後方)とは同図における右方向をいう。
図1〜図4に示すように、収納袋は正方形の底部1と同底部1周縁から上方に立ち上がる筒部2とを有している。筒部2は長方形形状の第1〜第4の壁部2a〜2dにより構成され、横断面正方形形状とされている。底部1と筒部2によって包囲される収納空間S内に裁断された布が収納物Pとして投入される。筒部2上端、すなわち前後左右の壁部2a〜2dの上端は収納物Pを投入するための開口6とされている。筒部2上方には一枚の主蓋片5と三枚の第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cが形成されている。これらは可撓性のあるポリプロピレン製の布によって構成されている。尚、図1〜図4において布は若干厚めに図示されている。
【0009】
図1に示すように、主蓋片5は後壁部2dの上端から一体的に延出形成されている。主蓋片5の幅は開口6の幅mと一致し、長さは開口6の長さnの約1.5倍に形成されている。主蓋片5の中央には横方向に等間隔に3つの鳩目8が形成されている。主蓋片5の裏面側には開口6を覆った状態における前後方向に延出される4枚の面ファスナー9a,9bが配設されている。一対の第1の面ファスナー9aは主蓋片5の先端寄り中央に配設され、一対の第2の面ファスナー9bは3つの鳩目8の両側に配設されている。
第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cは前及び左右の壁部2a〜2cの上端からそれぞれ一体的に延出形成されている。第1の副蓋片7aの幅は開口6の幅mと一致し、長さは開口6の長さnの約半分に形成されている。第2及び第3の副蓋片7b、7cの幅は開口6の長さnと一致し、長さは開口6の幅mの約半分に形成されている。各副蓋片7a,7b,7cの中央には横方向にそれぞれ等間隔に3つの鳩目8が形成されている。
【0010】
図2に示すように、第1の副蓋片7aの表面中央から前壁部2a外面にかけて一対の第3の面ファスナー10aが配設されている。第2及び第3の副蓋片7b、7cの表面側には開口6を覆った状態における前後方向に延出される第4の面ファスナー10bが配設されている。
収納空間Sに収納物Pが投入されていっぱいになりこれら主蓋片5及び第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cによって開口6が封塞される場合には、図2に示すようにまず左右の第2及び第3の副蓋片7b、7cが内側に倒伏され、その上から一部端が重複するように第1の副蓋片7aが内側に倒伏される。そして、主蓋片5が内側に倒伏されるが、このとき主蓋片5の第1の面ファスナー9aは第3の面ファスナー10aと当接して接着され、第2の面ファスナー9bは第4の面ファスナー10bと当接して接着される。
第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cの先端には係合部材としてのホース13が配設されている。図7(a)に示すように、ホース13は袋状に形成された各副蓋片7a,7b,7cの先端に収納され、図7(b)に示すように脱落及び移動しないように縫い込まれている。
【0011】
図1〜図6(特に図1、図5及び図6)に示すように、補強ベルト15が前壁部2aの表面の上部寄りから下方に向かって延出され底部1の表面を通って更に後壁部2dの表面の上部寄至るまで縫い取りして装着されている。補強ベルト15の後壁部2d側の第1の末端15aから第1の可撓性長尺部材としての第1の固定ベルト17が延出されている。第1の固定ベルト17は同補強ベルト15と一体形成されたベルト体である。第1のベルト15は同末端15aから上向きに延出され、その先端は図3〜図6に示すように、主蓋片5及び第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cによって開口6が封塞された状態においてちょうど主蓋片5の中央付近に配置される。第1の固定ベルト17の先端にはバックルキャッチ18が装着されている。
補強ベルト15の前壁部2a側の第2の末端15bから第2の可撓性長尺部材としての第2の固定ベルト19が延出されている。第2の固定ベルト19は同補強ベルト15と一体形成されたベルト体である。第2の固定ベルト19は同末端15bから上向きに延出され、その先端側が長さ調整用バックル20に係合されている。第2の固定ベルト19は同バックル20の反転ピン20aを巻回して反転させられている。長さ調整用バックル20からは更に第2の可撓性長尺部材としての延長ベルト21が延出されその先端に固定バックル23が装着されている。図3及び図5に示すように、固定バックル23は前記第1の固定ベルト17側のバックルキャッチ18に係合可能とされている。第1の固定ベルト17と第2の固定ベルト19とは延長ベルト21を介して固定バックル23とバックルキャッチ18とにより連結される。尚、第1の末端15aと第2の末端15bとは筒部2の中心を挟んで180度対向する同高さ位置に配置されている。
【0012】
前壁部2aと左壁部2bとによって形成される角線C1上及び前壁部2aと右壁部2cとによって形成される角線C2上において上方寄り及び中央付近の計4箇所には縄製の第1の引き手25が形成されている。また、左壁部2bと底部1によって形成される角線C3上において中央付近にも縄製の第2の引き手26が形成されている。尚、右壁部2cと底部1によって形成される角線(図示せず)上にも対応する位置に縄製の第2の引き手26が形成されている。
【0013】
次にこのように構成された収納袋に収納物Pを収納する場合の作業方法について説明する。
図8に示す支持体としての作業ケース27内に収納袋を配置する。作業ケース27は収納物Pをこの作業ケース27まで搬送するラチスコンベアRの下流側に配置されている。
作業ケース27は底板28、背面板29、左右の側板30,31及び前面扉32とから構成されている。背面板29は左右の側板30,31及び前面扉32よりも高く形成されており、その上端面には3つの突起33が突設されている。前面扉32は図示しないヒンジを中心に回動可能とされ、作業者は取っ手34を把持して収納袋を配置する際及び取り出す際の前面扉32の開閉を行う。
左右の側板30,31及び前面扉32の上端にはそれぞれ外方に向いた庇部35が形成されている。各庇部35上面には3箇所に凹部36が形成されている。図9(a)〜(c)に示すように、各庇部35に対して押さえ板37が回動可能に取着されている。各押さえ板37の表面には3つの突起38が突設されている。各押さえ板37は前後一対のリンク部材39によって不使用時には吊り下げ支持され、図9(a)の位置において庇部35と押さえ板37との間には若干の隙間Qが形成される。この隙間Qよりも第1〜第3の副蓋片7a,7b,7c先端のホース13の収納部分の厚みの方が若干幅狭とされている。
【0014】
まず、作業者は前面扉32を開放して収納袋の主蓋片5の鳩目8を突起33に掛止させる。次いで、図9(a)に示すように第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cの先端のホース13を庇部35と押さえ板37との間の隙間Qから下側に垂らす。ここで収納袋のセット位置の微調整を行い各副蓋片7a,7b,7cの収納袋の鳩目8が庇部35に形成された凹部36に合致した状態で図9(b)に示すように押さえ板37を反転させ、図9(c)に示すように突起38を凹部36に挿入する。この状態においてホース13は庇部35と押さえ板37の両方にちょうど当接するように設計されており、たとえ突起38がなくとも収納物Pの重量によって収納袋が下方に引っ張られても第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cが庇部35の内側に戻ってしまうことはない。この庇部35と押さえ板37がストッパ構造に相当する。
【0015】
各副蓋片7a,7b,7cについて押さえ板37を反転させる操作が終了するとラチスコンベアRを駆動させ図10(a)に示すように収納袋の開口6から収納空間S内に収納物Pを投入していく。図10(b)に示すように筒部2の上端から盛り上がるまで投入したところでラチスコンベアRを一旦停止させる。そして、図10(c)に示すように開口6の直上に配置されたラム41を下降させてこの収納空間S内に収納物Pを圧縮する。そして、圧縮工程が終了し図10(d)に示すようにラム41が上昇して原位置で停止すると作業者は再び前面扉32を開放して、まず各押さえ板37を反転し、ホース13と突起38とによる第1〜第3の副蓋片7a,7b,7cの押さえを解除する。そして第1の引き手25を持って収納袋を持ち上げ主蓋片5の鳩目8を突起33から抜き、そのまま収納袋を作業ケース27外に出してから降ろす(作業ケース27内で降ろしても構わない)。
そして、図2のように左右の第2及び第3の副蓋片7b、7cを内側に倒伏させ、その上から一部端が重複するように第1の副蓋片7aを内側に倒伏させる。そして、最後に主蓋片5を内側に倒伏させる。このとき、図2から分かるように各蓋片5,7a,7b,7cの下端(つまり、筒部2の上端)よりもかなり高い位置まで収納物Pが詰め込まれている。
【0016】
次いで、図3に示すように、主蓋片5上において固定バックル23をバックルキャッチ18に連結させる。そして、前壁部2aに垂れ下がった第2の固定ベルト19の先端を下方に引き絞る。すると、第2の固定ベルト19の長さが短くなって第1の固定ベルト17と延長ベルト21及び第2の固定ベルト19の全長が短くなるため、結果としてこれらベルト17,19,21により収納袋を上方から圧縮する力が収納物Pにかかることとなる。これによってラムRだけでは十分ではない人力による更なる圧縮が可能となる。このとき第1の固定ベルト17は第1の末端15a位置を基端として、第2の固定ベルト19は第2の末端15b位置を基端として、各蓋片5,7a,7b,7c及び筒部2を押圧することとなる。このとき理論的には筒部2の第1の末端15a及び第2の末端15bを結ぶ線上まで圧縮が可能となる。例えば収納物Pの投入量が少なかったり、ラム41の圧縮が十分ではなかった場合には実際にこの位置まで圧縮は可能である。
筒部2や各蓋片5,7a,7b,7cに圧縮に伴い変形することから開口6周辺に隙間が生じ安くなるが第1〜第4の面ファスナー9a,9b,10a,10bによって各蓋片5,7a,7b,7c同士がしっかり連結され隙間ができにくくなっている。
圧縮が終了した収納袋は第1の引き手25を持って更に所望位置に運搬することができる。また、搬機で移動させる場合には横に寝かせ、搬機のアームに第2の引き手26を引っかけて運搬させることが可能である。
【0017】
このように収納物Pの圧縮収納が完了した収納袋の中身を取り出す際には図4に示すようにまず固定バックル23とバックルキャッチ18との連結関係を解除する。このとき、圧縮されて若干縮んでいた収納袋は圧縮前の状態近くまで復帰する。そして、まず蓋片5を持ち上げ(図2の状態)外側に垂らし、更に各副蓋片7a,7b,7cも同様に外側に垂らす。このように開口6を開放した状態で(副蓋片7a,7b,7cは必ずしもこのように垂らさなくとも収納物Pの取り出しは可能である)第1の引き手25や第2の引き手26を利用して上下反転させ、収納物Pを取り出すようにする。収納物Pをすべて取り出し、この収納物Pを回収する際には短縮した第2の固定ベルト19を再び繰り出して長くしておく。
【0018】
このように構成することで本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)手鈎や釘フックがまったく不要となるため袋が破れたりすることがなくなる。そのため、収納袋が痛まず長持ちする。
(2)バックルキャッチ18と固定バックル23を連結し、第2の固定ベルト19を引き絞るだけで蓋片5,7a,7b,7cによって開口6を塞ぎ更に上方から収納物Pを圧縮することができる。そのため、釘フックの着脱作業のように熟練が必要とされたりすることがなく、収納物Pを収納した後の開口6を蓋片5,7a,7b,7cで覆う作業が迅速化する。
(3)開口6は蓋片5,7a,7b,7cによって四方から塞がれるため収納物Pが漏れにくく、面ファスナー9a,9b,10a,10bによって各蓋片5,7a,7b,7cがしっかりと接合されるため圧縮により変形しても隙間ができにくく更に収納物Pが漏れにくい。
(4)バックルキャッチ18と固定バックル23を連結し、第2の固定ベルト19を引き絞ることでベルト17,19,21の全長が短縮されるため収納物Pを効率的に圧縮することができ、収納袋の体積を減らすことができる。この時、第1の固定ベルト17の基端は第1の末端15aとされ第2の固定ベルト19の基端は第2の末端15bとされいずれも開口6よりもかなり下側に位置するため圧縮力が大きければかなりの体積の減少が望まれる。
【0019】
(5)主蓋片5に鳩目8が設けられているため、作業ケース27に収納袋を装着するのが容易となるとともに、単なる孔に比べ鳩目8の孔が金具で補強されているため破れにくい。また、副蓋片7a,7b,7cにも鳩目8が設けられこれら四方の鳩目8によってバランスよく支持されるため、収納袋は破れたり型くずれしたりすることなく長持ちする。
(6)ホース13によって収納物P投入時の鳩目8にかかる重量を軽減することができるとともに、ホース13自体がおもりとなって風などにより副蓋片7a,7b,7cがあおられるのを防止する。
(7)バックルキャッチ18と固定バックル23は着脱が簡単であるため作業効率が向上する。
(8)第2の固定ベルト19の先端は前壁部2aに垂れ下がるため収納袋に正対する作業者はこれをもって引き絞る際に力が入りやすく圧縮作業が行いやすくなる。
(9)第1の引き手25及び第2の引き手26により手鈎が不要となり、これら縄25,26は縄によって構成されているためしっかり握ることができる。
(10)収納袋は直方体形状とされているため、運搬時の収まりがよく、扱いやすいものとなる。
【0020】
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図11に示すように、上記実施の形態の各副蓋片7a,7b,7cの鳩目8を省略してもよい。つまり、蓋片5だけ鳩目8を設けるようにしてもよい。このように構成してもホース13のが庇部35と押さえ板37と係合して各副蓋片7a,7b,7cを吊り下げ支持できるからである。
また、逆に各副蓋片7a,7b,7cの鳩目8があればホース13を各副蓋片7a,7b,7cの先端に収納しなくともよい。
・ホース13の代わりに他の形状の係合部材を装着してもよい。また、上記実施の形態ではホース13は縫い込まれていたが、装着手段は自由に選択可能である。
・上記鳩目8の代わりにリングを使用してもよい。
・第1の引き手25及び第2の引き手26は必ずしも必須の構成ではない。また、これらを設ける際にはいずれか一方だけでも構わない。また、設ける位置や形状、更に材質は問わない。
・上記実施の形態ではバックルキャッチ18と固定バックル23とにより第1の固定ベルト17と第2の固定ベルト19を連結するようにしていたが、他の方式でも構わない。例えば第1の固定ベルト17と延長ベルト21に面ファスナーを貼ってこれらの着脱で連結と解除を行うようにしてもよい。
・第1の固定ベルト17は後壁部2dの第1の末端15aを基端としていたが、基端を蓋片5に設けるようにしてもよい。多量の収納物Pを投入すればこのように基端が上方位置にあったとしても十分圧縮能は得られるからである。
・上記実施の形態では4枚の蓋片5,7a,7b,7cによって開口6を覆うようにしていた。これは1枚以上であれば常識範囲で枚数を加減することは自由である。
・また、上記実施の形態では蓋片5,7a,7b,7cは4枚が別体に構成するようにしていたが、蓋片とは巾着状に口を絞るものも含まれる概念である。
・上記実施の形態の面ファスナー9a,9b,10a,10bは必ずしも必須の構成ではない。
・バックルキャッチ18と固定バックル23の連結位置は蓋片5上でなくとも構わない。
・第2の固定ベルト19に調整用バックル20が設けられ、作業者は自分の正面の第2の固定ベルト19を操作して圧縮作業が行えるようになっていた。この長さ調節手段を他の位置、例えば第1の固定ベルト17側に設けるように構成しても構わない。
・上記実施の形態では補強ベルト15は2本とされていたが、2本には限定されることはない。また、補強ベルト15は前壁部2a、底部1及び後壁部2dを通過するように配設されていたが、これと交差するように左壁部2b、底部1及び右壁部2cを通過するように更なる補強ベルトを配設するようにしてもよい。 ・収納袋の材質は可撓性がある布状の材質であれば上記実施の形態の材質に限定されず特に何を使用しても構わない。
・第1の末端15aと第2の末端15bは上記実施の形態では中心を挟んで180度の位置で正対していた。しかし若干ずれて対向配置されても構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
【0021】
上記実施の形態から把握できる本発明のその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1) 前記副蓋片の先端付近には前記支持体側に設けられたストッパ構造と係合する肉厚の係合部材が装着されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の収納袋。
これによって次のような効果が与えられる。すなわち、収納物の重さで収納袋が沈み込んだりした場合に支持体に対して吊り下げ支持されている部分に過負荷がかかりほころんだりする不具合が生じる可能性がある。第2の蓋片を係合部材を介して支持体側に設けられたストッパ構造と係合させることで一部分にかかる負荷をする軽減することができる。
(2) 前記筒部の外面には引き手が形成されていることを特徴とする請求項1〜10若しくは付記1のいずれかに記載の収納袋。
(3) 前記底部の外面には引き手が形成されていることを特徴とする請求項1〜10若しくは付記1又は2のいずれかに記載の収納袋。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の収納袋の蓋片を開放した状態の斜視図。
【図2】同じ実施形態の収納袋に収納物を収納した状態の斜視図。
【図3】同じ実施形態の収納袋を封塞した状態の斜視図。
【図4】同じ実施形態の収納袋の封塞を解除した状態の斜視図。
【図5】同じ実施形態の収納袋の部分側面図。
【図6】同じ実施形態の収納袋の部分側面図。
【図7】同じ実施形態の収納袋の副蓋片へのホースの収納状態を説明するものであって、(a)はホースの収納位置を説明する図、(b)は収納後縫い取りした図。
【図8】同じ実施形態の収納袋を吊り下げ収納作業をするための作業ケースの斜視図。
【図9】同じ実施形態の収納袋の副蓋片の取り付け工程を説明するものであって、(a)は固定前、(b)は固定動作の途中、(c)は固定完了の各説明図。
【図10】同じ実施形態の収納袋への収納物の収納作業工程を説明するものであって、(a)は投入中、(b)は投入完了、(c)は圧縮、(d)は圧縮完了の各説明図。
【図11】他の実施の形態の収納袋の蓋片を開放した状態の斜視図。
【図12】従来の収納袋の斜視図。
【図13】手鈎の斜視図。
【符号の説明】
1…底部、2…筒部、6…開口、5,7a,7b,7c…蓋片、17…第1の可撓性長尺部材としての第1の固定ベルト、18…連結手段としてのバックルキャッチ、19…第2の可撓性長尺部材としての第2の固定ベルト、20…長さ調節手段としての調整用バックル、21…第2の可撓性長尺部材としての延長ベルト、23…連結手段としての固定バックル、27…支持体としての作業ケース。

Claims (4)

  1. 底部と、同底部の全周から筒状に立ち上がり上方に開放された開口を有する筒部と、同筒部の上縁付近に形成され前記開口を上方から覆う蓋片とを備えた収納袋を支持体に対して吊り下げ支持する際の吊り下げ支持構造であって、
    前記支持体は前記収納袋の周囲を四方から包囲する背板、第1及び第2の側板並びに扉板を備えるとともに、そのうちの前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上部位置には外方の配置位置から回動して前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端にそれぞれ載置される押さえ板が取着され、
    前記筒部は四面の壁面にて形成され、前記各壁面の上縁付近にそれぞれ蓋片が形成され、前記筒部の前記複数の蓋片の内、1枚を前記開口の大部分を覆う主蓋片とするとともに、他の3枚をそれよりも短い副蓋片とし、掛止孔を形成した前記主蓋片を前記背板に面して配置するとともに、前記副蓋片を前記第1及び第2の側板並びに前記扉板にそれぞれ面して配置し、
    前記主蓋片の前記掛止孔を前記背板に形成された係合突起に係合させて前記収納袋を吊り下げ支持するとともに、前記副蓋片を前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端から前記押さえ板との隙間を通して外方に垂れ下がるように配置し、内方に回動させた前記押さえ板と前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端との間で挟持することで、荷重がかかった際に前記副蓋片の先端位置に形成した肉厚の係合部材が前記押さえ板と前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端に当接し、前記副蓋片が内方へ戻らないようにしたことを特徴とする収納袋の吊り下げ支持構造。
  2. 前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端には凹部が形成され、前記押さえ板には前記係合突起が形成され、前記副蓋片には前記凹部と照合される前記掛止孔が形成され、前記押さえ板が前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端にそれぞれ載置された状態で前記係合突起が前記掛止孔を挿通して前記凹部内に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の収納袋の吊り下げ支持構造。
  3. 前記第1及び第2の側板並びに前記扉板の上端には外方に張り出した庇部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収納袋の吊り下げ支持構造。
  4. 前記各蓋片の重複部分には面ファスナーを配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の収納袋の吊り下げ支持構造。
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