JP4570575B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
すなわち、スロットマシンの投入口にメダルを投入した後、スタートスイッチを操作すると、複数種類の図柄が記された複数の回転リールが一斉に回転を開始する。この状態で、各回転リールに対応したストップスイッチを操作し、回転リールを次々に停止していき、最後の回転リールが停止したときに、回転リールに示される図柄が所定の組合せに揃っていれば入賞となる。入賞により、遊技者は、予め設定された枚数のメダルの払い出しを受けることができる。
このようなスロットマシンとしては、前扉が閉鎖状態になっているか否かを検出するためのセンサーが筐体に設けられ、前扉が開くと、センサーから、前扉が開かれたことを示す開放信号が送信されるものが知られている。
このようなスロットマシンによれば、例えば、遊技者が許可なく前扉を開けば、開放信号がセンサーから送信され、スロットマシンの管理者等に前扉が開かれたことが速やかに報知されるので、スロットマシンの内部を不正に操作しようとしても、前扉が開放された時点で速やかにその旨が報知されるようになり、これにより、不正行為の低減を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、パチンコ機には、遊技用機器である遊技盤と、この遊技盤の外側を囲むケーシングとしての外枠と、この外枠に回動可能に設けられるとともに、遊技盤が組み込まれている内枠とが備えられている。
ここで、内枠、及び、この内枠に組み込まれた遊技盤は、ケーシングである外枠の開口を開閉可能に塞ぐ前扉に相当するものとなっており、遊技盤の裏側を不正に操作するためには、遊技盤が組み込まれている内枠を開く必要がある。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筐体の扉が開かれた場合に、扉の開度が僅であるか否かについても検知可能な遊技機を提供することである。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載された発明は、前面が開口した筐体(10)と、この筐体(10)の開口部(11)を開閉自在に覆う扉(3)とを有し、前記扉(3)は、筐体(10)の一方側に縦方向の軸で軸支され、当選確率の設定値を変更可能に形成された遊技機において、前記扉(3)と前記筐体(10)との軸支側、及び反軸支側には各々、扉(3)と筐体(10)とのいずれか一方または双方にセンサー(71A,71B,72A,72B) を設け、前記センサーのうち反軸支側の鍵側センサー(71A, 71B)では扉(3)の開放をその開放直後に検知し、軸支側の軸支側センサー(72A, 72B)では扉(3)が完全に閉鎖した全閉位置から完全に開放した全開位置までに至る途中に設定された所定の中間位置まで開放したことを検知するように形成してある。
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記軸支側センサー(72A, 72B)、及び、鍵側センサー(71A, 71B)として、本体(73)に進退可能に設けられたプランジャ(74)を有する進退式の近接センサーが採用され、開放に伴う扉の移動距離によって、鍵側センサー(71A, 71B)、軸支側センサー(72A, 72B)の順に開放検知を行うことを特徴とする。
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1又は2記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)の各々が、前記扉(3)の開放を検知しているときにオンとなり、扉(3)の開放を検知していないときにオフとなるように形成されたものとされ、鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)のうち、鍵側センサー(71A, 71B)のみがオンとなった後、鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)の両方がオンの状態を経ないで、鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)の両方がオフの状態となった場合に、エラー信号を出力するように形成したことを特徴とする。
(特徴点)
請求項4記載の発明は、前述した請求項1から請求項3までのいずれかに記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項4記載の発明は、前記鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)の各々が、扉(3)の開放を検知しているときにオンとなり、扉(3)の開放を検知していないときにオフとなるように形成されたものであり、前記軸支側センサー(72A, 72B)がオフであるときに前記鍵側センサー(71A, 71B)がオンとなった場合には、扉が僅かに開いたことを報知し、前記鍵側センサー(71A, 71B)がオンであり、且つ、前記軸支側センサー(72A, 72B)がオンとなった場合には、扉が開放されたことを報知し、前記鍵側センサー(71A, 71B)がオンであり、且つ、前記軸支側センサー(72A, 72B)がオフである状態から、前記鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)がオンである状態を経ないで、直接、前記鍵側センサー(71A, 71B)及び軸支側センサー(72A, 72B)がオフである状態になった場合には、扉が異常閉鎖されたことを報知するように形成したことを特徴とする。
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、筐体の一方側に縦方向の軸で扉を軸支するので、扉は、前述の軸を中心に回動可能となる。このため、扉を開くために回動させると、軸支側よりも反軸支側の方が回動半径方向の外側にあるので、軸支側における扉と筐体との間隔が所定の長さに達するまでに、扉を大きく開く必要があるが、反軸支側における扉と筐体との間隔は、所定の長さに達するまでに、軸支側に比べると僅かに扉を開けばよいこととなる。
また、軸支側のセンサーとして、反軸支側と同様に、被検出物が所定の距離まで接近してきたことを検出する近接センサーを採用すれば、扉がある程度まで開放されないと、扉と筐体との間隔が所定の距離に達することはないので、扉が所定の中間位置まで達すると、扉と筐体との間隔が所定の距離となるように、センサーを設置することにより、扉が所定の中間位置まで開放されたことを確実に検知できるようになる。
従って、反軸支側に設けたセンサーにより、扉が開放された際には、その開放直後に扉の開放を検知することが可能となり、且つ、軸支側に設けたセンサーにより、扉が所定の中間位置に達したことも検知可能となるので、扉が開いたか否かの検知だけでなく、扉の開度が僅かであるか否かについても検知することができる。
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、軸支側センサー及び鍵側センサーとして、本体に進退可能に設けられたプランジャを有する進退式の近接センサーを採用したので、軸支側センサー及び鍵側センサーの各々が検知すべき扉の開放角度において扉と筐体との間隔が、その近接センサーの近接検出距離となるように、各センサーの設置位置と扉の回動中心との距離を適宜設定することにより、開放に伴う扉の移動距離によって、鍵側センサー、軸支側センサーの順に開放検知がなされるようになる。
(請求項3の効果)
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
ここで、遊技場の店員等がメダルの補給やメンテナンスのために扉を開く場合には、扉の開度は、所定の中間開度を越えるので、鍵側センサー及び軸支側センサーのうち、鍵側センサーのみがオンとなった後、鍵側センサー及び軸支側センサーの両方がオンの状態を経てから、鍵側センサー及び軸支側センサーの両方がオフの状態となる。
そこで、請求項3記載の発明によれば、上述のようにセンサーの出力が変化した場合、エラー信号が出力されるので、エラー信号が出力された時点で速やかに、店員等が不正行為に対する対策、例えば、メダルと賞品との交換業務の停止等を実施することができ、これにより、不正行為による損害を最低限に抑制することができる。
(請求項4の効果)
請求項4記載の発明によれば、上記した請求項3記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
また、遊技場の店員等がメダルの補給やメンテナンスのために扉を開いた場合には、扉は、僅かに開かれた後、速やかに所定の中間開度を越えて開かれるので、扉が僅かに開かたことが報知された後、速やかに、扉が開放されたことが報知され、これにより、不正行為が行われているのではなく、店員等が正当な目的で扉を開いたと判断できるので、何ら不正行為が行われていない現場に別の店員等を急行させる等の無駄を防止できる。
さらに、扉が僅かに開かれた後、それ以上大きく開かれずに閉じられた場合、扉の異常閉鎖が報知されるので、異常閉鎖が報知された時点で速やかに、前述したように、店員等が不正行為に対する対策、例えば、メダルと賞品との交換業務の停止等を実施することができ、これにより、不正行為による損害を最低限に抑制することができる。
(図面の説明)
図1〜図5は、本発明の一実施形態を示すものである。図1は、本実施形態に係る遊技機であるスロットマシンの全体を示す正面図、図2は、本実施形態に係るスロットマシンの全体を示す分解状態の斜視図、図3は、本実施形態に係る鍵側センサー及び軸支側センサーを示す模式断面図、図4は、本実施形態に係るスロットマシンの制御系の概略構成を示すブロック図、図5は、本実施形態に係る扉の開閉検知処理を行う開閉検知処理手段の概略構成を示すブロック図である。
このうち、前扉3は、開口部11の上側を開閉可能に塞ぐ上扉である上部前扉30と、開口部11の下側を開閉可能に塞ぐ下扉である下部前扉40とに分割されたものである。
ここで、前扉3は、上部前扉30を閉じた状態にしたまま、下部前扉40のみを開閉操作することができるようになっている。換言すると、前扉3は、開く際には、下部前扉40が上部前扉30よりも先に開き、且つ、閉じる際には、下部前扉40が上部前扉30よりも後に閉まるようになっている。
本体キャビネット10は、図2の如く、底部に配置された底板12、両側に配置された一対の側板13、頂部に配置された天板14及び背側に配置された背板15を有する筺体である。本体キャビネット10の高さ方向における略中央部分には、一対の側板13の間に水平に架け渡された中板16が設けられている。そして、この中板16の下方には、電源装置4が配置され、この電源装置4の側方には、ホッパーユニット5が配置されている。
ここで、電源装置4は、スロットマシン1の全体に電力を供給するものである。この電源装置4の前面には、スロットマシン1への電力供給を入り切りする操作を行うための電源スイッチ4Aと、当選確率の設定を変更するために操作される設定変更スイッチとしての押しボタンスイッチ4Bと、この押しボタンスイッチ4Bによる設定変更操作を有効なものにする設定変更キーが差し込まれる鍵穴4Cとが設けられている。
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、図2の如く、複数種類の図柄がそれぞれの周面に記された複数の回転リール24を図示しない電動機でそれぞれ回転駆動するように構成されたリールユニット22と、回転リール24の作動を制御するための制御装置である基板ユニット23と、これらリールユニット22及び基板ユニット23を支持する支持体としての枠体21とを含んで構成されたものである。
また、本体キャビネット10に設けられた各側板13の内側の面には、図2に示すように、交換ユニット2の枠体21を係止可能な固定金具6が設けられている。なお、図2には、左右の側板13のうち、左側の側板13に設けられた固定金具6のみが示されている。
交換ユニット2は、本体キャビネット10の中板16の上に載置され、この状態で固定金具6に係止されることにより、本体キャビネット10の内部に収納・固定されている。
また、交換ユニット2の枠体21には、上部前扉30を回動自在に支持する一対の回動支持部25が設けられている。これにより、交換ユニット2は、上部前扉30が装着された状態で、本体キャビネット10に対して着脱することが可能となっている。
ここにおいて、回動支持部25の各々は、筐体である本体キャビネット10の一方側、具体的には、枠体21の図2中左側に配置された縦方向に延びる軸組材21A に取り付けられている。各回動支持部25には、上部前扉30を軸支するために、縦方向に延びる回動支持用の軸25A が設けられている。
(下部前扉40)
下部前扉40は、図2の如く、本体キャビネット10の図2中左方に配置された側板13の中板16よりも下側に設けられた一対の回動支持部17により、一端縁側が回動自在に支持され、且つ、他端縁側が図示しない施錠機構によりロック可能となった扉体である。
ここにおいて、回動支持部17の各々は、筐体である本体キャビネット10の一方側、具体的には、図2中左側の側板13の中板16よりも下側に取り付けられている。各回動支持部17には、下部前扉40を軸支するために、縦方向に延びる回動支持用の図示しない軸が設けられている。
また、下部前扉40は、その奥行き寸法、換言すると、厚さが上部前扉30よりも大きくされ、これにより、前面が上部前扉30の前面よりも前方に迫り出している。このため、下部前扉40の上面は、上部前扉30の前面から水平に突出した略水平面となっている。この下部前扉40の上面近傍の部分が、スロットマシン1の遊技操作を行うための操作部50となっている。
操作部50には、図1の如く、図中右側から、下部前扉40の施錠を行う鍵が差し込まれる鍵穴51と、遊技用メダルが投入されるメダル投入口52と、回転リール24の回転を停止させるストップスイッチ53と、貯留されているメダルから3枚のメダルを該ゲームに賭けるためのマックスベットスイッチ54と、回転リール24の回転を開始させるスタートスイッチ55と、貯留されているメダルから1枚のメダルを該ゲームに賭けるためのベットスイッチ56と、貯留されているメダルを精算するための精算スイッチ57とが設けられている。
また、下部前扉40の裏面には、図2の如く、メダル投入口52に投入されたメダルを誘導しながらメダルの真贋を判定するためのメダルセレクタ43が設けられている。
下部前扉40の下方左右の角隅近傍には、種々の音声を出力するためのスピーカ44が設けられている。
上部前扉30は、図2に示すように、前述した枠体21に設けられた回動支持部25により、一端縁側が回動自在に支持され、且つ、他端縁側が図示しない施錠機構によりロック可能となった扉体である。
また、上部前扉30の略中央部には、図1に示すように、回転リール24の図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓32が設けられている。
この図柄表示窓32の上方には、図1及び図2の如く、当該図柄表示窓32の上方に被さるように略逆U字形に延びる装飾照明部33が設けられ、図柄表示窓32と装飾照明部33との間には、液晶表示装置等の薄型の表示装置35が設けられ、更に、図柄表示窓32の下方には、種々の表示を行うための表示部34が設けられている。
なお、本実施形態では、表示部34として、7セグメントの発光ダイオードを備え、数字の表示が可能となった表示装置が採用されている。
(鍵側センサー71A 及び軸支側センサー72A)
以上のようなスロットマシン1には、図2に示すように、前扉3の開閉状態を検知するために、本発明に基づくセンサーである鍵側センサー71A, 71B及び軸支側センサー72A, 72Bが設けられている。
また、本体キャビネット10には、下部前扉40の開閉状態を検知するために、下部前扉40を軸支している軸支側(図中左側)、及び、その反対側の反軸支側(図中右側)のそれぞれ配置された軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B が設けられている。
軸支側センサー72A 及び鍵側センサー71A 、並びに、軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B は、扉の開放を検知しているときにオンとなり、扉の開放を検知していないときにオフとなる同一構成のものである。以下の説明においては、軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B のみについて詳細に説明を行い、軸支側センサー72A 及び鍵側センサー71A については説明を省略する。
これらの軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B は、開放に伴う下部前扉40の回動移動距離が大きくなるにしたがい、下部前扉40の回動中心からの距離が遠い鍵側センサー71B が距離の近い軸支側センサー72B よりも先に開放検知を行うようになっている。
更に詳しく説明すると、軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B の各々には、プランジャ74が前進位置から後退して近接を検知する後退位置に到達するまでのストローク、換言すると、近接センサーの近接検出距離が適宜な寸法に設定されている。
軸支側センサー72B は、完全に閉鎖した全閉位置から完全に開放した全開位置までに至る途中に設定された所定の中間位置まで下部前扉40が開放されたら検知するように、換言すると、図3(C)に示すように、下部前扉40の開放角度θが所定角度以上、例えば、45度以上になったら、下部前扉40の開放を検知するように、前進位置から後退位置までのストロークが長く設定されたものとなっている。
一方、下部前扉40には、収納ボックス75に対応した位置に、収納ボックス75の前面に設けられた開口に応じたサイズの蓋部76が設けられている。この蓋部76は、収納ボックス75に対向する面の周縁に沿って段付部が形成されものであり、下部前扉40を閉鎖すると、段付部が収納ボックス75の開口の内部に嵌合するようになっている。
これにより、下部前扉40が閉鎖状態になると、本体キャビネット10と下部前扉40との隙間から、細長い器具を挿入しても、当該細長い器具が軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B のプランジャ74に細長い器具が到達せず、当該細長い器具による不正な操作が未然に防止されるようになっている。
次に、本実施形態に係る軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B を利用した下部前扉40の開閉検知処理手段について説明する。この開閉検知処理手段についての説明を行う前に、本実施形態に係るスロットマシン1の制御装置80について簡単に説明しておく。
すなわち、スロットマシン1の制御装置80は、マイクロコンピュータを利用したCPU並びにROM及びRAM等の記憶手段を含んで構成されたハードウェアに、演出動作制御や遊技動作制御を行うためのソフトウェアがインストールされたものである。ここで、前述した基板ユニット23に設けられている主基板及び副基板が制御装置80のハードウェアとなっている。
ここで、制御装置80は、メダルセレクタ43、マックスベットスイッチ54、ベットスイッチ56、精算スイッチ57、スタートスイッチ55、ストップスイッチ53、軸支側センサー72A,72B及び鍵側センサー71A,71Bの各々から出力される出力信号を受信するようになっている。また、制御装置80は、装飾照明部33、表示装置35、表示部34、スピーカ44、リールユニット22及びホッパーユニット5の各々へ制御信号あるいは駆動信号を送信するようになっている。
なお、図4には、説明の便宜上、第1検知手段83A 及び第2検知手段83B は、主制御手段81とは別個に設けられた手段として表現されているが、ソフトウェアで構成する場合には、ハードウェアとして主制御手段81と一体に構成されるものであってもよい。
以下に、第2検知手段83B について詳しく説明する。なお、軸支側センサー72A 及び鍵側センサー71A を利用して上部前扉30の開閉検知処理を行う第1検知手段83A は、第2検知手段83B と同一の構成を備えたものなので、その説明を省略する。
第2検知手段83B は、軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B を利用して、下部前扉40が僅かに開いたこと、及び、下部前扉40が所定の中間位置まで開放されたことを検知する処理を行うものである。
この第2検知手段83B には、図5に示すように、軸支側センサー72B 及び鍵側センサー71B の出力信号に基づいて、下部前扉40の開閉を検知する開閉検知部84と、この開閉検知部84の検知結果に基づいて各種の処理を行う処理部85とが設けられている。
寸開検知手段91は、軸支側センサー72Bがオフであるときに鍵側センサー71Bがオンとなった場合に、下部前扉40が僅かに開いた寸開状態となったことを検知するものである。そして、寸開検知手段91は、下部前扉40の寸開状態を検知すると、寸開検知信号を出力するようになっている。
異常閉鎖検知手段93は、鍵側センサー71B がオンであり、且つ、軸支側センサー72B がオフである状態から鍵側センサー71B及び軸支側センサー72Bがオンである状態を経ないで、直接、鍵側センサー71B がオフであり、且つ、軸支側センサー72B がオフである状態になったことに基づいて、下部前扉40が寸開状態から直接閉鎖される異常閉鎖を検知するものである。そして、異常閉鎖検知手段93は、下部前扉40の異常閉鎖を検知すると、異常閉鎖信号を出力するようになっている。
すなわち、処理部85には、下部前扉40が寸開状態であると、スロットマシン1に対する操作が一切行えないようにする操作無効処理手段94と、寸開検知手段91、開放検知手段92及び異常閉鎖検知手段93の各検知結果に対応した報知処理を行う報知処理手段95と、下部前扉40が寸開状態になると、その時点におけるスロットマシン1の遊技の状況を記憶する遊技状況記憶手段96と、下部前扉40が寸開状態から閉鎖状態になると、寸開時の遊技状況に強制的に復帰させる遊技強制復帰処理手段97と、下部前扉40が寸開状態から閉鎖状態になると、エラー信号を出力するエラー信号出力処理手段98とが設けられている。
更に具体的に説明すると、報知処理手段95は、寸開検知手段91から寸開検知信号を受信すると、副制御手段82を介して表示装置35に、下部前扉40が僅かに開いている旨の表示を行わせるようになっている。
また、報知処理手段95は、開放検知手段92から開放検知信号を受信すると、副制御手段82を介して表示装置35に、下部前扉40が開放されている旨の表示を行わせるようになっている。
このような報知処理手段95、副制御手段82及び表示装置35により、スロットマシン1は、軸支側センサー72Bがオフであるときに鍵側センサー71Bがオンになると、下部前扉40が僅かに開いたことを報知し、鍵側センサー71B がオンであり、且つ、軸支側センサー72B がオンである状態になると、下部前扉40が開放されたことを報知し、鍵側センサー71B がオンであり、且つ、軸支側センサー72B がオフである状態から鍵側センサー71B及び軸支側センサー72Bがオンである状態を経ないで、直接、鍵側センサー71B がオフであり、且つ、軸支側センサー72B がオフである状態になると、下部前扉40が異常閉鎖されたことを報知するように形成されている。
遊技強制復帰処理手段97は、異常閉鎖検知手段93から異常閉鎖信号を受信すると、遊技状況記憶手段96に記憶された遊技の状況に係るデータに基づいて、下部前扉40が寸開された時点の状況を強制的に復活させるものとなっている。換言すると、遊技強制復帰処理手段97は、下部前扉40が寸開状態にされた後、当選確率の設定値が不正に変更されたとしても、下部前扉40が閉じられた時点で、不正に変更された設定値を破棄して、下部前扉40が寸開された時点の設定値を強制的に復活させ、不正に行われた操作が徒労に終わるようににするものとなっている。
エラー信号出力処理手段98は、異常閉鎖検知手段93から異常閉鎖信号を受信すると、ホールコンピュータ等の外部装置に、下部前扉40についてエラーが生じたことを示すエラー信号を出力する処理を行うものとなっている。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、本体キャビネット10の一方側に縦方向の軸で下部前扉40を軸支し、これにより、下部前扉40を回動可能とし、さらに、下部前扉40の反軸支側において下部前扉40の開閉を検出する近接センサーである鍵側センサー71B を設け、下部前扉40が開放された際には、その開放直後に下部前扉40の開放を検知することを可能にし、且つ、下部前扉40の軸支側において下部前扉40の開閉を検出する近接センサーである軸支側センサー72B を設け、これにより、下部前扉40が所定の中間位置まで達したことを検出するようにしたので、下部前扉40が単に開いたか否かの検知だけでなく、下部前扉40の開度が僅かであるか否かについても検知することができる。なお、上部前扉30についても、この上部前扉30の開閉を検出する近接センサーとして鍵側センサー71A 及び軸支側センサー72A を設けたので、下部前扉40と同様に、単に開いたか否かの検知だけでなく、その開度が僅かであるか否かについても検知することができる。
このため、前述したように、反軸支側に設けた鍵側センサー71B により、下部前扉40が開放された際には、その開放直後に下部前扉40の開放を検知することが可能となり、且つ、軸支側に設けた軸支側センサー72B により、下部前扉40が所定の中間位置に達したことも検知可能となるので、構造の簡単な進退式の近接センサーで、下部前扉40が開いたか否かの検知と、下部前扉40の開度が僅かであるか否かについての検知の両方を達成することができる。なお、上部前扉30についても、鍵側センサー71A 及び軸支側センサー72A により同様の効果を達成することができる。
さらに、鍵側センサー71B がオンの状態であり、且つ、軸支側センサー72B がオンの状態であることに基づいて、下部前扉40が所定の中間位置よりも大きく開放された所定の開放状態になったことを検知する開放検知手段92を設け、下部前扉40が所定の開放状態になったことを開放検知手段92が検知すると、その旨を報知処理手段95で報知するようにしたので、遊技場の店員等がメダルの補給やメンテナンスのために前扉3を大きく開く場合には、速やかに、下部前扉40が所定の開放状態になったことが報知され、これにより、不正行為が行われているのではなく、店員等が正当な目的で扉を開いたと判断できるので、何ら不正行為が行われていない現場に別の店員等を急行させる等の無駄を防止できる。
さらに、寸開検知手段91から寸開検知信号を受信すると、その時点で設定されていた当否抽選における当選確率の設定値等のデータを記憶する遊技状況記憶手段96と、異常閉鎖検知手段93から異常閉鎖信号を受信すると、遊技状況記憶手段96に記憶された遊技の状況に係るデータに基づいて、下部前扉40が寸開された時点の状況を強制的に復活させる遊技強制復帰処理手段97とを設け、下部前扉40が僅かに開かれた後、大きく開かれることなく、下部前扉40が完全に閉じられると、下部前扉40が僅かに開かれた際に、遊技状況記憶手段96が記憶した遊技状況が復活されるようにしたので、下部前扉40を僅かに開いて、スロットマシン1の当選確率が高くなるように、設定値を不正に変更し、この後、下部前扉40をそれ以上大きく開かずに閉じてしまうと、不正に変更した設定値が、下部前扉40が僅かに開かれた際の元の設定値に復帰するので、当選確率が高くなることがなく、不正行為によりメダルが多く払い出されるのを未然に防止することができる。なお、下部前扉40を僅かに開いて、遊技の設定値を不正に変更した後、下部前扉40を大きく開くことにより、設定値が復帰することは防げるが、下部前扉40を大きく開けば、許可なく扉を開閉したことが発覚するので、この点から不正行為を防止できる。
(変形例)
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
ここで、光学式の近接センサーとしては、光を発する投光素子と、光を受ける受光素子とを有し、投光素子及び受光素子の間に被検出物が進入して光を遮ると、被検出物の近接を検出する遮断型の光学式近接センサー、及び、被検出物に反射させるための光を発する投光素子と、被検出物からの反射光を受光するための受光素子とを備え、被検出物が所定距離まで近づき、その反射光が受光素子に受光されると、被検出物の近接を検出する反射型の光学式センサーのいずれもが採用できる。
さらに、遊技機としては、スロットマシンに限らず、他の種類の遊技機でもよく、要するに、本発明は、開口を備えた箱状の筐体と、この筐体の開口を塞ぐために、当該筐体に回動可能に取り付けられた扉とを備えた遊技機全般に適用できる。
3 扉(前扉)
10 筐体としての本体キャビネット
11 開口部
71A, 71B 鍵側センサー
72A, 72B 軸支側センサー
73 センサーの本体
74 センサーのプランジャ
Claims (4)
- 前面が開口した筐体と、この筐体の開口部を開閉自在に覆う扉とを有し、
前記扉は、筐体の一方側に縦方向の軸で軸支され、
当選確率の設定値を変更可能に形成された遊技機において、
前記扉と前記筐体との軸支側、及び反軸支側には各々、扉と筐体とのいずれか一方または双方にセンサーを設け、
前記センサーのうち反軸支側の鍵側センサーでは扉の開放をその開放直後に検知し、軸支側の軸支側センサーでは扉が完全に閉鎖した全閉位置から完全に開放した全開位置までに至る途中に設定された所定の中間位置まで開放したことを検知するように形成し、
前記軸支側センサーが開放を検知していない状態で、前記鍵側センサーのみが開放を検知したときには、その時点における設定値を記憶し、
前記鍵側センサーが開放を検知しており、且つ、前記軸支側センサーが開放を検知していない状態から、前記鍵側センサー及び前記軸支側センサーの双方が開放を検知した状態を経ないで直接、前記鍵側センサー及び前記軸支側センサーの双方開放を検知していない状態になったときには、その時点での設定値が前記記憶した設定値と異なっていても、前記記憶した設定値に復活させるように形成したことを特徴とする遊技機。 - 前記軸支側センサー及び鍵側センサーは、本体に進退可能に設けられたプランジャを有する進退式の近接センサーとなっており、
開放に伴う扉の移動距離によって、鍵側センサー、軸支側センサーの順に開放検知を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記鍵側センサー及び軸支側センサーの各々は、前記扉の開放を検知しているときにオンとなり、扉の開放を検知していないときにオフとなるように形成されたものであり、
鍵側センサー及び軸支側センサーのうち、鍵側センサーのみがオンとなった後、鍵側センサー及び軸支側センサーの両方がオンの状態を経ないで、鍵側センサー及び軸支側センサーの両方がオフの状態となった場合に、エラー信号を出力するように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。 - 前記鍵側センサー及び軸支側センサーの各々は、扉の開放を検知しているときにオンとなり、扉の開放を検知していないときにオフとなるように形成されたものであり、
前記軸支側センサーがオフであるときに前記鍵側センサーがオンとなった場合には、扉が僅かに開いたことを報知し、
前記鍵側センサーがオンであり、且つ、前記軸支側センサーがオンとなった場合には、扉が開放されたことを報知し、
前記鍵側センサーがオンであり、且つ、前記軸支側センサーがオフである状態から、前記鍵側センサー及び軸支側センサーがオンである状態を経ないで、直接、前記鍵側センサー及び軸支側センサーがオフである状態になった場合には、扉が異常閉鎖されたことを報知するように形成したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遊技機。
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