以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、スロットマシン2の筺体3は大別して、正面に開口部4を有する収納箱5、収納箱5の開口部4を開閉自在に塞ぐ前面扉6とから構成されており、さらに、この前面扉6は、収納箱5の上部開口4aを開閉自在に塞ぐ上扉7、筺体の下部開口4bを開閉自在に塞ぐ下扉8とから構成されている。
収納箱5は、底板10、側板11、天板13及び裏板14(図9及び図10参照)から形成されており、高さ方向略中央部には、2枚の側板11の間に水平方向に中板12が設けられている。底板10にはメダルの払出し装置であるホッパーユニット14が載置されている。
正面左側の側板11には、前面扉6を係合させ、回転自在に支持するための係合部15が設けられている。この係合部15は、上扉7を係合させ、回転自在に支持するための上部係合部16と、下扉8を係合させ、回転自在に支持するための下部係合部17とから構成されており、これらは正面左側の側板11に、上下方向に間隔を置いてそれぞれ2つずつ設けられている。さらに、上部係合部16の対向側の側板11には、上扉7を閉めた際、上扉7をロックするための突出片18が上下方向に間隔をおいて2つ設けられている。また、下部係合部17の対向側の側板11には、下扉8を閉めた際、下扉8をロックするための突出片19が上下方向に間隔をおいて2つ設けられている。
交換ユニット20は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体21、この支持体21に固定されたリールユニット22及び基板ユニット(不図示)とから構成されており、中板12の上に乗せられ、上部開口4a内部に収納されている。リールユニット22は、外周に複数の図柄が一定ピッチで配列されている第1〜第3リール23〜25と、特に図示しないが第1〜第3リール23〜25を回転させるためのステッピングモータを有している。また、基板ユニットには、スロットマシン2の作動を制御するための制御回路26(図9参照)が組み込まれており、この制御回路26は、CPU(不図示)を中心にして構成されている。
詳しくは後述するが、中板12の下面には箱状の支持部材27を介して電源装置28が取り付けられている(図7参照)。電源装置28の前面側には、スロットマシン2の主電源を入れるための電源スイッチ29aと、遊技の際の利益付与確率、すなわち大当たりに当選する確率を段階的に変更するための設定変更スイッチ(設定変更操作部)29bとを備えた操作部29が設けられている。また、電源装置28には、下扉8の開閉に伴い電源装置28を回転させる回転機構30を有する移動装置31が設けられている(図9参照)。
底板10上面の正面左側には、ホッパーユニット14と隣接して、光線の送受を行う投光部32a及び受光部32bからなるフォトセンサである扉開閉検出器32が載置されている。この扉開閉検出器32は下扉8が開かれているか否かを検出するためのものである。受光部32bは制御回路26に接続されており(図9参照)、投光部32aから放射された光が受光部32bで受光されると、制御回路26に検知信号が出力される。
なお、投光部32a及び受光部32bは、光線の送受が行われて、受光及び遮光を検知できるものであればどのようなものでもよい。一般的には、LEDとフォトダイオードからなる光センサが用いられる。このようなLEDとフォトダイオードからなる光センサは高性能かつ非常に小型化されており、設置スペースがきわめて限定されたスロットマシン2内部に設定する光センサとして好適である。
上扉7は、収納箱5の側板11に回動自在かつロック可能に形成されている扉であり、前面には第1〜第3リール23〜25の図柄を正面側から観察することができる表示窓33、種々の表示を行うためのLCDパネル34、エラーコードやメダルのクレジット枚数などを表示するための表示部35が設けられている。また、上扉7には、演出時に点灯する演出用ランプ36と、スピーカ37とが設けられている。
上扉7の裏面には、上部係合部16に係合可能な回動軸38が上下方向に間隔をおいて2つ設けられており、回動軸38は、上部係合部16に回動自在となるように取り付けられる。また、回動軸38の対向側には、上扉ロック機構39が設けられている。上扉ロック機構39は、図3に示すように、上扉7の裏面側部に固着された固定部40と、この固定部40に上下方向に摺動可能に取り付けられた可動部41と、側板11に設けられた突出片18とから構成されている。固定部40は可動部41を支持するためのものであり、可動部41は、側板11の突出片18に係合し、上扉7と収納箱5とをロックし、又はロック解除するためのものである。
固定部40には、ピン42及びストッパー43が設けられており、これらで可動部41を支持している。さらに、固定部40と可動部41との間に取り付けられたバネ44が、可動部41を常に上方向に引き上げるように働いており、一方可動部41には段部45が設けられ、この段部45がストッパー43に当接して可動部41を係止している。
可動部41には、斜辺46aと溝部46bとを有する係止片46が2つ設けられており、溝部46bに突出片18が引っ掛かり、かつ可動部41はバネ44の弾性復元力によって上方向に引っ張られるので、上扉7と収納箱5とがロックされた状態になる。また、可動部41の下端には、ロックを解除するための解除つまみ47が設けられている。解除つまみ47は、上扉7の下面よりも下方に突出しており、この解除つまみ47を下に引っ張ると、係止片46の溝部46bから突出片18が外れ、ロックが解除される。なお、解除つまみ47は、下扉8を開かないと操作できないようになっているが、これについては後述する。
開いた状態の上扉7を閉めるときには、係止片46の斜辺46aが突出片18に当接し、さらに扉を閉める方向に押すと可動部41は徐々に下に下がっていく。そしてさらに扉を閉める方向に押すと、可動部41はバネ44により上方向に引っ張られるので、ついには突出片18が斜辺46aを乗り越えるような形で溝部46bに嵌り込み、係止片46は突出片18に係止される。すなわち、上扉ロック機構39は、扉を閉めれば自動的にロックされるように構成されている。
図1及び図2に示すように、下扉8は、収納箱5の下部開口4bを塞ぐための扉であり、収納箱5の側板11に回動自在かつロック可能に形成されている。
下扉8の上部には、スロットマシン2を作動させるための操作パネル50が設けられている。操作パネル50は、ベットボタン51、MAXベットボタン52、第1〜第3リール21〜23の回転を別個に停止させるための第1〜第3ストップボタン53〜55、第1〜第3リール21〜23を回転させるためのスタートレバー56、ペイアウトボタン57等の各種の操作ボタンによって構成されている。操作パネル50の横にはメダル投入口58が設けられている。
スロットマシン2の前面下方には、メダルを外部に排出するメダル排出口59と、排出されたメダルが一時的に貯留されるメダル受け皿60とが設けられている。
下扉8の正面右上には鍵穴61が設けられている。鍵穴61は、下扉8を解錠するためのものであり、この鍵穴61に鍵(施錠媒体)62(図5参照)を差し込んで回すと、下扉8のロックが解錠される。そして、この下扉8が解錠されることにより、上扉7も開放可能となる。
下扉8の裏面側には、メダル投入口58から投入されたメダルを適正にホッパーユニット14に送り出すためのメダルセレクター等の各種装置が設けられている。また、下部係合部17と係合可能な回動軸63が上下方向に間隔をおいて2つ設けられており、回動軸63は、下部係合部17に回動自在となるように取り付けられる。さらに、下扉8の裏面右隅には、遮光板64が設けられている。この遮光板64はL字状に屈曲形成された板状部材からなり、L字の垂直板部分が下扉8の内側面に固着されており、これによってL字の水平板部分が扉開閉検出器32の投光部32aと受光部32bの光軸間に突出するようになっている。よって、上扉7が閉められた状態では、扉開閉検出器32の投光部32aから受光部32bに向けて放射される光は、遮光板64によって遮られる。
また、下扉8の裏面には、電源装置28を固定するソレノイド(固定装置)65が設けられている。ソレノイド65は、ボビン65aと駆動鉄芯65bとから構成される。ソレノイド65の構成及び機能は周知であるので詳細は記載しないが、ソレノイド65は通電が行われると、ボビン65aに巻かれたコイル(図示せず)によって磁界が発生し、駆動鉄芯65bをボビン65aの内部に引き込む。そして、ソレノイド65への通電が停止すると、図示しないバネの復帰力により、ボビン65aに引き込まれた駆動鉄芯65bがボビン65aの内部から引き出される。
回動軸63の対向側には、下扉ロック機構66が設けられている。この下扉ロック機構66の構造は、上扉7のものとほぼ同様であるので、重複する部分は同一の符号を付してその説明を省略し、上扉7と異なる部分の詳細を説明する。図4に示すように、下扉ロック機構66は、上扉ロック機構39の下端にある解除つまみ47が無い代わりに、下扉8の正面右上に設けられた鍵穴61に鍵62を差し込んで解錠するようになっている。鍵穴61の内部には、特に図示しないが、鍵62を差し込むと嵌り合うキー溝を有する解錠用鍵と、解錠用シャフト67とが設けられている。そして、解錠用シャフト67の先端には、突起を有する解錠用カム68が形成されている。一方、可動部41の上端部は突出片69となっており、この突出片69には開口70が設けられている。さらに、開口70には、解錠用カム68の突起が係止されている。すなわち、側板11に設けられた突出片19が係止片46の溝部46bに嵌り込み、下扉8が収納箱5にロックされた状態になる。
このロックを解除するときは、鍵穴61に鍵62を差し込んで所定方向に回すと、解錠用シャフト67の先端に設けられた解錠用カム68が、図4における矢印方向に回転する。このとき、開口70に係止されている解錠用カム68の突起が可動部41を押し下げ、係止片46の溝部46bから突出片19が外れ、ロックが解除される。なお、下扉ロック機構66も、上扉7と同様に、扉を閉めれば自動的にロックされるように構成されている。
ここで、上扉ロック機構39及び下扉ロック機構66を用いたスロットマシン2のロック管理について説明する。図1に示すように、閉扉時において、上扉ロック機構39の解除つまみ47は、扉内部に隠れて閉まっているので、スロットマシン2の外側から操作可能な解錠手段は、鍵穴61のみである。したがって、鍵62を用いて下扉8を開けることはできるが、下扉8が施錠されている状態で上扉7を開けることはできない。また、下扉8を解錠して開くと、上扉ロック機構39の解除つまみ47が操作可能となる。したがって、上扉7を解錠するには、下扉8を開けて、解除つまみ47を引き下げてロックを解除しなければならない。このように、下扉8の鍵62がなければ上扉7を解錠できないので、下扉8の鍵62の使用を管理することにより、基板等の一般人には手を触れられたくない部品をガードすることができる。
図5に示すように、鍵62は、解錠操作を行う際に摘まれる摘み部71と、鍵穴61に挿入される挿入部72とから構成されている。挿入部72の側周面の一部には溝72aが形成されている。この溝72aにはシート状に形成されたRFIDタグ(無線タグ)73が貼り付けられている。なお、溝72aは、RFIDタグ73が周囲の部品などと物理的に干渉することを防止するために設けられている。
図6に示すように、RFIDタグ73は、ICチップ(記憶手段)74と、ICチップ74の外面に設けられたアンテナ部75とからなる。アンテナ部75は、ICチップ74の復調回路74a及び変調回路74dに接続されている。アンテナ部75では、後述するRFIDリーダ76から受けた電波が電磁誘導作用により電力として蓄積される。この電力は、ICチップ74に内蔵された各種回路の電源として利用される。
図6において、ICチップ74には、復調回路74aと、コントローラ74bと、情報記憶回路74cと、変調回路74dとが設けられている。復調回路74aは、アンテナ部75で受信した電波を検波・復調して命令信号を取り出し、取り出した命令信号をコントローラ74bに入力する。コントローラ74bは、入力された命令信号に従って識別情報記憶回路74cを制御する。識別情報記憶回路74cには、鍵62についての固有のセキュリティ管理番号(識別情報)が記憶されている。また、セキュリティ管理番号は、遊技場で用いられる全ての鍵62について同一とならないように定められている。
コントローラ74bは、書き込み命令信号、読み出し命令信号、書き換え命令信号が入力されることにより、識別情報記憶回路74cに対し、新たなセキュリティ管理番号の書き込み、記憶されたセキュリティ管理番号の読み出し、記憶されたセキュリティ管理番号の書き換えをそれぞれ行う。コントローラ74bは、読み出し命令信号が入力されることにより、識別情報記憶回路74cから読み出したセキュリティ管理番号を変調回路74dに入力する。変調回路74dは入力されたセキュリティ管理番号を示す電気信号を変調してアンテナ部75に出力し、アンテナ部75はセキュリティ管理番号を電波として発信する。セキュリティ管理番号の書き込みと書き換えは鍵62の製造過程において行われ、遊技場に設置された状態では、特定の暗号情報の入力を行わない限り、セキュリティ管理番号の書き換えが行えないようにされている。
通信手段としてのRFIDリーダ76は、図4に示すように、解錠用シャフト67に隣接して設置されている。図6に示すように、RFIDリーダ76は、アンテナ部77、復調回路78、コントローラ79、変調回路80、電波発生回路81を備えている。復調回路78は、アンテナ部77で受信したRFIDタグ73からの電波を検波・復調してセキュリティ管理番号を取り出し、取り出したセキュリティ管理番号をコントローラ79に入力する。コントローラ79は、RFIDタグ73からセキュリティ管理番号を読み出すための読み出し命令信号を変調回路80に入力する処理と、RFIDタグ73から読み出されたセキュリティ管理番号を制御回路26に入力する処理と、セキュリティ管理番号が認識できなかったときに読み取りエラー信号を出力する処理とを行う。変調回路80に入力された読み取し命令信号は、変調された後、電波発生回路81を介してアンテナ部77から電波として発信される。
識別情報判定手段、及び固定解除手段としての機能を有する制御回路26のメモリ(不図示)には、正規のセキュリティ管理番号が記憶されており、制御回路26では、RFIDタグ73から読み出されたセキュリティ管理番号と、前記メモリに記憶されているセキュリティ管理番号との照合が行われ、RFIDタグ73から読み出されたセキュリティ管理番号の真偽が判定される。制御回路26によってRFIDタグ73から読み出されたセキュリティ管理番号が「真」、すなわち正規のセキュリティ管理番号であると判定された場合、制御回路26からソレノイド65に命令信号が送出され、ソレノイド65と挿通穴28aとによって固定されている電源装置28のロックが解除され、電源装置28が移動可能な状態となる。
図7及び図8に示すように、中板12の下面には支持部材27が固着されている。電源装置28の上面の中央には電源装置28と一体に形成された軸受け81が設けられている。また、電源装置28の背面には、ソレノイド65の駆動鉄芯65bが挿入可能な挿入穴28aが形成されている(図9及び図10参照)。
支持部材27及び電源装置28には、電源装置28が所定位置にあるか否かを検出する電源装置位置検出器82が設けられている。なお、所定位置とは、操作部29が下部開口4bから露呈される下部開口4b側を向く位置(図9参照)、あるいはその位置から180度回転させた裏板14側を向く位置(図10参照)のことを示す。
電源装置位置検出器82はフォトセンサからなり、支持部材27の下面27aにおける中央からやや後方には投光部82aが設けられ、電源装置28の上面における軸受け81よりもやや前方には第1受光部82b、軸受け81よりもやや後方、すなわち軸受け81を中心として第1受光部82bを180度回転させた位置には第2受光部82cが設けられている。第1、2受光部82b、82cのそれぞれの受光面は支持部材27の投光部82aから放射される光を受光できるように電源装置28の上面から露呈されている。第1、2受光部82b、82cは制御回路26に接続されており(図9及び図10参照)、投光部82aから放射された光が第1受光部82b、または第2受光部82cで検出されると、光を検出した方の受光部から制御回路26に検知信号が出力される。
図8に示すように、支持部材27にはモータ83が内蔵されている。このモータ83はドライバ84を介して制御回路26により制御される(図9及び図10参照)。支持部材27の下面27aの中央部には円形の挿通孔27bが形成されており、この挿通孔27bからモータ83の駆動軸83aが下方に向けて突出されている。駆動軸83aは、電源装置28の上面に設けられた軸受け81に挿通され、工業用接着剤、あるいはビス(不図示)などによって軸受け81に強固に固定される。
このように、本実施形態では、移動装置31は、制御回路26と回転機構30とを備えていて、回転機構30は、軸受け81、電源装置位置検出器82、モータ83、駆動軸83a、及びドライバ84を備えている(図9参照)。
図9に示すように、扉開閉検出器32、RFIDリーダ76、及び電源装置位置検出器82の第1、2受光部82b、82cは、制御回路26に接続されている。下扉8が閉じられた状態では、図10に示すように、電源装置28は、電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aと対面するように配置されている。この状態では、ソレノイド65に通電が行われず、ボビン65aから突出した駆動鉄芯65bが電源装置28の挿入穴28aに挿入された状態になっている。
制御回路26に、RFIDリーダ76で読み取られたRFIDタグ73のセキュリティ管理番号に関する電気信号が入力されると、制御回路26ではRFIDタグ73のセキュリティ管理番号の真偽の判定が行われる。ここで、RFIDタグ73のセキュリティ管理番号が「真」であると判定されると、制御回路26からソレノイド65に命令信号が出力される。この命令信号に基づいてソレノイド65への通電が行われ、駆動鉄芯65bがボビン65aの内部に引き込まれる。ソレノイド65への通電が行われた後、下扉8が開放されて、制御回路26に扉開閉検出器32の受光部32bからの検知信号が入力されると、制御回路26からドライバ84を介してモータ83に駆動開始信号が出力され、モータ83の駆動が開始される。モータ83の駆動が開始されると、駆動力が駆動軸83aを介して電源装置28に伝わり、図10に示すように、電源装置28が円弧矢印方向に回転する。このとき、電源装置位置検出器82の投光部82aから放射された光の第1受光部82bでの受光が中止され、回転が進むとやがて第2受光部82cで受光が行われる。第2受光部82cで光が検出されると、制御回路26に検知信号が出力され、制御回路26はドライバ84を介してモータ83に駆動停止信号を出力する。駆動停止信号を受けるとモータ83は駆動を停止する。
下扉8が開かれた状態(図9参照)から閉じられた状態(図10参照)になると、扉開閉検出器32の投光部32aから放射されている光線が遮断され、受光部32bへの受光が中止される。この中止を受けて、受光部32bから制御回路26に電気信号が出力される。この電気信号を受けて制御回路26はドライバ84を介してモータ83に駆動開始信号を出力する。命令信号を受けたモータ83は駆動を開始し、図9に示すように、電源装置28を円弧矢印方向に回転させる。この回転に伴い、第2受光部82cでの受光は中止され、やがて投光部82aからの放射されている光は第1受光部82bで受光される。光が第1受光部82bで受光されると、第1受光部82bから制御回路26に電気信号が出力され、制御回路26はドライバ84を介してモータ83に駆動停止信号を出力する。この駆動停止信号を受けてモータ83は駆動を停止する。また、制御回路26はソレノイド65に命令信号を出力する。これによりソレノイド65への通電が停止され、ボビン65aから駆動鉄芯65bが突出し、駆動鉄芯65bが電源装置28の挿入穴28aに挿入される。
ソレノイド65の駆動鉄芯65bが電源装置28の挿入穴28aに挿入されることによって電源装置28が所定位置に固定される。このように、ソレノイド65は固定装置として機能する。なお、この場合の所定位置とは、電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aに対面する位置を示す(図10参照)。
次に、このようなスロットマシン2の作用について図11のフローチャートを基に説明する。スロットマシン2の下扉8が閉じられた状態にある場合、下扉8を開放するにあたって、まず鍵穴61に鍵62を挿入し、解錠する。このときRFIDリーダ76が鍵62に設けられたRFIDタグ73のセキュリティ管理番号を読み取る。RFIDリーダ76は読み取ったセキュリティ管理番号を電気信号として制御回路26に送出する。制御回路26はRFIDリーダ76で読み取ったセキュリティ管理番号が正規のものであるか否かの判定を行う。制御回路26がセキュリティ管理番号を正規のものであると判定した場合、制御回路26はソレノイド65への通電を行い、電源装置28の挿入穴28aに挿入された駆動鉄芯65bをボビン65aの内部に引き込ませ、電源装置28のロックを解除する。これにより電源装置28の回転が可能となる。
下扉8を開放すると、扉開閉検出器32は下扉8が開放されたことを検知し、検知信号を制御回路26に送出する。この検知信号に応答して制御回路26はモータ83の駆動を開始させる。モータ83の駆動に伴い、図10に示すように、電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aに対面するように配置されていた電源装置28が、円弧矢印方向に回転を開始する。
電源装置28の回転が進み、電源装置28が駆動軸83aを中心にして180度回転すると、やがて電源装置位置検出器82の第2受光部82cが投光部82aからの光を受光し、制御回路26に検知信号を送出する。この検知信号に応答して制御回路26はモータ83の駆動を停止させる。このとき電源装置28の操作部29が収納箱5の下部開口4bから露呈され、これにより操作部29への操作が可能となる。
下扉8を閉じると、下扉8の遮光板64が扉開閉検出器32の投光部32aから放射されている光を遮る。すなわち扉開閉検出器32の受光部32bによる受光が中止される。受光部32bによる受光が中止されると制御回路26はモータ83の駆動を開始させる。このとき、図9の円弧矢印方向に電源装置28が回転するようにモータ83の駆動が行われる。
電源装置28の回転が進み、電源装置28が駆動軸83aを中心に180度回転すると、やがて電源装置位置検出器82の第1受光部82bが受光を行い、第1受光部82bは制御回路26に検知信号を送出する。この検知信号に応答して制御回路26はモータ83の駆動が停止させる。モータ83の駆動が停止した後、制御回路26はソレノイド65への通電を停止させ、図10に示すように、駆動鉄芯65bを電源装置28の挿入穴28aに挿入させる。これにより電源装置28の回転移動が不能となる。
以上のように、下扉8が開状態のときに下部開口4bに面していた操作部29が、下扉8が閉状態になると、電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aに対面するように電源装置28が回転し、下扉8が開状態のときに確認した位置にスロットマシン2の外部から針金などを突っ込んだりしても、そこに操作部29がないから、針金などによる操作部29への不正操作を防止することができる。
上記実施形態では、鍵62に溝72aを設けてその溝72aにRFIDタグ73を貼り付けたが、これに限ることなく、RFIDタグ73を鍵62の先端に設けたり、あるいは鍵62がプラスチック製であれば鍵62に埋設しても良い。つまり、RFIDタグ73と周囲の部品などとの物理的な干渉が防止されるように、鍵62にRFIDタグ73が設けられていれば良い。なお、この場合、RFIDリーダ76は下扉8に設けられているが、収納箱5に設けても良く、RFIDタグ73との通信が可能となるような箇所に設置されていれば良い。
上記実施形態では、電源装置28を、下部開口4bから露呈された電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aに対面するように180度回転させたが、これに限ることなく、電源装置28の操作部29が収納箱5の側板11の内面に対面するように、90度回転させても良い。つまり、下扉8を閉じた際に、電源装置28の操作部29が下部開口4bから露呈されないように電源装置28を回転させれば良く、電源装置28の回転量は適宜決定すれば良い。
上記実施形態では、RFIDリーダ76で読み取ったRFIDタグ73のセキュリティ管理番号の認証が行われたことを条件にソレノイド65への通電が行われたが、これに限ることなく、セキュリティ管理番号の認証と、扉開閉検出器32による下扉8の開閉に関する検知との両方が行われたことを条件にソレノイド65への通電を行い、ロックを解除するようにしても良く、少なくともセキュリティ管理番号の認証が行われたことを条件にロックが解除されれば、追加条件は適宜に変更可能である。
上記実施形態では、下扉8が閉じられ、電源装置28が回転して、電源装置28の操作部29が収納箱5の裏板14の内面14aに対面する位置に達すると、ソレノイド65の駆動鉄芯65bが電源装置28の挿入穴28aに挿入されることによって電源装置28が固定されたが、下扉8が開放されているときの電源装置28の位置、すなわち、電源装置28の操作部29が下部開口4bから露呈される位置(図9参照)においても、同様の方法で電源装置28を固定しても良い。この場合、挿入穴28aに対応するように裏板14にソレノイドを設け、電源装置28が回転して、操作部29が下部開口4bから露呈された際に、ソレノイドの駆動鉄心を挿入穴28aに挿入させる。
上記実施形態では、モータ83を用いて電源装置28を回転させたが、これに限ることなく、下扉8と電源装置28とをリンク機構などで連結し、電源装置28を下扉8の開閉動作に連動して回転させるようにしても良い。
次に図12〜19を参照しながら第2の実施形態について説明する。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図12に示すように、収納箱5の底板10には扉開閉検出器32が設けられている。下扉8の裏面右隅には、遮光板64が設けられている。図18に示すように、扉開閉検出器32は制御回路90に接続されている。また、制御回路90はスロットマシン2の作動を制御するものであり、CPU(不図示)を中心にして構成されている。
図12に示すように、中板12の下面には電源装置91が収納される電源装置収納ケース92がビス(不図示)や工業用接着剤などで固着されている。図14に示すように、電源装置91の前面側には、スロットマシン2の主電源を入れるための電源スイッチ93aと、遊技の際の利益付与確率、すなわち大当たりに当選する確率を段階的に変更するための設定変更スイッチ(設定変更操作部)93bとを備えた操作部93が設けられている。また、電源装置91には、下扉8の開閉に伴い電源装置91をスライドさせるスライド機構117を有する移動装置118が設けられている(図15参照)。下扉8が開放されているときには、図13に示すように、電源装置91は、電源装置収納ケース92の開口92aから前方にスライドしながら突出し、下部開口4bから電源装置91の操作部93が露呈されるような状態となる。
図14に示すように、電源装置91には、下面にガイド突起94が2個設けられている。また、下面後部にはフォトセンサである電源装置位置検出器95の投光部95aが設けられている。電源装置91の前面上部の左右両端部にはそれぞれ突出片91aが形成されている。突出片91aは電源装置91の操作部93と電源装置収納ケース92の前蓋96との接触を防止するためのものであり、電源装置91が電源装置収納ケース92から突出する際に、突出片91aが前蓋96に当接することによって前蓋96の操作部93への接触が防止される。
図15に示すように、電源装置91の上面には前後方向にラック97が設けられている。また、電源装置91の左右両側面にはそれぞれ、後述するソレノイド114の駆動鉄芯114bが挿入される挿入穴91bが形成されている。
電源装置収納ケース(保護ケース)92は、電源装置91を収納して保護するケース本体98と、下扉8が閉じられているときに設定変更スイッチ93bを覆う前蓋(蓋体)96とから構成されている。ケース本体98は、上カバー99及び下カバー100から構成される。
上カバー99は、上壁101、2つの側壁102、及び奥壁140(図17参照)とからなり、前部と下部とが開口されている。上壁101には、内部にモータ103を取り付けるためのモータ取付リブ104が形成されており、モータ103は、ビス105によりモータ取付リブ104に取り付けられている。モータ103の駆動シャフト106に取り付けられたギア107は電源装置91のラック97に噛合している(図17参照)。図18に示すように、モータ103はドライバ108を介して制御回路90により駆動が制御される。
下カバー100は、底壁109、2つの側壁110、及び奥壁111とからなり、前部と上部とが開口されている。底壁109には、電源装置91の装着時に電源装置91を電源装置収納ケース92内部の所定位置にガイドする左ガイドレール112及び右ガイドレール113が設けられている。左ガイドレール112及び右ガイドレール113は、2個ずつ設けられている。電源装置91のガイド突起94を左ガイドレール112と右ガイドレール113との間に挿入することにより、電源装置91は左右及び上下方向が位置決めされ、電源装置収納ケース92内部にまでガイドされる。
底壁109後部の左右両端部近傍にはそれぞれソレノイド114が設けられている。ソレノイド114は、ボビン114aと駆動鉄芯114bとから構成され、図18に示すように、制御回路90に接続されている。下扉8が閉じられた状態では、図16(a)に示すように、ソレノイド114の駆動鉄芯114bは電源装置91の挿入穴91bに挿入され、電源装置91を移動不能にロックしている。また、下扉8が開放された状態では、図16(b)に示すように、ソレノイド114の駆動鉄芯114bはボビン114aの内部に引き込まれ電源装置91が移動可能となる。このように、ソレノイド114は固定装置として機能する。なお、ソレノイド114の仕組みの詳細説明については第1の実施形態で説明したので省略する。
底壁109の後部と、前部とにはそれぞれ電源装置位置検出器95の第1受光部95bと第2受光部95cとが設けられている。また、図17(a)に示すように、下扉8が閉じられ、電源装置91が電源装置収納ケース92に収納された状態にある場合には、電源装置91の投光部95aと、第1受光部95bの受光面とが対面し、下扉8が開放され、電源装置91が電源装置収納ケース92から図17(b)に示すような位置にまで突出した場合には、電源装置91の投光部95aと、第2受光部95cの受光面とが対面するように第1受光部95bと第2受光部95cとは配置されている。また、第1受光部95bと第2受光部95cとは制御回路90に接続されている(図18参照)。第1受光部95b、第2受光部95cで受光されると、検知信号が制御回路90に送出される。この検知信号に応答して制御回路90はモータ103の駆動を制御する。
上カバー99の側壁102、及び下カバーの側壁110のそれぞれには、ビス115(図13参照)により上カバー99と下カバー100とを着脱自在に固定するためのビス締め孔102a、110aがそれぞれ形成されている。
下カバー109の前面下部にはヒンジ116によって前蓋(蓋体)96が軸着されている。上カバー99と下カバー100とを接合させることにより形成される開口92a(図13参照)は、前蓋96によって開閉自在に閉塞される。特に図示しないが、ヒンジ116内部には捩じりバネが設けられている。捩じりバネの一端は下カバー109の底壁109に、他端は前蓋96に固着されており、捩じりバネによって前蓋96は図15中の円弧矢印方向に付勢されている。
図18に示すように、扉開閉検出器32、電源装置位置検出器95、及びRFIDリーダ76は、識別情報判定手段、及び固定解除手段としての機能を有する制御回路90に接続されている。制御回路90は、扉開閉検出器32、電源装置位置検出器95、及びRFIDリーダ76から出力される各種信号に基づいてソレノイド114への通電と、モータ103の駆動を制御している。
以上のように、本実施形態では、移動装置118は、制御回路90とスライド機構117とを備えていて、スライド機構117は、ガイド突起94、電源装置位置検出器95、ラック97、モータ103、駆動シャフト106、ギア107、ドライバ108、左ガイドレール112、及び右ガイドレール113を備えている(図15参照)。
次に、第2の実施形態の作用について図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。スロットマシン2の下扉8が閉じられた状態にある場合、下扉8を開放するにあたって、まず鍵穴61に鍵62を挿入し、解錠する(図1及び図5参照)。このときRFIDリーダ76が鍵に設けられたRFIDタグ73のセキュリティ管理番号を読み取る。RFIDリーダ76は、読み取ったセキュリティ管理番号を電気信号として制御回路90に送出する。制御回路90はRFIDリーダ76で読み取ったセキュリティ管理番号が正規のものであるか否かの判定を行う。制御回路90がセキュリティ管理番号を正規のものであると判定し、且つ、下扉8が開放され、制御回路90に扉開閉検出器32からの検知信号が入力された場合、制御回路90はソレノイド114への通電を行う。
ソレノイド114への通電が行われると、図16(a)に示すように、電源装置91の挿入穴91bに挿入されたソレノイド114の駆動鉄芯114bが、図16(b)に示すように、ボビン114aの内部に引き込まれ、電源装置91のロックが解除され、電源装置91が前後方向にスライド可能となる。さらに、制御回路90はモータ103に対して駆動開始信号を送出し、モータ103は駆動を開始する。モータ103が駆動すると、モータ103の駆動力がギア107、ラック97を介して電源装置91に伝わり、電源装置収納ケース92に収納されていた電源装置91が(図17(a)参照)、図17(b)に示すように、前方へスライドを開始する。この際、先ず電源装置91の前面に形成された突起91aが前蓋96を押圧し、前蓋96を前方に傾斜させる。その後、電源装置91の前面下部が前蓋96の裏面に摺接しながら前蓋96を押し下げながら前進する。そして、電源装置位置検出器95の第2受光部95cが受光を行うと、第2受光部95cは制御回路90に検知信号を送出する。この検知信号を受けて制御回路90はモータ103に対して駆動停止信号を送出し、モータ103は駆動を停止する。電源装置91の操作部93は収納箱5の下部開口4bから露呈され、操作部93への操作が可能となる。
下扉8を閉じると、下扉8の遮光板64が扉開閉検出器32の投光部32aから放射されている光を遮る。すなわち扉開閉検出器32の受光部32bによる受光が中止されると、制御回路90はモータ103の駆動を開始させる。このとき、電源装置91が後方へスライドするようにモータ103の駆動が行われる。
電源装置91が後方へスライドし、やがて電源装置位置検出器95の第1受光部95bが受光を行うと、第1受光部95bは制御回路90に検知信号を送出する。これを受けて制御回路90はモータ103の駆動を停止させる。そして、制御回路90はソレノイド114への通電を停止させ、ボビン114aの内部から駆動鉄芯114bを突出させる。すると、図16(a)に示すように、駆動鉄芯114bが電源装置91の挿入穴91bに挿入される。これにより、電源装置91は、電源装置収納ケース92に完全に収納された位置において固定され、移動不能となる。
以上のように、電源装置91を電源装置収納ケース92で内抱することにより、仮にスロットマシン2の内部にスロットマシン2の外部から針金などを突っ込まれたとしても、電源装置収納ケース92を構成している部材のうちの特に前蓋96が邪魔になるので、針金などによる電源装置91の操作部93への操作を防止することができる。また、ソレノイド114の駆動鉄芯114bが電源装置91の挿入穴91bに挿入されているので、電源装置91を電源装置収納ケース92から強引に引き出して操作部93を露呈させることを防止することができる。
上記実施形態では、電源装置収納ケース92の前蓋96を電源装置91で押圧することにより開放し、捩じりコイルバネの付勢力を用いて閉じるようにしたが、前蓋96をモータ103の駆動力を用いて開閉させても良い。
次に、図20〜26を参照しながら第3の実施形態について説明する。上記第1の実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図20に示すように、収納箱5の底板10には扉開閉検出器32が設けられている。下扉8の裏面右隅には、遮光板64が設けられている。図25に示すように、扉開閉検出器32は制御回路120に接続されている。なお、制御回路120はスロットマシン2の作動を制御するものであり、CPU(不図示)を中心にして構成されている。
図20及び図21に示すように、収納箱5には電源装置121が設置されている。電源装置121の前面側には、スロットマシン2の主電源を入れるための電源スイッチ122aと、遊技の際の利益付与確率、すなわち大当たりに当選する確率を段階的に変更するための設定変更スイッチ(設定変更操作部)122bとを備えた操作部122が設けられている。また、電源装置91には、下扉8の開閉に伴い電源装置121をスライドさせるスライド機構131を有する移動装置132が設けられている。下扉8が開放されると、図24に示すように、電源装置121は、前方にスライドしながら突出し、下部開口4bから電源装置121の操作部122が露呈されるような状態となる。
下扉8の裏面上部には、下扉8が閉じられているときに電源装置121を押圧するとともに、電源スイッチ122aと設定変更スイッチ122bとからなる操作部122を前方から覆うカバー(被覆部材)123が電源装置121に対向して設けられている。このカバー123は下扉8の裏面から後方に向けて突設された支持部材124の先端に設けられている。カバー123は電源装置121の操作部122の形状に対応するように矩形状に形成されている。カバー123は操作部122が収納される収納部123aと、この収納部123aを側方と上方とから囲い、且つ下方が開口された略コ字形状に形成された縁(押圧部)123bとから構成されている。下扉8が閉じられているとき、電源装置121は縁123bによって前方から押圧される。
中板12とホッパーユニット14との間には、電源装置121を載置するための載せ台125が設けられている。この載せ台125は水平に設けられており、側板11にビス(不図示)などで固定されている。図21に示すように、載せ台125には、左ガイドレール112及び右ガイドレール113が、2個ずつ設けられている。また、載せ台125の後部の左右両端部にはそれぞれ第1ソレノイド128が設置されている。第1ソレノイド128はボビン128aと駆動鉄芯128bとで構成されている。
収納箱5の裏板14の内面14aには圧縮コイルバネ(付勢部材)129が設けられている。この圧縮コイルバネ129は電源装置121を前方に向けて付勢するためのものである。図23及び図24に示すように、この圧縮コイルバネ129の一端は裏板14の内面14aに固着され、他端は電源装置121の背面に固着される。
図24に示すように、中板12の下面には第2ソレノイド130が設けられている。第2ソレノイド130は第1ソレノイド128と同様にボビン130aと駆動鉄芯130bとで構成されている。なお、第1、第2ソレノイド128、130については第1の実施形態のソレノイド65と同様の仕組みになっているので説明を省略する。
図21に示すように、電源装置121の前部における一方の側面から上面を経由して他方の側面にかけてフランジ131が形成されている。電源装置121の上面に形成されたフランジ131の中央にはタッチセンサ132が設けられている。図25に示すように、このタッチセンサ132は制御回路120に接続されている。カバー123の縁123bがタッチセンサ132に接触すると、検知信号が制御回路120に送出される。
図22に示すように、電源装置121の下面にはガイド突起94が設けられている。第2の実施形態と同様にして、電源装置121のガイド突起94を左ガイドレール112と右ガイドレール113との間に挿入することにより、電源装置は121左右及び上下方向が位置決めされ、載せ台125上で前後方向にスライド自在にガイドされる。
電源装置121の左右両側面にはそれぞれ第1ソレノイド128の駆動鉄芯128bが挿入可能な第1ソレノイド用挿入穴121aが形成されている。下扉8が完全に閉じられ、下扉8に設けられたカバー123により載せ台125の前部から後部へと移動させられた電源装置121は、第1ソレノイド128の駆動鉄芯128bが第1ソレノイド用挿入穴121aに挿入されることにより移動不能にロックされる。このように、第1ソレノイド128は固定装置として機能する。
電源装置121の上面には、第2ソレノイド130の駆動鉄芯130bが挿入可能な第2ソレノイド用挿入穴121bが形成されている。
図25に示すように、扉開閉検出器32、RFIDリーダ76、及びタッチセンサ132は制御回路120に接続されている。識別情報記憶手段、及び固定解除手段としての機能を有する制御回路120は、扉開閉検出器32、RFIDリーダ76、及びタッチセンサ132から出力される各種信号に基づいて第1、第2ソレノイド128、130への通電を制御している。
以上のように、本実施形態では、移動装置132は、スライド機構131と圧縮コイルバネ129とを備えていて、スライド機構131は、ガイド突起94、縁123b、左ガイドレール112、及び右ガイドレール113を備えている。
次に第3の実施形態の作用について図26のフローチャートを参照しながら説明する。スロットマシン2の下扉8が閉じられた状態にある場合、下扉8を開放するにあたって、まず鍵穴61に鍵62を挿入し、解錠する(図1及び図5参照)。このときRFIDリーダ76が鍵62に設けられたRFIDタグ73のセキュリティ管理番号を読み取る。RFIDリーダ76は読み取ったセキュリティ管理番号を電気信号として制御回路120に送出する。制御回路120はセキュリティ管理番号が正規のものであるか否かの判定を行う。制御回路120がセキュリティ管理番号を正規のものであると判定し、且つ、下扉8が開放され、制御回路120が扉開閉検出器32からの検知信号を入力した場合、制御回路120は第1ソレノイド128への通電を行う。すると、図23(a)に示すように、第1ソレノイド用挿入穴121aに挿入された第1ソレノイド128の駆動鉄芯126bが、図23(b)に示すように、ボビン126aの内部に引き込まれ、電源装置121が移動可能な状態となる。
また、図24(a)に示すように、下扉8が閉じられた状態にある場合、下扉8のカバー123の縁123bが電源装置121のフランジ131を前方より押圧する。タッチセンサ132がカバー123の縁123bと電源装置121のフランジ131との接触を検知し、検知信号を制御回路120に送出する。タッチセンサ132が制御回路120に検知信号を送出し続けている間、制御回路120は第2ソレノイド130への通電を行う。すなわち、通電が行われている間は、第2ソレノイド130の駆動鉄芯130bはボビン130aの内部に引き込まれた状態となっている。
図24(b)に示すように、下扉8を開放すると、電源装置121は圧縮コイルバネ129の付勢力を受けて載せ台125から突出し、収納箱5の下部開口4bから電源装置121の操作部122を露呈する。また、カバー123の縁123bが電源装置121のフランジ131から離れ、タッチセンサ132から制御回路120に送出されている検知信号が途絶える。これを受けて制御回路120は第2ソレノイド130への通電を停止させる。すると、ボビン130aの内部から駆動鉄芯130bが突出し、第2ソレノイド用挿入穴121bに駆動鉄芯130bが挿入される。これにより駆動鉄芯130bがストッパーとなり、操作部122への操作を行う際の奥行き方向への揺れやガタツキなどが防止される。
再び下扉8を閉じる場合、まずカバー123の縁123bが電源装置121のフランジ131に接触し、この接触をタッチセンサ132が検知する。タッチセンサ132は検知信号を制御回路120に送出する。制御回路120は第2ソレノイド130への通電を行う。すると、第2ソレノイド130の駆動鉄芯130bはボビン130aの内部に引き込まれる。
下扉8をさらに閉じると、カバー123の縁123bによってフランジ131が前方から押圧され、電源装置121が圧縮コイルバネ129の付勢力に抗して後方にスライドする。やがて、下扉8の遮光板64が扉開閉検出器32の投光部32aから放射されている光を遮る。すなわち扉開閉検出器32の受光部32bによる受光が中止されると、制御回路120は第1ソレノイド128への通電を停止させる。すると、図23(a)に示すように、第1ソレノイド用挿入穴121aに第1ソレノイド128の駆動鉄芯128bが挿入され、電源装置121が移動不能にロックされる。
このように、カバー123によって電源装置121の操作部122を覆うことにより、仮にスロットマシン2の内部にスロットマシン2の外部から針金などを突っ込まれたとしても、カバー123が邪魔となり、針金などによる電源装置121の操作部122への操作を防止することができる。また、下扉8が閉状態のときには、電源装置121はカバー123によって押されて引っ込み、下扉8が開状態のときには、電源装置121は圧縮コイルバネ129の付勢力によって前方に突出するから、下扉8の開閉に伴って電源装置121の出し入れを行わせることができる。
また、第1ソレノイド128の駆動鉄芯128bが電源装置121の第1ソレノイド用挿入穴121aに挿入されているので、電源装置121を載せ台125から強引に引き出すことが不可能となる。
上記実施形態では、電源装置121にフランジ131を設け、このフランジ131をカバー123の縁123bで押圧するようにしたが、フランジ131を設けずに、カバー123の縁123bで電源装置121の操作部122を直接的に押圧するようにしても良い。この場合、カバー123の縁123bを、操作部122を構成している電源スイッチや設定変更スイッチなどに接触しないように、且つ、下扉8が閉じられている際には、カバー123の縁123bで操作部122を覆い、外部から操作部122に接触することができないように形成すれば良い。
なお、本発明はスロットマシンにのみ適用されるものではなく、パチンコ機などの遊技機についても適用することができる。