JP4570522B2 - 飾り鏡餅 - Google Patents

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Description

本発明は、重ね鏡餅を模した形状の鏡餅容体内に餅を充填収納した飾り鏡餅に関するものである。
正月に鏡餅を飾る風習を踏襲すべく重ね鏡餅を模した形状の鏡餅容体内に餅を充填収納した飾り鏡餅が好評を博している。
現在では大きさも様々でありこれに橙を載せたり、飾り物を付したり、また、正月用に限らず、神棚用やその他祝い用にアレンジしたものも多数開発されている。
このような飾り鏡餅は、飾り終わるとその中身の餅を例えば鏡開きの日に食するなど、そのまま捨てずに食する場合が多い。
このように容器に餅を収納した飾り鏡餅は、取り扱い易く運搬や販売が容易で、しかも汚れやカビなども生じにくい容器収納構成でありながら、単なる鏡餅形の飾りものではなく、鏡餅容体の中に餅を収納してあくまで中は本物の餅が入った飾り鏡餅であり、飾った後は食べられるように構成しているものである。それ故にこの容器収納タイプの鏡餅が一般家庭に広く普及したと考えられる。
しかし、この飾り鏡餅はこのように画期的なものであるが一方で実際に食するためには、この容器を包丁などで切断して容器を分断し、中の餅を取り出さなければならないため非常に厄介である。
しかも、この容体は樹脂製で表面は滑面であって、鏡餅形状を模しているため平坦面はほとんどなく上面もやや上方に湾曲しており、これを上方から包丁で分断することは単純操作ではあるが、簡易に分断できず、十分な注意を要し、決して容易ではない。
そのため、せっかく本物の餅を収納していても、これを食する人が減るおそれもある。
そこで、鏡餅容体内に餅を充填収納せず、真空個包装した切り餅や丸餅を数個収納し、底部開口部をラップ閉塞した飾り鏡餅が10数年前に開発され、これも好評である。この個包装餅入り飾り鏡餅はやはり本物の餅を収納した飾り鏡餅であり、餅を飾る風習は踏襲しつつも、中身を食するときは容体の切断を要さずに単に閉塞ラップを剥がすだけで餅を取り出せ、しかもこれまた切断せずに衛生上も良い個包装の切餅や丸餅を取り出せて必要な数だけ食することができる画期的な飾り鏡餅であった。
この個包装タイプは現在も好評を博しているが、依然として個包装餅入りでないこれまでの充填タイプのものも好評を博している。
なぜ個包装タイプが充填タイプに完全にとって替わらず充填タイプも依然好評なのかについて色々検討を重ねた結果、個包装タイプは、確かに切断作業を全く要さず、衛生的にも秀れ、食べ易い個包装切り餅や丸餅を簡単に取り出せるのであるが、商品を手に持ったとき、中に複数の個包装餅が詰められているために手を振るとガサガサと音がするだけでなく、充填タイプに比べてかなり軽量となり、もともと樹脂製の重ね鏡餅に模した容器に収納していることと相まってこの重みのなさから安っぽく、おもちゃ感が生じてしまう欠点を有し、この軽量性が意外にも大きな欠点とされて個包装タイプが全てとって替わることなく、充填タイプもこの個包装タイプに負けず売れていることを出願人は見い出した。
即ち、個包装タイプは素晴らしい発想に基づく商品ではあるが、ガサガサし、また重みのなさからおもちゃ感を生じ、それ故餅の量が少ないことが実感され、また、結局これは本物の古来からある鏡餅とは言えないのではとの原点に返ってしまう問題があったのである。
しかし、これに比して充填タイプはこの点では秀れるものの、前述のように外側の鏡餅形の樹脂容器(鏡餅容体)の切断を要する問題があり、どちらも一長一短ということで、消費者や取引者がこれを評価し、自らこれらを総合判断の上、購入するのが現状であった。
出願人は長年この鏡餅の研究を行い、様々な商品開発に取り組んできており、これまで様々な特許を取得してきたが、この現状を打破することはできず、また他社においても同様であり、やむを得ないとされてきたと思われる。
本発明は真にこの問題を見い出し、この問題に真っ向から取り組み、切断不要にして充填した餅を簡単に取り出せ、しかも例えば安易に分断ミシン目を入れるなどのようなコストがかかったり、取り扱い性が劣ったり、本来の鏡餅としての価値を失せることなく簡単に餅が取り出し可能な充填タイプの飾り鏡餅を実現させることを目的としており、本発明者は、この目的を達成し、この技術課題を解決した本発明を完成したものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
容体側部の外形状を、外周面8が外側に湾曲突出した湾曲突出側周部1が谷部2を介して上下方向に複数連設形成された外形状として、鏡餅の上に鏡餅を重ねた重ね鏡餅に模した形状に形成した中空の鏡餅容体3に、この鏡餅容体3の下方の開口部4から餅5を充填収納した構成の飾り鏡餅において、前記鏡餅容体3の肉厚を一定として内外面の形状を同一とせず、少なくとも前記湾曲突出側周部1の肉厚が一定ならば下方の開口部4から前記餅5を引き出し若しくは押し出し排出することを阻止するアンダーカット部となる部分の肉厚を設定して肉厚調整部6を形成し、この肉厚調整部6は、この肉厚調整部6の内周面7が外周面8と同じく外側に湾曲せず且つ下方の開口部4へ向かう程内径が狭まる下細り内周面を有さずに、この肉厚調整部6の内周面7が下方の開口部4に向かって内径が一定となるストレート内周面若しくは下方の開口部4へ向かって内径が広くなる下広がり内周面となる肉厚に設定し、この鏡餅容体3の内周面7又は少なくとも前記肉厚調整部6の内周面7若しくは肉厚調整部6以外の内周面7に多数の微細な凹凸16を設けた構成とすると共に、この鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、少なくともこの飾り鏡餅の前記鏡餅容体3に膨張若しくは収縮を生じさせてこの鏡餅容体3の内周面7と該鏡餅容体3に充填収納された餅5との密着度合いを低減し得る高温処理若しくは低温処理を施した構成として、前記充填収納した餅5を前記鏡餅容体3から前記下方の開口部4を取り出し口として餅5を破壊せずにそっくり押し出し若しくは引き出し排出自在に構成し、前記高温処理若しくは低温処理は、前記鏡餅容体3に充填収納した前記餅5が固化した状態で施すもので、この固化した状態の前記餅5の表面が再び柔らかくなってしまうことのない加熱温度及び加熱時間で加熱装置により若しくは冷却装置により前記鏡餅容体を外部から強制的に加熱若しくは冷却し前記鏡餅容体3に膨張若しくは収縮を生じさせて前記多数の微細な凹凸16を設けた前記鏡餅容体3の内周面と前記餅5との密着度合いを前記多数の微細な凹凸16によって平温時に再度元の密着度合いにまで戻ることを抑制し密着度合いを低減させた構成としたことを特徴とする飾り鏡餅に係るものである。
また、前記湾曲突出側周部1は、外周面8が上方から下方に向かっては外側に突出し逆に途中の突出頂部9から下方は内側に入り込んで、前記谷部2を介して下方の湾曲突出側周部1に連設する又は前記開口部4に開口周縁つば部10を形成した場合は最下部の湾曲突出側周部1にあってはこの開口部4の開口縁を前記谷部2としてこの谷部2を介して下方の前記開口周縁つば部10に連設する構成とし、前記谷部2の上方を肉厚に形成して前記肉厚調整部6を形成し、この肉厚調整部6によって鏡餅容体3の容体側部の内周面7に、内側に突出した前記谷部2よりもこの谷部2の上方においては外側に突出した内周面7を有さずアンダーカット部を有さない内周面7に形成したことを特徴とする請求項記載の飾り鏡餅に係るものである。
また、前記湾曲突出側周部1と湾曲突出側周部1若しくは前記開口周縁つば部10との間の前記谷部2と、この谷部2に対して上側の湾曲突出側周部1の突出頂部9より上側寄りの位置との間に、この間を肉厚とした前記肉厚調整部6を設け、この肉厚調整部6の内周面7は、肉厚設定により、内側に突出した谷部2よりも上側にあっては外側に突出した内周面7を有さず、前記突出頂部9より上側寄りの位置から下方の谷部2に向かって、内径が一定となるストレート内周面若しくは谷部2に向かって内径が広くなる下広がり内周面となるように構成したことを特徴とする請求項記載の飾り鏡餅に係るものである。
また、外径が小さい上側の前記湾曲突出側周部1と外径がこれより大きい前記下側の湾曲突出側周部1が前記谷部2を介して上下方向に複数連設形成され、前記下側の湾曲突出側周部1に前記開口部4の開口縁となる前記谷部2を介して開口周縁つば部10を連設形成した外形状として、大きな鏡餅の上に小さな鏡餅を重ねた重ね鏡餅に模した形状に形成した中空の鏡餅容体3に、この鏡餅容体3の下方の開口部4から餅5を充填収納した構成の飾り鏡餅において、前記各谷部2の上方に夫々の谷部2よりも上側にあっては外側に突出した内周面7を有さず、前記各突出頂部9より上側寄りの位置からその下方の各谷部2に向かって内径が一定となるストレート内周面若しくは各谷部2に向かって内径が広くなる下広がり内周面となるように構成したことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の飾り鏡餅に係るものである。
また、前記谷部2の上方の前記湾曲突出側周部1すべての範囲を前記肉厚調整部6とせず、前記谷部2の上方であって略容体側部の外周面8がこの谷部2よりも外側に突出する範囲に限って前記肉厚調整部6とし、この肉厚調整部6を肉厚とすることでこの肉厚調整部6の内周面7を、前記谷部2と連設する前記ストレート内周面若しくは前記下広がり内周面に形成して、前記湾曲突出側周部1の上方の内周面7は外周面8と同様に外側に湾曲突出するが下方にはアンダーカット部を有さずに前記肉厚調整部6の内周面7が形成されて前記谷部2に連設し、前記開口部4から排出した餅5の外形状は、前記鏡餅容体3の外形状と異なって単に円筒形状あるいは台錐形状でなく且つ単に径の異なる円筒状体あるいは径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体3の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の飾り鏡餅に係るものである。
また、前記湾曲突出側周部1の略全範囲を前記肉厚調整部6とし、この肉厚調整部6の肉厚設定によってこの肉厚調整部6の内周面7を、前記下広がり内周面であって且つ前記谷部2よりも外側に突出せずに外側に湾曲突出した湾曲内周面に形成して、前記開口部4から排出した餅5の外形状は、前記鏡餅容体3の外形状と異なって単に円筒形状あるいは台錐形状でなく且つ単に径の異なる円筒状体あるいは径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体3の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の飾り鏡餅に係るものである。
また、前記鏡餅容体3は、外周面8の外側に配する外型と、内周面7の内側に配し前記開口部4から下方へ離型する内型とによって射出成形により一体樹脂成形したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飾り鏡餅に係るものである。
本発明は、上述のように構成したから、鏡餅容体の肉厚の設定と多数の微細な凹凸の形成とによって、鏡餅容体から充填してある餅を、容体を切断しなくても、また餅を破壊しなくても非常に簡単にそっくり取り出すことができる画期的な飾り鏡餅となる。
即ち、重量感を失わず鏡餅としての価値を損なわず、しかも大幅なコストアップや特別な操作も不要にして、容体の肉厚の変更設定と多数の微細な凹凸の形成とによって、例えば容体の上部を押すだけで、下部の充填用開口部を逆に取出口として充填した餅を、非常に簡単にそっくり排出させることができ、充填した餅を容器切断を全く要さずに取り出し食することができる画期的な飾り鏡餅となる。
しかも、肉厚の設定は、従来の鏡餅容体に対して谷部の上部を僅かに肉厚にするだけで良く、樹脂成形にあっては、この肉厚設計を施して一体成形するだけで良く、更に、樹脂成形の際に多数の微細な凹凸の形成も同時に施すことができる為、製作コストもほとんど変わることなく、量産性は劣らず、また非常に簡単に餅をそっくり取り出せることとなる。
しかも、このように餅がそっくり取り出せるようにアンダーカット部をなくするため、中空とするための内型を開口部から離型可能になるため射出成形が可能となり、フィルム(板材)を加熱して容体形の孔型内に押圧成形してこれを無理に引き剥がして成形するシート成形やエアを吹き入れて成形する中空ブロー成形などを用いずとも簡単に射出成形でき、逆に量産性に秀れ、量産によるコストダウンも可能となる。
また、本発明においては、更に、この鏡餅容体に餅を充填収納して該餅を固化させた状態での高温処理若しくは低温処理によって、鏡餅容体から充填してある餅を、容体を切断しなくても、また餅を破壊しなくても非常に簡単にそっくり取り出すことができる画期的な飾り鏡餅となる。
即ち本発明においては、肉厚の設定と、多数の微細な凹凸形成した鏡餅容体に餅を充填収納して該餅を固化させた状態で高温処理若しくは低温処理を施すことにより、鏡餅容体充填してある餅を、容体を切断しなくても、また餅を破壊しなくても僅かな力により極めて簡単にそっくり取り出すことができる画期的な飾り鏡餅となる。
ち、例えば容体の上部を僅かな力で押すだけで、下部の充填用開口部を逆に取出口として充填した餅を、極めて簡単にそっくり排出させることができ、充填した餅を容器切断を全く要さずに取り出し食することができる画期的な飾り鏡餅となる。
また、しかも本発明においては、この高温処理若しくは低温処理を加熱装置若しくは冷却装置による外部からの強制的な加熱若しくは冷却により行うため、鏡餅容体の内周面と該鏡餅容体に充填収納されて固化させた状態の餅との密着度合いを効率的に低減させることができ、本発明を一層確実に実現できる極めて実用性に秀れた飾り鏡餅となる。
また、請求項2,3,4記載の発明においては、一層簡易な構成で僅かな肉厚調整設定によって本発明を一層容易に実現でき、極めて実用性に秀れた飾り鏡餅となる。
また、特に請求項5,6記載の発明においては、僅かな肉厚調整設定によって取り出した餅も外形状とほとんど変わらない重ね鏡餅形状となり、またそれだけ餅充填量も多く、商品価値が極めて向上する一層画期的な飾り鏡餅となる。
また、請求項記載の発明においては、前述のように樹脂による一体成形によって容体を成形するだけで本発明を実現でき、また内型が離型できることから射出成形によって簡単に量産が図れる極めて画期的な飾り鏡餅となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
少なくとも従来のように肉厚が一定ならばアンダーカット部となる部分を肉厚調整部6とし、この肉厚調整部6の肉厚設定によってこの肉厚調整部6の内周面7が外周面8と同じく外側に湾曲せず且つ下方の開口部4へ向かう程内径が狭まる下細り内周面を有さずに、この肉厚調整部6の内周面7が下方の開口部4に向かって内径が一定となるストレート内周面若しくは下方の開口部4へ向かって内径が広くなる下広がり内周面を形成し、アンダーカット部を有しない内周面7とし、この内周面7又は少なくとも肉厚調整部6の内周面7若しくは肉厚調整部6以外の内周面7に多数の微細な凹凸16を設ける。
従って、例えば開口部4を閉塞している閉塞ラップ11を引き剥がし、例えば鏡餅容体3の上部を押圧することで、前記充填収納した餅5を前記鏡餅容体3から前記下方の開口部4を取り出し口として餅5を破壊せずに非常にスムーズにそっくり押し出し排出できる。
即ち、従来通りあくまで外形状は重ね鏡餅を模した形状でありながら、内周面7は、極力必要な部分だけを肉厚に調整設定するだけでアンダーカット部はなくなり、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4から餅5をそっくり取り出し排出できるものとなる。
しかも、この肉厚調整部6の肉厚設定は、この肉厚とする範囲や肉厚度合を極力必要最小限とすることで、容体成形材料を節約できるだけでなく、十分な量の餅を充填した飾り鏡餅となり、見た目はこれまでと何ら遜色なく飾り鏡餅としての価値を全く失わず、それでいてこの僅かな肉厚設定によって鏡餅容体3を切断しなくても餅5をそっくり排出することができる。
また、この肉厚設定によってそっくり取り出す餅5も略外形状と同じく重ね鏡餅形状とすることができ、一層飾り鏡餅としての商品価値を向上することができ、真に画期的な商品となるものである。
ところで、アンダーカット部がない本発明の鏡餅容体3に充填されて固化した餅5において、仮に前記内周面7が平滑面である場合、鏡餅容体3の材質や、この鏡餅容体3に充填された餅5の水分や、餅5の充填量等の条件によっては、押し出し排出の際に餅5が鏡餅容体3の内周面7に密着してしまい、僅かな力(押し出し力)で簡単にスムーズに押し出し落下排出ができない場合も考えられるが、本発明は、鏡餅容体3の内周面7の一部分若しくは全部に多数の微細な凹凸16を設け、この鏡餅容体3内に柔らかい餅5を注入するから、例えば餅5と内周面7との間にこの凹凸16による間隙が生じた状態で餅5が固化することとなり、特に餅5が固化する際にこの餅5にヒケが生じると、内周面7の凹凸16により、例えば平滑な内周面7に比しこの凹凸16による間隙が生じ、そのため、内周面7と餅5の密着面積が、例えば内周面7が平滑面である場合に比して少ないかあるいは凹凸16による前記間隙によって密着度自体が低くなるから、例えば鏡餅容体3の上部を押圧して餅5を開口部4方向へ押し出して内周面7と餅5の表面とに僅かでも分離若しくはずれを生じさせるだけで、内周面7が平滑面である場合に比して内周面7と餅5との密着度合いをひといきに低減し易くなり、また、仮に凹凸16の凸部と餅5との密着が内周面7が平滑面である場合に比して強固であったとしても、押圧によって一旦餅5とこの内周面7の凸部との密着がずれると、内周面7の凹凸16により、この内周面7と餅5の表面との間に間隙が生じて密着状態が一挙に低減することになるから、例えば鏡餅容体3の上部を押圧して餅5を開口部4方向へ押し出して内周面7と餅5の密着を一旦解除するだけで、内周面7が平滑面である場合に比して内周面7と餅5との密着度合いをひといきに低減し易くなる。
また、逆に、例えば餅5が内周面7の微細な凹凸16に隙間なく入り込んだ状態で固化したりする場合であっても、押圧することで鏡餅容体3が撓み変形し、この鏡餅容体3の内周面7の凹凸16が餅5に対してずれ動く力が与えられて、内周面7と餅5とが離れ易くなるため、例えば鏡餅容体3の上部を押圧することによって、内周面7が平滑面である場合に比して内周面7と餅5との密着度合いを低減し易くなって、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4から非常に簡単にスムーズに餅5をそっくり取り出し排出できるものとなる。
また、内周面7の多数の微細な凹凸16は、鏡餅容体3の材質や、この鏡餅容体3に充填された餅5の水分や、餅5の充填量等の条件による取り出し排出の困難度合いに合わせて適宜形成するとよく、例えば内周面7の上面及び側面に餅5が密着して取り出しが困難な場合、鏡餅容体3の内周面7全面に多数の微細な凹凸16を形成すれば餅5の取り出し排出性が良好となる。また、例えば内周面7の側面に餅5が密着する場合であれば、内周面7全面ではなく、この多数の微細な凹凸16を少なくとも肉厚調整部6の内周面7に形成するだけでも良く、また、例えば内周面7の上面に餅5が密着する場合であれば、少なくとも肉厚調整部6以外の内周面7に形成するだけでも良い。
また、本発明は、アンダーカット部がない本発明の鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、高温処理若しくは低温処理を施した構成としている。従って、例えば開口部4を閉塞している閉塞ラップ11を引き剥がし、例えば鏡餅容体3の上部を軽く押圧することで、前記充填収納した餅5を前記鏡餅容体3から前記下方の開口部4を取り出し口として餅5を破壊せずに非常に簡単にそっくり押し出し排出できる。
即ち、仮に、アンダーカット部がない本発明の鏡餅容体3に餅5を充填収納して固化させた状態でこの餅5を押し出し排出しようとすると、餅5が鏡餅容体3の内周面7に密着した状態で固化する等の理由のため、僅かな力(押し出し力)で簡単にスムーズに押し出し落下排出ができない場合も考えられるが、本発明は、アンダーカット部がない本発明の鏡餅容体3に餅5を充填収納して固化させた状態で高温処理若しくは低温処理を施して鏡餅容体3に膨張若しくは収縮を生じさせることで、内周面7と餅5の表面とに僅かなずれを生じさせるから、例えば高温処理若しくは低温処理を施さない場合に比して、少なくとも高温処理若しくは低温処理を施した後の方が内周面7と餅5との密着度合いが低減し易くなって、この鏡餅容体3に肉厚設定以外の特別な構造を施さずとも、あらかじめ高温処理若しくは低温処理を施しておくだけで、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4から僅かな力で簡単にスムーズにそっくり取り出し排出できるものとなる。
しかも、本発明は、このように微細な凹凸16を設ける点と、充填固化後に前記高温処理若しくは低温処理を施した構成、即ち、アンダーカット部がない本発明の鏡餅容体3の内周面7の一部分若しくは全部に多数の微細な凹凸16を設け、この鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、鏡餅容体3に高温処理若しくは低温処理を施した構成としたから、例えば開口部4を閉塞している閉塞ラップ11を引き剥がし、例えば鏡餅容体3の上部をごく僅かに軽く押圧するだけで、前記充填収納した餅5を前記鏡餅容体3から前記下方の開口部4を取り出し口として餅5を破壊せずに極めて簡単に非常にスムーズにそっくり押し出し排出できる。
即ち、内周面7の一部若しくは全部に微細な凹凸16が設けられた鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、高温処理若しくは低温処理を施して鏡餅容体3を膨張若しくは収縮させると、内周面7と餅5の表面とに僅かなずれが生じて内周面7と餅5との密着度合いがひといきに低減する上、仮に高温処理若しくは低温処理を施して膨張若しくは収縮した状態の鏡餅容体3が、高温処理若しくは低温処理を施す前の状態に戻るような場合があっても、内周面7に設けられた多数の微細な凹凸16によって内周面7と餅5との密着度合いが再び高温処理若しくは低温処理を施す前のような密着状態となり難く、鏡餅容体3内の内周面7と餅5とが密着せずに僅かに離れた状態になり易いため、内周面7の一部若しくは全部に微細な凹凸16が設けられた鏡餅容体3にあらかじめ高温処理若しくは低温処理を施しておくだけで、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4からごく僅かな力で若しくは力をほとんどかけずとも極めて簡単に非常にスムーズにそっくり取り出し排出できる極めて画期的な発明となるものである。
本発明は上述のようにするから、切断不要にして充填した餅を非常に簡単に取り出せ、しかも例えば安易に分断ミシン目を入れるなどのような本来の鏡餅としての外観に影響を及ぼすことなく僅かな力で非常に簡単に餅が取り出し可能な充填タイプの飾り鏡餅を実現させることができ、従来の取り出せるはずがないという固定観念を打破した画期的な発明となるものである。
本発明の根本発想自体はアンダーカット部の防止のための肉埋めにはあるものの、鏡餅容体3においてこの根本発想を適用して充填餅5が食べたいときに容体を切断するような作業を一切要さずにそっくりこの餅5を排出できることを実現した極めて画期的な技術創作である。この本発明の技術創作は前述のような画期的な作用・効果を果たし充填タイプでありながらそっくり餅5を取り出すことが可能で、外観は全くこれまでと同様取り出せるとはだれもが想像もつかない重ね鏡餅形状でありながら中味をそっくり取り出せる飾り鏡餅を提供できることとなる画期的な創作である。即ち、成形する容体の肉厚設定を行うだけで、外観は従来通り重ね鏡餅形状を維持しつつ特別な構造を施して商品価値を損ねることなく、簡単に設計によっては、ほとんど重ね鏡餅形状を維持したほぼ外形状通りの充填餅5をそっくり取り出し排出でき、従来の取り出せるはずがないという固定観念を打破した画期的な発明となるものである。
しかも、本発明は前述のように更にこの画期的発明に加えて、内周面7の一部若しくは全部に微細な凹凸16が設けられた鏡餅容体3にあらかじめ高温処理若しくは低温処理を施しておくだけで、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4からごく僅かな力で若しくは力をほとんどかけずとも極めて簡単に非常にスムーズにそっくり取り出し排出できる極めて画期的な発明となるものである。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、外径が小さい上側の湾曲突出側周部1と外径がこれより大きい下側の湾曲突出側周部1とが谷部2を介して上下方向に複数連設形成され、前記下側の湾曲突出側周部1に前記開口部4の開口縁となる前記谷部2を介して板状の開口周縁つば部10を連設形成した外形状として、大きな鏡餅の上に小さな鏡餅を重ねた重ね鏡餅に模した形状に形成した中空の鏡餅容体3を樹脂で一体成形している。
本実施例では、この樹脂で一体成形した鏡餅容体3の下方の開口部4から工場で餅5を充填収納し、開口周縁つば部10に閉塞ラップ11を引き剥がし自在に重合止着して開口部4を閉塞した構成としている。
また、本実施例は、鏡餅容体3の上部に樹脂製の橙13を載置し、キャップ型の透明カバー14を採用し、この橙13と鏡餅容体3の上段の湾曲突出側周部1を覆った構成とすると共に、鏡餅容体3の中段に水引15を設けた構成としている。
そして本実施例では、この鏡餅容体3の肉厚を従来のように一定として内外面の形状を同一とせず、湾曲突出側周部1の肉厚が一定ならば谷部2の内側への突出によって下方の開口部4から前記餅5を押し出し排出することを阻止するアンダーカット部となる部分の肉厚を肉厚に設定する肉厚調整部6を形成している。
即ち、前記湾曲突出側周部1は、容体側部の外周面8が上方から下方に向かっては外側に突出し逆に途中の突出頂部9から下方は内側に入り込んで、前記谷部2を介して下方の湾曲突出側周部1に連設する又は下方の湾曲突出側周部1にあってはこの開口部4の開口縁を前記谷部2としてこの谷部2を介して下方の前記開口周縁つば部10に連設する構成とし、前記谷部2の上方を肉厚に形成して前記肉厚調整部6を形成しているが、各肉厚調整部6によって鏡餅容体3の容体側部の内周面7に、内側に突出した前記谷部2よりもこの谷部2の上方においては外側に突出した内周面7を有さずアンダーカット部を有さない内周面7に形成している。
具体的には、谷部2に対して上側の湾曲突出側周部1の突出頂部9より上側寄りであって谷部2の真上部あるいは真上部より内側に位置する内周面位置と谷部2との間に、この間を肉厚とした前記肉厚調整部6を設け、この肉厚調整部6の内周面7は、肉厚設定により、内側に突出した谷部2よりもこの谷部2の上側にあっては外側に突出した内周面7を有さず、前記位置から下方の谷部2に向かって、内径が一定となるストレート内周面若しくは谷部2に向かって内径が広くなるストレートあるいは外側に湾曲した下広がり内周面となるように構成している。
図1〜図5に示す本実施例では、前述のように他の部分は従来通り極力肉薄一定とし、谷部2の真上部位置から谷部2にかけての肉薄一定ではアンダーカットとなる略この範囲のみを肉厚調整部6として肉厚に設定し、下方の谷部2に向かう程やや径が徐々に大きくなるよう1°〜2°程度の傾斜を付けたストレートな下広がり内周面としている。
即ち、本実施例は、肉厚調整部6を形成することで、鏡餅容体3の内周面7に餅の排出を阻害するアンダーカット部をなくすことができる。
更に、本実施例の鏡餅容体3の肉厚調整部6の内周面7は、図6に示すとおり、全面に多数の微細な凹凸16を設けた構成としている。
この鏡餅容体3内に柔らかい餅5を注入し、この餅5を固化させた後、この鏡餅容体3の上部を押圧すると、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、下部開口部4から僅かな力で非常に簡単にスムーズに餅5をそっくり取り出し排出できることを出願人は確認している。
また、前記凹凸16は、鏡餅容体3の内周面7全面に形成した場合には取り出し排出性が極めて良好となるのは勿論であるが、鏡餅容体3の材質や、この鏡餅容体3に充填された餅5の水分や、餅5の充填量等の条件による取り出し排出の困難度合いに合わせて、例えば鏡餅容体3の側面側(肉厚調整部6側)と餅5とが密着し易い場合には少なくとも肉厚調整部6の内周面7に凹凸16を設けた構成としたり、また、例えば鏡餅容体3の上面側と餅5とが密着し易い場合には肉厚調整部6以外の内周面7に凹凸16を設けた構成とする等、内周面7の凹凸16の形成位置は適宜設定することができる。
また、前記凹凸16は、凹凸16の形成位置(凹凸16を形成する範囲)にごく微細に隙間なく形成すると、例えば餅5を充填して固化した後にこの餅5と内周面7との間に例えば凹凸16が疎らに形成された場合に比し、微細に隙間なく形成した凹凸16による間隙が生じ易く、内周面7と餅5との密着面積や密着度を低減することができる。
また、前記凹凸16は、凸部(突起)の高さを出来るだけ低く形成する。凸部の高さを出来るだけ低くすると、例えば凸部の高さが高い場合に比し、凸部における餅5の密着面積を低減することができる。
また、本実施例の鏡餅容体3は、外周面8の外側に配する外型と、内周面7の内側に配し前記開口部4から下方へ離型する内型とによって注入位置12から樹脂を注入する射出成形により一体樹脂成形しているが、本実施例は、前記内型にシボ加工によるあらし面を設けることにより、前記一体樹脂成形時に多数の微細な凹凸16の形成も同時に施すことができる。前記凹凸16は、本実施例以外にも、例えば内周面7をブラシ等で荒らしたりする適宜な研磨手段等によって内周面7に微細なあらし面を形成する構成としても良いが、本実施例のように鏡餅容体3の一体樹脂成形と同時に凹凸16を形成することにより、容易に内周面7に凹凸16を設けることができ、製作コストもほとんど変わることなく、量産性も劣ることがない。
上述した本実施例の鏡餅容体3に充填収納された餅5は、図4に図示したように、やや上方に湾曲した鏡餅容体3の上面側から開口部4側に餅5を押し出すことで、この餅5を鏡餅容体3から開口部4を取り出し口として破壊させることなく非常に簡単にそっくり押し出し排出できることを出願人は確認している。
また、図7に示す実施例は傾斜を付けずにストレート内周面とした実施例であり、図8は更に傾斜度を付けた実施例であり、図9はストレートでなくやや外側に外周面8に沿うように湾曲させた実施例を示す。
従って、これらの実施例では、前記谷部2の上方の前記湾曲突出側周部1すべての範囲を前記肉厚調整部6とせず、前記谷部2の上方であって略容体側部の外周面8がこの谷部2よりも略外側に突出する範囲に限って前記肉厚調整部6とし、この肉厚調整部6を肉厚とすることでこの肉厚調整部6の内周面7を、前記谷部2と連設する前記ストレート内周面若しくは前記下広がり内周面に形成して、前記湾曲突出側周部1の上方の内周面7は外周面8と同様に外側に湾曲突出するが下方にはアンダーカット部を有さずに前記肉厚調整部6の内周面7が形成されて前記谷部2に連設し、前記開口部4から排出した餅5の外形状は、前記鏡餅容体3の外形状と異なって図14に示すように単に円筒形状あるいは図13に示すように台錐形状でなく且つ図11に示すように単に径の異なる円筒状体あるいは図12に示すように径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体3の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させている。
また、図10に示すように肉厚調整部6を谷部2の真上部よりかなり上側から谷部2までの広範囲としてこの範囲を肉厚とするが、徐々に肉厚となって緩やかに外周面8に沿って外側に湾曲突出するように下方広がり内周面に形成しても良い。即ち、逆に前記湾曲突出側周部1の略全範囲を前記肉厚調整部6とし、この肉厚調整部6の肉厚設定によってこの肉厚調整部6の内周面7を、前記下広がり内周面であって且つ前記谷部2よりも外側に突出させずに外側に湾曲突出した湾曲内周面に形成して、前記開口部4から排出した餅5の外形状は、前記鏡餅容体3の外形状と異なって単に円筒形状あるいは台錐形状でなく且つ単に径の異なる円筒状体あるいは径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体3の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させるようにしても良い。
これら図1〜図10に示す実施例とすれば取り出した餅5もかなり重ね鏡餅に近似することとなり、また、図11,図12としてもまた重ね鏡餅に近い。ただ図13,図14に示す実施例ではもはや鏡餅形状とはならないが、本発明の作用・効果はなおも十分発揮し得る。
また、図1〜図10に示す実施例の鏡餅容体3では、外周面8の外側に配する外型と、内周面7の内側に配し前記開口部4から下方へ離型する内型とによって注入位置12から樹脂を注入する射出成形により一体樹脂成形しているが、鏡餅容体3を餅色にした樹脂で成形せず餅が充填されていることが外観からわかるように透明あるいは半透明な樹脂で成形しても、極力肉厚とせずに肉厚にするのは小範囲に抑えており、また、凹凸16が微細であるため、この透明度もほとんど失わずこの透明とする利点をも失わない。
また、本実施例は、鏡餅容体3の内周面7には凹凸16を形成することなく、図15に示すとおり、内周面7を平滑面とした構成とし、この鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、高温処理を施した構成としても良い。
高温処理は、前記鏡餅容体3に熱を施し得る適宜な加熱装置を用いて、この加熱装置の例えば熱風や放射熱が、前記鏡餅容体3の外部から強制的に施されてこの鏡餅容体3を熱する構成としている。
前記鏡餅容体3を外部から強制的に加熱すると、鏡餅容体3が優先的にに膨張若しくは収縮するため、この鏡餅容体3の内周面7を餅5に対して相対的にずらすことができる。
本実施例は、前記加熱装置として熱風ドライヤーを採用している。
熱風を利用する本実施例は、加熱操作が容易で、加熱温度の調整も簡単であるため、高温処理を所望の温度で効率良く行うことができる。
また、前記加熱装置における加熱温度及び加熱時間は、鏡餅容体3を形成する樹脂の性質や厚みにより適宜設定することとし、鏡餅容体3を形成する樹脂が餅5に対して相対的に膨張若しくは収縮はするが、樹脂が溶けたり外見上の変形が生じることがなく、また、餅5の表面が柔らかくなってしまうことがない程度の加熱温度及び加熱時間に設定する。
上述した本実施例の鏡餅容体3に充填収納された餅5は、図4に図示したように、やや上方に湾曲した鏡餅容体3の上面側から開口部4側に餅5を押し出すことで、この餅5を鏡餅容体3から下部開口部4を取り出し口として破壊させることなくスムーズにそっくり取り出し排出できることを出願人は確認している。
また、高温処理以外にも、前記鏡餅容体3を外部から強制的に冷却する冷却装置により低温処理を行う構成としても良い。
冷却装置としては前記鏡餅容体3を外部から強制的に冷却し得る冷却装置を適宜採用する。冷却装置として、例えば冷蔵庫若しくは冷凍庫等の冷却装置を採用した場合、所望の温度に設定した冷蔵庫若しくは冷凍庫内に餅5を充填して固化した状態の鏡餅容体3を入れるだけで良いため、低温処理を非常に簡単に行うことができ、生産性が向上する。
また、冷蔵庫若しくは冷凍庫内においては、鏡餅容体3が外部から強制的に冷却されるため、鏡餅容体3を形成する樹脂に優先的に収縮を生じさせることができる。
前記冷却装置による冷却温度及び冷却時間は、鏡餅容体3を形成する樹脂の性質や厚みにより適宜設定することとし、鏡餅容体3を形成する樹脂が餅5に対して相対的に収縮はするが、樹脂が割れたり外見上の変形が生じることがなく、また、鏡餅容体3内の餅5の表面が冷却されてしまうことがない程度の冷却温度及び冷却時間に設定する。
このように鏡餅容体3に低温処理を施した場合も、内周面7と餅5との密着度合いを低減することができ、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、餅5と内周面7とが密着して取り出し排出が妨げられることなく、下部開口部4からスムーズにそっくり取り出し排出できることを出願人は確認している。
また、本実施例に高温処理若しくは低温処理を施すことにより、肉厚を設定する以外の特別な構造を鏡餅容体に施さずとも良く、低コストで非常に簡単に餅をそっくり取り出せるものとなる。
また、本実施例は、上述のアンダーカット部を有しない且つ内周面7に微細な凹凸16を設けた鏡餅容体3に餅5を充填収納して該餅5を固化させた状態で、更に上述の高温処理若しくは低温処理を施した構成としても良く、その場合、図4に図示したように、やや上方に湾曲した鏡餅容体3の上面側から開口部4側に餅5を押し出すことで、重ね鏡餅形の鏡餅容体3に充填した餅5でありながら、この餅5を鏡餅容体3から下部開口部4を取り出し口としてごく僅かな力で若しくは力をほとんどかけずとも下部開口部4から極めて簡単に非常にスムーズにそっくり取り出し排出できるものとなることを出願人は確認している。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の商品例の外観図である。 本実施例の鏡餅容体から充填餅を排出した状態の説明分解斜視図である。 本実施例の説明正断面図である。 本実施例の充填餅をそっくり押し出し排出する途中の説明正断面図である。 本実施例の鏡餅容体の正断面図である。 本実施例の要部の拡大正断面図である。 第二実施例の拡大正断面図である。 第三実施例の拡大正断面図である。 第四実施例の拡大正断面図である。 第五実施例の拡大正断面図である。 第六実施例の拡大正断面図である。 第七実施例の拡大正断面図である。 第八実施例の拡大正断面図である。 第九実施例の拡大正断面図である。 本実施例の要部の拡大正断面図である。
1 湾曲突出側周部
2 谷部
3 鏡餅容体
4 開口部
5 餅
6 肉厚調整部
7 内周面
8 外周面
9 突出頂部
10 開口周縁つば部
16 凹凸

Claims (7)

  1. 容体側部の外形状を、外周面が外側に湾曲突出した湾曲突出側周部が谷部を介して上下方向に複数連設形成された外形状として、鏡餅の上に鏡餅を重ねた重ね鏡餅に模した形状に形成した中空の鏡餅容体に、この鏡餅容体の下方の開口部から餅を充填収納した構成の飾り鏡餅において、前記鏡餅容体の肉厚を一定として内外面の形状を同一とせず、少なくとも前記湾曲突出側周部の肉厚が一定ならば下方の開口部から前記餅を引き出し若しくは押し出し排出することを阻止するアンダーカット部となる部分の肉厚を設定して肉厚調整部を形成し、この肉厚調整部は、この肉厚調整部の内周面が外周面と同じく外側に湾曲せず且つ下方の開口部へ向かう程内径が狭まる下細り内周面を有さずに、この肉厚調整部の内周面が下方の開口部に向かって内径が一定となるストレート内周面若しくは下方の開口部へ向かって内径が広くなる下広がり内周面となる肉厚に設定し、この鏡餅容体の内周面又は少なくとも前記肉厚調整部の内周面若しくは肉厚調整部以外の内周面に多数の微細な凹凸を設けた構成とすると共に、この鏡餅容体に餅を充填収納して該餅を固化させた状態で、少なくともこの飾り鏡餅の前記鏡餅容体に膨張若しくは収縮を生じさせてこの鏡餅容体の内周面と該鏡餅容体に充填収納された餅との密着度合いを低減し得る高温処理若しくは低温処理を施した構成として、前記充填収納した餅を前記鏡餅容体から前記下方の開口部を取り出し口として餅を破壊せずにそっくり押し出し若しくは引き出し排出自在に構成し、前記高温処理若しくは低温処理は、前記鏡餅容体に充填収納した前記餅が固化した状態で施すもので、この固化した状態の前記餅の表面が再び柔らかくなってしまうことのない加熱温度及び加熱時間で加熱装置により若しくは冷却装置により前記鏡餅容体を外部から強制的に加熱若しくは冷却し前記鏡餅容体に膨張若しくは収縮を生じさせて前記多数の微細な凹凸を設けた前記鏡餅容体の内周面と前記餅との密着度合いを前記多数の微細な凹凸によって平温時に再度元の密着度合いにまで戻ることを抑制し密着度合いを低減させた構成としたことを特徴とする飾り鏡餅。
  2. 前記湾曲突出側周部は、外周面が上方から下方に向かっては外側に突出し逆に途中の突出頂部から下方は内側に入り込んで、前記谷部を介して下方の湾曲突出側周部に連設する又は前記開口部に開口周縁つば部を形成した場合は最下部の湾曲突出側周部にあってはこの開口部の開口縁を前記谷部としてこの谷部を介して下方の前記開口周縁つば部に連設する構成とし、前記谷部の上方を肉厚に形成して前記肉厚調整部を形成し、この肉厚調整部によって鏡餅容体の容体側部の内周面に、内側に突出した前記谷部よりもこの谷部の上方においては外側に突出した内周面を有さずアンダーカット部を有さない内周面に形成したことを特徴とする請求項記載の飾り鏡餅。
  3. 前記湾曲突出側周部と湾曲突出側周部若しくは前記開口周縁つば部との間の前記谷部と、この谷部に対して上側の湾曲突出側周部の突出頂部より上側寄りの位置との間に、この間を肉厚とした前記肉厚調整部を設け、この肉厚調整部の内周面は、肉厚設定により、内側に突出した谷部よりも上側にあっては外側に突出した内周面を有さず、前記突出頂部より上側寄りの位置から下方の谷部に向かって、内径が一定となるストレート内周面若しくは谷部に向かって内径が広くなる下広がり内周面となるように構成したことを特徴とする請求項記載の飾り鏡餅。
  4. 外径が小さい上側の前記湾曲突出側周部と外径がこれより大きい前記下側の湾曲突出側周部が前記谷部を介して上下方向に複数連設形成され、前記下側の湾曲突出側周部に前記開口部の開口縁となる前記谷部を介して開口周縁つば部を連設形成した外形状として、大きな鏡餅の上に小さな鏡餅を重ねた重ね鏡餅に模した形状に形成した中空の鏡餅容体に、この鏡餅容体の下方の開口部から餅を充填収納した構成の飾り鏡餅において、前記各谷部の上方に夫々の谷部よりも上側にあっては外側に突出した内周面を有さず、前記各突出頂部より上側寄りの位置からその下方の各谷部に向かって内径が一定となるストレート内周面若しくは各谷部に向かって内径が広くなる下広がり内周面となるように構成したことを特徴とする請求項2,3のいずれか1項に記載の飾り鏡餅。
  5. 前記谷部の上方の前記湾曲突出側周部すべての範囲を前記肉厚調整部とせず、前記谷部の上方であって略容体側部の外周面がこの谷部よりも外側に突出する範囲に限って前記肉厚調整部とし、この肉厚調整部を肉厚とすることでこの肉厚調整部の内周面を、前記谷部と連設する前記ストレート内周面若しくは前記下広がり内周面に形成して、前記湾曲突出側周部の上方の内周面は外周面と同様に外側に湾曲突出するが下方にはアンダーカット部を有さずに前記肉厚調整部の内周面が形成されて前記谷部に連設し、前記開口部から排出した餅の外形状は、前記鏡餅容体の外形状と異なって単に円筒形状あるいは台錐形状でなく且つ単に径の異なる円筒状体あるいは径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の飾り鏡餅。
  6. 前記湾曲突出側周部の略全範囲を前記肉厚調整部とし、この肉厚調整部の肉厚設定によってこの肉厚調整部の内周面を、前記下広がり内周面であって且つ前記谷部よりも外側に突出せずに外側に湾曲突出した湾曲内周面に形成して、前記開口部から排出した餅の外形状は、前記鏡餅容体の外形状と異なって単に円筒形状あるいは台錐形状でなく且つ単に径の異なる円筒状体あるいは径の異なる台錐状体が重ねられた形状でもなく、前記鏡餅容体の外形状と同じく鏡餅が重ねられた重ね鏡餅を模した形状を維持させたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の飾り鏡餅。
  7. 前記鏡餅容体は、外周面の外側に配する外型と、内周面の内側に配し前記開口部から下方へ離型する内型とによって射出成形により一体樹脂成形したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飾り鏡餅。
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