JPH0678290U - 鏡餅型のお供え容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鏡餅型のお供え容器の内部に小餅やもち米、砂
糖などのお供え品を収納させ、その容器自体を鏡餅と看
做して、神棚などへ違和感なく供え使用後、これから取
り出したお供え品を細かく切断する必要もなく、即刻食
することができるようにする。 【構成】 【請求項１】内部の連通する上段小容器（Ａ）と下段大
容器（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面視
の同芯円形で、且つ側面視の積み重なるほぼ楕円形に一
体成形し、その大小両容器（Ａ）（Ｂ）の内部に小餅や
もち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収納させると共
に、上記下段大容器（Ｂ）の底面に開設したお供え品用
出し入れ口（１２）を、その底面に熱溶着されるシール
板（１３）又は／及びその出し入れ口（１２）へ抜き差
し自在に圧入される開閉キヤツプ（１８）により、封止
状態に保った。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鏡餅型のお供え容器に係り、殊更その内部に小餅やもち米、砂糖など のお供え品を収納させ、その容器自体を鏡餅と看做して、神棚などへ違和感なく 供え使用後、これから取り出したお供え品を細かく切断する必要もなく、即刻食 することができるように至便化したものである。

【０００２】

【従来の技術】

透明又は半透明の熱可塑性合成樹脂から、上段小容器と下段大容器とが平面視 の同芯二重円として、且つ内部の連通状態に一体成形された充填容器内へ、搗き たての餅を流し込み充填し、その後に加熱殺菌・冷却固化させて、その容器によ る包装状態の鏡餅（通称−包装鏡餅）として販売することが行なわれている。

【０００３】 その容器については、例えば特開昭５５−８５３７１号に記載の真空成形品と 、実公平１−２０３０２号に記載のブロー成形品との２種が公知であるが、その 何れも下段大容器の底面に開口する餅流し込み口が、合成樹脂フイルムのヒート シールによって密閉されていることに変りはない。

【０００４】 そこで、このような包装鏡餅を購入した一般需要者は、その神棚などへの供え 使用後、上記容器の全体又は一部を刃物により切断して、剥ぎ取り解体した上、 その露出した鏡餅を更に細かく切断することにより、食用に供している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記包装鏡餅の大型品では勿論のこと、その小型品でさえも容器を 切断して剥ぎ取ることが困難である。蓋し、その容器は硬質な合成樹脂の皮膜を なし、且つ鏡餅としての丸味を帯びた全体形状であるため、刃物が滑りやすく、 その作業には危険を伴なうからである。

【０００６】 又、その容器を剥ぎ取れたとしても、鏡餅は上下２段の団塊であり、硬く固化 している関係上、これを更に細かく切断することも容易でなく、往々にして見苦 しく且つアツトランダムな大きさに破壊してしまう結果となり、賞味を害する。

【０００７】 しかし、それだからと言って、鏡餅を神棚などへ供える習慣には、旧態依然と して中止できない普遍性があり、又一般家庭では搗きたての餅から美麗な鏡餅と して、その形状を整えることができず、更に裸体状態での供え使用中には、亀裂 や黴なども発生することとなる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような課題の改良を企図しており、上記包装鏡餅に代る鏡餅型の お供え容器として、内部の連通する上段小容器と下段大容器とを、不透明な熱可 塑性合成樹脂から平面視の同芯円形で、且つ側面視の積み重なるほぼ楕円形に一 体成形し、その大小両容器の内部に小餅やもち米、砂糖などのお供え品を収納さ せると共に、上記下段大容器の底面に開設したお供え品用出し入れ口を、その底 面に熱溶着されるシール板又は／及びその出し入れ口へ抜き差し自在に圧入され る開閉キヤツプ（１８）により、封止状態に保ったことを特徴とするものである 。

【０００９】

【作用】

本考案の上記構成によれば、お供え容器の全体として美しくリアルな鏡餅形状 に造形されているため、その容器内に収納された小餅やもち米、砂糖などのお供 え品が、外部から透視不能に保たれていることとも相俟って、従来の包装鏡餅と 違和感なく同一視でき、その容器自身を鏡餅と看做して、従来からの習慣通りに 神棚などへ供え使用し得るのである。

【００１０】 又、そのお供え容器は上段小容器と下段大容器との内部連通状態にあるため、 上記お供え品を極力多量に収納させることができ、その下段大容器のお供え品用 出し入れ口を直接シールするか、又は開閉キヤツプを介してシールすることによ り、そのお供え品を真空状態に保存しつつ、支障なく食用に供することも可能で ある。

【００１１】 更に、上記下段大容器の底面にはお供え品用出し入れ口が開設されているので 、その容器自身を少しも切断・解体する必要なく、お供え品を軽快に出し入れで き、その開閉キヤツプを付属させれば、何度でも反復使用し得るので、著しく便 利である。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に基いて本考案の具体的構成を詳述すると、先づ図１、２はその第 １実施例に係るお供え容器を示しており、これではその容器全体を透明なポリエ チレンやポリプロピレン、その他の熱可塑性合成樹脂から、内部において連通す る上段小容器（Ａ）と下段大容器（Ｂ）との積み重なる鏡餅形状としてブロー成 形している。

【００１３】 つまり、その大容器（Ｂ）と小容器（Ａ）は側面から見て、互いに直径（ｄ１ ）（Ｄ２）の相違変化する相似なほぼ楕円形をなし、且つ平面視の全体的な同芯 二重円に造形されている。そして、その大小両容器（Ｂ）（Ａ）の境界部が凹周 溝（１１）として陥没されているのである。（ｓ１）はその境界部での内径を示 している。

【００１４】 その場合、お供え容器の全体高さ（Ｈ）に対して、大小両容器（Ｂ）（Ａ）に おける高さ（ｈ１）（ｈ２）の比率を、５２：４８から５５：４５の数値範囲内 において相違させることにより、その容器全体に鏡餅本来のリアルな輪郭形状を 付与することが、好ましい。

【００１５】 又、その違和感のない鏡餅型として造形する意味から言えば、大小両容器（Ｂ ）（Ａ）の直径差についても、その大容器（Ｂ）の直径（ｄ１）を１００と仮定 した時、これに対する小容器（Ａ）の直径（ｄ２）を約８２〜８５の比率として 、各々寸法化することが望ましい。

【００１６】 （１２）は上記大容器（Ｂ）の底面中央部に開設されたお供え品用出し入れ口 であり、その開口径（内径）（ｓ２）については上記大小両容器（Ｂ）（Ａ）に おける境界部の内径（ｓ１）と同等か、又はこれよりも大きく寸法化することが 効果的である。

【００１７】 そして、その出し入れ口（１２）から容器内へ無菌状態に包装した又は裸状態 の小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収納させた上、これを合成樹脂フ イルムなどのシール板（１３）により、その内部の気密状態に封止するのである 。

【００１８】 その際、大容器（Ｂ）の底面に凹凸条（１４）を付与するならば、これをすば やく溶融させることができるため、大容器（Ｂ）の底面に対するシール板（１３ ）の熱溶着を効率良く、且つ確固な封止状態に行なえる点で、ますます有益であ る。

【００１９】 この点、図２から明白なように、大容器（Ｂ）の直径（ｄ１）よりも径小な円 形や角形の接地座（１５）を、その大容器（Ｂ）の底面から外方へ連続一体に張 り出して、その接地座（１５）へ下方から上記シール板（１３）を熱溶着するこ とにより、上記出し入れ口（１２）を封止しても良い。

【００２０】 何れにしても、お供え容器の内部は気密状態に封止されているため、そのお供 え品（Ｍ）が裸状態の小餅などであっても、防黴剤と一緒に収納させることによ り、その食用に支障なく保存することができる。

【００２１】 尚、（１６）は小容器（Ａ）の頂面中央部に穿設された小孔、（１７）はその 小孔（１６）へ抜き差し自在に圧入された盲キヤツプであり、このような小孔（ １６）も形成するならば、上記米や砂糖などの粒状お供え品（Ｍ）を取り出しや すい利点がある。

【００２２】 上記お供え容器は全体的な鏡餅型に造形されているので、その内部にお供え品 （Ｍ）を収納した状態において、従来通り神棚などへ供え使用することができ、 その後シール板（１３）を剥ぎ取るか又は切り裂くことにより、その底面の出し 入れ口（１２）からお供え品（Ｍ）を取り出して、即刻食用に供することができ るのである。

【００２３】 次に、図３は本考案の第２実施例に係るお供え容器を示しており、これではそ の容器全体を上記第１実施例と同じ不透明な合成樹脂から真空成形している。そ のため、大容器（Ｂ）の底面全体をお供え品用出し入れ口（１２）として、極め て大きく開設することができる。

【００２４】 （１８）は上記第１実施例のシール板（１３）に代る底面開閉キヤツプであっ て、ポリエチレンなどの合成樹脂から張り出しフランジ（１９）付きの断面倒立 Ｕ字型に成形されており、上記出し入れ口（１２）へ下方から抜き差し自在に圧 入されている。（２０）はその開閉キヤツプ（１８）の把手片である。

【００２５】 このような第２実施例のお供え容器も、その全体的な鏡餅型を呈しているので 、その内部にお供え品（Ｍ）を収納した状態において、神棚などへ供え使用する ことができ、その後底面開閉キヤツプ（１８）を抜き取ることにより、その出し 入れ口（１２）からお供え品（Ｍ）を取り出して、食用に供し得るのである。又 、その開閉キヤツプ（１８）は抜き差し自在に圧入されているため、上記お供え 容器を繰り返し使用することも可能である。

【００２６】 更に、図４は本考案の第３実施例に係るお供え容器を示しており、これではそ の容器全体を上記第１実施例と同じ不透明な合成樹脂から射出成形している。こ れによれば、大容器（Ｂ）と小容器（Ａ）の円周面だけを肉盛りして、その滑ら かな円弧状に弯曲形成することができ、上記第２実施例の真空成形品に比して、 ますますリアルな違和感のない鏡餅型に造形し得る点で、著しく有益であると言 える。

【００２７】 その余の構成は上記第２実施例と実質的に同一であるが、その第２、３実施例 の何れにあっても、底面開閉キヤツプ（１８）を圧入した後、その下方から更に 第１実施例のようなシール板（１３）を熱溶着しても良い。そうすれば、その第 １実施例と同様に容器の内部を気密状態に保てるので、これに収納されるお供え 品（Ｍ）が裸状態の小餅などであっても、防黴剤を一緒に収納することにより、 その真空状態に保存し得ることとなる。

【００２８】 又、第１〜３実施例の何れにあっても、そのお供え容器の内部を透視不能に設 定するに際しては、これにお供え品（Ｍ）と同系の乳白色やその他の着色カラー を与えることができ、そうすれば鏡餅型のお供え容器として、ますます違和感な く使用し得ることになる。

【００２９】 尚、第２、３実施例におけるその他の構成は第１実施例と実質的に同一である ため、その図３、４図に図１、２との対応符号を記入するにとどめて、その詳細 な説明を省略する。

【００３０】

【考案の効果】

以上のように、本考案のお供え容器ではその構成上、内部の連通する上段小容 器（Ａ）と下段大容器（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面視の同芯 円形で、且つ側面視の積み重なるほぼ楕円形に一体成形し、その大小両容器（Ａ ）（Ｂ）の内部に小餅やもち米、砂糖などのお供え品（Ｍ）を収納させると共に 、上記下段大容器（Ｂ）の底面に開設したお供え品用出し入れ口（１２）を、そ の底面に熱溶着されるシール板（１３）又は／及びその出し入れ口（１２）へ抜 き差し自在に圧入される開閉キヤツプ（１８）により、封止状態に保ってあるた め、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良することができ、一般家庭おいて便 利に使える効果がある。

【００３１】 即ち、本考案の上記構成によれば、上段小容器（Ａ）と下段大容器（Ｂ）とが 内部の連通する積み重ね状態に一体成形されており、全体的な鏡餅形状をなして いるため、その内部に収納されたお供え品（Ｍ）が外部から透視不能であること とも相俟って、その容器自身を鏡餅と擬制しつつ、従来の習慣通り違和感なく神 棚などへ供え使用できるのである。

【００３２】 又、上記下段大容器（Ｂ）の底面にはお供え品用出し入れ口（１２）が開設さ れているため、容器自身を少しも切断したり、解体したりすることなく、その内 部からお供え品（Ｍ）を取り出すことができ、即刻食用に供し得るのであり、更 にお供え品（Ｍ）を収納させた後、その出し入れ口（１２）をシール板（１３） の熱溶着により気密化するならば、お供え品入りの鏡餅型容器として市販するこ ともできることになる。

【００３３】 その場合、上記出し入れ口（１２）に開閉キヤツプ（１８）を圧入の上、更に シール板（１３）で気密化するならば、そのシール板（１３）の剥ぎ取りや切り 裂きなどにより、お供え品（Ｍ）を取り出した後にも、その開閉キヤツプ（１８ ）の付属により、お供え容器を何度も反復使用できるので、著しく便利である。

【００３４】 特に、請求項２の構成を採用するならば、お供え容器に対するお供え品（Ｍ） の出し入れを、ますます簡便にすばやく行なえる効果がある。

【００３５】 そして、このような効果は請求項３の構成を採用するも、全く同様に達成する ことができ、それにも拘らずお供え容器を安定良く接地させた状態として、神棚 などへ供え使用し得る効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る第１実施例のお供え容器を示す半
欠截断面図である。

【図２】図１に対応する部分変形例を示す半欠截断面図
である。

【図３】同じく第２実施例のお供え容器を示す半欠截断
面図である。

【図４】更に第３実施例のお供え容器を示す半欠截断面
図である。

【符号の説明】

（１２）・出し入れ口 （１３）・シール板 （１５）・接地座 （１８）・開閉キヤツプ （Ａ）・・小容器 （Ｂ）・・大容器 （Ｍ）・・お供え品 （ｓ１）・内径 （ｓ２）・内径

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部の連通する上段小容器（Ａ）と下段大
   容器（Ｂ）とを、不透明な熱可塑性合成樹脂から平面視
   の同芯円形で、且つ側面視の積み重なるほぼ楕円形に一
   体成形し、 その大小両容器（Ａ）（Ｂ）の内部に小餅やもち米、砂
   糖などのお供え品（Ｍ）を収納させると共に、 上記下段大容器（Ｂ）の底面に開設したお供え品用出し
   入れ口（１２）を、その底面に熱溶着されるシール板
   （１３）又は／及びその出し入れ口（１２）へ抜き差し
   自在に圧入される開閉キヤツプ（１８）により、封止状
   態に保ったことを特徴とする鏡餅型のお供え容器。
2. 【請求項２】お供え品用出し入れ口（１２）の内径（ｓ
   ２）を、大小両容器（Ａ）（Ｂ）における境界部での内
   径（ｓ１）と同等か、又はこれよりも大きく寸法化した
   ことを特徴とする請求項１記載の鏡餅型のお供え容器。
3. 【請求項３】お供え品用出し入れ口（１２）を下段大容
   器（Ｂ）の底面全開状態として開口させると共に、その
   大容器（Ｂ）の底面から外方へ接地座（１５）を連続一
   体に張り出したことを特徴とする請求項１記載の鏡餅型
   のお供え容器。