JP4570422B2 - 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4570422B2
JP4570422B2 JP2004243478A JP2004243478A JP4570422B2 JP 4570422 B2 JP4570422 B2 JP 4570422B2 JP 2004243478 A JP2004243478 A JP 2004243478A JP 2004243478 A JP2004243478 A JP 2004243478A JP 4570422 B2 JP4570422 B2 JP 4570422B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride semiconductor
semiconductor laser
ridge stripe
laser device
metal film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004243478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006066411A (ja
JP2006066411A5 (ja
Inventor
有三 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2004243478A priority Critical patent/JP4570422B2/ja
Publication of JP2006066411A publication Critical patent/JP2006066411A/ja
Publication of JP2006066411A5 publication Critical patent/JP2006066411A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4570422B2 publication Critical patent/JP4570422B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子およびこれを用いた装置に関し、より詳細には、リッジストライプ部の両脇に形成された溝部に空洞部を有する窒化物半導体レーザ素子およびこれを用いた装置に関する。
従来、InGaAs系半導体レーザ装置のジャンクションダウン接合に関して、例えば特許文献1に次にように開示されている。すなわち、InGaAs系半導体レーザ素子の逆メサ型リッジ部の両脇にある溝が金属によって埋め込まれることによって、半田がリッジ部両脇の溝に不均一に入り込むことを防止し、半田の不均一による放熱不良やリッジ部での不均一な応力印加を防止することができるものである。
特開2001−94211号公報
一方、窒化物半導体レーザ素子の高出力化に伴って、レーザ素子の温度上昇を抑制する必要があり、そのための一つの解決方法として、窒化物半導体レーザ素子をジャンクションダウンでサブマウントに接合させる方法がある。ここで、ジャンクションダウンとは半導体レーザ素子のリッジストライプ部が形成された面をサブマウントに接合させることである。
上記に基づき、本発明者らは、図6(a)に示す窒化物半導体レーザ装置を創出した。ここで、図6(a)はジャンクションダウンの一例である窒化物半導体レーザ装置の概略断面図を示している。図6(a)の窒化物半導体レーザ装置は、基板200上に、n型窒化物半導体層201、窒化物半導体活性層202、p型窒化物半導体層203がこの順で形成されている。さらに、p型窒化物半導体層203の側に形成されたリッジストライプ部204と、前記リッジストライプ部204に沿ってその両脇に形成された丘部206と、前記リッジストライプ部204と前記丘部206との間の溝部205を具備している。p型窒化物半導体層203上には金属膜(金メッキ)207が形成され、当該金属膜207とサブマウント209とが接合されている。
このような窒化物半導体レーザ装置により、レーザ発振の際、最も温度が上昇するリッジストライプ部での熱を、サブマウントを介して放熱させることができる。さらに効率良く放熱させるためには、リッジストライプ部を金属膜で被覆することが好ましいことがわかった。すなわち、図6(a)に示す窒化物半導体レーザ装置において、溝部205はすべて金属膜207によって埋没された構造とされる。金メッキはそれ自体の形成温度が低い(約50度前後)ため、金メッキと金メッキを被覆させる側の半導体材料との熱膨張係数差は問題にならないと本発明者らは考えた。しかしながら、金メッキ207を形成するためには、金メッキを被覆した後、アニール処理を施す工程が必要であるため、この際の熱膨張係数差によって生じた応力が窒化物半導体レーザ素子に悪影響を及ぼすことがわかった。しかも、金メッキと窒化物半導体との間の熱膨張係数差は、金メッキと(In)GaAs系半導体と比べて大きく、金メッキでリッジ部を完全に被覆すると金メッキによる応力をより強く受けてしまうと考えられる。
このような窒化物半導体レーザ装置から出射されたレーザ光の水平ファーフィールドパターン(水平FFP)を観測したところ、図6(b)の模式図で示したように、単峰の波形にリップルが重なり合った波形が得られた。このようなレーザ光を光学装置に用いた場合、光学レンズで十分にレーザ光を集光できないといった問題や、リップルのために注入電流と出力との関係がリニア−に応答しないといった問題が生じた。ここで、図6(b)において、縦軸は強度を表し、横軸は水平FFPの角度を表す。
図6(b)の水平FFPのような歪な波形が得られてしまった理由は定かではないが以下のことを推測することができる。図6(a)は模式図であるため、詳細な構造は図示されていないが、実際はリッジストライプ部のみに電流が注入される構造になっていて、窒化物半導体活性層202のうち、実質的にレーザ発振に寄与する部分はリッジストライプ部の上の発光領域900である。
上記の窒化物半導体レーザ装置は、図6(a)に示しているように溝部205が金メッキ207で満たされているため、図6(a)中の丸910で示したように、実質的にレーザ発振に寄与する活性層部分の発光領域900と金メッキ207が非常に近接した位置にあった。そのため、発光領域900内で活性層は金メッキから局所的に異なった応力を受ける。このような局所的な応力は発光領域900内部で局所的に異なった屈折率を与える。これが図6(b)のような水平FFPが得られた原因であると推測することができる。
さらに、このような水平FFPを有する半導体レーザ装置を光学装置に組み込んだ場合、例えばそのレーザ装置から放射されるレーザ出力をモニターしようとしても出力が注入電流に対してリニア−に応答しないため、光学装置の設計が非常に困難であった。
さらに、窒化物半導体レーザ素子はその高出力化に伴って、リッジ部の幅を狭くする必要があり、少なくとも2μm幅よりも狭くする必要があると考えられる。このようなリッジの狭ストライプ化はリッジストライプ部での応力印加による影響を受けやすくするとともに、特にジャンクションダウンでその窒化物半導体レーザ装置を組み立てる際に生じる応力が、リッジストライプ部に損傷を与えて歩留まりが低下してしまうといった問題もあった。
上記の説明では、ジャンクションダウン接合かつ金メッキの場合について言及したが、ジャンクションアップ接合であっても金メッキ以外の金属であっても同様な問題が生じる。上記課題の本質的な原因は、リッジストライプ部が設けられた窒化物半導体レーザ素子において、そのリッジストライプ部が金属膜で完全に被覆されたことによる応力印加であるからである。
本発明は、上記従来の技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リッジストライプ部に印加される応力を低減して、水平FFPを整え、良好なレーザ出力特性を有する、窒化物半導体レーザ素子およびこれを用いた装置を提供することである。
本発明の1つの局面によれば、半導体層に、リッジストライプ部が設けられ、該リッジストライプ部に沿って両脇に溝部が設けられ、前記リッジストライプ部と対向する、該溝部の脇に丘部が設けられた、窒化物半導体レーザ素子において、前記溝部の上方に形成された金属膜と該溝部の底部との間に空洞部を有することを特徴とする窒化物半導体レーザ素子が提供される。
好ましくは、空洞部は、リッジストライプ部の側面と溝部の底部と丘部の側面とに囲まれる領域中に存在する。
好ましくは、溝部の幅が5μm〜50μmの範囲内である。
好ましくは、リッジストライプ部の形状は、略矩形状であるかまたは逆メサ形状である。
好ましくは、溝部の底部上に少なくとも絶縁膜が形成されている。
好ましくは、溝部の底部上に第1の絶縁膜が形成され、該第1の絶縁膜上にp電極が形成され、該p電極上に第2の絶縁膜が形成されている。
好ましくは、第1の絶縁膜および第2の絶縁膜のうち少なくとも一方は酸化シリコンである。
好ましくは、リッジストライプ部の上方にさらに金属膜が形成され、該リッジストライプ部と該金属膜との間にさらに空洞部が形成されている。
好ましくは、金属膜は、金メッキ、銅メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ、錫メッキ、錫銅合金メッキであるか、あるいはNi,Mo,Au,Ag,Cu,Ti,Al,Pd,PtまたはFeのいずれかよりなる金属膜である。
好ましくは、空洞部は、少なくともリッジストライプ部の側面と溝部の底部とが接する部分を含む。
本発明の別の局面によれば、上記の窒化物半導体レーザ素子が、サブマウントまたはステムにジャンクションダウンで接合された窒化物半導体レーザ装置が提供される。
本発明によれば、リッジストライプ部に印加される応力を低減して、水平FFPを整え、良好なレーザ出力特性を発揮することができる窒化物半導体レーザ素子およびこれを用いた装置を提供することができる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子によれば、半導体層に、リッジストライプ部が設けられ、該リッジストライプ部に沿って両脇に溝部が設けられ、前記リッジストライプ部と対向する、該溝部の脇に丘部が設けられた、窒化物半導体レーザ素子において、前記溝部の上方に形成された金属膜と該溝部の底部との間に空洞部を有することを特徴とする。
これにより、リッジストライプ部に印加される応力を低減することができ、それにより水平FFPが改善される。したがって、良好なレーザ出力特性を有する、窒化物半導体レーザ素子およびこれを用いた装置を提供することができる。
以下、本発明の窒化物半導体レーザ素子について、図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の窒化物半導体レーザ素子の概略断面図である。
図1において、基板200上に、n型窒化物半導体層201、窒化物半導体活性層202およびp型窒化物半導体層203がこの順で形成されている。ここで、p型窒化物半導体層203には、リッジストライプ部204と、前記リッジストライプ部に沿ってその両脇に形成された丘部206と、前記リッジストライプ部204と前記丘部206との間の溝部205とが形成されている。
また、p型窒化物半導体層203上には、リッジストライプ部204と丘部206との上において金属膜207が形成され、溝部205上には形成されていない。そのため、溝部205には空洞部208が存在することになる。さらに、金属膜207は、サブマウント209とジャンクションダウンで接合されている。
図1に示す本発明の窒化物半導体レーザ素子を作製するために手順について図2を用いて説明する。
図2(a)は、リッジストライプ部204が設けられた窒化物半導体レーザ素子の上に、金属膜207が施される前の1つの実施形態を模式的に表した断面図である。図2(a)の窒化物半導体レーザ素子において、まず、基板200上に、当該分野で公知の手順により、n型窒化物半導体層201、窒化物半導体活性層202、p型窒化物半導体層203を形成する。次に、p型窒化物半導体層203の側に、リッジストライプ部204と、前記リッジストライプ部に沿ってその両脇に形成された丘部206と、前記リッジストライプ部204と前記丘部206との間の溝部205を形成する。これらの形成方法としては、反応性イオンエッチング(RIE)、ICP(Inductively Coupled Plasma)を挙げることができる。
次に、p型窒化物半導体層203の上に金属膜207を形成する。この状態を図2(b)に示す。p型窒化物半導体層上に金属膜207を形成する方法は、電気メッキ、浸漬メッキ、合金メッキ、EB蒸着、ECR法などを用いることができる。
なお、図2(b)において、金属膜207はリッジストライプ部204と丘部206の上に形成され、溝部205には形成されない。そのため、溝部205には空洞部208が存在する。本発明に係る窒化物半導体レーザ装置の1つの特徴は、溝部205に金属膜207が形成されていない空洞部208を有することである。なお、当該空洞部208はリッジストライプの一側面と溝部の底部と丘部の側面とからなる領域中に存在することになる。
次いで、金属膜207がサブマウント209に接合された状態を図2(c)に示す。図2(c)で示されているように、窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ部204が設けられた面側に金属膜207を介してサブマウント209に接合される。当該接合にあたっては、半田材を用いることができる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、金属膜が活性層に応力を与えないようするため、上記図1および2に示したように、金属膜と活性層とを空間的に分離させている。具体的には、溝部205に金属膜207が形成されない空洞部208を設けている。特に、金属膜207と実質的にレーザ発振に寄与する発光領域900とを空間的に分離することが肝要である。そのため、金属膜207と発光領域900とが最も近接する丸910の部分、すなわち、リッジストライプ部204の側面と溝部205の底部とが接する部分を、金属膜で被覆されない空洞部208が少なくとも含んでいることが好適である。
このような溝部205において金属膜207が進入しない空洞部208を設けるためには以下の方法が挙げられる。図2(b)に示すような溝部205の幅Wを5μm以上50μm以下にすることである。溝部205の幅Wを狭くすることによって、金属膜が溝部205に進入することを防止できる。より効果的には、溝部205の幅Wを50μm以下、さらに好ましくは20μm以下にすることである。溝部205の幅Wの下限値には特に制限はないが、リッジストライプ部204の形成を阻害しない程度であって、5μm以上が適当である。
また、リッジストライプ部204の形状は、図3(a)で示されているような、略矩形形状もしくは逆メサ形状であることが好ましい。リッジストライプ部204がこのような形状を有すると、金属膜が溝部205の内部に侵入しにくくなるためである。特にリッジストライプ部204の側面と溝部205の底部とが接する300の部分が、金属膜で被覆されにくくなるため好ましい。
金属膜と活性層とを空間的に分離させるための別の手法は、空洞部を設けたい部分に金属膜が阻害される構造を形成することである。具体的には、図3(b)の模式図を用いて説明する。図3(b)は窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ部近傍の構造を詳細に記載した以外は図2と同様である。
図3(b)は、リッジストライプ部204を有する窒化物半導体レーザ素子の上に形成された、第1の絶縁膜310、p電極320、金属層330、金属膜207および空洞部208を含んでいる。
第1の絶縁膜310はリッジストライプ部204のみに電流が狭窄注入されるために設けられた絶縁膜である。当該第1の絶縁膜310には酸化シリコン(SiOなど)または窒化シリコン(SiNxなど)などを用いることができる。第1の絶縁膜310は特に酸化シリコン(SiOなど)が好ましい。これは、絶縁膜も活性層に対して応力を与える原因となりえるため、ヤング率の小さい酸化シリコンが好ましいからである。当該第1の絶縁膜310はたとえば次のようにして形成することができる。まず、p型窒化物半導体層203を加工してリッジストライプ部204を形成する。次にリッジストライプ部204の上面にレジストを塗布した後、スパッタ法を用いて酸化シリコンを形成する。その後、前記レジストを除去して第1の絶縁膜310を完成させる。
p電極320はリッジストライプ部204の上面に接して形成される。そして、金属層330は丘部206の上に形成される。ここで、金属層330はその上に形成される金属膜の成長を促進させるものであって、好ましくは金属膜と同種の金属である。たとえば、金属膜として金メッキを用いた場合、好ましい金属は金である。同様に、p電極320はリッジストライプ部に電流を注入させるための電極としての作用のほかに、金属層330と同じように金属膜の成長を促進させる作用も兼ね備えている。この作用を好ましく用いるためには、p電極320の最表面は金属膜と同種の金属であることが好適である。同様に金属膜として金メッキを用いた場合、好ましい金属は金である。p電極320と金属層330は互いに別の材料で形成しても構わない。しかしながら、p電極320と金属層330が同一であると、製造工程が簡略化されるためにより好ましい。このようなp電極および金属膜はたとえば、次のようにして形成することができる。すなわち、第1の絶縁膜310を形成した後、レジストを塗布してp電極が形成される部分に開口部を設ける。次に、EB蒸着によりp電極を形成し、前記レジストを除去してp電極320を完成させる。続いて電気メッキにより、膜厚5μmの金属膜(メッキ)を完成させる。
たとえば、上記のp電極320と金属層330とを形成した後にメッキを施すと、金属が露出されている部分に、すなわちp電極320および金属層330に選択的にメッキ(金属膜)が形成される。他方、溝部は第1の絶縁膜310で覆われているため、メッキ(金属膜)が形成されにくく、結果的に溝部205に空洞部208が形成される。
したがって、溝部205の底部の表面が絶縁膜で被覆され、その絶縁膜が露出された状態で金属膜を施すことが肝要である。さらに好ましくは、リッジストライプ部204の側面と溝部205の底部とが接する部分の上方に絶縁膜を形成することである。
図3(b)で示した構造は一例であって、例えば図4で示されているような構造を用いても構わない。図4の構造は、図3(b)のp電極320と金属層330を区別することなく一連の電極層としてp電極105が窒化物半導体レーザ素子の全面に形成されている点と、金属膜を形成したくない溝部の底部に第2の絶縁膜106を形成している点が、図3(b)と異なる。これ以外は、図3(b)の構造と同一である。
図4のような構造を用いると、p電極が一連の連続層として形成されているので製造工程が簡略化されるというメリットがある。第2の絶縁膜106は具体的には酸化シリコン(SiOなど)が最も好ましい。これは、絶縁膜も活性層に対して応力を与える原因となりえるため、ヤング率の小さい酸化シリコンが好ましいからである。図4におけるp電極および第2の絶縁層の形成方法は上述したものと同様の方法で行うことができる。
本発明の窒化物半導体レーザ素子は、その高出力化に伴って、リッジ部の幅を狭くする必要があり、少なくとも2μmよりも狭くする必要がある。このようなリッジの狭ストライプ化はリッジストライプ部での応力印加を助長するとともに、リッジストライプ部が損傷を受けて歩留まりが低下するといった問題がある。特に、ジャンクションダウンで接合する場合、その影響はジャンクションアップ接合に比べて大きい。
この問題を解決する1つの方法は、窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ部の上面を金属膜と接合しないことである。リッジストライプ部の上面と金属膜とを接合させないための方法として、例えば、リッジストライプ部の上に形成されたp電極の上にさらに絶縁膜を形成して、金属膜との接合を阻止することができる。または、リッジストライプ部と金属膜との間にも空洞部(隙間)を形成することによって金属膜との接合を阻止することができる。
このことによってリッジストライプ部は外部から応力を遮蔽することができ、ジャンクションダウンで接合したとしても、リッジストライプ部が損傷を受けて歩留まりが低下することを防止することができる。ただし、このような構成にすると、直接リッジストライプの上面から電流を注入することができないといった問題が新たに生じる。しかしながら、この問題は、例えば図4のような構成で電流を注入することにより解決することができる。すなわち、電流は、サブマウントから金属膜を通って、丘部の上面に形成されたp電極105へと流れ、さらにp電極105内を伝ってリッジストライプの上面へと流れる。
上述のように、金属膜と活性層とを空間的に分離させることによって、金属膜からの応力を抑制することができ、図5の模式図で示されているような、リップルが軽減された単峰の放射スペクトルからなる水平FFPを得ることができる。
本発明において、上記で説明された金属膜は、たとえば、金メッキを用いることができ、金以外のメッキも用いることができる。これには、例えば、銅メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ、錫メッキ、錫銅合金メッキなどが挙げられる。さらに、上記で説明された金メッキは、Ni、Mo、Au、Ag,Cu、Ti、Al、Pd、PtまたはFeなどの金属からなる金属膜に置換することもでき、これらを用いても、本発明に係る同様の効果を得ることができる。特に、メッキまたは金属の層厚が0.5μm以上、好ましくは1μm以上の厚みにおいて効果的である。
また、上記ではジャンクションダウン接合の模式図を用いて説明されたが、ジャンクションアップ接合であっても本発明と同様の効果を得ることができる。また、上記ではサブマウントに接合する場合について説明されたが直接ステムに接合しても構わない。
本発明において、基板としては、GaN基板またはAlN基板を用いることができる。また、窒化物半導体とは具体的には、AlGaN、InGaN、GaNなどである。また、メッキ(金属膜)は、シアン系金メッキあるいは亜硫酸系金メッキを用いることができる。亜硫酸系金メッキは硬度が高いため、変形を引き起こしにくいため特に好ましい。また、光沢金メッキを施すと表面の粒子がより細かくなるため、サブマウントとの密着性が良好になるため好適である。
また本発明において、サブマウントは主にSiCまたはAlNが好ましく用いられ、これらは金属との密着性が悪いために光沢金属膜は効果的である。また、本発明において、サブマウントと半導体層とを半田を介して接合することができる。この際に用いる半田は好ましくは金錫である。その比率は約、金:錫=70:30であることが好ましい。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の窒化物半導体レーザ素子の概略断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の製造プロセスを示す概略断面図である。 (a)はリッジストライプ部の形状を示す概略断面図であり、(b)はリッジストライプ部の別の形態を示す概略断面図である。 本発明の窒化物半導体レーザ素子の別の形態を示す概略断面図である。 水平FFPを、グラフを用いて表す図である。 従来の窒化物半導体レーザ素子の概略断面図である。
符号の説明
200 基板、201 n型窒化物半導体層、202 窒化物半導体活性層、203 p型窒化物半導体層、204 リッジストライプ部、205 溝部、206 丘部、207 金属膜、208 空洞部、209 サブマウント、300 リッジストライプ部の側面と溝部の底面が接する部分、310 第1の絶縁膜、320 p電極、330 金属層、900 発光領域、910 溝部と発光領域とが最も近接する部分。

Claims (12)

  1. ッジストライプ部、前記リッジストライプ部に沿って両脇に設けられた溝部、および、前記リッジストライプ部と対向する、前記溝部の脇に設けられた丘部を備える半導体層と、
    前記溝部の側面および底面、ならびに前記丘部の上面を被覆するように積層される第1の絶縁膜と、
    前記リッジストライプ部の上面および前記第1の絶縁膜の表面を被覆するように積層される電極層と、
    前記溝部の底部において、前記電極層上に積層される第2の絶縁膜と、
    前記電極層上に配置されるジャンクションダウン接合用の金属膜であって、前記リッジストライプ部上の電極層の表面および前記丘部上の電極層の表面に接して積層される金属膜と、
    を備え、
    前記金属膜と前記第2の絶縁膜との間に第1の空洞部を有することを特徴とする、窒化物半導体レーザ素子。
  2. 前記第1の空洞部は、前記リッジストライプ部の側面と前記溝部の底部と前記丘部の側面とに囲まれる領域中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  3. 前記溝部の幅が5μm〜50μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 前記リッジストライプ部の形状は、略矩形状であるかまたは逆メサ形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜のうち少なくとも一方は酸化シリコンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 前記リッジストライプ部上の電極層と前記リッジストライプ部上の金属膜との間に、第3の絶縁膜を備える、請求項1〜のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 前記第3の絶縁膜と前記リッジストライプ部上の金属膜との間に、第2の空洞部をさらに有する、請求項6に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 前記金属膜は、金メッキ、銅メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ、錫メッキ、錫銅合金メッキであるか、あるいはNi,Mo,Au,Ag,Cu,Ti,Al,Pd,PtまたはFeのいずれかよりなる金属膜であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 前記金メッキは、シアン系金メッキまたは亜硫酸系金メッキであることを特徴とする、請求項に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  10. 前記金属膜は、光沢処理されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 前記リッジストライプ部の幅は、2μm以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子が、サブマウントまたはステムにジャンクションダウンで接合された窒化物半導体レーザ装置。
JP2004243478A 2004-08-24 2004-08-24 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置 Expired - Fee Related JP4570422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004243478A JP4570422B2 (ja) 2004-08-24 2004-08-24 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004243478A JP4570422B2 (ja) 2004-08-24 2004-08-24 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006066411A JP2006066411A (ja) 2006-03-09
JP2006066411A5 JP2006066411A5 (ja) 2007-03-08
JP4570422B2 true JP4570422B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=36112664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004243478A Expired - Fee Related JP4570422B2 (ja) 2004-08-24 2004-08-24 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4570422B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5098166B2 (ja) * 2005-12-12 2012-12-12 日亜化学工業株式会社 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP4940987B2 (ja) * 2006-03-20 2012-05-30 日亜化学工業株式会社 窒化物半導体レーザ素子及びその製造方法
JP6627651B2 (ja) 2016-06-09 2020-01-08 三菱電機株式会社 レーザ素子、レーザ素子の製造方法
CN108551077A (zh) * 2018-03-08 2018-09-18 深圳瑞波光电子有限公司 一种半导体激光器件及其制作方法
CN111200237A (zh) * 2018-11-20 2020-05-26 潍坊华光光电子有限公司 一种桥式电极半导体激光器及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058965A (ja) * 1998-08-17 2000-02-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置及び半導体レーザ素子
JP2001094211A (ja) * 1999-09-21 2001-04-06 Fuji Photo Film Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2001308460A (ja) * 2000-04-27 2001-11-02 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子とその光ピックアップ装置
JP2002314184A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Nec Corp 光半導体モジュール
JP2002368337A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体光機能素子およびその製造方法
JP2003163402A (ja) * 2001-11-26 2003-06-06 Denso Corp 半導体レーザ素子および半導体レーザ素子搭載用サブマウント
JP2003318479A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp 化合物半導体発光素子のコンタクト抵抗測定方法
JP2004014659A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Hitachi Ltd 半導体レーザ装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3461632B2 (ja) * 1995-08-28 2003-10-27 三菱電機株式会社 半導体レーザ装置
JP3139423B2 (ja) * 1997-09-02 2001-02-26 日本電気株式会社 光素子の実装構造

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058965A (ja) * 1998-08-17 2000-02-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置及び半導体レーザ素子
JP2001094211A (ja) * 1999-09-21 2001-04-06 Fuji Photo Film Co Ltd 半導体発光素子およびその製造方法
JP2001308460A (ja) * 2000-04-27 2001-11-02 Sharp Corp 窒化物半導体レーザ素子とその光ピックアップ装置
JP2002314184A (ja) * 2001-04-11 2002-10-25 Nec Corp 光半導体モジュール
JP2002368337A (ja) * 2001-06-11 2002-12-20 Oki Electric Ind Co Ltd 半導体光機能素子およびその製造方法
JP2003163402A (ja) * 2001-11-26 2003-06-06 Denso Corp 半導体レーザ素子および半導体レーザ素子搭載用サブマウント
JP2003318479A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp 化合物半導体発光素子のコンタクト抵抗測定方法
JP2004014659A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Hitachi Ltd 半導体レーザ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006066411A (ja) 2006-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6337036B2 (ja) 半導体レーザダイオード
US11626707B2 (en) Semiconductor laser diode
JP2010074131A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
KR101960128B1 (ko) 레이저 다이오드 디바이스
US20100202480A1 (en) Semiconductor light-emitting element and method for manufacturing the same
JP4131623B2 (ja) 電極構造およびその製造方法
TWI234914B (en) Ridge waveguide type semiconductor laser
WO2009107621A1 (ja) 半導体レーザ素子およびその製造方法
JP2005236301A (ja) 半導体レーザデバイス
JP4583058B2 (ja) 半導体レーザ素子
JP4570422B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子およびそれを用いた装置
US20050141579A1 (en) Semiconductor laser and method for fabricating the same
US20130272333A1 (en) Laser Diode Device
JP2004140052A (ja) 電極構造およびその製造方法
JP2007027181A (ja) 窒化物半導体レーザ装置
US20070076772A1 (en) Semiconductor laser device
JP2000299528A (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
KR101136239B1 (ko) 레이저 다이오드 제조방법
JP4286097B2 (ja) 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置
JP2010003885A (ja) 面発光レーザ
JP2018532274A (ja) 半導体レーザ、半導体レーザの製造方法およびウェハ
JP2008021762A (ja) 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置
JPH0997946A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JP4883536B2 (ja) 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置
JP2008091768A (ja) 半導体レーザ装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4570422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees